特許第6051841号(P6051841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051841
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】貯湯式給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   F24H1/18 301Z
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-278921(P2012-278921)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2014-122749(P2014-122749A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100115543
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 康男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健
(72)【発明者】
【氏名】豊島 正樹
(72)【発明者】
【氏名】平岡 宗
(72)【発明者】
【氏名】赤木 智
(72)【発明者】
【氏名】柳 忠明
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−198005(JP,A)
【文献】 特開2012−210130(JP,A)
【文献】 特開2012−225544(JP,A)
【文献】 特開2002−195650(JP,A)
【文献】 特開平9−236319(JP,A)
【文献】 特開2009−131059(JP,A)
【文献】 特開2012−85436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/18
F24H 1/00
F24H 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、
蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、
前記充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、
前記時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、前記貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、
を備え
前記給湯機制御手段は、前記貯湯タンク内の湯量を前記加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、前記情報に基づいて、前記電動車両の充電が開始する予測時刻または前記電動車両が帰宅する予測時刻までに、前記貯湯運転が完了するように制御する貯湯式給湯システム。
【請求項2】
水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、
蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、
前記充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、
前記時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、前記貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、
を備え
前記給湯機制御手段は、前記貯湯タンク内の湯量を前記加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、前記情報から前記電動車両のユーザーが翌日に終日不在であると予測できる場合には、そうでない場合に比べて前記貯湯タンク内の貯湯量が少なくなるように前記貯湯運転を制御する貯湯式給湯システム。
【請求項3】
水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、
蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、
前記充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、
前記時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、前記貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、
を備え
前記給湯機制御手段は、前記貯湯タンク内の湯量を前記加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、前記情報から前記電動車両のユーザーが翌日に終日在宅すると予測できる場合には、そうでない場合に比べて前記貯湯タンク内の貯湯量が多くなるように前記貯湯運転を制御する貯湯式給湯システム。
【請求項4】
前記貯湯式給湯機は、前記貯湯運転を行う場合に、通常モードと、該通常モードに比べて前記加熱手段の加熱能力および加熱温度の一方または両方を低くした低能力モードとを選択可能であり、
前記給湯機制御手段は、時間帯別に定められている電力系統の電気料金単価が割安な第1の時間帯に前記貯湯運転を行う場合には前記通常モードで前記貯湯式給湯機を運転し、前記第1の時間帯に比べて電気料金単価が高い第2の時間帯に前記貯湯運転を行う場合には前記低能力モードで前記貯湯式給湯機を運転する請求項1乃至3の何れか1項記載の貯湯式給湯システム。
【請求項5】
前記給湯機制御手段は、電力系統の電力使用量のピーク時間帯が設定されている場合には、前記ピーク時間帯を避けて前記貯湯式給湯機を運転する請求項1乃至の何れか1項記載の貯湯式給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯式給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプサイクル等を用いた加熱手段により加熱した高温の湯を貯湯タンクに貯え、風呂、台所などの給湯端末からの要求に応じて、貯湯タンク内の湯を取り出して供給する貯湯式給湯機が広く用いられている。従来、貯湯式給湯機では、主に、電気料金単価が割安となる深夜早朝時間帯(例えば23時〜翌朝7時)に、加熱手段を稼動して貯湯タンクに湯を貯える貯湯運転を行うことが一般的である。
