特許第6051869号(P6051869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051869
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】成型用二軸配向ポリエステルフィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20161219BHJP
   B29C 55/12 20060101ALI20161219BHJP
   B29K 67/00 20060101ALN20161219BHJP
   B29L 7/00 20060101ALN20161219BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20161219BHJP
【FI】
   B32B27/36
   B29C55/12
   B29K67:00
   B29L7:00
   B29L9:00
【請求項の数】11
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2012-556726(P2012-556726)
(86)(22)【出願日】2012年12月12日
(86)【国際出願番号】JP2012082203
(87)【国際公開番号】WO2013099608
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2015年11月12日
(31)【優先権主張番号】特願2011-287305(P2011-287305)
(32)【優先日】2011年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-192799(P2012-192799)
(32)【優先日】2012年9月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 功
(72)【発明者】
【氏名】荘司 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘造
【審査官】 飛彈 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−073151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B29C 55/12
B29K 67/00
B29L 7/00
B29L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、ポリエステルA層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を90モル%以上95モル%未満、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を5モル%を超えて10モル%以下含有し、前記ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を80モル%以上90モル%以下、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を10モル%以上20モル%以下含有してなり、100℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ100MPa以上1000MPa以下であり、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ41MPa以上400MPa以下であり、かつ150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)がそれぞれ5MPa以上60MPa以下である成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項2】
ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が246℃以上254℃以下、ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)が235℃以上246℃未満である請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
示差走査熱量測定(DSC)による2ndRunにおける、積層ポリエステルフィルムの昇温結晶化温度(Tcc)が、170℃以上190℃以下である請求項2に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記ポリエステルA層が、ジカルボン酸(ジカルボン酸エステルを含む)に由来の構造単位に対して、テレフタル酸(テレフタル酸エステルを含む)由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有し、前記ポリエステルB層が、ジカルボン酸(ジカルボン酸エステルを含む)に由来の構造単位に対して、テレフタル酸(テレフタル酸エステルを含む)由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有してなる請求項に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
ポリエステルA層とポリエステルB層の積層比H(−)が0.01以上0.4以下である請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】
前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置する請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項7】
150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率がいずれも−1%以上1%以下である請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項8】
荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の150℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%である請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項9】
荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の180℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%である請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項10】
示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、積層ポリエステルフィルムの結晶融解ピーク温度(Tm1)と、2ndRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)が下記(I)式を満たす請求項2に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
Tm1<Tm2・・・(I)
【請求項11】
請求項1に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを用いた成型部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成型加工に特に適して用いられる二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりにより、建材、自動車部品や携帯電話、電機製品などで、溶剤レス塗装、メッキ代替などの要望が高まり、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでいる。
【0003】
かかる加飾方法に使用される成型用ポリエステルフィルムとして、いくつかの提案がされている。例えば、常温での特定の成型応力を規定した成型用ポリエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特定温度での成型応力、貯蔵弾性率を規定した成型用ポリエステルフィルムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、広い温度範囲での貯蔵弾性率を規定した成型用ポリエステルフィルムも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−347565号公報
【特許文献2】特開2005−290354号公報
【特許文献3】特開2008−162220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のフィルムは、成型性が必ずしも十分ではなく、また用いられる用途を考慮して寸法安定性が設計されてはいない。
【0008】
また、特許文献2に記載のフィルムは、高温(180℃付近)での成型が必要な成型方法において、成型時の貯蔵弾性率が低くなりすぎて、フィルム表面の粗化など品位が低下してしまう問題がある。
【0009】
また、特許文献3に記載のフィルムは、広い温度範囲で低い貯蔵弾性率を示すため、成型性には優れるものの、やはり高温領域での貯蔵弾性率が低くなり、成型時の品位の確保が十分ではなく、また耐熱性も満足な特性を示すものではない。
【0010】
本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解消することにある。すなわち、成型性、寸法安定性、耐熱性、成型後の品位に優れており、成型加工を施して、様々な成型部材へ好適に使用することのできる成型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するための本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、ポリエステルA層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を90モル%以上95モル%未満、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を5モル%を超えて10モル%以下含有し、前記ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を80モル%以上90モル%以下、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を10モル%以上20モル%以下含有してなり、100℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ100MPa以上1000MPa以下であり、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ41MPa以上400MPa以下であり、かつ150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)がそれぞれ5MPa以上60MPa以下である成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
(2)ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が246℃以上254℃以下、ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)が235℃以上246℃未満である(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)示差走査熱量測定(DSC)による2ndRunにおける、積層ポリエステルフィルムの昇温結晶化温度(Tcc)が、170℃以上190℃以下である(2)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)前記ポリエステルA層が、ジカルボン酸(ジカルボン酸エステルを含む)に由来の構造単位に対して、テレフタル酸(テレフタル酸エステルを含む)由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有し、前記ポリエステルB層が、ジカルボン酸(ジカルボン酸エステルを含む)に由来の構造単位に対して、テレフタル酸(テレフタル酸エステルを含む)由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有してなる(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
