特許第6051641号(P6051641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051641
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】車両用インタークーラ
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   B60K11/04 Z
   B60K11/04 K
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-160557(P2012-160557)
(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公開番号】特開2014-19322(P2014-19322A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】祢屋 進之介
(72)【発明者】
【氏名】冨川 清一郎
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−068688(JP,A)
【文献】 特開2012−236504(JP,A)
【文献】 特開2004−284438(JP,A)
【文献】 特開2003−326988(JP,A)
【文献】 特開平11−287589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気と外気との熱交換を行う複数のチューブを車幅方向に配置したコア部と、
一端側を前記コア部の縁部から車両前方側に所定間隔を隔てて配置されると共に、他端側を該一端側よりも車両前方側に配置されて、前記コア部に外気を導入する少なくとも一枚のプレートと、
前記コア部の吸気上流側に設けられて前記チューブ内に吸気を導入する吸気導入部と、
前記コア部の吸気下流側に設けられて前記チューブ内から吸気を導出させる吸気導出部と、
前記吸気導入部もしくは前記吸気導出部の少なくとも何れか一方の前側面に車両前方に向けて突出して形成された少なくとも一以上のボス部と、を備え
前記プレートは、一端側を前記ボス部に固定され、且つ、前記吸気導入部もしくは前記吸気導出部の少なくとも何れか一方における前記ボス部以外の部分と接触しないことを特徴とする車両用インタークーラ。
【請求項2】
前記プレートは、一端側を前記コア部の車幅方向における一方縁部から所定間隔を隔てて配置されて車両上下方向に延在する第1のプレートと、一端側を前記コア部の車幅方向における他方縁部から所定間隔を隔てて配置されて車両上下方向に延在する第2のプレートと、を含む請求項に記載の車両用インタークーラ。
【請求項3】
前記プレートは、他端側を一端側よりも車両幅方向の外側に配置されて、そのプレート面を前記コア部の前側面に対して傾斜させた請求項1又は2に記載の車両用インタークーラ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用インタークーラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両用インタークーラは、吸気と外気との熱交換を行う複数のチューブが車幅方向に配置されたコア部を備えている。また、車両用インタークーラにおいては、吸気の冷却効率を向上させるべく、走行風を導入するプレートをコア部の両端に設けたものも知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、走行風をコア部に積極的に取り込むために、発泡ウレタンで一体形成した一対の両側部材と導風部材とをコア部の両端に配置した車両用インタークーラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−149623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の車両用インタークーラは、一体形成された両側部材と導風部材とをラジエータの側部に直接取り付けている。そのため、これら部材間の干渉を防止するには、両側部材や導風部材の材質をラジエータとは異なるウレタンやゴム等にする必要がある。また、ラジエータやインタークーラは高温状態になるため、両側部材と導風部材とをラジエータの側部に直接取り付けると、これら両側部材や導風部材に高温の熱が伝達して劣化を招く可能性もある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、その目的は、外気を導入するプレートとコア部との間の干渉を防止すると共に、プレートの劣化を効果的に抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、吸気と外気との熱交換を行う複数のチューブを車幅方向に配置したコア部と、一端側を前記コア部の縁部から車両前方側に所定間隔を隔てて配置されると共に、他端側を該一端側よりも車両前方側に配置されて、前記コア部に外気を導入する少なくとも一枚のプレートとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記コア部の吸気上流側に設けられて前記チューブ内に吸気を導入する吸気導入部と、前記コア部の吸気下流側に設けられて前記チューブ内から吸気を導出させる吸気導出部と、前記吸気導入部、もしくは、前記吸気導出部の少なくとも何れか一方の前側面に車両前方に向けて突出して形成された少なくとも一以上のボス部とをさらに備え、前記プレートは、一端側を前記ボス部に固定されてもよい。
