特許第6051789号(P6051789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6051789使い捨ておむつ及びシート部材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051789
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ及びシート部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/494 20060101AFI20161219BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20161219BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   A61F13/494 111
   A61F13/49 413
   A61F13/15 340
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-243998(P2012-243998)
(22)【出願日】2012年11月5日
(65)【公開番号】特開2014-90929(P2014-90929A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】田代 和泉
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−165946(JP,A)
【文献】 特開2009−011685(JP,A)
【文献】 特開昭62−199806(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/152020(WO,A1)
【文献】 特開2012−192058(JP,A)
【文献】 特開2012−005529(JP,A)
【文献】 特開2002−165832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート(1)と,
液不透過性のバックシート(2)と,
前記トップシート(1)及びバックシート(2)の間に介在する吸収体(3)と,
前記吸収体(3)の幅方向の左右両端側に,前記吸収体(3)の長さ方向に沿って形成された一対の立体ギャザー(4)と,
を有する使い捨ておむつであって,
前記立体ギャザー(4)は,
第1シート部(41)と,
第2シート部(42)と,
前記第1シート部(41)及び前記第2シート部(42)の間に配置された第3シート部(43)と,を含んで構成され,
前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)のうちの前記第1シート部(41)及び前記第3シート部(43)のみを接合する複数の仮止部(A)が,前記長さ方向に沿って複数の列をなして設けられており,
前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)を接合する複数の本止部(B)が,前記長さ方向に沿って複数の列をなして設けられており,
前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)が重なった重畳領域(45)において,前記仮止部(A)及び前記本止部(B)の列は,少なくとも2列ずつ設けられており,
前記重畳領域(45)において,少なくとも2列設けられた前記仮止部(A)の列の間には,少なくとも1列の前記本止部(B)の列が位置しており,かつ,少なくとも2列設けられた前記本止部(B)の列の間には,少なくとも1列の前記仮止部(A)の列が位置している
使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記一対の立体ギャザー(4)は,
幅方向内側の先端部分に,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材(44)が,前記長さ方向に沿って配置されており,
前記仮止部(A)の列と前記本止部(B)の列のうち,
前記立体ギャザー伸縮部材(44)に近い位置に形成されている列は,仮止部(A)の列であり,
前記重畳領域(45)の幅方向外側の先端縁に近い位置に形成されている列は,本止部(B)の列である
請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)は,坪量が8g/m以上25g/m以下の不織布で構成されている
請求項1又は請求項2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
第1シート部(41),第2シート部(42),及び前記第1シート部(41)と前記第2シート部(42)の間に配置された第3シート部(43)を含むシート部材の製造方法であって,
前記第1シート(41)と前記第3シート(43)とを重ねた状態で圧接することにより,第1の方向に沿って一又は複数の列をなして設けられる複数の仮止部(A)を形成し,当該仮止部(A)において前記第1シート部(41)と前記第3シート部(43)を接合する第1工程と,
前記第1工程の後,前記第1シート部(41)及び前記第3シート部(43)にさらに前記第2シート部(42)を重ねた状態で圧接することにより,前記第1の方向に沿って一又は複数の列をなして設けられる複数の本止部(B)を形成し,当該本止部(B)において前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)を接合する第2工程と,を行い,
前記仮止部(A)の列と前記本止部(B)の列は,前記第1の方向と直交する第2の方向に間隔を置いて設けられる
シート部材の製造方法。
【請求項5】
前記第1シート部(41),前記第2シート部(42),及び前記第3シート部(43)が重なった重畳領域(45)において,前記仮止部(A)及び前記本止部(B)の列は,少なくとも2列ずつ設けられており,
前記重畳領域(45)において,少なくとも2列設けられた前記仮止部(A)の列の間には,少なくとも1列の前記本止部(B)の列が位置しており,かつ,少なくとも2列設けられた前記本止部(B)の列の間には,少なくとも1列の前記仮止部(A)の列が位置している
請求項4に記載のシート部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,着用者の股下に装着され尿などの液体を吸収し保持するための使い捨ておむつ,及び使い捨ておむつ等に用いられるシート部材の製造方法に関する。具体的に説明すると,本発明の使い捨ておむつは,吸収体の幅方向両側に設けられ,着用者の肌に向かって起立する左右一対の立体ギャザーを備える。この一対の立体ギャザーは,少なくとも3枚のシートを重ね合わせて構成されている。また,シート部材の製造方法は,例えば上記使い捨ておむつの立体ギャザーに用いられるシート部材の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,例えば乳幼児や高齢者用のおむつとして,使い捨てのおむつが知られている。一般的な使い捨ておむつは,吸収体と,吸収体の表面を被覆するトップシートと,吸収体の裏面を被覆するバックシートと,吸収体の幅方向両側に形成される一対の立体ギャザーを備える。また,このような構成を有する使い捨てのおむつとして,例えば,予めパンツ型に形成されたパンツ型のおむつ,着用者の胴回りを覆うサイドフラップに止着テープが設けられたテープ型のおむつが知られている。また,例えば,トップシート,吸収体,及び立体ギャザーを備える尿パッドも知られている。
【0003】
一般的に,使い捨ておむつは,立体ギャザーの上端縁とトップシートの表面を着用者の股下にあてがうようにして着用される。トップシートは液透過性材料により形成されており,着用者が排泄した尿は,トップシートを透過し,トップシートにより被膜されている吸収体に吸収される。また,吸収体の裏面を被覆するバックシートは,液不透過性材料により形成されており,吸収体に吸収された尿がおむつの外部へと漏れ出すことを防止する。さらに,トップシート上に固定された一対の立体ギャザーは,トップシートを透過しなかった尿や,吸収体が吸収できなかった尿が,おむつから横漏れすることを防止する。
【0004】
また,一般的な立体ギャザーは,疎水性のシート部材で形成されており,立体ギャザー用シート材の一端部分(下端部分)はトップシートの表面上に固定され,その他端(上端部分)には弾性伸縮体が配設される。そして,立体ギャザー用シートに配設された弾性伸縮体が収縮すると,立体ギャザーは,弾性伸縮体の収縮力を利用して起立するようになっている。
【0005】
ここで,従来から,使い捨ておむつの立体ギャザーを3枚のシートを重ね合わせて構成する技術が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載の使い捨ておむつは,各立体ギャザーは,連続したシート材を2度折り返し,少なくともトップシートと立体ギャザーの固定端より幅方向外側においてシート材が3重となる構成を有する。この特許文献1の使い捨ておむつのように,立体ギャザーを連続したシート材で構成された3重構造とすることにより,シート材間の開放端から尿が漏れてしまう問題を解消できるというメリットがある。さらに,特許文献1の使い捨ておむつのように,立体ギャザーを構成するシート部材を疎水性の不織布で形成することにより,立体ギャザーの通気性をも確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−135389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように,立体ギャザーを3重構造とすることにより,尿漏れを効果的に防止することができるため,立体ギャザーを3重構造とする技術は非常に有用なものである。ただし,立体ギャザーを構成するシート部材を形成するにあたり,例えば,3枚のシートを重ね合わせた後,例えばエンボスロールとアンビルロールの間を通過させ,これら3枚のシートを同時にエンボス接合すると,その接合の際に,3枚のシートのうちのいずれか(特に2枚のシートに挟まれている中間のシート)にヨレや歪みが生じる恐れがあった。立体ギャザーを構成するシートの一部にヨレや歪みが生じると,立体ギャザーが綺麗に起立しなくなったり,立体ギャザーの表面の張りと柔らかさが損なわれ,使い捨ておむつの使用感が低下するという問題があった。