)ポリエステルA層とポリエステルB層の積層比H(−)が0.01以上0.4以下である(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
)前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置する(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
)150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率がいずれも−1%以上1%以下である(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
)荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の150℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%である(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
)荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の180℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%である(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
10)示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、積層ポリエステルフィルムの結晶融解ピーク温度(Tm1)と、2ndRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)が下記(I)式を満たす(2)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルム。
Tm1<Tm2・・・(I)
11)(1)に記載の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを用いた成型部材。
【発明の効果】
【0012】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃での貯蔵弾性率が低く、150℃での成型応力が低いため、100℃〜150℃といった低温での熱賦形が可能であり、また、180℃での貯蔵弾性率が特定の範囲であるため、高温成型が必要な成型方法においても、成型時の品位低下を抑制できる。すなわち、成型性、寸法安定性、耐熱性、成型後の品位に優れており、成型加工を施して、様々な成型部材へ好適に使用することができる。例えば、建材、モバイル機器、電機製品、自動車部品、遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖における主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称である。そして、ポリエステル樹脂は、通常ジカルボン酸あるいはその誘導体とグリコールあるいはその誘導体を重縮合反応させることによって得ることができる。
【0014】
本発明では、成型性、外観、耐熱性、寸法安定性、経済性の点から、ポリエステルを構成するグリコール単位の60モル%以上がエチレングリコール由来の構造単位であり、ジカルボン酸単位の60モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位であることが好ましい。なお、ここで、ジカルボン酸単位(構造単位)あるいはジオール単位(構造単位)とは、重縮合によって除去される部分が除かれた2価の有機基を意味し、要すれば、以下の一般式で表される。
【0015】
ジカルボン酸単位(構造単位): −CO−R−CO−
ジオール単位(構造単位): −O−R’―O−
(ここで、R、R’は二価の有機基)
なお、トリメリット酸単位やグリセリン単位など3価以上のカルボン酸あるいはアルコール並びにそれらの誘導体についての単位(構造単位)の意味についても同様である。
【0016】
本発明に用いるポリエステルを与える、グリコールあるいはその誘導体としては、エチレングリコール以外に、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、並びに、それらの誘導体が挙げられる。中でも、成型性、取り扱い性の点で、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく用いられる。
【0017】
また、本発明に用いるポリエステルを与えるジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸以外には、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、並びに、それらの誘導体を挙げることができる。ジカルボン酸の誘導体としてはたとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどのエステル化物を挙げることができる。中でも、成型性、取り扱い性の点で、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、および、それらのエステル化物が好ましく用いられる。
【0018】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、低温での成型性、加工時の寸法安定性の観点から、100℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は、100MPa以上1000MPa以下であることが必要である。より好ましくは、300MPa以上950MPa以下であり、500MPa以上900MPa以下であれば最も好ましい。100℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、100℃付近の比較的低温でも熱賦形が可能となり、成型時の予熱時間の短縮、耐熱性の低い印刷層、コーティング層を積層した構成での使用も可能となり、また、印刷、蒸着、コーティング、ラミネートといった加工工程での寸法安定性も保持することができる。
【0019】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、高温領域での成型性、成型時の品位低下抑制、耐熱性の観点から、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が41MPa以上400MPa以下であることが必要である。180℃における貯蔵弾性率が、41MPa未満であれば、耐熱性が低くなってしまい、高温で成型した際にフィルム表面の粗化など品位が低下してしまう場合がある。逆に、180℃における貯蔵弾性率が400MPaより大きくなると、高温領域においても成型性が悪化する場合があるので好ましくない。耐熱性、成型性の観点から、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が70MPa以上300MPa以下であればさらに好ましく、90MPa以上200MPa以下であれば最も好ましい。180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、180℃付近の高温領域での成型が必要な場合でも、フィルムの品位を十分に保持することが可能となるため、低温では熱賦形が難しい樹脂等とのラミネート構成体としての使用も可能となるため好ましい。
【0020】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、複雑な形状への成型追従性、フィルム移送性の点から150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)がそれぞれ5MPa以上60MPa以下であることが必要である。成型応力を低くすることで、複雑な形状へ追従することができる。F100値が5MPa未満であると、成型加工での予熱工程でフィルム移送のための張力に耐えることができず、フィルムが変形、場合によっては破断してしまう場合があり、成型用途への使用に耐えないフィルムとなってしまう。逆に60MPaを超える場合は、熱成型時に変形が不十分であり、複雑な形状への成型が困難となってしまう。取扱い性、成型性の点で、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)は10MPa以上50MPa以下であれば好ましく、10MPa以上45MPa以下であれば最も好ましい。また、特に複雑な形状へ使用される場合は、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)は5MPa以上30MPa以下とすることが好ましい。
【0021】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、より複雑な形状へ成型するために、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の破断伸度がそれぞれ100%以上500%以下であることが好ましい。複雑な形状に成型する場合でも高い成型加工倍率に追随でき、また、経済性や耐熱性にも優れたものとできる。成型性、耐熱性、経済性の点で、フィルム長手方向および幅方向の伸度は100%以上400%以下であれば好ましく、150%以上400%以下であれば最も好ましい。
【0022】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃での貯蔵弾性率を100MPa以上1000MPa以下、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が41MPa以上400MPa以下に制御され、さらに150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)がそれぞれ5MPa以上60MPa以下のため、低温での熱賦形が可能であり、かつ、高温成型においてもフィルムの品位低下を抑制することができ、また複雑な形状への追従が可能であることから、幅広い温度領域での複雑形状への成型が可能であり、各種成型方法に適用できる。
【0023】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、100℃での貯蔵弾性率を100MPa以上1000MPa以下、180℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率が41MPa以上400MPa以下、さらに150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)がそれぞれ5MPa以上60MPa以下、を同時に満足する方法としては、例えば、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムとすることが好ましい。ポリエステルA層とポリエステルB層の積層構成とし、例えば、ポリエステルA層は高温領域でも高い貯蔵弾性率を保ち、ポリエステルB層は、低温領域でも低い貯蔵弾性率を示す層とすることで、目的とする幅広い温度領域での成型が可能となる。
【0024】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムである場合、低温領域での熱賦形性、寸法安定性の観点から、ポリエステルB層の示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける結晶融解ピーク温度(TmB)が、235℃以上246℃未満であることが好ましい。ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)が235℃未満であれば、寸法安定性が低下してしまう。一方、ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)が246℃以上になると、低温領域での熱賦形性が低下してしまう場合がある。より好ましくはポリエステルB層の結晶融解ピーク温度が、236℃以上244℃以下であり、237℃以上243℃以下であれば最も好ましい。本発明においては、結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度とする。
