特許第6051409号(P6051409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051409
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20161219BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H05K13/04 A
   H01L21/60 311T
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-196430(P2013-196430)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-65192(P2015-65192A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2015年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 千尋
(72)【発明者】
【氏名】辻川 俊彦
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−227194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K13/04
H01L21/60−21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搬入される基板搬入部と、
前記基板搬入部から移送された基板に接着テープを貼付けるテープ貼付け部と、
前記テープ貼付け部の下流に設けられ、基板に貼付けられた接着テープ上に部品を搭載する部品搭載部と、
前記部品搭載部の下流に設けられ、基板に搭載された部品を前記接着テープを介して基板に圧着する部品圧着部と、
接着テープが貼付けられた基板を前記テープ貼付け部から前記部品搭載部に移送する第1の基板移送部と、
部品が搭載された基板を前記部品搭載部から前記部品圧着部に移送する第2の基板移送部と、
前記テープ貼付け部、部品搭載部及び部品圧着部のそれぞれに移送された全ての基板に対する所定の作業が完了してから、前記基板搬入部で基板の移送準備が完了するまでの時間を計測する時間計測部とを備え、
前記時間計測部による計測を開始してから所定の時間内に前記テープ貼付け部に基板を移送する準備が完了していないとき、前記テープ貼付け部、部品搭載部及び部品圧着部において待機している各基板を下流に強制移送し、前記部品搭載部及び部品圧着部に強制移送された各基板に対して所定の作業を行うことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
前記テープ貼付け部から下流へ強制移送された基板に貼付けられた接着テープが劣化する前に、前記部品圧着部において当該接着テープが貼付けられた基板に部品を圧着することを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着テープを介して基板に搭載された部品を圧着することにより実装基板を製造する部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等の基板に対し、異方性導電テープ(ACFテープ)等の接着テープを介して部品を実装する部品実装装置として、テープ貼付け装置、仮圧着装置及び本圧着装置を上流から順に配設したものが知られている(例えば特許文献1参照)。部品実装装置の上流には、基板を供給するための供給装置等が配設されるとともに、下流には実装基板を回収するための回収装置等が配設される。また、各装置間には基板搬送機構としてのコンベア部材が配設されている。
【0003】
上流から部品実装装置へ搬送される基板は、まずテープ貼付け装置に移送されて接着テープが貼付けられ、次いで仮圧着装置に移送されて接着テープを介して部品が仮圧着(搭載)される。その後、基板は本圧着装置に移送され、圧着ツールによる押圧を受けて基板に部品が本圧着される。以上の工程を経て実装基板が製造される。本圧着後の基板は部品実装装置から下流へ搬出される。
【0004】
作業タクト向上の観点から、テープ貼付け装置、仮圧着装置及び本圧着装置での各種作業は同時並行的に行われる。これに併せ、上流の装置からテープ貼付け装置への基板の移送、テープ貼付け装置から仮圧着装置への基板の移送、仮圧着装置から本圧着装置への基板の移送、本圧着装置から下流の装置への基板の移送も同時並行的に行われる。
【0005】
このような移送形態の下では、何らかのトラブルにより上流の装置でテープ貼付け装置に基板を移送する準備が完了していない場合、下流の各装置で作業を終えた基板は移送待ちの状態となる。かかる場合、テープ貼付け装置で基板に貼付けられた接着テープは時間の経過とともに接着力が低下する。そのため、移送待ちの解除後にその基板に対して部品の本圧着を行っても、接着力不足による実装不良が発生し得る。この問題を解決する一の手段として、特許文献1に示す例では、接着テープを基板に貼付けてからの経過時間を認識することで、劣化した接着テープを介して基板に部品が圧着される事態を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−227194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術によれば、劣化した接着テープが貼付けられた基板に対する部品の圧着は防止できるが、その一方で次のような問題が発生していた。すなわち、基板の再利用のために接着テープを剥ぎ取る手間がかかるとともに、接着テープの無駄が生じていた。さらに、接着テープの種類によっては剥ぎ取りが困難なものがあり、基板を再利用可能な限度内まで剥ぎ取ることができない場合には基板を破棄せざるを得ないといった問題も生じていた。
【0008】
