特許第6051856号(P6051856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ トーヨーケム株式会社の特許一覧

特許6051856光重合性樹脂組成物、及び光学フィルム積層体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051856
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】光重合性樹脂組成物、及び光学フィルム積層体
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/18 20060101AFI20161219BHJP
   C08G 75/18 20060101ALI20161219BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20161219BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20161219BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C08G59/18
   C08G75/18
   C09D163/00
   C09J163/00
   B32B7/02 103
【請求項の数】14
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2012-285811(P2012-285811)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-227489(P2013-227489A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2012-77306(P2012-77306)
(32)【優先日】2012年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石崎 慎治
(72)【発明者】
【氏名】丹羽聡子
(72)【発明者】
【氏名】小出 昌史
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳二
【審査官】 岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−257892(JP,A)
【文献】 特開2009−194235(JP,A)
【文献】 特開2006−028498(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/013663(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 59/18
B32B 7/02
C08G 75/18
C09D 163/00
C09J 163/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシラン化合物(A)と、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)とを含む光重合性オキシラン樹脂組成物を含有する光重合性樹脂組成物において、
前記光重合性オキシラン樹脂組成物中、オキシラン化合物(A)主成分であり、
前記一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)が、環内にスルホキシド骨格、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホン酸エステル骨格、スルフィン酸エステル骨格、およびチオエステル骨格からなる群より選択される骨格構造を有しており、
前記一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)の含有量は、オキシラン化合物(A)100重量部に対して、0.5〜60重量部であり、
光重合性樹脂組成物中、有機溶剤(ただし、オキシラン化合物(A)と、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)とを除く)の含有量が、5重量%以内であり、
23℃における溶液粘度が1〜1500mPa・sであることを特徴とする光重合性樹脂組成物。
【請求項2】
オキシラン化合物(A)が、芳香環を有する化合物(a−1)を含有することを特徴とする請求項1記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項3】
オキシラン化合物(A)が、オキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)を含有する請求項1〜いずれか記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項5】
二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)が、ラクトン環、カーボネート環、ジオキソラン環、ジオキサン環およびトリオキサン環からなる群より選択される環状構造を有することを特徴とする請求項記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項6】
さらに光重合開始剤を含む、請求項1〜のいずれか記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項7】
光重合開始剤が光照射によって酸性活性種を発生するA+B−で表される塩であって、
この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項記載の光重合性樹脂組成物。
【請求項8】
重合性コーティング剤用であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の光重合性樹脂組成物
【請求項9】
重合性接着剤用であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の光重合性樹脂組成物
【請求項10】
請求項8、または9記載の光重合性樹脂組成物からなる層を、基材(G)の片面、又は両面に積層してなることを特徴とする積層体。
【請求項11】
基材(G)が透明フィルム(H)であることを特徴とする請求項10記載の積層体。
【請求項12】
透明フィルム(H)が光学フィルム(I)であることを特徴とする請求項11記載の積層体。
【請求項13】
光学フィルム(I)が、ポリアセチルセルロース系フィルム,ポリノルボルネン系フィルム,ポリプロピレン系フィルム,ポリアクリル系フィルム,ポリカーボネート系フィルム,ポリエステル系フィルム,ポリビニルアルコール系フィルムまたはポリイミド系フィルムであることを特徴とする請求項12記載の積層体。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれかに記載の積層体を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に接着してなることを特徴とする偏光板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な光重合性オキシラン系樹脂組成物を含有する光重合性樹脂組成物、及び光学フィルム積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディスプレイ(ELD)、発光ダイオ−ドディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。例えば、これらFPDは、パーソナルコンピューターのディスプレイや液晶テレビをはじめ屋内で使用されるばかりでなく、カーナビゲーション用ディスプレイ等のように車両に搭載して使用される。
【0003】
このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々なフィルムが使用されており、例えば、LCDを構成する液晶セル用部材においては、偏光板や位相差フィルムが積層されている。
また、FPDは、表示装置として利用するだけではなく、その表面にタッチパネルの機能を設けて、入力装置として利用されることもある。タッチパネルにも、保護フィルム、反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
【0004】
また、これら、反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、特にPDP、LCD、ELDなどの表面がフラットな画像表示装置に用いられるコーティングフィルムは、光学特性の他にも、耐擦傷性、鉛筆硬度、耐薬品性、耐候性等が要求されるため、通常、加熱による熱重合型樹脂(熱硬化型樹脂ともいう)、あるいは紫外線等の活性エネルギー線による紫外線重合型(紫外線硬化型ともいう)等の光重合性樹脂を透明基板上に直接、あるいはプライマー層を介して0.5〜20μm程度の薄い塗膜を形成したコーティングフィルムとして製造されている。
【0005】
しかしながら、従来のコーティングフィルムは、そのコーティング層の硬度が十分なものであっても、その塗膜厚が薄いことに起因して、下地の透明基板が変形した場合に、それに応じてコーティング層も変形し、コーティングフィルム全体としての硬度が低下するという問題があった。一方、コーティング層の厚みを通常の0.5〜20μmよりも単に厚くすれば、得られたコーティングフィルムの硬度は向上するが、コーティング層の割れや剥がれが生じやすくなると同時に重合収縮(硬化収縮ともいう)によるコーティングフィルムのカールが大きくなるという問題がある。また、更にコーティング層の硬度を向上させる目的で、光重合性樹脂の光重合反応率(架橋率ともいう)を高める方法もあるが同様にコーティングフィルムのカールが大きくなる。
【0006】
カールが大きいと、次工程のディスプレイ表面に貼り合わせる工程での生産性、あるいは貼り合わせ後の耐久性等を著しく低下させるため、透明基板上にコーティング層を設ける場合は、コーティング層の厚さ、光重合性樹脂の光重合反応率を制限しなければならない。そのため、次工程に支障のないコーティング層の厚さでは、鉛筆硬度は2H〜3Hが限度となる場合が多かった。
【0007】
低カールと高い鉛筆硬度を両立させるために、透明フィルムもしくはシート基材の少なくとも一方の面に、光重合性樹脂のビッカース硬度を規定し、2層のコーティング層を設ける手法が特許文献1に記載されている(特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、この手法は光重合性組成物のみを使用すると、カールが大きくなることが記載されており、カールを改善するためにコーティング層にシリカ等の微粒子を含有させている。しかしながら、このような微粒子を含有するコーティング層ではフィルムの透過率が低下するため、各種画像表示装置に使用すると、コントラストが低下するという問題がある。
【0009】
また、コーティング層の硬度を向上させるために、オキシラン樹脂にブチロラクトンを併用して、光重合性を向上させて接着性を上げる手法が特許文献2に記載されている(特許文献2参照)。
【0010】
しかしながら、この手法はブチロラクトンの光開環重合を併用したものであるが、比較的安定構造の5員環のため、通常、1000mJ/cm2以下の光照射量では、光開環重合が不十分となり、ブチロラクトン等のラクトン類では、界面にブリードしマイグレーションを引き起こすことが知られている。このようなラクトン類を光開環重合させるためには、かなりの活性エネルギー線の光照射量を必要とするか、あるいは加熱処理を併用するかなどのかなりのエネルギー量が必要のため、昨今の高速塗工に対応する高感度化には対応し難いという問題がある。
【0011】
また、更に、表示装置には、液晶層を背面から照らして発光させる バックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニットは、基本的には光源としての線状のランプと、ランプに端部が沿うように配置される方形板状の導光板と、導光板の表面側に配設される光拡散シートと、 光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートを備えている。最近では、光源に令陰極管(COFL)から色再現性や省電力に優れた発光ダイオード(LED)が使用されるようになってきたため、より耐熱性や寸法安定性の要求が高まってきている。
このようなフィルムは、接着剤を介して被着体に貼着して表示装置に使用されている。表示装置に用いられる接着剤は、まず透明性や耐熱性に優れることが要求されるので、アクリル系樹脂を主剤とする溶剤含有の2液硬化型接着剤が一般に使用されている。
【0012】
ところで、前記した種々のフィルムのうち、偏光フィルム(偏光板とも称す)は、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をポリトリアセチルセルロース(TAC)系やポリシクロオレフィン(COP)系の保護フィルムで挟んで水系接着剤で貼り合わせただ3層構造が一般的である。
このため、偏光フィルムでは、各層を構成する材料の寸法変化特性が異なるため、温度や湿度の変化に伴う寸法変化によるソリが生じやすい。
【0013】
TAC系フィルムは、透湿度が高いことから、水系接着剤を使用し、水分を揮発させることなくそのままPVA系偏光子に重ねた状態で、水を乾燥させつつ、接着できる。
【0014】
保護フィルムとしてはTAC系フィルムの代わりに、低コストであったり、透明性などの光学特性に優れたりするポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、非結晶性ポリオレフィン系フィルムやポリシクロオレフィン系フィルムなどが提案されている(特許文献3,4,5)。これらの保護フィルムは、TAC系フィルムよりも疎水性であることや、透湿度が低いため、PVA系偏光子に重ねる前に水を十分乾燥する必要があるが、水が残り易く、水が残ると、接着強度不足や外観不良などの問題があった。
【0015】
そこで、ポリビニルアルコール系偏光子と疎水性保護フィルムとを貼り合わせるために、水系接着剤の代わりに光重合性接着剤を使用することが提案されている。
【0016】
ところで、液晶表示装置用の偏光フィルム(以下、偏光板とも称す)は粘着剤層を介して液晶セルに貼られる。このとき異物混入等の貼り合せミスが合った場合、偏光板(偏光フィルム)を剥離し液晶セルを再利用する。PVA系偏光子と保護フィルムの接着力が十分でないと、偏光板(偏光フィルム)の剥離時にPVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離し、液晶セルに保護フィルムが残ってしまい液晶セルの再利用ができなくなる。そのため、PVA系偏光子と保護フィルムの間の接着力は、偏光板(偏光フィルム)と液晶セルを貼り合わせるための粘着剤の粘着力より高いことが求められ、さらにはPVA系偏光子と保護フィルムが剥離不可になることがより好ましい。
【0017】
また、液晶表示装置は高温下や高湿度下などの様々な環境で使用されるため、偏光板(偏光フィルム)にも非常に厳しい湿熱耐性が求められる。PVA系偏光子と保護フィルムの接着力が十分でない場合、高温高湿度下に長時間曝される(湿熱暴露)とPVA系偏光子の寸法変化により、PVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離が発生する。
【0018】
特開2004−245925(特許文献6)には、芳香環を含まないオキシラン系樹脂として水素化(水添ともいう)ビスフェノール型オキシラン樹脂を主成分とする接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射による接着法が提案されている。
しかし、特許文献6記載の接着剤は極めて高粘度であり、塗工性に難がある。
さらに、特許文献6記載の接着剤のように水素化ビスフェノール型オキシラン化合物を主成分とすると、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
【0019】
特開2008−63397号公報(特許文献6)には、脂肪族オキシラン化合物を主成分とする比較的低粘度の接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射による接着法が提案されている。
特許文献57記載の接着剤を用いると、湿熱暴露しない状態ではPVA系偏光子とTAC系フィルム、PVA系偏光子とポリシクロオレフィン系フィルムとを十分な強度で接着できる。
しかし、特許文献7記載の接着剤を用いた場合、湿熱暴露するとPVA系偏光子といずれか一方の保護フィルムとの間、もしくはPVA系偏光子と両保護フィルムとの間で剥離が発生する。
さらに、特許文献7記載の接着剤のように脂肪族オキシラン化合物を主成分とすると、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
【0020】
特開2008−257199号公報(特許文献8)には、分子内に1個以上の脂環式エポキシ基を有する多官能のオキシラン樹脂と、分子内に脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有さない多官能のオキシラン樹脂を含む接着剤が開示されている。
【0021】
一般的に脂環式オキシラン樹脂は、光重合による硬化性が良いが粘度が200mPa・s以上と高い。一方、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有しない多官能オキシラン樹脂は、光硬化性は低いが100mPa・s以下という低粘度のものがある。そのため薄膜塗工をするために接着剤粘度を下げようとすると、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有しない多官能オキシラン樹脂含有量を増やさざるを得ない。しかし、その結果、硬化性が低下し、密着性不良や湿熱暴露するとPVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離が発生する。一方、硬化性を維持しようとすると、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有する樹脂を増やさざるを得ず、接着剤粘度が上がり、その結果薄膜塗工ができなくなる。
さらには、脂環式オキシラン樹脂を増やすと、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
【0022】
なお、接着剤の粘度を低下させるために、有機溶剤を用いて希釈するという方法がある。しかし、有機溶剤を用いると、塗工設備を防爆仕様にしたり、特別な溶剤回収装置を設置したりしなければならなくなる。
そこで、偏光板(偏光フィルム)形成用の光重合性接着剤には、実質的に有機溶剤を含有しない状態で低粘度であることが求められる。
【0023】
また、最近は生産速度を上げるため、低露光量で硬化することが求められている。文献7〜9は実質的に1000mJ/cm2以上の積算光量が必要で生産効率が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2000−127281号公報
【特許文献2】特公平03−041234号公報
【特許文献3】特開2001−324616号公報
【特許文献4】特開2009−300768号公報
【特許文献5】特開2007−140092号公報
【特許文献6】特開2004−245925号公報
【特許文献7】特開2008−63397号公報
【特許文献8】特開2008−257199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、低露光量での光重合性に優れ、更に優れた耐熱性、耐湿性、熱的寸法安定性、耐候性等を有する新規な光重合性オキシラン系樹脂組成物を含有する光重合性樹脂組成物であって、各種光学フィルムの貼り合わせにおいて、光重合性オキシラン系樹脂組成物を使用した光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を使用する事によって、各種光学フィルムの種類を問わず、光学フィルムとの密着性が良好で、有機溶剤を実質的に含まず、低粘度で薄膜塗工性に優れる光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤、及びそれを用いた積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す光オキシラン系
樹脂組成物を含有する光重合性樹脂組成物により前記目標達成できることを見出し、更に光重合性コーティング剤、光重合性接着剤により本発明を完成するに至った。
【0027】
すなわち、本発明はオキシラン化合物(A)と、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)とを含む光重合性オキシラン樹脂組成物を含有する光重合性樹脂組成物において、
前記光重合性オキシラン樹脂組成物中、オキシラン化合物(A)主成分であり、
前記一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)が、環内にスルホキシド骨格、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホン酸エステル骨格、スルフィン酸エステル骨格、およびチオエステル骨格からなる群より選択される骨格構造を有しており、
光重合性樹脂組成物中、有機溶剤(ただし、オキシラン化合物(A)と、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)とを除く)の含有量が、5重量%以内であり、
23℃における溶液粘度が1〜1500mPa・sであることを特徴とする光重合性樹脂組成物に関する。
【0030】
さらに、本発明は、オキシラン化合物(A)が、芳香環を有する化合物(a−1)を含有することを特徴とする上記の光重合性樹脂組成物に関する。
【0031】
さらに、本発明は、オキシラン化合物(A)が、オキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することを特徴とする上記の光重合性樹脂組成物に関する。
【0032】
さらに、本発明は、上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物にさらに、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)を含有する光重合性樹脂組成物に関する。
【0033】
さらに、本発明は、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)が、ラクトン環、カーボネート環、ジオキソラン環、ジオキサン環、及びトリオキサン環からなる群より選択される環状構造を有することを特徴とする上記の光重合性樹脂組成物に関する。
【0034】
さらに、本発明は、上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤を含有することを特徴とする光重合性コーティング剤に関する。
【0035】
さらに、本発明は、上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤を含有することを特徴とする光重合性接着剤に関する。
【0036】
さらに、本発明は、光重合開始剤が、光照射によって酸性活性種を発生するA+B−で表される塩であって、この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれる上記の光重合性コーティング剤、及び/又は上記の光重合性接着剤。
【0037】
さらに、本発明は、上記の光重合性コーティング剤、及び/又は上記の光重合性接着剤からなる層を、基材(G)の片面、又は両面に積層してなることを特徴とする積層体に関する。
【0038】
さらに、本発明は、基材(G)が透明フィルム(H)であることを特徴とする上記の積層体に関する。
【0039】
さらに、本発明は、透明フィルム(H)が光学フィルム(I)であることを特徴とする上記の積層体に関する。
【0040】
さらに、本発明は、光学フィルム(I)が、ポリアセチルセルロース系フィルム,ポリノルボルネン系フィルム,ポリプロピレン系フィルム,ポリアクリル系フィルム,ポリカーボネート系フィルム,ポリエステル系フィルム,ポリビニルアルコール系フィルムまたはポリイミド系フィルムであることを特徴とする上記の積層体に関する。
【0041】
さらに、本発明は、上記のいずれかに記載の積層体を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に接着してなることを特徴とする偏光板に関する。
【発明の効果】
【0042】
本発明により、低照度で重合可能な光重合性オキシラン系樹脂組成物、及びそれを用いた光重合性コーティング剤、光重合性接着剤を用いて、光学フィルムを簡便かつ強固に接着でき、打ち抜き加工性、耐熱性、及び耐湿熱性の良好な積層体を得ることが可能となり、特に優れた偏光板(偏光フィルム)を提供することができるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物は、オキシラン化合物(A)と一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)を必須成分とすることが特徴である。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、オキシラン化合物(A)とは、反応性官能基として分子内に三員環状の環状エーテル基を1つ以上有する化合物であり、特に制限が無く使用できる。
分子内に三員環状の環状エーテル基としては、例えば、オキシラン、メチルオキシラン、フェニルオキシラン、1,2−ジフェニルオキシラン、メチリデンオキシラン、オキシラニルメチル、オキシラニルメタノール、オキシランカルボン酸、(クロロメチル)オキシラン、(ブロモメチル)オキシラン、オキシラニルアセトニトリル等の脂肪族系環状エーテル基;