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムである場合、高温領域の耐熱性、成型性の観点から、ポリエステルA層の示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、結晶融解ピーク温度(TmA)は246℃以上254℃以下であることが好ましい。ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が246℃未満であれば、耐熱性が低下してしまう。一方、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が254℃より高くなると、成型性が低下してしまう場合がある。より好ましくはポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)は、247℃以上253℃以下であり、248℃以上252℃以下であれば最も好ましい。本発明においては、結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度とする。
【0025】
つまり、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、低温領域での熱賦形性、寸法安定性、高温領域の耐熱性、成型性の観点から、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が246℃以上254℃以下、ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)が235℃以上246℃未満であることが好ましい。
本発明におけるポリエステルB層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするための好ましい形態としては、ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、ジオール由来の構造単位(以下、ジオール単位という。)に対して、エチレングリコール由来の構造単位(以下、EG単位という。)を80モル%以上90モル%以下、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位(以下、CHDM単位という。)および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位(以下、NPG単位という。)を10モル%以上20モル%以下含有する(組成b−1)ことが好ましい。
【0026】
また、前記ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするため、ポリエステルB層が、以下の組成b−1(i)、(ii)であることが好ましい。
組成b−1(i)
・ジオール単位:EG単位80モル%以上90モル%以下、
CHDM単位及び/又はNPG単位10モル%以上20モル%以下
・ジカルボン酸(ジカルボン酸エステルを含む)に由来の構造単位(以下、ジカルボン酸単位という)に対して、テレフタル酸(テレフタル酸エステルを含む)由来の構造単位(以下、TPA単位という。)を95モル%以上100モル%以下
組成b−1(ii)
・ジオール単位:EG単位80モル%以上90モル%以下、
CHDM単位10モル%以上20モル%以下
・ジカルボン酸単位:TPA単位95モル%以上100モル%以下
本発明におけるポリエステルA層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするための好ましい形態としては、ポリエステルA層が、以下の組成a−1であることが好ましい。
組成a−1
・ジオール単位:EG単位90モル%以上99モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位1モル%以上10モル%以下
また、前記ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするための形態として特に好ましくは、組成a−1(i),(ii)である。
組成a−1(i)
・ジオール単位:EG単位90モル%以上99モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位1モル%以上10モル%以下
・ジカルボン酸単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
組成a−1(ii)
・ジオール単位:EG単位90モル%以上99モル%以下
CHDM単位1モル%以上10モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
つまり、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、低温領域での熱賦形性、寸法安定性、高温領域の耐熱性、成型性の観点から、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、それぞれ、組成a−1((i)又は(ii)), 組成b−1((i)又は(ii))となることが好ましい。
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、高い耐傷性が要求される用途へ使用される場合は、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステルA層が、組成a−2、組成a−2(i)であることが好ましい。
組成a−2
・ジオール単位:EG単位95モル%以上99モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位1モル%以上5モル%以下
組成a−2(i)
・ジオール単位:EG単位95モル%以上99モル%以下
CHDM単位1モル%以上5モル%以下
また、本発明におけるポリエステルA層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とし、さらに耐傷性を高める形態として特に好ましくは、組成a−2(ii)である。
組成a−2(ii)
・ジオール単位:EG単位95モル%以上99モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位1モル%以上5モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに、組成a−2(iii)であると好ましい。
組成a−2(iii)
・ジオール単位:EG単位95モル%以上99モル%以下
CHDM単位1モル%以上5モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに、耐傷性を高めたまま、低温領域での熱賦形性、高温領域の成型性を両立するためには、
ポリエステルB層が、組成b−2であることが好ましい。
組成b−2
・ジオール単位:EG単位80モル%以上85モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位15モル%以上20モル%以下
さらに、組成b−2(i)であることが好ましい。
組成b−2(i)
・ジオール単位:EG単位80モル%以上85モル%以下
CHDM単位15モル%以上20モル%以下
また、本発明におけるポリエステルB層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするための形態として特に好ましくは、ポリエステルB層が、組成b−2(ii)であることが好ましい。
組成b−2(ii)
・ジオール単位:EG単位80モル%以上85モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位15モル%以上20モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに組成b−2(iii)であることが好ましい。
組成b−2(iii)
・ジオール単位:EG単位80モル%以上85モル%以下
CHDM単位15モル%以上20モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
つまり、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、耐傷性、低温領域での熱賦形性、高温領域の成型性を両立するために、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、それぞれ、組成a−2((i)〜(iii)のいずれか), b−2((i)〜(iii)のいずれか)の組合せで有ることが好ましい。また、本発明におけるポリエステルA層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とし、低温で成型される用途へ展開する場合は、より低温領域での熱賦形性を向上させるために、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、
A層が組成a−3であることが好ましい。
組成a−3
・ジオール単位:EG単位90モル%以上95モル%未満
CHDM単位及び/又はNPG単位5モル%を超えて10モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに、組成a−3(i)であることが好ましい。
組成a−3(i)
・ジオール単位:EG単位91モル%以上95モル%未満
CHDM単位及び/又はNPG単位5モル%を超えて9モル%以下
また、組成a−3(ii),a−3(iii)であることがより好ましい。
組成a−3(ii)
・ジオール単位:EG単位90モル%以上95モル%未満
CHDM単位5モル%を超えて10モル%以下、
組成a−3(iii)
・ジオール単位:EG単位91モル%以上95モル%以下
CHDM単位5モル%を超えて9モル%以下
また、本発明におけるポリエステルA層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とし、さらに低温熱賦形性を高める形態として特に好ましくは、ポリエステルA層が、組成a−4であることが好ましい。
組成a−4
・ジオール単位:EG単位90モル%以上95モル%未満
CHDM単位及び/又はNPG単位5モル%を超えて10モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに、組成a−4(i)であることが好ましい。
組成a−4(i)
・ジオール単位:EG単位91モル%以上95モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位5モル%を超えて9モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
また、組成a−4(ii)、組成a−4(iii)がより好ましい。
組成a−4(ii)
・ジオール単位:EG単位90モル%以上95モル%以下
CHDM単位5モル%を超えて10モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
組成a−4(iii)
・ジオール単位:EG単位91モル%以上95モル%以下
CHDM単位5モル%を超えて9モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
さらに、低温領域での熱賦形性と、寸法安定性を両立するためには、ポリエステルB層が、組成b−4であることが好ましい。
組成b−4
・ジオール単位:EG単位85モル%以上90モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位10モル%以上15モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
であり、組成b−4(i)であることがより好ましい。
組成b−4(i)
・ジオール単位:EG単位85モル%以上90モル%以下
CHDM単位10モル%以上15モル%以下
