特許第6051664号(P6051664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051664
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 K
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-173790(P2012-173790)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-32900(P2014-32900A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120178
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 康成
(74)【代理人】
【識別番号】100130638
【弁理士】
【氏名又は名称】野末 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸範
【審査官】 大畑 通隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−048788(JP,A)
【文献】 特開平06−162334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M2/10
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子が同一方向に導出された組電池と、
前記組電池を保持する保持部、前記保持部から前記電極端子の導出方向である電極取り出し方向に突出して設置面に接地する第1接地部、及び前記保持部から前記電極取り出し方向とは反転方向である非電極取り出し方向に突出して設置面に接地する第2接地部を含んで構成される支持部材と、
を備えた電源装置であって、
心位置が、前記第1接地部の前記電極取り出し方向における最外端と前記第2接地部の前記非電極取り出し方向における最外端との中間位置よりも、前記非電極取り出し方向側に位置する電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、
前記電極取り出し方向における最外端は前記第1接地部の前記電極取り出し方向における最外端であり、前記非電極取り出し方向における最外端は前記第2接地部の前記非電極取り出し方向における最外端であり、
前記第1接地部の前記電極取り出し方向の長さが、前記第2接地部の前記非電極取り出し方向の長さより長い電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電源装置において、
前記支持部材が、前記第1接地部側の設置面に接地する補助部材をさらに備え、
前記補助部材の、設置面に接地する部分の前記電極取り出し方向における最外端が、前記電極取り出し方向における最外端である電源装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電源装置において、
前記組電池は前記保持部に保持された状態で前記非電極取り出し方向に傾いており、
前記第1接地部の前記電極取り出し方向における最外端と重心位置とを結ぶ直線と、重心位置から鉛直下向きに延びる直線とがなす角を角θとし、前記第2接地部の前記非電極取り出し方向における最外端と重心位置とを結ぶ直線と、重心位置から鉛直下向きに延びる直線とがなす角を角φとしたとき、角θ>角φである電源装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電源装置において、
前記電極取り出し方向側よりも前記非電極取り出し方向側の方が重い質量分布となっている電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電源装置において、
前記支持部材の、前記電極取り出し方向における最外端と前記非電極取り出し方向における最外端との中間位置よりも前記非電極取り出し方向側の部分に錘を装着した電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極、負極の両端子が同じ方向を向いて設置されている電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド車両用または電動車両用の駆動用モータの電源装置として、複数のバッテリを積層したものをブラケットにより保持すると共に電気的に接続した、いわゆるパック電池が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−299544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のパック電池のような車両用の電源装置は、通常、車体のフロア等に設けられた車体側固定部位に合わせて作られた支持部材を備え、この支持部材と車体側固定部位をボルト等で締結することによって、車体に固定される。これにより、車両の加減速時や旋回時に電源装置が転倒することを防止している。上記のような車両用の電源装置であれば、搭載する車種毎に車体側固定部位に応じた支持部材を設計することで、電源装置を確実に固定し、転倒を防止できる。
【0005】
