特許第6051863号(P6051863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051863
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】複合半透膜およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/70 20060101AFI20161219BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20161219BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B01D71/70
   B01D69/12
   B01D69/10
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-509402(P2012-509402)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(86)【国際出願番号】JP2011078037
(87)【国際公開番号】WO2012077619
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年11月27日
(31)【優先権主張番号】特願2010-272212(P2010-272212)
(32)【優先日】2010年12月7日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 委託研究「省水型・環境調和型水循環プロジェクト/水循環要素技術研究開発/革新的膜分離技術の開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】峰原 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】中辻 宏治
(72)【発明者】
【氏名】富岡 洋樹
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−155571(JP,A)
【文献】 特開平05−049879(JP,A)
【文献】 特開2000−024471(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/029985(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D61/00−71/82
B01D53/22
C02F1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微多孔性支持膜上に分離機能層を形成してなり、該分離機能層が、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物(A)、酸性基を有しかつエチレン性不飽和基を有する前記化合物(A)以外の化合物(B)および前記化合物(A)および(B)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)から、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合、ならびに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が有するエチレン性不飽和基の重合により形成された複合半透膜であって、
化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が単量体の共重合性の指標となるAlfrey−PriceのQ値に関する下記数式(I)の関係を満たす複合半透膜。
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
【請求項2】
化合物(C)がエチレン性不飽和基を有する化合物であり、化合物(A)と化合物(C)のいずれもが共役系モノマーであるか、またはいずれもが非共役系モノマーである請求項1に記載の複合半透膜。
【請求項3】
化合物(C)がエチレン性不飽和基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物であり、化合物(B)と化合物(C)のいずれもが共役系モノマーであるか、またはいずれもが非共役系モノマーである請求項1に記載の複合半透膜。
【請求項4】
化合物(C)がケイ素原子を有し、該ケイ素原子に加水分解性基が直接結合している請求項1〜3のいずれかに記載の複合半透膜。
【請求項5】
化合物(A)が下記化学式(i)で表されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の複合半透膜。
Si(R(R(R4−m−n・・・(i)
(Rはエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
【請求項6】
化合物(C)が下記化学式(ii)で表されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の複合半透膜。
Si(R(R(R4−m−n・・・(ii)
(Rはエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
【請求項7】
微多孔性支持膜上に、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物(A)、酸性基を有しかつエチレン性不飽和基を有する前記化合物(A)以外の化合物(B)、および前記化合物(A)および(B)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)を塗布し、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合、ならびに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が有するエチレン性不飽和基を重合させることにより分離機能層を形成させる複合半透膜の製造方法であって、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が下記数式(I)の関係を満たす複合半透膜の製造方法。
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐久性、透水性に優れた複合半透膜およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、塩などの溶解物成分の透過を阻止する水処理分離膜として利用されている半透膜には、非対称型の酢酸セルロース膜があった(例えば特許文献1)。しかし、この膜は耐加水分解性、耐微生物性が低く、さらに塩阻止率、水透過性のような水処理用分離膜としての基本的な性能も十分ではなかった。このため、非対称型の酢酸セルロース膜は一部の用途には使用されているが広範囲の用途に実用化されるには至っていない。
【0003】
