特許6051611IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

直流モータの回転数演算装置に関し、より詳細には、例えば直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出する方法を用いてセンサレスで回転数を演算する装置の信頼性向上

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、特許文献1における検出の2系統化では、バンドパスフィルタの遮断周波数が異なり、またリップル検出方法も異なるとはいえ、波形処理の基本的な方式は2系統で同じである。このため、電流リップル波形の性状によっては、2系統とも本来の電流リップルを検出できなくなるおそれが皆無でない。例えば、電流リップル波形が1/2周波数ノイズの成分を多く含んでいると、2系統でともに2個のリップルを1個と誤って認識し、遮断周波数を1/2周波数ノイズに合わせ込んでしまい(1/2周波数ロック)、誤りから抜けられなくなってしまうおそれがある。これにより、直流モータの回転数および直流モータに駆動される可動部材の位置を正しく検出できなくなり、誤ったまま動作し続けてしまうおそれがある。 また、検出の2系統化では、同等規模の回路構成が2系統必要になり、回路規模が大きくなる。例えば、リップル検出処理を主にディジタル演算回路で実現すると、2系統分の演算を行うCPUの負荷が大きくなり、演算の時間遅れが生じる。また、例えば、リップル検出処理を主にアナログ波形処理回路で実現すると、回路を構成する素子数が多くなり、回路基板が大形化する。 本発明は、背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、センサレスで直流モータの回転数を演算するときの演算信頼性を高め、検出および演算の精度を従来と同等以上にしてかつ装置構成を簡易にできる直流モータの回転数演算装置を提供することを解決すべき課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決する請求項1に係る直流モータの回転数演算装置の発明は、直流モータの回転電機子に流れる電機子電流を検出する電流検出部と、前記電機子電流に含まれる電流リップルを抽出してリップル波形を求めるフィルタ部と、前記リップル波形に基づいてリップル周期を求め第1回転数に換算するリップル検出部とを含む第1回転数演算部と、前記回転電機子に印加される電機子電圧を検出する電圧検出部と、前記電機子電流お・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1に係る直流モータの回転数演算装置の発明では、第1回転数演算部および第2回転数演算部は電機子電流に基づき相互に異なる処理演算方法で直流モータの回転数をそれぞれ演算し、有効性判定部は第1回転数演算部で演算した第1回転数が第2回転数演算部で演算した第2回転数の所定誤差範囲内に有るか否かにより第1回転数の有効性を判定する。ここで、第1回転数演算部には、通常時の第1回転数の演算精度が高く、仮にノイズの影響などを受けたときに演算精度が大きく低下するおそれのある処理演算方法を用い、第2回転数演算部には、通常時の第2回転数の演算精度が相対的に低くとも、ノイズの影響などを受け難く演算精度が大きく低下することのない処理演算方法を用いる。 また、第1回転数演算部は、フィルタ部およびリップル検出部を含んで構成されている。このため、第1回転数演算部は、通常時に直流モータのブラシとコンミテータの接触が切り替わることを電流リップルで検出でき、リップル検出精度および第1回転数の演算精度が高められる。反面、第1回転数演算部は、仮にノイズの影響などを受けると、第1回転数が1/2倍になったり2倍になったりして演算精度が大きく低下するおそれがある。しかしながら、このおそれは第2回転数演算部および有効性判定部によって排除できる。つまり、第1回転数演算部の特長である高い演算精度と、第2回転数演算部の特長である高い信頼性とを兼ね備えることができる。 さらに、第2回転数演算部は、電圧検出部、回転数記憶部、および回転数導出部を含んで構成されている。このため、第2回転数演算部は、直流モータに入力された電流および電圧の大きさに基づいて第2回転数を演算する。ここで、電流と電圧の積はパワーであるので、直流モータに駆動される可動部材の負荷が一定であれば、パワーと回転数の間には正の相関関係が成り立つ。このように、第2回転数演算部では、第2回転数の演算精度が相対的に低くとも、ノイズの影響などを受け難く演算精度が大きく低下し得ない特長を有し、常に概ね正しい第2回転数を演算することができる。
したがって、有効性判定部は、第2回転数を参照することで、第1回転数が有効であるか否かを確実に判定でき、高い信頼性を確保できる。また、第2回転数演算部は、電流および電圧をパラメータとする演算式や一覧表形式のマップを用いて第2回転数を容易に求めることができるので、装置構成が簡易になる。このように、特長の異なる2つの回転数演算部を併用することで、第1回転数演算部では従来と同等以上の演算精度を確保しつつ、第2回転数演算部によりノイズの影響などを排除して総合的に従来よりも高い信頼性を確保できる。
請求項2に係る発明では、第2回転数演算部は、電流および電圧をパラメータとする演算式を用いて簡易に第2回転数を求めることができるので、装置構成が簡易になる。 請求項3に係る発明では、第1回転数演算部のリップル検出部は、リップル波形が所定の振幅閾値だけ変化したタイミングを検出し、当該タイミングの発生時間間隔をリップル周期とする。第1回転数演算部の演算処理方法にはリップル振幅検出方法を用いることができ、求められたリップル周期の逆数から第1回転数を演算できる。これにより、通常時の第1回転数の演算精度が極めて高くなる。 請求項4に係る発明では、有効性判定部における所定の誤差範囲は0.5倍を超え2倍未満の範囲とされている。さらに、請求項5に係る発明では、所定の誤差範囲は0.7倍から1.3倍までの範囲とされている。つまり、有効性判定部は、第1回転数が第2回転数の0.5倍を超え2倍未満、好ましくは0.7倍から1.3倍までの範囲に有るときに第1回転数を有効な回転数と判定するので、この種の装置で発生しがちな1/2周波数ノイズおよび2倍周波数ノイズの影響を確実に排除できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施形態の直流モータの回転数演算装置の構成を示すブロック構成図である。

【図2】リップル検出部が行うリップル振幅検出方法を説明する波形図である。

【図3】電流電圧/回転数変換部の回転数記憶部の機能を例示説明する図である。

【図4】有効性判定部の機能を説明する図である。

【図5】実施形態の回転数演算装置を用いて様々な使用条件で実験を行った場合の有効性判定の結果を示す図である。

【図6】従来技術のリップル検出装置の一構成例を示す図である。

【図7】従来技術のリップル検出装置で1/2周波数ロックが発生したときを示す波形図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1:回転数演算装置   21:シャント抵抗(電流検出部) 22:電流用AD変換器(電流検出部)   3:フィルタ部 35:遮断周波数設定部   4:リップル検出部   5:電流電圧/回転数変換部   6:有効性判定部   7:制御CPU   8:従来技術のリップル検出装置   9:直流モータ 91:バッテリ 92:電圧用AD変換器(電圧検出部)   VB:電源電圧 Im:電機子電流 Wm:電圧波形   DI:電流検出信号 DV:電圧検出信号   Wrpl、Wrpl1:リップル波形 Wpls:検出パルス波形   F、F1:立上り検出フラグ   Vrth:立上り振幅閾値 Vfth:立下り振幅閾値   N1:第1回転数 N2:第2回転数 R:誤差範囲   Ferr:エラーフラグ

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