そこで本発明は、接着テープの劣化を抑制して基板に部品を圧着することができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、基板が搬入される基板搬入部と、前記基板搬入部から移送された基板に接着テープを貼付けるテープ貼付け部と、前記テープ貼付け部の下流に設けられ、基板に貼付けられた接着テープ上に部品を搭載する部品搭載部と、前記部品搭載部の下流に設けられ、基板に搭載された部品を前記接着テープを介して基板に圧着する部品圧着部と、接着テープが貼付けられた基板を前記テープ貼付け部から前記部品搭載部に移送する第1の基板移送部と、部品が搭載された基板を前記部品搭載部から前記部品圧着部に移送する第2の基板移送部と、前記テープ貼付け部、部品搭載部及び部品圧着部のそれぞれに移送された全ての基板に対する所定の作業が完了してから、前記基板搬入部で基板の移送準備が完了するまでの時間を計測する時間計測部とを備え、前記時間計測部による計測を開始してから所定の時間内に前記テープ貼付け部に基板を移送する準備が完了していないとき、前記テープ貼付け部、部品搭載部及び部品圧着部において待機している各基板を下流に強制移送し、前記部品搭載部及び部品圧着部に強制移送された各基板に対して所定の作業を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、時間計測部による計測を開始してから所定の時間内にテープ貼付け部に基板を移送する準備が完了していないとき、テープ貼付け部、部品搭載部及び部品圧着部において待機している各基板を下流に強制移送し、部品搭載部及び部品圧着部に強制移送された各基板に対して所定の作業を行うので、接着テープの劣化を抑制して基板に部品を圧着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の平面図
図2】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるテープ貼付け部の斜視図
図3】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるテープ貼り付け作業を示す図
図4】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品搭載部の斜視図
図5】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品搭載作業を示す図
図6】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品圧着部の斜視図
図7】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品圧着作業を示す図
図8】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える基板移送部の部分斜視図
図9】本発明の一実施の形態における部品実装装置の平面図
図10】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における基板の移送作業を示す図
図11】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
図12】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える表示・入力部に表示される強制移送設定画面を示す図
図13】本発明の一実施の形態における移送判断処理のフロー図
図14】本発明の一実施の形態における通常移送モードのフロー図
図15】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における通常モードでの基板の移送動作を示す図
図16】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における通常モードでの基板の移送動作を示す図
図17】(a)(b)本発明の一実施の形態における通常モードでの基板の移送動作を示す図
図18】本発明の一実施の形態における強制移送モードのフロー図
図19】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における強制移送モードでの基板の移送動作を示す図
図20】(a)(b)本発明の一実施の形態における強制移送モードでの基板の移送動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず図1を参照して、本発明の部品実装装置の全体構成について説明する。部品実装装置1は、接着テープの一種であって異方性導電フィルムをテープ状にしたACFテープを介して基板に搭載された電子部品(以下、単に「部品」と称する)を圧着することにより実装基板を製造する機能を有する。部品の一例としては、フィルム状の部分を有する駆動回路部品が挙げられる。
【0013】
図1において、部品実装装置1は水平面内における一の方向(X方向)に基台1a,1b,1cを整列させ、基台1aに基板搬入部6、基台1bにテープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35、基台1cに基板搬出部45の各作業部を配設し、且つ各作業部よりも前方側の領域に基板移送機構部47を配設して構成される。以下、基板搬入部6の配設側を上流側(紙面左側)とし、基板搬出部45の配設側を下流側(紙面右側)とする。また、X方向と水平面内において直交する方向をY方向と称し、XY平面に対し垂直な方向をZ方向と称する。さらに、前述した5つの作業部のうち、テープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35を「実装作業部」と称する。
【0014】
図1において、基板搬入部6は部品実装装置1よりも上流側に配置された上流側設備で所定の作業を終えた基板2(図2)を搬入する作業部であり、複数(ここでは2つ)の基板保持テーブル7を有する。複数の基板保持テーブル7はX方向に並列して設けられ、テーブル昇降機構によって基台1aに対して個別に昇降する。基板保持テーブル7には、上流側設備が備える移送アーム等の上流側設備移送手段を介して、上流側設備から移送された基板2が載置される。
【0015】
図1図2及び図3において、テープ貼付け部8は、ACFテープ4b(図3)を所定の長さに切断した個片テープ4b1を基板2に貼付ける実装作業部である。このテープ貼付け部8は基台1bの上流側に設けられ、基板位置決め機構9と、基板位置決め機構9の上方に設けられた貼付け機構10から構成される。
【0016】
図2において、基板位置決め機構9は、X軸テーブル11XとY軸テーブル11Yを段積みし、さらにY軸テーブル11Y上に移動ステージ12を設けて構成される。X軸テーブル11Xを駆動させることにより、Y軸テーブル11YはX方向に移動する。またY軸テーブル11Yを駆動させることにより、移動ステージ12はY方向に移動する。
【0017】