この非対称型の膜の欠点を補うべく、非対称型の膜とは形態を異にする半透膜として、微多孔性支持膜上に異なる素材を設けて、これが実質的に膜分離性能を与える分離機能層となる複合半透膜が提案された。複合半透膜では、微多孔性支持膜および分離機能層の各々で最適な素材を選択する事が可能であり、製膜技術も種々の方法を選択できる。これまで市販されている複合半透膜の大部分は多孔質膜支持膜上での界面重縮合により、ポリアミドからなる分離機能層が得られたものである。このような複合半透膜としては、特許文献2に記載された発明が挙げられる。さらに特許文献3では、ポリアミドの構造中にアルコキシ基を有する化合物が含まれる分離機能膜層が開示されている。上記の複合半透膜では酢酸セルロース非対称膜よりも高い脱塩性能が得られており、同時に高い透水性も得られている。しかしながらこのようなポリアミドを用いた複合半透膜は、主鎖にアミド結合を有するため酸化剤に対する耐久性が未だ不十分であり、膜の殺菌に用いられる塩素、過酸化水素などで処理することにより脱塩性能や選択的な分離性能が著しく劣化することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
酸化剤に対する耐久性を向上した例としては、例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6などでは製膜技術の汎用性が高く、また、原料の選択性の幅も広いエチレン性不飽和化合物を重合した分離機能層を開示している。
【特許文献1】米国特許第3,133,132号明細書
【特許文献2】米国特許第4,277,344号明細書
【特許文献3】特開平9−99228号公報
【特許文献4】特開2000−117077号公報
【特許文献5】特開2004−17002号公報
【特許文献6】国際公開2010−029985号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献4、特許文献5、特許文献6に記載のエチレン性不飽和化合物を重合した分離機能層を有する複合半透膜は、耐薬品性には優れているものの、透水性、分離性能のいずれかが十分とは言えなかった。
【0006】
そこで、本発明は、耐久性が高く、高分離性、高透水性を満たす複合半透膜を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の複合半透膜は、次の構成を有する。すなわち、
微多孔性支持膜上に分離機能層を形成してなり、該分離機能層が、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物(A)、前記化合物(A)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)および前記化合物(A)および(B)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)から、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合、ならびに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が有するエチレン性不飽和基の重合により形成された複合半透膜であって、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が単量体の共重合性の指標となるAlfrey−PriceのQ値に関する下記数式(I)の関係を満たす複合半透膜、である。
【0008】
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
また、本発明の複合半透膜の製造方法は、次の構成を有する。すなわち、
微多孔性支持膜上に、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物(A)、前記化合物(A)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、および前記化合物(A)および(B)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)を塗布し、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合、ならびに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が有するエチレン性不飽和基を重合させることにより分離機能層を形成させる複合半透膜の製造方法であって、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が下記数式(I)の関係を満たす複合半透膜の製造方法、である。
【0009】
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
なお、本発明の複合半透膜は、化合物(B)が酸性基を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明の複合半透膜は、化合物(C)がエチレン性不飽和基を有する化合物であり、化合物(A)と化合物(C)のいずれもが共役系モノマーであるか、またはいずれもが非共役系モノマーであることが好ましい。
【0011】
本発明の複合半透膜は、化合物(C)がエチレン性不飽和基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物であり、化合物(B)と化合物(C)のいずれもが共役系モノマーであるか、またはいずれもが非共役系モノマーであることが好ましい。
【0012】
本発明の複合半透膜は、化合物(C)がケイ素原子を有し、該ケイ素原子に加水分解性基が直接結合していることが好ましい。
【0013】
本発明の複合半透膜は、化合物(A)が下記化学式(i)で表されるものであることが好ましい。
【0014】
Si(R(R(R4−m−n・・・(i)
(Rはエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の複合半透膜は、化合物(C)が下記化学式(ii)で表されるものであることが好ましい。
【0015】
Si(R(R(R4−m−n・・・(ii)
(Rはエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
【発明の効果】
【0016】
本発明により、塩素に代表される薬品への耐薬品性、透水性に優れた複合半透膜が得られる。この膜を用いることで、工業的には低ランニングコスト化、低コスト化、省エネルギー化という改善が期待される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の複合半透膜の分離機能層は、微多孔性支持膜上に以下の反応により形成されるものである。
【0018】
すなわち、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物(A)、前記化合物(A)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)ならびに前記化合物(A)および(B)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)から、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合、ならびに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が有するエチレン性不飽和基の重合により形成される分離機能層である。
【0019】
まず、本発明において化合物(A)は、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物であり、これについて説明する。
