特許第6051688号(P6051688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051688
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/19 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   B62D1/19
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-190948(P2012-190948)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-46786(P2014-46786A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】広川 嘉紀
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−051078(JP,U)
【文献】 特開2010−241326(JP,A)
【文献】 特開2008−308156(JP,A)
【文献】 特開2001−334945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に固定された固定ブラケットを介して車両本体に支持されるステアリングコラムに加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えたステアリング装置において、
前記ステアリングコラムに対して一体的に設けられるセンサハウジングと、
カプセルを介して車両本体から離脱可能に車両本体に固定される車体側ブラケットと、
前記ステアリングコラムに対して一体的に設けられるとともに、前記ステアリングコラムが前記車両本体に近接又は離間する方向であるチルト方向に揺動可能となるように、前記車体側ブラケットに対して前記チルト方向に直交する方向から力を与えるカム機構を介して締め付けられるコラム側ブラケットと、
前記ステアリングコラムの軸を中心とする前記車体側ブラケットの回動を規制する回動規制部と、を備え
前記車体側ブラケットは、前記ステアリングコラムの軸の径方向に延びるとともに、前記カプセルによって前記チルト方向から挟持される取付板を具備するジャケットを有し、
前記センサハウジングは、前記車体側ブラケットに対向する側において、前記ステアリングコラムの軸の径方向に突出する突出部を有するものであり、
前記回動規制部は、前記突出部と、前記車体側ブラケットが前記ステアリングコラムの軸を中心として回動しようとする場合に当該突出部に当接する前記取付板とで構成される
ことを特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリング装置において、
記車体側ブラケットの前記チルト方向の揺動を規制する揺動規制部を備える
ことを特徴とするステアリング装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステアリング装置において、
前記回動規制部は、前記ステアリングコラムの軸を中心とする異なる回動方向に対応する一対の前記突出部と、前記ステアリングコラムに前記衝撃が加わった場合に各突出部に対してそれぞれ当接する一対の前記取付板と、を備える
ことを特徴とするステアリング装置。
【請求項4】
請求項又はのいずれか一項に記載のステアリング装置において、
前記車体側ブラケットの前記チルト方向の揺動を規制する揺動規制部を備えており、
前記揺動規制部は、前記回動規制部を構成する前記突出部と前記取付板とを兼用する
ことを特徴とするステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング装置には、ステアリングホイールをチルト中心軸の周りに揺動させることによりステアリングホイールの高さ位置を調整するチルト機構が備えられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のステアリング装置では、操舵補助用の減速機構を収容する減速機構ハウジングにコラムブラケットがねじ止め固定されている。そして、このコラムブラケットは、チルト中心軸を介して車体に固定された固定ブラケットによって揺動可能に支持されている。
【0004】
ステアリング装置には、チルト機構によってチルト調整する際に、車体側ブラケットの側板とステアリングコラムに固定されたコラム側ブラケットの側板との締め付けを解除するロック機構が設けられている。ロック機構は、車体側ブラケットの側板とステアリングコラムに固定されたコラム側ブラケットの側板とをカム機構が押圧することによって締め付ける。また、ロック機構は、カム機構の押圧を操作レバーによって解除することで締め付けを解除する。
【0005】
