(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051718
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】無線放送システム及び無線放送方法
(51)【国際特許分類】
H04H 20/12 20080101AFI20161219BHJP
H04H 20/61 20080101ALI20161219BHJP
H04H 20/59 20080101ALI20161219BHJP
H04H 60/94 20080101ALI20161219BHJP
H04N 7/16 20110101ALI20161219BHJP
H04N 7/173 20110101ALI20161219BHJP
【FI】
H04H20/12
H04H20/61
H04H20/59
H04H60/94
H04N7/16 E
H04N7/173 630
H04N7/173 610Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-205671(P2012-205671)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-60661(P2014-60661A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎也
【審査官】
川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−143125(JP,A)
【文献】
特開2010−074360(JP,A)
【文献】
特開2011−120089(JP,A)
【文献】
特開2006−101318(JP,A)
【文献】
特開2006−050650(JP,A)
【文献】
特開2004−179977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/00 − 20/95
H04H 40/00 − 40/90
H04H 60/00 − 60/98
H04N 21/24
H04N 21/442
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信する子局と、
前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止する前記親局と、
を備えたことを特徴とする無線放送システム。
【請求項2】
前記親局は、前記子局に状態監視コマンドを送信し、この状態監視コマンドの送信に応答して前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信し、
前記子局は、前記親局から前記状態監視コマンドを受信し、前記バッテリによる稼働に切り替わった場合、前記バッテリ稼働情報を前記親局に送信する、
ことを特徴とする請求項1記載の無線放送システム。
【請求項3】
前記子局は前記親局の送信するエリアを示すサービスエリア内に複数存在し、
前記親局は、複数の前記子局に、前記状態監視コマンドをそれぞれ送信し、複数の前記子局のうちの所定の割合の子局から前記バッテリ稼働情報を受けることにより前記サービスエリアで停電が発生していると判断し前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする請求項2記載の無線放送システム。
【請求項4】
前記放送情報の一部とは、緊急度の低い通常情報を示し、前記通常情報は、行政情報と、行事情報と、前記子局内の機器の保全を確認するための情報を示す機器保全確認情報とを含み、緊急度の低い前記通常情報は、前記行事情報と、前記機器保全確認情報を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の無線放送システム。
【請求項5】
前記親局は、
前記行政情報を送信する一般放送と、前記機器保全確認情報を送信する機器保全確認放送とを行うとともに、前記子局に前記状態監視コマンドを送信し、この状態監視コマンドの送信に応答して前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信することにより停電が発生していると判断し、前記通常情報のうちの緊急度の低い前記通常情報の送信を停止する操作卓と、
前記操作卓に接続され、緊急情報を送信する緊急放送と前記一般放送とを前記操作卓を介して行う遠隔制御装置と、
一般電話回線を介して前記操作卓に接続され、行事情報を送信する地区遠隔放送を前記操作卓を介して行う電話機と、
前記操作卓に接続され、前記操作卓と前記遠隔制御装置と前記電話機とが行うそれぞれの放送を出力する基地局と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の無線放送システム。
【請求項6】
前記操作卓は、停電が発生していると判断した場合、前記機器保全確認放送と前記地区遠隔放送とを停止する、
ことを特徴とする請求項5記載の無線放送システム。
【請求項7】