【0009】
また、前記プレートは、一端側を前記コア部の車幅方向における一方縁部から所定間隔を隔てて配置されて車両上下方向に延在する第1のプレートと、一端側を前記コア部の車幅方向における他方縁部から所定間隔を隔てて配置されて車両上下方向に延在する第2のプレートとを含んでもよい。
【0010】
また、前記プレートは、他端側を一端側よりも車両幅方向の外側に配置されて、そのプレート面を前記コア部の前側面に対して傾斜させてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両用インタークーラによれば、外気を導入するプレートとコア部との間の干渉を防止することができると共に、プレートの劣化を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用インタークーラを示す模式的な斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両用インタークーラを示す模式的な上視図である。
図3】(a)は本実施形態の車両用インタークーラ、及び導風プレートを有しない車両用インタークーラによる吸気の冷却効率を比較した図、(b)は本実施形態の車両用インタークーラ、及び導風プレートを有しない車両用インタークーラによる冷却水の冷却効率を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜3に基づいて、本発明の一実施形態に係る車両用インタークーラについて説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0014】
本実施形態の車両用インタークーラ1は、図1に示すように、ラジエータ50の前方側に設けられたコア部10と、図示しない過給機からの吸気をコア部10に導入する吸気導入部20と、コア部10から図示しないエンジンに吸気を導出する吸気導出部30と、右側導風プレート40と、左側導風プレート41とを備えている。本実施形態において、これらコア部10、吸気導入部20、吸気導出部30、右側導風プレート40、及び左側導風プレート41は、アルミ合金や銅合金等の金属材料で形成されている。
【0015】
コア部10は、吸気を流通させる複数のチューブ11と、各チューブ11間に介装された図示しない複数のアウターフィンと、貫通形成された図示しない複数の穴に各チューブ11の吸気上流端を挿通して固定する縦長の入口プレート13と、貫通形成された図示しない複数の穴に各チューブ11の吸気下流端を挿通して固定する縦長の出口プレート14とを備えている。なお、本実施形態において、コア部10の下方には、ラジエータ50を通過した高温状態の走行風がコア部10に巻き返されることを防止する防風プレート51が車幅方向に延設されている。この防風プレート51は、ラジエータ50の下縁部に図示しないステイ等を介して取り付けられている。
【0016】
吸気導入部20は、過給機側の吸気管(不図示)に接続された略円筒状の入口パイプ部21と、コア部10の入口プレート13に取り付けられた縦長中空状の入口ヘッダー部22と、入口パイプ部21と入口ヘッダー部22とを滑らかに連結する曲面中空状の入口連結部23とを備えている。また、入口ヘッダー部22の前側面には、右側導風プレート40を取り付けるための右側ボス部22a,22bが前方に向けて突出して形成されている。なお、右側ボス部22a,22bの個数は二個に限定されず三個以上であってもよい。
【0017】
吸気導出部30は、エンジン側の吸気管(不図示)に接続された略円筒状の出口パイプ部31と、コア部10の出口プレート14に取り付けられた縦長中空状の出口ヘッダー部32と、出口パイプ部31と出口ヘッダー部32とを滑らかに連結する曲面中空状の出口連結部33とを備えている。また、出口ヘッダー部32の前側面には、左側導風プレート41を取り付けるための左側ボス部32a,32bが前方に向けて突出して形成されている。なお、左側ボス部32a,32bの個数は二個に限定されず三個以上であってもよい。
【0018】
右側導風プレート40は、縦長の平板状に形成されており、その後方端部には入口ヘッダー部22に形成された右側ボス部22a,22bとボルトナットで固定される二個の右側フランジ40a,40bが設けられている。すなわち、右側フランジ40a,40bを右側ボス部22a,22bに固定した状態で、右側導風プレート40の後方端部と入口ヘッダー部22の前側面(もしくは、コア部10の右側端部)との間には、所定の間隔(以下、クリアランスという)が形成される。これにより、右側導風プレート40と入口ヘッダー部22との間の干渉が効果的に防止される。なお、本実施形態において、このクリアランスは、高速走行時に走行風がコア部10を通過してクリアランスに流れ込まないように、コア部10(アウターフィンを含めた各チューブ11間)よりも通気抵抗が高くなる値で設定されている。