また、本発明におけるポリエステルB層の結晶融解ピーク温度を上記範囲とするための形態として特に好ましくは、ポリエステルB層が、組成b−4(ii)であり組成b−4(iii)がより好ましい。
組成b−4(ii)
・ジオール単位:EG単位85モル%以上90モル%以下
CHDM単位及び/又はNPG単位10モル%以上15モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
組成b−4(iii)
・ジオール単位:EG単位85モル%以上90モル%以下
CHDM単位10モル%以上15モル%以下
・ジカルボン酸由来構造単位:TPA単位を95モル%以上100モル%以下
つまり、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、耐傷性、低温領域での熱賦形性、高温領域の成型性を両立するために、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであって、それぞれ、組成a−4((i)〜(iii)のいずれか)、組成b−4((i)〜(iii)のいずれか)であることが好ましい。
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、示差走査熱量測定(DSC)による2ndRunにおける、フィルム全体の昇温結晶化温度(Tcc)が、170℃以上190℃以下であることが好ましい。示差走査熱量測定(DSC)による2ndにおける、フィルム全体の昇温結晶化温度(Tcc)が、170℃以上190℃以下であるということは、結晶性を十分に有していながら、結晶化速度は遅く、つまり結晶と、ランダム非晶とが同時に形成されていることを示している。これにより、本発明の特徴である、低温領域での熱賦形性、寸法安定性、高温領域の耐熱性、成型性の効果をより高めることができる。昇温結晶化温度(Tcc)は、175℃以上190℃以下であればさらに好ましく、175℃以上185℃以下であれば最も好ましい。本発明において、示差走査熱量測定(DSC)による2ndRunにおける、フィルム全体の昇温結晶化温度(Tcc)を、170℃以上190℃以下とする方法としては、上記したような好ましい組成とし、樹脂温度を265〜290℃で15〜50分間の平均滞留時間を経てTダイから吐出する事が好ましい。樹脂温度が265℃より低かったり、平均滞留時間が15分未満であるとランダム非晶構造が十分に形成されずに、昇温結晶化温度(Tcc)が170℃未満となる場合がある。一方、樹脂温度が290℃よりも高くなると、結晶性が低下してしまい、昇温結晶化温度(Tcc)が190℃よりも高くなる場合がある。ここで、平均滞留時間とは、押出機に投入したポリエステル樹脂がTダイから吐出されるまでの時間であり、押出機のスクリュー回転数およびギアポンプの回転数により適宜調整することが可能である。なお、本発明では、昇温結晶化ピークが複数ある場合、熱流の絶対値が最も大きい温度を昇温結晶化ピーク温度とする。
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムであり、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)が、246℃以上254℃以下、ポリエステルB層の結晶化融解ピーク温度(TmB)が、235℃以上246℃未満である場合、複雑な形状への追従性、ポリエステルA層とポリエステルB層の層間密着性の観点から、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm1)と、2ndRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)が下記(I)式を満たすことが好ましい。
Tm1<Tm2・・・(I)
本発明では、示差走査熱量測定(DSC)の1stRunにおいても、2ndRunにおいても、結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度とする。
【0027】
本発明者らは、(I)式を満たすことで、幅広い温度領域において、優れた成型性を達成することを見出した。(I)式を満たすということは、1stRunにおいては、ポリエステルA層、ポリエステルB層それぞれの層に起因した結晶融解ピークが生じており、より結晶融解ピーク温度の低いポリエステルB層の寄与が大きい(熱流の絶対値が大きい)ので、フィルム全体としての結晶融解ピーク温度が低くなるが、一度フィルムを溶融させた後の2ndRunにおいては、より結晶融解ピーク温度の高いポリエステルA層の影響を受けて、フィルム全体としての結晶融解ピーク温度が高くなる。
【0028】
本発明において、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm1)と、2ndRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)が上記(I)式を満たすためには、ポリエステルA層の結晶融解ピーク温度(TmA)とポリエステルB層の結晶融解ピーク温度(TmB)の差(TmA−TmB)は、5℃以上20℃以下とすることが好ましく、10℃以上20℃以下とすることがさらに好ましい。
【0029】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムの達成手段としては、上記の通り、積層フィルム構成とし、さらにポリマー組成について特定の組成とするとともに、以下の通り、特定の製造条件を選択することが好ましい。つまり、押出機として、二軸押出機を用いることが好ましく、特に同方向二軸押出機を用いることが好ましい。
また、溶融押出時の押出機のシリンダー温度は、ポリエステルA層側の押出機、ポリエステルB層側の押出機ともに270〜295℃とし、樹脂温度を265〜290℃とし、ポリエステルA層側押出機のシリンダー温度をポリエステルB層側押出機のシリンダー温度より、5℃〜10℃高くすることが好ましい。また、A層とB層合流後の短管温度はB層側の押出機温度に設定することが好ましく、口金温度はB層側の押出機温度より高く設定することが好ましい。
【0030】
示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm1)と、2ndRunにおける、フィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)が上記(I)式を満たす延伸条件としては、延伸温度は延伸ムラが生じない程度に低くすることが好ましく、延伸倍率は高くすることが好ましい。特に、2ndRunにおけるフィルム全体の結晶融解ピーク温度(Tm2)を特定範囲とし、上記(I)式を満たすためには、延伸後の熱処理温度は高温で、かつ、ポリエステルB層の結晶融解ピーク温度以下とすることが好ましい。特に好ましくは、熱処理温度をB層の結晶融解ピーク温度(TmB)から、2℃以上15℃以下低い温度とすることが好ましい。本発明においては、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことができるが、好ましい延伸倍率としては、長手方向、幅方向のそれぞれの方向に、好ましくは、3.5倍以上4.2倍以下が採用される。また、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また延伸温度は、長手方向は70℃以上90℃以下、幅方向は、80℃以上110℃以下とすることが好ましい。また、延伸は各方向に対して複数回行っても良い。
【0031】
さらに二軸延伸後の熱処理はオーブン中、加熱したロール上などの任意の方法により行うことができるが、この熱処理は220℃以上240℃以下であり、かつポリエステルB層の結晶融解ピーク温度から2℃以上15℃以下低い温度とすることが好ましく、2℃以上10℃以下低い温度とすることがさらに好ましく、2℃以上7℃以下低い温度とすることが最も好ましい。なお、熱処理温度は、示差走査型熱量計(DSC)において窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度で測定したときのDSC曲線に熱履歴に起因する結晶融解ピーク温度前の微小吸熱ピーク温度(Tmeta)により求めることができる。
【0032】
また、好ましい熱処理時間としては、5〜60秒間で任意に設定することができるが、成型性、寸法安定性、色調、生産性の観点から、10〜40秒とすることが好ましく、15〜30秒とすることが好ましい。また、熱処理は、長手方向及び/又は幅方向に弛緩させながら、行うことで、熱収縮率を低減させることができるため好ましい。熱処理時の好ましい弛緩率(リラックス率)は、3%以上であり、寸法安定性、生産性の観点からは、3%以上10%以下であれば好ましく、3%以上5%以下であれば最も好ましい。
【0033】
また、2段階以上の条件で熱処理する方法も非常に好ましい。220℃〜240℃の高温での熱処理後に、熱処理温度より低い温度で、長手方向及び/又は幅方向に弛緩させながら熱処理することで、さらに熱収縮率を低減させることが可能となる。このときの2段階目の熱処理温度は120℃〜180℃であれば好ましく、150℃〜180℃であればさらに好ましい。
【0034】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムはA層の積層比H(−)(H(−)=(A層の厚み)(μm)/(フィルム全体の厚み)(μm))が0.01以上0.4以下であることが好ましい。積層比を0.01未満にしようとすると、A層の厚みが薄くなりすぎて、積層むらが生じる場合があるため好ましくない。また、積層比が0.4より大きい場合は、低温領域での熱賦形性が低下してしまう場合があるため好ましくない。積層比H(−)は0.05以上0.3以下であれば好ましく、0.1以上0.25以下であれば最も好ましい。また、A/B/Cの3層構成の場合、{(A層の厚み)+(C層の厚み))/(フィルム全体の厚み)も同様に0.01以上0.4以下であることが好ましい。製膜性の点からは、A層とC層の積層厚みは同等であることが好ましい。上記の積層厚み比は、A層を構成するポリエステルAと、B層を構成するポリエステルBを押出すときの吐出量を調整することにより達成することができる。吐出量は押出機のスクリューの回転数、ギヤポンプを使用する場合はギヤポンプの回転数、押出温度、ポリエステル原料の粘度などにより適宜調整できる。フィルムの積層比は、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、光学顕微鏡などで500倍以上10000倍以下の倍率で観察することによって、積層各層の厚みを測定し、積層比を求めることができる。
【0035】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型後の外観の観点から色調b値が−1.5以上1.5以下であることが好ましい。色調b値が−1.5より小さい場合、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを用いた成型体の見た目が青っぽくなり、外観が損なわれる。一方、色調b値が1.5より大きい場合は、見た目が黄っぽくなり、外観が低下してしまう。より好ましくは、色調b値は0以上1.5以下であり、0以上1.2以下であれば最も好ましい。ここで、色調b値とは、Lab表色系におけるb値の測定はJIS Z−8722−2000に基づき、透過測定により求めた値である。色調b値を−1.5以上1.5以下とする方法は特に限定されないが、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを製造する際の押出時の樹脂温度を275℃〜295℃に制御することが好ましい。押出時の樹脂温度は、樹脂の剪断発熱により押出機温度よりも高温化する場合があるため、樹脂の混練時間、樹脂粘度などから押出機温度を設定する必要がある。また、押出機内部を不活性ガス、好ましくは流通窒素雰囲気下とし、供給部内部の酸素濃度を0.7体積%以下、さらに好ましくは0.5体積%以下とすることが好ましい。本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、幅広い温度領域での複雑形状への成型性を達成するために、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位および/または、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を含有させることが好ましいが、これらの成分を含有することで、押出耐熱性が低下する場合があるため、押出時の樹脂温度、酸素濃度が重要となる。また、上記した押出温度、酸素濃度を採用することで、色調b値を−1.5以上1.5以下とすることができる。