移動ステージ12には、複数(ここでは2つ)の基板保持テーブル13がX方向に並列して設けられており、基板搬入部6から移送された基板2を保持する。各基板保持テーブル13は、テーブル昇降機構を駆動させることにより移動ステージ12に対して個別に昇降する。X軸テーブル11X、Y軸テーブル11Y及びテーブル昇降機構を駆動させることにより、基板保持テーブル13に保持された基板2をXYZ方向に移動させ、所定の位置に位置決めすることができる。
【0018】
貼付け機構10は、X方向に並列して設けられた複数(ここでは2つ)のベースプレート14を有する。各ベースプレート14の後方側の面には、X方向に伸びたプレート移動機構15が取り付けられており、プレート移動機構15を駆動させることにより各ベースプレート14は個別にX方向に移動する。
【0019】
各ベースプレート14の前方側の面であって、その上方の位置にはテープ供給リール16が着脱自在に取り付けられている。図3に示すように、テープ供給リール16はセパレータ4aにACFテープ4bを積層した構成のテープ部材4を巻回収納しており、リール駆動機構によって回転駆動される。
【0020】
図2及び図3において、ベースプレート14の下端部の両側には第1のガイドローラ17、第2のガイドローラ18が水平位置に配設されている。テープ部材4は、第1のガイドローラ17を周回してACFテープ4bを下向きにした姿勢で上流から下流に向けて水平方向に導かれる。
【0021】
2つのガイドローラ17,18の中間であって、テープ部材4の水平方向の送給経路の上方には、ツール昇降機構19aによって昇降する圧着ツール19が備えられている。この圧着ツール19よりも上流側の位置には、基板2の電極部3の長さ寸法に応じてACFテープ4bを切断するカッタ部が設けられている。圧着ツール19の下方には、カッタ部によって所定の長さに切断された個片テープ4b1が送給される。個片テープ4b1が基板2に貼付けられてセパレータ4aのみとなったテープ部材4は、第2のガイドローラ18を周回して上方に導かれ、テープ回収部に回収される。
【0022】
図2及び図3において、圧着ツール19の下方には、X方向に伸びた水平面を有するバックアップステージ20が設けられている。バックアップステージ20は、基板2において電極部3が形成される側の縁部を下方から支持する。
【0023】
テープ貼付け作業は、まず図2(b)に示すように、基板位置決め機構9を駆動させて移動ステージ12を所定の方向に移動させ、複数の基板保持テーブル13に保持された基板2の縁部をバックアップステージ20上に位置決めする。次いで図3(a),(b)に示すように、基板2の電極部3の上方に個片テープ4b1を位置合わせした状態で圧着ツール19を下降させ(矢印a)、電極部3に個片テープ4b1を押圧して貼付ける。個片テープ4b1の貼付け後、図3(c)に示すように圧着ツール19を上昇させる(矢印b)。なお、プレート移動機構15を駆動させてベースプレート14をX方向に移動させることによって、基板2と圧着ツール19を位置合わせしてもよい。
【0024】
図1及び図4において、部品搭載部21はテープ貼付け部8の下流に設けられ、基板2に貼付けられた個片テープ4b1上に部品5を搭載する実装作業部である。この部品搭載部21は、基板位置決め機構22と、基板位置決め機構22よりも後方側に設けられた部品供給機構27と、基板位置決め機構22と部品供給機構27との間に設けられた部品搭載機構30から構成される。
【0025】
図4において、基板位置決め機構22は基板位置決め機構9と同様に、X軸テーブル23XとY軸テーブル23Yを段積みし、さらにY軸テーブル23Yの上面に移動ステージ24を設けて構成される。移動ステージ24の上面には複数(ここでは2つ)の基板保持テーブル25がX方向に並列して設けられており、テープ貼付け部8から移送された基板2を保持する。各基板保持テーブル25は、ステージ昇降機構によって移動ステージ24に対して個別に昇降する。X軸テーブル23X、Y軸テーブル23Y及びステージ昇降機構を駆動させることにより、基板保持テーブル25に保持された基板2をXYZ方向に移動させ、所定の位置に位置決めすることができる。
【0026】
図4及び図5において、基板保持テーブル25には、その後方側(Y2方向側)でX方向に伸びた当接部26aを有する枠状部材26が設けられている。枠状部材26は、部品搭載時にフィルム状部分5aを当接部26aに当接させて下方から支持する。これにより、フィルム状部分5aの垂れ下がりが防止される。
【0027】
図1において、部品供給機構27は部品5を複数収納したトレイ28を段積みして保持するトレイ保持部29を備えている。トレイ保持部29に保持された一のトレイは、トレイ移送機構によってトレイ保持部29から取り出され、所定の部品供給位置まで移送される。
【0028】
図1及び図4において、部品搭載機構30は搭載ヘッド31、ヘッド移動機構33から構成される。図5において、搭載ヘッド31の下面には、個片テープ4b1を介して電極部3と接続される部品5の接続部位5bが当接する当接部31aと、当接部31aの下面と同一高さに設定された吸着面を有する吸着ノズル32が設けられている。搭載ヘッド31は、ヘッド昇降機構31bによって昇降し、部品5の接続部位5bを当接部31aに当接させた状態で吸着ノズル32によって部品5を吸着して保持する。
【0029】
図1において、ヘッド移動機構33は搭載ヘッド31をXY方向へ移動させるものであり、2つのY軸テーブル33Yと、Y軸テーブル33Yに架設されY方向に移動自在なX軸テーブル33Xから構成される。搭載ヘッド31はX軸テーブル33Xに対してX方向に移動自在に取り付けられており、Y軸テーブル33Y、X軸テーブル33Xを駆動させることにより、部品供給位置まで移送されたトレイ28の上方をXY方向に移動する。
【0030】
図4において、基板位置決め機構22よりも後方側であって、搭載ヘッド31の移動領域内における所定の位置には、水平面を有するバックアップステージ34が配設されている。バックアップステージ34は、基板2において個片テープ4b1が貼付けられた縁部を下方から支持する。
【0031】
部品搭載作業は、まず図4(b)に示すように、基板位置決め機構22を駆動させて移動ステージ24を所定の方向に移動させ、各基板保持テーブル25に保持された基板2の縁部をバックアップステージ34上に位置決めする。次いで、一のトレイ28を部品供給位置まで移送させ、搭載ヘッド31をトレイ28の上方まで移動させる。次いで、搭載ヘッド31によってトレイ28から部品5を取り出した後、図5(a)に示すように、位置決めされた一の基板2であって、個片テープ4b1が貼付けられた電極部3の上方に当接部31aを位置合わせする。