【0003】
一方、電気自動車、あるいは外部から充電可能な蓄電池を搭載したハイブリッド自動車等の電動車両の普及に伴い、電動車両を深夜早朝時間帯に充電する必要が生ずることが予想される。しかしながら、限られた契約電力の中では、貯湯式給湯機の貯湯運転と電動車両の充電との両方を同時に行うことができない場合がある。
【0004】
特許文献1には、電動車両の車載ナビから提供される帰宅時刻に関する情報と、電動車両の蓄電池の残量に関する情報とを電動車両から自宅へ送信し、それらの情報から、深夜早朝時間帯を超えても電動車両の充電が完了しないと予測したときには、帰宅時刻までに予め電気給湯機の貯湯運転を完了させる電力制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−85436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の発明では、帰宅時刻を予測したりその情報を自宅に送信したりする機能を備えた専用の車載ナビを電動車両に搭載しなければならないため、汎用性に乏しい。また、特許文献1の発明では、電気料金単価が割高な昼間時間帯に貯湯運転を行う機会が増えるが、貯湯式給湯機を経済的に運転する方策をとっておらず、経済性が大きく悪化するおそれがある。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、貯湯式給湯機を経済的に運転することができるとともに、貯湯式給湯機を運転するための電力需要と電動車両を充電するための電力需要とが競合することを抑制することができる貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る貯湯式給湯システムは、水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、を備え、給湯機制御手段は、貯湯タンク内の湯量を加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、上記情報に基づいて、電動車両の充電が開始する予測時刻または電動車両が帰宅する予測時刻までに、貯湯運転が完了するように制御するものである。
また、本発明に係る貯湯式給湯システムは、水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、を備え、給湯機制御手段は、貯湯タンク内の湯量を加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、上記情報から電動車両のユーザーが翌日に終日不在であると予測できる場合には、そうでない場合に比べて貯湯タンク内の貯湯量が少なくなるように貯湯運転を制御するものである。
また、本発明に係る貯湯式給湯システムは、水を加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱されて生成した湯を貯留する貯湯タンクとを有する貯湯式給湯機と、蓄電池を搭載した電動車両が充電されている時間帯または充電装置に接続されている時間帯である充電時間帯を記録する充電時間帯記録手段と、充電時間帯記録手段により記録された過去の充電時間帯に基づいて、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段と、時間帯予測手段により予測された情報に基づいて、貯湯式給湯機の運転を制御する給湯機制御手段と、を備え、給湯機制御手段は、貯湯タンク内の湯量を加熱手段により増加させる貯湯運転を制御し、上記情報から電動車両のユーザーが翌日に終日在宅すると予測できる場合には、そうでない場合に比べて貯湯タンク内の貯湯量が多くなるように貯湯運転を制御するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、貯湯式給湯機を経済的に運転することができるとともに、貯湯式給湯機を運転するための電力需要と電動車両を充電するための電力需要とが競合することを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムが備える貯湯式給湯機を示す構成図である。
図2】本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムを備えた電力制御システムを示すブロック図である。
図3】電動車両の充電時間帯をHEMSコントローラにより監視して記録する処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機の運転を制御する処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態2の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機の運転を制御する処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態3の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機の運転を制御する処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態4の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機の運転を制御する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムが備える貯湯式給湯機を示す構成図である。図1に示すように、貯湯式給湯機1は、貯湯タンク2を搭載した貯湯タンクユニット3と、水を加熱して高温の湯を生成可能な加熱手段4とを有している。加熱手段4は、例えば、ヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)を用いて水を加熱するヒートポンプユニットで構成される。貯湯タンクユニット3と加熱手段4との間は、入水配管13、出湯配管15および電気配線(図示せず)を介して接続されている。また、貯湯タンクユニット3には、外部の水道等の水源からの水を供給する給水配管12と、風呂給湯配管16と、給湯配管17とが接続されている。貯湯タンク2内に貯留された水は、貯湯タンク2の下部から導出され、入水配管13を通って加熱手段4へ搬送される。加熱手段4に搬送された水は、加熱されて高温の湯となる。この高温の湯は、出湯配管15を通って貯湯タンクユニット3に戻り、貯湯タンク2の上部から貯湯タンク2内に流入して貯留される。貯湯タンクユニット3内には、貯湯タンク2内から取り出された高温の湯と、給水配管12から供給される水とを混合して温度調節するための混合弁が設けられている。混合弁により温度調節された湯水は、風呂給湯配管16を介して、浴室内の浴槽100へ供給され、あるいは、給湯配管17を介して、シャワー、台所、洗面所の蛇口などの給湯端末へ供給される。なお、本発明における加熱手段は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば電気ヒータ等の加熱手段を貯湯タンク2内に配置したものであってもよい。