【0020】
エチレン性不飽和基を有する反応性基はケイ素原子に直接結合している。このような反応性基としては、ビニル基、アリル基、メタクリルオキシエチル基、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシエチル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が例示される。重合性の観点から、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が好ましい。
【0021】
またケイ素原子に直接結合している加水分解性基が水酸基に変化するなどのプロセスを経て、化合物同士がシロキサン結合で結ばれるという縮合反応が生じ、高分子となる。加水分解性基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、アミノヒドロキシ基、ハロゲン原子およびイソシアネート基が例示される。アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜2のものである。アルケニルオキシ基としては炭素数2〜10のものが好ましく、さらには炭素数2〜4、さらには3のものが好ましい。カルボキシ基としては、炭素数2〜10のものが好ましく、さらには炭素数2のもの、すなわちアセトキシ基が好ましい。ケトオキシム基としては、メチルエチルケトオキシム基、ジメチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基が例示される。アミノヒドロキシ基は、酸素を介してアミノ基が酸素原子を介してケイ素原子に結合しているものである。このようなものとしては、ジメチルアミノヒドロキシ基、ジエチルアミノヒドロキシ基、メチルエチルアミノヒドロキシ基が例示される。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましく採用される。
【0022】
分離機能層の形成にあたっては、上記加水分解性基の一部が加水分解し、シラノール構造をとっている化合物も使用できる。また2種以上の化合物が、加水分解性基の一部が加水分解、縮合し架橋しない程度に高分子量化したものも使用できる。
【0023】
化合物(A)としては下記化学式(i)で表されるものであることが好ましい。
【0024】
Si(R(R(R4−m−n・・・(i)
(Rはエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。RはHまたはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
はエチレン性不飽和基を含む反応性基であるが、上で説明したとおりである。
【0025】
は加水分解性基であるが、これらは上で説明したとおりである。Rとなるアルキル基の炭素数としては1〜10のものが好ましく、さらに1〜2のものが好ましい。
【0026】
加水分解性基としては、分離機能層の形成にあたって、反応液が粘性を持つことからアルコキシ基が好ましく用いられる。
【0027】
このような化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(アクリロキシメチル)フェネチルトリメトキシシランが例示される。
【0028】
化合物(A)の他、エチレン性不飽和基を有する反応性基を有しないが、加水分解性基を有する化合物を併せて使用することもできる。このような化合物は、下記化学式(iii)で表すことができ、このようなものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが例示される。
【0029】
Si(R(R4−m・・・(iii)
(Rはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。mは1≦m≦4を満たす整数とする。R、Rそれぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
次に、本発明において化合物(B)は、化合物(A)以外のものであって、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、これについて説明する。
【0030】
エチレン性不飽和基は付加重合性を有する。このような化合物としてはエチレン、プロピレン、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体が例示される。
【0031】
また、この化合物(B)は、複合半透膜を水溶液の分離などに用いたときに水の選択的透過性を高め、塩の阻止率を上げるために、酸性基を有するアルカリ可溶性の化合物であることが好ましい。
【0032】
好ましい酸としては、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸およびスルホン酸であり、これらの酸の構造としては、酸の形態、エステル化合物、および金属塩のいずれの状態で存在してもよい。これらのエチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、2つ以上の酸性基を含有し得るが、中でも1個〜2個の酸性基を含有する化合物が、好ましい。
【0033】
上記のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の中でカルボン酸基を有する化合物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリト酸および対応する無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシンおよび4−ビニル安息香酸が挙げられる。
【0034】
上記のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の中でホスホン酸基を有する化合物としては、ビニルホスホン酸、4−ビニルフェニルホスホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−フェニル−ホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸および2−[2−ジヒドロキシホスホリル)−エトキシメチル]−アクリル酸−2,4,6−トリメチル−フェニルエステルが例示される。
【0035】
上記のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の中でリン酸エステルの化合物としては、2−メタクリロイルオキシプロピル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシプロピル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシエチル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル−フェニル−水素リン酸、ジペンタエリトリトール−ペンタメタクリロイルオキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシル−二水素リン酸、ジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルオキシホスフェート、リン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)−エステル、6−(メタクリルアミド)ヘキシル二水素ホスフェートならびに1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピル−アミノ)−プロパン−2−イル−二水素ホスフェートが例示される。