【0032】
次いで図5(b)に示すように、搭載ヘッド31を下降させ(矢印c)、個片テープ4b1を介して基板2に部品5を搭載する。このとき、部品5のフィルム状部分5aは枠状部材26の当接部26aにより下方から支持される。次いで図5(c)に示すように、搭載ヘッド31を上昇させることにより(矢印d)、一の基板2に対する部品搭載作業は終了する。そして、搭載ヘッド31を再びトレイ28の上方まで移動させて部品5を取り出し、他方の基板2に搭載する。
【0033】
図1及び図6において、部品圧着部35は部品搭載部21の下流に設けられ、基板2に搭載された部品5を圧着する実装作業部である。この部品圧着部35は、基板位置決め機構36と、基板位置決め機構36の上方に設けられた圧着機構41から構成される。
【0034】
図6において、基板位置決め機構36は基板位置決め機構9,22と同様に、X軸テーブル37XとY軸テーブル37Yを段積みし、さらにY軸テーブル37Y上に移動ステージ38を設けて構成される。移動ステージ38の上面には複数(ここでは2つ)の基板保持テーブル39がX方向に並列して設けられており、部品搭載部21から移送された基板2を保持する。各基板保持テーブル39は、テーブル昇降機構によって移動ステージ38に対して個別に昇降する。X軸テーブル37X、Y軸テーブル37Y及びテーブル昇降機構を駆動させることにより、基板保持テーブル39に保持された基板2をXYZ方向に移動させることができる。
【0035】
図6及び図7において、基板保持テーブル39には、その後方側でX方向に伸びた当接部40aを有する枠状部材40が設けられている。枠状部材40は、基板保持テーブル39に基板2を保持させた状態において、フィルム状部分5aを当接部40aに当接させて下方から支持する。
【0036】
圧着機構41は、X方向に伸びるプレート部材42の下方に複数(ここでは2つ)の圧着ツール43を昇降自在に配設して構成される。プレート部材42の上面にはツール昇降機構43aが取り付けられており、ツール昇降機構43aを駆動させることにより圧着ツール43は昇降する。圧着ツール43の下方の位置には、水平面を有するバックアップステージ44が配設されている。バックアップステージ44は、基板2において部品5が搭載された縁部を下方から支持する。
【0037】
部品圧着作業は、まず図6(b)に示すように、基板位置決め機構36を駆動させて移動ステージ38を所定の方向に移動させ、各基板保持テーブル39に保持された基板2の縁部をバックアップステージ44上に位置決めする。次いで図7(a)及び(b)に示すように、基板2に搭載された部品5の上方から圧着ツール43を下降させ(矢印e)、基板2に部品5を圧着する。なお、各圧着ツール43は2枚の基板2に対してそれぞれ同時に下降させてもよいし、連続的に下降させてもよい。部品5を圧着後、図7(c)に示すように圧着ツール43を上昇させる(矢印f)。
【0038】
図1において、基板搬出部45は部品圧着部35で部品圧着作業を終えた基板2を部品実装装置1から搬出する作業部であり、複数(ここでは2つ)の基板保持テーブル46を有している。各基板保持テーブル46はX方向に並列して設けられ、テーブル昇降機構によって基台1cに対して個別に昇降する。基板保持テーブル46には、部品圧着部35から移送された基板2が載置される。基板保持テーブル46上の基板2は、部品実装装置1の下流に設けられた下流側設備が備える移送アーム等の下流側設備移送手段を介して、下流側設備に搬出される。
【0039】
図1及び図8において、基板移送機構部47は作業部間での基板2の移送(受け渡し)を行う移送作業部であり、基台1a,1b,1cの前方領域に亘ってX方向に伸びたX軸テーブル48を有する。X軸テーブル48には、第1の基板移送機構49A、第2の基板移送機構49B、第3の基板移送機構49C及び第4の基板移送機構49Dが上流側から順に設けられている。X軸テーブル48を駆動させることにより、これらの基板移送機構49A〜49DはX方向に同期して移動する。
【0040】
図8において、基板移送機構49A〜49Dは、X軸テーブル48に対してX方向に移動自在に装着された基部50と、基部50上においてX方向に並列して設けられた複数(ここでは2つ)のアームユニット51を有する。各アームユニット51は、基部50に固定されたアームベース52と、アームベース52から後方側に伸びた一対のアーム53を備えている。アーム53には、吸着面を下方に向けた複数(一のアーム53につき2個)の吸着パッド54が設けられており、一対のアーム53の計4個の吸着パッド54を介して基板2を吸着して保持する。
【0041】
図9において、第1の基板移送機構49Aは、基板搬入部6の前方側(Y1方向側)である第1の位置P1と、テープ貼付け部8の前方側である第2の位置P2との間を移動する。第2の基板移送機構49Bは、第2の位置P2と、部品搭載部21の前方側である第3の位置P3との間で移動する。第3の基板移送機構49Cは、第3の位置P3と、部品圧着部35の前方側である第4の位置P4との間で移動する。第4の基板移送機構49Dは、第4の位置P4と、基板搬出部45の前方側である第5の位置P5との間で移動する。
【0042】
実装作業部を介して基板2を移送する際には、移動ステージ12,24,38をY1方向に移動させ、基板保持テーブル13,25,39上でアーム53を介して基板2の移載が可能な第6の位置P6、第7の位置P7、第8の位置P8に位置合わせする。第6の位置P6,第7の位置P7及び第8の位置P8は、隣接する作業部間で基板2の移載を行う基板移載位置となっている。
【0043】
次に図10を参照して、作業部間での基板2の移送作業について説明する。ここでは、基板搬入部6とテープ貼付け部8との間での移送を例に挙げる。まず図10(a)に示すように、基板2を保持した基板保持テーブル7を上昇させ(矢印g)、第1の位置P1まで移動した第1の基板移送機構49Aに備えられたアーム53の吸着パッド54に基板2を接触させる。次いで、吸着パッド54によって基板2を吸着したら、基板保持テーブル7を下降させ、かかる状態で第1の基板移送機構49Aを第2の位置P2まで移動させる。次いで図10(b)に示すように、第6の位置P6まで移動した移動ステージ12上の基板保持テーブル13を上昇させ(矢印h)、吸着パッド54によって吸着された基板2を接触させる。そして、吸着パッド54による吸着を解除した後、図10(c)に示すように基板保持テーブル13を下降させる(矢印i)。その他の作業部間での基板2の移送も同様の方法によって行う。