【0036】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型後の寸法安定性を向上させるために、150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率がいずれも1%以下であることが好ましい。また、成型後の寸法安定性を向上させるために、150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率は、−1%以上であることが好ましい。ここで、150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率とは、フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った前後の標線間距離の変化率を指す。
【0037】
長手方向および幅方向のいずれも150℃における熱収縮率を−1%以上としたり、1%以下とすることで、フィルム成型後の成型部材を加熱した際の変形等を抑制することができるため非常に好ましい。
【0038】
150℃における長手方向および幅方向の熱収縮率をいずれも−1%以上1%以下とする方法としては、例えば、オフアニール処理が挙げられる。すなわち、一度巻き取ったポリエステルフィルムに、再び熱処理を施す方法である。
【0039】
150℃における熱収縮率は、いずれも0.8%以下とすることがさらに好ましく、0.5%以下とすることが最も好ましい。
【0040】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型後の寸法安定性を向上させるために、荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の150℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%であることが好ましい。当該特性を満たすことにより、フィルム成型後に、加熱条件下に保管した際のフィルムの変形を抑制することができ、例えばインサート成形、インモールド成形品の反り、樹脂からフィルムが剥がれるといった不具合の発生を防ぐことができる(成型後の寸法安定性は、例えば、[実施例](19)成型後寸法安定性1で評価することができる)。
【0041】
成型後の寸法安定性を向上するためには、上記した通りオフアニール処理が非常に有効である。オフアニール処理温度を140℃以上160℃未満とし、フィルム幅方向はフリーな状態、つまり、フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態にすることで幅方向の熱変形率を上記範囲にすることが可能であり、また、長手方向の巻き取り速度を巻き出し速度より+0.5〜5%低下させることで、長手方向の熱変形率を上記の範囲とすることが可能である。さらに、オフアニール処理後に段階的な冷却ゾーンを設けることで、より熱収縮率を低減させることができるため好ましい。より好ましくは、荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の150℃でのフィルムの熱変形率が0〜+2.5%であり、長手方向および幅方向の150℃でのフィルムの熱変形率が+0.5〜+2%であれば最も好ましい。
【0042】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型後の寸法安定性が特に厳しい用途へ展開する場合は、荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の少なくとも一方向の180℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%であることが好ましい。当該特性を満たすことにより、フィルム成型後に、高温加熱条件下に保管した際のフィルムの変形を抑制することができ、例えばインサート成形、インモールド成形品の反り、樹脂からフィルムが剥がれるといった不具合の発生を防ぐことができる(成型後の寸法安定性は、例えば、[実施例](20)成型後寸法安定性2で評価することができる)。
【0043】
上記熱変形率を達成するためには、オフアニール処理温度を160℃以上180℃以下とし、幅方向はフリーな状態、つまり、フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態にすることで幅方向の熱変形率を上記範囲にすることが可能であり、また、長手方向の巻き取り速度を巻き出し速度より0.5〜5%低下させることで、長手方向の熱変形率を上記の範囲とすることが可能である。さらに、オフアニール処理後に段階的な冷却ゾーンを設けることで、より熱収縮率を低減させることができるため好ましい。より好ましくは、荷重19.6mNで、25℃から220℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の180℃でのフィルムの熱変形率が0〜+3%であり、長手方向および幅方向の180℃でのフィルムの熱変形率が+0.5〜+2%であれば最も好ましい。
【0044】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型後の成型部材の意匠性の観点から、ヘイズが3%未満であることが好ましい。ヘイズを3%未満とすることで成型部材の意匠性が向上するために好ましい。より好ましくは、ヘイズは2.5%未満であり、2%未満であれば最も好ましい。
【0045】
ヘイズを3%未満とする方法としては、フィルムの搬送性を向上させるために含有させる粒子の濃度をできるだけ低減する方法が挙げられる。本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの搬送性を向上させるためにフィルム中に粒子を含有させることができる。ここで、使用する粒子としては特に限定されないが、搬送性、外観の点で、外部添加粒子が好ましく用いられる。外部添加粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミなど、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの外部添加粒子は2種以上を併用してもよい。搬送性、外観の点からフィルム中の粒子含有量はフィルム全体を100質量%として、0.001〜0.02質量%であれば好ましく、0.002〜0.01質量%であればさらに好ましい。
【0046】
フィルムの搬送性を低下させずに、粒子濃度を低減させる方法としては、例えば少なくともA層とB層とを有する2層以上の積層フィルムとし、A層またはB層のみに粒子を添加する方法が挙げられる。A層またはB層のみに粒子を添加することで、粒子の添加量を少なくでき、取扱い性を悪化させることなく、ヘイズを低減させることができる。取扱い性をさらに向上させるために、A層/B層/C層の3層構成として、A層およびC層のみに粒子を含有させる態様は非常に好ましい。
【0047】
また、ヘイズを3%以下とする方法として、延伸後の熱処理温度をB層の結晶融解ピーク温度(TmB)から、2℃以上低くすることが好ましい。
【0048】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型部材の深み性、形状保持性の点から、フィルム厚みは25μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であればさらに好ましく、75μm以上250μm以下であれば最も好ましい。
【0049】
次に本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムの具体的な製造方法の例について記載するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
【0050】
ポリエステルA層とポリエステルB層を有する積層ポリエステルフィルムとする場合、まず、ポリエステルA層に使用するポリエステルAとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂(a)と1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(b)を所定の割合で計量する。また、ポリエステルB層に使用するポリエステルBとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂(c)と1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(d)を所定の割合で計量する。
【0051】
そして、混合したポリエステル樹脂をベント式二軸押出機に供給し溶融押出する。この際、押出機内を流通窒素雰囲気下で、酸素濃度を0.7体積%以下とし、樹脂温度は265℃〜295℃に制御することが好ましい。ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
【0052】
本発明のフィルムは、耐熱性、寸法安定性の観点から二軸配向フィルムとすることが必要である。二軸配向フィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
【0053】
かかる延伸方法における延伸倍率としては、長手方向、幅方向のそれぞれの方向に、好ましくは、3.5倍以上4.2倍、さらに好ましくは3.5倍以上4.0倍以下、特に好ましくは3.5倍以上3.8倍以下が採用される。また、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また延伸温度は、長手方向は70℃以上90℃以下、幅方向は、80℃以上110℃以下とすることが好ましい。また、延伸は各方向に対して複数回行っても良い。
【0054】
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行う。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの結晶融解ピーク温度以下の温度で行われるが、好ましくは220℃以上240℃以下であり、より好ましくは、225℃以上235℃以下である。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは10秒以上40秒以下、最も好ましくは15秒以上30秒以下で行うのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、印刷層や接着剤、蒸着層、ハードコート層、耐候層といった各種加工層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、易接着層をコーティングさせることもできる。コーティング層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーやグラビアロールなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際、易接着層厚みとしては0.01μm以上1μm以下とすることが好ましい。また、易接着層中に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機粒子、帯電防止剤、核剤などを添加してもよい。易接着層に好ましく用いられる樹脂としては、接着性、取扱い性の点からアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。さらに、成型後の寸法安定性を向上させるためには、140〜180℃条件下でオフアニールすることが好ましい。
【0055】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの品位の点から酸化防止剤を含有していることが好ましい。酸化防止剤を含有することで、ポリエステル樹脂の乾燥工程、押出工程での酸化分解を抑制することができ、ゲル状異物による品位の低下を防ぐことができる。酸化防止剤の種類としては特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール類、ヒドラジン類、フォスファイト類などに分類される酸化防止剤を好適に使用することができる。なかでもペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどが好ましく用いられる。