しかしながら、近年では、パック電池等からなる電源装置を家庭用電源として使用することが提案されている。車両に搭載するのであれば、上記のように車種毎に支持部材を設計することで確実に固定し、転倒を防止できるが、家庭用の場合には設置場所は多岐にわたるので、設置場所の条件によっては、確実な固定が困難な場合も生じ得る。例えば、電源装置を地表面に設置する場合、地表面が土や砂利等といった未舗装状態であると、ボルト等での固定は難しい。このため、地震や強風等により電源装置に水平方向の加速度が入力されると転倒するおそれがある。そして、転倒時に電極端子が地面に衝突して電源装置の損傷を招くおそれがある。特に、家庭用の電源装置として用いる場合、設置場所の占有面積を小さくするために、高さ方向の寸法を大きくとることが望ましい。しかし、重心位置が高くなることで転倒する可能性は高まる。
【0006】
そこで、本発明では、仮に転倒したとしても電極端子が損傷し難い電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電源装置は、正極及び負極の電極端子が同一方向に導出された組電池と、組電池を保持する保持部、保持部から電極端子の導出方向である電極取り出し方向に突出して設置面に接地する第1接地部、及び保持部から電極取り出し方向とは反転方向である非電極取り出し方向に突出して設置面に接地する第2接地部を含んで構成される支持部材とを備える。そして、重心位置が、第1接地部の電極取り出し方向における最外端と第2接地部の非電極取り出し方向における最外端との中間位置よりも、非電極取り出し方向側に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重心位置が、電極取り出し方向における最外端と非電極取り出し方向における最外端との中間位置に対して、非電極取り出し方向側にずれているので、地震等による加振力が入力された場合には、電極取り出し方向側より非電極端子側に倒れ易い。したがって、仮に電源装置が転倒したとしても電極端子は損傷し難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は電源装置の一例を示す図である。
図2図2は電極保護用の絶縁性カバーについて示す図である。
図3図3は第1実施例の概略構成図である。
図4図4図3の点A−点Dを抽出した図である。
図5図5(A)は電源装置に加振力が作用した状態を示す図であり、図5(B)は点A回りに回転させようとする力を示す図であり、図5(C)は点B回りに回転させようとする力を示す図である。
図6図6は第2実施例の概略構成図である。
図7図7は第3実施例の概略構成図である。
図8図8は第4実施例の概略構成図である。
図9図9は第5実施例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1及び図2は、本実施形態を適用する電源装置の一例を示す図である。
【0012】
この電源装置は、4つのバッテリ10を縦横にそれぞれ2つずつ積層し、積層した状態でブラケット2により保持したバッテリスタック1を、電極取り出し方向を揃えて3つ並べたものである。なお、図1の右端のバッテリスタック1については、積層の状態を理解し易くするため、ブラケット2に保持された状態のバッテリ10を破線で示している。
【0013】
バッテリ10の、最も長い辺と最も短い辺で画成される面を底面または上面、最も長い辺と次に長い辺で画成される面を側面、最も短い辺と次に短い辺で画成される面を端面とする。バッテリ10は、正極端子3及び負極端子4を同一の端面に備えている。
【0014】
バッテリスタック1は、バッテリ10を、正極端子及び負極端子を設けた端面(電極端子取り出し面)が同一方向を向くように、縦方向及び横方向に2つずつ並べた状態でブラケット2により保持したものである。電極端子取り出し面が向く方向を電極端子取り出し方向とする。ブラケット2については後述する。
【0015】
バッテリスタック1の各バッテリ10は、バスバ6により直列接続されている。そして、隣り合うバッテリスタック1はハーネス5により直列接続され、ハーネス5の一端は正極出力線、他端は負極出力線となる。
【0016】
実際の使用時には、各バッテリスタック1の電極端子取り出し面に、図2に示すような取り外し可能な絶縁性のカバー11を装着し、電極を保護する。
【0017】
ブラケット2は、脚部2A、2Bと、バッテリ10を側面及び上面を被うようにして保持する保持部2Cと、を含んで構成される。
【0018】
なお、脚部2A、2Bについては、便宜上、電極端子取り出し面側を前脚部2A、他方を後脚部2Bとする。また、バッテリスタック1の組立工程の簡便化のため、ブラケット2は電極端子取り出し方向から見て右側からバッテリ10を保持する右側ブラケット2Rと、同じく左側からバッテリ10を保持する左側ブラケット2Lの2つの部品から構成されている。
【0019】
ブラケット2は、前脚部2A、後脚部2B、及び保持部2Cを一枚の部材を折り曲げる等して一体に形成してもよいし、別個の部材であってバッテリ10に固定した状態でブラケット2として機能するようにしてもよい。また、図1図2では、前脚部2A、後脚部2Bが設置面に対して面接触するよう構成されているが、これに限られるわけではない。例えば、前脚部2A及び後脚部2Bが設置面に対して直交する面となるような構成であっても構わない。
【0020】
次に、本実施形態のバッテリスタック1の傾倒防止構造の考え方について説明する。なお、以下の説明において、設置面は水平な面であるものとする。
【0021】
図3は、バッテリスタック1を図2の矢印III方向から見た図である。なお、図3においては、簡単の為、積層した状態のバッテリ10をまとめて「バッテリ10」として表示している。
【0022】