【0044】
例えば、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル 3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチル) アジペート、ビス(3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15−ジオキシラン−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ−[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン(また、3,4−オキシランシクロヘキサンスピロ−2',6'−ジオキサンスピロ−3'',5''−ジオキサンスピロ−3''',4'''− オキシランシクロヘキサンとも命名できる化合物)、4−(3,4−オキシランシクロヘキシル)−2,6−ジオキサ−8,9−オキシランスピロ[5.5]ウンデカン、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス−2,3−オキシランシクロペンチルエーテル、およびジシクロペンタジエンジオキサイド等の脂環式環に結合した三員環状の環状エーテル基が挙げられ、これら三員環状の環状エーテル基含有化合物中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合した化合物が、オキシラン化合物(A)となりうる。
【0045】
ここに例示したオキシラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、また複数のオキシラン化合物を混合して使用してもよい。
【0046】
このようなオキシラン化合物(A)のオキシラン当量は、通常、30〜3000g/eqであり、50〜1500g/eqが好ましい。オキシラン当量が30g/eqを下回ると、光重合による硬化後の光学フィルムの可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする場合があるため好ましくない。一方、3000g/eqを超えると、他の成分との相溶性が低下する場合があるため好ましくない。
【0047】
本発明のオキシラン化合物(A)には、耐熱性や耐湿熱性向上のため、三員環状の環状エーテル基に加え、更に芳香環を有するオキシラン化合物(a−1)を含有することが好ましい。好ましい芳香環置換基としては、より具体的には、例えば、フェニル、フェニレン、トリル、トリレノ、ベンジル、ベンジリデン、ベンジリジン、キシリル、キシリレン、フタリリデン、イソフタリリデン、テレフタリリデン、フェネチリデン、フェネチリジン、スチリル、スチリリデン、as-プソイドクミル、v-プソイドクミル、s-プソイドクミル、メシチル、クメニル、α-クミル、ヒドロシンナミル、シンナミル、シンナミリデン、シンナミリジン、ジュリル、ジュリレン、チミル、カルバクリル 、クミニル、クミニリデン、ネオフィル、キセニル、ベンズヒドリル、ベンズヒドリリデン、トリチル等に代表される置換基が挙げられ、これらは、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、クメン、プレーニング、イソジュレン、ジュレン、シメン、メリテン等のベンゼン誘導体中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
【0048】
その他、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタシ゛エン等のシクロアルケン類;
【0049】
例えば、ベンゼン以外の炭素数を有する、環を構成する炭素数が3以上の[4n+2]アヌレンが挙げられる。
【0050】
例えば、ビフェニル、トリフェニルメタン等の芳香族多環化合物;
【0051】
例えば、ペンタレン、インデン、インダン、ニンヒドリン、ナフタレン、テトラリン、デカリン、サポタレン、カダレン、オイダレン、ナフトール、メナジオール、ゴシポール、ナフトキノン、ラウソン、ユグロン、メナジオン、プルンバギン、フチオコール、エキノクロムA、アルカンニン、シコニン、アセトナフトン、ナフトエ酸、ナフトイル、ナフタル酸、ナフタラート、アセトメナフトン、ナフチオン酸、ナフチオナート、ナフチオニル、ダンシル、クロセイン酸、フラビアン酸、クロモトロプ酸、ネオクペロン、アズレン、カマズレン、グアイアズレン、ヘプタレン、オクタレン、プルプロガリン等の炭素縮合二環系:
【0052】
例えば、as−インダセン、s−インダセン、as−ヒドロインダセン、s−ヒドロインダセン、ビフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン、アセナフトキノン、フルオレン、フェナレン、ペリナフテン、フェナントレン、フェナントリル、フェナントリリウム、フェナントリリデン、フェナントリレン、フェナントロール、モルホール 、フェナントロン、フェナントラキノン、ピマントレン、レテン、アントラセン、アントリル、アントリリウム、アントリリデン、アントリレン、アントロール、アントラノール 、アントラロビン、アントラリン、ジトラノール、アントロイル、アントロン、ビアントロン、アントラキノン、アントラキノニル、アントラキノニレン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、クリサジン、アントラガロール、プルプリン、フラボプルプリン、アントラプルプリン、キナリザリン、テクトキノン、クリソファノール、クリソファン酸、エモジン、レイン、ケルメス酸、カルミン酸、ジアントリミド、アントリミド、クリサンミン酸、コルヒチン等の炭素縮合三環系;
【0053】
例えば、トリンデン、トリンダン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセフェナントレン、アセアントリレン、アセアントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、ナフタセン、ルブレン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、プレイアデン、ベンゾアントロン等の炭素縮合四環系;
【0054】
例えば、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、コラントレン等の炭素縮合五環系;
【0055】
例えば、コランヌレン、フルミネン、アンタントレン、ゼトレン、ヘキサヘリセン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、ピラントレン、オクタフェン、オクタセン、テリレン、ナフタセノナフタセン、ノナフェン、ノナセン、ビオラントレン、ビオラントロン、イソビオラントレン、イソビオラントロン、オバレン、デカフェン、デカセン、デカシクレン、ペンタセノペンタセン、クアテリレン、ヘキサセノヘキサセン等の環数6以上の炭素縮合環系;
等の環状化合物中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
【0056】
また、本発明のオキシラン化合物(A)が、オキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することが好ましい。オキシラン環が複数含有することで、後述する接着剤組成物の架橋性が向上し、効果的な接着力と耐熱性や耐湿熱性を維持することが可能となる。
【0057】
ここで、前記した(a−1)と(a−2)が同一化合物、つまり、芳香環を有し、かつ、オキシラン環を二個以上有する化合物(a−12)であっても問題は無く使用できる。オキシラン化合物(A)中におけるこれらの含有量は、(A)100重量%中、(a−1)、(a−2)及び(a−12)のいずれかが、50重量%以上含有することが、重合性や耐湿熱性の点で好ましく、60重量%以上含有することが特に好ましい。
また、(a−1)、(a−2)及び(a−12)のいずれにも属さない(a−3)も問題は無く使用できる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0058】
次に、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)について説明する。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)を有することが好ましく、環状化合物(B)が環内にスルホキシド骨格、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホン酸エステル骨格、スルフィン酸エステル骨格、及びチオエステル骨格からなる群より選択される1種の構造を有することが光重合性の点で好ましい。
【0059】
本発明における環内にスルホキシド骨格を有する環状化合物(b−1)としてはチエタン1‐オキシド(トリメチレンスルホキシドとも称する)、3‐ヒドロキシチエタン1‐オキシド、3‐メチルチエタン1‐オキシド、1,3‐ジチエタン1‐オキシド、3‐tert‐ブチルチエタン1‐オキシド、テトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、2‐メチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、2‐エチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、2‐イソプロピルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、3,5‐ジメチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、4‐メチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、4‐エチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、4‐ネオペンチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、4‐イソプロピルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、4‐tert‐ブチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン1‐オキシド、等が挙げられる。
【0060】
また、本発明における環内にスルホン骨格を有する環状化合物(b−2)としてはスルホラン、3-メチルスルホラン、ジメチルスルホラン 3-スルホレン、2,5‐ジメチルスルホラン、4,4-ジオキソ-1,4-オキサチアン等が挙げられる。
【0061】
また、本発明における環内にスルファイト骨格を有する環状化合物(b−3)としては1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド(グリコールサルファイトとも称する)、4,5‐ジメチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4,5‐ジフェニル‐1,3,2‐ジオキサチオラン‐2‐オキシド、4‐(ヒドロキシメチル)‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4‐ブチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、5‐メチル‐4‐オキソ‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4‐フェニル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4‐メチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4‐ブチル‐4‐フェニル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、4‐プロピル‐1,3,2‐ジオキサチオラン‐2‐オキシド、4‐メチル‐4‐フェニル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド等が挙げられる。
【0062】
また、本発明における環内にスルフェート骨格を有する環状化合物(b−4)としては1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド(エチレンサルフェイトとも称する)、4‐エチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐メチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐(3‐メチルブチル)‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐tert‐ブチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐(ベンジルオキシメチル)‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐イソプロピル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐プロピル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐(4‐フェニルブチル)‐4‐メチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐ヘキシル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4,4‐ジエチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐カルボキシ‐4‐メチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、4‐フェネチル‐1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド等が挙げられる。
【0063】
また、本発明における環内にスルホン酸エステル骨格を有する環状化合物(b−5)としては3‐ヒドロキシ‐2‐オクタンスルホン酸スルトン、1,3-プロパンスルトン、1-メチル-1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、2,4‐ブタンスルトン、4‐ヒドロキシ‐2‐オクタンスルホン酸スルトン、3‐ヒドロキシ‐1‐プロペン‐1‐スルホン酸スルトン、γ‐ブタンスルトン、1,8‐ナフタスルトン、δ‐ヘキサデカンスルトン、1‐ベンジル‐4‐ヒドロキシブタン‐1‐スルホン酸スルトン等が挙げられる。
【0064】
また、本発明における環内にするスルフィン酸エステル骨格を有する環状化合物(b−6)としては、1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、3‐メチル‐1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、3‐プロピル‐1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、3,3,5‐トリメチル‐1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、3‐ペンチル‐5‐メチル‐1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、3,3‐ジメチル‐1,2‐オキサチオラン2‐オキシド等が挙げられる。
【0065】
また、本発明における環内にチオエステル骨格を有する環状化合物(b−7)としては、例えば、チエタン‐2‐オン、3,3‐ジメチルチエタン‐2‐オン、4‐メチルチエタン‐2‐オン、3‐メチルチエタン‐2‐オン、3‐エチルチエタン‐2‐オン、3‐メチル‐3‐エチルチエタン‐2‐オン、γ‐チオブチロラクトン、3‐メチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、3‐エチルチオラン‐2‐オン、4,5‐ジヒドロ‐3‐イソプロピルチオフェン‐2(3H)‐オン、4,5‐ジヒドロ‐3‐tert‐ブチルチオフェン‐2(3H)‐オン、3,3‐ジメチルテトラヒドロチオフェン‐2‐オン、4,5‐ジヒドロ‐3,3‐ジエチルチオフェン‐2(3H)‐オン、4,5‐ジヒドロ‐3‐イソプロピル‐3‐メチルチオフェン‐2(3H)‐オン、4,5‐ジヒドロ‐3,3‐ジイソプロピルチオフェン‐2(3H)‐オン、5‐メチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、4‐メチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、5‐ブチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、5‐ヘキシルテトラヒドロチオフェン‐2‐オン、5‐オクチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、4‐ブチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オン、5‐エチルテトラヒドロチオフェン‐2‐オン4‐メチルジヒドロチオフェン‐2(3H)‐オンα‐エチル‐α‐メチル‐γ‐チオブチロラクトン、4‐エチル‐3‐メチル‐1‐チアシクロペンタン‐2‐オン、3‐エチル‐4‐メチル‐1‐チアシクロペンタン‐2‐オン、β‐エチル‐β‐メチル‐γ‐チオブチロラクトン、テトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン、6‐メチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン、6‐プロピルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン、6‐ペンチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン、6‐ヘプチルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン、6‐ヘキシルテトラヒドロ‐2H‐チオピラン‐2‐オン等があげられる。
【0066】
これらの一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)は1種を単独で使用してもよいし又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0067】
また、これらの一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)の中でも、スルホラン、1,3,2‐ジオキサチオラン2‐オキシド、1,3,2‐ジオキサチオラン2,2‐ジオキシド、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトンが反応性及び低粘度化の点で好ましく用いられる。
【0068】
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)は、主成分であるオキシラン化合物(A)100重量部に対して、(B)を0.5〜60重量部の範囲で含有することが好ましく、5〜30重量部の範囲で含有することが更に好ましい。二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(B)が0.5重量部より少ないと、光重合を行った際に、オキシラン化合物(A)の重合速度が向上せず、凝集力が上がらないため、効果的な重合架橋塗膜が得にくいため、好ましくない。一方、60重量部を超えると、光重合性オキシラン系樹脂組成物を光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤として用いた場合には、架橋塗膜の極性が大きくなりすぎて、非極性系光学フィルム(ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系フィルム等)の密着力や接着力の低下を招くため、好ましくない。
【0069】
次に、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)について説明する。
本発明の光重合性組成物において、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)は、オキシラン化合物(A)以外の環状化合物である。
さらに、本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)を有することが更に好ましく、(C)がラクトン環、カーボネート環、ジオキソラン環、ジオキサン環、及びトリオキサン環からなる群より選択される1種を有することが光重合性の点で好ましい。
【0070】
本発明におけるラクトン環含有の環状化合物(c−1)としては、ヒドロキシカルボン酸の水酸基とカルボン酸とが分子内又は分子間で脱水縮合して環構造を形成したオキシ酸縮合物であることが好ましく、その二量体又は三量体以上の多量体であってもよい。そして前記ヒドロキシカルボン酸は脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式の化合物を用いることができる。
【0071】
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、ヒドロキシプロペン酸、α−オキシブタン酸、α−ヒドロキシイソブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘキサン酸、δ−ヒドロキシヘキサン酸、2,3−ジヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、ヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシ(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラアコンタン酸、ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸、ヒドロキシプロパン酸、6−ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミテトラデカン酸、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸等が挙げられる。
【0072】
脂環式、芳香族及び複素環式ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、4'−ヒドロキシ−4−カルボキシビフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、5−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
【0073】
これらのヒドロキシカルボン酸は、1分子内にカルボン酸と水酸基とを有する有機化合物であればよく、上記の例示に限定されるものではない。
【0074】
上記のオキシ酸縮合物の中でも、反応性の観点から、ラクトン類が好ましい。具体的には、例えば、α―アセトラクトン、α−プロピオラクトン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトンγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−オクタノラクトン、δ−ノナラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、ピバロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクトノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド、15−ペンタデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、2−ノネン−4−オリド、16−ヘキサドデカノリド、7−デセン−4−オリド、9−デセン−5−オリド、2−デセン−5−オリド、7−デセン−5−オリド、6−デセン−4−オリド、8−デセン−5−オリド、8−ウンデセン−5−オリド、4−メチル−cis−7−デセン−4−オリド、2−ブテン−4−オリド、2−メチル−4−ブタノリド、3−メチル−4−オクタノリド、3−メチル−4−ノナノリド、4−メチル−4−デカノリド、シクロペンタデカリド、2,4−デカジエン−5−オリド、4−メチル−5−ヘキセン−4−オリド、ペンタノ−4−ラクトン、4−エテニル−γ−バレロラクトン、グルクロノラクトン、ジャスモラクトン、メントンラクトン、ミントラクトン、マソイアラクトン、ワインラクトン、パントラクトン、ホモセリンラクトン、メバロノラクトン、グルコノデルタラクトン、ベルガプテン、アンブレトリド、スクラレオリド、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン、7−デセン−1,4−ラクトン、9−デセン−5−オリド、2,3−ジメチル−2,4−ノナジエン−4−オリド、ジヒドロキシアクチニジオリド、5−ヒドロキシ−8−ウンデネセノイックアシッド−δ−ラクトン、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−4−ブタノリド、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、α−アセチル−γ−ブチロラクト、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−α−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、D−グルコノ−1,5−ラクトン、4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン−2−オン、フェナントレン−1,10:9,8−ジカルボラクトン、3α−ヒドロキシ−5α−コラノ−24,17−ラクトン等が挙げられる。