【0056】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、屋外で使用させる場合、耐候性を付与することができる。耐候性を付与する方法としては、耐候層を積層する方法が挙げられる。耐候層とは、少なくとも波長350nm以上360nm以下の光エネルギーを吸収し、非常に速いエネルギー変換により無害な熱エネルギー、燐光や蛍光を放射し、ポリマー中の不純物の光励起、光化学反応を抑制し、白化、脆化、亀裂、黄変などを防止する機能を有する層のことであり、例えば耐候性樹脂層や、各種樹脂層に紫外線吸収剤を含有させた層などから構成される。特に積層した後の、フィルムの波長範囲350nm以上360nm以下の平均透過率が45%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下となることが好ましい。耐候層の好ましい厚みの範囲としては0.5μm以上20μm以下であり、1μm以上15μm以下であればさらに好ましく、2μm以上10μm以下であれば最も好ましい。また、耐候剤を添加する方法も挙げられる。耐候剤を添加する場合も耐候剤を添加したフィルムの波長範囲350nm以上360nm以下の平均透過率が45%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下となることが好ましい。使用する耐候剤としては特に限定されないが、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリルレート系化合物、ニッケル系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく使用できる。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物が好ましく使用され、分散性の点から、特にベンゾオキサジノン系化合物が好ましく使用される。これらの化合物は1種単独であるいは2種以上を併用することができる。またHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)、酸化防止剤等の安定剤を併用することもでき、特にリン系の酸化防止剤を併用することが好ましい。ここでベンゾトリアゾール系の化合物としては、例えば2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−アミルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−ブチルフェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を例示することができる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等をあげることができる。ベンゾオキサジノン系化合物としては、例えば2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(p−ベンゾイルフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2′−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2′−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)等を例示することができる。さらに優れた耐候性を付与する点で、シアノアクリレート系4量体化合物を他の紫外線吸収剤と併用することが好ましい。この場合、シアノアクリレート系4量体化合物は0.05〜2重量%含有させることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。シアノアクリレート系4量体化合物とは、シアノアクリレートの4量体を基本とする化合物であり、例えば、1,3ビス(2’シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシ)−2,2−ビス−(2’シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシメチルプロパン)である。ここでシアノアクリレートと併用する紫外線吸収剤としてはベンゾオキサジノン系化合物、特に2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)が好ましく、その添加量はフィルム中で0.3〜1.5重量%が好ましい。
【0057】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、耐傷性が特に厳しい用途に用いられる場合は、ハードコート層を積層することができる。ハードコート層とは、硬度が高く、耐傷性、耐摩耗性に優れたものであれば良く、アクリル系、ウレタン系、メラミン系、有機シリケート化合物、シリコーン系、金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性、更に、硬化性、生産性の点でアクリル系、特に活性線硬化型のアクリル系組成物、または熱硬化型のアクリル系組成物からなるものが好ましく用いられる。また、本発明ではハードコート層積層後のフィルムの鉛筆硬度がHB以上であることが好ましく、より好ましくはH以上であり、2H以上であれば最も好ましい。
【0058】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、金属調加飾に用いられる場合、フィルムの少なくとも片面に金属化合物を蒸着して使用することが好ましい。金属化合物を蒸着して使用することで、外観が金属調となり、現在メッキした樹脂が用いられている成型部品の代替品としても使用することができる。中でも、融点が150℃以上400℃以下である金属化合物を蒸着して使用することがより好ましい。掛かる融点範囲の金属を使用することで、ポリエステルフィルムが成型可能温度領域で、蒸着した金属層も成形加工が可能であり、成型による蒸着層欠点の発生を抑制しやすくなるので好ましい。特に好ましい金属化合物の融点としては150℃以上300℃以下である。融点が150℃以上400℃以下である金属化合物としては特に限定されるものではないが、インジウム(157℃)やスズ(232℃)が好ましく、特に金属調光沢、色調の点でインジウムを好ましく用いることができる。また、蒸着簿膜の作製方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。なお、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性をより向上させるために、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法により前処理しておいても良い。また、蒸着膜の厚みとしては、1nm以上500nm以下であれば好ましく、3nm以上300nm以下であればより好ましい。生産性の点からは3nm以上200nm以下であることが好ましい。
【0059】
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、印刷を施すことによって、成型部材の表面に用いられた場合、外観、意匠性を付与することができる。印刷方法は特に限定されないが、グラビヤ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが好ましく用いられる。また、印刷層の厚みは好ましくは、1nm以上20μm以下である。
【0060】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、成型部材の加飾用途に好ましく用いられるが、成型加飾方法として、例えばインモールド成形用途、インサート成形用途に好ましく使用される。ここで言うインモールド成形とは、金型内にフィルムそのものを設置して、インジェクションする樹脂圧で所望の形状に成形して成形加飾体を得る成形方法である。また、インサート成形とは、金型内に設置するフィルム成型体を真空成型、圧空成型、真空圧空成型、プレス成型、プラグアシスト成型などで作成しておき、その形状に樹脂を充填することで、成形加飾体を得る成形方法である。より複雑な形状を出すことができることから、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムはインサート成形用途に特に好ましく用いられる。
【0061】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃での貯蔵弾性率を低く、150℃での成型応力が低いため、100℃〜150℃といった低温での熱賦形が可能であり、また、180℃での貯蔵弾性率が特定の範囲であるため、高温成型が必要な成型方法においても、成型時の品位低下を抑制できることから、例えば、建材、モバイル機器、電機製品、自動車部品、遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。
【実施例】
【0062】
(1)結晶融解ピーク温度、結晶融解前の微小吸熱ピーク温度(Tmeta)、昇温結晶化温度(Tcc)
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。ポリエステル層もしくはポリエステルフィルムを5mg、サンプルに用い、1stRunとして、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を1stRunの結晶融解ピーク温度とした。結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度とした。また、結晶融解ピークの前に現れる微小の吸熱ピーク温度をTmetaとして読み取った。また、1stRun終了後に、サンプルを300℃で5分間保持し、その後、25℃まで急冷し非晶状態とした。25℃で5分後、2ndRunとして、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際の、発熱ピーク温度の頂点の温度を2ndRunの昇温結晶化温度(Tcc)とし、吸熱ピークの頂点の温度を2ndRunの結晶融解ピーク温度とした。昇温結晶化ピーク、結晶融解ピークが複数ある場合、熱流の絶対値が最も大きい温度をそれぞれ、昇温結晶化ピーク温度、結晶融解ピーク温度とした。なお、積層フィルムのA層、B層の評価は、厚みを測定して、各箇所を削り取って測定を行った。
【0063】
(2)ポリエステルの固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの極限粘度は、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
【0064】
(3)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
【0065】
(4)フィルム中の含有粒子濃度
ポリエステルフィルム10gをオルトクロロフェノール100g中に溶解させ、粒子をポリエステルから遠心分離することによってフィルム中に粒子を含有しているか評価することができる。また、粒子濃度は下記より求められる。
(粒子濃度)=(粒子の質量)/(フィルム全体の質量)×100
なお、本発明のフィルムについては、重合時に粒子を添加して作製した粒子マスター中の粒子濃度と、フィルム中のその粒子マスター濃度から計算により算出した。
【0066】
(5)ヘイズ
JIS K 7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーター(スガ試験器社製HGM−2GP)を用いてフィルムヘイズの測定を行った。測定は任意の3ヶ所で行い、その平均値を採用した。
【0067】
(6)フィルム厚み、層厚み
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で5000倍の倍率で観察し、フィルム厚みおよびポリエステル層の厚みを求めた。
【0068】
(7)150℃での100%伸長時応力(F100値)
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は予め150℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが100%伸長したとき(チャック間距離が100mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を100%伸長時応力(F100値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
