(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る目標検出方法の構成、処理イメージを示す図である。
【
図2】この発明の実施の形態1〜4に係る目標検出方法のDBS処理後の画像イメージの例である。
【
図3】この発明の実施の形態1〜4に係る目標検出方法のCFAR処理後の検出目標イメージの例である。
【
図4】この発明の実施の形態1に係る目標検出方法の具体的処理フローの例である。
【
図5】この発明の実施の形態2に係る目標検出方法の構成、処理イメージを示す図である。
【
図6】この発明の実施の形態2に係る目標検出方法の具体的処理フローの例である。
【
図7】この発明の実施の形態3に係る目標検出方法の構成、処理イメージを示す図である。
【
図8】この発明の実施の形態3に係る目標検出方法の具体的処理フローの例である。
【
図9】この発明の実施の形態4に係る目標検出方法の構成、処理イメージを示す図である。
【
図10】この発明の実施の形態4に係る目標検出方法の具体的処理フローの例である。
【
図11】従来の目標検出方法の構成、処理イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1を元に発明を実施するための形態を説明する。
【0011】
図1に示すように、目標検出装置はアンテナ部21、送受信部22、ディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24と、例えばCFARなどの目標検出アルゴリズム11と、距離方向の広がりに基づいて目標であるか否かを選定する誤検出抑制アルゴリズム13とが設けられている。
【0012】
つぎに、この実施の形態1に係る目標検出方法について
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0013】
図1において、アンテナ部21から照射された電波が目標で反射し、アンテナ部21に到達する。送受信部22で生成された受信信号にディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24を実施し信号処理結果を出力する。
【0014】
図2はディジタルパルス圧縮処理及びDBS処理を実施した後の信号処理結果(画像イメージ)の一例である。信号処理実施時に誤差が含まれると、目標の検出情報が距離方向ならびにドップラ周波数方向への広がりが生じる。これにより、目標を検出することが難しく誤検出してしまう場合がある。
【0015】
次に、信号処理結果に対し、目標検出アルゴリズム11により目標検出を行う。
例えばCFARであれば、検出用のリファレンスセルに対して、これらの中心セルの電力レベルがしきい値以上である場合に、その中心セルに目標が存在すると判定し、検出処理を実施する。
【0016】
このような検出処理を行うとき、真の目標が複数あり、それぞれの真目標のセルに対して、距離、ドップラ(角度)方向に広がりがあるような場合、真目標が存在するセル以外にも、これらがクロスするセルをすべて目標として検出し、誤検出してしまう。
図3はCFAR処理後の検出目標のイメージである。このようにCFAR処理により検出された目標が表示されるが(
図3の例では点A、B、Cの3点)、距離方向ならびにドップラ周波数方向の広がりに起因して、真の目標(点A、点B)のほか、誤った目標(点C)を検出してしまう問題がある。
【0017】
実施の形態1に係る目標検出方法においては、誤検出抑制アルゴリズム13により、距離方向の広がり量を求め、その中心近傍に真の目標が存在するものとし、広がり中心近傍にないものは目標が存在せず誤検出目標として判定する。
【0018】
図4は、実施の形態1における誤検出抑制アルゴリズム13の具体的処理フローを説明する図である。以下では、
図4の処理フローに従いこの処理内容を説明する。
【0019】
(1)目標検出アルゴリズム11により検出した目標のうち、1つに着目する(S101)。
(2)検出した目標の距離方向の広がりを調べる。具体的には、距離方向の広がりの開始セルと終了セルを検出する(S102)。
(3)S102で検出した開始セルと終了セルに基づき、その中心となる中心セルを求める(S103)。
(4)次に、目標の位置が距離方向の広がりの中心セルの近傍であるか否かを判定する(S104)。ここで、中心セルの近傍である場合、検出した目標は真の目標であると判断し、S106へ移行する。
一方、中心セルの近傍でない場合は、検出した目標は誤った目標であると判断し、S105へ移行する。
(5)誤検出として検出した目標を削除する(S105)。
(6)検出した目標をすべて確認するまで、S101以降のフローを繰り返し実行する(S106)。
【0020】
このように実施の形態1に係る目標検出方法においては、広がり中心近傍ではないクロス点上の検出目標は誤検出として判断する。
これにより、目標の検出精度の向上を図ることができる。
【0021】
なお、この処理を実施するためにディジタルパルス圧縮処理23とDBS処理24の処理の順序は問わず、どちらを先に処理しても構わない。
【0022】
実施の形態2.
図5、6をもとに、実施の形態2に係る目標検出方法について説明する。
【0023】
図5に示すように、目標検出装置はアンテナ部21、送受信部22、ディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24と目標検出方法として距離方向の広がりの特徴量に基づいた検出処理を実施する距離広がり中心による目標検出アルゴリズム14とが設けられている。なお、以下の実施の形態の説明では同じ構成要素には同一番号を付する。
【0024】
実施の形態2に係る目標検出方法においては、距離方向の広がりが、パルス圧縮用の符号のサイドローブ符号長に起因するなどのようにその広がり量が予測できれば、距離方向の広がりの中心に存在する目標が真の目標からの反射と考えられるため、その広がり範囲を基準に検出処理を行い、広がりの中心セルを検出目標とする。
【0025】
また、不連続な広がりに対しても同様の処理を実施することでクロス点に存在する偽像からの誤検出を排除可能となる。
【0026】
図6は、実施の形態2に係る目標検出アルゴリズム14の具体的処理フローを説明する図である。以下では、
図6の処理フローに従いこの処理内容を説明する。
【0027】
(1)距離方向のセル列に着目する(S201)。
(2)次に、距離方向に広がりがあるか否かを判定する(S202)。ここで、距離方向に広がりがない場合、S206に移行する。
距離方向に広がりがある場合、次のS203に移る。
(3)S203においては、距離方向の広がりを調べる。具体的には、距離方向の広がりの開始セルと終了セルを検出する(S203)。
(4)S203で検出した開始セルと終了セルに基づき、その中心となる中心セルを求める(S204)。
(5)中心セルを、真の目標と判断する(S205)。
(6)距離方向のセル列すべて確認するまでドップラ方向にずらしながら繰り返し実行する(S206)。
【0028】
このように、実施の形態1の目標検出方法では、従来からの方式により目標検出をした結果から誤検出を抑制し、検出精度の向上を図っていたが、実施の形態2に係る目標検出方法では距離広がり中心セルを目標とする目標検出を行うことで検出精度の向上が可能となる。
【0029】
なお、この処理を実施するのにディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24の処理の順序は問わない。
【0030】
また、不連続な広がりに対処するため、予測広がり量に範囲を設け、これを基準に上記の処理を行うことも可能である。
【0031】
実施の形態3.