【0075】
また本発明で、ラクトン環含有の環状化合物(c−1)として使用可能なヒドロキシカルボン酸の環状二量体としては、乳酸による3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、グリコール酸による1,4−ジオキサン−2,5−ジオン等が挙げられる。
【0076】
上記ラクトン類のなかでも、開環により形成される側鎖長さや、オキシラン化合物(A)との開環共重合性の面から、環内にエステル結合を一つだけのエステル環を持つラクトン類が好ましい。しかし、ラクトン環の安定性(開環重合し難さ)の順番は、一般的に、5員環>6員環>3員環>7員環>4員環>8〜10員環であり、環の歪みエネルギーと反応する原子同士の距離(立体電子効果)が大きく影響することが知られている。
ラクトン類でも、1000mJ/cm2以下の光エネルギー量での照射量では、環の歪みエネルギーの小さい5員環や6員環は、ほとんど光開環重合反応を開始しないが、光重合性組成物に、上記、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)0.5〜60重量部存在させれば、連鎖的に速やかに光開環重合反応を開始する。つまり、上記の環状化合物(B)が存在すれば、ラクトン類のエステル環を構成する炭素数が4〜18の範囲であってもっても、問題無く使用でき、好ましい範囲となる。具体的には、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンが特に好ましく、使用できる。
【0077】
本発明におけるカーボネート環含有の環状化合物(c−2)としては、グリコールとジアルキルカーボネートとの反応によって得られるポリマーを解重合する方法(特開平2−56356号公報参照)、または対応するアルキレンオキシドと二酸化炭素の反応によって合成することができる。環状カーボネートは、5員環,6員環または7員環以上の構造を有し、5員環では、1,3−ジオキソラン類、6員環では1,3−ジオキサン類、7員環では1,3−ジオキセパン類に含まれるが、2位の炭素がカルボニル炭素のため、環状カーボネート類として独立に分類される。
【0078】
その具体例としては、例えば、エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オンとも称する)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、グリセリンカーボネート、アリルコハク酸無水物4‐ペンチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ブチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐プロピル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(イソプロポキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ヘキシル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ヘキシル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐オクチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ノニル‐5‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐デシル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ビスメチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4,5,5‐テトラエチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、ヘキサヒドロ‐1,3‐ベンゾジオキソール‐2‐オン、4‐イソプロピル‐4‐メチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、ビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、アリルコハク酸無水物、4‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェネチル‐5‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(3‐ブテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(5‐ヒドロキシ‐6,6‐ジメチルテトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(E)‐ヨードメチレン]‐5‐シクロプロピル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐シクロヘキシル‐5‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(アリルオキシ)‐4,5,5‐トリメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(1E)‐1,3‐ブタジエニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐エチル‐4‐メチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(2‐メチル‐2‐プロペニリデン)‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(メトキシカルボニルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ビニル‐5,5‐ジエチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェニル‐5‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5,5‐トリメチル‐4‐(1‐プロピニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ビニル‐5,5‐ビス(2‐シクロヘキシルエチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5,5‐トリメチル‐4‐(3‐メチル‐3‐ブテン‐1‐イニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ビニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(E)‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(E)‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐1‐フェニル‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、メタクリル酸(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イル)メチル、4‐メチル‐5‐[(E)‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐5‐[(Z)‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐2‐ブチン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(E)‐エチリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐3‐ブテン‐1‐イリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(1‐ヘキシニル)‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(1‐プロペニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(1E)‐1‐メチル‐3‐ブテニリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(1Z)‐1‐フェニル‐3‐ブテニリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジペンチル‐5‐[(1E)‐1,3‐ブタジエニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェニル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐4‐ビニル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐プロパルギル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(E)‐ブロモメチレン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、[(E)‐2‐オキソ‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イリデン]酢酸エチル、4‐[(E)‐2‐(tert‐ブトキシカルボニルオキシ)エチリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐エチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ヒドロキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、、4‐[(E)‐2‐(tert‐ブトキシカルボニルオキシ)エチリデン]‐5‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(1‐ナフチル)‐5‐ビニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ビス(2‐シクロヘキシルエチル)‐5‐[(1E)‐1,3‐ブタジエニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4S)‐4‐フェニル‐4‐メチル‐5‐(1,3‐ブタジエニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(2‐プロピン‐1‐イリデン)‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、5‐ブチル‐5‐メチル‐4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、グリセリンカーボネート、4‐(ブトキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(アリルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ヒドロキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(メトキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐エテニルベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐エチル‐4‐メチル‐5‐(3‐フェニルプロピリデン)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐エチル‐4‐メチル‐5‐ベンジリデン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ヘキシルチオメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(E)‐2‐フェニルエチリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(p‐トリル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐5‐フェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ベンジル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェニル‐4‐メチル‐5‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐4‐フェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フェノキシ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ブトキシ‐4,5‐ジメチル‐5‐フェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4S)‐4β‐(フェニルエチニル)‐4‐フェネチル‐5‐[(Z)‐ベンジリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(フェノキシカルボニルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(グリシジルカルバモイルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐オキシラニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチルカルバモイルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチルカルバモイルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4′‐ビ[1,3‐ジオキソラン‐2‐オン]、4,4′‐テトラメチレンビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4′‐(エチレンビスチオビステトラメチレン)ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4′‐[1,6‐ヘキサンジイルビス(オキシメチレン)]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4′‐[ヘキサメチレンビス(チオエチレン)]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4′‐[イソブチリデンビス(4,1‐フェニレン)ビスオキシビスメチレン]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4′‐[イソプロピリデンビス[(4,1‐フェニレン)オキシメチレン]]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐ベンジリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐(ベンジルオキシ)エチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐(トリチルオキシ)エチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジフェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[1‐(1‐ナフチル)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[1‐(2‐ナフチル)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[1‐(4‐メチルフェニル)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[1‐(4‐メトキシフェニル)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[1‐(4‐ヒドロキシフェニル)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(1‐メチレン‐2‐フェニル‐2‐プロペニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(E)‐1‐メチレン‐3‐フェニル‐2‐プロペニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐メチル‐5‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(E)‐3‐フェニル‐1‐プロペニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(1‐フェニル‐1‐プロペニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(1,2‐ジフェニルエテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(2‐メチル‐1‐フェニル‐1‐プロペニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4,5‐トリメチル‐5‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(ベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジフェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4′‐[(1,3‐フェニレン)ビス(オキシメチレン)]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐1‐ナフチルメチレン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐4‐メトキシベンジリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐[(Z)‐4‐ヒドロキシベンジリデン]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェニルエチニル)‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェニルエチニル)‐4,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)ビニル]‐5,5‐ジエチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[3‐(ベンジルオキシ)プロピル]‐5‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、7‐[2‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イル)エトキシ]‐2H‐1‐ベンゾピラン‐2‐オン、7‐[2‐(2‐オキソ‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イル)エトキシ]‐2H‐1‐ベンゾピラン‐2‐オン、5‐(ベンジルオキシ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(イソブトキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐ノニルベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオ
キソラン‐2‐オン、4‐(4‐クロロフェニルチオメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[3‐(クロロメチル)フェニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(クロロメチル)フェニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジプロピル‐5‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジペンチル‐5‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジイソプロピル‐5‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジフェネチル‐5‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ビス(2‐シクロヘキシルエチル)‐5‐[1‐(4‐メトキシフェノキシ)エテニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[1‐(フェニルチオ)シクロヘキシル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(3‐メトキシ‐4‐エトキシフェニル)‐5‐(ヒドロキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェノキシカルボニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐ベンジリデン‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(2‐ナフチル)メチレン]‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐クロロベンジリデン)‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、5‐メチル‐5‐フェニル‐4‐(3‐フェニルプロピリデン)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、5,5‐ジメチル‐4‐(3‐フェニルプロピリデン)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(クロロカルボニルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐クロロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐クロロ‐4,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(クロロカルボニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(p‐クロロフェノキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(クロロメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジクロロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4S,5R)‐4,5‐ジフェニル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4α,5α‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4R,5R)‐4,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4S,5S)‐4,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(4S)‐4β‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(R)‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、(S)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(トリフェニルシリル)メチル]‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[9‐(3‐チエニル)ノニル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(メチルアミノメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐クロロフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐メトキシフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(4‐ブロモフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン4‐(フェニルチオメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4′‐[スルホニルビス(p‐フェニレンオキシメチレン)]ビス(1,3‐ジオキソラン‐2‐オン)、4‐(4‐メチルフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(フェニルスルホニルオキシイミノ)‐1,3‐ジオキソラン、2‐(4‐ニトロフェノキシ)‐4‐メチル‐2‐ホスファ(V)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(グリシジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、グリシジルカルバミド酸(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イル)メチル、4‐(ノルボルナ‐5‐エン‐2‐イル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐(2‐ナフチル)エチル]‐5‐メトキシ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐(1‐ナフチル)エチル]‐5‐メトキシ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐5‐(3‐チエニルメチレン)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐[ジメチル(トリメチルシリルオキシ)シリル]エチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐[(メチル)ビス(トリメチルシリルオキシ)シリル]エチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[2‐(トリメチルシリル)エチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(グリシジルカルバモイルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチルカルバモイルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(グリシジルカルバモイルオキシ)ブチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチルカルバモイルオキシメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オンなどの5員環カーボネート類;
