特許第6051851号(P6051851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6051851燃料電池用セパレータの歪み検出方法と歪み検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051851
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】燃料電池用セパレータの歪み検出方法と歪み検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0202 20160101AFI20161219BHJP
   G01B 21/30 20060101ALI20161219BHJP
   G01B 5/28 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01M8/02 B
   G01B21/30 101Z
   G01B5/28
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-284088(P2012-284088)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-127382(P2014-127382A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】保科 秋男
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 弘
【審査官】 高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−175818(JP,A)
【文献】 特開2014−110124(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/098724(WO,A1)
【文献】 特開2003−022834(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/137584(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0202
G01B 5/28
G01B 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、
所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、
前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを検出し、
前記燃料電池用セパレータの歪みを、矩形の燃料電池用セパレータの各片が湾曲することにより生じるうねりとして検出し、
前記燃料電池用セパレータの各片の湾曲を、燃料電池用セパレータの外周辺縁と前記第1,第2の基準板との接触状態から検出することを特徴とする燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項2】
第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、
所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、
前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを検出し、
前記第1,第2の基準板の少なくとも一方を透明部材から形成し、それら第1,第2の基準板と燃料電池用セパレータとの接触状態を、第1,第2の基準板のうち透明部材により形成したものの外部から検出することを特徴とする燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項3】
前記うねりを、前記第1の基準板と燃料電池用セパレータとの接触部を山,第2の基準板との接触部を谷として、これら山又は谷の接触状態から検出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項4】
前記第1,第2の基準板の間隔を調整して、前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項5】
第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、
所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、
前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを検出し、
前記第1,第2の基準板の間隔を調整して、前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持し、
前記第1,第2の基準板の間隔を、前記燃料電池用セパレータの厚さ公差の最大値として設定することを特徴とする燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項6】
第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、
