特許第6051769号(P6051769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051769
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】頭部保護装置及び案内ブラケット
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/04 20060101AFI20161219BHJP
   B60R 21/213 20110101ALI20161219BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B60R21/04 B
   B60R21/213
   B60R13/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-234191(P2012-234191)
(22)【出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2014-83968(P2014-83968A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】内田 靖典
【審査官】 柳楽 隆昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−264760(JP,A)
【文献】 特開2006−282092(JP,A)
【文献】 特開2011−105079(JP,A)
【文献】 特開2012−101600(JP,A)
【文献】 特開平11−042998(JP,A)
【文献】 特開2004−098770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R21/16−21/33
B60R13/01−13/04
B60R13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のピラー部の上方に配された天井材で覆われているとともに、インフレータが作動してガスが流入される時に、前記ピラー部と前記天井材との間から該天井材を押し開いて下方に展開膨張するエアバッグと、
前記ピラー部の上方側に前記天井材で覆われて配設されているとともに、前記インフレータの作動により展開膨張する前記エアバッグを車室内側へ案内する案内ブラケットと、を備える頭部保護装置であって、
前記案内ブラケットは、
車体パネルに沿って車両上下方向に延びるとともに、該車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、
前記取付面部の下端部から車室内側に向かって延びるとともに、格納状態の前記エアバッグの下部を支持する支持部を有する案内壁部と、
前記案内壁部の車室内側端部に連結されて前記天井材の下端部に当接する当接部と、を備え、
前記案内壁部における前記支持部と前記当接部との間の位置には、前記インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されており、
前記案内壁部の裏面には、前記脆弱部の車両前後方向の一端側に第1リブが形成され且つ前記脆弱部の車両前後方向の他端側に第2リブが形成されているとともに、前記第1リブと前記第2リブとの車両前後方向の中間に第3リブが形成されており、
前記第1リブ及び前記第2リブは、同じ高さ位置で前記車体パネルに当接しており、前記第3リブは、前記第1リブ及び前記第2リブの当接位置よりも前記脆弱部から上方に離れた当接位置で前記車体パネルに当接していることを特徴とする頭部保護装置。
【請求項2】
前記脆弱部は、前記案内壁部の前記当接部の近傍で車両前後方向に沿って形成されている請求項1記載の頭部保護装置。
【請求項3】
前記脆弱部は、車両前後方向に沿って形成された貫通孔からなり、該貫通孔の車室内側の上面周縁部は、前記案内壁部の裏面に向かって傾斜した傾斜面部を有している請求項1又は2に記載の頭部保護装置。
【請求項4】
車両のピラー部の上方側に天井材で覆われて配設され、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグを車室内側へ案内する案内ブラケットであって、
車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、
前記取付面部の下端部から所定方向に延びるとともに、格納状態の前記エアバッグの下部を支持する支持部を有する案内壁部と、
前記案内壁部の先端側に連結されて前記天井材の下端部に当接する当接部と、を備え、
前記案内壁部における前記支持部と前記当接部との間の位置には、前記インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されており、
前記案内壁部の裏面には、前記脆弱部の車両前後方向の一端側に第1リブが形成され且つ前記脆弱部の車両前後方向の他端側に第2リブが形成されているとともに、前記第1リブと前記第2リブとの車両前後方向の中間に第3リブが形成されており、
