特許第6051912号(P6051912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6051912無線通信システム、無線通信方法及びプログラム並びに記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051912
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信方法及びプログラム並びに記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20161219BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20161219BHJP
   H04W 74/04 20090101ALI20161219BHJP
   H04N 21/4363 20110101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04W72/04 150
   G06F13/00 357A
   H04W72/04 131
   H04W74/04
   H04N21/4363
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-26881(P2013-26881)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-158092(P2014-158092A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 吉満
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−330436(JP,A)
【文献】 特表2006−526371(JP,A)
【文献】 特開2002−344910(JP,A)
【文献】 特開2010−096973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
G06F 13/00
H04N 21/4363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示装置へ映像情報を送信する1又は複数の無線通信装置を有する無線通信システムであって、
前記表示装置へ表示する1又は複数の映像の表示サイズに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置に、映像情報の送信時間を割り当て、該映像情報の送信時間を通知するコマンドを生成するコマンドフレーム生成部と、
前記1又は複数の無線通信装置に、前記コマンドフレーム生成部により生成された前記コマンドを通知する、無線通信システム。
【請求項2】
前記コマンドフレーム生成部は、前記映像情報の送信時間を割り当てる際に、前記1又は複数の映像の表示サイズの比率に基づいて、前記映像情報の送信時間を割り当てる、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記コマンドフレーム生成部は、前記1又は複数の無線通信装置に送信する、前記1又は複数の無線通信装置の識別子と各無線通信装置に割り当てる映像情報の送信時間とを含むコマンドフレームを生成する、請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記コマンドフレームに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置において、前記映像情報の送信時間が変更される、請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記1又は複数の無線通信装置の少なくとも1つにより前記表示装置へ表示する映像の表示サイズを変更する要求を含むコマンドフレームが送信され、
前記コマンドフレーム生成部は、該コマンドフレームにより要求された前記表示装置へ表示する映像の表示サイズの変更が許可された場合に、前記表示装置へ表示する1又は複数の映像の表示サイズに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置の各々に映像情報の送信時間を割り当て、該映像情報の送信時間を通知するコマンドを生成する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記表示装置により、前記1又は複数の無線通信装置から送信された映像情報に基づいて、映像が表示される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
映像を表示する表示装置へ映像情報を送信する1又は複数の無線通信装置を有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記表示装置へ表示する1又は複数の映像の表示サイズに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置に、映像情報の送信時間を割り当て、
前記1又は複数の無線通信装置に、前記映像情報の送信時間を通知する、無線通信方法。
【請求項8】
映像を表示する表示装置へ映像情報を送信する1又は複数の無線通信装置を有する無線通信システムに、
前記表示装置へ表示する1又は複数の映像の表示サイズに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置に、映像情報の送信時間を割り当て、