【0008】
このため,現在では,立体ギャザーを構成する3枚のシートを接合するにあたり,各シートにヨレが発生することを防止でき,使い捨ておむつの使用感をさらに向上させることができる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,第1シート部,第2シート部,及びこれら両シートの間に介在する第3シート部によって立体ギャザーを構成する際に,まず第1シート部と第3シート部のみを接合しておき,その後第1シート部,第2シート部,及び第3シート部の全てを接合することにより,各シートの接合時に発生するヨレを防止できるという知見を得た。このように,各シートの接合時に発生するヨレを抑制できれば,立体ギャザーの表面の適度な張りと柔らかさを保つことができ,使い捨ておむつ全体の使用感が向上する。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明の第1の側面は,使い捨ておむつに関する。
本発明の使い捨ておむつは,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2と,トップシート1及びバックシート2の間に介在する吸収体3と,吸収体3の幅方向の左右両端側に吸収体3の長さ方向に沿って形成された一対の立体ギャザー4と,を有する。
ここで,立体ギャザー4は,第1シート部41と,第2シート部42と,第1シート部41及び第2シート部42の間に配置された第3シート部43と,を含んで構成される。
また,立体ギャザー4には,第1シート部41及び第3シート部43を接合する複数の仮止部Aが,長さ方向に沿って一又は複数の列をなして設けられている。
さらに,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する複数の本止部Bが,長さ方向に沿って一又は複数の列をなして設けられている。
【0011】
上記構成のように,本発明の使い捨ておむつにおいては,立体ギャザー4が,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を含んで構成され,3枚のシートの中間部に位置する第3シート部43が,仮止部Aによって,第1シート部41のみと接合される。その上で,第3シート部43は,本止部Bによって,第1シート部41及び第3シート部43に接合されている。このように,2枚のシートを接合する仮止部Aと,3枚のシートの全てを接合する本止部Bを,それぞれ別々に形成することにより,各シートの接合時に発生するヨレや歪みを防止できる。すなわち,3枚のシートを一度に全て接合しようとすると,中間部に位置するシートにヨレが生じ易くなるが,本発明のように,3枚のシートを接合する前に,2枚のシートを重ねて仮接合しておくことにより,3枚のシートを接合する際に生じるヨレを解消できる。
【0012】
本発明の使い捨ておむつにおいて,仮止部Aの列と本止部Bの列は,吸収体の幅方向に間隔を置いて設けられていることが好ましい。
【0013】
上記構成のように,第1シート部41と第3シート部43を接合する仮止部Aの列と,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部Bの列が,吸収体の幅方向にずれて配置されていることにより,各シートを全体的に接合できる。さらに,仮止部Aの列と本止部Bの列が一致していると,その重なった部分が硬くなりシートの風合いの低下を招くが,仮止部Aの列と本止部Bの列をずらすことでこのような不具合を防止できる。
【0014】
本発明の使い捨ておむつにおいて,一対の立体ギャザー4は,幅方向内側の先端部分に,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材44が,吸収体の長さ方向に沿って配置されている。立体ギャザー伸縮部材44は,伸長状態で第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43の少なくともいずれか1つに接合されており,収縮することにより,各シートにギャザー(襞)を生じさせる。
この場合に,本発明の使い捨ておむつは,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なった重畳領域45において,仮止部A及び本止部Bの列が,少なくとも2列ずつ設けられていることが好ましい。
さらに,仮止部Aの列と本止部Bの列のうち,立体ギャザー伸縮部材44に近い位置に形成されている列は,仮止部Aの列であり,重畳領域45の幅方向外側の先端縁に近い位置に形成されている列は,本止部Bの列であることが好ましい。
【0015】
上記構成のように,まず,第1シート部41と第3シート部43とを接合する仮止部Aの列を,立体ギャザー伸縮部材44の近傍に形成することで,3枚のシートの中間に位置する第3シート部43のヨレを防止できる。さらに,第1シート部,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部Bの列を,重畳領域45の幅方向外側の先端縁(立体ギャザー4の基端)近傍に形成することにより,3枚のシートの接合が強固になると共に,立体ギャザー4に適度な張りが生まれ,その見た目が良化される。従って,仮止部Aの列と本止部Bの列は,上記の適所に形成されることが好ましい。
【0016】
本発明の使い捨ておむつは,重畳領域45において,少なくとも2列設けられた仮止部Aの列の間には,少なくとも1列の本止部Bの列が位置しており,かつ,少なくとも2列設けられた本止部Bの列の間には,少なくとも1列の仮止部Aの列が位置している好ましい。
【0017】
上記構成のように,2本の仮止部Aの列の間に少なくとも1本の本止部Bの列を配置し,かつ,2本の本止部Bの列の間に少なくとも1本の仮止部Aの列を配置する。このように,概ね仮止部Aの列と本止部Bの列とを交互に形成することで,例えば,まず仮止部Aによって第1シート部41と第3シート部43を接合し,その後,本止部Bによって3枚のシート41〜43を同時に接合する場合に,本止部Bは,2つの仮止部Aの間を狙って形成すればよいため,本止部Bを形成する工程が行い易くなるとともに,本止部Bを形成する際のシートのヨレを防止できる。
【0018】
本発明の使い捨ておむつにおいて,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43は,坪量が8g/m以上25g/m以下の不織布で構成されていることが好ましい。
【0019】
本発明では,立体ギャザー4を3枚のシートで構成しているため,上記構成のように,各シートを比較的低坪量の不織布で構成することが好ましい。このように,比較的低坪量の不織布を採用することで,3枚のシートを重ねて配置しても通気性の低下を防止できる。
【0020】
本発明の第2の側面は,シート部材の製造方法に関する。
本発明の製造方法は,第1シート部41,第2シート部42,及び第1シート部41と第2シート部42の間に配置された第3シート部43を含むシート部材の製造方法に関する。例えば,第2の側面に係る製造方法は,上述した第1の側面に係る使い捨ておむつの立体ギャザー用のシート部材として用いられる。
本発明の製造方法では,第1の方向に沿って一又は複数の列をなして設けられる複数の仮止部Aによって,第1シート部41と第3シート部43を接合する工程を行う。また,本発明の製造方法では,第1の方向に沿って一又は複数の列をなして設けられる複数の本止部Bによって,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する工程と,を行う。この製造方法において,仮止部Aの列と本止部Bの列は,第1の方向と直交する第2の方向に間隔を置いて設けられる。なお,本発明では,まず,第1シート部41と第3シート部43を接合する工程を行い,その後,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する工程を行うことが好ましい。
【0021】
上記工程を含む製造方法のように,仮止部Aによって第1シート部41と第3シート部43を接合した後,本止部Bによって第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合することで,本止部Bによる接合に際に,各シートにヨレが生じることを防止できる。従って,本発明の製造方法によれば,表面に適度な張りと柔らかさを持つ手触りの良いシート部材を製造可能である。例えば,本発明の製造方法に従って製造されたシート部材は,使い捨ておむつの立体ギャザーを構成するシート部材として好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は,立体ギャザー(シート部材)が,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を含んで構成され,3枚のシートの中間部に位置する第3シート部43が,仮止部Aによって,第1シート部41のみと接合される。その上で,第3シート部43は,本止部Bによって,第1シート部41及び第3シート部43に接合されている。このように,2枚のシートを接合する仮止部Aと,3枚のシートの全てを接合する本止部Bを,それぞれ別々に形成することにより,各シートの接合時に発生するヨレを防止できる。すなわち,3枚のシートを一度に全て接合しようとすると,中間部に位置するシートにヨレが生じ易くなるが,3枚のシートを接合する前に,2枚のシートを重ねて仮接合しておくことにより,3枚のシートを接合する際に生じるヨレを解消できる。これにより,本発明は,表面に適度な張りと柔らかさを持つ手触りの良い立体ギャザー(シート部材)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は,本発明に係る使い捨ておむつの一実施形態を示す展開図である。
図2図2は,図1に示されたX−X線における断面図である。
図3図3は,立体ギャザーを形成するシート部材を接合するパターンの一例を示している。図3(a)は,立体ギャザーの幅方向の断面図であり,図3(b)は,立体ギャザーの平面図であり,図3(c)は,図3(b)に示された点線の枠内の拡大図である。
