特許第6051407号(P6051407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051407
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20161219BHJP
   H01H 21/26 20060101ALI20161219BHJP
   H01H 13/16 20060101ALN20161219BHJP
【FI】
   H01H36/00 M
   H01H21/26
   !H01H13/16 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-59522(P2013-59522)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-186814(P2014-186814A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】山下 康弘
(72)【発明者】
【氏名】笹之内 清孝
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−199047(JP,A)
【文献】 特開平10−012108(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0243595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
H01H 21/26
H01H 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱型のケースと、このケース内底面に装着され、上下方向に磁界が形成された略柱状の磁石と、この磁石側面に所定の間隙を空けて対向配置された磁気検出手段からなり、上記磁石の下端に上記磁気検出手段の方向に突出する、略三角柱状の傾斜部を設けたスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車のブレーキペダル操作時の、ストップランプの消点灯制御等に用いられる車両用のスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ブレーキペダルを踏み込んだ際にはストップランプを点灯させ、離した際には消灯させる、ブレーキペダルの操作に伴うストップランプの制御用として、様々なスイッチ装置が使用されている。
【0003】
このような、従来のスイッチ装置について、図6図9を用いて説明する。
【0004】
図7は従来のスイッチ装置の断面図、図8は同部分斜視図であり、同図において、1は略箱型で絶縁樹脂製のケース、2は略半円柱状で上下面にN極とS極が設けられた磁石で、磁石2がケース1内底面に装着されると共に、この磁石2によって上下方向に磁界が形成されている。
【0005】
そして、3は前後面に複数の配線パターン(図示せず)が形成された配線基板、4はホールIC等の磁気検出手段で、この磁気検出手段4が配線基板3下端に実装装着されて、磁石2側面に所定の間隙を空けて対向配置されている。
【0006】
また、5はリレー等のスイッチング手段、6は略L字状で銅合金等の端子で、複数の端子6の下端が半田付け等によって配線基板3に実装されると共に、この複数の端子6と磁気検出手段4、スイッチング手段5が配線パターンを介して、電気的に接続されている。
【0007】
さらに、7は絶縁樹脂製のカバーで、このカバー7がケース1上面を覆うと共に、複数の端子6の上端がカバー7上面の角筒部7A内に延出して、スイッチ装置8が構成されている。
【0008】
そして、このように構成されたスイッチ装置8が、図6の斜視図に示すように、自動車のブレーキペダル20のアーム20Aに固着された磁性体21に、磁石2が所定の間隙を空けて対向するように装着されると共に、複数の端子6の上端がリード線やコネクタ(図示せず)等によって、車両のストップランプや電子回路(図示せず)等に接続される。
【0009】
なお、このようにブレーキペダル20が踏み込まれていない状態では、磁石2が磁性体21に近接して、磁石2の磁気が強くなり、図9の波形図に示すように、この磁界の垂直方向の磁力、例えば10mT前後の磁束密度を磁気検出手段4が検出しているため、これに接続されたスイッチング手段5はOFFとなって、ストップランプは消灯した状態となっている。
【0010】
以上の構成において、ブレーキペダル20が踏み込まれると、アーム20Aが回動軸20Bを支点として回動し、磁性体21が磁石2を収納したスイッチ装置8から離れるため、磁石2の磁気が弱くなり、この漸次減少する磁束密度を磁気検出手段4が検出する。
【0011】
そして、この磁気の変化が所定の値以下、例えば0mT前後の磁束密度になると、磁気検出手段4からスイッチング手段5にON信号が出力されて、スイッチング手段5がONとなり、ストップランプが点灯する。
【0012】
つまり、ブレーキペダル20の操作によって、スイッチ装置8の磁石2に対向した磁性体21を接近、あるいは離す方向に移動させて、磁石2と磁性体21の距離を変化させると共に、この移動に伴って変化する磁石2の磁気を磁気検出手段4が検出し、所定の磁束密度、例えば3〜−3mT前後の磁束密度になると、スイッチング手段5をOFFまたはONさせることで、ストップランプの消点灯を行うように構成されているものであった。