【0036】
上記のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の中でスルホン酸基を有する化合物としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−(アクリロイルオキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(メタクリロイルオキシ)プロパン−1−スルホン酸、4‐メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸、3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸、およびこれらの塩が挙げられる。
【0037】
次に、本発明において化合物(C)は、化合物(A)および(B)以外のものであって、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、これについて、さらには、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が満たす数式(I)について説明する。
【0038】
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
化合物(C)としては、次の化合物が例示される。すなわち、エチレン、プロピレン、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリト酸および対応する無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシンおよび4−ビニル安息香酸、ビニルホスホン酸、4−ビニルフェニルホスホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−フェニル−ホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸および2−[2−ジヒドロキシホスホリル)−エトキシメチル]−アクリル酸−2,4,6−トリメチル−フェニルエステル、2−メタクリロイルオキシプロピル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシプロピル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシエチル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル−フェニル−水素リン酸、ジペンタエリトリトール−ペンタメタクリロイルオキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシル−二水素リン酸、ジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルオキシホスフェート、リン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)−エステル、6−(メタクリルアミド)ヘキシル二水素ホスフェートならびに1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピル−アミノ)−プロパン−2−イル−二水素ホスフェート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−(アクリロイルオキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(メタクリロイルオキシ)プロパン−1−スルホン酸、4‐メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸、3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸、エチレンジアクリラート、1,3−ビス(アクリロイルオキシ)プロパン、1,4−ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、1,5−ビス(アクリロイルオキシ)ペンタン、1,6−ビス(アクリロイルオキシ)ヘキサン、1,7−ビス(アクリロイルオキシ)ヘプタン、1,8−ビス(アクリロイルオキシ)オクタン、1,9−ビス(アクリロイルオキシ)ノナン、1,10−ビス(アクリロイルオキシ)デカン、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリコールジアクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラート、プロピレングリコールジアクリラート、ジプロピレングリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジアクリラート、グリセロールジアクリラート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、1,4−フェニレンジアクリル酸ジエチル、ビスフェノールAジアクリラート、エチレンジメタクリラート、1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシ)ブタン、1,5−ビス(メタクリロイルオキシ)ペンタン、1,6−ビス(メタクリロイルオキシ)ヘキサン、1,7−ビス(メタクリロイルオキシ)ヘプタン、1,8−ビス(メタクリロイルオキシ)オクタン、1,9−ビス(メタクリロイルオキシ)ノナン、1,10−ビス(メタクリロイルオキシ)デカン、エチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、テトラエチレングリコールジメタクリラート、プロピレングリコールジメタクリラート、ジプロピレングリコールジメタクリラート、ネオペンチルグリコールジメタクリラート、グリセロールジメタクリラート、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスメタクリルアミド、1,4−フェニレンジメタクリル酸ジエチル、ビスフェノールAジメタクリラート、シュウ酸ジビニル、マロン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、ジアリルエーテル、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジアリルアミン、シュウ酸ジアリル、マロン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、ピメリン酸ジアリル、スベリン酸ジアリル、アゼライン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジフェニルシラン、1,3−ジアリルオキシ−2−プロパノール、イソシアヌル酸ジアリルプロピル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