【0044】
次に図11を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。部品実装装置1に備えられた制御部60は演算処理機能を有しており、搬入・搬出制御部61、貼付け制御部62、搭載制御部63、圧着制御部64、移送制御部65、基板搬入検出部66、移送準備完了検出部67、時間計測部68及び強制移送設定部69から構成される。また、制御部60は基板搬入部6、テープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35、基板搬出部45、基板移送機構部47及び表示・入力部70と接続されている。
【0045】
搬入・搬出制御部61は、テーブル昇降機構を制御することにより基板搬入部6に備えられた基板保持テーブル7、基板搬出部45に備えられた基板保持テーブル46をそれぞれ昇降させる。貼付け制御部62は、テープ貼付け部8の各機構を制御することによりテープ貼付け作業を行う。搭載制御部63は、部品搭載部21の各機構を制御することにより部品搭載作業を行う。圧着制御部64は、部品圧着部35の各機構を制御することにより部品圧着作業を行う。なお、各実装作業部での所定の作業は同時並行で行われる。
【0046】
移送制御部65は、基板移送機構部47の各機構を制御することにより作業部間での基板2の移送を行う。この移送制御部65は、強制移送の設定状況や作業部間での基板2の移送状況等に応じ、「通常移送モード」又は「強制移送モード」の何れかの移送モードに従って基板2を移送する。強制移送及び各移送モードの詳細は後述する。
【0047】
基板搬入検出部66は、基板搬入部6に基板2が搬入されたか否かの検出を行う。ここでの検出は、基板保持テーブル7の昇降動作、上流側設備から基板2が搬入される際に当該上流側設備から送信される信号、基板保持テーブル7に内蔵された感圧センサ等の基板検出手段による基板2の検出結果等、種々の方法に基づいてなされる。基板搬入検出部66によって基板2の搬入を検出することで、移送制御部65は基板搬入部6でテープ貼付け部8へ基板2を移送する準備が完了したと判断する。
【0048】
移送準備完了検出部67は、各実装作業部において下流側への基板2の移送準備が完了した「移送準備完了タイミング」を検出する。すなわち、テープ貼付け部8においては、個片テープ4b1を基板2に貼付けた後に移動ステージ12を第6の位置P6に位置合わせしたタイミング、部品搭載部21においては、基板2に部品5を搭載した後に移動ステージ24を第7の位置P7に位置合わせしたタイミング、部品圧着部35では、部品5を基板2に圧着した後に移動ステージ38を第8の位置P8に位置合わせしたタイミングを移送準備完了タイミングとして検出する。このように移送準備完了検出部67は、各実装作業部において各種の実装作業(テープ貼付け作業、部品搭載作業、部品圧着作業)を終えて下流側への基板2の移送準備が完了したタイミングを検出する。
【0049】
時間計測部68は、各実装作業部において各種の実装作業を終えた基板2を保持した移動ステージ12,24,38が基板移載位置(P6,P7,P8)まで移動したタイミング、すなわち下流側への基板2の移送準備が完了したタイミングから時間を計測する。ここでは、移送準備完了検出部67によって検出された各実装作業部での移送準備完了タイミングのうち、最も遅く検出された移送準備完了タイミングから時間を計測する。例えば、テープ貼付け部8、部品搭載部21で基板2の移送準備が完了しているとき、部品圧着部35で基板2の移送準備が完了したタイミングから時間を計測する。
【0050】
このように時間計測部68は、テープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35のそれぞれに移送された全ての基板2に対する所定の作業が完了してからの時間を計測する。また「所定の作業」とは、各実装作業部において各種の実装作業を終えた基板2の下流側への移送準備を指す。この時間計測部68は、後述する強制移送が有効となっている場合であって、全ての実装作業部で基板2の移送準備が完了しているにもかかわらず基板搬入部6で基板2の移送準備が完了していない場合に起動する。つまり、時間計測部68で計測される時間は、基板搬入部6で基板2の移送準備が完了するまでの待ち時間(以下、「上流待ち時間」と称する)を意味する。時間の計測は、基板搬入部6で基板2の移送準備が完了したとき、若しくは強制移送が実行されたときにクリア(解除)される。
【0051】
強制移送設定部69は、基板2の強制移送を実行する際の条件の設定を行う。強制移送とは、時間計測部68による時間の計測を開始してから所定の時間内に基板搬入部6で基板2の移送準備が完了しなかったときに、各実装作業部で移送準備が完了している基板2を下流側へ移送する移送方法を指す。設定する条件としては、強制移送の有無の設定、時間の計測を開始してから強制移送を実行するまでの時間が含まれる。表示・入力部70はタッチパネル等の表示・入力手段であり、部品実装装置1の運転に必要な操作画面や各種情報を表示する。また、基板2の強制移送の条件を設定する際の案内画面を表示する。
【0052】
次に図12を参照して、強制移送の条件の設定方法について説明する。図12は、強制移送設定部69を起動したときに表示・入力部70に表示される案内画面70aを示したものである。この案内画面70aには、「無効」71、「有効」72、「時間入力欄」73及び「キーパッド」74を含む情報が表示される。「無効」71は、強制移送を無効にするための操作スイッチであり、「有効」72は、強制移送を有効にするための操作スイッチである。
【0053】
「時間入力欄」73は、強制移送を有効にしたとき、時間計測部68による時間の計測を開始してから強制移送を実行するまでの時間の入力を行う。すなわち「時間入力欄」73には、各実装作業部で下流側への移送準備が完了した基板2の移送を保留することができる時間、換言すればテープ貼付け部8で個片テープ4b1が貼付けられた基板2について、部品5の未圧着状態を許容可能な時間(以下、「許容時間」と称する)を入力する。許容時間は、ACFテープ4bの特性に応じてオペレータが任意に設定する。
【0054】