【0069】
(8)150℃での破断伸度
(7)と同様の方法で、フィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行い、フィルムが破断したときの伸度をそれぞれの伸度とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
【0070】
(9)貯蔵粘弾性率
フィルムを長手方向および幅方向に長さ60mm×幅5mmの矩形に切り出しサンプルとした。動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DMS6100)を用い、下記の条件下で、100℃および180℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。
周波数:10Hz、試長:20mm、最小荷重:約100mN、振幅:10μm、
測定温度範囲:−50℃〜200℃、昇温速度:5℃/分。
【0071】
(10)熱収縮率
フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出した。測定は各フィルムとも長手方向および幅方向に5サンプル実施して平均値で評価を行った。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離)−(加熱処理後の標線間距離)}/(加熱処理前の標線間距離)×100。
【0072】
(11)熱変形率
フィルムを長手方向および幅方向に長さ50mm×幅4mmの矩形に切り出しサンプルとし、熱機械分析装置(セイコ−インスツルメンツ製、TMA EXSTAR6000)を使用して、下記条件下で昇温した際の各温度でのフィルム長の変化率を熱変形率とした。
【0073】
試長:15mm、荷重:19.6mN、昇温速度:5℃/分、
測定温度範囲:25〜220℃
熱変形率(%)
=[{目的温度でのフィルム長(mm)−試長(mm)}/試長(mm)]×100。
【0074】
(12)b値
JIS Z 8722(2000年)に基づき、分光式色差計(日本電色工業製SE−2000、光源 ハロゲンランプ 12V4A、0°〜−45°後分光方式)を用いて、各フィルムのb値を透過法により測定した。
【0075】
(13)成型性1
ポリエステルフィルムを、450℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が120℃の温度になるように加熱し、60℃に加熱した角形金型(65×65mm、高さ30mm)に沿って真空・圧空成型(圧空:0.2MPa)を行った。角形金型は、それぞれエッジ部分のRを2mm、3mmの2種類準備して真空・圧空成型を行った。金型に沿って成型できた状態を以下の基準で評価した。
A:R2mmで成型できた(R2mmを再現できた)。
B:R3mmで成型できた(R3mmを再現できた)が、R2mmは成型できなかった。C:R3mmで成型できなかった。
【0076】
(14)成型性2
ポリエステルフィルムを、450℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が150℃の温度になるように加熱し、60℃に加熱した角形金型(65×65mm、高さ30mm)に沿って真空・圧空成型(圧空:0.2MPa)を行った。角形金型は、それぞれエッジ部分のRを2mm、3mmの2種類準備して真空・圧空成型を行った。金型に沿って成型できた状態を以下の基準で評価した。
A:R2mmで成型できた(R2mmを再現できた)。
B:R3mmで成型できた(R3mmを再現できた)が、R2mmは成型できなかった。C:R3mmで成型できなかった。
【0077】
(15)成型性3
ポリエステルフィルムを、450℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が190℃の温度になるように加熱し、60℃に加熱した角形金型(70×70mm、高さ30mm)に沿って真空・圧空成型(圧空:0.2MPa)を行った。角形金型は、それぞれエッジ部分のRを2mm、3mmの2種類準備して真空・圧空成型を行った。金型に沿って成型できた状態を以下の基準で評価した。
A:R2mmで成型できた(R2mmを再現できた)。
B:R3mmで成型できた(R3mmを再現できた)が、R2mmは成型できなかった。C:R3mmで成型できなかった。
D1:成型後のフィルム表面に若干の粗れがみられたが、問題ないレベルであった。
D2:成型後のフィルム表面に粗れがみられた。
なお、A〜Cは成型後のフィルム表面に粗れは発生していないことが前提であり、D1、D2はR2mm、R3mmで成型できた場合も含まれる。A、B、D1であれば、合格レベルである。
【0078】
(16)成型性4
ポリエステルフィルムを、300℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が100℃の温度になるように加熱し、60℃に加熱した角形金型(65×65mm、高さ30mm)に沿って超高圧成型(圧力:8MPa)を行った。角形金型は、エッジ部分のRを2mmのものを準備して成型を行った。成型結果について以下の基準で評価した。
A:フィルムに白化、破断とも発生しなかった。
B:フィルムの破断は発生しなかったが、白化する箇所があった。
C:フィルムが破断した。
【0079】
(17)フィルム外観
フィルム表面にスクリーン印刷を行った。印刷は、ミノグループ(株)製インキU−PET(517)、スクリーンSX270Tを用いて、スキージスピード300mm/sec、スキージ角度45°の条件で行い、次いで65℃条件下の熱風オーブン中で15分間乾燥して、印刷層積層フィルムを得た。得られた印刷層積層フィルムについて、印刷層の反対面からのフィルム外観について、下記の基準で評価を行った。
A:印刷が鮮明であり、意匠性に優れた外観であった。
B:印刷が若干黄色い外観となった。
C:印刷が若干白っぽい外観となった。
【0080】
(18)寸法安定性
(17)と同様の条件でスクリーン印刷、乾燥を行った印刷層積層フィルムについて、印刷層の反対面のフィルム表面について、下記の基準で評価を行った。
A:フィルム表面に全く粗れ、うねりが見られず、表面性に優れたものであった。
B:フィルム表面にうねりが見られたが、表面性は問題ないレベルであった。
C:フィルム表面に粗れが発生し、表面性に劣るものであった。
【0081】
(19)成型後寸法安定性1
(15)で成型した成型体を射出成形金型にセットし、住友ダウ(株)製PC/ABS樹脂(SDポリカ IM6011)を、成形温度260℃にて射出成形し、インサート成形を行った。得られた成形体を70℃×10hの耐熱試験を行い、下記の基準で評価を行った。
A:成形体の形状に全く変化が見られなかった。
B:成形体がフィルム側へ、反りを生じたが、実用上問題ないレベルであった。
C:成形体がフィルム側へ反り、成形体端部からフィルムの剥離が生じた。
【0082】
(20)成型後寸法安定性2
(15)で成型した成型体を射出成形金型にセットし、住友ダウ(株)製PC/ABS樹脂(SDポリカ IM6011)を、成形温度260℃にて射出成形し、インサート成形を行った。得られた成形体を80℃×10hの耐熱試験を行い、下記の基準で評価を行った。
A:成形体の形状に全く変化が見られなかった。
B:成形体がフィルム側へ、反りを生じたが、実用上問題ないレベルであった。
C:成形体がフィルム側へ反り、成形体端部からフィルムの剥離が生じた。
【0083】
(21)耐傷性
フィルムをA4サイズにサンプリングし、日本合成化学工業(株)製のハードコート剤「紫光UV−7640B」と酢酸エチルを質量比1:1で混合し、#4メタリングバーにて均一に塗布した。塗布後、60℃の熱風オーブン中で3分間保管し、UV照射装置(アイグラフィックス製、ECS−401GX)にて、積算光量が450mJ/cmとなるようにUV照射を行った。得られたハードコート積層フィルム表面を、スチールウール#0000で荷重を変更し、一定荷重下で5往復(速度10cm/s)摩擦し、傷がつかなかった最大荷重を測定し、以下の基準で評価を行った。
A:最大荷重が1kg/cm以上
B:最大荷重が0.5以上1kg/cm未満
C:最大荷重が0.5kg/cm未満。
【0084】
(22)耐候性試験
紫外線劣化促進試験機アイスーパーUVテスターSUV−W131(岩崎電気製)を用い、下記の条件で強制紫外線照射試験を行った。
照度:100mW/cm、温度:60℃ 、相対湿度:50%RH、照射時間:6時間耐光性試験前後のフィルムについて、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業製)を用い、JIS−K−7105に従って透過法でb値を測定し、b値の変化量により、以下の基準で評価を行った。
A:Δb値が4未満
B:Δb値が4以上。
【0085】
(23)層間密着性
(7)と同様の方法で、フィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ5回ずつ引張試験を行い、フィルムが破断したときの破断箇所の両面に、日東電工(株)製OPP粘着テープ(ダンプロンエースNo.375)を貼り合わせ、OPP粘着テープ/引張試験後フィルムサンプル/OPP粘着テープの構成を作成し、ダンプロンテープを強制的に180°剥離をして引張試験後のフィルムサンプルの観察を行い、下記の基準で評価を行った。
A:層間の剥離が全く発生しなかった。
B:A層/B層間での剥離が、1回以上発生した。
【0086】
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
【0087】
(ポリエステルA)
ジカルボン酸成分としてテレフタル成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
【0088】
(ポリエステルB)
1,4−シクロヘキサンジメタノール がグリコール成分に対し33モル%共重合された共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 GN001)を、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートとして使用した(固有粘度0.75)。
【0089】
(ポリエステルC)
ジカルボン酸成分としてテレフタル成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が70モル%、ネオペンチルグリコール成分が30モル%であるネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.75)。
【0090】
(ポリエステルD)
ジカルボン酸成分としてテレフタル成分が82.5モル%、イソフタル成分が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.7)。
【0091】
(粒子マスター)
ポリエステルA中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
【0092】
(耐候剤マスター)
上記のように作成したポリエステルAと、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1ベンズオキサジン−4−オン)を質量比95:5で混合し、ベント式二軸押出機を用いて、280℃で混練し、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1ベンズオキサジン−4−オン)の耐候剤マスターを作製した。
【0093】
以下においては、実施例1〜10、および13〜28を参考例と読み替える。
(実施例1)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。各層の組成を表の通りとして、A層用の原料とB層用の原料をそれぞれ酸素濃度を0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給し、A層押出機シリンダー温度を270℃、B層押出機シリンダー温度を277℃で溶融し、A層とB層合流後の短管温度を277℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させA層/B層/A層からなる3層積層未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を80℃、延伸温度を85℃で長手方向に3.6倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。