【0013】
貯湯タンクユニット3は、略直方体の箱状の外郭ケース(筐体)を備えており、この外郭ケース内に貯湯タンク2、循環ポンプ類、配管類、弁類、追焚熱交換器5、制御部6等の機器が収納されている。貯湯タンクユニット3の外郭ケースは、複数のタンクユニット脚11を介して、地面または台座に対し固定されている。図1は、貯湯タンクユニット3の外郭ケースの前面側パネルを取り外すことにより内部を視認可能にした状態を示している。
【0014】
貯湯式給湯機1は、加熱手段4を稼動させ、貯湯タンク2内の水を循環ポンプ(図示省略)により加熱手段4に送って高温の湯を生成し、この高温の湯を貯湯タンク2内に戻すことにより、貯湯タンク2内の湯量(蓄熱量)を増加させる貯湯運転を実行することができる。また、本実施形態の貯湯式給湯機1は、浴槽100内の湯水を昇温または保温するための浴槽追焚運転を実行することができる。貯湯式給湯機1は、浴槽追焚運転時には、浴槽100内の浴槽水を風呂給湯配管16を介して取り込み、浴槽側循環ポンプ(図示省略)により追焚熱交換器5に循環させるとともに、貯湯タンク2に貯留された湯または加熱手段4で加熱された湯を循環ポンプにより追焚熱交換器5に送ることにより、追焚熱交換器5で加熱された浴槽水を浴槽100に戻す運転を行う。風呂給湯配管16は、浴槽水の温度を検出する温度センサ(図示省略)が設けられている。貯湯式給湯機1の制御部6は、この温度センサの検出信号に基づいて、浴槽100の温度を検出することができる。
【0015】
貯湯タンク2には、貯湯タンク2内の高さ方向の貯湯温度分布を検出する複数の温度センサ(図示省略)が設けられている。貯湯式給湯機1の制御部6は、これらの温度センサの検出信号等に基づいて、貯湯タンク2内の貯湯量(すなわち蓄熱量)を検出することができる。また、貯湯式給湯機1の制御部6は、日々の使用湯量を記録し、過去の使用湯量の実績に基づいて、貯湯タンク2に貯える湯の量を適量に制御する機能を有していても良い。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムを備えた電力制御システムを示すブロック図である。図2に示す電力制御システムは、貯湯式給湯機1と、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ22と、屋内分電盤等の分電装置23と、パワーコンディショナー24と、電動車両25とを備えている。このうち、本実施形態の貯湯式給湯システムは、貯湯式給湯機1と、HEMSコントローラ22と、パワーコンディショナー24とを含んで構成されている。
【0017】
貯湯式給湯機1の制御部6(給湯機制御手段)は、通信線31を介して、HEMSコントローラ22に接続されている。また、HEMSコントローラ22は、分電装置23と、パワーコンディショナー24とに、通信線31を介してそれぞれ接続されている。更に、HEMSコントローラ22は、インターネット通信線32を介して、インターネット27に接続されている。HEMSコントローラ22は、通信線31を介して、各機器(分電装置23、パワーコンディショナー24、貯湯式給湯機1)の状態に関する情報を受信し、各機器を監視制御することができ、また、インターネット通信線32を介してインターネット27から情報を受信することができる。
【0018】
貯湯式給湯機1は、給湯機用電力線41を介して分電装置23に接続されており、分電装置23から電力を受電可能である。分電装置23は、家庭用送電電力線44を介してパワーコンディショナー24に接続されている。パワーコンディショナー24は、太陽光発電電力線45を介して太陽光発電装置26に接続されている。更に、パワーコンディショナー24は、EV送電用電力線42およびEV受電用電力線43を介して、電動車両25に接続可能である。また、分電装置23は、受電用電力線46を介して、電力会社の電力系統28に接続されており、電力系統28から受電可能である。
【0019】
電動車両25は、蓄電池と走行用電動機とを搭載している。電動車両25は、電動機のみを駆動源とする電気自動車(Electric Vehicle)でも良いし、内燃機関等の他の駆動源と電動機とを併用するプラグインハイブリッド車両でも良い。
【0020】
HEMSコントローラ22は、プログラムおよびデータ等を記憶する記憶部、記憶部に記録されているプログラムに従って後述の処理を実行する制御部、通信線31およびインターネット通信線32を介して通信を行う通信部、日付(曜日も含む)および時刻を計時するカレンダー部などを備えている。
【0021】
分電装置23は、HEMSコントローラ22からの指令に基づき、電力系統28から供給される電力を調整するとともに、電力系統28から供給される電力を貯湯式給湯機1とパワーコンディショナー24とに配分し、あるいは、電力系統28およびパワーコンディショナー24から供給される電力を貯湯式給湯機1に配分する。
【0022】
パワーコンディショナー24は、電動車両25に接続可能な充電ケーブル(図示省略)と、電動車両25と充電ケーブルとが接続されているか否かを検出する接続検出部(図示省略)とを備えており、電動車両25の蓄電池を充電する充電装置としての機能を有している。接続検出部は、例えば、電動車両25の蓄電池に対して定周期で応答を求める信号を送信し、電動車両25の蓄電池から所定時間以上に渡って応答信号が送信されない場合に、電動車両25と充電ケーブルとの接続が解除されたことを検出することができる。
【0023】