前記操作卓は、停電が発生していると判断した後に、所定の時間が経過した場合、前記遠隔制御装置が行う前記一般放送を更に停止する、ことを特徴とする請求項6記載の無線放送システム。
【請求項8】
親局により放送情報を送信し、
子局により、前記親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信し、
前記親局により、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする無線放送方法。
【請求項9】
前記親局により、前記子局に状態監視コマンドを送信し、
前記子局により、前記親局から前記状態監視コマンドを受信し、前記バッテリによる稼働に切り替わった場合、前記バッテリ稼働情報を前記親局に送信し、
前記親局により、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信する、
ことを特徴とする請求項8記載の無線放送方法。
【請求項10】
前記子局は前記親局の送信するエリアを示すサービスエリア内に複数存在し、
前記親局は、複数の前記子局に、前記状態監視コマンドをそれぞれ送信し、複数の前記子局のうちの所定の割合の子局から前記バッテリ稼働情報を受けることにより前記サービスエリアで停電が発生していると判断し前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする請求項9記載の無線放送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線放送システム及び無線放送方法に関し、バックアップ電源の浪費を抑える無線放送システム及び無線放送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、緊急時に災害情報等を伝える緊急放送を行い、通常時には行政情報や行事情報等を伝える通常放送を行う無線放送システムが普及している。この無線放送システムは、親局が放送内容を無線により送信し、子局がこの放送を無線により受信し、例えば、拡声スピーカ等によりに放送内容の音声を拡声して、住民等に通知する。
【0003】
このような無線放送システムに関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の無線告知放送システムは、センタ装置と、このセンタ装置と無線ネットワークを介して接続された受信端末装置と、この受信端末装置に備えられた1次電池、2次電池等のバックアップ電源とを有する。センタ装置は、災害情報等の緊急情報や、行政情報や行事情報等の通常情報を示す告知情報を送信する。受信端末装置は、センタ装置から送信された告知情報を受信し、この情報を放送(告知放送)する。受信端末装置は、通常は商用電源とバックアップ電源(電池)とにより稼働することができる。受信端末装置は、例えば各家庭の家屋内や、公共施設等に配置される。また、災害が発生し住民等が公共施設などに避難する際には、避難場所に受信端末装置を携帯することにより、住民等は、この避難場所でセンタ装置から送信された情報の放送を聞くことができる。
【0004】
例えば、地震等が発生し、受信端末装置が設置されているエリアで停電が発生した場合には、受信端末装置は商用電源からバックアップ電源(電池)に切り替えて稼働する。そして、センタ装置から地震に関しての災害情報等の緊急情報が送信される。また、センタ装置からはこの緊急情報以外に、行政情報や行事情報等の通常情報も送信される。受信端末装置は、センタ装置が送信した緊急情報や通常情報を無線ネットワークを介して受信して放送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−166419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の無線放送システムは、地震等が発生し、受信端末装置が設置されているエリアで停電が発生した場合に、受信端末装置はバックアップ電源(電池)に切り替えて稼働する。そして、受信端末装置は、センタ装置から送信された緊急情報や通常情報を無線ネットワークを介して受信して放送する。このように、この無線放送システムは、停電が発生している場合でも、緊急情報以外に緊急度の低い通常情報も受信して放送しているので、受信端末装置のバックアップ電源(電池)が浪費され動作時間が短縮してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決して、停電が発生している場合に、受信側の装置のバックアップ電源の浪費を抑える無線放送システム及び無線放送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線放送システムは、親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信する子局と、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止する前記親局と、を備えている。
【0009】