図4図4は,立体ギャザーを形成するシート部材を接合するパターンの別の例を示している。図4(a)は,立体ギャザーの幅方向の断面図であり,図4(b)は,立体ギャザーの平面図であり,図4(c)は,図4(b)に示された点線の枠内の拡大図である。
図5図5は,本発明に係る使い捨ておむつの他の実施形態を示す断面図である。
図6図6は,本発明に係る使い捨ておむつのさらに別の実施形態を示す断面図である。
図7図7は,本発明に係るシート部材の製造方法を概念的に示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
また,本願明細書において,「長さ方向」というときは,縦長に形成された吸収体の長さ方向であって,使い捨ておむつの前身頃と後身頃を結ぶ方向(図1の上下方向)を意味する。また,「幅方向」とは,縦長に形成された吸収体の幅方向であって,前記長さ方向に平面的に直交する方向(図1の左右方向)を意味する。また,「厚み方向」とは,使い捨ておむつを構成するシート部材が重なる方向であって,長さ方向及び幅方向と立体的に直交する方向(図2の上下方向)を意味する。
【0025】
(1.使い捨ておむつの全体構成)
本発明は,基本的に,トップシート1と,バックシート2と,これらのシートの間に介在する吸収体3と,吸収体3の幅方向両側に配置され長さ方向に沿って延びる左右一対の立体ギャザー4と,を備える使い捨ておむつ100に適用可能である。トップシート1は液透過性であり,バックシート2は液不透過性である。着用者により排泄された尿などの液体は,トップシート1を透過して,吸収体3によって吸収保持され,バックシート2により外部への漏出が防止されている。また,左右一対の立体ギャザー4は,長さ方向の両端部がトップシート1の表面に固定されており,長さ方向中央部分においてトップシート1に固定されない自由端を有する。立体ギャザー4の自由端には,長さ方向に沿って一又は複数の弾性伸縮部材が伸長状態で固定されている。このため,弾性伸縮部材が収縮すると立体ギャザー4の自由端が,着用者の肌に当接する方向に向かって起立する。立体ギャザー4が起立することで,使い捨ておむつ100と着用者の密着性が向上するとともに,吸収体3によって吸収しきれなかった尿などの横漏れを防止できる。このように,立体ギャザー4は,尿漏れを防ぐための防漏壁としても機能する。本発明は,公知のタイプの使い捨ておむつ100に適用可能であり,例えば,パンツ型のおむつやテープ型のおむつに適用できる。
【0026】
図1は,使い捨ておむつ100の一実施形態を示す展開図であり,使い捨ておむつ100を,トップシート1側からみた状態を示している。なお,図1においては,各所に配置された伸縮部材の位置関係を示すため,使い捨ておむつを構成する各種シート材を透過的に描画している。図1は,パンツ型である場合の使い捨ておむつ100の一実施形態を示している。
【0027】
図1に示されるように,本実施形態に係る使い捨ておむつ100は,吸収性本体7と,前身頃外装体8と,後身頃外装体9と,を有している。前身頃外装体8は,使い捨ておむつの前身頃を構成し,装着時において着用者の腹部に接触する。また,後身頃外装体2は,使い捨ておむつの後身頃を構成し,装着時において着用者の背部に接触する。吸収性本体7は,上述したトップシート1と,バックシート2と,吸収体3と,左右一対の立体ギャザー4と,を含んで構成される。吸収性本体7は,その長さ方向の一端部側が前身頃外装体8に固定され,他端部側が後身頃外装体9に固定され,前身頃と後身頃の間に位置する股下部では,いずれの外装体にも固定されない領域を有している。このため,本実施形態では,吸収性本体7が,前身頃外装体8と後身頃外装体9との間に架橋された状態となっている。吸収性本体7を,前身頃外装体8と後身頃外装体9に固定する手段は,公知の方法を用いることができ,例えば,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を用いた固定方法に固定することとしてもよいし,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により固定することとしてもよい。
【0028】
また,前身頃外装体8と後身頃外装体9は,幅方向両側縁に位置するサイドシール部81,91において互いに接合される。これにより,前身頃外装体8と後身頃外装体9は,環状に繋がり,着用者の胴周りを覆うことができる。前身頃外装体8と後身頃外装体9がサイドシール部において接合されることで,装着時に着用者の腰周りに位置する腰周り開口部と,装着時に着用者の脚部周りに位置する脚部周り開口部とが形成される。このようにして,パンツ型の使い捨ておむつ100が形成される。着用者は,その腹部が前身頃外装体8に接触し,背部が後身頃外装体9に接触するように,腰周り開口部からに両脚部を入れ,それぞれの脚部を脚部周り開口部から出すことで,その股間部に吸収性本体7をあてがうようにして,使い捨ておむつ100を装着することができる。
【0029】
なお,図示は省略するが,本発明は,テープ型の使い捨ておむつにも適用できる。テープ型の使い捨ておむつの構成は,公知である。テープ型の使い捨ておむつは,前身頃又は後身頃の両側部から延出するように接着テープが取り付けられ,着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させる構造を持つ。
【0030】
(2.使い捨ておむつの各部構成)
以下,図面を用いて,本発明の使い捨ておむつ100の各部の構成について具体的に説明する。
【0031】
(2−1.吸収性本体)
吸収性本体7は,使い捨ておむつ100の着用時において,着用者の股下に位置し,着用者が排泄した尿などの液体を吸収保持するための部材である。図1に示されるように,吸収性本体7は,前身頃外装体8及び後身頃外装体9に接合される長さ方向両端の辺を一対の短辺とし,幅方向両端の辺を一対の長辺とした縦長の略矩形状で形成されている。
本実施形態において,吸収性本体7は,トップシート1と,バックシート2と,吸収体3と,一対の立体ギャザー4と,一対の脚部周りギャザー5と,カバーシート6を備える。
図2は,図1に示されたX−X線における使い捨ておむつ100の断面図の概要を示している。なお,図2では,吸収性本体7を構成する各種シート部材を分かり易く示すために,各種シート部材に概念的な厚みをもたせて描画しているが,本来,各種シート部材は,極薄の素材であり,図2に示すほどの厚みは有していない。以下,図面を参照して,吸収性本体7の各部の構成について説明する。
【0032】
(2−2.トップシート)
トップシート1は,着用者の股下部の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体3に透過させるためのシート状の部材である。このため,トップシート1は,柔軟性が高い液透過性材料で構成される。トップシート1は,吸収体3を肌当接面側から被覆するように配置される。トップシート1と吸収体3は,ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定すればよい。
【0033】
トップシート1を構成する液透過性材料としては,使い捨ておむつが使用される通常の気温,湿度,及び気圧等の条件下で,所定時間(例えば1分)以内に所定量(例えば10ml)の水が透過する性能を示すものを用いればよい。液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,トップシート1としては,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,又はナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維に親水化処理を施して,不織布にしたものを用いることとしてもよい。また,トップシート1を構成する不織布としては,綿等の天然繊維を,スパンボンド法,スパンレース法,サーマルボンド法,メルトブローン法,又はニードルパンチ法等の加工法によって加工したものが挙げられる。不織布の加工法のうち,スパンボンド法により形成された不織布は,柔軟性及びドレープ性に優れている。また,サーマルボンド法は,嵩高でソフトな不織布を得られるというメリットがある。
【0034】
(2−3.バックシート)
バックシート2は,トップシート1を透過し吸収体3に吸収された液体が,外部に漏出することを防止するためのシート状の部材である。このため,バックシート2は,液不透過性材料によって構成される。バックシート2は,吸収体3を肌非当接面側から被覆するように配置される。バックシート2と吸収体3は,ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定すればよい。
【0035】
バックシート2を構成する液不透過性材料としては,使い捨ておむつが使用される通常の気温,湿度,及び気圧等の条件下で,所定時間(例えば1分)以内に所定量(例えば10ml)の水が透過しない性能を示すものを用いればよい。バックシート2を構成する液不透過材料の例は,ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートであり,少なくとも遮液性を有するシート材が用いられる。また,バックシート2としては,ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に,無機充填剤を混練してシートを成形した後,延伸することにより得られる微多孔性の通気性樹脂シートを用いることもできる。その他,バックシート2としては,ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布シートや,防水フィルムを介在して実質的な液不透過性を確保した不織布シートを用いることもできる。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを,バックシート2として用いることが好ましい。
【0036】
(2−4.吸収体)