図3の点Aは前脚部2Aの最外方接地点、つまり電極取り出し側の最外方接地点である。点Bは後脚部2Bの最外方接地点、つまり電極取り出し側とは反対側の最外方接地点である。点Cはバッテリスタック1の重心点である。点Dは接地点Aと接地点Bの中点である。
【0023】
図4は、図3の点A−点Dを抽出し、点A、点B、及び点Cを直線で結んだ図である。図示するように、点A、点B及び点Cは、辺ABが設置面に接する三角形ABC、点Dは辺ABの中点として表わすことができる。
【0024】
図5(A)−図5(C)は、バッテリスタック1に横方向の加振力F(以下、単に「外力F」という)が加わった場合の、バッテリスタック1を傾倒させようとする力について説明するための図である。以下の説明において、バッテリスタック1の質量をMとする。
【0025】
図5(A)に示すように、外力Fがバッテリスタック1に作用すると、外力Fが図中左向きならばバッテリスタック1は点A回りに、逆に図中右向きならば点B回りに回転しようとする。そこで、点Aまわりのモーメント及び点B回りのモーメントについて考える。
【0026】
(点A回りのモーメント)
図5(B)に示すように、点Cに図中左向きの外力F及び重力Mgが作用する。辺ACに対して垂直な成分を考えると、点Cに対して辺ACに直交する方向に作用する力Faは、式(1)で表される。なお、式(1)におけるαは∠CABの大きさである。
【0027】
Fa=Fsinα−Mgsocα ・・・(1)
【0028】
したがって、辺ACの長さをLAとすると、点A回りのモーメントMaは式(2)で
表わされる。
【0029】
Ma=Fa×LA ・・・(2)
【0030】
(点B回りのモーメント)
点A回りのモーメントと同様に点B回りのモーメントについて考える。図5(C)に示すように、辺BCに直交する力をFb、∠ABCの大きさをβ、辺BCの長さをLB、点B回りのモーメントをMbとすると、力Fb、モーメントMbはそれぞれ式(3)、式(4)のように表わされる。
【0031】
Fb=Fsinβ−Mgcosβ ・・・(3)
【0032】
Mb=Fb×LB ・・・(4)
【0033】
ここで、辺ABの長さをLとすると、式(5)、式(6)の関係がある。
【0034】
LAcosα+LBcosβ=L ・・・(5)
【0035】
LAsinα=LBsinβ ・・・(6)
【0036】
そして、式(5)、式(6)から、LA、LBを求めると、式(7)、式(8)のようになる。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
なお、式(7)のTは、式(9)の通りである。
【0039】
【数3】
【0040】
したがって、式(2)、式(4)、式(7)、式(8)より、モーメントMa、Mbが式(10)、式(11)のように導きだされ、両者の差は式(12)で表される。
【0041】
【数4】
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
次に、式(12)について、α、βの大きさ毎に検討する。
【0045】
(1)0<α<β<90°の場合
【0046】
この場合、0<tanα<tanβであるから、モーメントMb>モーメントMaとなる。
【0047】
(2)α<β=90°の場合
【0048】
この場合、tanβ→∞であるから、1/tanβ→0となる。したがって、(1)の場合と同様に、モーメントMb>モーメントMaとなる。
【0049】
(3)0<α<90°<β<180°の場合
【0050】
この場合、tanα>0、tanβ<0であるから、(1)、(2)の場合と同様に、モーメントMb>モーメントMaとなる。
【0051】
つまり、図5(A)−図5(C)に示すようにαがβより小さければ、点B回りのモーメントMbが点A回りのモーメントMaよりも大きくなる。つまり、外力Fが例えば地震のように左右方向に交互に作用した場合には、点A回りよりも点B回りに転倒し易い。したがって、仮に転倒したとしても、電極が設置面等に衝突することを回避できる。
【0052】
ところで、αがβより小さい場合というのは、上述した三角形ABCの辺ACが辺BCよりも長い場合、つまり、バッテリスタック1の重心位置が、前脚部2Aの最外方接地点Aと後脚部2Bの最外方接地部Bの中点Dよりも点B側に位置する場合である。
【0053】
このような条件を実現するためのバッテリスタックの構造について、以下、実施例を挙げて説明する。
【0054】
(第1実施例)
図3に示すように、重心位置Cが点Aと点Bの中点Dよりも点B側になるように、前脚部2Aを後脚部2Bよりも長く設定する。これにより、上述したようにバッテリスタック1が転倒しても電極が設置面等に衝突して損傷することを回避できる。
【0055】
(第2実施例)
図6は第2実施例のバッテリスタック1の構造を示す図である。本実施例では、前脚部2Aの長さは、後脚部2Bと同じ、又はそれより短くても構わない。
【0056】
本実施例のブラケット2は補助部材20を備えており、この補助部材20が保持部2Cの電極取り出し側から設置面まで延びている。そして、補助部材20の設定面と接触部のうち、電極取り出し方向側の最外方接地点である点A2は、第1実施例の点Aと同様の条件を満たす。
【0057】
すなわち、補助部材20は、最外方接地点A1からバッテリスタック1の重心位置までの水平距離L1が、後脚2Bの最外方接地点Bから重心位置までの水平距離L2よりも長くなるよう設定されている。
【0058】
