特許第6051661号(P6051661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6051661-硝子玉密封容器開栓具兼用蓋 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051661
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】硝子玉密封容器開栓具兼用蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/06 20060101AFI20161219BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20161219BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20161219BHJP
   B67B 7/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B65D39/06
   B65D51/24 Z
   B65D23/00 R
   B67B7/02
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-170028(P2012-170028)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28628(P2014-28628A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
(72)【発明者】
【氏名】藤井 恒樹
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/122834(WO,A1)
【文献】 特開2008−137694(JP,A)
【文献】 特開2006−103696(JP,A)
【文献】 特開2007−008569(JP,A)
【文献】 特開平11−290423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/06
B65D 51/24
B67B 7/02
B65D 23/00
B65D 51/22
B65D 51/28
B65D 49/12
B65D 51/20
B65D 41/32
B65D 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の頂部と該頂部の下面中央に凸設した筒状玉押部からなる打開栓部と、
該打開栓部からハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、バンド剥き用のタグを備えた円筒状のバンドとさらにハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、ボトルのフランジに挟み込んで止めるための越えリブを備えたスペーサからなることを特徴とする硝子玉密封容器開栓具兼用蓋。
【請求項2】
プラスチックの一体成型で製造したことを特徴とする請求項1に記載の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋。
【請求項3】
プラスチックの成型材料として低密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂またはこれらの混合物を用いたことを特徴とする請求項2に記載の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラムネ瓶等の硝子玉密封容器の口に装着され、その蓋と開口用具を兼ねる硝子玉密封容器開栓具兼用蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス製球状栓を容器内に収容した後に、瓶の口頸部を加熱変形してその内径を球状栓の直径よりも小さくせしめることによって形成される伝統的なガラス製ラムネ容器に代えて、最近は合成樹脂により成型された容器本体と、この容器本体内に球状栓を収容した後に容器本体の口頸部に被嵌装着される蓋体とを含む容器が提案されてきている。
【0003】
たとえば、柔軟な合成樹脂製キャップの円筒状周縁に破断可能な切れ目を入れ、開栓時に該キャップを押圧することによりその切れ目を破り、キャップ下部中央の円筒部をラムネ瓶に押し込んで開栓する栓抜蓋が提案されている(特許文献1)。
しかし、この栓抜蓋を充填したラムネ瓶口に装着し引裂開封自在の封緘体で封緘して固定し、段ボールケースに積み重ねて出荷すると上段の重量により下段のラムネ瓶に栓抜蓋が押し付けられ前記の切れ目が破れて栓が開封されてしまう事故が発生する。
【0004】
そこで、栓抜蓋とラムネ瓶口の間に保護円筒を嵌めて全体を合成樹脂フィルムの封緘体で被覆する方法が提案されている。
この場合には、保護円筒があることにより、栓抜蓋が自然に瓶口に押し込まれる虞はないが、開栓蓋と保護円筒を合成樹脂等により別々に成型する必要があり、さらにラムネ瓶の包装の際、人手により栓抜蓋に保護円筒を嵌合する必要がありコストが嵩むという欠点があった。
くわえて、開栓の際にも一旦封緘体を破り、栓抜蓋と保護円筒を外し、栓抜蓋のみを再びラムネ瓶口に嵌合しなければならず手間がかかるという欠点もあった。
【0005】
さらに、自然に瓶が開栓されるおそれがなく、合成樹脂等により一体に成型することが出来て包装に人手を要さず開栓が一挙動でできるラムネ瓶用の栓抜蓋の提供を目的として、
板状の頂部と該頂部の下面中央に突設した筒状玉押部よりなる押込片と、該押込片と微少間隔を隔てかつ該押込片と相互に複数の破断可能な連結部により連結された円筒状のリングによりなり、全体が合成樹脂により一体に成型されたことを特徴とするラムネ瓶栓抜蓋が提案されている(特許文献2)。
【0006】
上記のように、容器本体と容器本体内に球状栓を収容した後に容器本体の口頸部に被嵌装着される蓋体とを含む容器が提案されているが、これらの容器は多くの場合、容器本体、球状栓および蓋体に加えて、別個に形成されたリング形状のシール部材を含んでいる。
