(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、薄く成形された袋入り食品の保形材として使用されるトレーに、つまみ具(2A)を切り離すための切れ目20を設けたものはなかった。切れ目を設けたものでは、複数個ある容器用窪みを切り離し易くするための切り取り線位しかなかった。
【0003】
[特許文献1]特開平10‐273125号「食品容器」公報には、複数個の食品容器用の窪みの間に切れ目を設けたものが提案されている。
[特許文献2]特開2008‐56331号「ライン状の切れ目が設けられてなるプラスチック製品」公報には、切れ目を設けても、強度低下を防止するものが提案されている。その他、類似のものは提案されている。
【0004】
薄く成形されたトレーとしては、真空成形又は圧空成型によるものが主である。消費者の身近なものでは、袋入り食品の保形材として使用されているトレーがある。袋入り食品のトレーの開封後は、不要となり捨てるだけであるが、これらのトレーにつまみ具2A切り取り用の切れ目を設けて、不要となったものから、必要に応じて、つまみ具2Aを切り離して使用することは、資源の有効利用にもなり、有意義なことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
袋入り食品の中には、スルメ、さつまいも等のてんぷら等の揚げ物、ドーナツの様に油と砂糖が付いたもの、タレ付きの焼いたイカのように表面にタレ(味付けのため、どろっとした粘り気のある調味用の汁)が付いているもの等がある。これらを手でつまんで食べた後、手に付着した油等を除くため、ティッシュペーパー、御手拭き、御絞り、タオル等で拭いたり、石けんで手を洗ったりしなければならない。手に油等が付くのが嫌な場合は、箸、トング等を用意しなければならない。又、箸等は、使用後は洗わなければならない。
【0007】
ところが、袋入り食品を食べるときに、いつも箸やトング類が手近にあるとは限らない。袋入り食品の中に入っている保形材のトレーに、切れ目を設けておき、取出してトング類似物のような挟み具が簡単にできれば、便利である。
【0008】
切れ目を設けるトレーは、付属している商品と無関係のものでもよい。例えば、小・中学生が利用する商品に付いている保形材等のトレーに、「字消し板」用の切れ目を設けてもよい。「字消し板」は、以前CADが普及する前、製図の際に使われていたもので、薄いステンレス板に、消したい線の形状・大きさに合わせた、いろいろな形状の孔が開けてあり、消したい箇所にこの孔を当て、消しゴムで消すと、孔以外のところは、消えずに残るという便利なものである。ステンレス板は、不透明で下が見えず、消したいところを探すのに手間取っていたものである。下が透けて見えるように、ステンレス板に無数の小穴を開けたものもあったが、高価であった。
その点トレーは、無色透明で、薄いものが多いので、字消し板に向いている。
【0009】
現在、袋入り商品に使用されている保形材等のトレーは、真空成形又は圧空成形により成形された薄いプラスチック成形物に裁断等の加工をしているものが多い。この裁断加工の際に、序につまみ具2A切取り用の切れ目用の裁断刃取付けを行えばよいので、コストアップの額は僅かである。
【0010】
本発明が解決しようとしている課題は、袋入り食品に入っている保形用のトレー等、開封後や使用後は、捨てるものにつまみ2A取り出し用の切れ目を入れ、有用物を取り出して有効活用する、薄いトレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、開封後や使用後は、捨てる薄いトレーに、つまみ具2A取り出し用の切れ目を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1に係る袋入り食品の保形材として使用されるトレー1Aは、薄い平板状のプラスチックに、つまみ具2A取り出し用の切れ目20を設けたものである。
【0013】
トレーは、消費者が開封するまで使用し、使用後廃棄するものであれば、何でもよい。切れ目を設ける関係上薄いものである。
【0014】
生活に役立つ有用物は、文字通り役立つものであれば、何でもよいが、