、ビスフェノールAジアリルエーテル、N,N’−ジアリル酒石酸ジアミド、シアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)、1,3,5−トリアクリロイルトリアジン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパントリアクリラート、没食子酸トリアクリラート、ペンタエリスリトールトリアクリラート、ピロガロールトリアクリラート、シアヌル酸トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)、1,3,5−トリメタクリロイルトリアジン、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパントリメタクリラート、没食子酸トリメタクリラート、ペンタエリスリトールトリメタクリラート、2,4,6−トリビニルボロキシン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシラザン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ペンタエリスリトールテトラアクリラート、ペンタエリスリトールテトラメタクリラート、ピロガロールトリアクリラート、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、ジペンタエリスリトールヘキサアクリラート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリラート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(アクリロキシメチル)フェネチルトリメトキシシランである。
【0039】
化合物(C)が上記数式(I)を満たすことにより、化合物(A)と化合物(B)の共重合を起こりやすくすることで、化合物(A)の加水分解性基の縮合による架橋点を適度に分散させ、細孔の均一性を向上させる効果がある。一方、化合物(C)の代わりに、数式(I)を満たさない化合物(C)を化合物(A)および化合物(B)の共重合の系に添加する場合には、化合物(C)と化合物(A)の共重合性または化合物Cと化合物Bの共重合性は、化合物(A)と化合物(B)の共重合性に比べて低いことになる。なぜならば、Q−e理論より、Q値の差が近いモノマー同士は重合しやすく、Q値の差が大きいモノマー同士は共重合しにくいためである。結果として、化合物(C)の添加によって、架橋性の官能基である加水分解性基が直接結合したケイ素原子に由来する架橋点を膜中に適度に分散させ、細孔の均一性を向上させることはできない。
【0041】
数式(I)で用いられるAlfrey−PriceのQ値は、ラジカル重合性の単量体の二重結合とその置換基との共役の程度を表す指標として、当該二重結合の電子密度の指標であるe値とともに、1948年にT. AlfreyとC. C. Priceによって提出されており、スチレンを基準(Q値=1.0、e値=−0.8)として数多くの単量体についてその値が実験的に求められている。
【0042】
代表的な単量体のQ値を表1に示す。また、より多くの単量体のQ値に関しては、J. Brandrup, E. H. Immergut, E. A. Grulke著、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、(米国)、第4版、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons Inc)、1999年、p.II/181〜II/319などにまとめられており、参照することもできる。
【0043】
【表1】
【0044】
該Q値の導出方法としては、まずQ値を知りたい単量体MをQ値およびe値が既知の単量体Mと各種モル比(F=[M]/[M])で重合し、重合初期における各単量体の消費量の比(f=d[M]/d[M])をガスクロマトグラフィ等を用いた測定データから算出する。該Fおよびfは、数式(II)の関係を満たすことが分かっており、F(f−1)/fをF/fに対してプロットし、直線近似することにより、その傾きと縦軸切片の値から、共重合反応性比rおよびrが分かる。
【0045】
F(f−1)/f=r/f−r・・・(II)
該共重合反応性比r、rおよび単量体MのQ値およびe値(Qおよびe)をT. AlfreyとC. C. Priceによって提出された数式(III)および数式(IV)に当てはめることにより、単量体MのQ値(Q)を導出することができる。
【0046】
=(Q/Q)exp[−e(e−e)]・・・(III)
=(Q/Q)exp[−e(e−e)]・・・(IV)
当該方法については文献1(M. Fineman他、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス(Journal of Polymer Science)、Vol.5、p.269, ジョンワイリーアンドサンズ(John Wiley & Sons Inc)、1950年)や、文献2(改訂高分子合成の化学、p.111〜116、大津隆行著、化学同人、1992年)を参照することで詳細に知ることができる。
【0047】
一般的にQ値が大きく異なる単量体間の共重合では、Q値が大きい単量体とQ値が小さい単量体がそれぞれ単独重合する確率が高くなるため、互いの共重合反応性がきわめて悪くなる傾向がある。また一般に、Q値が0.2以上のモノマーを共役系モノマー、0.2未満のモノマーを非共役系モノマーと呼ばれ、共役モノマー同士、非共役モノマー同士は共重合しやすい。
【0048】
本発明の複合半透膜では、分離機能層を形成するために、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)以外に重合開始剤を含んだ反応液が使用される。この反応液を微多孔性支持膜上に塗布し、さらに加水分解性基を縮合することに加えて、エチレン性不飽和基を重合することによって、これらの化合物を高分子量化することが必要である。
【0049】
化合物(B)や化合物(C)を共存させず、化合物(A)を縮合および重合させた場合、加水分解性基の縮合による架橋点が多くなりすぎるため、孔径が小さくなりすぎ、透水性が低くなる傾向にある。一方、化合物(A)の高分子量化および架橋に加え、化合物(B)を共重合させた場合、加水分解性基の縮合による架橋点が適度に分散される。このように適度に架橋点を分散させることで、適度な大きさの孔径を有する分離機能層が構成され、透水性能と除去性能のバランスが取れた複合半透膜を得ることができる。複合半透膜とした際、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、低分子量だと複合半透膜使用時に溶出し膜性能低下を引き起こす可能性があるため、高分子量化していることが必要である。
【0050】
分離機能層中の孔径の均一性を高める方法として、共重合性を高める方法が挙げられる。化合物(A)と化合物(B)が存在する系に、化合物(A)のQ値と化合物(B)のQ値の間のQ値をもつ化合物(C)を添加することで、化合物(A)、化合物(B)、および化合物(C)の共重合が起きやすくなる。すなわち、下記数式(I)の関係を満たす化合物(C)を添加することにより、加水分解性基を有する化合物(A)が他の成分と共重合しやすくなり、加水分解性基の縮合による架橋点が適度に分散され、均一な孔径を有する分離機能層が構成される。その結果、透水性能と除去性能のバランスが取れた複合半透膜を得ることができる。