吸収体3は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体3は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2の間に配置される。吸収体3は,トップシート1を透過した液体を吸収する機能を有し,吸収性材料により構成される。吸収体3を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては,例えば,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることとしても良い。また,吸収性材料には,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成され,用いられる。また,吸収体3は,トップシート2とバックシート2の間の領域に封入される。トップシート1とバックシート2は,吸収体31の周囲を囲うようして,互いに接合されることが好ましい。すなわち,トップシート1とバックシート2は,吸収体3の幅方向と長さ方向の縁に沿って,吸収体3を封入するように,互いに接合される。
【0037】
吸収体3の形状は,適宜,使い捨ておむつの形状や,大きさ,用途に合せて設計することができる。例えば,吸収体3の形状は,図2に示されるように,砂時計型であることが好ましい。砂時計型とは,前身頃側と後身頃側において,吸収体3の両側縁が,幅方向外側に向かって延出した延出部を有することを意味する。砂時計型では,吸収体3の四隅に延出部が形成されることにより,吸収体3の長さ方向中央部に,吸収体3の内方に向かって湾曲又は屈折したくびれ部が形成される。また,吸収体3は,一般的な使い捨ておむつに使用されている,矩形型,楕円形型,又はひょうたん型とすることとしてもよい。
【0038】
(2−5.立体ギャザー)
立体ギャザー4は,吸収体3の両側縁部に沿って起立し,着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。立体ギャザー4は,吸収体3の両側縁に沿って一対形成されるものであってもよいし,ニ対以上形成されてもよい。立体ギャザー4は,起立した状態(弾性伸縮部材が収縮した状態)において尿の防漏壁となるため,トップシート1を透過しなかった尿や,吸収体3により吸収しきれなった尿が,使い捨ておむつの脚部周り開口部などから漏出する事態を防止できる。
【0039】
本実施形態において,立体ギャザー4のそれぞれは,連続した一枚のサイドシート4aによって形成される。立体ギャザー4を構成するサイドシート4aは,トップシート1上に固定端を有する。図1及び図2に示されるように,サイドシート4aは,使い捨ておむつの長さ方向に沿って,トップシート1上に固定される。また,サイドシート4aは,トップシート1及びバックシート2の両側縁を挟みこむようにして,トップシート1の上面及びバックシート2の底面に固定されている。本実施形態において,各立体ギャザー4を形成するサイドシート4aは,トップシート1やバックシート2とは別体として構成されている。ただし,各立体ギャザー4は,別々に形成された複数のシート部材を貼り合わせて構成されたものであってもよい
【0040】
各立体ギャザー4は,各サイドシート4aに,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材44が,おむつの長さ方向に沿って伸長状態で配設されており,立体ギャザー伸縮部材44の収縮力を利用して起立するものである。つまり,サイドシート4aは,前身頃及び後身頃側の端部がトップシート1上に固定されている固定端部と,この前身頃側と後身頃側の固定分の間に位置する自由端部を有し,この自由端部を中心として,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材44が配置され,立体ギャザー伸縮部材44が収縮した際に,この自由端部が立ち上がるようになっている。図2に示されるように,立体ギャザー伸縮部材44は,立体ギャザー4の上端縁近傍に配設されている。また,複数本の立体ギャザー伸縮部材44は,長さ方向に延びつつ,幅方向に間隔を置いて配置されている。
【0041】
なお,図2においては,立体ギャザー4がおむつの内側に向かって傾倒する場合の例を示している。ただし,立体ギャザー4の形態は,おむつの内側に向かって傾倒するものに限定されない。例えば,立体ギャザー4は,おむつの外側に向かって傾倒する形態であってもよいし,立体ギャザー4の起立した壁面の一部に湾曲部や折れ線が形成されたものであってもよい。
【0042】
本発明において,各立体ギャザー4の起立部分は,シートが少なくとも3層に重なる領域(重畳領域45)を有している。本実施形態において,立体ギャザー4を構成するサイドシート4aの起立部分は,図2に示されるように,少なくとも第1の折返部46及び第2の折返部47において折り返され,シートが3重となる構成を有している。つまり,立体ギャザー4の起立部分は,少なくとも,シートが3層に重なる重畳領域45において,第1シート部41と,第2シート部42と,第1シート部41及び第2シート部42の間に配置された第3シート部43と,を含んで構成される。
【0043】
図2に示されるように,本実施形態において,サイドシート4aは,起立部分を構成する側の先端縁から第1の折返部46までの間の領域が第3シート部43となり,第1の折返部46から第2の折返部47までの間の領域が第1シート部41となり,第2の折返部47からバックシート2(又はトップシート1)に固定される側の先端縁までの領域が第2シート部42となる。すなわち,立体ギャザー4を構成する一枚のサイドシート4aは,幅方向において,起立部分を構成する側の先端縁側から,第3シート部43,第1シート部41,及び第2シート部42の順に繋がって形成されている。
【0044】
本実施形態において,第1シート部41と第3シート部43の間に形成された第1の折返部46は,第3シート部43を,下方から上方に向かって第1シート部41と第2シート部42の間に折り返すための折線となる。また,第1シート部41と第2シート部42の間に形成された第2の折返部47は,上方から下方に向かって第1シート部41を折り返すための折線となる。図2に示されるように,本実施形態においては,第1シート部41が幅方向の最も内側に位置し,第2シート部42が幅方向の最も外側に位置し,第3シート部43が両シート部の中間に位置する。
【0045】
図2に示されるように,立体ギャザー4の起立部分は,第1シート部41と第2シート部42のみが重なる領域を含んでいることが好ましい。すなわち,立体ギャザー4の起立部分の先端縁近傍には,第3シート部43が介在せず,第1シート部41と第2シート部42のみが重なる領域が形成されている。この場合に,複数の立体ギャザー伸縮部材44のうち,少なくとも1本以上は,第1シート部41と第2シート部42との間に挟持されるようにして,立体ギャザー4の上端縁又はその近傍に固定されることが好ましい。図2においては,立体ギャザー伸縮部材44が,立体ギャザー4の幅方向に間隔を置いて,立体ギャザー4の起立部分に3本配設されており,そのうち上端縁に近い2本の立体ギャザー伸縮部材44が,第1シート部41と第2シート部42の間に挟持されている。ただし,立体ギャザー4の上端縁近傍に配設される立体ギャザー伸縮部材44の本数は,適宜変更することができ,例えば1本又は2本であってもよいし,4本以上であってもよい。
【0046】
また,図2に示されるように,立体ギャザー4の起立部分において3枚のシート41〜43が重なる重畳領域45にも,少なくとも一本の立体ギャザー伸縮部材44が配置されていることが好ましい。この場合,複数の立体ギャザー伸縮部材44のうち,少なくとも1本以上は,第1シート部41と第3シート部43の間,又は第2シート部42と第3シート部43の間に挟持して固定されていることが好ましい。図2に示された実施形態では,立体ギャザー4の起立部分に配置された複数の立体ギャザー伸縮部材4のうち,立体ギャザー4の基端側に配置されている立体ギャザー伸縮部材44が,第2シート部42と第3シート部43の間に配置されている。このように,少なくとも一本の立体ギャザー伸縮部材44を,第3シート部43と第1シート部41の間,又は第3シート部43と第2シート部42の間に固定することにより,立体ギャザー伸縮部材44に塗布された接着剤により,第3シート部43が第1シート部41又は第2シート部42に接合されるため,第3シート部43のヨレを防止できる。
【0047】
また,図2に示されるように,サイドシート4aのそれぞれは,立体ギャザー4とは別に,脚部周りギャザー5を形成するものであってもよい。すなわち,図2に示されるように,吸収体3の長さ方向に沿って,バックシート2の裏面(肌非当接面)に一部固定されたサイドシート4aを,トップシート1とバックシート2の接合位置よりも幅方向外側において,吸収性本体7の内方に向かって折り返して,第3の折返部52を形成する。そして,サイドシート4aの第3の折返部52には,使い捨ておむつの長さ方向に沿った伸長状態で,幅方向に間隔を置いて,複数の脚部周りギャザー伸縮部材51が配置される。これにより,サイドシート4aは,第3の折返部52において,脚部周りギャザー伸縮部材51の収縮力を利用して起立し,脚部周りギャザー5を形成する。
また,第3の折返部52において折り返されたサイドシート4aの一部は,トップシート1とバックシート2を挟み込むように,トップシート1の表面(肌当接面)上に固定される。さらに,サイドシート4aは,トップシート1との固定線より幅方向内側にも延在しており,この延在している部分が,立体ギャザー4の起立部分を構成する。サイドシート4aは,起立部分において,吸収体3の幅方向内方に向かって折り返され,第2の折返部47を形成する。第2の折返部47に折り返されたシート部分は,さらに,第1の折返部46において,上方に向かって,起立部分を構成するシート部材の間に折り返される。これにより,起立部分に,シート部材が3重となる重畳領域45が形成される。重畳領域45においては,幅方向内側に位置する第1シート部41と,幅方向外側に位置する第2シート部42と,第1シート部41と第2シート部42の間に位置する第3シート部43が形成されている。そして,サイドシート4aの起立部分には,使い捨ておむつの長さ方向に沿った伸長状態で,幅方向に間隔を置いて,複数の立体ギャザー伸縮部材44が配置される。これにより,サイドシート4aは,立体ギャザー伸縮部材44の収縮力を利用して起立し,立体ギャザー4を形成する。
【0048】