また、パワーコンディショナー24は、HEMSコントローラ22からの指令に基づき、太陽光発電装置26から電動車両25の蓄電池に供給される電力量、分電装置23から電動車両25の蓄電池に供給される電力量、電動車両25の蓄電池または太陽光発電装置26から分電装置23に供給される電力量などを制御する。パワーコンディショナー24は、太陽光発電装置26が発電した電力を適宜変換(昇圧、交流変換等)し、分電装置23に供給することができる。また、パワーコンディショナー24は、電動車両25の蓄電池から供給された電力を適宜変換(昇圧、交流変換等)し、分電装置23に供給することができる。また、パワーコンディショナー24は、太陽光発電装置26から供給される電力を、適宜変換(昇圧等)して、電動車両25の蓄電池に供給して充電することができる。また、パワーコンディショナー24は、太陽光発電装置26の発電量、電動車両25の蓄電池の蓄電量などを計測して、これらの計測値の情報をHEMSコントローラ22に供給することができる。
【0024】
図3は、電動車両25の充電時間帯をHEMSコントローラ22により監視して記録する処理を示すフローチャートである。ステップS1では、パワーコンディショナー24が電動車両25と充電ケーブルとの接続の有無に関する情報を検知し、その情報が、通信線31を介してHEMSコントローラ22に送られ、HEMSコントローラ22に記憶される。その後、ステップS2へ移行する。
【0025】
ステップS2では、HEMSコントローラ22は、パワーコンディショナー24から送られた情報に基づいて、電動車両25と充電ケーブルとの接続が開始されたか否か、または電動車両25へ送電が開始されたか否かを判断する。そして、電動車両25と充電ケーブルとの接続が開始された、または電動車両25へ送電が開始されたと判断した場合には、その時刻を充電開始時刻として記憶し、ステップS3へ移行する。
【0026】
ステップS3では、パワーコンディショナー24から送られた情報に基づいて、HEMSコントローラ22は、電動車両25と充電ケーブルとが接続されていること、または電動車両25へ送電されていることを確認し、ステップS4へ移行する。ステップS4では、HEMSコントローラ22は、パワーコンディショナー24から送られた情報に基づいて、電動車両25と充電ケーブルとの接続が解除されたか否か、または電動車両25へ送電が終了したか否かを判断する。そして、電動車両25と充電ケーブルとの接続が解除された、または電動車両25へ送電が終了したと判断した場合には、その時刻を充電終了時刻として記憶し、ステップS5へ移行する。
【0027】
ステップS5では、HEMSコントローラ22は、当日の日付に基づいて平日であるか休日(土曜日、日曜日、祝日)であるかを判定する。ステップS5で平日であると判定した場合には、ステップS6へ移行し、上記充電開始時刻および充電終了時刻により規定される充電時間帯を、平日の充電時間帯として記憶する。ステップS5で休日であると判定した場合には、ステップS7へ移行し、上記充電開始時刻および充電終了時刻により規定される充電時間帯を、休日の充電時間帯として記憶する。このように、本実施形態では、平日と休日とに分けて充電時間帯を記録するが、より詳細に充電時間帯を記録するために、更に曜日との関連付けを付加して充電時間帯を記録しても良い。
【0028】
本実施形態では、HEMSコントローラ22は、上述した図3のフローチャートに示す処理を行うことにより、電動車両25が充電されている時間帯または電動車両25がパワーコンディショナー24に接続されている時間帯である充電時間帯を監視し、記録する充電時間帯記録手段として機能することができる。このようにして記録された電動車両25の充電時間帯は、電動車両25が在宅している時間帯に相当している。電動車両25が在宅している時間帯は、電動車両25のユーザーが在宅している可能性が高いと言える。このように、電動車両25の充電時間帯と、電動車両25のユーザーの在宅時間帯とは、相関が高い。したがって、電動車両25の充電時間帯は、電動車両25のユーザーの在宅時間帯にほぼ等しいと考えることができる。
【0029】
上述したように、電動車両25の充電時間帯は、電動車両25のユーザーの在宅時間帯に対応しているので、このユーザーの生活パターンに応じて変化する。平日に勤務し、休日に勤務がないユーザーの場合には、生活パターンは、平日の生活パターンと、休日の生活パターンとに大別することができる。このため、電動車両25の充電時間帯も、平日のパターンと、休日のパターンとに大別されると予測できる。したがって、本実施形態では、HEMSコントローラ22は、過去の電動車両25の充電時間帯の記録に基づいて、当日の電動車両25の充電時間帯を予測することができる。すなわち、HEMSコントローラ22は、当日が平日である場合には、過去所定期間(過去2週間、過去1ヶ月間など)の平日の充電時間帯の記録に基づき、それらの平均を求めるなどの所定の統計的処理を行うことにより、当日の充電時間帯を予測することができる。また、当日が休日である場合には、HEMSコントローラ22は、過去所定期間の休日の充電時間帯の記録に基づいて同様の統計的処理を行うことにより、当日の充電時間帯を予測することができる。また、曜日毎に分けて充電時間帯を記録している場合には、HEMSコントローラ22は、過去所定期間の同じ曜日の充電時間帯の記録に基づいて同様の統計的処理を行うことにより、当日の充電時間帯を、より高精度に予測することができる。
【0030】
本実施形態のシステムでは、HEMSコントローラ22は、当日の電動車両25の充電時間帯を上記のようにして予測し、この充電時間帯の予測値に基づいて、制御部6が貯湯式給湯機1の運転を制御する。また、本実施形態のシステムでは、HEMSコントローラ22は、当日の電動車両25の充電時間帯に関連する時間帯として、電動車両25のユーザーの在宅時間帯を予測し、この在宅時間帯の予測値に基づいて、制御部6が貯湯式給湯機1の運転を制御しても良い。その場合、電動車両25のユーザーの在宅時間帯の予測値は、電動車両25の充電時間帯の予測値に等しいものとしても良く、あるいは、電動車両25の充電時間帯の予測値に所定の補正を施した値としても良い。更に、本実施形態のシステムでは、HEMSコントローラ22は、当日の電動車両25の充電時間帯に関連する時間帯として、電動車両25のユーザーが在宅しない不在時間帯を予測し、この不在時間帯の予測値に基づいて、制御部6が貯湯式給湯機1の運転を制御しても良い。その場合には、上記のようにして予測される電動車両25のユーザーの在宅時間帯以外の時間帯を、電動車両25のユーザーの不在時間帯の予測値とすれば良い。このように、本実施形態では、HEMSコントローラ22は、充電時間帯またはこれに関する時間帯を予測する時間帯予測手段としての機能を有する。