たとえば、容器本体は頂面が開口した円筒状口頸部を有し、この口頸部の外周には雄ネジが形成されている。蓋体は中央部に排出開口が形成されている円環状頂壁およびこの頂壁の外周縁部から垂下する円筒状側壁を有し、側壁の内周面には雌ネジが形成されている。
蓋体はその雌ネジを容器本体の雄ネジと螺合させることによって容器本体の口頸部に装着される。上記シール部材は容器本体の口頸部の上端と蓋体の頂壁の下面との間に挟持され、こうして容器本体の口頸部と蓋体との間が密封される。
上記球状栓は容器本体内に圧力が生成されると、上記シール部材の下面内周縁部に押圧され、こうして蓋体の頂壁に形成されている排出開口が密封される。
【0007】
しかしながら上記の従来容器には次のような問題点がある。
第一に容器本体の口頸部の上端と蓋体の頂壁の下面との間の所要位置に十分正確にシール部材が挟持されるためには容器本体の口頸部に蓋体を被嵌装着するに先立って口頸部の上端上の所定位置にシール部材を位置づけてそのまま口頸部に蓋体を被嵌装着することが必要であるがこのような操作は比較的煩雑である。
第二にシール部材の円周方向の挟持圧力の均一性を保持することは困難でありそれによってシール部材の内径にバラツキが生じて球状栓とシール部材との密封接合が不良になる傾向がある。
【0008】
これに対して、煩雑な操作を必要とすることなく良好な密封特性を安定して確保することが出来るラムネ容器を提供するために、従来の容器で使用されていた別個のシール部材に代えて、蓋体にその頂壁の内周縁部から容器本体の口頸部内へ延びる可撓性環状シールを一体に形成し、容器本体内に生成される圧力によって、球状栓が上記環状シールの内周面に押圧され、上記環状シールの外周面が口頸部の内周面に押圧されるようにする構成が提案されている(特許文献3)。
【0009】
しかしながら、開栓具兼用の蓋としての使用形態では、やはり、押込片(開栓具)と保護円筒(環状部材)と封緘体(合成樹脂シート)の3点の部品が追加で必要であり、保護円筒の挿入と除去および封緘体のシュリンクの工程も煩雑であるという問題点は残されていた。
【0010】
図を参照して従来の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の一例を説明する。
図3は従来の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例(閉栓時)の断面の略図を示している。図のように従来は打開栓部(d)、スペーサ(h)、シュリンクフィルム(k)の3パーツで開栓具兼用蓋が形成されていた。
【0011】
ボトルにセットする場合もまず打開栓部(d)にスペーサ(h)をセットする第一工程、つぎにそれにシュリンクフィルムの筒を被せてボトル口頸部のダミー型上でプレシュリンクさせるプレシュリンク包装の第二工程、最後にこれをボトルの口頸部に被せて図のようにシュリンクさせて固定する第三工程という3つの工程を経る必要があった。
【0012】
この方法は打開栓部(d)、スペーサ(h)、シュリンクフィルム(k)の3パーツとパーツが多くコストが掛かり、上記のように工程も多くさらにコストが掛かっていた。
また、ボトルの口元にセットしてシュリンク包装する工程を初めとしてその前の打開栓部にスペーサをセットする工程とこれをプレシュリンク包装する工程も自動化が難しい工程であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実公昭51−44455号公報
【特許文献2】実開昭60−175065号公報
【特許文献3】実開昭61−22742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点を解決しようとするものであって、部品数を減らして装着工程を簡素化した硝子玉密封容器用の開栓具兼用蓋を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するための、本発明の請求項1に係る発明は、
板状の頂部と該頂部の下面中央に凸設した筒状玉押部からなる打開栓部と、
該打開栓部からハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、バンド剥き用のタグを備えた円筒状のバンドとさらにハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、ボトルのフランジに挟み込んで止めるための越えリブを備えたスペーサからなることを特徴とする硝子玉密封容器開栓具兼用蓋である。
【0016】
本発明の請求項2に係る発明は、プラスチックの一体成型で製造したことを特徴とする請求項1に記載の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋である。
【0017】
本発明の請求項3に係る発明は、プラスチックの成型材料として低密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂またはこれらの混合物を用いたことを特徴とする請求項2に記載の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は、板状の頂部と該頂部の下面中央に凸設した筒状玉押部からなる打開栓部と、該打開栓部からハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、バンド剥き用のタグを備えた円筒状のバンドとさらにハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、ボトルのフランジに挟み込んで止めるための越えリブを備えたスペーサからなる連続した一組のパーツからなる蓋であるから、通常の射出成型等のプラスチックの一体成型で形成できる。
したがって、蓋材の製造工程を簡素化して部品数を減らすことが出来るのみならず、蓋材の装着時もボトル口頸部のフランジに蓋材の越えリブを嵌め込むという一動作だけで装着が完了するという極めて簡素な装着工程を実現することが出来る。
【0019】
