(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1淡炎孔部と前記中央濃炎孔部との間および前記第2淡炎孔部と前記中央濃炎孔部との間には二次空気が流れないように構成されている、請求項1または2に記載の燃焼装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
給気中の酸素濃度が低下することにより火炎はリフトする。現在の自己排気リサイクル検知技術では、この火炎のリフトによってフレームロッドに電流が流れなくなることを検知することで自己排気リサイクルが検出されている。しかし、燃焼装置としては低酸素状態でも安定した燃焼を継続することが求められる。この相反する2つの性能を同時に満足することが課題であった。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、低酸素状態でも安定した燃焼を実現できるとともに、極めて酸素濃度が低下した場合に燃焼を停止させることが可能な燃焼装置および給湯器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の燃焼装置は、複数のバーナと、フレームロッドと、バーナケースとを備えている。複数のバーナは、それぞれが幅方向に沿って第1端部濃炎孔部−第1淡炎孔部−中央濃炎孔部−第2淡炎孔部−第2端部濃炎孔部の順で配置された炎孔部を有している。フレームロッドは、バーナで生じる火炎を検知するためのものである。バーナケースは、複数のバーナを幅方向に並べて収容するとともに、フレームロッドを取り付けられた壁面を有している。フレームロッドはバーナケースの壁面から複数のバーナの配置領域の真上に延びるように配置されている。複数のバーナの配置領域の真上に位置するフレームロッドの部分は、中央濃炎孔部を避けて、第1端部濃炎孔部、第2端部濃炎孔部、第1淡炎孔部および第2淡炎孔部の少なくとも1つの真上に位置している。
【0009】
本発明の燃焼装置によれば、第1および第2淡炎孔部が設けられているため、これらの第1および第2の淡炎孔部にて燃料ガスの混合比を小さくできるため低NO
Xを実現することができる。また第1および第2淡炎孔部のそれぞれの両側に濃炎孔部が形成されているため、燃料ガスの混合比の小さい淡炎の根元を両側から保持してリフトしない状態に維持できるとともに、低酸素状態でも安定した燃焼を実現することができる。
【0010】
またフレームロッドが中央濃炎孔部を避けて、他の炎孔部の真上に位置している。ここで中央濃炎孔部は低酸素状態でもリフトせず安定して火炎を形成する。一方、中央濃炎孔部以外の第1端部濃炎孔部、第2端部濃炎孔部、第1淡炎孔部および第2淡炎孔部では、低酸素状態では火炎がリフトする。このため、フレームロッドを中央濃炎孔部を避けて他の炎孔部の真上に配置することにより、自己排気リサイクル状態で極めて酸素濃度が低下した場合にはフレームロッドが配置された炎孔部の火炎はリフトし、フレームロッドに電流が流れなくなる。これにより極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態を検知することができる。
【0011】
上記の燃焼装置において、第1および第2端部濃炎孔部の各々は、フレームロッドが取り付けられた壁面に交差する方向に沿って配置された複数の濃炎孔用孔部を有している。フレームロッドの先端部は、第1および第2端部濃炎孔部のいずれかの複数の濃炎孔用孔部のうち壁面の最も近くに位置する濃炎孔用孔部の真上に位置している。
【0012】
壁面の最も近くに位置する濃炎孔用孔部の付近において二次空気の量が多くなるとともに、それ以外の濃炎孔用孔部と違って隣接する濃炎孔用孔部は片側にしかないため、二次空気の影響を受けやすい。このため、この壁面の最も近くに位置する濃炎孔用孔部の真上にフレームロッドを配置することにより、極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態をより敏感に検知することができる。
【0013】
上記の燃焼装置は、第1淡炎孔部と中央濃炎孔部との間および第2淡炎孔部と中央濃炎孔部との間には二次空気が流れないように構成されている。
【0014】
これにより中央濃炎孔部において安定した火炎を形成することができる。
上記の燃焼装置において、フレームロッドの先端は壁面に沿う方向に曲げられている。
【0015】
上記の燃焼装置において、複数のバーナは互いに隣り合う第1および第2のバーナを含み、フレームロッドは第1のバーナの中央濃炎孔部と第2のバーナの前記中央濃炎孔部とに挟まれる領域の真上に位置している。