ここで、ACFテープ4bについて説明する。ACFテープ4bは粘着力を有し、基板2と部品5を接合するための接合材料として機能する。また、ACFテープ4bは、自身を介して部品5と基板2の電極部分とが熱圧着されることにより、ACFテープ4bの熱圧着された箇所にのみ導電性が発現し部品5と基板2の電極部分との間で導通を得るための導電性部材として機能する。ベースプレート14にテープ供給リール16を取り付けた状態を含む部品実装装置1内の常温環境下では、ACFテープ4bは徐々に劣化して上述の粘着力や導電性に影響が出て、結果として部品5の接合品質が低下すると考えられている。つまり、ACFテープ4bは常温環境下での使用可能時間が限られており、個片テープ4b1が貼付けられた基板2に対しては、当該個片テープ4b1が劣化する前に速やかに部品5の圧着を行う必要がある。
【0055】
オペレータは、テープ貼付け部8で基板2に貼付けられた個片テープ4b1が一定の粘着力を有していると想定される時間(使用可能時間)を許容時間として「時間入力欄」73に入力する。例えば、低温硬化型のACFテープ4bを使用する場合、当該ACFテープ4bは通常のものよりも常温環境下での使用可能時間が短いため、許容時間は短めに設定する。
【0056】
「キーパッド」74は、「時間入力欄」73に所望の数字を入力するための各種の入力キー74aを複数配列した入力部として機能し、この「キーパッド」74を介して許容時間を入力する。強制移送の条件設定は、「無効」71又は「有効」72の何れかを操作(クリック)し、「有効」72を選択した場合には、所望の許容時間を入力後、画面上の「設定」75を操作することによって行う。案内画面70aを終了する場合、「終了」76を操作する。
【0057】
本発明の部品実装装置1は以上のような構成から成り、次に図13のフローを参照して基板2の移送判断処理について説明する。移送制御部65は、ここでの処理結果に従って所定の移送モードを決定・実行する。まず、移送制御部65は強制移送が有効に設定されているか判断する(ST1:強制移送設定判断工程)。強制移送が有効に設定されていない場合、移送制御部65は「通常移送モード」で基板2を移送する(ST2:通常移送モード実行工程)。
【0058】
(ST1)で強制移送が有効に設定されている場合、移送制御部65は上流待ち時間が発生しているか判断する(ST3:上流待ち時間判断工程)。すなわちこの工程では、全ての実装作業部で基板2の移送準備が完了しているにもかかわらず、基板搬入部6で基板2の移送準備が完了していない状態であるかが判断される。ここでの判断は、時間計測部68によって上流待ち時間が計測されているかによって行う。上流待ち時間が発生していない場合、通常移送モードで基板2を移送する(ST2)。
【0059】
(ST3)で上流待ち時間が発生している場合、移送制御部65は上流待ち時間が予め設定した許容時間を超過したか判断する(ST4:許容時間超過判断工程)。許容時間を超過していない間は、通常移送モードによって基板2を移送する。強制移送が有効に設定されている場合であっても、各作業部で基板2の移送準備が遅滞することなく作業部間での基板2の移送が円滑に行われている状態下では、(ST3),(ST2)若しくは(ST3),(ST4),(ST2)の工程が実行される。その一方で許容時間を超過した場合、強制移送モードにより基板2を実行する(ST5:強制移送モード実行工程)。
【0060】
次に図14のフローを参照して、通常移送モードにおける基板移送処理について説明する。まず移送制御部65は、複数の実装作業部(テープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35)のうち、少なくとも一の実装作業部に基板2が移送されているか判断する(ST11:実装作業部基板移送有無判断工程)。基板2が移送されている場合、移送先の実装作業部で基板2の移送準備が完了したか判断する(ST12:実装作業部移送準備完了判断工程)。移送先の実装作業部が複数ある場合、全ての実装作業部で基板2の移送準備が完了したか判断する。
【0061】
(ST11)で実装作業部に基板2が移送されていない場合、若しくは(ST12)で基板2の移送準備が完了した場合、移送制御部65は基板搬入部6で基板2の移送準備が完了したか判断する(ST13:基板搬入部移送準備完了判断工程)。基板2の移送準備が完了したならば、全ての基板2を下流側へ同時に移送する(ST14:基板移送工程)。このように通常移送モードでは、基板搬入部6での移送準備完了が基板2の移送を実行するための必須要件となっており、基板搬入部6からテープ貼付け部8への基板2の移送動作が必ず含まれる。
【0062】
次に図15図16及び図17を参照して、通常移送モードで基板2を移送する際の一連の動作について説明する。まず図15(a)に示すように、上流側設備から基板搬入部6に基板2が搬入されてテープ貼付け部8への移送準備が完了したならば、移送制御部65は第1の基板移送機構49Aを第1の位置P1に、第2の基板移送機構49Bを第2の位置P2に、第3の基板移送機構49Cを第3の位置P3に、第4の基板移送機構49Dを第4の位置P4にそれぞれ同期して移動させる。以後、このような基板移送機構49A〜49DのX方向への移動を「上流側移動」と称する。次いで、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2を第1の基板移送機構49Aによって保持する。
【0063】
次いで図15(b)に示すように、基板移送機構49Aを第2の位置P2に、第2の基板移送機構49Bを第3の位置P3に、第3の基板移送機構49Cを第4の位置P4に、第4の基板移送機構49Dを第5の位置P5に同期して移動させる。以後、このような基板移送機構49A〜49DのX方向への移動を「下流側移動」と称する。次いで、第1の基板移送機構49Aに保持された基板2を、第6の位置P6まで移動した移動ステージ12に移載する。その後、移動ステージ12上の基板2に対してはテープ貼付け作業が実行される。テープ貼付け作業が実行されている間、基板搬入部6には基板2が新たに搬入される。
【0064】
次いで図15(c)に示すように、基板搬入部6に基板2が搬入されたならば、基板移送機構49A〜49Dの上流側移動を実行する。そして、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2を第1の基板移送機構49Aによって保持するとともに、テープ貼付け作業を終えて第6の位置P6まで再び移動した(移送準備が完了した)移動ステージ12上の基板2を第2の基板移送機構49Bによって保持する。
【0065】