【0031】
電力系統28から供給される電力の電気料金単価は、時間帯別に定められている場合がある。本実施の形態および後述する実施の形態では、23時〜翌朝7時の深夜早朝時間帯(第1の時間帯)の電気料金単価が、7時〜23時の昼間時間帯(第2の時間帯)の電気料金単価に比べて、割安に設定されているものとする。このような電気料金体系の場合には、貯湯式給湯機1にかかる電気料金を抑制する上では、電気料金単価が割安な深夜早朝時間帯に貯湯運転を行って一日分の湯を貯湯タンク2内に貯えておくことが一般には有利である。一方、日中に使用された電動車両25が夜に帰宅した場合には、その帰宅後、翌日の使用に備えて、電動車両25の充電を行う必要がある。しかしながら、契約電力あるいは許容電力の制約から、貯湯式給湯機1の貯湯運転と、電動車両25の充電との両方を同時に行うことができない場合がある。このため、深夜早朝時間帯に電動車両25を充電する必要のある場合には、それ以外の時間帯、例えば電動車両25が帰宅する前に、貯湯式給湯機1の貯湯運転を行う必要がある。電気料金単価が割安でない昼間時間帯に貯湯運転を行う場合には、電気料金を抑制するために、なるべく貯湯式給湯機1を経済的に運転し、エネルギー効率を高めることが望まれる。例えば、貯湯タンク2内の湯が使用されるタイミングに対して、貯湯運転を完了するタイミングがあまりに早過ぎると、貯湯タンク2から放熱する時間が長くなって放熱ロスが増大し、エネルギー効率が低下する。このため、エネルギー効率を向上するには、貯湯運転を適切なタイミングで行う必要がある。
【0032】
上述した事項に鑑みて、本実施形態のシステムでは、当日の電動車両25の充電時間帯、あるいはユーザーの在宅時間帯または不在時間帯を予測し、その予測した情報に基づいて、貯湯式給湯機1の運転を制御する。これにより、貯湯式給湯機1を経済的に運転することができるとともに、貯湯式給湯機1を運転するための電力需要と、電動車両25を充電するための電力需要とが競合することを抑制することが可能となる。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機1の運転を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。なお、本実施形態のシステムでは、電動車両25の充電時間帯と、電動車両25のユーザーの在宅時間帯とが等しいものとみなして制御を行うものとする。図4のフローチャートの処理が開始されると、まず、ステップS10では、HEMSコントローラ22が予測した当日の電動車両25の充電時間帯すなわちユーザーの在宅時間帯の情報が、HEMSコントローラ22から貯湯式給湯機1の制御部6に送られ、ステップS11へ移行する。
【0034】
ステップS11では、貯湯式給湯機1の制御部6は、ステップS10で受信した予測充電時間帯または予測在宅時間帯の情報に基づいて、電動車両25の充電開始予測時刻、すなわちユーザーの帰宅予測時刻までに、貯湯運転が完了するように、貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。ここで、電動車両25の充電開始予測時刻とは、予測充電時間帯の開始時刻であり、ユーザーの帰宅予測時刻とは、予測在宅時間帯の開始時刻である。貯湯式給湯機1の制御部6は、例えば次のようにして、貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。まず、貯湯タンク2内に確保すべき目標貯湯量と、貯湯タンク2内の現在の貯湯量との差を沸き上げ必要量とし、この沸き上げ必要量を貯湯するために必要な運転時間を算出する。この目標貯湯量は、例えば、当日の夜および翌日の朝に見込まれる使用湯量に対応可能な量として設定することができる。また、この目標貯湯量は、予め設定された一定値にしても良いし、過去の使用湯量の実績に基づいて決定しても良い。貯湯運転の終了時刻は、充電開始予測時刻すなわち帰宅予測時刻と同じ時刻に設定しても良いし、それより少し前の時刻に設定しても良い。そのようにして設定した貯湯運転の終了時刻から、上述した必要な運転時間だけ遡った時刻を、貯湯運転の開始時刻に設定する。このようにして貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定したら、ステップS12へ移行する。
【0035】
ステップS12では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が貯湯運転の開始時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が貯湯運転の開始時刻にまだなっていない場合には処理を一旦終了し、現在時刻が貯湯運転の開始時刻になった場合にはステップS13へ移行する。ステップS13では、貯湯式給湯機1の制御部6は、貯湯式給湯機1の貯湯運転を実行し、ステップS14へ移行する。
【0036】
ステップS14では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が貯湯運転の終了時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が貯湯運転の終了時刻にまだなっていない場合にはステップS13に戻って貯湯運転を継続し、現在時刻が貯湯運転の終了時刻になった場合にはステップS15へ移行する。ステップS15では、貯湯式給湯機1の制御部6は、貯湯運転を停止し、処理完了となる。
【0037】
以上説明した図4のフローチャートに基づく制御によれば、ユーザーが帰宅すると予想される時刻までに、貯湯運転を完了し、貯湯タンク2内に湯を貯えておくことができる。このため、ユーザーが帰宅後にただちに入浴等で湯を使用することができ、湯の不足(湯切れ)を確実に防止することができる。また、ユーザーの帰宅時刻に応じて貯湯運転を行うことができるので、貯湯運転の完了後、帰宅したユーザーが入浴等で湯を使用するまでの時間が短くなる。換言すれば、ユーザーの帰宅時刻に対して、不必要に早い時間帯に貯湯運転を行うことを回避することができる。これにより、貯湯タンク2内に湯を貯えておく時間が短くなり、貯湯タンク2からの放熱ロスを抑制することができるので、エネルギー効率を向上することができる。このようにして、貯湯式給湯機1を経済的に運転することができるので、電気料金を抑制することができる。また、電動車両25が帰宅すると予想される時刻、すなわち電動車両25の充電が開始すると予想される時刻までに、貯湯運転が完了しているので、貯湯式給湯機1を運転するための電力需要と、電動車両25を充電するための電力需要とが競合することを確実に回避することができる。これにより、電動車両25が帰宅した後、ただちに電動車両25の充電を開始することができるので、翌朝までに電動車両25の充電を確実に完了することができる。