図7、8をもとに、実施の形態3に係る目標検出方法について説明する。
【0032】
図7に示すように、目標検出装置はアンテナ部21、送受信部22、ディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24と目標検出方法として距離方向の広がりの特徴量に基づいた検出処理を実施する距離広がり中心による目標検出アルゴリズム14と、距離広がり中心近傍の電力レベルに基づいた検出処理を実施する電力レベルによる目標検出アルゴリズム15とが設けられている。
【0033】
実施の形態3に係る目標検出方法は、実施の形態2では距離方向の広がり中心セルを目標として検出したが、さらにその中心セル近傍において、最も電力レベルの高いセルを真の目標として検出する。
【0034】
図8は、実施の形態3に係る目標検出アルゴリズム14と、電力レベルによる目標検出アルゴリズム15の具体的処理フローを説明する図である。以下では、
図8の処理フローに従いこの処理内容を説明する。
【0035】
(1)距離方向のセル列に着目する(S301)。
(2)次に、距離方向に広がりがあるか否かを判定する(S302)。ここで、距離方向に広がりがない場合、S306に移行する。距離方向に広がりがある場合はS303に移行する。
(3)S303においては、距離方向の広がりを調べる。具体的には、距離方向の広がりの開始セルと終了セルを検出する(S303)。
(4)S303で検出した開始セルと終了セルに基づき、その中心となる中心セルを求める(S304)。
(5)中心セル近傍の最も電力レベルの高いセルを、真の目標と判断する(S305)。
(6)距離方向のセル列すべて確認するまでドップラ方向にずらしながら繰り返し実行する(S306)。
【0036】
不連続な広がりがある場合には、予測していた距離広がりの端が欠落することなどが考えられ、実施の形態2の目標検出方法のように距離方向の広がりの中心セルを目標として検出すると数セル分の誤差が含まれてしまうが、中心セル近傍の電力レベルの高いセルを目標として検出することで、本来の目標が存在するセルを選択でき、検出精度の向上が可能である。
【0037】
なお、この処理を実施するのにディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理の処理24の順序は問わない。
【0038】
また、不連続な広がりに対処するため、予測広がり量に範囲を設け、これを基準に上記の処理を行うことも可能である。
【0039】
実施の形態4.
図9、10をもとに、実施の形態4に係る目標検出方法について説明する。
【0040】
図9に示すように、目標検出装置はアンテナ部21、送受信部22、ディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理24と目標検出方法として距離方向の広がりの特徴量に基づいた検出処理を実施する距離広がり中心による目標検出アルゴリズム14と、距離広がり中心近傍のドップラ広がりに基づいた検出処理を実施するドップラ広がりによる目標検出アルゴリズム16とが設けられている。
【0041】
実施の形態4に係る目標検出方法は、実施の形態3の目標検出方法では検出した距離方向の広がり中心セルの近傍にある電力レベル最大セルを目標として検出していたが、距離方向の広がり中心のセル近傍にてドップラ方向にも広がりのあるセルを探索し、このクロス点のセルを真の目標として検出する。
【0042】
図10は、実施の形態4に係る距離広がり中心による目標検出アルゴリズム14と、ドップラ広がりによる目標検出アルゴリズム16の具体的処理フローを説明する図である。以下では、
図10の処理フローに従いこの処理内容を説明する。
【0043】
(1)距離方向のセル列に着目する(S401)。
(2)次に、距離方向に広がりがあるか否かを判定する(S402)。ここで、距離方向に広がりがない場合、S407に移行する。距離方向に広がりがある場合、S403に移る。
(3)S403においては、距離方向の広がりを調べる。具体的には、距離方向の広がりの開始セルと終了セルを検出する(S403)。
(4)S403で検出した開始セルと終了セルに基づき、その中心となる中心セルを求める(S404)。
(5)距離方向の広がり上にあるドップラ方向の広がりを調べる(S405)。
(6)次に、中心セルの最も近いクロス点セルを検出目標とする(S406)。
(7)距離方向のセル列すべて確認するまでドップラ方向にずらしながら繰り返し実行する(S407)。
【0044】
DBS処理等の誤差に起因してドップラ方向にも広がりが発生してしまうような場合には、実施例2のように距離方向の広がりの中心セルを目標として検出するよりも、距離方向広がりの中心セル近傍でドップラ方向の広がりとクロスするセルを用いることで検出精度の向上が可能である。
【0045】
また、実施の形態3における電力レベルによる目標検出アルゴリズム15との組合せにより、さらに精度の向上も可能である。
【0046】
なお、この処理を実施するのにディジタルパルス圧縮処理23、DBS処理の処理24の順序は問わない。
【0047】
また、不連続な広がりに対処するため、予測広がり量に範囲を設け、これを基準に上記の処理を行うことも可能である。