前記1又は複数の無線通信装置に、前記映像情報の送信時間を通知する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では有線ネットワークの多くが無線ネットワークに置き換わり、特にタブレット端末、スマートフォンなど無線通信インターフェースしか持たないデバイス機器の登場により、無線通信ネットワークが今後も益々普及していくと予想される。
【0003】
無線通信ネットワークの需要の拡大に応じて、無線通信ネットワークの伝送速度も飛躍的に向上して、画像・動画情報などの大容量データ通信や、音声情報などのリアルタイム性が求められる通信も無線通信が可能になっている。
【0004】
無線通信技術の進歩は様々な分野に利益をもたらしている。例えばオフィスでのプレゼンテーションや会議などで使用するプロジェクタは、従来はPC等から出力される映像情報を投影するためにRGBケーブルなどを使用してPCとプロジェクタを接続していた。しかし、現在ではこの有線ケーブルを排除して無線ネットワークで接続することが可能な場合が多い。
【0005】
また、最近では、例えば会議などで複数人が参加する場合、複数のPCに保存されているプレゼンテーション資料などを同時に投影することができるプロジェクタなどがある。このプロジェクタと複数のPCを無線通信ネットワークで接続する。プロジェクタは、該プロジェクタに接続される無線通信機器から、各PCから出力される映像情報を順番に受信して、それらの映像情報を分割して投影する。更には、各映像情報の投影サイズの比率を外部機器、例えばリモコンなどで操作することも可能なプロジェクタもある。
【0006】
複数の映像生成装置に接続される無線通信端末から映像情報を無線通信により、映像投影装置に接続される無線通信装置に転送する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のPC等の映像生成装置を備える無線通信装置が、映像情報を伝送するために使用できる無線通信帯域は、プロジェクタが投影している画面サイズの比率に依存しない。例えば、ある無線通信装置から送信される映像情報が投影される画面サイズが他の無線通信装置から送信される映像情報が投影される画面サイズよりも大きい場合、前者のある無線通信装置に割り当てる通信帯域を大きくしないと、解像度が大きい映像情報、または低圧縮率の映像情報を送信することができない。仮に、前者のある無線通信装置に割り当てる通信帯域を大きくしないで、解像度が大きい映像情報、または低圧縮率の映像情報を送信した場合、結果として投影される画面の品質が悪化する。
【0008】
そこで、本発明は、表示する複数の映像の表示サイズが異なる場合であっても、映像情報の品質を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の一実施例の無線通信システムは、
映像を表示する表示装置へ映像情報を送信する1又は複数の無線通信装置を有する無線通信システムであって、
前記表示装置へ表示する1又は複数の映像の表示サイズに基づいて、前記1又は複数の無線通信装置に、映像情報の送信時間を割り当て、該映像情報の送信時間を通知するコマンドを生成するコマンドフレーム生成部と、
前記1又は複数の無線通信装置に、前記コマンドフレーム生成部により生成された前記コマンドを通知する。
【発明の効果】
【0010】
開示の実施例によれば、表示する複数の映像の表示サイズが異なる場合であっても、映像情報の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】無線通信システムの一実施例を示す図である。
図2】第1の無線通信装置の一実施例を示す図である。
図3】第5の無線通信装置の一実施例を示す図である。
図4】第1の無線通信装置の無線通信処理部の一実施例を示す図である。
図5】通信帯域調整・計算部の処理の一実施例を示す図である。
図6】無線通信システムにおける映像表示の一実施例を示す図である。
図7】画面サイズ変更要求フレームの一実施例を示す図である。
図8】第5の無線通信装置の無線通信処理部の一実施例を示す機能ブロック図である。
図9】画面サイズ比率変更通知フレームの一実施例を示す図である。
図10】無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
図11】無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施例は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施例に限られない。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0013】
<実施例>
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0014】
無線通信システムは、第1の無線通信装置100と、第2の無線通信装置200と、第3の無線通信装置300と、第4の無線通信装置400と、第5の無線通信装置500とを有する。第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、第4の無線通信装置400、及び第5の無線通信装置500は、デバイスと呼ばれることもある。
【0015】
第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400には、それぞれ映像生成装置が接続される。映像生成装置には、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)や、タブレット端末、スマートフォンなどのモバイル端末等が含まれる。第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400が、それぞれ映像生成装置を有するようにしてもよい。無線通信システムの一実施例では、第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400に、それぞれ映像生成装置が接続される。第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400は、映像生成装置により生成された映像を投影するための情報(以下、「映像情報」という)を第5の無線通信装置500へ無線送信する。