また、特許文献1に記載のステアリング装置では、車両の衝突時の衝撃を吸収するための衝撃吸収機構が設けられている。固定ブラケットには、チルト中心軸が挿通される長孔が形成されている。そして、衝撃吸収機構は、ステアリングコラムに衝撃が加えられると、チルト中心軸が長孔に沿って摺動することで、衝撃を吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−98659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1に記載のステアリング装置では、ステアリングコラムに衝撃が加えられて衝撃を吸収する際に、車体側ブラケットが車体から離脱する。そして、衝撃吸収する際に、カム機構の締め付けが解除される方向に力が加わると、車体から離脱した車体側ブラケットが車体のリンフォース等の構造体に衝突するおそれがある。このとき、車体側ブラケットが車体側の構造体に衝突すると、ステアリングコラムの軸方向への移動を妨げるので、衝撃吸収を邪魔してしまうおそれがある。そこで、円滑な衝撃吸収が可能なステアリング装置が求められている。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃吸収機構を備えたステアリング装置において、円滑な衝撃吸収を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両本体に固定された固定ブラケットを介して車両本体に支持されるステアリングコラムに加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えたステアリング装置において、前記ステアリングコラムに対して一体的に設けられるセンサハウジングと、カプセルを介して車両本体から離脱可能に車両本体に固定される車体側ブラケットと、前記ステアリングコラムに対して一体的に設けられるとともに、前記ステアリングコラムが前記車両本体に近接又は離間する方向であるチルト方向に揺動可能となるように、前記車体側ブラケットに対して前記チルト方向に直交する方向から力を与えるカム機構を介して締め付けられるコラム側ブラケットと、前記ステアリングコラムの軸を中心とする前記車体側ブラケットの回動を規制する回動規制部と、を備え、前記車体側ブラケットは、前記ステアリングコラムの軸の径方向に延びるとともに、前記カプセルによって前記チルト方向から挟持される取付板を具備するジャケットを有し、前記センサハウジングは、前記車体側ブラケットに対向する側において、前記ステアリングコラムの軸の径方向に突出する突出部を有するものであり、前記回動規制部は、前記突出部と、前記車体側ブラケットが前記ステアリングコラムの軸を中心として回動しようとする場合に当該突出部に当接する前記取付板とで構成されることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、回動規制部を備えた。このため、衝撃吸収時に車体側ブラケットが車体から離脱して、コラム側ブラケットと車体側ブラケットとの締め付けが緩んだ際に、車体側ブラケットがステアリングコラムの軸を中心として回動しようとしても、回動規制部によって回動が規制される。よって、ステアリングコラムの軸方向への移動を妨げることがないので、衝撃吸収を邪魔せず、円滑な衝撃吸収が可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステアリング装置において、前記車体側ブラケットの前記チルト方向の揺動を規制する揺動規制部を備えることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、揺動規制部を備えた。このため、衝撃吸収時に車体側ブラケットが車体から離脱して、コラム側ブラケットと車体側ブラケットとの締め付けが緩んだ際に、車体側ブラケットが上記チルト方向に揺動しようとしても、揺動規制部によって揺動が規制される。よって、ステアリングコラムの軸方向への移動を妨げることがないので、衝撃吸収を邪魔せず、円滑な衝撃吸収が可能となる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のステアリング装置において、前記回動規制部は、前記ステアリングコラムの軸を中心とする異なる回動方向に対応する一対の前記突出部と、前記ステアリングコラムに前記衝撃が加わった場合に各突出部に対してそれぞれ当接する一対の前記取付板と、を備えることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、異なる回動方向に対応する一対の突出部取付板とを備えた。このため、各取付板が異なる回動方向において各突出部当接して規制されて、車体側ブラケットの回動を確実に規制できる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項又はのいずれか一項に記載のステアリング装置において、前記車体側ブラケットの前記チルト方向の揺動を規制する揺動規制部を備えており、前記揺動規制部は、前記回動規制部を構成する前記突出部と前記取付板とを兼用することをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、揺動規制部が回動規制部の突出部取付板とを兼用するので、突出部取付板とによって揺動規制と回動規制とをできる。よって、揺動規制部を別途設ける必要がなく、簡易な構成とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、衝撃吸収機構を備えたステアリング装置において、円滑な衝撃吸収が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ステアリング装置の構成を示す側面図。