前記第1リブ及び前記第2リブは、同じ高さ位置で前記車体パネルに当接し、前記第3リブは、前記第1リブ及び前記第2リブの当接位置よりも前記脆弱部から上方に離れた当接位置で前記車体パネルに当接することを特徴とする案内ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部保護装置及び案内ブラケットに関し、さらに詳しくは、エアバッグの展開時にエアバッグの膨張による荷重に耐えつつエアバッグを車室内側に円滑に案内できるとともに、インフレータが作動しない小規模な衝突時に乗員の頭部による荷重を吸収することができる頭部保護装置及び案内ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の頭部保護装置として、エアバッグ及び案内ブラケットを備えるものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、例えば、図9に示すように、インフレータが作動してガスが流入される時にピラー部105と天井材106との間から天井材106を押し開いて下方に展開膨張するエアバッグ102と、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグ102を車室内側へ案内する金属製の案内ブラケット103と、を備える頭部保護装置101が開示されている。この案内ブラケット103は、エアバッグ102を収納する上下の案内壁部111、112と、これら案内壁部111、112の端部を連結する連結壁部110と、を備え、縦断面略U字状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1の技術では、一端が自由端となっている案内壁部111は、エアバッグ102の展開時において、エアバッグ102の膨張による荷重に耐えつつエアバッグ102を車室内側に円滑に案内することができる。しかしながら、上記案内壁部111は、インフレータが作動しない小規模な衝突時において、乗員の頭部による荷重が加わった場合にその荷重を吸収できない。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、エアバッグの展開時にエアバッグの膨張による荷重に耐えつつエアバッグを車室内側に円滑に案内できるとともに、インフレータが作動しない小規模な衝突時に乗員の頭部による荷重を吸収することができる頭部保護装置及び案内ブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両のピラー部の上方に配された天井材で覆われているとともに、インフレータが作動してガスが流入される時に、前記ピラー部と前記天井材との間から該天井材を押し開いて下方に展開膨張するエアバッグと、前記ピラー部の上方側に前記天井材で覆われて配設されているとともに、前記インフレータの作動により展開膨張する前記エアバッグを車室内側へ案内する案内ブラケットと、を備える頭部保護装置であって、前記案内ブラケットは、車体パネルに沿って車両上下方向に延びるとともに、該車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、前記取付面部の下端部から車室内側に向かって延びるとともに、格納状態の前記エアバッグの下部を支持する支持部を有する案内壁部と、前記案内壁部の車室内側端部に連結されて前記天井材の下端部に当接する当接部と、を備え、前記案内壁部における前記支持部と前記当接部との間の位置には、前記インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されており、前記案内壁部の裏面には、前記脆弱部の車両前後方向の一端側に第1リブが形成され且つ前記脆弱部の車両前後方向の他端側に第2リブが形成されているとともに、前記第1リブと前記第2リブとの車両前後方向の中間に第3リブが形成されており、前記第1リブ及び前記第2リブは、同じ高さ位置で前記車両パネルに当接しており、前記第3リブは、前記第1リブ及び前記第2リブの当接位置よりも前記脆弱部から上方に離れた当接位置で前記車両パネルに当接していることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記脆弱部は、前記案内壁部の前記当接部の近傍で車両前後方向に沿って形成されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記脆弱部は、車両前後方向に沿って形成された貫通孔からなり、該貫通孔の車室内側の上面周縁部は、前記案内壁部の裏面に向かって傾斜した傾斜面部を有していることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項に記載の発明は、車両のピラー部の上方側に天井材で覆われて配設され、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグを車室内側へ案内する案内ブラケットであって、車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、前記取付面部の下端部から所定方向に延びるとともに、格納状態の前記エアバッグの下部を支持する支持部を有する案内壁部と、前記案内壁部の先端側に連結されて前記天井材の下端部に当接する当接部と、を備え、前記案内壁部における前記支持部と前記当接部との間の位置には、前記インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されており、前記案内壁部の裏面には、前記脆弱部の車両前後方向の一端側に第1リブが形成され且つ前記脆弱部の車両前後方向の他端側に第2リブが形成されているとともに、前記第1リブと前記第2リブとの車両前後方向の中間に第3リブが形成されており、前記第1リブ及び前記第2リブは、同じ高さ位置で前記車両パネルに当接し、前記第3リブは、前記第1リブ及び前記第2リブの当接位置よりも前記脆弱部から上方に離れた当接位置で前記車両パネルに当接することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の頭部保護装置によると、案内ブラケットは、車体パネルに沿って車両上下方向に延びるとともに、車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、取付面部の下端部から車室内側に向かって延びるとともに、エアバッグを支持する支持部を有する案内壁部と、案内壁部の車室内側端部に連結されて天井材に当接する当接部と、を備えている。