トレーが使われている商品と関係があるものでも、ないものでもよい。関係のあるものでは、袋入り食品に入っている保形材に、トング類のような挟み具を取り出す切れ目を設けておき、切り離した挟み具で、入っている揚げ物、タレの付いたイカ等を挟むと、手を汚さずに済み、便利である。関係のないものでは、「課題」で挙げた「字消し板」等がある。
【0015】
切れ目は、ミシン目が先ず考えられるが、薄いプラスチックシートでは、脱線の恐れがあるので使用しにくい。脱線防止一方通行切れ目や脱線防止双方向切れ目を使用するのがよい。脱線防止一方通行切れ目は、後記実施例で詳しく説明するが、Yの字形やTの字形等の切れ目を組合せたものである。脱線防止双方向切れ目も、後記実施例で詳しく説明するが、線形の両端にVの字形又はUの字形を付けたもの等を組合せたものである。
【0016】
旧請求項2に係る
つまみ具の説明であったが、旧請求項2は削除したので、この段落の内容は削除する。
【0017】
請求項2に係るつまみ具は、有用物として得られたものの内、仮にテーブル面が汚れていても、その汚れが挟み部に付かないものである。取手部22のテーブル面に接する部分は、直線状に限らず、上に凸状の曲線でも、折れ曲った直線でもよい。取手部22の折れ曲り部23と支点221とがテーブル面に接しておればよい。
【0018】
取手部22の折れ曲り部23から遠い方の接点は、実施例1の[0031]の(E)で説明した支点に相当するものである。
【0019】
旧請求項3に係るつまみ具2A
の説明であったが、旧請求項3は請求項1に補正したので、この段落の内容は削除する。
【0020】
字消し用孔27の「消したい部分の形状や大きさに適合すると予測した」というのは、字消し板の用途・目的により、自由に変えてよい、ということである。製図用かノート用かによっても大きく変わるし、ノートも学科や学年によっても変わる。用途をいろいろ予測して、適当と判断したものにすればよい。字消し用孔27の数や配列も自由に変えてよい。薄くて透明なシートは、字消し板に最適である。使用しているうちに、消しゴムでこすれて曇ってくれば、次の字消し板を切り取ればよい。なお、後記実施例6の[0057]で説明するが、発泡スチロールのトレーも切れ目を入れておくと、家庭菜園の野菜や花の名札に利用できる。発泡スチロールのトレーは厚みはあるが、もろいので切れ目を入れておけば簡単に外れる。本明細書では、切れ目を切れ易くするため、薄いプラスチック成形物と厚さを限定しているが、本来の目的は厚さよりも切れ目の切れ易さである。従って、発泡スチロールのトレーは厚いが、前記のようにもろくて切れ目から外れ易いので、本明細書では、発泡スチロールのトレーも薄いプラスチック成形物として扱う。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、食品を入れた袋の開封後、不要になったトレーから、切れ目20によって切り離すことにより、つまみ倶2Aの有用物を得るという効果がある。
【0022】
旧請求項2の発明
の効果を記載していたが、旧請求項2の発明は、削除したので、この段落の内容は削除する。
【0023】
旧請求項3の発明
の効果を記載していたが、旧請求項3の発明は、削除したので、この段落の内容は削除する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
商品使用後は、捨てる
トレーから有用物を取り出し、有効活用するという目的を有用物取り出し用の切れ目を設けることで実現した。
【実施例1】
【0026】
実施例1の有用物用の切れ目を設けた
トレーを
図1に基づいて説明する。
図1の(A)は、トング等のつまみ具2Aを得るための切れ目20を設けたトレー1Aを示す平面図である。トレー1Aの長さを省略している。21は挟み部、22は取手部、23は折り曲げ部、24は矢印(浮出し状)を示す。
【0027】
切れ目20により囲まれたつまみ具2Aは、矢印24の付いた挟み部21を矢印の示す通り右へ引くと、脱線防止一方通行切れ目である切れ目20により、つまみ具2Aがトレー1Aから切り離される。中央の折れ曲がり部23(点線で示す)で二つ折りすると、トング状のつまみ具2Aが得られる。脱線防止一方通行切れ目は、細長いTの字形の切れ目を並べたものである。矢印の通り右方向に引くと、脱線することなく切れる。折れ曲がり部23は、図面では点線があるが、何も付けなくてもよい。予め折り癖等は付けてなくても即ち何もしてなくても、折り曲げれば、折れ曲った状態を保つ。