図2】ステアリング装置の構成を示す右端面図。
図3】ステアリング装置の構成を示す上面図。
図4】衝撃吸収時におけるステアリング装置の構成を示す側面図。
図5】ステアリング装置の構成を示す図3の5−5断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のステアリング装置を具体化した一実施形態について図1図5を参照して説明する。
図1図3に示されるように、ステアリング装置1は、ステアリングホイール6が接続されるステアリングシャフト2の一部を構成するコラムシャフト3を備えている。コラムシャフト3は、コラムシャフト3の上側が上側支持機構29によって支持されている。なお、上側支持機構29には、ステアリングホイール6の高さ位置を調整するチルト機構8が設けられている。
【0022】
コラムシャフト3は、ステアリングコラム4内において回転可能に収容されている。コラムシャフト3における車両の後方側端部には、ステアリングホイール6が固定されている。一方、コラムシャフト3における車両の前方側(図中左側)端部には、図示しない自在継手を介してインターミディエイトシャフトが連結されており、ステアリング操作に伴う回転(操舵トルク)がラック&ピニオン機構等の転舵機構に伝達されることにより転舵輪の舵角が変更されるようになっている。なお、コラムシャフト3は、前方側端部が車両の上下方向下側に位置するように傾斜した状態で車両に搭載されている。
【0023】
ステアリング装置1は、電動モータを駆動源としてコラムシャフト3を回転駆動するコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)として構成されている。具体的には、ステアリングコラム4の前方側端部には、操舵系にアシスト力を付与するEPSアクチュエータの入力軸及び出力軸が収容される減速機ハウジング12が設けられている。また、ステアリングコラム4の前方側端部には、入力軸と出力軸との間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられたセンサハウジング13が減速機ハウジング12に隣接して設けられている。
【0024】
減速機ハウジング12及びセンサハウジング13には、電動モータが収容されたモータハウジング14が取り付けられている。そして、減速機構を介して電動モータの回転が出力軸に伝達されることにより、操舵系に対してアシスト力が付与される。
【0025】
また、ステアリングコラム4の前方側端部の下方には、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)15が設けられている。ECU15には、トルクセンサや車速センサからの検出信号が入力される。ECU15は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータを制御する。
【0026】
ステアリング装置1には、ステアリングコラム4を車両の上下方向に移動させることで、ステアリングホイール6の高さ位置を調整するチルト機構8が備えられている。ステアリングコラム4は、車両本体に固定された固定ブラケット26によって支持されている。ステアリングコラム4は、減速機ハウジング12のチルト軸取付部27に挿通されるチルト中心軸28を中心として傾動可能に支持されている。これにより、ステアリングホイール6は、車両の略上下方向であるチルト方向(詳しくは、チルト中心軸28を中心とした傾動方向)におけるステアリングコラム4の位置を変更することで、その高さ位置を調整可能となっている。
【0027】
上側支持機構29は、車両本体に固定される車体側ブラケット31と、ステアリングコラム4(アウタチューブ24)に固定されるコラム側ブラケット32と、これら車体側ブラケット31とコラム側ブラケット32とを連結する支軸33とを備えている。
【0028】
車体側ブラケット31は、ステアリングシャフト2の軸方向視で下向きの略コ字状に形成されるクランプ34と、クランプ34の上面に固定されるジャケット35とから構成されている。クランプ34の一対の側板34a,34bには、チルト方向に延びる挿通孔としてのチルト長孔37がそれぞれ形成されている。
【0029】
図3に示されるように、車体側ブラケット31は、ジャケット35が車両本体に固定されることで取り付けられる。ジャケット35の車両本体に取り付けられる取付板36には、車両後方に向けて解放した切欠溝38が形成されている。