本発明の無線放送方法は、親局により放送情報を送信し、子局により、前記親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信し、前記親局により、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、停電が発生している場合に、受信側の装置のバックアップ電源の浪費を抑える無線放送システム及び無線放送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る無線放送システムの一例を示す図である。
【
図2】本発明の第2の実施の形態に係る無線放送システムの一例を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施の形態に係る無線放送システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線放送システムの一例を示す図である。
【0013】
本実施の形態に係る無線放送システム1は、親局2と、子局3とにより構成される。
【0014】
この無線放送システム1は、親局2が放送内容を無線により送信し、子局3がこの放送を無線により受信し、例えば、子局3の予め備えた拡声スピーカ等によりに放送内容の音声を拡声して、住民等に通知するシステムである。
【0015】
親局2は子局3に放送情報を送信する。放送情報とは、災害情報を含む緊急情報や、地域等の行政に関する情報(行政情報)や住民の在住する地区等の行事に関する情報(行事情報)を含む通常情報を含む。また、親局2は、子局3からバッテリにより稼働していることを示すバッテリ稼働情報を受けたとき、サービスエリアでの停電の発生を検知し、放送情報の一部(例えば、緊急度の低い通常情報)の送信を停止する。サービスエリアとは、親局2が緊急情報や通常情報を送信するエリアを示す。
【0016】
子局3は、バッテリを予め備え、通常は商用電源により稼働し停電時にバッテリにより稼働し、親局2から送信された放送情報(緊急情報と通常情報)を受信して放送する。また、子局3は、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合、バッテリ稼働情報を親局2に送信する。
【0017】
ここで、第1の実施の形態の動作を説明する。親局2は、通常、緊急情報や、通常情報を送信する。また、親局2は、子局3に状態監視コマンドを定期的に、例えば、1分毎に送信する。この定期の数値は1分にこだわることなく、システムにより適宜変更して良い。子局3は、通常、親局2から送信された緊急情報と通常情報とを受信して放送する。また、親局2から状態監視コマンドを定期的に受信し、例えば、子局3が商用電源により稼働している場合は商用電源稼働情報を、また、バッテリにより稼働している場合はバッテリ稼働情報を状態監視コマンドの受信毎に親局2に送信する。ここで、例えば地震等が発生し、子局3が設置されているエリアで停電が発生した場合には、子局3は商用電源からバッテリに切り替えて稼働する。そして、子局3は、親局2から状態監視コマンドを受信した際にバッテリ稼働情報を親局2に送信する。親局2は、子局3からバッテリ稼働情報を受け、サービスエリアで停電が発生したと判断し、緊急度の低い通常情報の送信を停止する。通常情報とは、例えば、行政情報と、行事情報と、子局3の保全を確認するための情報を示す機器保全確認情報を含む。機器保全確認情報とは、例えば、サイレンの音、赤とんぼの音楽、“これは、スピーカの放音を確認するための放送です”等の文言等である。これを定時(12時や17時)に放送することにより、スピーカの正常性等を確認できる。緊急度の低い通常情報とは、例えば、行事情報、機器保全確認情報である。
【0018】
上記説明では、子局3が一つの場合について説明したが、子局3は、サービスエリア内に複数存在しても良い。この場合には、親局2は、複数の子局3に状態監視コマンドを定期的にそれぞれ送信し、複数の子局3のうちの所定の割合(例えば、2割)の子局3からバッテリ稼働情報を受けることによりサービスエリアで停電が発生していると判断する。所定の割合は2割にこだわることなく、システムにより適宜変更して良い。これらの子局3は、例えば、屋外に配置された拡声スピーカを有する装置であっても良く、通常のスピーカを備えた受信機であっても良い。また、親局2と子局3とを中継する中継局であっても良い。
【0019】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、子局3が、停電により商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合、バッテリ稼働情報を親局2に送信する。そして、親局2が、子局3からバッテリ稼働情報を受けることにより、サービスエリアでの停電の発生を検知し、緊急度の低い通常情報の送信を停止する。
【0020】
このため、本発明の第1の実施の形態によれば、子局の配置されているエリアで停電が発生し、子局がバッテリにより稼働した場合、親局が、緊急度の低い通常情報の送信を停止するので、子局は、緊急度の低い通常情報を受信し放送することがない。このため、停電が発生している場合に、子局のバッテリの浪費を抑えることができる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る無線放送システムの一例を示す図である。