【0079】
例えば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、4‐(トリフルオロメチル)‐5‐(フェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[4‐(トリフルオロメチル)ベンジリデン]‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐トリフルオロメチル‐4‐メチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(トリフルオロメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロペンチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジフルオロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐エチル‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,4‐ジフルオロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(α,α‐ジフルオロベンジル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[(テトラヒドロフラン‐3‐イル)ジフルオロメチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐[(4‐メトキシフェニル)チオ]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐(4‐ブロモフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェニルチオフルオロメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐(フェニルチオジフルオロメチル)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[ジフルオロ(フェニルスルホニル)メチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[ジフルオロ(フェニルスルフィニル)メチル]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐(4‐メチルフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐[[4‐(フルオロメチル)フェニル]チオ]‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐(フェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐(4‐クロロフェニルチオ)‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オンなどのフッ素原子含有の5員環環状カーボネート類;
【0080】
例えば、炭酸トリメチレン(1,3−ジオキサン−2−オンとも称する)、4‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、炭酸2,2‐ジメトキシプロパン‐1,3‐ジイル、5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン(ネオペンチルグリコールカーボネートとも称する)、5‐メチル‐5‐プロピル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐ヒドロキシメチル‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(ヒドロキシメチル)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐メチレン‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5‐ジメチル‐4‐エテニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐シアノ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐ブチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5‐ジエチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、メタクリル酸2‐オキソ‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐イルメチル、5‐メチル‐5‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐スチリル‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐スチリル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐(1‐ヘプテニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐エテニル‐6‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐イソプロペニル‐6‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐アリル‐6‐フェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐エテニル‐6‐tert‐ブチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐スチリル‐5,5‐ジメチル‐6‐イソプロピル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[2‐(2‐アミノ‐9H‐プリン‐9‐イル)エチル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5‐ジフェニル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチル‐4‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4,4‐ジメチル‐6‐(1‐フェニルエテニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチレン‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐[(E)‐スチリル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐オクチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐ドデシル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、2‐オキソ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐カルボン酸ベンジル、4,6‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐メトキシ安息香酸2‐オキソ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐イルメチル、安息香酸2‐オキソ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐イルメチル、4‐ニトロ安息香酸2‐オキソ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐イルメチル、4,4,6‐トリメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(メトキシカルボニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(エトキシカルボニルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(4‐ブトキシフェニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[4‐(ペンチルオキシ)フェニル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(4‐プロポキシフェニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[4‐(ヘキシルオキシ)フェニル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐アリル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(ベンジルオキシカルボニル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチル‐4‐(ベンゾイルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチル‐4‐(4‐ニトロベンゾイルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチル‐4‐(4‐メトキシベンゾイルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(4‐メチレン‐5‐ヘキセン‐1‐イリデン)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(4‐ビニルベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(4‐ビニルベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(ベンジルオキシ)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐ヒドロキシ‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐メチレン‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐[1‐(フェニルチオ)シクロヘキシル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐[4‐(オクチルオキシ)フェニルアゾ]‐6‐ヘキシル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐(4‐メトキシフェニルアゾ)‐6‐ヘキシル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐[4‐(オクチルオキシ)フェニルアゾ]‐6‐デシル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、2‐オキソ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐5‐カルボン酸アリル、4‐[1‐(フェニルチオ)シクロヘキシル]‐5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐アリル‐6‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(ベンジルオキシメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[2‐(ベンジルオキシ)エトキシ]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(アリルオキシ)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[3‐(2‐ヒドロキシエチルチオ)プロポキシ]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[6‐[4‐(4‐ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキシルオキシ]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐(ヨードメチル)‐6‐[2‐(4‐メトキシベンジルオキシ)エチル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、(5S)‐4‐ビニル‐5β‐(2,2‐ジメトキシエチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐アリル‐5‐プロパルギル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐ビニル‐5‐(1‐メチル‐5‐イミダゾリルメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐ベンジリデン‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(グリシジルオキシメチル)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(アリルオキシメチル)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5‐ビス(アジドメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐メチル‐5‐[[2‐(ビニルスルホニル)エチル]チオメチル]‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(アリルオキシメチル)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5,5′‐(オキシビスメチレン)ビス(5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン)、5,5′‐(4,7‐ジチアデカン‐1,10‐ジイル)ビス(1,3‐ジオキサン‐2‐オン)、5,5′‐(エチレンビスチオビステトラメチレン)ビス(1,3‐ジオキサン‐2‐オン)、5‐メチル‐5‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐エチル‐5‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐[(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イル)メチル]‐5‐プロピル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、5‐(2‐オキソ‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメトキシ)‐5‐エチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン等の6員環カーボネート類;
【0081】
例えば、4‐フルオロ‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐フルオロ‐5‐メチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4,5−ジフルオロ‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4‐トリフルオロメチル‐1,3‐ジオキサン‐2‐オン、4,5−ジ(トリフルオロメチル)‐1,3‐ジオキサン‐2‐オンなどのフッ素原子含有の6員環環状カーボネート類;
【0082】
例えば、炭酸テトラメチレン(1,3‐ジオキセパン‐2‐オンとも称する)、5‐メチル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、4‐メチル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、5,5‐ジメチル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、5‐フェニル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、4‐フェニル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、4‐[1‐(フェニルチオ)シクロヘキシル]‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、5,5′‐(エチレンビスチオビストリメチレン)ビス(1,3‐ジオキセパン‐2‐オン)等の7員環カーボネート類;
【0083】
例えば、4‐フルオロ‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、5‐フルオロ‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、4‐フルオロ‐4‐メチル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オン、4‐トリフルオロメチル‐1,3‐ジオキセパン‐2‐オンなどのフッ素原子含有の7員環環状カーボネート類が挙げられるが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、4,4‐ジフルオロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン、4,5‐ジフルオロ‐1,3‐ジオキソラン‐2‐オン等の5員環カーボネート類が反応性の点で好ましく用いられる。
【0084】
本発明におけるジオキソラン環含有の環状化合物(c−3)としては、エチレングリコール" エチレングリコールのカルボニル基をアセタール化することによって得られ、より具体的には、例えば、1,2−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、(R)−(−)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、(+)−4,5−ビス[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、(4S)−α,α,α',α−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジメタノール、4α,5β−ビス(ヒドロキシジフェニルメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、 (4S,5S)−2,2−ジメチル−α,α,α',α'−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジイルビス(ジフェニルメタノール)、 (4S)−2,2−ジメチル−4α,5β−ビス(α−ヒドロキシベンズヒドリル)−1,3−ジオキソラン、α,α,α',α'−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジメタノール、2,2−ジメチル−α,α,α',α'−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジメタノール、(4S,5S)−2,2−ジメチル1,3−ジオキソラン−4,5−ビス(ジフェニルメタノール) α,α'−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル)ビス(α−フェニルベンジルアルコール)、(4S,5S)−2,2−ジメチル−α,α,α',α'−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ビス(メタノール)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ビス(ジフェニルメタノール)、(4S)−2,2−ジメチル−4α,5β−ビス(α−ヒドロキシ−α−フェニルベンジル)−1,3−ジオキソラン、 (4S,5S)−α,α,α',α'−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジメタノール、 [(4S,5S)−2,2−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−ジオキソール]−4,5−ジイルビス(ジフェニルメタノール) 、α,α'−[(4S,5S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル]ビス(α−フェニルベンジルアルコール)、α,α,α',α'−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール、α,α,α',α'−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ビスメタノール、α,α'−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルメタノール) 、(4S,5S)−α,α,α',α'−テトラフェニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール、(+)−trans−α',α'−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルメタノール)、1,1,4,4−テトラフェニル−2−O,3−O−イソプロピリデン−D−トレイトール、 [(4S,5S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル]ビス(ジフェニルメタノール)、(4S)−2,2−ジメチル−4α,5β−ビス(ヒドロキシジフェニルメチル)−1,3−ジオキソラン、 2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ビス(α',α'−ジフェニルメタノール)、(4S)−2,2−ジメチル−α,α,α',α'−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジメタノール、(4S,5S)−2,2−ジメチル−4α,5β−ビス(α−ヒドロキシ−α−フェニルベンジル)−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ビス(α,α'−ジフェニルメタノール) 、α,α'−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4α,5β−ジイル)ビス(ジフェニルメタノール) ジオキサン、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート、[シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)]メチルアクリレート、[シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)]メチルメタクリレート、(2−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、(2−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタアクリレート、2,2'−ビ(1,3−ジオキソラン)、2−フェニル−2,2'−ビ(1,3−ジオキソラン)等のジオキソラン類が挙げられる。