上記サイドシート4aとしては,撥水性を有する材料を用いることが好ましい。撥水性の材料の例としては,撥水性が高くかつ通気性が良いという観点から,スパンボンドやカードエンボスのような不織布を用いることが好ましい。特に,耐水圧が高いという理由から,SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)や,SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)のような不織布を用いることが好ましい。
【0049】
サイドシート4aを不織布によって形成する場合,その坪量は,8g/m〜25g/m,又は10g/m〜20g/mであることが好ましい。本発明では,立体ギャザー4を形成するためにサイドシート4aを3重に重ねて構成しているが,比較的低坪量の不織布を採用することで,シートを3重に重ねて配置した場合であっても,立体ギャザー4の通気性の低下することを防止できる。
【0050】
また,上記した立体ギャザー伸縮部材44や,脚部周りギャザー伸縮部材51には,公知の糸状又は帯状の弾性伸縮部材を用いることができる。例えば,これらの伸縮部材には,糸状弾性ゴムを適用することが好ましい。このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の素材を用いることができる。なお,伸縮部材の材料は必ずしもこれらの材料に限定されるものではなく,例えば熱可塑性エラストマー,プラスチックシート,又はゴムシート等の伸縮性を有する公知の種々のものを用いることができる。
【0051】
(2−5−1.立体ギャザーの接合パターン:第1例)
本発明において,上記構造を有する立体ギャザー4は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が所定のパターンで接合されている。特に,立体ギャザー4は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なる重畳領域45に,各種シート部の接合部を有する。以下,立体ギャザーの接合パターンの例を説明する。
【0052】
図3は,立体ギャザー4を構成するサイドシート4aを接合するパターンの一例を示している。図3(a)と図3(b)は,サイドシート4aの断面図(a)と,サイドシート4aの平面図(b)を対応させて並べて示している。また,図3(c)は,図3(b)に示された破線の枠内を拡大して示した拡大図である。
図3において,「白い円」は,第1シート部41と第3シート部43とを接合する仮止部A,及び仮止部Aと共に形成される第1捨て打ち部A´を示している。また,また,「黒い円」は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部B,及び本止部Bと共に形成される第2捨て打ち部B´を意味している。
【0053】
図3に示されるように,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なる重畳領域45には,第1シート部41と第3シート部43を接合する仮止部Aが,複数形成されている。本実施形態において,仮止部Aのそれぞれは,ドット状に形成されている。なお,本願明細書では,第1シート部41と第3シート部43を接合する一点一点を,仮止部Aと称している。複数の仮止部Aは,おむつの長さ方向(図3の上下方向)に沿って,複数の列をなして形成されている。すなわち,複数の仮止部Aは,おむつの長さ方向に沿って直線的に並べられており,この複数の仮止部Aがなす直線を,「列」という。ある列において,複数の仮止部Aは,長さ方向に一定間隔を置いて形成される。ある列に存在する複数の仮止部A同士の間隔は,例えば,2mm〜12mm,4mm〜10mm,6mm〜8mmとすればよい。そして,この複数の仮止部Aのなす列は,おむつの幅方向(図3の左右方向)に間隔を置いて,複数形成されている。図3に示されたパターンでは,図3(c)に示されるように,仮止部Aの列は,重畳領域45において,幅方向内側から順に,列A1及び列A2の2列で形成されている。
【0054】
複数の仮止部Aを形成する方法は,例えば,第1シート部41と第3シート部43とを厚み方向に重ねた状態で,エンボスロールとアンビルロールの間を圧接通過させて,両シート部を接合するエンボス加工を施せばよい。エンボス加工は,既に公知となっている方法を採用できる。例えば,エンボス加工は,外周面に複数の微小な凸部を有する加熱された金属製のエンボスロールと,加熱された金属製のアンビルロールの間に,第1シート部41と第2シート部42が重ね合わされた状態のサイドシート4aを連続的に送り込むことにより行うこととしてもよい。エンボスロールの外周面に形成された凸部のパターンは,複数の仮止部Aのパターンと一致している。これにより,仮止部Aが所望のパターンで複数形成されたサイドシート4aを,連続的に効率よく形成することができる。その他,エンボス加工としては,例えば,超音波溶着によりシート部材を接合する方法を用いることもできる。
【0055】
図3に示されるように,仮止部Aの列A1及び列A2は,重畳領域45に形成されている。上述したように,立体ギャザー4を形成するサイドシート4aの先端部分には,複数の立体ギャザー伸縮部材44が配置されている。この場合に,仮止部Aの列は,複数の立体ギャザー伸縮部材44よりも幅方向外側に形成されていることが好ましい。すなわち,仮止部Aの列は,重畳領域45の幅方向の最も外側を形成する外側縁45aと,立体ギャザー伸縮部材44の間に設けられていることが好ましい。このように,仮止部Aの列が,サイドシート4aの重畳領域45において,外側縁45aと立体ギャザー伸縮部材44の間に形成されていることにより,立体ギャザー4の手触りが柔軟になる。
【0056】
また,仮止部Aの列A1及び列A2は,幅方向に間隔を置いて形成されている。図3に示されるように,仮止部Aの列A1は,立体ギャザー伸縮部材44に近い位置に形成され,列A2は,重畳領域45の外側縁45aに近い位置に形成されている。仮止部Aの列A1と,立体ギャザー伸縮部材44の距離は,1mm〜10mm,又は3mm〜5mmであることが好ましく,3mm以内であることが特に好ましい。このように,仮止部Aの列と,立体ギャザー伸縮部材44の距離とを近づけることにより,本止部Bを形成する際に,立体ギャザー伸縮部材44の位置ズレが発生する事態を防止できる。また,仮止部Aの列A2と,重畳領域45の外側縁45aの距離は,5mm〜20mm,又は10mm〜15mmであることが好ましく,5mm〜10mmであることが特に好ましい。また,仮止部Aの列A1と列A2の幅方向の間隔は,8mm〜30mm,15mm〜25mm,又は18mm〜22mmであることが好ましい。このように,ある程度の間隔を置いて,仮止部Aの列A1及び列A2を形成することで,第1シート部41と第3シート部43の仮接合を確実に行うことができ,その後本止部Bによって本接合を施す場合に,シート間のズレを効果的に防止できる。
【0057】
また,図3に示されたパターンには,複数の第1捨て打ち部A´が形成されている。第1捨て打ち部A´は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なる重畳領域45の幅方向外側の位置に設けられる。複数の第1捨て打ち部A´は,上述したエンボス加工により,重畳領域45に仮止部Aの列A1及び列A2を形成すると同時に,重畳領域45以外の領域に形成されるエンボス点である。このため,第1捨て打ち部A´は,特にシートを接合するものではない。複数の第1捨て打ち部A´は,重畳領域45以外の領域で,長さ方向に伸びる列A´1を形成している。このように,複数の第1捨て打ち部A´は,エンボスロールとアンビルロール間を圧接通過させてエンボスロールの凸部を周方向に連続的に設けることで,加工時のがたつきを抑え,接地点を増やすことで圧力を分散し,過度に圧着されることを防ぐ。重畳領域45以外の領域にも,仮止部Aと同時に,第1捨て打ち部A´を形成することにより,立体ギャザー4の風合いが良好になると共に,仮止部Aによる第1シート部41と第3シート部43の接合を安定させることができる。
【0058】
他方,図3において,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部B,及び本止部Bと共に形成される第2捨て打ち部B´が「黒い円」で示されている。
図3に示されるように,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なる重畳領域45には,各シート部41〜43を接合する本止部Bが,複数形成されている。本実施形態において,本止部Bのそれぞれは,ドット状に形成されている。なお,本願明細書では,各シート部41〜43を接合する一点一点を,本止部Bとしている。複数の本止部Bは,おむつの長さ方向(図3の上下方向)に沿って,複数の列をなして形成されている。ある列において,複数の本止部Bは,長さ方向に一定間隔を置いて形成される。ある列に存在する複数の本止部B同士の間隔は,例えば,2mm〜12mm,4mm〜10mm,又は6mm〜8mmとすればよい。そして,この複数の本止部Bのなす列は,おむつの幅方向(図3の左右方向)に間隔を置いて,複数形成されている。図3に示されたパターンでは,図3(c)に示されるように,本止部Bの列は,重畳領域45において,幅方向内側から順に,列B1,列B2,列B3,及び列B4の4列で形成されている。
【0059】
図3に示されるように,本止部Bの列B1〜列B4のそれぞれは,仮止部Aの列A1及び列A2と,幅方向に間隔を置いて配置されている。すなわち,複数の本止部Bは,いずれも,複数の仮止部Aと重畳せずに形成されている。このように,第1シート部41と第3シート部43を接合する仮止部Aの列と,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部Bの列が,吸収体の幅方向にずれて配置されていることにより,各シート部を満遍なく全体的に接合できる。さらに,仮止部Aの列と本止部Bの列が一致していると,その重なった部分が硬くなりシートの風合いの低下を招くが,仮止部Aの列と本止部Bの列をずらすことでこのような不具合を防止できる。
【0060】