所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、
前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを検出し、
前記燃料電池用セパレータの歪みを、矩形の燃料電池用セパレータの各片が湾曲することにより生じるうねりとして検出し、
前記うねりを、前記第1の基準板と燃料電池用セパレータとの接触部を山,第2の基準板との接触部を谷として、これら山又は谷の接触状態から検出し、
前記山又は谷を、前記第1,第2の基準板の内面に設けた接触センサからの信号で検出することを特徴とする燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項7】
第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、
所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、
前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを検出し、
前記燃料電池用セパレータの歪みを、矩形の燃料電池用セパレータの各片が湾曲することにより生じるうねりとして検出し、
前記うねりを、前記第1の基準板と燃料電池用セパレータとの接触部を山,第2の基準板との接触部を谷として、これら山又は谷の接触状態から検出し、
前記山又は谷を、前記第1,第2の基準板の外部から非接触状態で検出することを特徴とする燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項8】
前記歪みを、山及び谷の少なくとも一方の数から検出することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項9】
前記歪みを、山と山の間隙距離又は谷と谷間隙距離から検出することを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料電池用セパレータの歪み検出方法。
【請求項10】
燃料電池用セパレータを載置する第1の基準板と、
前記第1の基準板の上方に配置された燃料電池用セパレータを第1の基準板とで挟持するための第2の基準板と、
前記第1,第2の基準板との間隔を調整して保持する保持手段と、
前記燃料電池用セパレータと前記第1,第2の基準板との接触状態を検出する検出手段と、
前記検出手段からの信号により前記燃料電池用セパレータの歪みを判定する歪み判定手段とを有することを特徴とする歪み検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用セパレータの歪み検出方法と歪み検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に「形状評価方法」とした名称において開示されたものがある。
特許文献1に開示された形状評価方法は、本願における燃料電池用セパレータに相当する被測定物の形状を形状測定器にて測定し、測定値から近似により近似曲線を求めた後、近似値に対する測定値の変動分を算出し、この変動分が所定許容範囲を越えた場合に、前記測定値を得た測定部分を欠陥部と判定する。この一方、前記欠陥部の測定値を除いた残りの測定値から近似により近似曲線を再度求めた後、近似値に対する欠陥部の測定値の変動量を算出することを内容としたものである。
【0003】
すなわち、被測定物の測定データから各仮想曲線を算出し、表面に形成された微小な凹凸、面の歪みやうねり等の種々の形状の良否を許容範囲をもって評価するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−288763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において開示されている被測定物の測定データを用いた算出判定では、その被測定物を積層させたときにおける変形を考慮できず、実際に使われている状態を正確に把握することができない。
【0006】
そこで本発明は、積層させたときの燃料電池用セパレータの歪みを検出することができる燃料電池用セパレータの歪み検出方法と歪み検出装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明に係る燃料電池用セパレータの歪み検出方法は、第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持する。そして、前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを各種方法により検出することを内容としている。
【0008】
同上の課題を解決するための本発明に係る燃料電池用セパレータの歪み検出装置は、燃料電池用セパレータを載置する第1の基準板と、前記第1の基準板の上方に配置された燃料電池用セパレータを第1の基準板とで挟持するための第2の基準板を用いており、第1,第2の基準板との間隔を調整して保持する保持手段と、前記燃料電池用セパレータと前記第1,第2の基準板との接触状態を検出する検出手段と、当該検出手段からの信号により前記燃料電池用セパレータの歪みを判定する歪み判定手段とを有している。
【0009】