次いで図16(a)に示すように、基板移送機構49A〜49Dの下流側移動を実行した後、第1の基板移送機構49Aに保持された基板2を移動ステージ12に移載するとともに、第2の基板移送機構49Bに保持された基板2を第7の位置P7まで移動した移動ステージ24に移載する。このように、第2の基板移送機構49Bは、個片テープ4b1(接着テープ)が貼付けられた基板2をテープ貼付け部8から部品搭載部21に移送する第1の基板移送部となっている。
【0066】
その後、移動ステージ12上の基板2に対してはテープ貼付け作業が実行されるとともに、移動ステージ24上の基板2に対しては部品搭載作業が実行される。各実装作業部で各種の実装作業が実行されている間、基板搬入部6には基板2が新たに搬入される。次いで図16(b)に示すように、基板搬入部6に基板2が搬入されたならば、基板移送機構49A〜49Dの上流側移動を実行する。そして、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2を第1の基板移送機構49Aによって保持するとともに、テープ貼付け部8で移送準備が完了した基板2を第2の基板移送機構49Bによって保持する。さらに、部品搭載作業を終えて第7の位置P7まで再び移動した(移送準備が完了した)移動ステージ24上の基板2を第3の基板移送機構49Cによって保持する。
【0067】
次いで図16(c)に示すように、基板移送機構49A〜49Dの下流側移動を実行し、第1の基板移送機構49Aに保持された基板2を移動ステージ12に移載するとともに、第2の基板移送機構49Bに保持された基板2を移動ステージ24に移載する。さらに、第3の基板移送機構49Cに保持された基板2を移動ステージ38に移載する。このように、第3の基板移送機構49Cは、部品5が搭載された基板2を部品搭載部21から部品圧着部35に移送する第2の基板移送部となっている。
【0068】
その後、移動ステージ12上の基板2に対してはテープ貼付け作業が実行されるとともに、移動ステージ24上の基板2に対しては部品搭載作業が実行される。さらに、移動ステージ38上の基板2に対しては部品圧着作業が実行される。各実装作業部で各種の実装作業が実行されている間、基板搬入部6に基板2が新たに搬入される(図16(c))。
【0069】
次いで図17(a)に示すように、基板搬入部6に基板2が搬入されたならば、基板移送機構49A〜49Dの上流側移動を実行する。次いで、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2を第1の基板移送機構49Aによって保持するとともに、テープ貼付け部8で移送準備が完了した基板2を第2の基板移送機構49Bによって保持する。さらに、部品搭載部21で移送準備が完了した基板2を第3の基板移送機構49Cによって保持するとともに、部品圧着作業を終えて第8の位置P8まで再び移動した(移送準備が完了した)基板2を第4の基板移送機構49Dによって保持する。
【0070】
次いで図17(b)に示すように、基板移送機構49A〜49Dの下流側移動を実行する。そして、第1の基板移送機構49Aに保持された基板2を移動ステージ12に移載するとともに、第2の基板移送機構49Bに保持された基板2を移動ステージ24に移載する。さらに、第3の基板移送機構49Cに保持された基板2を移動ステージ38に移載するとともに、第4の基板移送機構49Dに保持された基板2を基板搬出部45の基板保持テーブル46に移載する。基板搬出部45へ移送された基板2は、作業部間で基板2を移送するタイミングと同一若しくは当該タイミングよりも前のタイミングで下流側設備へ搬出される。
【0071】
以上説明した通常移送モードでは、基板搬入部6での基板2の移送準備の完了を必須要件として、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2と各実装作業部で移送準備が完了した基板2の移送を同時に行うようにしている。これにより、作業部間で基板2を効率的に移送して作業タクトの向上を図ることができる。
【0072】
次に図18のフローを参照して、強制移送モードにおける基板移送処理について説明する。まず移送制御部65は、基板搬入部6での基板2の移送準備が未完了の状態で、全ての実装作業部で移送準備が完了している基板2を下流側へ移送する。このときの移送態様が強制移送に該当する(ST21:第1の強制移送工程)。すなわち強制移送モードでは、基板搬入部6での基板2の移送準備状況にかかわらず、実装作業部で移送準備が完了している基板2を下流側へ移送するようにしている。強制移送された基板2に対しては、強制移送先の実装作業部で実装作業が行われる。これにより、許容時間を超過して所定の実装作業部で待機していた基板2に部品5の圧着を前倒しで行うことができる。
【0073】
次いで、移送制御部65は(ST21)で下流側へ強制移送された全ての基板2が、最終の実装作業工程である部品圧着部35に移送されたか判断する(ST22:部品圧着部移送判断工程)。全ての基板2が部品圧着部35へ移送されたならば、強制移送モードを終了する。また、時間計測部68による上流待ち時間の計測をクリアする。
【0074】
一方、(ST22)で全ての基板2が部品圧着部35へ強制移送されていない場合、各実装作業部に強制移送された全ての基板2に対して各種の実装作業が行われ、下流側への移送準備が完了したか判断する(ST23:実装作業部移送準備完了判断工程)。本実施の形態では、部品搭載部21に強制移送された基板2が存在する場合がこれに該当する。
【0075】
基板2の移送準備完了後、移送制御部65は基板搬入部6で基板2の移送準備が完了しているか判断する(ST24:基板搬入部移送準備完了判断工程)。この工程は、強制移送された基板2に実装作業が行われている間、基板搬入部6に基板2が搬入されて移送準備が完了した場合を考慮したものである。なお、実装作業部での移送準備完了後に許容時間の設定を限定的に変更して、基板搬入部6で移送準備が完了するまでの上流待ち時間を計測するようにしてもよい。このとき、強制移送された基板2に対しては速やかに部品圧着作業を行う必要があることから、変更後の許容時間は極めて短く設定(例えば1秒)することが望ましい。
【0076】
(ST24)で基板2の移送準備が完了していない場合、各実装作業部で移送準備が完了した基板2のみを下流側へ強制移送する(ST25:第2の強制移送工程)。その後、基板2に対しては強制移送先の実装作業部で各種の実装作業が行われる。強制移送を実行後、(ST22)へ戻る。
【0077】