複数の本止部Bを形成する方法は,例えば,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を厚み方向に重ねた状態で,エンボスロールとアンビルロールの間を圧接通過させて,各シート部を接合するエンボス加工を施せばよい。エンボス加工の例は,複数の仮止部Aを形成するのに用いた方法と同様の方法を用いればよい。
【0061】
図3に示されるように,本止部Bの列B1,列B2,列B3,及び列B4は,重畳領域45に形成されている。本止部Bの列のうち,列B1と列B2の2列は,上述した仮止部Aの列A1と列A2の間の領域に形成されている。本止部Bの列B1と列B2の間の間隔は,10mm〜25mm,12mm〜20mm,又は14mm〜16mmであることが好ましい。また,仮止部Aの列及び本止部Bの列の中で最も立体ギャザー伸縮部材44に近い位置に形成されている仮止部Aの列A1と,本止部Bの列の中で最も立体ギャザー伸縮部材44に近い位置に形成されている列B1の間の距離は,1mm〜10mm,又は2mm〜5mmであることが好ましい。このように,立体ギャザー伸縮部材44に近傍の領域において,仮止部Aの列A1と本止部Bの列B1の距離を近づけて形成することで,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を確実に接合することができ,おむつの使用中にシートが剥離してしまうような不具合を防止できる。また,本止部Bの列B2と,仮止部Aの列A2は,列B1と列A1の間の距離ほど,近いものでなくてよい。すなわち,本止部Bの列B2と仮止部Aの列A2の距離は,仮止部Aの列A1と本止部Bの列B1の距離よりも,離れている。例えば,本止部Bの列B2と,仮止部Aの列A2の間の距離は,3mm〜20mm,又は10mm〜15mmであればよい。このように,あえて本止部Bの列B2と仮止部Aの列A2の距離を離すことにより,仮止部Aの列A1と列A2の間の領域における各シート部41〜43の接合をしっかりと行うことができる。
【0062】
重畳領域45に形成された本止部Bの列のうち,列B3と列B4の2列は,上述した仮止部Aの列A2と,重畳領域45の外側縁45aの間の領域に形成されている。本止部Bの列B3と列B4の間の間隔は,1mm〜8mm,2mm〜6mm,又は3mm〜4mmであることが好ましい。また,仮止部Aの列及び本止部Bの列の中で最も重畳領域45の外側縁45aに近い位置に形成されている本止部Bの列B4と,重畳領域45の外側縁45aの間の距離は,1mm〜5mm,2mm〜4mm,又は2.5mm〜3.5mmであることが好ましい。さらに,本止部Bの列B3と,仮止部Aの列A2の間の距離も,1mm〜5mm,2mm〜4mm,又は2.5mm〜3.5mm程度であることが好ましい。すなわち,重畳領域45の外側縁45a近傍では,仮止部A及び本止部Bが密に形成されていることが好ましい。例えば,図3に示されるように,仮止部Aの列A1と列A2の間の間隔よりも,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間隔の方が近くなっている。また,仮止部Aの列A1と列A2の間の領域に形成された本止部Bの列B1と列B2の間隔よりも,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間の領域に形成された本止部Bの列B3と列B4の間隔の方が近くなっている。このように,重畳領域45の外側縁45a近傍で,仮止部A及び本止部Bを密集させることにより,立体ギャザー4の根本部分において各シート部41〜43の接合力が高まり,立体ギャザー4の保型性が良好なものとなる。
【0063】
また,図3に示されるように,仮止部Aの列A1と列A2の間に形成された本止部Bの列B1・列B2と,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間に形成された本止部の列B3・列B4を比較すると,列B1・列B2の方が,列B3・列B4よりも,各本止部Bの長さ方向の間隔が,大きくなっている。すなわち,列B1・列B2をなす複数の本止部Bの長さ方向の間隔は,列B3・列B4をなす複数の本止部Bの長さ方向の間隔よりも,大きい。このように,仮止部Aの列A1と列A2の間の領域において列をなす本止部Bの長さ方向の間隔を比較的大きく形成することで,立体ギャザー4の通気性が向上し,おむつの使用中の蒸れを防止できる。例えば,仮止部Aの列A1と列A2の間の領域において列をなす複数の本止部Bの長さ方向の間隔は,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間の領域において列をなす本止部Bの長さ方向の間隔よりも,1.5倍〜3倍,又は2倍のピッチであることが好ましい。
【0064】
また,図3を参照して,仮止部Aの列と本止部Bの列の配置関係について付言すると,仮止部Aの列と本止部Bの列の中で,立体ギャザー伸縮部材44に最も近い位置に形成される列は,仮止部Aの列A1となる。また,仮止部Aの列と本止部Bの列の中で,重畳領域45の外側縁45aに最も近い位置に形成される列は,本止部Bの列B4となる。また,重畳領域45には,少なくとも2列の仮止部Aの列A1・列A2が形成されており,この仮止部Aの列A1と列A2の間の領域には,少なくとも2列の本止部Bの列B1・列B2が形成されている。さらに,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間の領域には,少なくとも2列の本止部Bの列B3・B4が形成されている。このような配置関係とすることで,まず,仮止部Aの列A1・列A2によって,第1シート部41と第3シート部43を仮接合した後,本止部Bの列B1〜B4によって,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を本接合するにあたり,シート部のズレを抑制し,しかもシート部間の接合強度を高めることができる。すなわち,本止部Bの列B1・列B2は,既に仮接合されている仮止部Aの列A1と列A2に形成されるため,本止部Bの列B1・列B2を形成する時のシート部のズレが防止される。また,本止部Bの列B3・B4を形成する時には,重畳領域45の外側縁45a近傍も仮止部Aの列A2によって仮合されているため,正確に,外側縁45aと仮止部Aの列A2の間を狙って,本止部Bの列B3・B4を形成することが可能になる。さらに,重畳領域45の外側縁45a近傍に,本止部Bを密に形成することで,シート部間の接合強度が高まる。
【0065】
なお,図3に示されたパターンには,複数の第2捨て打ち部B´が形成されている。第2捨て打ち部B´は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43が重なる重畳領域45の幅方向外側の位置に設けられる。複数の第2捨て打ち部B´は,上述したエンボス加工により,重畳領域45に本止部の列B1〜列B4を形成すると同時に,重畳領域45以外の領域に形成されるエンボス点である。このため,第2捨て打ち部B´は,特にシートを接合するものではない。複数の第2捨て打ち部B´は,重畳領域45以外の領域で,長さ方向に伸びる列B´1,及び列B´2を形成している。このように,重畳領域45以外の領域にも,本止部Bと同時に,第2捨て打ち部B´を形成することにより,立体ギャザー4の風合いが良好になると共に,本止部Bによる第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43の接合をより確実なものとすることができる。
【0066】
また,図3に示されたパターンにおいては,各仮止部Aと各本止部Bの形状が楕円形状となっている。楕円形状は,それぞれ長軸と短軸を有する。長軸の長さは,例えば,0.5mm〜3mm,1mm〜2mmであり,特に約1.5(±5%)であることが好ましい。また,短軸の長さは,例えば,0.2mm〜1.5mm,0.5mm〜1.2mmであり,特に約1mm(±5%)であることが好ましい。また,図3に示されるエンボスのパターンにおいては,楕円形状である仮止部Aと本止部Bの長軸が,各列が延びる長さ方向に対して所定の角度で傾斜している。楕円の長軸の傾きは,10度〜90度,20度〜80度,30度〜60度,又は45度とすればよい。ただし,各仮止部Aと各本止部Bの形状の形状は,図に示されるものに限定されない。仮止部Aと本止部Bの形状としては,例えば,正円状,三角形状,矩形状,平行四辺形状,その他多角形状であってもよい。また,仮止部Aと本止部Bの形状には複数種類のものを採用することとしてもよい。
【0067】
(2−5−2.立体ギャザーの接合パターン:第2例)
図4は,立体ギャザー4を構成するサイドシート4aを接合するパターンについて,図3に示したパターンとは異なるパターンの例を示している。図4(a)と図4(b)は,サイドシート4aの断面図(a)と,サイドシート4aの平面図(b)を対応させて並べて示している。また,図4(c)は,図4(b)に示された破線の枠内を拡大して示した拡大図である。図4においても,「白い円」は,第1シート部41と第3シート部43とを接合する仮止部A,及び仮止部Aと共に形成される第1捨て打ち部A´を示している。また,また,「黒い円」は,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合する本止部B,及び本止部Bと共に形成される第2捨て打ち部B´を示している。
【0068】
まず,図3に示された接合パターンと,図4に示された接合パターンの共通点は,以下の点にある。
第1の共通点は,複数の仮止部Aの列と,複数の本止部Bの列が,幅方向に間隔を置いて設けられている点である。
また,第2の共通点は,複数の仮止部Aの列と本止部Bの列の中で,立体ギャザー伸縮部材44に最も近い位置に形成される列が,仮止部Aの列となり,重畳領域45の外側縁45aに最も近い位置に形成される列が,本止部Bの列となっている点である。
また,第3の共通点は,重畳領域45には,少なくとも2つの仮止部Aの列が形成されており,これら仮止部Aの列の間の領域には,少なくとも2つの本止部Bの列が形成されている点である。
また,第4の共通点は,幅方向の外側に位置する仮止部Aの列と重畳領域45の外側縁45aの間の領域には,少なくとも1つの本止部Bの列が形成されている点である。
また,第5の共通点は,仮止部Aの2つの列の間の領域よりも,仮止部Aの列と重畳領域45の外側縁45aの間の領域の方が,仮止部A及び本止部Bが密に形成されている点である。