【0051】
|Q−Q|+|Q−Q|=|Q−Q|・・・(I)
(Qは化合物XのAlfrey−PriceのQ値を表す。)
化合物(C)がエチレン性不飽和基を有する化合物であり、加水分解性基がケイ素原子に直接結合した官能基を有さない場合、化合物(A)と化合物(C)がともに共役系モノマーであるか、ともに非共役系モノマーであると、Q値が近いために共重合しやすいことから、化合物(A)が有する加水分解性基の縮合による架橋点が適度に分散し、細孔の均一性が向上する効果が高い。
【0052】
化合物(C)が化合物(A)と同様にエチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合した化合物である場合は、化合物(C)と化合物(B)がともに共役系モノマーであるか、ともに非共役系モノマーであると、Q値が近いために共重合しやすいことから、化合物(C)が有する加水分解性基の縮合による架橋点が適度に分散し、細孔の均一性が向上する効果が高い。
【0053】
分離機能層形成のために例示される方法としては、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を含有する反応液を塗布する工程、溶媒を除去する工程、エチレン性不飽和基を重合させる工程、加水分解性基を縮合させる工程の順に行うものである。エチレン不飽和基を重合させる工程において、加水分解性基の縮合が同時に起こることがあっても良い。
【0054】
まず、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を含有する反応液を微多孔性支持膜に接触させる。かかる反応液は、通常溶媒を含有する溶液であるが、かかる溶媒は微多孔性支持膜を破壊せず、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)および必要に応じて添加される重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されない。この反応液には、化合物(A)と化合物(C)のモル数の総量に対して1〜10倍モル量、好ましくは1〜5倍モル量の水を無機酸または有機酸と共に添加して、化合物(A)の加水分解を促すことが好ましい。
【0055】
反応液の溶媒としては、水、アルコール系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒および、これらを混ぜ合わせたものが好ましい。例えば、アルコール系有機溶媒として、メタノール、エトキシメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル(2-メトキシエタノール)、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、メトキシブタノール等が挙げられる。また、エーテル系有機溶媒として、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が挙げられる。また、ケトン系有機溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。また、溶媒の添加量としては、反応液の全重量に対して50〜99重量%が好ましく、さらには80〜99重量%が好ましい。溶剤の添加量が上記好ましい範囲であると、得られる複合半透膜の透水性を高く保つことができ、一方、膜中に欠点が生じにくい。
【0056】
微多孔性支持膜と反応液との接触は、微多孔性支持膜面上で均一にかつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、反応液をスピンコーター、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレーなどの塗布装置を用いて微多孔性支持膜にコーティングする方法があげられる。また微多孔性支持膜を反応液に浸漬する方法を挙げることができる。
【0057】
微多孔性支持膜を反応液に浸漬させる場合、微多孔性支持膜と反応液との接触時間は、0.5〜10分間の範囲内であることが好ましく、1〜3分間の範囲内であるとさらに好ましい。反応液を微多孔性支持膜に接触させたあとは、膜上に液滴が残らないように十分に液切りすることが好ましい。十分に液切りすることで、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって膜性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、反応液接触後の微多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の反応液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの風を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させ、反応液の溶媒分の一部を除去することもできる。
【0058】
化合物の加水分解性基を縮合させる工程は、微多孔性支持膜上に反応液を接触させた後に加熱処理することによって行われる。このときの加熱温度は、微多孔性支持膜が溶融し分離膜としての性能が低下する温度より低いことが要求される。縮合反応を速やかに進行させるために通常0℃以上で加熱を行うことが好ましく、20℃以上がより好ましい。また、前記反応温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、加水分解および縮合反応が速やかに進行し、150℃以下であれば、加水分解および縮合反応の制御が容易になる。また、加水分解または縮合を促進する触媒を添加することで、より低温でも反応を進行させることが可能である。さらに本発明では分離機能層が細孔を有するよう加熱条件および湿度条件を選定し、縮合反応を適切に行うようにする。
【0059】
化合物(A)および化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合を促進する方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射を採用することができる。ここで電磁波とは赤外線、紫外線、X線、γ線などを含む。適宜最適な選択をすればよいが、ランニングコスト、生産性などの点から電磁波照射によって重合を促進するのが好ましい。電磁波の中でも赤外線照射や紫外線照射が簡便性の点からより好ましい。実際に赤外線または紫外線を用いて重合を促進する際、これらの光源は選択的にこの波長域の光のみを発生する必要はなく、これらの波長域の電磁波を含むものであればよい。しかし、重合時間の短縮、重合条件の制御などのしやすさの点から、これらの電磁波の強度がその他の波長域の電磁波に比べ高いことが好ましい。
【0060】
電磁波は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、UVランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、水銀灯などから発生させることができる。電磁波のエネルギーは重合できれば特に制限しないが、中でも高効率で低波長の紫外線が薄膜形成性が高い。このような紫外線は低圧水銀灯、エキシマーレーザーランプにより発生させることができる。本発明に係る分離機能層の厚み、形態はそれぞれの重合条件によっても大きく変化することがあり、電磁波による重合であれば電磁波の波長、強度、被照射物との距離、処理時間により大きく変化することがある。そのためこれらの条件は適宜最適化を行う必要がある。