【0016】
本発明の給湯器は、上記のいずれかの燃焼装置と、その燃焼装置上に配置された熱交換器とを備えている。
【0017】
本発明の給湯器によれば、上記のいずれかの燃焼装置を備えているため、低酸素状態でも安定した燃焼を実現できるとともに、極めて酸素濃度が低下した場合に燃焼を停止させることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、低酸素状態でも安定した燃焼を実現できるとともに、極めて酸素濃度が低下した場合に燃焼を停止させることが可能な燃焼装置および給湯器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施の形態における給湯器の主要部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1の給湯器から熱交換器を省略して示す一部破断概略側面図である。
【
図3】
図1の給湯器に用いられる本発明の一実施の形態における燃焼装置の構成を概略的に示す斜視図であって、バーナケースの壁面11Aを取り外して示す分解斜視図である。
【
図4】
図3に示す燃焼装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図5】
図3、4に示す燃焼装置に用いられる本発明の一実施の形態における濃淡バーナの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図5に示す濃淡バーナの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図7】
図5のVII−VII線に沿う概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施の形態における燃焼装置のフレームロッドの配置の様子を示す燃焼装置の概略平面図である。
【
図9】比較例の燃焼装置におけるフレームロッドの配置の様子を示す燃焼装置の概略平面図である。
【
図10】バーナにおいて酸素濃度の低下に伴って火炎がリフトする様子を示す概略図である。
【
図11】本発明の一実施の形態における燃焼装置のフレームロッドの他の配置の様子を示す燃焼装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1および
図2を参照して、本実施の形態の給湯器1は、燃焼装置2と、送風部3と、熱交換器4とを主に有している。燃焼装置2は、ガスを燃焼させることにより火炎を生じさせるためのものである。送風部3は、燃焼装置2に燃焼用空気を供給するためのものであって、たとえばファン、ファンケース、ファンモータなどを有している。熱交換器4は燃焼装置2の上部に配置されており、配管内の冷媒(湯水)と燃焼装置2で生じた燃焼ガスとの間で熱交換を行わせるためのものである。
【0021】
なお本実施の形態においては、ガスを燃料とする燃焼装置について説明するが、燃料はガスに限らず、気化された石油などの液体燃料でも構わない。
【0022】
図3および
図4を参照して、燃焼装置2は、バーナケース11と、複数のバーナ12と、点火プラグ13と、フレームロッド14とを主に有している。
【0023】
バーナケース11は、底板に送風部3からの空気を内部に取り込むための孔11aを有している。またバーナケース11は、孔11aから入った空気の通路とバーナ12の格納部とを仕切るための仕切り板11bを有している。仕切り板11bには複数の貫通孔11cが設けられており、この貫通孔11cにより、孔11aからバーナケース11内に入った空気の通路と複数のバーナ12の格納部とが繋がっている。
【0024】
複数のバーナ12の各々は、仕切り板11bに支持されて、バーナケース11内に格納されている。複数のバーナ12の各々のガス流入口21a、21bは、それぞれバーナケース11の壁面に設けられた開口部11d、11eに接続されている。
【0025】
複数のバーナ12の上方には、点火プラグ13およびフレームロッド14が配置されている。点火プラグ13およびフレームロッド14の各々は、バーナケース11の壁面11Bに取り付けられている。
【0026】
点火プラグ13は、バーナ12に設けられたターゲットとの間で点火スパークを生じさせることにより、バーナ12から噴き出された燃料空気混合気に火炎を生じさせるためのものである。フレームロッド14は、バーナ12で生じた火炎の間に交流電圧を印加し火炎のイオン化による導電性、整流作用を利用して、フレームロッド14から火炎へ流れる直流電流(以下、炎電流という)を検知することにより火炎の有無を検出するためのものである。