【0021】
本第2の実施の形態は、第1の実施の形態の親局2をより具体化したものである。したがって、主に第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
【0022】
本実施の形態に係る無線放送システム1は、親局2と、子局3とにより構成される。親局2は、操作卓4と、遠隔制御装置5と、電話機6と、基地局7とにより構成される。
【0023】
操作卓4は、緊急情報を送信する緊急放送と、行政情報を送信する一般放送と、機器保全確認情報を定時に送信する機器保全確認放送(自動定時放送)とを行う。また、操作卓4は、子局3に定期的に状態監視コマンドを送信し、この状態監視コマンドの送信に応答して定期的に子局3からバッテリ稼働情報を受信することにより、サービスエリアで停電が発生していると判断し、通常情報のうちの緊急度の低い通常情報の送信を停止する。
【0024】
遠隔制御装置5は、操作卓4に接続され、緊急情報を送信する緊急放送と行政情報を送信する一般放送とを操作卓4を介して行う。遠隔制御装置5は、例えば、出先機関等の遠方に設置される。
【0025】
電話機6は、一般電話回線を介して操作卓4に接続され、サービスエリア内の、例えば、住民向けの行事情報を送信する地区遠隔放送を操作卓4を介して行う。
【0026】
基地局7は、操作卓4に接続され、操作卓4と遠隔制御装置5と電話機6とが行うそれぞれの放送を無線により子局3に送信する。また、操作卓4からの状態監視コマンドを子局3に無線により送信する。また、子局3が送信したバッテリ稼働情報を受信し操作卓4に出力する。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る無線放送システムの動作を
図3を参照して詳細に説明する。
【0028】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る無線放送システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0029】
親局2は、通常、緊急情報や、通常情報を送信する。操作卓4は、基地局7を介して、子局3に状態監視コマンドを定期的(例えば、1分毎)に送信する。子局3は、通常、親局2から送信された緊急情報と通常情報とを受信して放送する。また、親局2から状態監視コマンドを定期的に受信し、例えば、子局3が商用電源により稼働している場合は商用電源稼働情報を、また、バッテリにより稼働している場合はバッテリ稼働情報を状態監視コマンドの受信毎に親局2に送信する。
【0030】
図3のステップS1では、例えば地震等が発生し、子局3が設置されているエリアで停電が発生した場合には、子局3は稼働する電源を商用電源からバッテリに切り替えて稼働する。そして、子局3は、親局2から状態監視コマンドを受信した際にバッテリ稼働情報を親局2に送信する。
【0031】
図3のステップS2では、操作卓4は、基地局7を介して、子局3からバッテリ稼働情報を受け、サービスエリアで停電が発生したと判断し、緊急度の低い通常情報の送信を停止する。すなわち、操作卓4は、自身が定時に送信する機器保全確認放送と、電話機6が送信する地区遠隔放送とを停止する。ここで、通常情報とは、例えば、操作卓4が送信する行政情報と、行事情報と、機器保全確認情報を含み、緊急度の低い通常情報とは、操作卓4が送信する機器保全確認放送を示す。
【0032】
図3のステップS3では、操作卓4は、停電が発生していると判断した後に、状態監視コマンドの送信毎に子局からバッテリ稼働情報を受けて所定の時間が経過した場合、遠隔制御装置5が送信する一般放送を更に停止する。遠隔制御装置5が送信する一般放送とは、遠隔制御装置5が送信する行政情報についての放送である。所定の時間は、例えば7時間であり、この値はシステムにより適宜変更して良い。
【0033】
上記説明では、子局3が一つの場合について説明したが、子局3は、サービスエリア内に複数存在しても良い。この場合には、親局2は、複数の子局3に状態監視コマンドを定期的にそれぞれ送信し、複数の子局3のうちの所定の割合(例えば、2割)の子局3からバッテリ稼働情報を受けることによりサービスエリアで停電が発生していると判断する。
【0034】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、子局3が、停電により商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合、バッテリ稼働情報を親局2に送信する。そして、親局2が、子局3からバッテリ稼働情報を受けることにより、サービスエリアでの停電の発生を検知し、緊急度の低い通常情報の送信を停止する。
【0035】