一方、(ST24)で基板2の移送準備が完了している場合、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2と、各実装作業部で移送準備が完了した基板2を下流側へ同時に強制移送する(ST26:第3の強制移送工程)。その後、基板2に対しては強制移送先の実装作業部で実装作業が行われる。このように、基板搬入部6で移送準備が完了した基板2も併せて強制移送することで作業タクトを向上させることができる。強制移送を実行後、(ST22)へ戻る。なお、基板搬入部6から強制移送された基板2は、(ST1)で強制移送されたものではないため、(ST22)では判断対象から除外される。
【0078】
次に図19及び図20を参照して、強制移送モードによる強制移送動作の一例について説明する。図19(a)は、テープ貼付け部8、部品搭載部21、部品圧着部35にそれぞれ移送された基板2A,2B,2Cの下流側への移送準備が完了しているものの、基板搬入部6への基板2の搬入が遅滞して移送準備が完了していない状態を示している。かかる状態で、上流待ち時間が許容時間を超過したとき、移送制御部65は強制移送モードによる基板2の移送を実行する。
【0079】
まず、移送制御部65は基板2A,2B,2Cを下流へ強制移送する(第1の強制移送)(ST21)。すなわち図19(b)に示すように、移送制御部65は基板移送機構49A〜49Dの上流側移動を実行した後、基板2Aを第2の基板移送機構49Bによって保持するとともに、基板2Bを第3の基板移送機構49Cによって保持する。さらに、基板2Cを第4の基板移送機構49Dによって保持する。
【0080】
次いで図19(c)に示すように、基板移送機構49A〜49Dの下流側移動を実行した後、基板2Aを移動ステージ24に移載するとともに、基板2Bを移動ステージ38に移載する。さらに、基板2Cを基板保持テーブル46に移載する。これにより、基板2A,2B,2Cが下流側の作業部へ強制移送される。その後、基板2Aに対しては部品搭載作業が行われるとともに、基板2Bに対しては部品圧着作業が行われる。これにより、許容時間を超過した基板2Bに対して速やかに部品5の圧着を行うことができ、その結果、個片テープ4b1の劣化を抑制して接合品質低下による実装不良基板の発生を抑制することができる。
【0081】
ここで、先の強制移送実行時にテープ貼付け部8で待機していた基板2Aは部品圧着部35に移送されていない(ST22)。したがって、基板2A,2Bに各種の実装作業が行われて下流側への移送準備が完了したならば(ST23)、その間に基板搬入部6で基板2の移送準備が完了したかを判断した後(ST24)、基板2A,2Bを強制移送する(第2の強制移送)(ST25)。
【0082】
すなわち図20(a)に示すように、移送制御部65は基板移送機構49A〜49Dの上流側移動を実行した後、基板2Aを第3の基板移送機構49Cによって保持するとともに、基板2Bを第4の基板移送機構49Dによって保持する。さらに、下流側実装設備への搬出準備が完了した基板保持テーブル46上の基板2Cを下流側設備移送手段(図示省略)によって保持する。なお、基板2Cは下流側設備移送手段によって予め搬出させていてもよい。本例では、基板搬入部6での基板2の移送準備は完了しないこととする。
【0083】
次いで図20(b)に示すように、基板移送機構49A〜49Dの下流側移動を実行した後、基板2Aを移動ステージ38に移載するとともに、基板2Bを基板保持テーブル46に移載する。この強制移送動作によって、基板2Aは部品圧着部35に移送されたので、移送制御部65は強制移送モードを終了する。その後、移動ステージ38上の基板2Aに対しては部品5の圧着が行われる。
【0084】
すなわち、テープ貼付け部8で待機していた基板2Aに対しては、基板搬入部6での移送準備状況にかかわらず部品5の圧着まで連続して行われる。つまり、テープ貼付け部8から下流へ強制移送された基板2Aに貼付けられた個片テープ4b1が劣化する前に、部品圧着部35において部品5を圧着するようにしている。これにより、部品搭載部21で待機していた基板2Bのみならず、最上流の実装作業部であるテープ貼付け部8で待機していた基板2Aに貼付けられた個片テープ4b1が劣化する前に部品5の圧着を前倒しで実行し、接合品質低下による実装不良基板が複数枚に亘って発生する事態を抑制することができる。
【0085】
以上説明したように、本発明は、時間計測部68による計測を開始してから所定の時間内(許容時間内)にテープ貼付け部8に基板2を移送する準備が完了していないとき、テープ貼付け部8、部品搭載部21及び部品圧着部35において待機している各基板2を下流に強制移送し、部品搭載部21及び部品圧着部35に強制移送された各基板2に対して所定の作業(実装作業)を行うようにしている。これにより、テープ貼付け部8よりも上流側の作業部で基板2の下流側への移送準備が遅滞した場合であっても、個片テープ4b1を貼付けた後の未圧着基板を前倒しで下流側へ移送し、速やかに部品5の圧着を行うことで、接合品質低下による実装不良基板の発生を抑制することができる。
【0086】
また、通常移送モードと強制移送モードを使い分けて基板2を移送することによって、作業タクトの向上と実装不良基板の発生防止を両立させることができる。さらに、使用するACFテープ4bの特性、例えば粘着力で考えれば常温環境下で一定の粘着力を有すると考えられる時間に応じて、基板2に個片テープ4b1を貼付けてから部品5の圧着を行うまでの許容時間をオペレータが任意に設定することによって、強制移送された基板2に貼付けられた個片テープ4b1の劣化を抑制して部品5を圧着することができる。
【0087】
本発明はこれまで説明した実施の形態に限定されるものではない。例えば、各作業部に備えられる基板保持テーブルの数は任意でよい。また、実装作業部の数も任意でよく、同一種の実装作業部を複数設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明によれば、接着テープの劣化を抑制して基板に部品を圧着することができ、接着テープを介して基板に部品を実装する電子部品実装分野において特に有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 部品実装装置
2 基板
4b ACFテープ(接着テープ)
5 部品
8 テープ貼付け部
21 部品搭載部
35 部品圧着部
49B 第2の基板移送機構(第1の基板移送部)
49C 第3の基板移送機構(第2の基板移送部)
68 時間計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20