【0027】
図5および
図6を参照して、複数のバーナ12の各々は、いわゆる濃淡バーナである。濃淡バーナとは、空気比1より燃料の希薄な燃料空気混合気(以下、淡ガスを呼ぶ)と、空気比1より燃料の濃い燃料空気混合気(以下、濃ガスと呼ぶ)とを燃焼させるNO
Xバーナのことである。
【0028】
この濃淡バーナ12は、本体ユニット21と、左右1対の側濃バーナユニット22a、22bと、中央濃バーナユニット23と、左右1対の淡バーナユニット24a、24bとを主に有している。
【0029】
本体ユニット21には、淡ガスのガス流入口21aと、濃ガスのガス流入口21bとが設けられている。淡ガスのガス流入口21aは本体ユニット21内の淡ガス通路21cに通じている。濃ガスのガス流入口21bは本体ユニット21内の濃ガス通路21dに通じている。この濃ガス通路21dに通じるように本体ユニット21の左右に1対の開口部21e、21eが設けられている。
【0030】
上記の開口部21eを覆うように本体ユニット21の左右の各々に1対の側濃バーナユニット22a、22bが取り付けられている。これにより、本体ユニット21の外壁と側濃バーナユニット22a、22bの各内壁との間の空間は、濃ガスの通路となる。つまり濃ガスのガス流入口21bから供給された濃ガスは、濃ガス通路21dに入った後、左右1対の開口部21e、21eから本体ユニット21の外壁と側濃バーナユニット22a、22bの各内壁との間の空間に入り、端部濃炎孔部22aa、22baから噴き出される。
【0031】
中央濃バーナユニット23は、下端に濃ガス通路差し込み部23bを有しており、この濃ガス通路差し込み部23bに内部通路に通じる開口部23cが形成されている。中央濃バーナユニット23は本体ユニット21の淡ガス通路21c内に挿入されており、これにより開口部23cが設けられた濃ガス通路差し込み部23bが本体ユニット21の濃ガス通路21dに達している。これによりガス流入口21bから濃ガス通路21dに入った濃ガスは開口部23cから中央濃バーナユニット23の内部通路に入り、中央濃バーナユニット23の濃炎孔部23aから噴き出される。
【0032】
本体ユニット21の淡ガス通路21c内には1対の淡バーナユニット24a、24bが挿入されている。1対の淡バーナユニット24a、24bのそれぞれは、淡ガス通路21c内において中央濃バーナユニット23の左右に位置している。これにより淡ガスのガス流入口21aから淡ガス通路21cに達した淡ガスは1対の淡バーナユニット24a、24bの下端部から淡バーナユニット24a、24bの内部通路に入り、淡バーナユニット24a、24bの各々の淡炎孔部24aa、24baから噴き出される。
【0033】
図7を参照して、上記より、本体ユニット21の外壁と側濃バーナユニット22aの内壁との間の端部濃炎孔部22aaにて濃炎が形成され、本体ユニット21の外壁と側濃バーナユニット22bの内壁との間の端部濃炎孔部22baにて濃炎が形成される。また中央濃バーナユニット23の濃炎孔部23aにて濃炎が形成される。また淡バーナユニット24a、24bの各々の淡炎孔部24aa、24baにて淡炎が形成される。つまり濃淡バーナ12は、その幅方向Wに沿って端部濃炎孔部22aa−淡炎孔部24aa−中央濃炎孔部23a−淡炎孔部24ba−端部濃炎孔部22baの順で配置された炎孔部を有している。
【0034】
図2を参照して、この給湯器1においては、給湯器1の周囲の空気が送風部3の側部から取り込まれて、燃焼装置2のバーナケース11の底板に設けられた孔11aを通じてバーナケース11内に入る。バーナケース11内に入った空気の一部は、バーナケース11内に配置された複数のバーナ12の各々のガス流入口21a、21bの各々から一次空気として燃料ガスとともにバーナ12内に供給される。またバーナケース11内に入った空気の残りの部分は、空気の通路とバーナ12の格納部とを仕切る仕切り板11bに設けられた貫通孔11cからバーナ12の格納部へ二次空気として供給される。
【0035】
図7を参照して、上記のように二次空気が供給されるため、濃淡バーナ12の幅方向の外側が二次空気の通過部となる。なお中央濃バーナユニット23および1対の淡バーナユニット24a、24bのそれぞれが本体ユニット21の淡ガス通路21c内に挿入されているため、淡炎孔部24aaと中央濃炎孔部23aとの間および淡炎孔部24baと中央濃炎孔部23aとの間には二次空気が流れないように構成されている。また淡炎孔部24aaと端部濃炎孔部22aaとの間および淡炎孔部24baと端部濃炎孔部22baとの間にも二次空気が流れないように構成されている。