本発明に係る硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は、打開栓部からハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、バンド剥き用のタグを備えた円筒状のバンドとさらにハーフカットのVノッチ溝を介して連設された、ボトルのフランジに挟み込んで止めるための越えリブを備えたスペーサからなる部分を有することによって、閉栓時の取り扱いにおいては誤って開栓してしまうことを防止できる。
開栓の必要がある時には誰にも見やすいタグを引っ張ることによって、打開栓部を保持してきたバンド部分をハーフカットのVノッチにそって一周容易に剥きとることにより硝子玉で密封している口元を開く。横方向にバンドを外す方式は海外でも認識し易い。
また、バンド部分を取り去ることによって打開栓部を有するこのような容器は開封履歴が一目瞭然となり改竄防止の効果も有する。
【0020】
本発明に係る硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は、プラスチックの成型材料として低密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂またはこれらの混合物を用いたことによってバンドを切断するときにVノッチ溝に沿って手で容易に切断除去できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例(閉栓時)。(A)閉栓時の断面略図、(B)閉栓時の上面略図。
図2】本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例(バンド剥き時および抜き栓時)。(C)バンド剥ぎ時の断面略図、(D)抜き栓時の断面略図。
図3】従来の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例(閉栓時)。
図4】本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例(閉栓時およびバンド剥き時)。(A)閉栓時の断面略図、(B)バンド剥ぎ時の断面略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の実施形態の一例について必要に応じて図面を援用して説明する。
【0023】
本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は図1の(A)および(B)に示したように、
板状の頂部(n)と該頂部の下面中央に凸設した筒状玉押部(g)からなる打開栓部(d)と、該打開栓部からハーフカットのVノッチ溝(b)を介して連設された、バンド剥き用のタグ(c)を備えた円筒状のバンド(l)とさらにハーフカットのVノッチ溝(b)を介して連設された、ボトル(e)のフランジ(a)に挟み込んで止めるための越えリブ(j)を備えたスペーサ(h)からなることを特徴とする硝子玉密封容器開栓具兼用蓋である。
【0024】
本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は上記のような構造であるから、密封時のボトルへの取り付けの場合には、ボトル口頸部のフランジ(a)の上下から挟み込む形でスペーサ(h)下部の越えリブを嵌合させて固定することにより一動作で簡単かつ確実に密封することが出来る。
【0025】
密封後の輸送や梱包等の取り扱い時において、板状の頂部(n)に予期せぬ力が掛かった場合でも打開栓部(d)とボトル(e)のフランジ(a)の間には筒状玉押部(g)のボトル口頸部への移動を阻止する円筒状のバンド(l)が連設されているので容易には開栓することはない。
【0026】
本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は、開栓時にはタグ(c)を把持してハーフカットのVノッチ溝(b)および(b)を一周切断することで打開栓部(d)がボトル(e)から独立して移動できる状態とする(図2(C)参照)。
つぎに、打開栓部(d)の板状の頂部(n)を上方から押して筒状玉押部(g)を下方に挿入し、硝子玉を瓶内に外して密封している口頸部を開口する(図2(D)参照)。
【0027】
また、図4に示したように本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋は、硝子玉を保持するキャップ(m)を既に装着しているボトルに適用することも可能である。
図4の(A)は本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋の例の閉栓時、(B)はバンド剥き時を示している。
このような構造にすることでキャップを簡易化して1パーツとして合理化することが可能になる。
【0028】
以上のように、本発明の硝子玉密封容器開栓具兼用蓋はプラスチックの一体成型で製造出来、とくに、成型材料として低密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂またはこれらの混合物を用いた場合がバンド切断が容易であり、一度バンド切断を行うと復元できないので改竄防止の効果も有する。
本発明の蓋は従来の開栓具兼用蓋に比べて、製造工程が簡素化された装着方法の簡単な、さらに開栓の手順も分かり易く開栓も容易な、しかも改竄防止効果もある優れた開栓具兼用蓋とすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の蓋は硝子玉で封止してある瓶の口元を密封するとともに開栓することも出来るキャップとしてさまざまな分野で利用できる。たとえば、ラムネ瓶の口元用として、ガラス瓶やPETボトル等あるいは改竄防止が必要で合理化のため1パーツ化したい時に用いる。また樹脂のみで形成するバンドピールタイプにも適用出来る。
【符号の説明】
【0030】
a…フランジ(ボトルリブ)
b…ハーフカットのVノッチ
c…バンド剥き用のタグ
d…打開栓部
e…ボトル
f…硝子玉
g…筒状玉押部
h…スペーサ
j…越えリブ
k…シュリンクフィルム
l…バンド
m…硝子玉保持キャップ
n…板状の頂部
図1
図2
図3
図4