このため、本発明の第2の実施の形態によれば、子局の配置されているエリアで停電が発生し、子局がバッテリにより稼働した場合、親局が、緊急度の低い通常情報の送信を停止するので、子局は、緊急度の低い通常情報を受信し放送することがない。このため、停電が発生している場合に、子局のバッテリの浪費を抑えることができる。
【0036】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信する子局と、
前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止する前記親局と、
を備えたことを特徴とする無線放送システム。
(付記2)
前記親局は、前記子局に状態監視コマンドを送信し、この状態監視コマンドの送信に応答して前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信し、
前記子局は、前記親局から前記状態監視コマンドを受信し、前記バッテリによる稼働に切り替わった場合、前記バッテリ稼働情報を前記親局に送信する、
ことを特徴とする付記1記載の無線放送システム。
(付記3)
前記子局は前記親局の送信するエリアを示すサービスエリア内に複数存在し、
前記親局は、複数の前記子局に、前記状態監視コマンドをそれぞれ送信し、複数の前記子局のうちの所定の割合の子局から前記バッテリ稼働情報を受けることにより前記サービスエリアで停電が発生していると判断し前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする付記2記載の無線放送システム。
(付記4)
前記放送情報の一部とは、緊急度の低い通常情報を示し、前記通常情報は、行政情報と、行事情報と、前記子局内の機器の保全を確認するための情報を示す機器保全確認情報とを含み、緊急度の低い前記通常情報は、前記行事情報と、前記機器保全確認情報を含む、
ことを特徴とする付記2又は3記載の無線放送システム。
(付記5)
前記親局は、
前記行政情報を送信する一般放送と、前記機器保全確認情報を送信する機器保全確認放送とを行うとともに、前記子局に前記状態監視コマンドを送信し、この状態監視コマンドの送信に応答して前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信することにより停電が発生していると判断し、前記通常情報のうちの緊急度の低い前記通常情報の送信を停止する操作卓と、
前記操作卓に接続され、前記緊急情報を送信する緊急放送と前記一般放送とを前記操作卓を介して行う遠隔制御装置と、
一般電話回線を介して前記操作卓に接続され、行事情報を送信する地区遠隔放送を前記操作卓を介して行う電話機と、
前記操作卓に接続され、前記操作卓と前記遠隔制御装置と前記電話機とが行うそれぞれの放送を出力する基地局と、
を備えたことを特徴とする付記4記載の無線放送システム。
(付記6)
前記操作卓は、停電が発生していると判断した場合、前記機器保全確認放送と前記地区遠隔放送とを停止する、
ことを特徴とする付記5記載の無線放送システム。
(付記7)
前記操作卓は、停電が発生していると判断した後に、所定の時間が経過した場合、前記遠隔制御装置が行う前記一般放送を更に停止する、ことを特徴とする付記6記載の無線放送システム。
(付記8)
親局により放送情報を送信し、
子局により、前記親局から送信される放送情報を受信して放送し、商用電源による稼働からバッテリによる稼働に切り替わった場合にバッテリ稼働情報を前記親局に送信し、
前記親局により、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受けたとき、前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする無線放送方法。
(付記9)
前記親局により、前記子局に状態監視コマンドを送信し、
前記子局により、前記親局から前記状態監視コマンドを受信し、前記バッテリによる稼働に切り替わった場合、前記バッテリ稼働情報を前記親局に送信し、
前記親局により、前記子局から前記バッテリ稼働情報を受信する、
ことを特徴とする付記8記載の無線放送方法。
(付記10)
前記子局は前記親局の送信するエリアを示すサービスエリア内に複数存在し、
前記親局は、複数の前記子局に、前記状態監視コマンドをそれぞれ送信し、複数の前記子局のうちの所定の割合の子局から前記バッテリ稼働情報を受けることにより前記サービスエリアで停電が発生していると判断し前記放送情報の一部の送信を停止する、
ことを特徴とする付記9記載の無線放送方法。
(付記11)
前記放送情報の一部とは、緊急度の低い通常情報を示し、前記通常情報は、行政情報と、行事情報と、前記子局内の機器の保全を確認するための情報を示す機器保全確認情報とを含み、緊急度の低い前記通常情報は、前記行事情報と、前記機器保全確認情報を含む、
ことを特徴とする付記9又は10記載の無線放送方法。
(付記12)
前記親局は、停電が発生していると判断した後に、所定の時間が経過した場合、前記行政情報の通信を更に停止する、ことを特徴とする付記11記載の無線放送方法。
【符号の説明】
【0037】
1 無線放送システム
2 親局
3 子局
4 操作卓
5 遠隔制御装置
6 電話機
7 基地局