【0085】
上記ジオキソラン環含有の環状化合物(c−3)のなかでも、オキシラン化合物(A)との開環共重合性の面から、1,3−ジオキソラン、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレートが特に好ましい。
【0086】
本発明におけるジオキサン環含有の環状化合物(c−4)としては、(ポリ)エチレングリコールを硫酸等の鉱酸や芳香族スルホン酸触媒の存在下に反応する方法や、硫酸、三フッ化ホウ素等の酸触媒を用いてエチレンオキサイドを環化二量化する方法によって合成することができる。より具体的には、例えば、1,2−ジオキサン、4−アセチル−6−ヘキシル−3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、4−アセチル−3,4−ジメチル−6,6−ジフェニル−1,2−ジオキサン−3−オール、4−アセチル−6−フェニル−3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、6,6−ジフェニル−4−(フェニルアミノカルボニル)−3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、6,6−ジフェニル−4−ベンゾイル−3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、(3S)−3β,6αジメチル−4α,5β−ビス(4−アセトキシ−3−メトキシフェニル) −1,2−ジオキサン、6,6−ジフェニル−4−アセチル−3−メチル−4−エチル−1,2−ジオキサン−3−オール、(3S)−4α−アセチル−6,6−ジフェニル−3−メチル−1,2−ジオキサン−3α−オール、(3S)−-3β,6α−ジメチル−4α,5β−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル) −1,2−ジオキサン、4−アセチル−6,6−ビス(4−メチルフェニル) −3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、4−アセチル−6,6−ビス(4−クロロフェニル)−3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、4−アセチル−6,6−ビス(4−メトキシフェニル) −3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、4−アセチル−6,6−ビス(4−フルオロフェニル) −3−メチル−1,2−ジオキサン−3−オール、α,6−ジメチル−6−[4−メチル−6−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル) −3−ヘキセニル] −1,2−ジオキサン−3−酢酸、4−エチル−6−(2−エチル−3−ヘキセニル) −6−メチル−1,2−ジオキサン−3−酢酸メチル、(3R,αR,6R)−6−[2−[[(4aR,8aS)−1,4,4αβ,7,8,8αβ−ヘキサヒドロ−1,1,3,6−テトラメチルナフタレン]−2−イル]エチル]−α,6−ジメチル−1,2−ジオキサン−3−酢酸、(R)−2−[(3R,6R)−6β−メチル−6−[[(2S)−2,3,3α,4,5,9β−ヘキサヒドロ−3aα,4α,7,9bα−テトラメチルナフト[1,2−b]フラン]−2α−イル] −1,2−ジオキサン−3β−イル]プロピオン酸メチル、(2S)−2−[(3S,6S)−6−[2−[(1S,2R,4aα,8αβ)−デカヒドロ−1,2α,4a−トリメチル−5−メチレンナフタレン−1β−イル]エチル] −6−メチル−1,2−ジオキサン−3−イル]プロパン酸、(R)−2−[(3R,6S)−6β−メチル−6−[2−[[(2R,4aβ,8aβ)−デカヒドロ−1,1−ジメチル−3,6−ジメチレンナフタレン]−2α−イル]エチル] −1,2−ジオキサン−3β−イル]プロピオン酸等の1,2−ジオキサン誘導体類;
【0087】
例えば、1,3−ジオキサン、2,4−ジフェニル−1,3−ジオキサン、5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン、2−シクロヘキシル−1、3−ジオキサン、1,3−ジオキサン−2−オン、2α,4α−ジメチル−1,3−ジオキサン、5,6−ジメチル−1,3−ジオキサン、5,5−ジエチル−1,3−ジオキサン、4,6−ジブチル−1,3−ジオキサン、2−エチル−1,3−ジオキサン、2−メチレン−1,3−ジオキサン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン、2,2−ジフェノキシ−1,3−ジオキサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキサン、5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキサン、2α−tert−ブチル−4α−メチル−1,3−ジオキサン、2−フェニル−4−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−4−フェニル−1,3−ジオキサン、4,6−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキサン、4,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、4,6−ジネオペンチル−1,3−ジオキサン、2−エチル−5−メチル−1,3−ジオキサン、2,5−ジメチル−5−フェニル−1,3−ジオキサン、2−ペンタデシル−1,3−ジオキサン、2−ヘキシル−1,3−ジオキサン、2−ブチル2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、5−(1−メチルエチル) −1,3−ジオキサン、2−フェニル−2−ベンゾイル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン−2−オン、2,4,4,6−テトラメチル−1,3−ジオキサン、2α,4α,5α−トリメチル−1,3−ジオキサン、2α−ヘキシル−1,3−ジオキサン−5β−オール、5,5−ジメチル−2−ビニル−1,3−ジオキサン、4−(1−メチルエテニル) −1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン−2−(1−プロパノール)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−メタノール、4,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−メタノール、4,4,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−オール、5−エチル−2−(2−フリル)−4−プロピル−1,3−ジオキサン、5,5'−スピロビ[1,3−ジオキサン] 、4−メチル−1,3−ジオキサン、2,2−ジメチル−5−フェニル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン−9−オン、 2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、2,2−ジメチル−5−メチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−ブロモ−2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、5−プロピル−2−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−(3,5−ジフルオロフェニル)エチル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ブチル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]−1,3−ジオキサン、5−プロピル−2−[4−{4−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−3,5−ジフルオロフェニル}シクロヘキシル]−1,3−ジオキサン、4−(5−ペンチル−1,3−ジオキサン−2−イルシクロヘキサン)カルボン酸、4−[5−ペンチル−(1,3−ジオキサン)−2−イル]−シクロヘキサンカルボン酸3,4,5−トリフルオロフェニルエステル、1−[2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチル]シクロヘキシル−3,4,5−トリフルオロベンゼン、1−[2−(5−プロピル−1,3−ジオキサン−2−イル)エチル]シクロヘキシル−3,4,5−トリフルオロベンゼン、(Z)−6−(−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エン酸、(Z)−6−(−2−[4−メトキシフェノキシ−o−フェニル]−4−o−ヒドロキシフェニル−1,3−ジオキサン−シス−5−イル)ヘキサ−4−エン酸]、(Z)−6−(2−3−[6−クロロ−4H−クロメン−4−オン 6−クロロ−4−オキソ−4H−クロメン−3−イル]−4−(2−ヒドロキシフェニル−1,3−ジオキサン−シス−5−イル)ヘキサ−4−エン酸、(Z)−6−((2R,4R,5S)−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エン酸、(Z)−6−((2S,4S,5R)−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エン酸、(Z)−6−((2S,4S,5R)−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−アセトキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エン酸、メチル−(Z)−6−((2S,4S,5R)−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エノエート、(Z)−6−((2S,4S,5R)−2−(2−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エノエートメチル、(Z)−6−((2S,4S,5R)−4−(2−アセトキシフェニル)−2−(2−クロロフェニル)−1,3−ジオキサン−5−イル)ヘキサ−4−エン酸等の1,3−ジオキサン誘導体類;
【0088】
例えば、2−フルオロ−1,3−ジオキソラン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン、2−(フルオロメチレン)−1,3−ジオキソラン、2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン、2−ジフルオロメチル−1,3−ジオキソラン、2−オキソ−4α−フルオロメチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−4−(フルオロメチル)−1,3−ジオキソラン、cis−4−フルオロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、2−(3−クロロプロピル)−2−(p−フルオロフェニル) −1,3−ジオキソラン等のフッ素原子含有の1,3−ジオキサン誘導体類;
【0089】
例えば、1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン−2,3−ジチオン、2,5−ジメチル−1,4−ジオキサン、5α,6α−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジビニル−1,4−ジオキサン、2,2'−ビル(1,4−ジオキサン)、2,2,3,3,5,6,6−ヘプタクロロ−1,4−ジオキサン、メチレン−1,4−ジオキサン、(2R,3S)−2,3−ジクロロ−1,4−ジオキサン、2−メチル−3−メチレン−1,4−ジオキサン、2,5−ジメチル−3−メチレン−1,4−ジオキサン、2−エチル−5−メチル−1,4−ジオキサン、3,6−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、2,6−ジメチル−1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、2−(2−フラニル) −1,4−ジオキサン、3,6−ジイソブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、2,2,3,3,5,6−ヘキサフルオロ−5,6−ジクロロ−1,4−ジオキサン、2,3−ビス(オキシラニルメチル) −1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン−2−イルヒドロペルオキシド、3,6−ジプロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、2,5,6−トリメチル−1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、2,3,3−トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル) −1,4−ジオキサン、5,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン) −2−イルメチル]- −1,4−ジオキサン、酢酸(1,4−ジオキサン−2−イル)メチル、2,2,3,3−テトラフルオロ−5,5,6,6−テトラクロロ−1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン−2,6−ジメタノール、2−(1,4−ジオキサン−2−イル) −1,4−ナフトキノン、1,4−ジオキサン−2,5−ビスメタノール、N,N'-ビス(ベンジルオキシ) −1,4−ジオキサン−2,5−ジイミン、3,6−ビス[(トリメチルシリル)オキシ] −1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、−2,3,3−トリフルオロ5,5,6,6−テトラクロロ-2-(トリフルオロメチル) −1,4−ジオキサン、2,3−オキシラン2,3,5,5,6−ペンタフルオロ−6−(トリフルオロメチル) −1,4−ジオキサン、2,2'−(3,6−ジメトキシ−1,4−ジオキサン−2,5−ジイリデン)二酢酸ジメチル、ビス[モルホリン−4−(ジチオ蟻酸)] 、1,4−ジオキサン−2α,3β−ジイル、2,5−ビス(クロロメチル) −1,4−ジオキサン、3,3−ジクロロ-5-(1-メチルプロポキシ) −1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジメチル−1,4−ジオキサン、2−(2−フルオロ−2−フェニルスルホニルエチル) −1,4−ジオキサン、2,3,3,5,6−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−5,6−ジクロロ−1,4−ジオキサン、(2H8) −1,4−ジオキサン、trans−2,3−ジクロロ−1,4−ジオキサン、2−[3−(3,3−ジメチル−2−イソプロピルオキシラニル)−1−メチレン−2−プロピニル] −1,4−ジオキサン、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル−3,6−ジホスホノ−2,5−ジホスファ(V) −1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、N,N'-[(1,4−ジオキサン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)]ビス[N-(カルボキシメチル)グリシン]、(3S,5R)−3α−イソプロピル−5α−[(2S)−1−[ブトキシカルボニル]ピロリジン−2−イル]−6−[(E)-ブロモメチレン] −1,4−ジオキサン-2-オン、3,5,5,6−テトラフルオロ−3,6−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−ジオキサン−2−オン、2,2,3,5,6−ペンタフルオロ−5−(ペンタフルオロエトキシ)−3,6−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−ジオキサン、(3S,5S)−3α−イソプロピル−5β−[(2S)−1−[ブトキシカルボニル]ピロリジン−2−イル]−6−[(E)-ブロモメチレン] −1,4−ジオキサン−2−オン、(3S,5S) −3α−イソプロピル−5β−[(2S)−1−[ブトキシカルボニル]ピロリジン−2−イル]−6−メチレン−1,4−ジオキサン−2−オン、3,3,6,6,−テトラメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、[(2S,3R) −1,4−ジオキサン−2,3−ジイル]ビス(チオ)ビス(チオホスホン酸O,O−ジエチル)、α−[(3,3−ジメチル−2−イソプロピルオキシラニル)エチニル]―α−メチル−1,4−ジオキサン-2-メタノール、2,3−ジクロロ−p−ジオキサン、3,6−ビス(酢酸メチル水銀) −1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン−2−オン、(3S,5S)−3α−イソプロピル-−5α−[(2S)−1−[N−(4−メトキシ−1,4−ジオキソブチル) −L−Ala−L−Ala−]ピロリジン−2−イル]−6−メチレン−1,4−ジオキサン−2−オン、5−メトキシ−1,4−ジオキサシクロヘキサン、2,2,3,5,6−ペンタフルオロ−5−[(トリフルオロエテニル)オキシ]−3,6−ビス(トリフルオロメチル) −1,4−ジオキサン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオール、(3S,5S)−3α−イソプロピル−5β−[(2S)−1−[N-(4−メトキシ−1,4−ジオキソブチル)−L−Ala−L−Ala−]ピロリジン−2−イル]−6−メチレン−1,4−ジオキサン−2−オン、1,1,1,2,4,5,5,5−オクタフルオロ−2,4−ビス[[2,3,5,5,6−ペンタフルオロ−3,6−ビス(トリフルオロメチル) −1,4−ジオキサン−2−イル]オキシ]−3−ペンタノン、1,3−ジヒドロキシアセトン (ダイマー)、1,4−ジオキサン−2α,5β−ジオール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、[(1,4−ジオキサン−2,3−ジイル)ビスチオ]ビス(チオホスホン酸O,O−ジエチル)等の1,4−ジオキサン誘導体類等が挙げられる。
【0090】
上記ジオキサン環含有の環状化合物(c−4)のなかでも、オキシラン化合物(A)との開環共重合性の面から、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサンが特に好ましい。
【0091】
本発明におけるトリオキサン環含有の環状化合物(c−5)としては、酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液の反応性蒸留によって合成することができる。より具体的には1,3,5―トリオキサン、2,4,6―トリメチル―1,3,5―トリオキサン、2,4,6―トリエチル―1,3,5―トリオキサン、2,4,6―トリプロピル―1,3,5―トリオキサン、2,4,6―トリイソプロピル―1,3,5―トリオキサン、2,4,6―トリブチル―1,3,5―トリオキサン、2,4,6― ―1,3,5―トリオキサン、2,4,6‐トリエチル‐1,3,5‐トリオキサン、2‐(1,1‐ジメチルエチル)‐1,3,5‐トリオキサン、2,4‐ジエチル‐6‐メチル‐1,3,5‐トリオキサン、2‐エチル‐4,6‐ジメチル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリイソブチル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリシクロヘキシル‐1,3,5‐トリオキサン、2‐シクロヘキシル‐4,6‐ジメチル‐1,3,5‐トリオキサン、2‐シクロヘキシル‐4,6‐ジベンジル‐1,3,5‐トリオキサン、2,2,4,4,6,6‐ヘキサメチル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリアセチル‐1,3,5‐トリオキサン、1,3,5‐トリオキサン‐2‐オン、2,4,6‐トリ‐tert‐ブチル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリヘキシル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリオクチル‐1,3,5‐トリオキサン、1,3,5‐トリオキサン‐2,4,6‐トリス(プロパン酸メチル)、2,4,6‐トリシクロペンチル‐1,3,5‐トリオキサン、2,4,6‐トリス(2,6‐ジメチルヘプチル)‐1,3,5‐トリオキサン、2,2′,2′′‐(1,3,5‐トリオキサン‐2,4,6‐トリイル)トリスエタノール等が挙げられる。
【0092】
上記トリオキサン環含有の環状化合物(c−5)のなかでも、オキシラン化合物(A)との開環共重合性の面から、1,3,5―トリオキサンが特に好ましい。
【0093】
これらの二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)は、1種だけを使用してもよいし、あるいは、複数種を併用して使用してもよい。
【0094】
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)は、主成分であるオキシラン化合物(A)100重量部に対して、(C)を0.5〜60重量部の範囲で含有することが好ましく、1〜30重量部の範囲で含有することが更に好ましい。二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)を加えることで、後述の光重合性樹脂組成物として使用した場合は、光重合を行った際に、オキシラン化合物(A)の重合速度が一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する五員環以上の環状化合物(B)を含むだけの場合よりもさらに向上し、凝集力を高めることができる。
【0095】
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物においてオキシラン化合物(A)の粘度は、200mPa・s以上のものが多く、芳香環を有する化合物(a−1)の粘度は5000mPa・s以上のものが多く、固形のものが多い。
【0096】
本発明における光重合性オキシラン系樹脂組成物は、前記オキシラン化合物(A)、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する五員環以上の環状化合物(B)及び二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)以外の光重合性成分を含むことも可能である。
【0097】
(A)、(B)及び(C)以外の光重合性成分としては、エチレン性不飽和化合物(D)を含むことが好ましい。エチレン性不飽和化合物(D)とは分子構造中に不飽和二重結合有する化合物である。エチレン性不飽和化合物(D)としては、粘度が0.5〜2000mPa・sのものが好ましく、1〜1000mPa・sのものが好ましい。このようなエチレン性不飽和化合物(D)を用いることによって、芳香環(a−1)や2個以上のオキシラン環を有す化合物(a−2)、及び双方を含む(a−12)に起因する光重合性オキシラン系樹脂組成物の高粘度化を抑制し、薄膜塗工性を改良しつつ、光重合性を維持するとともに、後述の光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤として使用した場合には、接着力や加工性を維持することができる。
【0098】
エチレン性不飽和化合物(D)としては、光学フィルムとの密着性を考慮すると、水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(d−1)、及び、または、環状骨格を有するエチレン性不飽和化合物(d−2)であることが好ましい。
また、前記した(d−1)と(d−2)が同一化合物、つまり、水酸基を有し、かつ、環状骨格を有する化合物(d−12)であっても問題は無く使用できる。また、(d−1)、(d−2)および/または(d−12)以外のその他のエチレン性不飽和化合物(d−3)も含有することができる。
【0099】
水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(d−1)としては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル〔アクリル酸2−ヒドロキシエチルとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを併せて「(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル」と表記する。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル−α−(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルオレイン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルステアリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有する、プラクセルFA2D(ダイセル化学社製)等のポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルホスフェート等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0100】