【0016】
第5の無線通信装置500には、映像投影装置などの表示装置が接続される。映像投影装置には、液晶ディスプレイ、液晶プロジェクタなどの映像を投影することができる装置が含まれる。第5の無線通信装置500が、映像投影装置を有するようにしてもよい。映像投影装置は、映像を投影する。無線通信システムの一実施例では、第5の無線通信装置500に映像投影装置が接続される。
【0017】
図1には、第5の無線通信装置500へ映像情報を無線送信する4台の無線通信装置が示されるが、1−3台であってもよいし、5台以上であってもよい。
【0018】
第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400は、第5の無線通信装置500へ映像情報を順番に無線送信する。
【0019】
映像投影装置は、第1の無線装置100−第4の無線通信装置400から、第5の無線通信装置500が順番に受信した映像情報の全てを投影画面に表示できるように合成し、投影する。映像投影装置は、順番に受信した映像情報の一部を投影画面に表示できるように合成するようにしてもよい。図1に示される例では、第5の無線通信装置500が、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400からの映像情報を、投影画面を4分割した領域にそれぞれ投影する。第5の無線通信装置500が順番に受信した映像情報を合成し、投影する場合、例えばフレームレートが30fps(Frame Per Sec)の場合、4台の第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400が全て33ms以内に映像情報の無線転送を完了させるのが好ましい。
【0020】
第5の無線通信装置500へ第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400が映像情報を無線送信する順番は、予め決定されていてもよいし、決定されていなくてもよい。例えば、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400がTDMA(Time Division Multiple Access)通信プロトコルを使用する場合は、送信順番は予め決定されているのが好ましい。また、WLAN(Wireless Local Area Network)の様なCSMA-CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)通信プロトコルを使用する場合は、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400の各々は送信準備ができており、且つ他の無線通信装置が無線送信していない期間に無線送信する。
【0021】
以下では映像投影装置がプロジェクタである場合について説明する。映像投影装置は、プロジェクタに限らず、PCのモニタなどと同じ機能を有するものであれば、特に限定されない。
【0022】
また、無線通信ネットワークに、第1の無線通信装置100−第5の無線通信装置500が含まれる場合について説明する。無線通信ネットワークに含まれる無線通信装置の台数に制約はないものとする。
【0023】
<第1の無線通信装置100>
図2は、第1の無線通信装置100の一実施例を示す。図2には、第1の無線通信装置100の回路構成ブロックの一実施例を示す。つまり、図2には、主に第1の無線通信装置100のハードウェア構成が示される。図2に示される回路構成ブロックは一例であり、同様の機能を実現できるものである場合は、異なる構成であってもよい。
【0024】
第2の無線通信装置200−第4の無線通信装置400の回路構成ブロックは、図2と略同一であるため、説明を省略する。
【0025】
第1の無線通信装置100は、CPU102と、メモリ104と、映像I/F106と、映像コーデック部108と、マルチプレクサ(MUX: multiplexer)110と、DMAC112と、無線通信処理部114とを有する。CPU102と、メモリ104と、マルチプレクサ110と、DMAC112と、無線通信処理部114は、バス116を介して接続される。
【0026】
映像I/F106は、映像生成装置との間のインターフェースである。映像I/F106には、該映像生成装置から映像情報が入力される。映像I/F106には、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のインターフェースが含まれる。
【0027】
映像コーデック部108は、映像I/F106と接続される。映像コーデック部108は、映像I/F106からの映像情報を圧縮する。映像コーデック部108により圧縮された映像情報は、メモリ104に入力される。
【0028】
マルチプレクサ110は、映像コーデック部108により圧縮された映像情報、映像I/F106からの圧縮されていない非圧縮の映像情報のうち、DMA転送する映像情報を選択する。
【0029】
メモリ104は、映像コーデック部108により圧縮された映像情報を格納する。
【0030】
DMAC112は、映像コーデック部108とメモリ104との間で、データのコピーを行う。また、DMAC112は、メモリ104と無線通信処理部114との間で、データのコピーを行う。