【0030】
図1図3に示されるように、ジャケット35の取付部分には、U字状のカプセル40が離脱可能に設けられている。カプセル40は、ジャケット35を挟持する一対の固定片40aと、一対の固定片40aの間隔を規制する規制部40bとを有している。固定片40aには、図示しないボルトのねじ部を挿通する挿通孔40cがそれぞれ形成されている。固定片40aの間に、ジャケット35の切欠溝38の縁部が挟持されている。ジャケット35の切欠溝38とカプセル40の挿通孔40cに挿通された図示しない締結ボルトにナットが螺着されることにより車両本体に固定される。
【0031】
図2に示されるように、コラム側ブラケット32は、ステアリングシャフト2の軸方向視で上向きの略コ字状に形成されている。コラム側ブラケット32には、一対の側板が設けられている。コラム側ブラケット32の一対の側板の上端部は、それぞれ内側に折り曲げられるとともに溶接等によりステアリングコラム4(アウタチューブ24)に固定されている。
【0032】
また、ステアリング装置1には、ステアリングホイール6の高さ位置及び前後位置を保持するためのロック機構50が設けられている。ロック機構50には、支軸33を中心として同支軸33と一体で回動可能である操作レバー52が設けられている。ロック機構50は、操作レバー52の回動位置に応じて、クランプ34の側板に対し、これら側板がコラム側ブラケット32の側板を支軸33の軸方向両側から挟み込むように軸方向に力を与えるカム機構53を備えている。
【0033】
図1に示されるように、ステアリング装置1には、ステアリングコラム4に衝撃が加えられた際に、衝撃を吸収する衝撃吸収機構60が設けられている。チルト軸取付部27には、チルト中心軸28を車両の前後方向に移動可能な長孔61が形成されている。長孔61に挿通されたチルト中心軸28は、通常状態ではチルト方向にのみ回動可能となっており、所定以上の衝撃(負荷)が加えられた際に、車両の前方に移動する。また、ステアリングコラム4に衝撃が加えられると、ジャケット35からカプセル40が離脱することで、ジャケット35が車両本体から外れる。よって、ステアリングコラム4に衝撃が加えられた際には、衝撃吸収機構60によってステアリングホイール6からステアリングコラム4を含めて一体に車両の前方に移動する。
【0034】
ところで、衝撃吸収機構60によって、カプセル40がジャケット35から離脱すると、ジャケット35が固定されていない状態となるので、ジャケット35がステアリングコラム4の軸を中心においてステアリングコラム4に対して回動するおそれがある。そこで、ステアリングコラム4に対するジャケット35の回動を規制する回動規制部70が設けられている。
【0035】
また、衝撃吸収機構60によって、カプセル40がジャケット35から離脱すると、ジャケット35が固定されていない状態となるので、ジャケット35が支軸33に対して揺動するおそれがある。そこで、支軸33に対するジャケット35の揺動の規制を回動規制部70によって合わせて行う。よって、回動規制部70が揺動規制部を兼ねている。
【0036】
センサハウジング13のジャケット35側の上両側角には、一対の平板状の突起71が形成されている。突起71は、センサハウジング13の側方に突出している。ジャケット35がステアリングコラム4の軸において回動しようとした際に、ジャケット35の取付板36の上面36aが突起71の下面71aに当接するように突起71の大きさと位置とが設定されている。なお、各突起71は、回動方向にどちらか一方の回動についてのみ取付板36の上面36aに当接する。また、ジャケット35が支軸33において回動しようとした際に、クランプ34の側板34a,34bの端面が突起71の車体側ブラケット31側の側面71bに当接するように突起71の大きさと位置とが設定されている。よって、回動規制部70は、一対の突起71と、突起71の移動を規制する取付板36の上面36a、クランプ34の側板34a,34bの端面とから構成される。なお、取付板36の上面36aと車体側ブラケット31側の側面71bとが突起71の移動を規制する規制面として機能する。
【0037】
次に、前述のように構成されたステアリング装置1の衝撃吸収機構60の動作について図4及び図5を参照して説明する。
図4及び図5に示されるように、車両の衝突時に、運転者がステアリングホイール6にぶつかると、ステアリングコラム4に衝撃が加えられるので、ステアリングコラム4が車体に対して前方へ相対移動する。衝撃が加えられたことによってチルト中心軸28が固定ブラケット26の長孔61を車両の前方側へ移動する。また、ジャケット35の取付板36に取り付けられたカプセル40が離脱し、車体側ブラケット31もステアリングコラム4と一体に車両前方へ移動する。
【0038】