【0061】
重合速度を速める目的で分離機能層形成の際に重合開始剤、重合促進剤等を添加することが好ましい。ここで、重合開始剤、重合促進剤とは特に限定されるものではなく、用いる化合物の構造、重合手法などに合わせて適宜選択されるものである。
【0062】
重合開始剤を以下例示する。電磁波による重合の開始剤としては、ベンゾインエーテル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキシドもしくはビスアシルホスフィンオキシド、α−ジケトン(例えば、9,10−フェナントレンキノン)、ジアセチルキノン、フリルキノン、アニシルキノン、4,4’−ジクロロベンジルキノンおよび4,4’−ジアルコキシベンジルキノン、およびショウノウキノンが、例示される。熱による重合の開始剤としては、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)もしくはアゾビス−(4−シアノバレリアン酸)、または過酸化物(例えば、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過オクタン酸tert-ブチル、過安息香酸tert-ブチルもしくはジ−(tert-ブチル)ペルオキシド)、さらに芳香族ジアゾニウム塩、ビススルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アルキルリチウム、クミルカリウム、ナトリウムナフタレン、ジスチリルジアニオンが例示される。なかでもベンゾピナコールおよび2,2’−ジアルキルベンゾピナコールは、ラジカル重合のための開始剤として特に好ましい。
【0063】
過酸化物およびα−ジケトンは、開始を加速するために、好ましくは、芳香族アミンと組合せて使用される。この組合せはレドックス系とも呼ばれる。このような系の例としては、過酸化ベンゾイルまたはショウノウキノンと、アミン(例えば、N,N−ジメチル-p-トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル-p-トルイジン、p-ジメチル−アミノ安息香酸エチルエステルまたはその誘導体)との組合せである。さらに、過酸化物を、還元剤としてのアスコルビン酸、バルビツレートまたはスルフィン酸と組合せて含有する系もまた好ましい。
【0064】
次いで、これを約100〜200℃で10分〜3時間程度加熱処理すると重縮合反応が起こり、微多孔性支持膜表面に分離機能層が形成された本発明の複合半透膜を得ることができ好ましい。加熱温度は微多孔性支持膜の素材にもよるが、上記好ましい範囲とすると、重縮合反応が十分に起こるので機能層が溶出せず高除去率が保たれる一方、溶解による微多孔性支持膜の細孔閉塞は起こらないので、複合半透膜の高造水量が保たれる。
【0065】
なお上記の製造方法において、エチレン性不飽和基の重合工程は、加水分解性基による重縮合工程の前に行っても良いし、後に行っても良い。また、重縮合反応と重合反応を同時に行ってもよい。
【0066】
このようにして得られた複合半透膜はこのままでも使用できるが、使用する前に例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させることが好ましい。
【実施例】
【0067】
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0068】
以下の実施例において、複合半透膜の塩除去率の初期性能は次の数式(V)、複合半透膜の膜透過流束の初期性能は次の数式(VI)、塩素浸漬後の性能保持率は次の数式(VII)で計算されるものである。
【0069】
除去率(%)={(供給液の濃度−透過液の濃度)/供給液の濃度}×100・・・(V)
膜透過流束(m/m/day)=(1日の透過液量)/(膜面積) ・・(VI)
塩素浸漬後の性能保持率(%)=(塩素浸漬後の除去率)/(塩素浸漬前の除去率)×100・・・(VII)
(実施例1)
ポリエステル不織布上にポリスルホンの15.7重量%ジメチルホルムアミド溶液を200μmの厚みで、室温(25℃)でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって微多孔性支持膜を作製した。
【0070】
得られた微多孔性支持膜を、化合物(A)の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Q値=0.92)46mM、化合物(B)の4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム(Q値=2.49)70mM、化合物(C)のp-スチリルエチルトリメトキシシラン(Q値=1.50)43mM、2,2−ジメソキシ−2−フェニルアセトフェノン8.3mMとなるように65%イソプロピルアルコール水溶液に溶解した溶液に1分間接触させ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な溶液を取り除き微多孔性支持膜上に前記溶液の層を形成した。前記溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。次いで波長365nmの紫外線が照射できるハリソン東芝ライティング社製UV照射装置TOSCURE(登録商標)752を用い、照射強度を20mW/cmに設定し、紫外線を10分間照射して、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウムおよび、p-スチリルエチルトリメトキシシランを原料とする分離機能層を微多孔性支持膜表面に形成した複合半透膜を作製した。
【0071】
次に、得られた複合半透膜を120℃の熱風乾燥機中で3時間保持してシランカップリング剤を縮合させ、微多孔性支持膜上に分離機能層を有する乾燥複合半透膜を得た。その後、乾燥複合半透膜を10重量%イソプロピルアルコール水溶液に10分間浸漬して親水化を行った。このようにして得られた複合半透膜に、pH6.5に調整した500ppm食塩水を、0.75MPa、25℃の条件下で供給して加圧膜ろ過運転を行い、透過水、供給水の水質を測定することにより、表3に示す結果が得られた。
【0072】
また、得られた複合半透膜を、pH7に調整した500ppmの塩素水溶液に1週間浸し、耐塩素性試験を行った。塩素水溶液浸漬後の性能保持率についても表3に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
(実施例2)
実施例1で使用した3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン46mMを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Q値=1.08)43mMに置き換えた以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例3)