【0028】
(B)は、トレー1Aに設けた別のつまみ具2Aを示す平面図である。トレー1Aを示す枠は、省略している。(A)に示すものと異なるのは、中央の折れ曲り部23が拡大円内の断面図に示すように、断面が小さな半円状になっていることである。このため、折れ曲がり部23で折れ曲がり易い。脱線防止一方通行切れ目20が(A)のものと異なり、細長いTの字形から細長いYの字形に変わっている。その他は、(A)のものと同じである。
【0029】
(C)は、トレー1Aから切り離されたつまみ具2Aを折れ曲り部23で折り曲げ、トング状のつまみ具2にしたところを示す斜視図である。挟み部21と取手部22との境界はハッキリしないが、先端に近い部分が挟み部21で、折れ曲り部23に近い部分が取手部22である。折れ曲り部23は、(A)のように何もしてなくても、折り曲げると簡単に折れ曲り、その状態を保持する。
【0030】
(D)は、トレー1Aに設けた他のつまみ具2Aを示す平面図である。
六角形を
二つ並べた形をしており、中央の点線部が折れ曲り部23である。図面では、点線を画いているが、実際は何もしなくてよい。脱線防止一方通行切れ目20は、細長いYの字形の切れ目のVの字形の部分をUの字形に変えたものを並べたものである。折れ曲がり部23を折り曲げてつまみ具2Aを作る。
【0031】
(E)は、(D)のトレー1Aから切り離されたつまみ具2Aを折れ曲り部23で折り曲げ、側面形状が
六角形のつまみ具2にして、テーブルのような平面上に置いたところを示す斜視図である。側面形状
六角形を二分する点線より折れ曲り部23に近い方を取手部22とし、折れ曲り部23から遠い方を挟み部21とする。取手分22のテーブル上に接した下部の折れ曲り部23から遠い方の先端を支点221とする。支点221を中心にして、挟み部21と取手部22との重さにより左右に開店することになる。図のように、取手部22がテーブル上に接するためには、取手部22の方が重くなるように、取手部22の大きさを決めねばならない。このように、取手部22がテーブル上に接した状態であれば、挟み部21はテーブルに触れず、仮にテーブル面が汚れていても、食品に触れる挟み部21は、汚れの付着を防止できる。なお、厳密には、挟み部21と取手部22との重さの差ではなく、支点221を通る
鉛直線よりも取手部2
2側が重いと、(E)図のように取手部2
2がテーブル上に接した状態になる。
【0032】
(F)は、脱線防止一方通行切れ目20を示す平面図である。いずれも矢印の方向に引くと、脱線せずに切れる。
図1の(A)、(B)、(D)に示したものである。
【0033】
(G)は、脱線防止双方向切れ目20を示す平面図である。これらは、左右どちらから引いても、脱線することなく切り離せる切れ目である。使用例は、実施例2以下で説明する。
【0034】
実施例1に示したものは、トレー1Aからつまみ具2Aが容易に外され、折れ曲り部23で折り曲げることで、容易にトング状のつまみ具2Aが作られ、袋内の食品をつまめるという効果がある。
【実施例2】
【0035】
実施例2の有用物用の切れ目を設けた
トレーを
図2に基づいて説明する。実施例2のつまみ具2Aは、補強リブ25付きのものである。補強リブは、薄いプラスチックシートを補強するために設ける。断面形状が半円形又はUの字形の溝である。
【0036】
図2の(A)は、補強リブ25付きのつまみ具2Aを、脱線防止双方向切れ目20で囲んだ容器1Bを示す平面図である。補強リブ25は、円内拡大図に示すように、断面形状がUの字形の溝である。補強リブ25は、切れ目20の外側即ち、容器1Bの残る部分に設けてもよい。中央部の点線で示すのは、折れ曲り部23である。
【0037】
(B)は、(A)に示したつまみ具2Aを切れ目20により切り離したものを折れ曲り部23で折り曲げたものを示す斜視図である。使い方は、食品等を挟み部21で挟み、必要なところへ運ぶ。取手部22を外側から指で挟んでもよいし、挟み部21を直接指で挟んでもよい。補強リブ25が付いているので、取手部22や挟み部21は折れ曲がりにくくなっている。
【0038】