【0031】
無線通信処理部114は、圧縮した映像情報を無線通信する。
【0032】
CPU102は、第1の無線通信装置100の各部を制御するとともに、データフロー制御等を行う。
【0033】
映像生成装置からの映像情報は、映像I/F106を経由して映像コーデック部108で圧縮処理される。映像コーデック部108で圧縮処理された映像情報は、DMAC112によりDMA転送されることによりメモリ104に一旦格納される。
【0034】
また、映像I/F106からの映像情報がDMAC112によりDMA転送されることによりメモリ104に一旦格納されるようにしてもよい。この場合、映像情報は、映像コーデック部108により圧縮処理されない。
【0035】
マルチプレクサ110は、映像コーデック部108により圧縮された映像情報、映像I/F106からの圧縮されていない非圧縮の映像情報のうち、DMA転送する映像情報を選択する。
【0036】
自第1の無線通信装置100が無線転送できる時間になると、DMAC112は、メモリ104から無線通信処理部114に映像情報をDMA転送する制御を実行する。例えば、DMAC112は、自第1の無線通信装置100のTXOP(Transmission Opportunity)等の第5の無線通信装置500との間で通信できる時間(以下、「TXOP」という)が開始する際に、無線通信処理部114に映像情報をDMA転送する制御を実行するのが好ましい。無線通信処理部114は、DMA転送された映像情報を電波により送信する。つまり、第1の無線通信装置100は、自第1の無線通信装置100が無線転送できる時間では、第5の無線通信装置500との間で通信できる帯域を使用できる。
【0037】
<第5の無線通信装置500>
図3は、第5の無線通信装置500の一実施例を示す。図3には、第5の無線通信装置500の回路構成ブロックの一実施例を示す。つまり、図3には、第5の無線通信装置500のハードウェア構成が示される。図3に示される回路構成ブロックは一例であり、同様の機能を実現できるものである場合は、異なる構成であってもよい。
【0038】
第5の無線通信装置500を構成するブロックは、映像生成装置に接続される第1の無線通信装置100と映像コーデック部により伸張処理が行われる点以外は略同一である。
【0039】
第5の無線通信装置500は、プロジェクタ側に接続される。
【0040】
第5の無線通信装置500は、CPU502と、メモリ504と、映像I/F506と、映像コーデック部508と、マルチプレクサ510と、DMAC512と、無線通信処理部514とを有する。CPU502と、メモリ504と、映像コーデック部508と、DMAC512と、無線通信処理部514は、バス516を介して接続される。
【0041】
無線通信処理部514は、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400からの映像情報を受信する。
【0042】
DMAC512は、メモリ504へ、無線通信処理部514により受信された映像情報をDMA転送する制御を実行する。DMAC512は、映像コーデック部508とメモリ504との間で、データのコピーを行う。
【0043】
メモリ504は、無線通信処理部514により受信された映像情報を格納する。
【0044】
映像コーデック部508は、メモリ504に格納された映像情報の伸張処理を行う。映像コーデック部508により伸張処理された映像情報は、マルチプレクサ510に入力される。
【0045】
マルチプレクサ510は、映像コーデック部508により伸張処理された映像情報、メモリ504に格納された圧縮されていない非圧縮の映像情報のうち、映像I/F506へ入力する映像情報を選択する。
【0046】
映像I/F506は、映像投影装置との間のインターフェースである。映像I/F506は、映像投影装置に、映像情報を出力する。映像I/F506には、DVI、HDMI等が含まれる。
【0047】
CPU102は、第5の無線通信装置500の各部を制御するとともに、データフロー制御等を行う。
【0048】
第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400からの映像情報が載せられた電波は、無線通信処理部514により受信される。DMAC512は、メモリ504へ、無線通信処理部514により受信された映像情報をDMA転送する制御を実行する。プロジェクタにより映像情報が要求されると、映像コーデック部508は、順番に、メモリ504に格納された映像情報の伸張処理を行う。
【0049】
また、メモリ504に格納された映像情報の伸張処理を行わない場合には、メモリ504に格納された映像情報は、映像I/F506からプロジェクタに出力される。
【0050】
マルチプレクサ510は、映像コーデック部508により伸張処理された映像情報、メモリ504からの圧縮されていない非圧縮の映像情報のうち、映像I/F506へ入力する映像情報を選択する。
【0051】
ここで、各無線通信装置からの映像を投影する画像の表示サイズの比率に基づいて、各無線通信装置から受信した複数の映像情報の全てを投影画面に表示できるように合成する処理はプロジェクタ側で行うのが好ましい。第5の無線通信装置500により各無線通信装置からの映像を投影する画像の表示サイズの比率に基づいて、各無線通信装置から受信した複数の映像情報の全てを投影画面に表示できるように合成する処理を行うようにしてもよい。
【0052】
<無線通信処理部114>
図4は、無線通信処理部114の部分ブロック図である。
【0053】
無線通信処理部114は、CPUI/F1142と、プロトコル制御部1144と、信号処理部1146と、高周波回路1148とを有する。
【0054】