【0019】
図2に示すように、右側フランジ40a,40bのフランジ面は、右側導風プレート40のプレート面に対して90度よりも小さい角度で傾斜する。すなわち、右側フランジ40a,40bを右側ボス部22a,22bに固定した状態で、右側導風プレート40の前方端部は後方端部よりも右側(車幅方向の外側)に配置される。これにより、右側導風プレート40の前方端部が車体前面にコア部10よりも幅広に形成された開口部60の右側縁部と隣接して配置され、かつ、右側導風プレート40のプレート面がコア部10の前側面に対して傾斜することで、走行風はコア部10に積極的に導入される。
【0020】
図1に示すように、左側導風プレート41は、縦長の平板状に形成されており、その後方端部には出口ヘッダー部32に形成された左側ボス部32a,32bとボルトナットで固定される二個の左側フランジ41a,41bが設けられている。すなわち、左側フランジ41a,41bを左側ボス部32a,32bに固定した状態で、左側導風プレート41の後方端部と出口ヘッダー部32の前側面(もしくは、コア部10の左側端部)との間には、クリアランスが形成される。これにより、左側導風プレート41と出口ヘッダー部32との間の干渉が効果的に防止される。
【0021】
図2に示すように、左側フランジ41a,41bのフランジ面は、左側導風プレート41のプレート面に対して90度よりも小さい角度で傾斜する。すなわち、左側フランジ41a,41bを左側ボス部32a,32bに固定した状態で、左側導風プレート41の前方端部は後方端部よりも左側(車幅方向の外側)に配置される。これにより、左側導風プレート41の前方端部が車体前面にコア部10よりも幅広に形成された開口部60の左側縁部と隣接して配置され、かつ、左側導風プレート41のプレート面が、コア部10の前側面に対して傾斜することで、走行風はコア部10に積極的に導入される。
【0022】
次に、本実施形態に係る車両用インタークーラ1による作用効果を説明する。
【0023】
コア部10の右側端近傍に位置する入口ヘッダー部22の前側面には、右側導風プレート40が設けられ、コア部10の左側端近傍に位置する出口ヘッダー部32の前側面には、左側導風プレート41が設けられている。また、右側導風プレート40の前方端部は、その後方端部よりも右側(車幅方向の外側)に配置されて開口部60の右側縁部と隣接し、左側導風プレート41の前方端部は、その後方端部よりも左側(車幅方向の外側)に配置されて開口部60の左側縁部と隣接する。すなわち、開口部60から流入する走行風をコア部10に積極的に導入するように、右側導風プレート40及び左側導風プレート41は、そのプレート面をコア部10の前側面に対して傾斜して配置されている。
【0024】
したがって、本実施形態の車両用インタークーラ1によれば、コア部10への外気導入量が効果的に増加して、吸気の冷却効率を向上することができると共に、ラジエータ50における冷却水の冷却効率も向上することができる(図3参照)。
【0025】
また、右側導風プレート40は、その後方端部を入口ヘッダー部22の前側面に形成された右側ボス部22a,22bに固定され、左側導風プレート41は、その後方端部を出口ヘッダー部32の前側面に形成された左側ボス部32a,32bに固定される。すなわち、右側導風プレート40は、その後方端部を入口ヘッダー部22の前側面からクリアランスを隔てて配置され、左側導風プレート41は、その後方端部を出口ヘッダー部32の前側面からクリアランスを隔てて配置されている。
【0026】
したがって、本実施形態の車両用インタークーラ1によれば、導風プレート40,41とヘッダー部22,32及びコア部10との間の干渉を効果的に防止することができる。また、クリアランスを設けたことで、ヘッダー部22,32から導風プレート40,41への熱の伝達が抑制されて、導風プレート40,41の劣化を効果的に防止することができる。さらに、クリアランスを設けたことで、これら導風プレート40,41をヘッダー部22,32やコア部10と同一の金属材料で形成することが可能になり、ウレタンやゴム等の部材を適用した場合に比べて耐久性やメンテナンス性を効果的に向上することもできる。
【0027】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0028】
例えば、導風プレート40,41は左右一対に限定されず、コア部10の上縁部と下縁部とに上下一対をさらに備えて構成してもよい。また、導風プレート40,41の固定手法はボス部22a,22b,32a,32bに限定されず、その前方端部を車体側(例えばバンパー等)にステイ等で固定してもよい。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 車両用インタークーラ
10 コア部
11 チューブ
20 吸気導入部
22 入口ヘッダー部
22a,22b 入口ボス部
30 吸気導出部
32 出口ヘッダー部
32a,32b 出口ボス部
40 右側導風プレート
41 左側導風プレート
図1
図2
図3