【0094】
その後、コロナ放電処理を施し、基材フィルムの両面の濡れ張力を55mN/mとし、その処理面(フィルム両面)に、以下の塗剤A、B、C、Dを超音波分散させながら混合し、#4メタリングバーにて均一に塗布した。
・テレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1,4−ブタンジオール=28/9/10/3/15/18/17モル%の共重合組成から成るポリエステル樹脂: 6.0質量%
・メラミン架橋剤: 0.3質量%
・コロイダルシリカ粒子(平均粒径:80nm): 0.06質量%
・ブチルセロソルブ: 1.36質量%
・水: 92.28質量%
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度85℃、延伸温度95℃で幅方向に3.8倍延伸し、そのままテンター内にて温度234℃で5秒間の熱処理を行い、その後、幅方向に5%のリラックスを掛けながら150℃にて3秒間熱処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0095】
(実施例2)
実施例1のフィルムを、150℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0096】
(実施例3)
実施例1のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0097】
(実施例4)
A層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0098】
(実施例5)
実施例4のフィルムを、150℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0099】
(実施例6)
実施例4のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0100】
(実施例7)
A層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0101】
(実施例8)
実施例7のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0102】
(実施例9)
A層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0103】
(実施例10)
実施例9のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0104】
(実施例11)
A層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0105】
(実施例12)
実施例11のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0106】
(実施例13)
B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例7と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0107】
(実施例14)
実施例13のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0108】
(実施例15)
B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例7と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0109】
(実施例16)
実施例15のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0110】
(実施例17)
B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例7と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0111】
(実施例18)
実施例17のフィルムを、180℃の熱風オーブン中で幅方向フリー(フィルムをフィルム幅方向に拘束していない状態)、長手方向の巻き取り速度を巻きだし速度より1.5%低下させながらオフアニール処理を行い、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0112】
(実施例19)
積層比を表の通りに変更した以外は、実施例6と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0113】
(実施例20)
積層比を表の通りに変更した以外は、実施例6と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0114】
(実施例21)
A層押出機、B層押出機を単軸押出機とした以外は、実施例6と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0115】
(実施例22)
A層押出機シリンダー温度を275℃、B層押出機シリンダー温度を275℃で溶融し、A層とB層合流後の短管温度を275℃、口金温度を275℃とした以外は、実施例6と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0116】
(実施例23)
厚みを変更した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚み100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0117】
(実施例24)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0118】
(実施例25)
幅方向延伸後の熱処理温度を205℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0119】
(実施例26)
幅方向延伸後の熱処理温度を239℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0120】
(実施例27)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0121】
(実施例28)
押出機の酸素濃度を1体積%とした以外は実施例8と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0122】
(比較例1)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0123】
(比較例2)
単膜構成とし、組成を表の通りに変更し、幅方向延伸後の熱処理温度を220℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0124】
(比較例3)
単膜構成とし、組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0125】
(実施例29)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0126】
(実施例30)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0127】
(実施例31)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0128】
(実施例32)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0129】
(実施例33)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0130】
(実施例34)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0131】
(実施例35)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0132】
(実施例36)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0133】
(実施例37)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0134】
(実施例38)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0135】
(実施例39)
幅方向延伸後の熱処理温度を215℃に変更した以外は、実施例29と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0136】
(実施例40)
幅方向延伸後の熱処理温度を240℃に変更した以外は、実施例29と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0137】
(実施例41)
積層比を表の通りに変更した以外は、実施例31と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0138】
(実施例42)
積層比を表の通りに変更した以外は、実施例31と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0139】
(実施例43)
A層押出機、B層押出機を単軸押出機とした以外は、実施例31と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0140】
(実施例44)
A層押出機シリンダー温度を275℃、B層押出機シリンダー温度を275℃で溶融し、A層とB層合流後の短管温度を275℃、口金温度を275℃とした以外は、実施例31と同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0141】
(実施例45)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例29と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例46)
A層、B層の厚みを表の通りに変更した以外は、実施例37と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例47)
A層、B層の組成を表の通りに変更した以外は、実施例34と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例48)
押出機の酸素濃度を1体積%とした以外は、実施例34と同様にしてフィルム厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
【表4】
【0146】
【表5】
【0147】
【表6】
【0148】
【表7】
【0149】
【表8】
【0150】
【表9】
【0151】
【表10】
【0152】
【表11】
【0153】
【表12】
【0154】
【表13】
【0155】
【表14】
【0156】
【表15】
【0157】
【表16】
【0158】
【表17】
【0159】
【表18】
【0160】
【表19】
【0161】
【表20】
【0162】
表中の略語の意味は以下のとおりである。
EG:エチレングリコール
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
DEG:ジエチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃での貯蔵弾性率を低く、150℃での成型応力が低いため、100℃〜150℃といった低温での熱賦形が可能であり、また、180℃での貯蔵弾性率が特定の範囲であるため、高温成型が必要な成型方法においても、成型時の品位低下を抑制できることから、例えば、建材、モバイル機器、電機製品、自動車部品、遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。