(C)は、トレーから切り離したつまみ具2Aを折れ曲り部23で折り曲げたものをテーブル上に置いたところを示す斜視図である。実施例1の(E)に補強リブ25を加えたものと同じである。挟み部21よりも取手部22の方が重く、挟み部21が仮にテーブルが汚れていても汚れないのは、実施例1と同様である。使い方は、(B)のものと同様である。
【0039】
(D)は、(C)のつまみ具2の挟み部21を変形したもので、四角形から円に近い形に変えたものをテーブル上に置いたところを示す側面図である。その他は、(C)のものと同様である。
【0040】
(E)は、(D)を変形したもので、挟み部21の方が取手部22よりも大きいつまみ具2Aをテーブル上に置いたところを示す側面図である。支点221を通る垂線よりも取手22側が挟み部21の一部も含めて重いことが必要である。その他は、(D)のものと同様である。支点221は、挟み部21の取手部22寄りの端になるが、挟み部21ではあっても、取手部22寄りの端であるので、仮に汚れたテーブルに接しても、挟み部21の食品を挟む部分には、汚れは付かない。
【実施例3】
【0041】
実施例3の切れ目を設けた、薄く成形されたプラスチック成形物を
図3に基づいて説明する。
図3の(A)は、食品用の容器1Bの底面に、コップの下に敷くコースター2B用の切れ目20を設けたものの斜視図である。コースター2Bには、同心円状の凹凸がある。切れ目20は、脱線防止一方通行切れ目を採用している。同心円状の凹凸は、図面では省略している。
【0042】
(B)は、(A)に示したコースター2Bを切り離したものの平面図である。拡大円内に断面図を示すように、断面が波型の凹凸になっている。食品用とは限らないが、薄いプラスチックで成形された容器の底面や蓋に、余分なスペースがあれば、コースターは面積も余り取らないし、厚みも薄いので、適している。なお、コースター2Bは、円形の外、正方形のものでもよい。
【0043】
(C)は、箱用2Cの切れ目20を設けたトレー1Aを示す斜視図である。菓子等の入ったトレーには、小分けのため小さな箱状の凹部を設けたものがある。この凹部を箱2Cとして利用するため、境界部に切れ目20を設ける。必要に応じて、連続した箱2Cとして切り離して利用してもよい。切れ目20は、脱線防止のものを設けた方がよいが、境界部は、断面がコの字形になっているので、玉子(鶏卵)のケースの折れ曲り部のように、2本の平行した点線でもよい。
【実施例4】
【0044】
実施例4の切れ目を設けた、薄く成形された
トレーを
図4に基づいて説明する。実施例4は、おもちゃ用の切れ目を設けたものである。
図4の(A)は、風車2D用の切れ目を設けたものの平面図である。具体的な切れ目の状況は、省略している。適用するものは、トレーでも容器でも薄いプラスチックの成形物であればよい。切れ目に沿って切り離した状態を示している。風車2Dの材料を示す。正方形の中心に孔27を開ける。正方形の各頂点から中心に向かって、切込26を入れる。各頂点の切込26を入れた部分に孔27を開ける。
【0045】
(B)は、(A)に示した風車2Dの材料の頂点部分(角)に開けた孔27を順番に重ねて、ピンを通して、風車2Dにしたところを示す平面図である。トレーでも容器でも、底面や蓋で面積の広い部分があれば、適用できる。
【0046】
(C)は、笹舟2E用の切れ目を設けものの平面図である。(A)と同様、具体的な切れ目の状況は、省略している。適用するものは、トレーでも容器でも薄いプラスチックの成形物であればよい。切れ目に沿って切り離した状態を示している。長方形の笹舟2の両短辺から2本の平行した切込26を入れる。切込26の1本と長方形の長辺とに、はめ込み26Aを設ける。
【0047】
(D)は、(C)の笹舟2Eの材料を笹舟2Eに組み立てたものを示す平面図である。各短辺近くのはめ込み26Aを互いにはめ込んで組み合わせると、笹舟2Eになる。都会の子供は、通常笹の葉などは、目にすることはないので、大人が昔はこうして遊んだものだと教える材料にしてもよい。
【実施例5】
【0048】
実施例5の切れ目を設けた、薄く成形されたプラスチック成形物を
図5に基づいて説明する。実施例5は、学習用具用の切れ目を設けたものである。