【0038】
本実施形態の貯湯式給湯システムでは、上述した制御に限らず、例えば以下のような制御を行っても良い。
(1)HEMSコントローラ22が予測した充電時間帯、在宅時間帯または不在時間帯の情報から、電動車両25が早朝(例えば朝5時)に出発すると予測できる場合(すなわち、予測充電時間帯の終了時刻が早朝である場合)には、電動車両25の出発後、深夜早朝時間帯の終了時刻(朝7時)までの間、貯湯運転を行うように制御しても良い。このように制御することにより、家に残った同居人が午前中に使用する分の湯を、深夜早朝時間帯の割安な電力を用いて生成することができるので、電気料金を抑制することができる。
(2)HEMSコントローラ22が予測した充電時間帯、在宅時間帯または不在時間帯の情報から、電動車両25のユーザーが翌日に終日不在であると予測できる場合には、貯湯タンク2内の貯湯量が少なめになるように貯湯式給湯機1の運転を制御しても良い。電動車両25のユーザーが終日不在になる日は、在宅時間がある日に比べて、使用湯量が少ないと予測できる。このため、このように制御することにより、貯湯タンク2内の貯湯量を不必要に多く確保することを防止することができ、貯湯式給湯機1を経済的に運転することができる。
(3)HEMSコントローラ22が予測した充電時間帯、在宅時間帯または不在時間帯の情報から、電動車両25のユーザーが翌日に終日在宅すると予測できる場合には、貯湯タンク2内の貯湯量が多めになるように貯湯式給湯機1の運転を制御しても良い。電動車両25のユーザーが終日在宅する日は、外出時間がある日に比べて、使用湯量が多いと予測できる。このため、このように制御することにより、湯切れを未然に防止することができる。
【0039】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態2の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機1の運転を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。なお、本実施形態のシステムでは、電動車両25の充電時間帯と、電動車両25のユーザーの在宅時間帯とが等しいものとみなして制御を行うものとする。図5のフローチャートの処理が開始されると、まず、ステップS20では、HEMSコントローラ22が予測した当日の電動車両25の充電時間帯すなわちユーザーの在宅時間帯の情報が、HEMSコントローラ22から貯湯式給湯機1の制御部6に送られ、ステップS21へ移行する。
【0041】
ステップS21では、貯湯式給湯機1の制御部6は、ステップS20で受信した予測充電時間帯または予測在宅時間帯の情報に基づいて、電動車両25の充電開始予測時刻、すなわちユーザーの帰宅予測時刻までに、浴槽追焚運転が完了するように、浴槽追焚運転の開始時刻および終了時刻を設定する。貯湯式給湯機1の制御部6は、例えば次のようにして、浴槽追焚運転の開始時刻および終了時刻を設定する。まず、現在の浴槽100の温度を検出し、その検出値と、予めユーザーにより設定された目標浴槽温度との差に基づいて、浴槽100の温度を目標浴槽温度まで上昇させるために必要な運転時間を算出する。浴槽追焚運転の終了時刻は、充電開始予測時刻すなわち帰宅予測時刻と同じ時刻に設定しても良いし、それより少し前の時刻に設定しても良い。そのようにして設定した浴槽追焚運転の終了時刻から、上述した必要な運転時間だけ遡った時刻を、浴槽追焚運転の開始時刻に設定する。このようにして浴槽追焚運転の開始時刻および終了時刻を設定したら、ステップS22へ移行する。
【0042】
ステップS22では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が浴槽追焚運転の開始時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が浴槽追焚運転の開始時刻にまだなっていない場合には処理を一旦終了し、現在時刻が浴槽追焚運転の開始時刻になった場合にはステップS23へ移行する。ステップS23では、貯湯式給湯機1の制御部6は、貯湯式給湯機1の浴槽追焚運転を実行し、ステップS24へ移行する。
【0043】
ステップS24では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が浴槽追焚運転の終了時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が浴槽追焚運転の終了時刻にまだなっていない場合にはステップS23に戻って浴槽追焚運転を継続し、現在時刻が浴槽追焚運転の終了時刻になった場合にはステップS25へ移行する。ステップS25では、貯湯式給湯機1の制御部6は、浴槽追焚運転を停止し、処理完了となる。
【0044】
以上説明した図5のフローチャートに基づく制御によれば、ユーザーが帰宅すると予想される時刻までに、浴槽追焚運転を完了し、浴槽100の温度を目標浴槽温度まで上昇させることができる。このため、ユーザーが帰宅後にただちに浴槽100に入浴することができ、利便性を向上することができる。また、ユーザーの帰宅時刻に応じて浴槽追焚運転を行うことができる。換言すれば、ユーザーの帰宅時刻に対して、不必要に早い時間帯に浴槽追焚運転を行うことを回避することができる。これにより、浴槽100からの放熱ロスを抑制することができるので、エネルギー効率を向上することができる。このようにして、貯湯式給湯機1を経済的に運転することができるので、電気料金を抑制することができる。また、電動車両25が帰宅すると予想される時刻、すなわち電動車両25の充電が開始すると予想される時刻までに、浴槽追焚運転が完了しているので、貯湯式給湯機1を運転するための電力需要と、電動車両25を充電するための電力需要とが競合することを確実に回避することができる。これにより、電動車両25が帰宅した後、ただちに電動車両25の充電を開始することができるので、翌朝までに電動車両25の充電を確実に完了することができる。