実施例1で使用した3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン46mMを3−アクリロキシメチルトリメトキシシラン(Q値=0.86)52mMに置き換えた以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例4)
実施例1で使用した3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン46mMを1−アリル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムクロリド(Q値=0.28)53mMに、p-スチリルエチルトリメトキシシラン43mMを3−アクリロキシメチルトリメトキシシラン35mM、4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム70mMを4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム104mMに置き換え、さらにUV照射装置を、ハリソン東芝ライティング社製UV照射装置TOSCURE(登録商標)752から波長172nmの紫外線が照射できるウシオ電機社製エキシマランプ(UER20-172)に置き換え、照射距離を1cm、照射時間を10分間に変える以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例5)
実施例1で使用した4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム70mMをビニル安息香酸(Q値=5.17)60mMに置き換え、さらに照射強度20mW/cmを40mW/cmに変え、照射時間を10分から5分に変える以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例6)
実施例1で使用した4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム70mMをアクリル酸(Q値=0.83)99mMに置き換え、化合物(C)のp-スチリルエチルトリメトキシシラン42mMを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン43mMに置き換え、さらに照射強度20mW/cmを30mW/cmに変え、照射時間を10分から5分に変える以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例7)
実施例1で使用した反応液中にテトラメトキシシラン10mMが共存する以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(実施例8)
実施例1で使用した3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン46mMを94mMに置き換え、4−ビニルフェニルスルホン酸ナトリウム70mMを66mMに置き換え、p-スチリルエチルトリメトキシシラン42mMを1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン20mMに変える以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
(比較例1)
実施例1と同じ微多孔性支持膜に、メタフェニレンジアミン3.0重量%、亜硫酸水素ナトリウム0.5重量%を含む水溶液を塗布し、70℃の熱風で1分間乾燥した。その後イソフタル酸クロライド0.4重量%、トリメシン酸クロライド0.1重量%を含むn−デカン溶液を塗布し、100℃の熱風で5分間処理した。その後さらにpH7に調整した100ppmの塩素水溶液に2分間浸漬した後、純水で洗浄した。その結果、ポリアミドからなる分離機能層が設けられた複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。
【0076】
表3から、比較例1で得られた複合半透膜では、塩素水溶液浸漬後の性能保持率が大きく低下しているのに対し、実施例1〜7で得られた複合半透膜は、塩素水溶液浸漬後も浸漬前と同等の性能を維持していることが読みとれる。
(比較例2)
実施例4における反応液中に、化合物(C)の3−アクリロキシメチルトリメトキシシランを含まず、化合物(A)の1−アリル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムクロリド濃度を47mMに変える以外は実施例4と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。比較例3で得られた複合半透膜の初期性能は、実施例4で得られた複合半透膜に比べ著しく塩除去率が低かった。
(比較例3)
実施例1における反応液中に、化合物(C)のp-スチリルエチルトリメトキシシランを含まず、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン濃度を90mMに変える以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。比較例2で得られた複合半透膜の初期性能は、実施例1〜3および8で得られた複合半透膜に比べ透水性が低かった。
(比較例4)
実施例5における反応液中に、化合物(C)のp-スチリルエチルトリメトキシシランを含まず、化合物(A)の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン濃度を90mMに変える以外は実施例5と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。比較例4で得られた複合半透膜の初期性能は、実施例5で得られた複合半透膜に比べ塩除去率および透水性が低かった。
(比較例5)
実施例6における反応液中に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含まず、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン濃度を90mMに変える以外は実施例6と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。比較例5で得られた複合半透膜の初期性能は、実施例6で得られた複合半透膜に比べ塩除去率が低かった。
(比較例6)
実施例7における反応液中にp−スチリルエチルトリメトキシシランを含まず、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン濃度を90mMに変える以外は実施例7と同様にして複合半透膜を作製した。溶液中に含まれる化合物(A)、化合物(B)およびその他の化合物は表2に示すとおりである。得られた複合半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表3に示す結果が得られた。比較例6で得られた複合半透膜の初期性能は、実施例7で得られた複合半透膜に比べ塩除去率および透水性が低かった。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の複合半透膜は、固液分離、液体分離、ろ過、精製、濃縮、汚泥処理、海水淡水化、飲料水製造、純水製造、廃水再利用、廃水減容化、有価物回収などの水の処理の分野に利用できる。その結果、高性能の膜が提供されると共に、省エネルギー化、ランニングコストの低減などの改善が期待される。