そして、案内壁部における支持部と当接部との間の位置には、インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されている。これにより、エアバッグの展開時には、案内壁部でエアバッグの膨張による荷重に耐えつつエアバッグを車室内側に円滑に案内することができる。また、インフレータが作動しない小規模な衝突時には、脆弱部が車室内側からの荷重に対して車室外側に変形することで乗員の頭部による荷重を吸収することができる。
また、前記案内壁部の裏面に、前記脆弱部の車両前後方向の両端側のそれぞれに前記車両パネルに当接するリブが形成されているので、エアバッグ展開時にリブにより案内壁部が車体パネルに支持されるとともに、インフレータが作動しない小規模な衝突時にリブが脆弱部による変形の基点となる。
また、前記脆弱部が、前記案内壁部の前記当接部の近傍で車両前後方向に沿って形成されている場合は、脆弱部と支持部に支持された格納状態のエアバッグとの間隔が大きくなり、エアバッグの展開時にエアバッグによる脆弱部への影響をより抑えることができる。また、脆弱部で荷重をより確実に吸収することができる。
さらに、前記脆弱部が、車両前後方向に沿って形成された貫通孔からなり、該貫通孔の車室内側の上面周縁部が、前記案内壁部の裏面に向かって傾斜した傾斜面部を有している場合は、エアバッグの展開時にエアバッグが貫通孔に係止してエアバッグの展開を阻害してしまうことが防止される。また、脆弱部で荷重をより確実に吸収することができる。
【0008】
本発明の案内ブラケットによると、車体パネルに取り付けられる取付部を有する取付面部と、取付面部の下端部から所定方向に延びるとともに、エアバッグを支持する支持部を有する案内壁部と、案内壁部の先端側に連結されて天井材に当接する当接部と、を備えている。そして、案内壁部における支持部と当接部との間の位置には、インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部が形成されている。これにより、エアバッグの展開時には、案内壁部でエアバッグの膨張による荷重に耐えつつエアバッグを車室内側に案内することができる。また、インフレータが作動しない小規模な衝突時には、脆弱部が車室内側からの荷重に対して車室外側に変形することで乗員の頭部による荷重を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係る頭部保護装置を備える車両の天井を車室内側から見上げた状態の模式図である。
図2図1のII−II線断面拡大図である。
図3】実施例に係る案内ブラケットの正面図である。
図4】上記案内ブラケットの背面図である。
図5図4のV−V線断面図である。
図6図4のVI−VI線断面図である。
図7図4のVII−VII線断面図である。
図8】上記頭部保護装置の作用を説明するための説明図であり、上記案内ブラケットの横断面を示す。
図9】従来の頭部保護装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0011】
1.頭部保護装置
本実施形態1.に係る頭部保護装置は、車両のピラー部(5)の上方に配された天井材(6)で覆われているとともに、インフレータが作動してガスが流入される時に、ピラー部と天井材との間から天井材を押し開いて下方に展開膨張するエアバッグ(2)と、ピラー部の上方側に天井材で覆われて配設されているとともに、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグを車室内側へ案内する案内ブラケット(3)と、を備える頭部保護装置(1)である(例えば、図1及び図2等参照)。そして、上記案内ブラケット(3)は、車体パネル(8)に沿って車両上下方向に延びるとともに、車体パネルに取り付けられる取付部(10a)を有する取付面部(10)と、取付面部の下端部から車室内側に向かって延びるとともに、エアバッグを支持する支持部(11a)を有する案内壁部(11)と、案内壁部の車室内側端部に連結されて天井材(6)に当接する当接部(13)と、を備える。さらに、上記案内壁部(11)における支持部(11a)と当接部(13)との間の位置には、インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部(18)が形成されている。
【0012】
本実施形態1.に係る頭部保護装置としては、例えば、上記脆弱部(18)は、案内壁部(11)の当接部(13)の近傍で車両前後方向に沿って形成されている形態(例えば、図2及び図3等参照)を挙げることができる。この場合、例えば、上記脆弱部(18)は、案内壁部(11)の縦断面において当接部(13)が連結される一端側から他端側に向かう所定の長さ範囲(S)内に形成されており、この所定の長さ範囲(S)は、案内壁部の最大長さ(L)の約30%(好ましくは20%)であることができる(例えば、図2等参照)。
【0013】
本実施形態1.に係る頭部保護装置としては、上記案内壁部(11)の裏面には、脆弱部(18)の車両前後方向の両端側のそれぞれに車両パネル(8)に当接するリブ(21a、21b)が形成されている形態(例えば、図4及び図8等参照)を挙げることができる。