【0045】
なお、上述した本実施の形態2では、浴槽追焚運転の制御のみを説明したが、実施の形態1で説明した貯湯運転の制御を併せて行っても良い。
【0046】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0047】
本実施の形態3における貯湯式給湯機1は、貯湯運転を行う制御モードとして、通常モードと、低能力モードとを有しており、通常モードまたは低能力モードを選択して実行可能になっている。低能力モードの貯湯運転は、通常モードの貯湯運転に比べて、加熱手段4の加熱能力[kW]と、加熱手段4での湯の加熱温度(すなわち加熱手段4から出る湯の温度)との何れか一方または両方を低くする運転である。加熱手段4の加熱能力または加熱温度を低くすると、加熱手段4の加熱効率が高くなる。このため、低能力モードの貯湯運転は、通常モードの貯湯運転に比べて、高効率になり、電力消費量を抑制することができる。ただし、加熱手段4の加熱能力を低くすると、貯湯運転に要する時間が長くなる可能性がある。また、加熱手段4の加熱温度を低くすると、貯湯タンク2に貯える湯の温度が低くなるので、貯湯タンク2に蓄熱可能な蓄熱量が減少する可能性がある。
【0048】
貯湯式給湯機1の制御部6は、電気料金単価が割安な第1の時間帯(例えば23時〜翌朝7時の深夜早朝時間帯)に貯湯運転を行う場合には通常モードの貯湯運転を実行し、第1の時間帯に比べて電気料金単価が高い第2の時間帯(例えば7時〜23時の昼間時間帯)に貯湯運転を行う場合には低能力モードの貯湯運転を実行する。これにより、電気料金単価が割安でない第2の時間帯には、高効率な低能力モードで貯湯運転を行うことができるので、電力消費量をなるべく抑制し、電気料金の上昇を抑制することができる。
【0049】
本実施の形態3において、貯湯式給湯機1の制御部6は、実施の形態1と同様に、HEMSコントローラ22から受信した予測充電時間帯または予測在宅時間帯の情報に基づいて、電動車両25の充電開始予測時刻、すなわちユーザーの帰宅予測時刻までに、貯湯運転が完了するように制御する。そのような場合には、通常、電気料金単価が割安でない第2の時間帯(昼間時間帯)に貯湯運転を行うことになる。本実施の形態3によれば、そのような場合には、高効率な低能力モードで貯湯運転を行うことにより、電力消費量をなるべく抑制し、電気料金の上昇を抑制することができる。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態3の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機1の運転を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。なお、本実施形態のシステムでは、電動車両25の充電時間帯と、電動車両25のユーザーの在宅時間帯とが等しいものとみなして制御を行うものとする。図6のフローチャートの処理が開始されると、まず、ステップS30では、HEMSコントローラ22が予測した当日の電動車両25の充電時間帯すなわちユーザーの在宅時間帯の情報が、HEMSコントローラ22から貯湯式給湯機1の制御部6に送られ、ステップS31へ移行する。
【0051】
ステップS31では、貯湯式給湯機1の制御部6は、ステップS30で受信した予測充電時間帯または予測在宅時間帯の情報に基づいて、電動車両25の充電開始予測時刻、すなわちユーザーの帰宅予測時刻までに、低能力モードの貯湯運転が完了するように、低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。貯湯式給湯機1の制御部6は、例えば次のようにして、低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。まず、貯湯タンク2内に確保すべき目標貯湯量と、貯湯タンク2内の現在の貯湯量との差を沸き上げ必要量とする。そして、予め設定された、低能力モードの貯湯運転における加熱手段の加熱能力または加熱温度の値に基づいて、この沸き上げ必要量を貯湯するために必要な運転時間を算出する。低能力モードの貯湯運転の終了時刻は、充電開始予測時刻すなわち帰宅予測時刻と同じ時刻に設定しても良いし、それより少し前の時刻に設定しても良い。そのようにして設定した低能力モードの貯湯運転の終了時刻から、上述した必要な運転時間だけ遡った時刻を、低能力モードの貯湯運転の開始時刻に設定する。このようにして低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定したら、ステップS32へ移行する。
【0052】
ステップS32では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻にまだなっていない場合には処理を一旦終了し、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻になった場合にはステップS33へ移行する。ステップS33では、貯湯式給湯機1の制御部6は、貯湯式給湯機1の低能力モードの貯湯運転を実行し、ステップS34へ移行する。
【0053】
ステップS34では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の終了時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が貯湯運転の終了時刻にまだなっていない場合にはステップS33に戻って低能力モードの貯湯運転を継続し、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の終了時刻になった場合にはステップS35へ移行する。ステップS35では、貯湯式給湯機1の制御部6は、低能力モードの貯湯運転を停止し、処理完了となる。
【0054】
以上説明した図6のフローチャートに基づく制御によれば、実施の形態1と同様の効果が得られることに加えて、実施の形態1に比べて電力消費量を更に抑制し、電気料金の上昇を抑制することができる。
【0055】
実施の形態4.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1および3との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