この構成においては、第1の基準板上に燃料電池用セパレータを載置し、その第1の基準板の上方に配置された燃料電池用セパレータを第1の基準板と第2の基準板とにより挟持し、第1,第2の基準板との間隔を保持手段により調整して保持し、前記燃料電池用セパレータと前記第1,第2の基準板との接触状態を検出手段により検出し、その検出手段からの信号により前記燃料電池用セパレータの歪みを判定している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の基準板上に歪み検出被対象の燃料電池用セパレータを設置し、所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータの周囲を覆うよう前記第1の基準板上に第2の基準板を設置して前記燃料電池用セパレータを第1,第2の基準板間で挟持するとともに、前記燃料電池用セパレータと第1,第2の基準板との接触状態から前記燃料電池用セパレータの歪みを各種方法により検出しているので、積層させたときの燃料電池用セパレータの歪みを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一例に係る歪み検出用器具の分解斜視図である。
図2】燃料電池用セパレータの歪みを検出する手順を示すフローチャートである。
図3】(A)〜(F)は、燃料電池用セパレータの歪みを検出する手順を示す斜視図である。
図4】レーザー形状測定機における歪みの検出処理を示すフローチャートである。
図5】(A)は、燃料電池用セパレータを挟持した歪み検出用器具Aの斜視図、(B)は、その歪み検出用器具Aに挟持された燃料電池用セパレータにレーザー光を照射する様子を示すレーザー形状測定機Bの斜視図、(C)は、モニターに表示されている測定データを示す説明図、(D)は、その測定データにファイル名を付して保存する様子を示す説明図である。
図6】レーザー形状測定機によって取得した測定データの判定を行う処理を示すフローチャートである。
図7】(A)は、モニターに表示された測定データを示す説明図、(B)は、その測定データに基づいてグラフを作成する様子を示す説明図、(C)は、そのグラフの評価ポイントを示す図、(D)は、(C)における包囲線Iで示す部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、一例に係る歪み検出用器具の分解斜視図である。
一例に係る歪み検出用器具Aは、反り曲がり成分を取り除き、燃料電池用セパレータ10の成型時に塑性変形して生じた歪みだけを評価できるように構成したものであり、それは、第1,第2の基準板20,21、スペーサ30,30及び押圧部材であるウエイト40を有している。
【0013】
前記「歪み」は、第1,第2の基準板20,21との燃料電池用セパレータ10との接触状態から、矩形にした燃料電池用セパレータ10の各片(辺縁)が湾曲することにより生じるうねりとして検出している。
「うねり」とは、燃料電池用セパレータ10の一の片における山(頂部)と谷(底部)の間の値に関連するものであり、その詳細については、後記する図7において説明する。
すなわち、うねりを、第1の基準板20と燃料電池用セパレータ10との接触部を山,第2の基準板21との接触部を谷として、それら山又は谷の接触状態から検出している。
【0014】
燃料電池用セパレータ10は、例えば車両に搭載される固体高分子電解質型の燃料電池スタックをなすセルユニット(いずれも図示しない)に用いられるものである。
セルユニットは、セルフレームに支持された膜電極接合体の両面側に、それぞれ発電用ガスを流通させるためのガス流通路を区画形成するように二枚の前記燃料電池用セパレータ10,10を配設したものである。
【0015】
燃料電池用セパレータ10は、平面視において長方形に形成されているとともに、その両端部にマニホールド部M,Mが形成されている。
一側方のマニホールド部Mは、平面視において、互いに異なる大きさにして開口された、酸化剤ガス供給用孔H1、燃料ガス排出用孔H2及び酸化剤ガス供給用孔H3からなる。
他側方のマニホールド部Mは、平面視において、互いに異なる大きさにして開口された燃料ガス供給用孔H4、酸化剤ガス排出用孔H5及び燃料ガス供給用孔H6からなる。
【0016】
第1の基準板20は、所要の厚みにし、かつ、平面視において前記した燃料電池用セパレータ10の外形よりも一回り大きな長方形に形成されており、本実施形態においては光不透過部材により形成されている。
第2の基準板21は、前記した第1の基準板20と同形同大のものであるが、本実施形態においては光透過部材により形成されている。
【0017】
スペーサ30は所定の厚みtにしたものであり、かつ、前記した第1の基準板20(21)の両端面20a,20a(21a,21b)間の寸法Lと同じ長さにした長方形板状に形成している。
【0018】
本実施形態においては、スペーサ30の厚みを、燃料電池用セパレータ10の製造時の厚さ公差の最大値にしている。
換言すると、第1,第2の基準板20,21の間隔を、燃料電池用セパレータ10の厚さ公差の最大値となるようにしている。
本実施形態においては、前記スペーサ30が、第1,第2の基準板20,21との間隔を調整して保持する保持手段である。
【0019】
ウエイト40は、前記したスペーサ30と平面視においてほぼ同じ外形にし、かつ、所要の重量にしたものであり、本実施形態においては500gのものを採用している。なお、40aはツマミである。
【0020】