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシデシルビニルエーテル、ヒドロキシドデシルビニルエーテル、ヒドロキシオクタデシルビニルエーテル、グリセリルビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
【0101】
例えば、(メタ)アリルアルコール〔アリルアルコールとメタリルアルコールとを併せて「(メタ)アリルアルコール」と表記する。以下同様。〕、イソプロペニルアルコール、ジメチル(メタ)アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシドデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクタデシル(メタ)アリルエーテル、グリセリル(メタ)アリルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
【0102】

例えば、プロペンジオール、ブテンジオール、ヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA等の複数の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体類;
【0103】
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド〔N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとN−ヒドロキシエチルメタクリルアミドとを併せて「N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド」と表記する。以下同様。〕、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0104】
例えば、ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール等の水酸基とアルケニル基を有する単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0105】
水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(d−1)としては、基材との密着性の面より、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、プラクセルFA2D(ダイセル化学社製)等の炭素数2〜18であるエチレン性不飽和化合物(d−1−1)が特に好ましい。
【0106】
環状構造を有するエチレン性不飽和化合物(d−2)は、分子内にシクロアルカン骨格、シクロアルケン骨格、ベンゼン環骨格、及び/またはヘテロ環骨格と、1個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性官能基を有する化合物であり、2個以上の環構造を有する場合には、環構造と環構造がアルキル基やエーテル基、エステル基などにより離れていてもよいし、ノルボルナンやノルボルネン,アダマンタン構造のようにシクロ環の橋かけ構造でもよいが、耐熱性に優れることよりシクロアルカン、シクロアルケン、ベンゼン、ノルボルナン、ノルボルネン、あるいはアダマンタン骨格が好ましい。
【0107】
環状構造を有するエチレン性不飽和化合物(d−2)としては、より具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸iso−ボニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチルメチル、(メタ)アクリル酸1−アントリル、(メタ)アクリル酸2−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イル、(メタ)アクリル酸ジヒドロ−α−ターピニル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリル(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸−o−2−プロペニルフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸フェニルグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0108】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸スルホシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホベンジル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0109】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類の金属塩やアンモニウム塩類;
【0110】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチルジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,2−アダマンタンジオール、 ジ(メタ)アクリル酸1,3−アダマンタンジオール、 ジ(メタ)アクリル酸1,4−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカニルジメチロール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−4,4’−スルフォニルジフェノールのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート等の2官能(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0111】
例えば、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2,5−ビス(アリルオキシ)ノルボルナン、5−ビニル−2,3−オキシランノルボルナン、2−(2−プロペニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2−エテニリデンアダマンタン、1−アリルアダマンタン、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルマレイミド、ビニルシクロヘキセンモノオキシラン等のアルケニル基含有の環状化合物類;
【0112】
例えば、ベンゾイル蟻酸ビニル、ベンゾイル酢酸ビニル、ベンゾイルプロピオン酸ビニル、ベンゾイル酪酸ビニル、ベンゾイルバレリン酸ビニル、ベンゾイルヘキサン酸ビニル、ベンゾイルドデカン酸ビニル、1−ナフトイル酢酸ビニル、1−ナフトイルプロピオン酸ビニル、1−ナフトイル酪酸ビニル、1−ナフトイルバレリン酸ビニル、1−ナフトイルヘキサン酸ビニル、2−ナフトイル酢酸ビニル、2−ナフトイルプロピオン酸ビニル、2−ナフトイル酪酸ビニル、2−ナフトイルバレリン酸ビニル、2−ナフトイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイル酢酸ビニル、ニコチノイルプロピオン酸ビニル、ニコチノイル酪酸ビニル、ニコチノイルバレリン酸ビニル、ニコチノイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイルデカン酸ビニル、ニコチノイルドデカン酸ビニル、イソニコチノイル酢酸ビニル、イソニコチノイルプロピオン酸ビニル、イソニコチノイル酪酸ビニル、イソニコチノイルバレリン酸ビニル、イソニコチノイルヘキサン酸ビニル、イソニコチノイルデカン酸ビニル、イソニコチノイルドデカン酸ビニル、2−フロイル酢酸ビニル、2−フロイルプロピオン酸ビニル、2−フロイル酪酸ビニル、2−フロイルバレリン酸ビニル、2−フロイルヘキサン酸ビニル、2−フロイルデカン酸ビニル、2−フロイルドデカン酸ビニル、3−フロイル酢酸ビニル、3−フロイルプロピオン酸ビニル、3−フロイル酪酸ビニル、3−フロイルバレリン酸ビニル、3−フロイルヘキサン酸ビニル、3−フロイルデカン酸ビニル、3−フロイルドデカン酸ビニル、アントラニロイル酢酸ビニル、アントラニロイルプロピオン酸ビニル、アントラニロイル酪酸ビニル、アントラニロイルバレリン酸ビニル、アントラニロイルヘキサン酸ビニル、アントラニロイルデカン酸ビニル、アントラニロイルドデカン酸ビニル、4−(2−t−エトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルプロピルオキシ)スチレン等のアシル基を有する芳香族系のビニル化合物類;
【0113】
例えば、ベンゾイル蟻酸(メタ)アリル、ベンゾイル酢酸(メタ)アリル、ベンゾイルプロピオン酸(メタ)アリル、ベンゾイル酪酸(メタ)アリル、ベンゾイルバレリン酸(メタ)アリル、ベンゾイルヘキサン酸(メタ)アリル、ベンゾイルドデカン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、1−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、1−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、1−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、2−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、2−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、2−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル等のアシル基を有する芳香族系の(メタ)アリル化合物類等のカルボニル基含有のエチレン性不飽和環状単量体類;
【0114】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体類;
【0115】
例えば、ビニルフェニルペンチルエーテル、ビニルフェニルヘキシルエーテル、ビニルフェニルヘプチルエーテル、ビニルフェニルオクチルエーテル、ビニルフェニルノニルエーテル、ビニルフェニルデシルエーテル、ビニルフェニルウンデシルエーテル、ビニルフェニルドデシルエーテル、ビニルフェニルトリデシルエーテル、ビニルフェニルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルノナデシルエーテル、ビニルフェニルエイコシルエーテル、ビニルフェニルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルドコシルエーテル、ビニルフェニルメチルブチルエーテル、ビニルフェニルメチルペンチルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプチルエーテル、ビニルフェニルメチルオクチルエーテル、ビニルフェニルメチルノニルエーテル、ビニルフェニルメチルデシルエーテル、ビニルフェニルメチルウンデシルエーテル、ビニルフェニルメチルドデシルエーテル、ビニルフェニルメチルトリデシルエーテル、ビニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルノナデシルエーテル、ビニルフェニルメチルエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体類;
【0116】
4−ビニル安息香酸ヘキシル、4−ビニル安息香酸オクチル、4−ビニル安息香酸ノニル、4−ビニル安息香酸デシル、4−ビニル安息香酸ドデシル、4−ビニル安息香酸テトラデシル、4−ビニル安息香酸ヘキサデシル、4−ビニル安息香酸オクタデシル、4−ビニル安息香酸エイコシル、4−ビニル安息香酸ドコシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキシル、4−イソプロペニル安息香酸オクチル、4−イソプロペニル安息香酸ノニル、4−イソプロペニル安息香酸デシル、4−イソプロペニル安息香酸ドデシル、4−イソプロペニル安息香酸テトラデシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキサデシル、4−イソプロペニル安息香酸オクタデシル、4−イソプロペニル安息香酸エイコシル、4−イソプロペニル安息香酸ドコシルなどの長鎖アルキル基を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0117】
例えば、テトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロピルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、テトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロポキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンタキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルビニルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、ポリ(オキシプロピレン) ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテルなどの長鎖ポリアルキレンオキサイド部位を有するビニルフェニルエーテル系単量体類;
【0118】
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチル オクチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニル系単量体類;
【0119】
例えば、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド部位を有するイソプロペニル系単量体類;
【0120】
例えば、コハク酸ビニルフェニルノニル、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルデシル、テレフタル酸ビニルフェニルエチルドデシルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系環状単量体類;
【0121】
例えば、コハク酸ビニルフェニルポリ(エチレンオキサイド)、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルポリ(エチレンオキサイド)、テレフタル酸ビニルフェニルエチルポリ(エチレンオキサイド)などのジカルボン酸のモノポリアルキレンオキサイドエステル;
4−ビニル安息香酸メチルポリ(エチレンオキサイド)、4−ビニル安息香酸エチルポリ(エチレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸メチルポリ(プロピレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸エチルポリ(プロピレンオキサイド)などのポリアルキレンオキサイド部位を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0122】
例えば、スチレンスルホン酸、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有環状スルホン酸類;
【0123】
例えば、スチレンスルホン酸アンモニウム、スチレンスルホン酸モノメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジメチルアンモニウム、スチレンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラメチルアンモニム、スチレンスルホン酸エチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸プロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ブチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ペンチルアンモニウムまたはスチレンスルホン酸ヘキシルアンモニウム等のスチレンスルホン酸のアンモニウム塩類;
スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸マグネシウム、スチレンスルホン酸亜鉛、スチレンスルホン酸鉄等のスチレンスルホン酸の金属塩類;
ビニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等のアルケニル基含有ビニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0124】
また、例えば、芳香環構造が水素添加された水添ビスフェノールA等もエチレン性不飽和二重結合を有すれば、(d−2)に含まれる。これらは、1種だけを使用してもよいし、あるいは、複数種を併用して使用しても良い。
【0125】
環状構造を有するエチレン性不飽和化合物(d−2)としては、オキシラン化合物(A)との相溶性と耐熱性の面より、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸iso−ボニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルが特に好ましい。
【0126】
(d1)と(d2)が同一化合物、つまり、水酸基を有し、かつ、環状構造有するエチレン性不飽和化合物(d12)としては、例えば、(メタ)アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン等の水酸基含有の脂環あるいは芳香族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0127】
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとを併せて「2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール」と表記する。以下同様。〕、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2 H−ベンゾトリアゾール等の水酸基含有ベンゾトリアゾール系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0128】
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}ブトキシベンゾフェノン、2, 2'−ジヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0129】
例えば、2, 4−ジフェニル−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ} ]−S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジメチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエトキシルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ})] −S−トリアジン等の水酸基含有トリアジン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0130】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノビニルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノビニルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有するビニルエーテル類;
【0131】
例えば、2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン等の水酸基含有の芳香族ビニル化合物類;
【0132】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、o−(メタ)アリルフェノール、m−(メタ)アリルフェノール、p−(メタ)アリルフェノール、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノ(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有する(メタ)アリルエーテル類;
【0133】
例えば、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールF、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールS等の複数の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体類;
【0134】
例えば、3−アリルアダマンタン−1−オール、シクロオクタンジメタノールモノビニルエーテル等のアルケニル基含有の環状化合物類等が挙げられ、これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0135】
(d−1)と(d−2)が同一化合物、つまり、水酸基を有し、かつ、環状構造を有するエチレン性不飽和化合物(d−12)としては、基材との密着性の面と、耐熱性の面の双方により、アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルが特に好ましい。
【0136】
(d1)および/または(d2)以外のその他のエチレン性不飽和化合物(d3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、セネシオ酸、クロトン酸、イソククロトン酸、ムコブロム酸、ムコクロル酸、ソルビン酸、ムコン酸、アコニット酸、ペニシル酸、ゲラン酸、シトロネル酸、4−アクリルアミドブタン酸、6−アクリルアミドヘキサン酸、あるいはω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のラクトン環の開環付加により末端にカルボキシル基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有の脂肪族系のエチレン性不飽和カルボン酸類;
【0137】
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸1−プロピル、(メタ)アクリル酸2−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリルiso−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0138】
例えば、(メタ)アクリル酸(メタ)アリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸3−クロル2−プロペニル、((メタ)アクリル酸2−(2−プロペニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルラクチル、(メタ)アクリル酸3,7−ジメチルオクタ−6−エン−1−イル、(メタ)アクリル酸(E)−3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−イル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等のさらに不飽和基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0139】
例えば、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリルプロペン酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
【0140】
例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−トリブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ペンタメチルピペリジニル、(メタ)アクリルプロペン酸テトラメチルピペリジニル、2,4−ジアミノ−6,2−メチルプロペノイルオキシエチル−s−トリアジンなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0141】
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル等の酸素原子含有複素環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0142】
例えば、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)デシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)ブチル等のカルボニル基を1つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0143】
例えば、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)オクチル等のカルボニル基を2つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0144】