電力系統28全体の電力使用量のピークを抑制するために、ピーク時間帯(例えば13時〜16時)が設定される場合がある。ピーク時間帯は、ピーク時間帯以外の昼間時間帯に比べて、電力料金単価が更に高く設定される場合がある。本発明の実施の形態4では、貯湯運転を行うに際し、ピーク時間帯が設定されている場合には、ピーク時間帯を避けて貯湯運転を実行する。ピーク時間帯の情報は、HEMSコントローラ22に予め記憶されている。また、HEMSコントローラ22は、インターネット通信線32等を介してインターネット27または電力会社から情報を受信する等の方法によって、ピーク時間帯の情報を取得するようにしても良い。
【0057】
なお、本実施の形態4では、ピーク時間帯以外の昼間時間帯に貯湯運転を行う場合には、実施の形態3で説明した低能力モードの貯湯運転を実行するものとするが、このような構成に限らず、通常の貯湯運転を実行するようにしてもよい。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態4の貯湯式給湯システムにおいて貯湯式給湯機1の運転を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。なお、本実施形態のシステムでは、電動車両25の充電時間帯と、電動車両25のユーザーの在宅時間帯とが等しいものとみなして制御を行うものとする。図7のフローチャートの処理が開始されると、まず、ステップS40では、HEMSコントローラ22が予測した当日の電動車両25の充電時間帯すなわちユーザーの在宅時間帯の情報、およびピーク時間帯の情報が、HEMSコントローラ22から貯湯式給湯機1の制御部6に送られ、ステップS41へ移行する。
【0059】
ステップS41では、貯湯式給湯機1の制御部6は、ステップS40で受信した予測充電時間帯または予測在宅時間帯の情報およびピーク時間帯の情報に基づいて、電動車両25の充電開始予測時刻、すなわちユーザーの帰宅予測時刻までに、低能力モードの貯湯運転が完了するように、低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。貯湯式給湯機1の制御部6は、例えば次のようにして、低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定する。まず、貯湯タンク2内に確保すべき目標貯湯量と、貯湯タンク2内の現在の貯湯量との差を沸き上げ必要量とする。そして、予め設定された、低能力モードの貯湯運転における加熱手段の加熱能力または加熱温度の値に基づいて、この沸き上げ必要量を貯湯するために必要な運転時間を算出する。低能力モードの貯湯運転の終了時刻は、充電開始予測時刻すなわち帰宅予測時刻と同じ時刻に設定しても良いし、それより少し前の時刻に設定しても良い。そのようにして設定した運転終了時刻から、上述した必要な運転時間だけ遡った時刻が、ピーク時間帯終了後の時刻である場合には、その時刻を低能力モードの貯湯運転の開始時刻に設定する。これに対し、運転終了時刻から必要な運転時間だけ遡った時刻がピーク時間帯に入ってしまう場合またはピーク時間帯より前の時刻になる場合には、運転終了時刻から必要な運転時間だけ遡った時刻から更にピーク時間帯の長さだけ遡った時刻を、低能力モードの貯湯運転の開始時刻に設定する。このようにして低能力モードの貯湯運転の開始時刻および終了時刻を設定したら、ステップS42へ移行する。
【0060】
ステップS42では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻にまだなっていない場合には処理を一旦終了し、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の開始時刻になった場合または過ぎている場合にはステップS43へ移行する。
【0061】
ステップS43では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻がピーク時間帯内であるかどうかを判断し、現在時刻がピーク時間帯外である場合にはステップS44へ移行する。ステップS44では、貯湯式給湯機1の制御部6は、貯湯式給湯機1の低能力モードの貯湯運転を実行し、ステップS46へ移行する。
【0062】
ステップS46では、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の終了時刻になったかどうかを判断し、現在時刻が貯湯運転の終了時刻にまだなっていない場合には低能力モードの貯湯運転を継続する。
【0063】
貯湯式給湯機1の制御部6は、ステップS43で、現在時刻がピーク時間帯内であると判断した場合には、ステップS45へ移行する。ステップS45では、貯湯式給湯機1の低能力モードの貯湯運転を停止する。ピーク時間帯の前から低能力モードの貯湯運転が開始されていた場合には、ピーク時間帯が開始すると、このステップS45の処理により低能力モードの貯湯運転が一時中断される。そして、ピーク時間帯の終了後、低能力モードの貯湯運転が再開される。
【0064】
ステップS46で、貯湯式給湯機1の制御部6は、現在時刻が低能力モードの貯湯運転の終了時刻になった場合にはステップS47へ移行する。ステップS47では、貯湯式給湯機1の制御部6は、低能力モードの貯湯運転を停止し、処理完了となる。
【0065】
以上説明した図7のフローチャートに基づく制御によれば、ピーク時間帯を避けて貯湯運転を行うことができるので、電気料金の上昇を抑制することができ、また、電力系統28全体の電力使用量のピーク抑制に貢献することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 貯湯式給湯機、2 貯湯タンク、3 貯湯タンクユニット、4 加熱手段、5 追焚熱交換器、6 制御部、11 タンクユニット脚、12 給水配管、13 入水配管、15 出湯配管、16 風呂給湯配管、17 給湯配管、22 HEMSコントローラ、23 分電装置、24 パワーコンディショナー、25 電動車両、26 太陽光発電装置、27 インターネット、28 電力系統、31 通信線、32 インターネット通信線、41 給湯機用電力線、42 送電用電力線、43 受電用電力線、44 家庭用送電電力線、45 太陽光発電電力線、46 受電用電力線、100 浴槽
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7