このウエイト40の重量は、燃料電池用セパレータ10の変形を、スペーサ30の厚みt内に矯正できる重量であればよい。換言すると、反りを矯正できる重量であればよい。
【0021】
図2は、燃料電池用セパレータの歪みを検出する手順を示すフローチャート、図3(A)〜(F)は、燃料電池用セパレータの歪みを検出する手順を示す斜視図である。
本発明に係る燃料電池用セパレータの歪み検出方法は、第1の基準板20上に歪み検出被対象である燃料電池用セパレータ10を設置し、所定の間隔を保持して前記燃料電池用セパレータ10の周囲を覆うよう前記第1の基準板20上に第2の基準板21を設置し、前記燃料電池用セパレータ10を第1,第2の基準板20,21間で挟持するとともに、その燃料電池用セパレータ10と第1,第2の基準板20,21との接触状態から前記燃料電池用セパレータ10の歪みを検出することを内容としており、その詳細は次のとおりである。
【0022】
ステップ1(図2において「S1」と略記する。以下、同様。):図3(A)に示すように、第1の基準板20の長辺縁部20c,20dに沿ってスペーサ30,30を載置する。
【0023】
ステップ2:図3(B)に示すように、第1の基準板20上であって、スペーサ30,30の間に燃料電池用セパレータ10を載置する。このとき、スペーサ30,30が第1の基準板20に対する燃料電池用セパレータ10の位置決めを行うようになっている。
このように、スペーサ30,30間に燃料電池用セパレータ10を載置しただけでは、燃料電池用セパレータ10が反り曲がっているために、スペーサ30,30の上方に突出した部分が存在する。
【0024】
ステップ3:図3(C)に示すように、スペーサ30,30上に、第2の基準板21を載置する。同図左側に示す図が、第2の基準板21を載置する前の様子を示し、同図右側が、第2の基準板21を載置した後の様子を示している。
ステップ4:図3(D)に示すように、第2の基準板21の長辺縁21c,21dに沿ってウエイト40,40を載置する。
【0025】
ステップ5:図3(E)に示すように、第2の基準板21の長辺縁21c,21dに沿ってウエイト40,40を載置した状態で、燃料電池用セパレータ10の第1の基準板20及び第2の基準板21との接触状態を視覚的に確認する。
ここで、山と谷の接触状態からうねりが視覚的に確認されればステップ6に進み、うねりが視覚的に確認されなければステップ2に戻って、他の燃料電池用セパレータ10を載置する。
【0026】
ステップ6:図3(F)に示すように、第1,第2の基準板20,21に燃料電池用セパレータ10を挟持した歪み検出用器具Aを、レーザー形状測定機Bの測定用テーブル50にセットする。なお、51はレーザー照射部である。
【0027】
図4は、レーザー形状測定機における歪みの検出処理を示すフローチャート、図5(A)は、燃料電池用セパレータを挟持した歪み検出用器具Aの斜視図、(B)は、その歪み検出用器具Aに挟持された燃料電池用セパレータにレーザー光を照射する様子を示すレーザー形状測定機の斜視図、(C)は、モニターに表示されている測定データを示す説明図、(D)は、その測定データにファイル名を付して保存する様子を示す説明図である。
【0028】
図5(B)に示すレーザー形状測定機Bは、互いに所要の間隔にした第1,第2の基準板20,21の間に挟持され、かつ、押圧部材であるウエイト40で押圧された状態の燃料電池用セパレータ10の歪みを非接触で、歪みをうねりとして検出し測定する歪み検出装置の一例である。
【0029】
レーザー形状測定機Bは、燃料電池用セパレータ10の辺縁に沿ってレーザー光を照射するレーザー光照射手段51、このレーザー光照射手段51を制御するためのコントローラC及び同図(C),(D)に示すモニター52を有している。
レーザー光照射手段51が、燃料電池用セパレータ10と前記第1,第2の基準板20,21との接触状態を検出する検出手段である。
具体的には、山又は谷を、第1,第2の基準板20,21の外部から非接触状態で検出する機能を有している。なお、50は、前記した歪み検出用器具Aをセットする測定用テーブルである。
【0030】
コントローラCは所要のプログラムによって、前記レーザー光照射手段51からの信号により前記燃料電池用セパレータ10の歪みを判定する機能を有している。この機能を「歪み判定手段Ca」という。
具体的には、レーザー光の照射に基づき、燃料電池用セパレータ10の外周辺縁における歪みをうねりとして、非接触で検出して判定している。
【0031】
本実施形態において示すレーザー形状測定機Bは、例えばステージ走査型レーザープローブ式のものであり、燃料電池用セパレータ10の外周辺縁に沿ってレーザー光を照射しつつ、うねりの検出と測定を行う。この測定データは、コントローラC内の記憶部(図示しない)に特定のファイル名52bを付して順次記憶されるようになっている。
【0032】
ステップ1(図4中、「Sa1」と略記する。以下、同様。):測定に係る燃料電池用セパレータ10に対応するうねり測定用プログラムを起動する。
ステップ2:測定用テーブル50上にセットした燃料電池用セパレータ10(図5(A),(B)参照)の外周辺縁に沿ってレーザー光を照射し、うねりの測定を行う。この測定データは、モニター52上に順次表示されるようになっている。
【0033】
ステップ3:測定データに異常があるか否かを判定し、ここで測定データ52aに異常がないと判定すればステップ4に進み、そうでなければステップ5に進む。測定データ52aの異常とは、例えば燃料電池用セパレータ10の表面にある傷等である。