さらに,第6の共通点は,2つの仮止部Aの列の間の領域において列をなす複数の本止部Bの長さ方向の間隔は,仮止部Aの列と重畳領域45の外側縁45aの間の領域において列をなす本止部Bの長さ方向の間隔よりも,大きいピッチとなっている点である。
このような共通点を有することにより,図3に示されたパターンと,図4に示されたパターンは,共に,3重に重なるシート部を接合する際のズレを抑制し,しかもシート部間の接合強度を高めることができる。
【0069】
他方,図3に示された接合パターンと,図4に示された接合パターンは,以下の点で異なっている。
第1の差異点は,図4に示されたパターンでは,本止部Bの列が,幅方向内側から順に,列B1,列B2,列B3の3列しか形成されていない点である。すなわち,図4のパターンは,仮止部Aの列A1と列A2の間に,本止部Bの列B1と列B2が位置する点では,図3のパターンに共通するが,仮止部Aの列A2と重畳領域45の外側縁45aの間には,本止部Bの列B3のみが位置している点で異なっている。このため,仮止部Aの列と本止部Bの列の中で,重畳領域45の外側縁45aに最も近い位置に形成される列は,本止部Bの列B3となる。
また,第2の差異点は,図4に示されたパターンでは,本止部Bと共に形成される第2捨て打ち部B´の列が,1列しか形成されていない点である。すなわち,図3のパターンでは,第2捨て打ち部B´の列が,重畳領域45以外の領域に2列形成されているが,図4のパターンでは,第2捨て打ち部B´の列が,重畳領域45以外の領域に1列のみ形成されている。
【0070】
上記のように,本発明特有の接合パターンによりもたらされる技術的意義を損なわない範囲において,図3図4に示される接合パターンのように,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43の接合パターンを適宜改変することが可能である。本発明において,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43を接合するパターンは,図3図4にしめされたものに限定されず,これらのパターンを参考して当業者が自明な範囲で適宜修正することができる。
【0071】
(2−5−3.立体ギャザーの他の実施形態)
続いて,図5及び図6を参照して,図2に示された立体ギャザーとは異なる構造の実施形態について説明する。図5及び図6は,図2と同様に,吸収性本体を幅方向に切断した状態を示す断面図である。
本発明において,立体ギャザー4は,第1シート部41と第2シート部42の間に,第3シート部43を配置して構成されている。ここで,第1シート部41と第3シート部43は,複数の仮止部Aによって接合される。また,第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43は,複数の本止部Bによって接合される。
これらの条件を満たすものであれば,本発明に含まれる立体ギャザーは,図2に示された実施形態だけでなく,例えば以下の図5及び図6に示された構造とすることもできる。
すなわち,上記図2に示された実施形態では,左右一対の立体ギャザー4のそれぞれを,一枚のサイドシート4aによって形成しており,幅方向に見て,第1シート部41が最も内側に位置し,第2シート部42が最も外側に位置し,第3シート部43がこれらの中間に位置した構造となっていたが,本発明はこの実施形態に限定されない。
【0072】
図5は,左右一対の立体ギャザー4のそれぞれを,一枚のサイドシート4aによって形成しており,幅方向に見て,第1シート部41が最も外側に位置し,第2シート部42が最も内側に位置し,第3シート部43がこれらの中間に位置した実施形態を示している。
【0073】
図5に示された実施形態において,第1シート部41と第2シート部42の間に形成された第2の折返部47は,立体ギャザー4の上端縁に相当し,第1シート部41は,第2の折返部47においてサイドシート4aが幅方向外側に向かって折り返されることで形成されている。また,第1シート部41と第3シート部43の間には第1の折返部46が形成されており,第3シート部43は,第1の折返部46において,サイドシート4aが第1シート部41と第2シート部42の間に折り返されることで形成されている。これにより,立体ギャザー4の起立部分において,第1シート部41が最も外側に位置し,第2シート部42が最も内側に位置し,第3シート部43がこれらの中間に位置した3重構造が形成される。
【0074】
また,図5に示されるように,立体ギャザー4を形成する複数の立体ギャザー伸縮部材44のうち,少なくとも1本以上は,第1シート部41と第2シート部42との間に挟持されるようにして,立体ギャザー4の上端縁又はその近傍に固定されることが好ましい。また,図5の実施形態においては,立体ギャザー伸縮部材44が,立体ギャザー4の長手方向に沿って,立体ギャザー4の起立部分に3本配設されており,そのうち上端縁に近い2本の立体ギャザー伸縮部材44が,第1シート部41と第2シート部42の間に挟持されている。さらに,図5に示されるように,立体ギャザー4の起立部分において3枚のシート41〜43が重なる重畳領域45にも,少なくとも一本の立体ギャザー伸縮部材44が配置されていることが好ましい。この場合,複数の立体ギャザー伸縮部材44のうち,少なくとも1本以上は,第1シート部41と第3シート部43の間,又は第2シート部42と第3シート部43の間に挟持して固定されていることが好ましい。図5に示された実施形態では,立体ギャザー4の起立部分に配置された複数の立体ギャザー伸縮部材44のうち,立体ギャザー4の基端側に配置されている立体ギャザー伸縮部材44が,第2シート部42と第3シート43の間に配置されている。
【0075】
図5に示されるように,本発明では,立体ギャザー4の第1シート部41を幅方向の最も外側に形成し,第2シート部42を幅方向の最も内側に形成し,第3シート部43をこれらの中間に位置させることもできる。
【0076】
続いて,図6は,左右一対の立体ギャザー4のそれぞれを,2枚のシート部材で形成した実施形態を示している。すなわち,各立体ギャザー4は,幅方向に見て,内側に位置する第1シート部41と,外側に位置する第2シート部42を一枚のサイドシート4aで形成している。他方,第1シート部41と第2シート部42の間に位置する第3シート部43は,サイドシート4aとは別部材のサブシート4bにより形成されている。
【0077】
図6に示された実施形態において,第1シート部41と第2シート部42の間に形成された第2の折返部47は,立体ギャザー4の上端縁に相当し,第1シート部41は,第2の折返部47においてサイドシート4aが幅方向内側に向かって折り返されることで形成されている。そして,第1シート部41と第2シート部42に,第3シート部43を形成するサブシート4bが介在されている。これにより,立体ギャザー4の起立部分において,第1シート部41が最も内側に位置し,第2シート部42が最も外側に位置し,これらの間に別部材である第3シート部43が位置した3重構造が形成される。
【0078】
第3シート部43を形成するサブシート4bは,第1シート部41と第2シート部42を形成するサイドシート4aと,同一の素材で構成されていてもよいし,別の素材で構成されていてもよい。例えば,サブシート4bを別素材とする場合,液不透過性を示す,ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートであり,少なくとも遮液性を有するシート材が用いることもできる。
【0079】
図6に示されるように,本発明では,立体ギャザー4の第1シート部41と第2シート部42を一枚のシート部材を折り返して構成し,その他の第3シート部43をこれとは別部材のシート部材で構成することもできる。なお,図6では,第3シート部43のみ別部材で構成される例を示したが,立体ギャザー4を構成する第1シート部41,第2シート部42,及び第3シート部43のそれぞれを,全て別々の部材とすることも可能である。
【0080】
(2−6.カバーシート)
カバーシート6は,バックシート2を補強し,かつ,その手触りを良くするための部材である。図2に示されるように,カバーシート6は,バックシート2の衣類と対向する側に貼り合わせられる。カバーシート6は,サイドシート4aの一部に重畳して貼り合わせられるものであってもよい。カバーシート6を構成する材料としては,織布や不織布が用いられる。特に,カバーシート6を構成する材料として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
【0081】
(2−7.前身頃外装体及び後身頃外装体)
図1に示されるように,前身頃外装体8及び後身頃外装体9は,使い捨ておむつの装着時において着用者の腹部及び背部に接触するとともに,前身頃外装体8及び後身頃外装体9の間に位置する吸収性本体7を,吊持するための部材である。
【0082】
前身頃外装体8と後身頃外装体9は,おむつの幅方向の左右両側縁部に,一対のサイドシール部81,91を有している。前身頃外装体8と後身頃外装体9は,おむつの幅方向の左右両側縁部を互いに重ね合わせた状態で,一対のサイドシール部81,91において接合される。例えば,この一対のサイドシール部81,91は,おむつの長さ方向に延びて直線的に形成される。サイドシール部81,91において,前身頃外装体8と後身頃外装体9は,例えば熱エンボス溶着や超音波エンボス溶着のような公知の接合手段により接合される。
【0083】
前身頃外装体8と後身頃外装体9は,例えば,インナーシートとアウターシートの2枚のシート部材を貼り合わせることにより構成されている。インナーシートは,着用者の肌に接する面(肌当接面)側に配置され,アウターシートは,着用者の肌に接しない面(肌非当接面)側に配置される。インナーシートとアウターシートは,別途形成されたシート材であってもよいし,例えば一枚のシート材を使い捨ておむつの腰周り開口部の端縁に相当する位置で折り返すことにより一体的に形成されたものであってもよい。また,インナーシートとアウターシートの間には,他のシート部材が介在するものであってもよい。インナーシートとアウターシートは,例えば,柔軟な繊維不織布やプラスチックシートや,それらのラミネートシートによって形成されている。インナーシートとアウターシートの間は,例えばホットメルト接着剤によって接着される。さらに,インナーシートとアウターシートの間には,使い捨ておむつの幅方向に沿って配置された複数本の弾性伸縮部材が,長さ方向に間隔をおいて伸長状態で固定されている。前身頃外装体8と後身頃外装体9に配置された弾性伸縮部材7は,前身頃外装体7及び後身頃外装体8の腰周りや腹周りにギャザーを形成する。ギャザーを形成することで,前身頃外装体8及び後身頃外装体9の柔軟性や密着性を高めることができる。複数本の弾性伸縮部材には,糸状弾性ゴムを適用することが好ましく,このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の公知の素材を採用できる。