図5の(A)は、字消し板2F用の切れ目を設けた容器1Bの底面又は蓋の平面図である。適用するものは、薄いプラスチックの成形物であればよい。切れ目20は、ミシン目(点線)状である。各コーナー部は、丸みを付けている。字消し板の性格上、各辺は、スムーズな方がよいので、切れ目20に沿って、ナイフか鋏で切り離す。容器1Bは、無色透明の必要はなく、透明であれば、有色でもよい。
【0049】
使い方は、切れ目20に沿って、ナイフか鋏で切り離した後、鉛筆で書いた消したい部分に、その消したい部分の形状・大きさに合った、字消し用孔27Aを合わせ、消しゴムで消す。余分なところが消えずに済むという効果がある。素材が透明(通常無色透明)なので、消したい部分を探し易い。しかも薄いので、消しゴムがよく当たる効果がある。無色透明の必要はなく、有色でも透明であればよい。
【0050】
(B)は、(A)の字消し板2Fを少し変えたものである。切れ目20は、丸みを帯びたものを四隅に置いただけで、各切れ目20の間をナイフか鋏で切り離す。この字消し板2Fは、ノートの1行分とか、あるまとまった部分を消すためのものである。通常、大学ノートの罫には、7ミリ幅のAタイプと6ミリ幅のBタイプとがあるが、罫の幅に合わせて字消し用孔27Aを選び、まとまった長さの行を消す。罫の外は消えない効果がある。他に学童用のノートの罫や枠に合わせた字消し用孔27Aを選ぶ。(A)タイプと(B)タイプとの罫の両方を備えておいてもよい。
【0051】
(C)は、栞2G用の切れ目20を設けたものの平面図である。(A)と同様、切れ目20の間をナイフか鋏で切り離す。押え片28の端にある小孔は、裂け防止である。押え片28と本体との間にページを挟んで、栞とする。ページの上に出る部分に、油性ペンで着色して、区別用にしてもよい。
【0052】
(D)は、(C)の栞2Gの一部を変えたものである。押え片28の裁断部分の両側面をギザギザにしたものである。ギザギザにして、栞2Gがページから抜け難くしたものである。
【実施例6】
【0053】
実施例6の切れ目を設けた、薄く成形されたプラスチック成形物を
図6に基づいて説明する。実施例6は、その他のもの用の切れ目を設けたものである。
図6の(A)は、結束具2H用の切れ目20を設けた容器1Bの蓋を示す平面図である。適用するものは、薄いプラスチックの成形物であれば、何でもよい。切れ目20は、ミシン目状である。結束具2Hは、手で扱うため、スムーズな方がよいので、切れ目20に沿って、ナイフか鋏で切り離す。長い長方形状の結束具2Hの向き合った長辺の遠い方の端に、数個のはめ込み26Aを設ける。使い方は、結束するものを束ねて、結束具2Hを回して、両端のはめ込み26Aを互いにはめて結合する。
【0054】
(B)は、(A)の結束具2Hの、はめ込み26Aを互いにはめ込んだ状態を示す斜視図である。この輪の中に結束したいものを通す。実際は、結束したいものを束ねて、その周りに結束具2Hを回して、はめ込み26Aを互いにはめる。
【0055】
(C)は、物に巻き付けてつかむためのつかみ具2I用の切れ目20を設けたトレー1Aを示す平面図である。切れ目20は、脱線防止一方通行切れ目を設けている。つかみ具2Iには、細かい波状の折目29が入っている。従って、曲がり易く、物に巻き付け易い。
【0056】
(D)は、(C)のつかみ具2Iをトレー1Aから切り離したものを鶏もも(腿)3に巻き付けたところを示す斜視図である。鶏もも3に巻き付けたつかみ具2の上からつかむ。
【0057】
(E)は、発泡スチロール製のトレー1Aに名札2J用の切れ目20を設けたものの平面図である。発泡スチロールなので、切れ目20は図に示すように、ミシン目を長くしたようなものであるが、名札2Jの一部を指先で押し込むだけで、名札2Jは簡単に外れる。なお、切れ目20が細い場合は、トレー1Aに水を入れても、表面張力のため、水は漏れない。外した名札2Jは、発泡スチロールが通常白色なので、油性ペンなどで記入して、家庭菜園の野菜や草花の名札に使用できるという効果がある。なお、発泡スチロールは厚いが、もろいので切れ目を押さえると、容易に外れる。本明細書では、切れ目を切れ易くするため、薄いプラスチック成形物と厚さを限定しているが、本来の目的は厚さよりも切れ目の切れ易さである。従って、発泡スチロールのトレーは厚いが、前記のようにもろくて切れ目からはずれ易いので、本明細書では、発泡スチロールのトレーも薄いプラスチック成形物として扱う。