【0013】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2012−199047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来のスイッチ装置においては、ブレーキペダル20を操作した際に、磁性体21の移動に伴って磁気検出手段4が検出する磁石2の磁束密度の変化が比較的緩やかであるため、図9に示すように、例えば3〜−3mT前後の磁束密度でスイッチング手段5を切換えようとした場合、その間の磁石2と磁性体21の距離L、すなわちブレーキペダル20の操作量が大きなものとなってしまい、精度のよい検出を行うことが困難であるという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、高精度な検出が行え、確実な操作が可能なスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、ケース内底面に装着され上下方向に磁界が形成された略柱状の磁石の下端に、側面に所定の間隙を空けて対向配置された磁気検出手段の方向に突出する、略三角柱状の傾斜部を設けてスイッチ装置を構成したものであり、磁石下端の略三角柱状の傾斜部によって、磁石下面の面積が大きく形成され、ブレーキペダルの小さな操作量で、磁気検出手段が検出する磁石の磁束密度が大きく変化するため、高精度な検出を行うことができ、確実な操作が可能なスイッチ装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、高精度な検出が行え、確実な操作が可能なスイッチ装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態によるスイッチ装置の断面図
図2】同分解斜視図
図3】同部分斜視図
図4】同波形図
図5】同他の実施の形態による部分斜視図
図6】ブレーキペダルの斜視図
図7】従来のスイッチ装置の断面図
図8】同部分斜視図
図9】同波形図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1図6を用いて説明する。
【0021】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態によるスイッチ装置の断面図、図2は同分解斜視図、図3は同部分斜視図であり、同図において、11は略箱型でポリブチレンテレフタレートやポリオキシメチレン等の絶縁樹脂製のケース、12は略半円柱状でフェライトやNd−Fe−B合金等の磁石で、上下面にN極とS極が設けられ、上下方向に磁界が形成された磁石12が、ケース11の内底面に装着されている。
【0022】
また、13は紙フェノールやガラス入りエポキシ等の配線基板で、前後面には銅箔等によって複数の配線パターン(図示せず)が形成されると共に、この配線基板13下端にホールIC等の磁気検出手段14が実装装着されて、磁石12側面に所定の間隙を空けて対向配置されている。
【0023】
そして、この磁気検出手段14は上下方向に形成された磁石12の磁界の、検出面に対して垂直な前後方向の磁力を検出するホール素子等の、複数の磁気素子14Aと14Bが上下に配列されて形成されると共に、磁石12下端には磁気検出手段14の方向に突出する、略三角柱状の傾斜部12Aが設けられて、磁石12下面の面積が大きく形成されている。
【0024】
さらに、15は接点式のリレーや、GaNやSiC等を用いた半導体リレー等のスイッチング手段、16は略L字状で銅合金等の端子で、複数の端子16の下端が半田付け等によって配線基板13に実装されると共に、この複数の端子16に、例えば、複数の端子16Aにはスイッチング手段15を介して磁気検出手段14の磁気素子14Aが、複数の端子16Bには磁気検出手段14の磁気素子14Bが直接、配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0025】
また、17は絶縁樹脂製のカバーで、このカバー17がケース11上面を覆うと共に、複数の端子16の上端がカバー17上面の角筒部17A内に延出して、スイッチ装置18が構成されている。
【0026】
そして、このように構成されたスイッチ装置18が、図6の斜視図に示すように、自動車のブレーキペダル20のアーム20Aに固着された磁性体21に、磁石12が所定の間隙を空けて対向するように装着されると共に、複数の端子16の上端がリード線やコネクタ(図示せず)等によって、車両のストップランプや電子回路(図示せず)等に接続される。
【0027】
なお、このようにブレーキペダル20が踏み込まれていない状態では、下端の突出した略三角柱状の傾斜部12Aによって、下面の面積が大きく形成され、磁束密度が大きな磁石12が、磁性体21に近接して磁気がさらに強くなり、図4の波形図に示すように、この磁界の検出面に対して垂直方向の磁力、例えば20mT前後の大きな磁束密度を磁気検出手段14の磁気素子14Aが検出しているため、磁気検出手段14からスイッチング手段15にOFF信号が出力され、スイッチング手段15はOFFとなって、端子16Aに接続されたストップランプは消灯した状態となっている。
【0028】
また、磁気検出手段14の磁気素子14Bも同じく20mT前後の大きな磁束密度を検出しているが、電子回路に接続された端子16Bには、上記とは逆に磁気検出手段14からON信号が出力され、これが電子回路に出力されて、例えば、アクセルペダルの踏み込みに関わりなく車両の走行速度を一定に保つ、所謂オートクルーズ装置は動作可能な状態となっている。
【0029】
以上の構成において、ブレーキペダル20が踏み込まれると、アーム20Aが回動軸20Bを支点として回動し、磁性体21が磁石12を収納したスイッチ装置18から離れるため、磁石12の磁気が弱くなり、この磁束密度を磁気検出手段14が検出する。
【0030】