【0084】
(3.シート部材の製造方法)
続いて,図7を参照して,上記使い捨ておむつ100に含まれる立体ギャザー4を構成するシート部材を製造する工程について説明する。ここでは,特に,図2に示された実施形態の立体ギャザー4を構成するシート部材の製造方法について説明を行う。
【0085】
図7に示されるように,ステップS1において,左右一対の立体ギャザー4を構成する一枚の原サイドシート104aが用意される。このステップS1の段階において,原サイドシート104aは,左方の立体ギャザーを構成するものと,右方の立体ギャザーを構成するものが一体とされている。
なお,本願明細書において,「原サイドシート」等というときは,製造工程を経て,使い捨ておむつとなったときに,サイドシート等となる原材料を意味する。
【0086】
また,原サイドシート104aには,その流れ方向(図7に示した矢印の方向)に沿って,複数の原立体ギャザー伸縮部材144が配置される。複数の原立体ギャザー伸縮部材144は,流れ方向に沿った伸長状態で,原サイドシート104aの幅方向に所定間隔を置いて固定される。原立体ギャザー伸縮部材144を固定する位置は,後に,原サイドシート104aの原第1シート部141と原第2シート部142の間に形成される第2の折り返し部147の幅方向外側の近傍である。
【0087】
次に,ステップS2において,原サイドシート104aの幅方向外側の両側縁が,流れ方向に沿って形成される第1の折返部146において,幅方向内側に向かって折り返される。これにより,原サイドシート104aは,第1の折返部146を基点として折り返された一部分が,原第3シート部143となる。原第3シート部143は,後に,原第1シート部141と原第2シート部142の間に位置する部分である。また,原サイドシート104aは,第1の折返部146で折り返されることにより,原第3シート部143と重なる部分が,原第1シート部141となる。このようにして,原サイドシート104aは,原第3シート部143と原第1シート部141とが重ね合わされる。また,図7に示されるように,原第3シート部143と原第1シート部141を重ね合わせるに際し,その間には,原立体ギャザー伸縮部材144の少なくとも一本が挟持されるようにすることが好ましい。ステップS2において,原サイドシート104aを折り返す際には,第1のセーラー210のような公知の装置を用いればよい。
【0088】
次に,ステップS3において,原サイドシート104aうち,原第3シート部143と原第1シート部141とが重なりあった部分に,エンボス加工が施される。原第3シート部143と原第1シート部141は,流れ方向に沿って複数の列をなして形成された仮止部Aによって,接合される。原第3シート部143と原第1シート部141を接合する仮止部Aの形成は,公知のエンボス装置によって行えばよい。第1のエンボス装置220は,原第1シート部141と原第3シート部143が重なった状態で,エンボスロールとアンビルロールの間を流れ方向に沿って圧接通過させる。第1のエンボス装置220は,例えば外周面に複数の微小な凸部を有する加熱された金属製のエンボスロールと,加熱された金属製のアンビルロールを有している。エンボスロールとアンビルロールの間に,原第3シート部143と原第1シート部141が重ね合わされた状態の原サイドシート104aが連続的に送り込まることで,原第3シート部143と原第1シート部141が所定のパターンで接合される。エンボスロールの外周面に形成された凸部のパターンは,複数の仮止部Aのパターンと一致している。これにより,所望のパターンで仮止部Aを,連続的に効率よく形成することができる。また,第1のエンボス装置220は,原サイドシート104aに対し,仮止部Aを連続的に形成すると同時に,第1捨て打ち部A´を流れ方向に沿って連続的に形成することとしてもよい。
【0089】
次に,ステップS4において,複数の仮止部Aの列によって接合された原第3シート部143と原第1シート部141の重なり合う部分が,流れ方向に沿って形成される第2の折返部147において,幅方向内側に向かって折り返される。これにより,原サイドシート104aには,第2の折返部147を基点として折り返された部分と対向する原第2シート部142が形成される。また,原サイドシート104aには,原第1シート部141と原第2シート部142の間に原第3シート部143が介在されて,シートが3重に重なる重畳領域145が形成される。また,図7に示されるように,原サイドシート104aを第2の折返部147で折り返すに際し,原第1シート部141と原第2シート部142の間に,原立体ギャザー伸縮部材144の少なくとも一本が挟持されるようにすることが好ましい。ステップS4において,原サイドシート104aを折り返す際には,第2のセーラー230のような公知の装置を用いればよい。
【0090】
次に,ステップS5において,原サイドシート104aうち,原第1シート部141,原第2シート部142,及び原第3シート部143が重なり合う重畳領域145に,エンボス加工が施される。原サイドシート104aは,重畳領域145において,流れ方向に沿って複数の列をなして形成された本止部Bによって,接合される。この本止部Bにより,原第1シート部141,原第2シート部142,及び原第3シート部143が同時に接合される。各原シート部141〜143を接合する本止部Bの形成は,公知のエンボス装置によって行えばよい。第2のエンボス装置240は,各原シート部141〜143を重ね合わせた状態で,エンボスロールとアンビルロールの間を流れ方向に沿って圧接通過させる。第2のエンボス装置240は,例えば外周面に複数の微小な凸部を有する加熱された金属製のエンボスロールと,加熱された金属製のアンビルロールを有している。エンボスロールとアンビルロールの間に,各原シート部141〜143が重ね合わされた状態の原サイドシート104aが連続的に送り込まることで,各原シート部141〜143が所定のパターンで同時に接合される。エンボスロールの外周面に形成された凸部のパターンは,複数の本止部Bのパターンと一致している。これにより,所望のパターンで本止部Bを,連続的に効率よく形成することができる。このようにして,仮止部A及び本止部Bによって接合された原サイドシート104aの接合パターンは,図3図4に示されている。原サイドシート104aの接合パターンについては,図3及び図4を参照して既に説明したため,ここでの詳細な説明は割愛する。また,第2のエンボス装置240は,原サイドシート104aに対し,本止部Bを連続的に形成すると同時に,第2捨て打ち部B´を流れ方向に沿って連続的に形成することとしてもよい。
【0091】
次に,ステップS6において,複数の仮止部Aと本止部Bによって原第1シート部141,原第2シート部142,及び原第3シート部143が接合された原サイドシート104aは,その幅方向中央線に沿って,左方の立体ギャザーを形成するものと,右方の立体ギャザーを形成するものとに分断される。原サイドシート104aの分断は,公知のカッター250を用いて行えばよい。このようにして,使い捨ておむつの立体ギャザーに用いられるシート部材が製造される。
【0092】
その後は,公知の製造方法に従って,上記分断した原サイドシート104aを用いて,立体ギャザーを備える使い捨ておむつを製造すればよい。例えば,図1及び図2に示した形態の使い捨ておむつを製造する場合,分断した原サイドシート104aを,吸収体を肌当接面側から被覆する原トップシートに接合する。その後,原サイドシート104aを,さらに,吸収体を肌非当接面側から被覆する原バックシートに接合すると共に,原サイドシート104aの折り返し位置に原脚部周りギャザー伸縮部材を配置し,脚部周りギャザーを形成する。また,最も肌非当接面側に位置する部位に原カバーシートを配置する。これにより,吸収性本体の連続体が製造される。吸収性本体の連続体は,使い捨ておむつに用いられる一つ一つに相当する長さに分断され,個々の吸収性本体とされた後,別ラインで製造された前身頃外装体の連続体と,後身頃外装体の連続体に架け渡されるようにして固定される。その後,前身頃外装体の連続体と後身頃外装体の連続体を重ね合わせて,サイドシール部に相当する部位で接合する。そして,前身頃外装体の連続体と後身頃外装体の連続体とを,個々の使い捨ておむつを構成する所定幅で切断することで,パンツ型の使い捨ておむつが製造される。
【0093】
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を中心に説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は,例えば高齢者向け又は乳幼児向けの使い捨ておむつ,及び使い捨ておむつ等に用いられるシート部材の製造方法に関するものである。このため,本発明の使い捨ておむつは,介護や育児に関する産業や,使い捨ておむつの製造業などにおいて好適に利用し得る。
【符号の説明】
【0095】
1…トップシート 2…バックシート 3…吸収体 4…立体ギャザー 4a…サイドシート 5…脚部周りギャザー 6…カバーシート 7…吸収性本体 8…前身頃外装体 9…後身頃外装体
41…第1シート部 42…第2シート部 43…第3シート部 44…立体ギャザー伸縮部材 45…重畳領域 45a…外側縁 46…第1の折返部 47…第2の折返部 51…脚部周りギャザー伸縮部材 52…第3の折返部
81…サイドシール部 91…サイドシール部
A…仮止部 A´…第1捨て打ち部
B…本止部 B´…第2捨て打ち部
100…使い捨ておむつ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7