図4に示される通信帯域調整・計算部1150の機能は、CPU102により実行される。つまり、CPU102は、CPU102の内部に記憶されたコンピュータにより実行可能なプログラム(アプリケーション、ファームウェア)に従って機能し、所定の処理を行う。また、記憶部(図示無し)に記憶されたアプリケーションに従ってCPU102により、通信帯域調整・計算部1150としての機能が実行されてもよい。
【0055】
CPU102を通信帯域調整・計算部1150として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、媒体に記録されたプログラムが読み取られる。そして、CPU102は、読み込んだプログラムをメモリ104あるいは記憶装置(図示なし)に書き込み、このプログラムにしたがって処理を実行する。
【0056】
CPUI/F1142は、CPU102との間のインターフェースである。CPUI/F1142から、バス116を介して、CPU102へ接続される。
【0057】
プロトコル制御部1144は、CPUI/F1142と接続される。プロトコル制御部1144は、無線通信プロトコルを制御する。例えば、プロトコル制御部1144は、CPU102による制御に従って、MAC(Medium Access Control)制御を行う。プロトコル制御部1144は、送信データに対して、プロトコル制御を行う。
【0058】
信号処理部1146は、プロトコル制御部1144と接続される。信号処理部1146は、送信データに対して、変調処理などを行う。信号処理部1146は、高周波回路1148へ、変調処理を行った送信データを入力する。
【0059】
高周波回路1148は、信号処理部1146と接続される。高周波回路1148は、信号処理部1146からの変調処理を行った送信データを高周波信号に変換してアンテナから無線送信する。
【0060】
通信帯域調整・計算部1150は、第1の無線通信装置100に、画像の表示サイズ(以下、「画面サイズ」ともいう)の比率を変更することを通知するフレーム(以下、「画面サイズ比率変更通知フレーム」という)が受信された場合に、該画面サイズ比率変更通知フレームに含まれる画面サイズ比率情報から、第1の無線通信装置100に割り当てることができる送信時間(TXOP)を計算する。例えば、受信された画面サイズ比率変更通知フレームは、高周波回路1148、信号処理部1146を介して、プロトコル制御部1144に入力される。プロトコル制御部1144は、画面サイズ比率変更通知フレームから画面サイズ比率と、デバイスの識別子とを抽出する。ここで、デバイスの識別子は、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400のアドレスであるのが好ましい。プロトコル制御部1144により抽出された画面サイズ比率、デバイスアドレスは、通信帯域調整・計算部1150に入力される。通信帯域調整・計算部1150により計算されたTXOPは、プロトコル制御部1144へ入力される。
【0061】
図5は、通信帯域調整・計算部1150の処理を示す。通信帯域調整・計算部1150は、TXOPを計算する。図5では、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400の4台が、映像情報を送信する。第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400に接続される第5の無線通信装置500が映像投影装置に接続される。図5において、「デバイスA」は第1の無線通信装置100を示し、「デバイスB」は第2の無線通信装置200を示し、「デバイスC」は第3の無線通信装置300を示し、「デバイスD」は第4の無線通信装置400を示す。
【0062】
(1)は、プロジェクタが投影する画面サイズの比率が、略同一である場合を示す。つまり、第1の無線通信装置100:第2の無線通信装置200:第3の無線通信装置300:第4の無線通信装置400=1:1:1:1である場合を示す。この場合、各無線通信装置が獲得できるTXOP期間の比率は、略同一である。つまり、第1の無線通信装置100:第2の無線通信装置200:第3の無線通信装置300:第4の無線通信装置400=1:1:1:1とするのが好ましい。例えば、映像フレームの転送レートを30fps(Frame Per Sec)とし、コマンド転送用の期間、ビーコン転送用の期間をそれぞれ3msとする。この場合、第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400のそれぞれに割り当てられるTXOPは、33msから3msを引いた残りの30msを4等分した7.5msとなる。ここで、コマンド転送用の期間、ビーコン転送用の期間である3msは、無線ネットワークに参加しているデバイスの数に依存し、3msに限られない。
【0063】
(2)は、第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400のそれぞれに割り当てられるTXOPを異なるようにした場合を示す。例えば、第1の無線通信装置100、第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400からの受信エラー情報、転送レート情報等に基づいて、TXOPを割り当てるようにしてもよい。この場合、TXOPの割り当ては、第5の無線通信装置500により行われ、各無線通信装置に通知されてもよい。
【0064】
図5に示される例では、コマンド転送用期間はフレーム転送レート期間の最後に設けられ、その時間で必ず第5の無線通信装置500は、画面サイズ比率変更通知フレームをマルチキャスト転送、もしくは順番にユニキャスト転送するのが好ましい。フレーム転送レート期間の最後に限られず、コマンド転送用期間はフレーム転送レート期間内であれば、どこに配置してもよい。また、画面サイズの比率が変更した場合に、コマンド転送用期間が用意されてもよい。