【0014】
本実施形態1.に係る頭部保護装置としては、上記脆弱部(18)は、車両前後方向に沿って形成された貫通孔(19a〜19c)からなり、貫通孔の車室内側の上面周縁部は、案内壁部(11)の裏面に向かって傾斜した傾斜面部(20)を有している形態(例えば、図7等参照)を挙げることができる。
【0015】
本実施形態1.に係る頭部保護装置としては、上記案内ブラケット(3)は、当接部(13)から車室外側に折り返されて自由端となっている折返し部(14)を備える形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。これにより、案内壁部の剛性が高められる。この場合、例えば、上記折返し部(14)には、上記リブ(21a、21b)が連結されていることができる(例えば、図5及び図6等参照)。これにより、案内壁部の剛性が更に高められる。
【0016】
2.案内ブラケット
本実施形態2.に係る案内ブラケットは、車両のピラー部(5)の上方側に天井材(6)で覆われて配設され、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグ(2)を車室内側へ案内する案内ブラケット(3)である(例えば、図1及び図2等参照)。そして、車体パネルに取り付けられる取付部(10a)を有する取付面部(10)と、取付面部の下端部から所定方向に延びるとともに、エアバッグを支持する支持部(11a)を有する案内壁部(11)と、案内壁部の先端側に連結されて天井材(6)に当接する当接部(13)と、を備える。さらに、上記案内壁部(11)における支持部(11a)と当接部(13)との間の位置には、インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部(18)が形成されている。
【0017】
なお、本実施形態2.に係る案内ブラケットとしては、例えば、上記実施形態1.で説明した案内ブラケットの構成を適用したものを挙げることができる。
【実施例】
【0018】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0019】
本実施例に係る頭部保護装置1は、図1及び図2に示すように、エアバッグ(「カーテンシールドエアバッグ」とも称される。)2及び案内ブラケット3を備えている。このエアバッグ2は、車両のピラー部5の上方に配された天井材6の末端側で覆われるように配設されている。具体的に、エアバッグ2は、ルーフサイド部7に沿って折り畳まれた状態で格納されている。そして、エアバッグ2は、インフレータ(図示省略)が作動してガスが流入される時に、ピラー部5と天井材6との間から天井材6を車室内側に押し開いて下方に展開膨張する(図2中に二点鎖線で示す)。また、上記案内ブラケット3は、ピラー部5の上方側に天井材6の末端側で覆われて配設されている。この案内ブラケット3は、インフレータの作動により展開膨張するエアバッグ2を車室内側へ案内する。なお、上記エアバッグ2は、天井材6の車室外側に配設される車体パネル8に取り付けられている。
【0020】
上記案内ブラケット3は、図3及び図4に示すように、樹脂製であり、以下に述べる取付面部10、第1案内壁部11、第2案内壁部12、当接部13、折返し部14を備えている。
【0021】
上記取付面部10は、図5図7に示すように、車体パネル8に沿って車両上下方向に延びている。この取付面部10は、ボルト16、係止フック等により車体パネル8に取り付けられる取付部10aを有している(図5参照)。また、上記第1案内壁部11は、取付面部10の下端部から車室内側に向かって延びている。この第1案内壁部11は、格納状態のエアバッグ2を支持する支持部11aを有している(図5及び図7参照)。また、上記第2案内壁部12は、取付面部10の上端部から車室内側に向かって延びている。また、上記当接部13は、第1案内壁部11の車室内側端部に連結されている。この当接部13は、天井材6の車室外側面に当接するように車室内側に突出する複数の突出部13aを有している(図7及び図8参照)。さらに、上記折返し部14は、当接部13から車室外側に折り返されて自由端となっている。
【0022】
ここで、第1案内壁部11における支持部11aと当接部13との間の位置には、図7に示すように、インフレータが作動しない衝突時(特に、側面衝突時)に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部18が形成されている。この脆弱部18は、第1案内壁部11の当接部13の近傍で車両前後方向に沿って形成された複数(図中3つ)の貫通孔19a、19b、19cからなされている(図3及び図4参照)。これら各貫通孔19a〜19cは、車両前後方向に延びる長孔状に形成されている。また、各貫通孔19a〜19cの車室内側の上面周縁部は、第1案内壁部11の裏面に向かって傾斜した傾斜面部20を有している(図7参照)。
【0023】
上記第1案内壁部11の裏面には、図4に示すように、脆弱部18の車両前後方向の両端側のそれぞれに車両上下方向に延びるリブ21a、21bが形成されている。これら各リブ21a、21bは、車体パネル8に当接する突起22を有している(図8参照)。また、各リブ21a、21bは、折返し部14に連結されている(図5及び図6参照)。また、第1案内壁部11の裏面には、一対のリブ21a、21bの車両前後方向の中間にリブ21cが形成されている(図4参照)。このリブ21cは、一対のリブ21a、21bとは異なる高さ位置で車両パネル8に当接する。