【0036】
図8を参照して、幅方向Wに沿って複数の濃淡バーナ12が配置されている。これにより、各濃淡バーナ12の炎孔部の配置(端部濃炎孔部22aa−淡炎孔部24aa−中央濃炎孔部23a−淡炎孔部24ba−端部濃炎孔部22ba)が幅方向Wに沿って繰り返されている。複数の濃淡バーナ12の間には、二次空気が通過するための二次空気通過部が配置されている。
【0037】
点火プラグ13およびフレームロッド14の各々は、バーナケース11の上記幅方向Wに沿って延びる壁面11Bに取り付けられており、その壁面11Bから複数の濃淡バーナ12の配置領域の真上に突き出すように延びている。またフレームロッド14の先端は、たとえばフレームロッド14が取り付けられた壁面11Bに沿う方向(壁面11Bにたとえば略平行な方向)に曲げられている。
【0038】
複数の濃淡バーナ12の配置領域の真上に位置するフレームロッド14の部分は、中央濃炎孔部23aの真上を避けて配置されており、端部濃炎孔部22aa、第2端部濃炎孔部22ba、淡炎孔部24aaおよび淡炎孔部24baの少なくとも1つの真上に位置している。ここで中央濃炎孔部23aの真上とは、中央濃炎孔部23aをなす複数の濃ガスの噴出口の真上を意味している。
【0039】
本実施の形態においては、複数の濃淡バーナ12の配置領域の真上に位置するフレームロッド14の部分(特に壁面11Bと平行に延びる部分)は、たとえば互いに隣り合う一の濃淡バーナ12の中央濃炎孔部23aと、他の濃淡バーナ12の中央濃炎孔部23aとに挟まれる領域の真上に位置している。またフレームロッド14は、端部濃炎孔部22aa、第2端部濃炎孔部22ba、淡炎孔部24aa、淡炎孔部24baおよび二次空気通過部のそれぞれの真上に位置している。つまり複数の濃淡バーナ12の配置領域の真上に位置するフレームロッド14の部分は、端部濃炎孔部22aa、第2端部濃炎孔部22ba、淡炎孔部24aaおよび淡炎孔部24baのそれぞれのガスの噴出口の真上および二次空気通過部の真上に位置している。
【0040】
端部濃炎孔部22aaは、フレームロッド14が取り付けられた壁面11Bに交差する方向に沿って配置された複数の濃炎孔用孔部(噴出口)22aa
1、22aa
2、22aa
3、…を有している。また端部濃炎孔部22baは、フレームロッド14が取り付けられた壁面11Bに交差する方向に沿って配置された複数の濃炎孔用孔部(噴出口)22ba
1、22ba
2、22ba
3、…を有している。
【0041】
フレームロッド14は、端部濃炎孔部22aaの複数の濃炎孔用孔部22aa
1、22aa
2、22aa
3、…のうち壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22aa
1の真上に位置していることが好ましい。またフレームロッド14は、端部濃炎孔部22baの複数の濃炎孔用孔部22ba
1、22ba
2、22ba
3、…のうち壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22ba
1の真上に位置していることが好ましい。
【0042】
次に、本実施の形態の作用効果について
図9に示す比較例と対比して説明する。
図9に示す比較例においては、フレームロッド14は中央濃炎孔部23aの真上に位置している。この比較例の上記以外の構成は上述した本実施の形態の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0043】
図9に示す比較例においては、フレームロッド14は中央濃炎孔部23aの真上に位置しており、この中央濃炎孔部23aは濃淡バーナ12の間の二次空気通過部から離れている。このため、二次空気として酸素濃度の極めて低い空気が供給された場合でも、中央濃炎孔部23aの火炎はリフトを生じにくい。よって、この比較例においてはフレームロッド14は、二次空気が極めて酸素濃度の低い状態にあることを火炎のリフトで検知することは困難である。
【0044】
これに対して