なお、この時、磁気検出手段14の磁気素子14Aと14Bは上下に配列され、例えば磁気素子14Aは磁石12の中間部に、磁気素子14Bは磁石12の端部に対向配置されて、各々が検出する磁界の検出面に対して垂直方向の磁力の大きさが異なるため、磁気素子14Aが検出する磁束密度の波形Mの変化は、磁気素子14Bが検出する磁束密度の波形Nよりも急激に減少するものとなる。
【0031】
そして、この磁気の変化が所定の値以下、例えば磁気素子14Aが検出する波形Mの変化が0mT前後の磁束密度になると、磁気検出手段14からスイッチング手段15にON信号が出力されて、スイッチング手段15がONとなり、端子16Aに接続されたストップランプが点灯する。
【0032】
また、この後、さらにブレーキペダル20が踏み込まれると、磁気素子14Bが検出する波形Nの磁束密度も0mT前後となるため、磁気検出手段14から端子16BにOFF信号が出力され、これが端子16Bから電子回路に出力されて、車両のオートクルーズ装置が停止する。
【0033】
つまり、ブレーキペダル20の操作によって、スイッチ装置18の磁石12に対向した磁性体21を接近、あるいは離す方向に移動させると共に、この移動に伴って磁気検出手段14の磁気素子14Aと14Bが検出する磁石12の磁気の変化に応じて、スイッチング手段15をOFFまたはON、あるいは磁気検出手段14からONまたはOFF信号を出力することで、ストップランプの消点灯やオートクルーズ装置の制御等を行うように構成されている。
【0034】
そして、この時、本発明においては、略半円柱状の磁石12の下端に、磁気検出手段14の方向に突出する略三角柱状の傾斜部12Aが設けられ、磁石12下面の面積が大きく形成されて、磁気検出手段14が検出する磁石12の磁束密度が大きくなっているため、ブレーキペダル20の小さな操作量で、磁束密度を大きく変化させて高精度な検出を行うことが可能なようになっている。
【0035】
すなわち、磁石12下端の略三角柱状の傾斜部12Aによって、磁石12下面の面積を大きく形成し、図4に示すように、20mT前後と大きな磁束密度から急激に変化する波形MやNによって、磁石12の磁界の検出面に対して垂直方向の磁力を検出することで、例えば3〜−3mT前後の磁束密度でスイッチング手段15を切換えようとした場合、その間の磁石12と磁性体21の小さな距離S、すなわちブレーキペダル20の小さな操作量で、精度良く検出が行えるように構成されている。
【0036】
さらに、複数の磁気素子14Aと14Bを上下に配列して磁気検出手段14を形成し、上記のように、急激に減少する磁束密度の波形Mの変化を、磁気素子14Aが検出してストップランプの消点灯を、これよりはやや緩やかな波形Nの変化を、磁気素子14Bが検出してオートクルーズ装置の制御を行うことで、先ずストップランプを点灯した後、さらにブレーキペダル20が操作された場合にのみ、オートクルーズ装置を停止させるといった、確実な操作を行うことが可能なようになっている。
【0037】
なお、複数の磁気素子14Aと14Bを上下ではなく、図5の部分斜視図に示すように、複数の磁気素子14Aと14Bを左右に配列して磁気検出手段14を形成し、これを下端に略三角柱状の傾斜部12Aが設けられた磁石12の側面に対向配置した場合には、磁石12の上面を平坦ではなく傾倒面12Bに形成することによって、例えば磁気素子14Aが検出する磁束密度は急激に変化し、磁気素子14Bが検出する磁束密度はこれよりやや緩やかに変化するようにすることができる。
【0038】
そして、以上の説明では、略半円柱状の磁石12の下端に略三角柱状の傾斜部12Aを形成した構成について説明したが、略角柱状の磁石を用い、この下端に対向配置された磁気検出手段14の方向に突出する、略三角柱状の傾斜部を設けた構成としても、本発明の実施は可能である。
【0039】
また、以上の説明では、磁気検出手段14を複数の磁気素子14Aと14Bを上下または左右に配列して形成し、これらによってストップランプの消点灯やオートクルーズ装置の制御等を行う構成について説明したが、例えばストップランプの消点灯のみを行う場合には、一つの磁気素子のみで磁気検出手段14を形成した構成としてもよい。
【0040】
さらに、以上の説明では、スイッチ装置18に磁気検出手段14とスイッチング手段15を一体に設けた構成について説明したが、スイッチング手段15を車両側に設けた構成や、あるいは、磁気検出手段14やスイッチング手段15から、さらに複数の信号を出力し、ストップランプやオートクルーズ装置以外の装置の制御をも行う構成としても、本発明の実施は可能である。
【0041】
このように本実施の形態によれば、ケース11内底面に装着され上下方向に磁界が形成された略柱状の磁石12の下端に、側面に所定の間隙を空けて対向配置された磁気検出手段14の方向に突出する、略三角柱状の傾斜部12Aを設けることによって、磁石12下端の略三角柱状の傾斜部12Aにより、磁石12下面の面積が大きく形成され、ブレーキペダル20の小さな操作量で、磁気検出手段14が検出する磁石12の磁束密度が大きく変化するため、高精度な検出を行うことができ、確実な操作が可能なスイッチ装置を得ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によるスイッチ装置は、高精度な検出が行え、確実な操作が可能なものを得ることができるという有利な効果を有し、主に自動車のストップランプの消点灯制御用として有用である。
【符号の説明】
【0043】
11 ケース
12 磁石
12A 傾斜部
12B 傾倒面
13 配線基板
14 磁気検出手段
14A、14B 磁気素子
15 スイッチング手段
16、16A、16B 端子
17 カバー
17A 角筒部
18 スイッチ装置
20 ブレーキペダル
20A アーム
20B 回動軸
21 磁性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9