例えば、N−(2−オキソブタノイルエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルオクチル)(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0145】
例えば、アセト酢酸ビニル、アセトプロピオン酸ビニル、アセトイソ酪酸ビニル、アセト酪酸ビニル、アセトバレリン酸ビニル、アセトヘキサン酸ビニル、アセト2−エチルヘキサン酸ビニル、アセトn−オクタン酸ビニル、アセトデカン酸ビニル、アセトドデカン酸ビニル、アセトオクタデカン酸ビニル、アセトピバリン酸ビニル、アセトカプリン酸ビニル、アセトクロトン酸ビニル、アセトソルビン酸ビニル、プロパノイル酢酸ビニル、ブチリル酢酸ビニル、イソブチリル酢酸ビニル、パルミトイル酢酸ビニル、ステアロイル酢酸ビニル、ピルボイル酢酸ビニル、プロパノイルバレリン酸ビニル、ブチリルバレリン酸ビニル、イソブチリルバレリン酸ビニル、パルミトイルバレリン酸ビニル、ステアロイルバレリン酸ビニル、ピルボイルバレリン酸ビニル、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシブチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシヘキシルビニルエーテル、2−アセトアセトキシオクチルビニルエーテル等のアシル基を有する脂肪族系のビニル化合物類;
【0146】
例えば、アセト酢酸(メタ)アリル、アセトプロピオン酸(メタ)アリル、アセトイソ酪酸(メタ)アリル、アセト酪酸(メタ)アリル、アセトバレリン酸(メタ)アリル、アセトヘキサン酸(メタ)アリル、アセト2−エチルヘキサン酸(メタ)アリル、アセトn−オクタン酸(メタ)アリル、アセトデカン酸(メタ)アリル、アセトドデカン酸(メタ)アリル、アセトオクタデカン酸(メタ)アリル、アセトピバリン酸(メタ)アリル、アセトカプリン酸(メタ)アリル、アセトクロトン酸(メタ)アリル、アセトソルビン酸(メタ)アリル、プロパノイル酢酸(メタ)アリル、ブチリル酢酸(メタ)アリル、イソブチリル酢酸(メタ)アリル、パルミトイル酢酸(メタ)アリル、ステアロイル酢酸(メタ)アリル、(メタ)アリルアルデヒド等のアシル基を有する脂肪族系の(メタ)アリル化合物類;
【0147】
例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリブトキシシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルブチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン
等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0148】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホメチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸6−スルホヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホオクチル、(メタ)アクリル酸スルホデシル、(メタ)アクリル酸スルホラウリル、(メタ)アクリル酸スルホステアリル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0149】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムサルフェート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸エステル類の金属塩やアンモニウム塩;
【0150】
例えば、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシブチル、フェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチレンオキサイド(エチレンオキサイド付加モル数:4〜10)、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピレンオキサイド(プロピレンオキサイド付加モル数:4〜10)等のホスホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0151】
例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブトキシエチル等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0152】
例えば、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイド含有(メタ)アクリル酸誘導体類;
【0153】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸プロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ブテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ペンテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオールジ、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオールジ、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2-メチル−1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2−エチル−1,3-プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタン、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2-エチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0154】
例えば、トリ(メタ)アクリル酸1,2,3−プロパントリオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリカプロラクトネート、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールヘキサン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールオクタン、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0155】
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸エトキシ化ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ1,2,3−プロパントリオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールブタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールヘキサン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールオクタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、オクタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールポリアルキレンオキサイド等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0156】
例えば、エチルビニルエーテル、1−プロピルビニルエーテル、2−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、iso−オクチルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、iso−ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル類;
【0157】
例えば、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウム等の環状構造を有するビニルエーテル類;
【0158】
例えば、パーフルオロビニル、パーフルオロプロペン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニル系単量体類;
【0159】
例えば、(メタ)アリルクロロシラン、(メタ)アリルトリメトキシシラン、(メタ)アリルトリエトキシシラン、(メタ)アリルアミノトリメチルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体類;
【0160】
例えば、ビニルスルホン酸、2−プロペニルスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0161】
例えば、ビニルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、ナトリウムビニルアルキルスルホサクシネート等の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0162】
例えば、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0163】
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ノニル(メタ)アクリルアミド、N−トリコシル(メタ)アクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−ドコシル(メタ)アクリルアミド、N−メチレン(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−(4−カルバモイルフェニル)(メタ)アクリルアミド、β−(2−フリル)(メタ)アクリルアミド、2,3−ビス(2−フリル)アクリルアミド、N−(9H−フルオレン−2−イル)(メタ)アクリルアミド、2,3,3−トリクロロ(メタ)アクリルアミド、N−[(R)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、N−[(S)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、N−(5,5−ジメチルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−N−メチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−3−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−[2−(1H−イミダゾール−5−イル)エチル] (メタ)アクリルアミド、(Z)−N,N−ジメチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、3−フェニル−2−プロペンアミド、2−メチルプロパ−2−エノイルアミン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−(メタ)アクリルアミド、N−[3−(N’,N’−ジメチルアミノ)プロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−(ジブチルアミノメチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルメタンアミド、N−ビニルアセトアミドなどの脂肪族系、あるいは芳香族系の(メタ)アクリルアミド類;
【0164】
例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシドデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−2−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−3−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0165】
例えば、(メタ)アクリルアミドスルホン酸、tert−ブチル−(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等のスルホン酸含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0166】
例えば、4−アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムなどの環状アミド基含有(メタ)アクリルアミド類;
【0167】
例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、2−プロペンニトリル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有エチレン性不飽和単量体類;
【0168】
例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピペラジン、N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピペラジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンなどの窒素原子含有複素環ビニル系単量体類;
【0169】
例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミドなどのマレイミド誘導体類;
【0170】
例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類;
【0171】
例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、カプリン酸(メタ)アリル、ラウリン酸(メタ)アリル、オクチル酸アリル、ヤシ油脂肪酸、ピバリン酸ビニル等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
【0172】
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル、1,3−ブタジエンモノオキシラン等のグリシジル基含有ビニルエステル類;
【0173】
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド等のビニルエステル類;
【0174】
例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのジエン類;
【0175】
例えば、cis−コハク酸ジアリル、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸ビニル、(Z)−オクタデカ−9−エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するエチレン性不飽和単量体類;
【0176】
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン等ならびにその混合物やポリブテン−1,ポリペンテン−1,ポリ4−メチルペンテン−1等などのアルケン類などが挙げられる。
【0177】
また、例えば、上述のグリシジル基含有エテニルエステル類と脂肪酸とを反応させて得られた共重合可能なエチレン性不飽和化合物、上述のハロゲン化アルキルスチレン類と長鎖アルコール、ポリ(エチレンオキサイド)、およびポリ(エチレンオキサイド)モノアルキルエーテルより選ばれる少なくとも一種のアルコール性水酸基含有化合物を反応させて得られた共重合可能なエチレン性不飽和化合物等も、前記した(D)のエチレン性不飽和化合物に含まれる。さらに、重量平均分子量(Mw)200〜2,000,000の重合体部位及びエチレン性不飽和二重結合を有する高分子量のエチレン性不飽和化合物、いわゆるマクロモノマーであっても良い。特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
また、エチレン性不飽和化合物(D)としては、光学フィルムとの密着性や耐熱性を考慮すると、水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(d−1)、あるいは水酸基を有し、かつ、環状構造を有するエチレン性不飽和化合物(d−12)であることが好ましい。
【0178】
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物を使用して後述の光重合性樹脂組成物とした場合において、上記したように、エチレン性不飽和化合物(D)を含有する場合には、光重合性オキシラン系樹脂組成物100重量%中、50重量%以下で含有することができる。(D)が50重量%を超えると、未反応のエチレン性不飽和化合物(D)が残留する場合があるため、重合率が向上せず、凝集力が向上せず、また臭気発生の可能性があるため、好ましくない。
【0179】
次に、光重合開始剤(E)について、説明する。
本発明において、前記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(E)を含有することによって、光重合性樹脂組成物とし、この光重合性樹脂組成物を使用して、光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤とすることができる。
上記の光重合開始剤(E)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+B−で表される塩であって、特に限定されないが、一般的にはオニウム塩が良く知られている。オニウム塩としてはルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩などが挙げられる。この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび/または芳香族スルホニウムイオンであることが本発明では好ましい。
【0180】
光重合開始剤(E)としては、例えば、UVACURE1590(ダイセル・サイテック社製)、CPI−110P(サンアプロ社製)、などのスルホニウム塩やIRGACURE250(BASF社製)、WPI−113(和光純薬社製)、Rp−2074(ローディア・ジャパン社製)等のヨードニウム塩等の光酸発生剤(b−1)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0181】
また、光重合開始剤(E)としては、光ラジカル発生剤(b−2)を有する事も可能である。このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,261、DAROCUR-TPO(BASF社製) 2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ダロキュア-1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS、カヤキュアDMBI、(日本化薬社製)等が挙げられる。
光重合開始剤(E)の配合割合は、光重合性オキシラン系樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜20重量部であり、0.5〜10重量部であることが好ましい。
光重合開始剤(B)の配合割合が0.5重量部より少ないと光重合による充分な硬化性が得られない。また、10重量部より多いと光重合による硬化後に残留した光重合開始剤により耐熱性などが劣化する。
【0182】
次に、光増感剤(F)について、説明する。
上記、光重合開始剤(E)の性能を向上させるために、光増感剤(F)を併用しても良い。光増感剤(F)としては、アントラセン系やベンゾフェノン系、チオキサントン系やペリレン、フェノチアジン、ローズベンガル等が挙げられる。
【0183】
次に、酸化防止剤(J)について、説明する。
本発明における光重合性系樹脂組成物は、更に酸化防止剤(J)を含んでも良い。酸化防止剤(J)を含むことによって、光重合反応における硬化後の硬化塗膜層の経時での着色を抑制することができる。酸化防止剤(J)としては、例えば、アデカスタブAO‐50、アデカスタブAO‐80(旭電化工業社製)、などのフェノール系酸化防止剤や、IRGANOX‐PS‐800FD(BASF社製)、などのイオウ系酸化防止剤、TINUBIN622LD、TINUBIN144、TINUBIN765(いずれもBASF社製)等のヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸化防止剤(J)の配合割合は、重合性成分100重量部に対して、0〜5重量部であり、0.01〜3重量部であることが好ましい。
【0184】
次に、光重合性樹脂組成物について、説明する。
本発明の光重合性樹脂組成物は、オキシラン化合物(A)を主成分とし、さらに、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)を必須成分とし、必要に応じて、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)、及び/またはエチレン性不飽和化合物(D)を有した光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(E)を含有した樹脂組成物であり、さらに光重合性樹脂組成物には、増感剤(F)、及び/あるいは酸化防止剤(J)を有する事も可能である。
本発明の光重合性樹脂組成物は、後述の光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤として使用可能である。
【0185】
本発明の光重合性樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まない。有機溶剤を全く含まないほうが好ましいが、光重合開始剤(E)は重合性成分に難溶性のことが多い。そのため光重合開始剤(E)を溶解するため少量の有機溶剤は含んでもよい。光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤として使用した場合、組成物中の有機溶剤の含有量は5重量%以内である。
【0186】
本発明の光重合性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、重合性モノマーやオリゴマー、シランカップリング剤、重合禁止剤、軟化剤、染料、顔料、消泡剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤および老化防止剤等の各種の公知の添加剤を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。
【0187】
本発明における光重合性樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましく、粘度は1〜1500mPa・sであることが重要であり、好ましくは10〜1300mPa・sであり、20〜1000mPa・sであることがより好ましい。粘度が1500mPa・sより高いと保護フィルムに塗工した場合、0.1〜6μmの薄膜塗工ができず、透過率等の光学的特性が悪化してしまう。一方、粘度が1mPa・sより低いと硬化塗膜層の膜厚制御が困難になる。
光重合性樹脂組成物の粘度は、光重合性オキシラン系樹脂組成物の粘度で殆ど決定されるため、光重合性オキシラン系樹脂組成物の粘度を1〜1500mPa・sの範囲で管理することにより、光重合性樹脂組成物の粘度も管理が可能である。
【0188】
常法にしたがって適当な方法で各種基材(G)に光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤として塗工して、光学フィルムの上に光重合性コーティング層、あるいは光重合性接着層を形成することができる。
光重合性コーティング層、あるいは光重合性接着層の厚さは、0.1〜6μmの薄膜塗工であることが好ましく、0.1μm〜3μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な密着力や接着力が得られないことがあり、6μmを超えても密着力や接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
【0189】
本発明の光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を各種基材(G)等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられるが、薄膜塗工が可能であれば、特に制限はない。
【0190】
本発明の光重合性樹脂組成物は紫外線等の活性エネルギー線の照射により重合硬化させるが、用いる光源は特に限定されず、波長500nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、発行ダイオードなどを用いることができる。
光照射強度がとしては10〜500mW/cm2であることが好ましい。光照射強度が10mW/cm2未満であると、硬化に長時間を必要とし、500mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱により、各種基材(G)における基材劣化が生じる可能性があるため、好ましくない。照射強度と照射時間の積として表される積算光量は50〜5000mJ/cm2とであることが好ましい。積算光量が50mJ/cm2より少ないと、硬化に長時間を必要とし、5000mJ/cm2より大きいと、照射時間が非常に長くなり、生産性が劣るため、好ましくない。
【0191】
次に、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤について説明する。