図8に示す本実施の形態によれば、フレームロッド14が中央濃炎孔部23aを避けて、他の炎孔部22aa、24aa、24ba、22baの真上に位置している。他の炎孔部22aa、24aa、24ba、22baは、中央濃炎孔部23aよりも二次空気通過部の近くに位置している。このため、二次空気として酸素濃度の極めて低い空気が供給された場合、他の炎孔部22aa、24aa、24ba、22baでは中央濃炎孔部23aよりも火炎のリフトが生じやすい。フレームロッド14の位置する部分の火炎のリフトが生じた場合、フレームロッドにいわゆる炎電流が流れなくなる。これにより、本実施の形態のフレームロッド14は、二次空気が極めて酸素濃度の低い状態にあることを火炎のリフトで検知することが容易となり、極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態を検知することができる。上記を
図10(A)〜(C)を用いて以下に具体的に説明する。
【0045】
図10(A)を参照して、二次空気中の酸素濃度が低くない場合(通常の空気中の酸素濃度の場合)には、炎孔部22aa、24aa、23a、24ba、22baの各々で生じる火炎33a、32a、31、32b、33bはリフトを生じない。このため、この場合には、フレームロッド14には火炎による炎電流が流れる。
【0046】
図10(B)を参照して、二次空気中の酸素濃度が低くなると、二次空気通過部の近くに位置している炎孔部22aa、24aa、24ba、22baでは火炎33a、32a、32b、33bのリフトが生じる。しかし中央濃炎孔部23aは二次空気通過部から離れた位置にあるため、この中央濃炎孔部23aで生じる火炎31はほとんどリフトしない。
【0047】
図10(C)を参照して、二次空気中の酸素濃度が極めて低くなると、二次空気通過部の近くに位置している炎孔部22aa、24aa、24ba、22baでは火炎33a、32a、32b、33bのリフトが顕著となる。この場合、フレームロッド14には炎電流が流れなくなる。この炎電流が流れなくなったことを検知することにより、極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態を検知することができる。また自己排気リサイクル状態を検知することにより、フレームロッド14に接続された制御部41で濃淡バーナ12の燃焼動作を停止させることができる。
【0048】
また本実施の形態においては、淡炎孔部24aa、24baが設けられており、これらの淡炎孔部24aa、24baにて燃料ガスの混合比を小さくできるため低NO
Xを実現することができる。また淡炎孔部24aa、24baのそれぞれの両側に濃炎孔部22aa、23a、22baが形成されているため、低酸素状態でも安定した燃焼を実現することができる。
【0049】
またフレームロッド14は、端部濃炎孔部22aa、22baの壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22aa
1、22ba
1の少なくともいずれかの真上に位置している。この壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22aa
1、22ba
1においては他の濃炎孔用孔部22aa
2、22aa
3、22ba
2、22ba
3などよりも二次空気の量が多くなるとともに、それ以外の濃炎孔用孔部と違って隣接する濃炎孔用孔部は片側にしかないため、二次空気の影響を受けやすい。このため、この壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22aa
1、22ba
1の真上にフレームロッド14を配置することにより、極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態をより敏感に検知することができる。
【0050】
なおフレームロッド14は、
図8に示す配置位置に限定されるものではなく、たとえば
図11に示すような位置に配置されてもよい。
図11を参照して、複数の濃淡バーナ12の配置領域の真上に位置するフレームロッド14の部分は、壁面11Bの最も近くに位置する濃炎孔用孔部22aa
1、22ba
1の真上にのみ配置されており、中央濃炎孔部23aおよび淡炎孔部24aa、24baの真上に配置されていなくてもよい。
図11に示すようにフレームロッド14を配置することにより、極めて酸素濃度が低下した自己排気リサイクル状態をより敏感に検知することが可能となる。
【0051】
またフレームロッド14は、2つの濃淡バーナ12の間に配置されていなくてもよく、たとえばバーナケース11内の最も端部に配置された濃淡バーナ12の配置領域の真上に配置されていてもよい。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。