ステップ4:図5(D)に示すように、測定データ52aを、レーザー形状測定機B内の記憶部(図示しない)に特定のファイル名52bを付して順次記憶する。
ステップ5:うねり測定用プログラムを確認して、ステップ2に戻る。
【0034】
図6は、レーザー形状測定機によって取得した測定データの判定を行う処理を示すフローチャート、図7(A)は、モニターに表示された測定データを示す説明図、(B)は、その測定データに基づいてグラフを作成する様子を示す説明図、(C)は、そのグラフの評価ポイントを示す図、(D)は、(C)における包囲線Iで示す部分の拡大図である。なお、図7(C)においては、評価ポイントをPで示している。
【0035】
レーザー形状測定機Bによって検出取得した測定データの判定を行うための前記コンピュータCは、所定のプログラムに基づき、次の機能を有するものとしている。
・レーザー形状測定機Bで取得した測定データに基づいてグラフ化する機能。この機能を「グラフ化手段Cb」という。
・そのグラフ化した測定データをモニター52に表示する機能。この機能を「グラフ表示手段Cc」という。
【0036】
ステップ1(図6中、「Sb1」と略記する。以下、同様。):レーザー形状測定機Bで取得した測定データを開く。
ステップ2:所定のグラフウィザードにより、測定データをグラフ化する。
【0037】
ステップ3:モニター52に表示されているグラフ化した測定データから評価できるか否かを判別し、評価できると判別されればステップ4に進み、そうでなければステップ5に進む。
【0038】
ステップ4:うねりを判定する。「うねり」は、図7(D)に示すように、山(頂部)と谷(底部)の間の値であるうねり量と、うねりの数を含む。換言すると、うねりの数とうねり量の双方に基づいて適否を判定している。なお、同図(C)では、うねりの数が15になっているので、不適当であると判定している例を示している。
ステップ5:グラフの設定を変更して、ステップ2に戻る。
【0039】
上述した本発明の一実施形態に係る燃料電池用セパレータ10の歪み検出方法と歪み検出装置によれば、次の効果を得ることができる。
・積層させたときの燃料電池用セパレータ10の歪みを検出することができる。
・反り曲がり成分を取り除き、燃料電池用セパレータ10の成形時に塑性変形して生じたうねり成分だけを評価できる。
【0040】
燃料電池用セパレータ10を挟む第1,第2の基準板20,21の少なくとも一方のものを光透過部材により形成したときには、目視による又はレーザー形状測定機Bによるうねりの検出と測定を容易に行うことができる。
【0041】
二つの基準板20,21間に、これらの間隔を設定するためのスペーサ30,30を介挿したときには、それら二つの基準板20,21の間隔を任意に調整し変更することができる。従って、燃料電池用セパレータ10の厚みに左右されることなく、うねりの測定を行うことができる。
【0042】
スペーサ30の厚みを、燃料電池用セパレータ10の厚さ公差最大値を閾値として設定することにより、当該燃料電池用セパレータ10を破損することがない。
燃料電池用セパレータ10の外周縁部に沿ってうねりを検出することにより、うねりの検出と判定を容易に行うことができる。
【0043】
レーザー光を照射することによりうねりの測定を行うレーザー形状測定機B等の非接触測定器により測定することにより、第1,第2の基準板に接触していないうねりをも測定することができる。
【0044】
当該燃料電池用セパレータの良否判定をうねりの数を検出して行うことにより、その判定を容易に行うことができる。
良否判定を、うねりの数と間隙の大きさとにより行うことにより、変位量に関わらずに判定を行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
前記した実施形態においては、燃料電池用セパレータの外周辺縁に沿ってうねりを測定したが、外周辺縁全体について測定することなく、マニホールドを形成している両端辺縁のみを測定するようにしてもよい。
【0046】
前記した実施形態においては、レーザー光によって非接触でうねりを測定した例について説明したが、山又は谷の検出を第1,第2の基準板20,21の内面に設けた接触センサからの信号で判定するようにしてもよい。
具体的には、接触センサとして圧力センサ等の接触式測定器により、接触圧で判定するようにしてもよい。この場合、第2の基準板を必ずしも透明にする必要はない。
【0047】
前記したレーザー形状測定機BのコントローラCに、うねり測定手段で測定した測定値に基づいて、燃料電池用セパレータの良否を判定する良否判定手段を設けた構成にしてもよい。
【0048】
前記した実施形態においては、歪みの判定、従ってまた、うねりの判定を、うねりの数とうねり量の双方に基づいてした例について説明したが、その判定を山又は谷若しくはそれら双方の数から判定するようにしてもよく、さらに、山又は谷の距離から判定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 燃料電池用セパレータ
20,21 第1,第2の基準板
30 スペーサ(保持手段)
B レーザー形状測定機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7