本発明の光重合性樹脂組成物は、さらに光学用の光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤として好適である。
即ち、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤として、各種基材(G)に適用することが可能である。
基材(G)としては、光重合性樹脂組成物を光重合コーティング剤として基材(G)一層の片面や両面に使用した場合には、布、木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等、特に制限無く使用できる。一方、光重合性樹脂組成物を二つ以上の基材(G)を貼り合わせる光重合性接着剤として使用する場合には、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合させるために、活性エネルギー線を透過し易い基材を使用する必要があり、特に透明フィルム(H)や透明ガラス板を使用する事が好ましい。片方を活性エネルギー線が透過し難い基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等を使用した場合でも、もう片方を透明フィルム(H)や透明ガラス板を使用し、透明フィルム(H)や透明ガラス板側から照射し、光重合反応(光硬化)を行えば使用は可能である。
【0192】
基材(G)としては、フィルム状基材を使用する事が好ましく、フィルム状基材としては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材が挙げられるが、透明な各種プラスチックフィルムの使用が好ましい。また、フィルム状基材としては、透明であれば、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。
【0193】
ここで、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤を用いて、基材(G)の片面、または両面に積層してなる積層体について、一般的な説明する。
光重合性樹脂組成物の活性エネルギー線による光重合反応を使用する場合は、即ち、前記した基材(G)のうち、フィルム状基材である透明フィルム(H)と該透明フィルム(H)の少なくとも一方の面に位置する光重合性樹脂組成物層とを具備する積層体の形成に使用されることが好ましい。
透明フィルム(H)の積層体は、以下のようにして得ることができる。
光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤として使用した場合には、フィルム状基材である透明フィルム(H)の片面に光重合性コーティング剤を塗工することによって、積層体を得ることができる。この際、コート層は、易接着化のためのプライマー層としても使用される。
また、酸素などによる光重合阻害を防ぐため活性エネルギー線光を照射した時に光重合性コーティング剤層表面を乾燥窒素等で満たすことが好ましい。
【0194】
また、光重合性樹脂組成物を光重合性接着剤として使用した場合には、フィルム状基材である透明フィルム(H)の片面に光重合性接着剤を塗工し、別の透明フィルム(H)を接着層の表面に積層したり、更にこの積層体の片面や両面に接着剤を塗工し、更に別の透明フィルム(H)、ガラス、あるいは透明成形体に積層したりすることによって、積層体を得ることができる。
光重合性コーティング剤、または重合性接着剤の活性エネルギー線による光重合反応は、コーティング剤、または接着剤の塗工時、あるいは積層する際、さらには積層した後に活性エネルギー線を照射して進行するが、積層した後に活性エネルギー線を照射して光重合反応を進めることが好ましい。
尚、透明フィルム(H)は、ディスプレイやタッチパネル等の情報通信機器等に使用されている光学フィルム(I)に使用する事ができる。
【0195】
ここで、光学用積層体について一般的な説明をする。
光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤は、光学用積層体を形成するために用いられることが可能である。
光学用積層体の基本的積層構成は、光重合性樹脂組成物を、光重合性コーティング剤として使用した場合には、透明フィルム/コート層、あるいはコート層/透明フィルム/コート層のようなシート状の光学コート積層体である。
また、光重合性接着剤として使用した場合には、透明フィルム/接着層/透明フィルム、あるいは透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムのようなシート状の両面の光重合性接着積層体である。さらには、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム、ガラス、あるいは光学成形体のような多層の光学フィルムを光学部材に固定化した光学用積層体として使用される。
【0196】
光学フィルム(I)として使用される各種透明フィルム(H)は、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。
各種フィルム状基材(H)としては、各種プラスチックシートともいわれ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムやポリトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリビニル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオキシラン系フィルムなどが挙げられる。
【0197】
透明フィルム(H)は、多層に使用する場合は、同一組成であっても異なっていても良い。例えば、片面にポリシクロオレフィン系フィルムを使用し、もう一方の片面にポリアクリル系フィルムを使用しても良い。
【0198】
本発明における光学用積層体としては、上記の各種透明フィルム(H)のうち、主に光学用途にて用いられる光学フィルム(I)が好適に使用される。光学フィルム(I)としては、上記透明フィルム(H)に特殊な処理を施されたものであり、光学的機能(光透過、光拡散、集光、屈折、散乱、HAZE等の諸機能)を有するものが光学フィルムと称されている。これらの光学フィルム(I)は単独で、または数種の光学フィルム(I)をコーティング剤、または接着剤で多層に積層されて光学用積層体として使用される。例えば、ハードコートフィルム、帯電防止コートフィルム、防眩コートフィルム、偏光フィルム(偏光板ともいう)、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。
偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のポリアセチルセルロース系フィルムであるポリトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)や、ポリビニルアルコール系偏光子の片面や両面をポリノルボルネン系フィルムであるポリシクロオレフィ系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム等で挟んだ多層構造のシート状の光学用積層体である。
【0199】
本発明の光重合性接着剤を使用した光学フィルムの積層体は、液晶表示装置、PDPモジュール、タッチパネルモジュール、有機ELモジュール等のガラス板や上記の各種プラスチックフィルムの透明フィルム(H)に貼着して光学用積層体として使用されることが好ましい。
【0200】
本発明の偏光板(偏光フィルム)は、より具体的には、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の保護フィルムの一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第1の光重合性接着
剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルムの一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第2の光重合性接着剤層を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の各面に、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を光重合反応することによって製造する方法。
【0201】
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第1の光
重合性接着剤層を形成し、形成された第1の光重合性接着剤層の表面を第1の保護フィルムで覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子の他方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第2の光重合性接着剤層を形成し、形成された第2の光重合性接着剤層の表面を第2の保護フィルムで覆い、活性エネルギー線を照射し、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を光重合することによって製造する方法。
【0202】
(III)第1の透明フィルム(H)である保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光子を
重ねた端部および、ポリビニルアルコール系偏光子の第1の保護フィルムがない面に重ねた第2の保護フィルムの端部に光重合性接着剤をたらした後、ロールの間を通過させ各層間に接着剤を広げる。次に活性エネルギー線を照射し、光重合性接着剤を硬化させることによって製造する方法等があるが、特に限定するものではない。
【実施例】
【0203】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0204】
[配合例1〜28]
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300ccのマヨネーズ瓶に、オキシラン化合物(A)、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)、エチレン性不飽和化合物(D)、光重合開始剤(E)、増感剤(F)、及び酸化防止剤(J)を表1に示す比率で仕込み、エアモーターにて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す光重合性樹脂組成物を得た。
【0205】
表1に示した配合例の光重合性樹脂組成物について、溶液外観、粘度を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。
【0206】
《外観》
各配合例で得られた光重合性樹脂組成物の液体外観を目視にて評価した。
【0207】
《粘度》
各配合例で得られた光重合性樹脂組成物を23℃の雰囲気下でE型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、約1.2mlを測定用試料とし、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
【0208】
本発明において、オキシラン化合物(A)、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)、二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)、エチレン性不飽和化合物(D)、光重合開始剤(E)、増感剤(F)、及び酸化防止剤(G)の代表例として、例示化合物は以下の表1に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示化合物の表記として、EX141(a−1):フェノキシメチルオキソラン(ナガセケムテック社製)、EX212(a−2):(1,6−ヘキシレングリコキシメチル))ジオキシラン(ナガセケムテック社製)、2021P(a−2):3,4−オキシランシクロヘキシルメチル−3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業社製)、JER828(a−3):ビスフェノールA型オキシラン樹脂(三菱化学社製)、EX201(a−3):(レゾルシノイロキシメチル)ジオキシラン(ナガセケムテック社製)、EX121(a−4):2−エチルヘキシノイルメチルオキシラン、TMS(b−1):トリメチレンスルホキシド、SF(b−2):スルホラン、GS(b−3):グリコールサルファイト、ES(b−4):エチレンサルフェイト、13PS(b−5):1,3−プロパンスルトン、14BS(b−5):1,4−ブタンスルトン、12OT(b−6):1,2‐オキサチオラン2‐オキシド、TBL(b−7):γ‐チオブチロラクトン、PL(c−1):β−プロピオラクトン、BL(c−1):γ−ブチロラクトン、EC(c−2):エチレンカーボネート、PC(c−2):プロピレンカーボネート、13DOL(c−3):1,3−ジオキソラン、MEDOL(c−3):(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、14DOX(c−4):1,4−ジオキサン、13DOXO(c−4):1,3−ジオキサン−2−オン、135TOX(c−5):1,3,5―トリオキサン、4HBA(d−1):アクリル酸4−ヒドロキシブチル、IBOA(d−2):アクリル酸イソボニル、CPI‐110P(E):p-フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムPF6塩、IRG250:IRGACURE250(BASF社製)、DETX−S(F):2,4−ジエチルチオキサントン、AO−50(J):ステアリル-β-(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを示す。
【0209】
【表1】
【表1】
【0210】
【表2】
【0211】
[実施例1]
配合例1で得られた光重合性組成物を光重合性接着剤として使用して、以下の積層体を作成した。
保護フィルム(1)として、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用い、保護フィルム(2)として、富士フィルムビジネスサプライ社製の紫外線吸収剤を含有しないポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「TAC50μ」(厚み50μm)を使用し、それぞれその表面に300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す光重合性接着剤をワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、光重合性接着剤層を形成し、前記光重合性接着剤層との間に上記のポリビニルアルコール系偏光子を挟み、保護フィルム(1)/光重合性接着剤層/PVA系偏光子/光重合性接着剤層/保護フィルム(2)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を保護フィルム(2)側から照射して、偏光板を作製した。
【0212】
[比較例1]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)を使用しない配合例26に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例2]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、オキシラン化合物(A)を使用しない配合例27に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0213】
[比較例3]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、オキシラン化合物(A)を使用しない配合例28に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0214】
[実施例2〜25]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、表1に示すような配合例2〜25に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0215】
[実施例26〜28]
実施例15で使用した保護フィルム(2)を、日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」に(実施例26)、三菱レイヨン社製のアクリル系フィルム(商品名「HDB−002:50μm」)に(実施例27)、カネカ社製のポリカーボネート系フィルム(商品名「R−140:43μm」に(実施例28)、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
【0216】
[実施例29〜31]
実施例15で使用した保護フィルム(1)を、東セロ社製のポリプロピレン系フィルム(商品名「OPU−1:50μm」に(実施例29)、東セロ社製のポリエチレン系フィルム(商品名「TUX−HZ:50μm」)に(実施例30)、ユニチカ社製のポリエステル系フィルム(商品名「エンブレットS:50μm」に(実施例31)、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
【0217】
実施例1〜31、比較例1〜3で得られた積層体(偏光板)について、剥離強度、ゲル分率、打ち抜き加工性、及び耐湿熱性を以下の方法に従って求め、結果を表3に示した。
【0218】
《剥離強度》
接着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラー法に準拠して測定した。
即ち、得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断して測定用サンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(東洋インキ製造株式会社製DF8712S)を使用して、ラミネータを用いて金属板上に貼り付けて、偏光板と金属板との測定用の積層体を得た。測定用の積層体の偏光板には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、この測定用の積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で、300mm/分の速度で引き剥がし、剥離力とした。この際、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(1)、及びポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(2)との双方の剥離力を測定した。この剥離力を接着力として4段階で評価した。
◎:剥離不可、あるいは偏光板破壊
○:剥離力が2.0(N/25mm)以上〜5.0(N/25mm)未満。
△:剥離力が1.0(N/25mm)以上〜2.0(N/25mm)未満。
×:剥離力が1.0(N/25mm)未満。
【0219】
《ゲル分率》
コロナ処理を施していない日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」に、配合例1に示す光重合樹脂組成物を光重合性接着剤として使用し、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚20〜25μmとなるように塗工し、光重合性接着剤層を形成した。さらに光重合性接着剤層の上にコロナ処理を施していないゼオノア ZF−14を重ね、3層からなる積層体を得た後、UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し光重合性接着剤層を重合硬化させた。3層からなる積層体のゼオノア ZF−14を剥離し接着剤層を得た。
接着剤層の重量を測定した後(重量1)を金属メッシュと金属メッシュの間に挟み接着剤層同士が重ならないようにし、メチルエチルケトン(MEK)中で3時間還流した。さらに80℃−30分乾燥し、接着剤層の重量を測定した(重量2)。下記式よりゲル分率を求め、3段階評価した。
ゲル分率(%)={1−(重量1−重量2)/重量1}}×100
◎:ゲル分率が90%以上
○:ゲル分率が80%以上〜90%未満
△:ゲル分率が60%以上〜80%未満
×:ゲル分率が60%未満
【0220】
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、周辺の剥離距離を定規で測定し、以下の4段階で評価した。
◎:0mm
○:1mm以下
△:1〜3mm
×:3mm以上
【0221】
《耐湿熱性》
実施例1〜31、比較例1〜3で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、60℃−90%RHの条件下で500時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の4段階で評価をした。
○:60℃−90%RHの条件下で剥がれが全く無し。
△:60℃−90%RHの条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:60℃−90%RHの条件下で1mm以上の剥がれあり。
【0222】
【表3】
【0223】
[実施例41〜70][比較例5〜8]
表1及び2に示した光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤として使用して、以下の積層体を作成した。
光学フィルムとして、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用いた。光学フィルム表面を300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す樹脂組成物を光重合性コーティング剤として、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、光重合性コーティング剤層を形成した。
光学フィルムがブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を活性エネルギー線重合性コート剤層側から照射して、光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製した。
【0224】
得られた積層体について、密着力、耐熱性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表4に示した。
【0225】
《密着力》
JIS K5400に従い碁盤目剥離試験を実施した。100マス中の剥離したマス数を4段階評価した。
◎:0マス
○:1〜10マス
△:11〜30マス
×:31マス以上
【0226】
《耐熱性》
実施例41〜70、比較例4〜6で得られた積層体を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−ドライの条件下で1000時間暴露した。暴露後積層体の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。
○:剥がれが全く無し
△:1mm未満の剥がれあり
×:1mm以上の剥がれあり
【0227】
【表4】
【0228】
本発明において、光学フィルムの代表例として、例示化合物は以下の表4に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示フィルムの表記として、フジタック:富士フィルム社製 紫外線吸収剤含有するTACフィルム (80μm)、ZF−14:日本ゼオン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリノルボルネン系フィルム(100μm)、HBD−002:三菱レイヨン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリアクリル系フィルム(50μm)、R−140:カネカ社製 紫外線吸収剤を含有しないポリカーボネート系フィルム(43μm)、エンプレットS:ユニチカ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエステル系フィルム(50μm)、TUX−HZ:東セロ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエチレン系フィルム(50μm)を示す。
【0229】
本発明の光重合性樹脂組成物を光重合性接着剤として使用した場合は、表3に示すように、実施例1〜8、10〜13、20では、若干粘度が高く、剥離強度、ゲル分率に難があるが特に問題無い。また、実施例14〜19、21〜24では二個以上の酸素原子を有する四員環以上の環状化合物(C)を含むため、反応性が良好となり凝集力が向上するため、若干粘度が高いが特に問題無い。また、実施例のオキシラン化合物(A)のうち、全く芳香環を含有しない実施例9、25は光重合性接着剤の硬化塗膜が若干柔らかいため、耐湿熱性に難があるが、特に問題は無い。このように、いずれの実施例でも、粘度が1500mPa・s以下であり、接着力、打ち抜き加工性、耐湿熱性に優れた偏光板を形成することがわかる。
【0230】
これに対して、一個以上の酸素原子及び硫黄原子を有する四員環以上の環状化合物(B)を含有しない比較例1では、粘度が1600mPa・sと高く、さらにゲル分率が低く硬化性が悪いため打ち抜き加工性、耐湿熱性に劣ることがわかる。また、比較例2、3では、オキシラン化合物(A)を有しないため、光硬化性が不十分となり、接着力、ゲル分率、打ち抜き加工性及び耐湿熱性のいずれも劣ることがわかる。
【0231】
また、本発明の光重合性樹脂組成物を光重合性コーティング剤として用いた場合は、表3と同様の傾向であり、実施例41〜70では、密着力、及び耐熱性とも優れ、特に問題無い。これに対して比較例4〜6では、特に密着力、あるいは耐熱性に劣ることがわかる。