なお、本実施例のように補助部材20を用いる場合、前脚部2Aを後脚部2Bと同じ長さにすると、右側ブラケット2Rと左側ブラケット2Lが同形状になる。すなわち、ブラケット2の製造にあたり、1種類のブラケット用部品を右側ブラケット2R又は左側ブラケット2Lのいずれにも使用することができる。このように部品の共用化ができることで、コストダウンを図ることができる。
【0059】
(第3実施例)
図7は、第3実施例のバッテリスタック1の構造を示す図である。
【0060】
本実施例のブラケット2は、脚部2A、2B及び保持部2Cに加えて、さらに楔状部材30を含んで構成される。
【0061】
楔状部材30は、図2の矢印III方向から見た断面形状が三角形であって、ブラケット2の下面に固定される。これにより、前脚部2Aの方が後脚部2Bよりも設置面に対して高くなる。つまり、ブラケット2の下面が設置面に対して傾く。
【0062】
図7において、前脚部2Aの最外方接地点Aと重心位置Cを結ぶ直線と、重心位置Cから鉛直下向きに延びる直線とがなす角を角θとする。また、後脚部2Bの最外方接地点Bと重心位置Cを結ぶ直線と、重心位置Cから鉛直下向きに延びる直線とがなす角を角φとする。このとき、角θ>角φの条件を満たすようなブラケット2の下面の傾きになるように、楔状部材30及び前脚部2A及び後脚部2Bの長さを設計する。
【0063】
なお、楔状部材30は上述した傾きを実現できるのであれば、必ずしも断面形状が三角形である必要はない。また、楔状部材30をブラケット2と一体に形成してもよい。例えば、一枚の板状部材を折り曲げて前脚部2A、後脚部2B、保持部2C、及び楔状部材30に相当する部分を形成してもよい。
【0064】
なお、本実施例でも、第2実施例と同様に、ブラケット2を構成する部品を共用化できる。
【0065】
(第4実施例)
図8は、第4実施例のバッテリスタック1の構造を示す図である。
【0066】
本実施例は、第3実施例と同様にバッテリスタック1を傾けることによって、重心位置Cを、前脚部2Aの最外方接地点Aと後脚部2Bの最外方接地点Bの中点よりも、電極取り出し側とは逆側にずらす。ただし、楔状部材30は用いずに、前脚部2A及び後脚部2Bが設置面に接触する点で第3実施例とは異なる。
【0067】
(第5実施例)
図9は、第5実施例のバッテリスタック1の構造を示す図である。
【0068】
本実施例は、バッテリスタック1の重心位置Cが、前脚部2Aの最外方接地点Aと後脚部2Bの最外方接地点Bの中点Dに対して電極取り出し側とは逆側となるように、ブラケット2に錘40を装着する。なお、重心位置Cが中点Dに対して電極取り出し側とは逆側になればよいので、錘40の形状等は問わない。
【0069】
なお、本実施例でも、第2実施例、第3実施例と同様に、ブラケット2を構成する部品を共用化できる。
【0070】
また、例えばブラケット2の保持部2Cを前脚部2A側と後脚部2B側に分割した構成とし、後脚部2B側の板厚を前脚部2Aの板厚より厚くすることで錘40を取付けたのと同様の効果を得ることもできる。ただし、この場合は上述した部品の共用化はできない。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果が得られる。
【0072】
正極端子3及び負極端子4が同一方向に導出されたバッテリ10と、電極取り出し方向に延びて設置面に接地する前脚部2A、電極取り出し方向とは反転方向の非電極取り出し方向に延びて設置面に接地する後脚部2B、及びバッテリ10を保持する保持部2Cを含んで構成されるブラケット2を備える。そして、重心位置(点C)が、電極取り出し方向における最外端(点A)と非電極取り出し方向における最外端(点B)との中間位置(点D)よりも、非電極取り出し方向側に位置する。したがって、バッテリスタック1に地震等による横方向の加振力Fが作用した場合には、点A回りよりも点B回りに転倒し易い。これにより、仮に転倒したとしても、電極端子3、4が設置面等に衝突して損傷することを回避できる。
【0073】
上記のような重心位置(点C)を実現するには、前脚部2Aを後脚部2Bより長くする、補助部材20を用いる、バッテリ10を傾ける、後脚部2B側が前脚部2A側より重くなるような質量分布にする、等の方法がある。
【0074】
補助部材20を用いる場合、楔状部材30を用いる場合、錘40を用いる場合であれば、ブラケット2がバッテリ10を左右から挟持する2つの部品からなる構成のときに、2つの部品を同形状にして共用化することができる。これによりコストの低減を図ることができる。
【0075】
なお、本発明のバッテリスタック1が上記の効果を奏するのは、図1のように電極取り出し面を揃えて配置する場合に限られない。例えば、2つのバッテリスタック1を設置する場合に、設置場所によっては電極取り出し方向に沿って一列に並べざるを得ず、ハーネス5の取り回し等の観点から、互いの電極取り出し面を対向させるように配置することが望ましいこともある。このような配置にする場合であっても、本発明のバッテリスタック1であれば、仮に転倒しても互いに離れる方向に転倒することになるので、転倒によって電極設置面同士が衝突して電極の損傷を招くことを回避できる。
【0076】
また、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1 バッテリスタック(電源装置)
2 ブラケット(支持部材)
2A 前脚部
2B 後脚部
3 正極端子
4 負極端子
5 ハーネス
6 バスバ
10 バッテリ(組電池)
20 補助部材
30 楔状部材(傾斜部材)
40 錘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9