【0024】
(2)頭部保護装置の作用
次に、上記構成の頭部保護装置1の作用について説明する。図2中に二点鎖線で示すように、インフレータの作動によるエアバッグ2の展開時には、案内ブラケット3の第1案内壁部11でエアバッグ2の膨張による荷重に耐えつつエアバッグ2が車室内側に案内される。その結果、展開膨張するエアバッグ2がピラー部5に干渉してしまうことが抑制される。一方、インフレータが作動しない小規模な衝突時には、図8に示すように、乗員の頭部23が天井材6を挟んで案内ブラケット3に衝突すると、脆弱部18(すなわち、貫通孔19a〜19c)が車室内側に変形して(図8中に破線で示す。)、乗員の頭部23による荷重が吸収されることとなる。
【0025】
(3)実施例の効果
本実施例の頭部保護装置1によると、案内ブラケット3は、車体パネル8に沿って車両上下方向に延びるとともに、車体パネル8に取り付けられる取付部10aを有する取付面部10と、取付面部10の下端部から車室内側に向かって延びるとともに、エアバッグ2を支持する支持部11aを有する第1案内壁部11と、第1案内壁部11の車室内側端部に連結されて天井材6に当接する当接部13と、を備えている。そして、第1案内壁部11における支持部11aと当接部13との間の位置には、インフレータが作動しない衝突時に乗員の頭部による荷重によって車室外側に変形する脆弱部18が形成されている。これにより、エアバッグ2の展開時には、第1案内壁部11でエアバッグ2の膨張による荷重に耐えつつエアバッグ2を車室内側に円滑に案内することができる。また、インフレータが作動しない小規模な衝突時には、脆弱部18が車室内側からの荷重に対して車室外側に変形することで乗員の頭部による荷重を吸収することができる。
【0026】
なお、従来の頭部保護装置101では、天井意匠面を部分的に下げることで衝撃吸収性を確保している。これに対して、本実施例の頭部保護装置1では、案内ブラケット3により十分な衝撃吸収性が発揮されるため、天井意匠面を下げる必要がなく室内空間を広くとることができる。
【0027】
また、本実施例では、脆弱部18は、第1案内壁部11の当接部13の近傍で車両前後方向に沿って形成されているので、脆弱部18と支持部11aに支持された格納状態のエアバッグ2との間隔が大きくなり、エアバッグ2の展開時にエアバッグ2による脆弱部18への影響をより抑えることができる。また、脆弱部18で荷重をより確実に吸収することができる。
【0028】
また、本実施例では、第1案内壁部11の裏面には、脆弱部18の車両前後方向の両端側のそれぞれに車両パネル8に当接するリブ21a、21bが形成されているので、エアバッグ2展開時にリブ21a、21bにより第1案内壁部11が車体パネル8に支持されるとともに、インフレータが作動しない小規模な衝突時にリブ21a、、21bが脆弱部18による変形の基点となる。
【0029】
また、本実施例では、脆弱部18は、車両前後方向に沿って形成された貫通孔19a〜19cからなり、貫通孔19a〜19cの車室内側の上面周縁部は、第1案内壁部11の裏面に向かって傾斜した傾斜面部20を有しているので、エアバッグ2の展開時にエアバッグ2が貫通孔19a〜19cに係止してエアバッグ2の展開を阻害してしまうことが防止される。また、脆弱部18で荷重をより確実に吸収することができる。
【0030】
さらに、本実施例では、案内ブラケット3は、当接部13から車室外側に折り返されて自由端となっている折返し部14を備えるので、第1案内壁部11の剛性が高められる。特に、本実施例では、折返し部14には、リブ21a、21bが連結されているので、第1案内壁部11の剛性が更に高められる。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、貫通孔19a〜19cからなる脆弱部18を例示したが、これに限定されず、例えば、薄肉部からなる脆弱部としてもよい。さらに、貫通孔と薄肉部との組み合わせからなる脆弱部としてもよい。
【0032】
また、上記実施例では、車両前後方向に沿って形成された3つの貫通孔19a〜19cからなる脆弱部18を例示したが、これに限定されず、例えば、車両前後方向に沿って形成された1つ、2つ又は4つ以上の貫通孔からなる脆弱部としてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、長孔状の貫通孔を例示したが、これに限定されず、例えば、丸穴状、角孔状、異形状の貫通孔としてもよい。
【0034】
さらに、上記実施例では、センターピラー部5の上方に案内ブラケット3を配設する形態を例示したが、これに限定されず、フロントピラー部やリヤピラー部の上方に案内ブラケットを配設するようにしてもよい。
【0035】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0036】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などで衝突時に頭部を保護する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0038】
1;頭部保護装置、2;エアバッグ、3;案内ブラケット、5;ピラー部、6;天井材、10;取付面部、10a;取付部、11;第1案内壁部、11a;支持部、13;当接部、18;脆弱部、19a〜19c;貫通孔、20;傾斜面部、21a、21b;リブ。
図1
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図9