そして、カプセル40がジャケット35から離脱すると、ジャケット35が固定されていない状態となる。このとき、ジャケット35がステアリングコラム4の軸において回動しようとすると、ジャケット35の取付板36の上面36aが突起71の下面71aに当接して、突起71の移動を規制する。すなわち、ジャケット35がステアリングコラム4の軸において回動することを規制する。ジャケット35が支軸33に対して揺動しようとすると、クランプ34の側板34a,34bの端面が突起71の車体側ブラケット31側の側面71bに当接して、突起71の移動を規制する。すなわち、支軸33に対するジャケット35の揺動を規制する。よって、ジャケット35が大きく回動したり、揺動したりすることを抑制できるので、車体側の部材への衝突を抑制できる。よって、ステアリングコラム4の軸方向への移動を妨げることがないので、衝撃吸収を邪魔せず、円滑な衝撃吸収が可能となる。
【0039】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ステアリング装置1に回動規制部70を備えた。このため、衝撃吸収時に車体側ブラケット31が車体から離脱して、コラム側ブラケット32と車体側ブラケット31との締め付けが緩んだ際に、車体側ブラケット31がステアリングコラム4の軸を中心として回動しようとしても、回動規制部70によって回動が規制される。よって、ステアリングコラム4の軸方向への移動を妨げることがないので、衝撃吸収を邪魔せず、円滑な衝撃吸収ができる。
【0040】
(2)ステアリング装置1に揺動規制部として回動規制部70を備えた。このため、衝撃吸収時に車体側ブラケット31が車体から離脱して、コラム側ブラケット32と車体側ブラケット31との締め付けが緩んだ際に、車体側ブラケット31がコラム側ブラケット32を支持する支軸33を中心として揺動しようとしても、回動規制部70(揺動規制部)によって揺動が規制される。よって、ステアリングコラム4の軸方向への移動を妨げることがないので、衝撃吸収を邪魔せず、円滑な衝撃吸収ができる。
【0041】
(3)回動規制部70として突起71と、規制部としてジャケット35の取付板36の上面36aとを備え、突起71を車体側ブラケット31とセンサハウジング13との一方に設け、規制部をセンサハウジング13に設けた。このため、突起71とジャケット35の取付板36の上面36aとの簡易な構成で車体側ブラケット31の回動を規制できる。
【0042】
(4)異なる回動方向に対応する一対の突起71と規制部としてのジャケット35の取付板36の上面36aに規制されて、車体側ブラケット31の回動を確実に規制できる。
(5)揺動規制部が回動規制部70の突起71と規制部としてのジャケット35の取付板36の上面36aとを兼用するので、突起71と規制部とによって揺動規制と回動規制とをできる。よって、揺動規制部を別途設ける必要がなく、簡易な構成とすることが可能となる。
【0043】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、一対の突起71を設けて、それぞれ異なる方向への各突起71の回動を規制するようにしたが、1つの突起がどちら方向への回動に対しても規制するような規制部を設けられれば、突起を一つだけにしてもよい。
【0044】
・上記実施形態では、突起71をセンサハウジング13の上両側角に設けたが、ステアリングコラム4に対する回動が規制できれば、センサハウジング13のどこに設けてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、突起71をセンサハウジング13に設け、規制部をジャケット35としたが、突起と規制部との設置場所を変更してもよい。例えば。突起をジャケット35に設けて、規制部をセンサハウジング13に設けてもよい。
【0046】
・上記実施形態では、揺動規制部を回動規制部と兼ねたが、揺動規制部を回動規制部とは異なるものをステアリング装置1に設けてもよい。
・上記実施形態では、揺動規制部を回動規制部70に兼用させたが、支軸33におけるジャケット35の揺動があまりなければ、支軸33におけるジャケット35の揺動を規制する揺動規制部を省略してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ステアリング装置、2…ステアリングシャフト、3…コラムシャフト、4…ステアリングコラム、6…ステアリングホイール、8…チルト機構、12…減速機ハウジング、13…センサハウジング、14…モータハウジング、15…ECU、24…アウタチューブ、26…固定ブラケット、27…チルト軸取付部、28…チルト中心軸、29…上側支持機構、31…車体側ブラケット、32…コラム側ブラケット、33…支軸、34…クランプ、34a,34b…側板、35…ジャケット、36…取付板、36a…上面、37…チルト長孔、38…切欠溝、40…カプセル、40a…固定片、40b…規制部、40c…挿通孔、50…ロック機構、52…操作レバー、53…カム機構、60…衝撃吸収機構、61…長孔、70…回動規制部、71…突起、71a…下面、71b…側面。
図1
図2
図3
図4
図5