【0065】
コマンド転送用期間に、画面サイズ比率変更通知フレームを受信した第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400は、自身のデバイスアドレスに設定されている画面サイズ比率を確認する。コマンド転送用期間に、画面サイズ比率変更通知フレームを受信した第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400は、自身のデバイスアドレス以外のその他のデバイスに設定されている画面サイズ比率を確認するようにしてもよい。
【0066】
例えば、画面サイズ比率が、第1の無線通信装置100:第2の無線通信装置200:第3の無線通信装置300:第4の無線通信装置400=6:1:1:1である場合、第1の無線通信装置100は自身のTXOPを7.5msから20(=30×6÷9)msに拡張する。第2の無線通信装置200、第3の無線通信装置300、及び第4の無線通信装置400は自身のTXOPを7.5msから3.3(=30×1÷9)msに縮小する。
【0067】
また、TXOPの拡張又は縮小を行うとともに、無線転送する映像情報のサイズを変更するために、獲得したTXOPの比率に応じて、コーデックの圧縮率を変更してもよい。
【0068】
また、TXOPの拡張又は縮小を行うとともに、フレームを間引く処理などを行ってもよい。
【0069】
また、画面サイズの比率に基づいて所定の計算をすることにより、TXOPの比率をもとめてもよい。
【0070】
図6は、映像投影装置により投影される映像の一実施例を示す。図6は、映像投影装置が、各無線通信端末から受信した映像情報の表示サイズを変更する場合について示す。
【0071】
図6に示される例では、画面サイズ比率が、第1の無線通信装置100:第2の無線通信装置200:第3の無線通信装置300:第4の無線通信装置400=6:1:1:1である。この場合、プロジェクタは、第1の無線通信装置100から受信した映像情報の表示サイズを大きく投影する。一方、映像投影装置は、第2の無線通信装置200−第4の無線通信装置400から受信した映像情報の表示サイズを小さく投影する。映像投影装置は、第1の無線通信装置200−第4の無線通信装置400から受信した映像情報の表示位置を適宜変更するようにしてもよい。該変更は、ユーザによる操作に従って実行されてもよい。
【0072】
また、通信帯域調整・計算部1150は、画面サイズの変更を要求する命令に従って、画面サイズの変更を要求するフレーム(以下、「画面サイズ変更要求フレーム」という)を生成する。
【0073】
図7は、画面サイズ変更要求フレームの一実施例を示す。
【0074】
画面サイズ要求フレームには、MACヘッダと、ペイロード部と、フレームチェックシーケンス(FCS: Frame Check Sequence)フィールドとが含まれる。ペイロード部には、変更比率情報が含まれる。変更比率情報には、縦方向の変更比率情報と、横方向の変更比率情報が含まれるのが好ましい。
【0075】
MACヘッダには、宛先アドレスが含まれる。通信システムの一実施例では、宛先アドレスには、第5の無線通信装置500のアドレスが含まれる。つまり、画面サイズ要求フレームは、第5の無線通信装置500へ、ユニキャスト転送される。
【0076】
<無線通信処理部514>
図8は、無線通信処理部514の部分ブロック図である。
【0077】
無線通信処理部514は、CPUI/F5142と、プロトコル制御部5144と、信号処理部5146と、高周波回路5148とを有する。
【0078】
図8に示されるコマンドフレーム生成部5150の機能は、CPU502により実行される。つまり、CPU502は、CPU502の内部に記憶されたコンピュータにより実行可能なプログラム(アプリケーション、ファームウェア)に従って機能し、所定の処理を行う。また、記憶部(図示無し)に記憶されたアプリケーションに従ってCPU502により、コマンドフレーム生成部5150としての機能が実行されてもよい。
【0079】
CPU502をコマンドフレーム生成部5150として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、媒体に記録されたプログラムが読み取られる。そして、CPU502は、読み込んだプログラムをメモリ504あるいは記憶装置(図示なし)に書き込み、このプログラムにしたがって処理を実行する。
【0080】
高周波回路5148は、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400からの無線信号を受信する。高周波回路5148により受信された無線信号は、信号処理部5146に入力される。
【0081】
信号処理部5146は、高周波回路5148と接続される。信号処理部5146は、高周波回路5148からの信号に対して、復調処理などを行う。信号処理部5146は、プロトコル制御部5144へ、復調処理を行ったデータを入力する。
【0082】
プロトコル制御部5144は、信号処理部5146と接続される。プロトコル制御部5144は、無線通信プロトコルを制御する。例えば、プロトコル制御部5144は、CPU102による制御に従って、MAC制御を行う。プロトコル制御部5144は、送信データに対して、プロトコル制御を行う。
【0083】
CPUI/F5142は、プロトコル制御部5144と接続される。CPUI/F5142は、CPU502との間のインターフェースである。CPUI/F5142から、バス516を介して、CPU502へ接続される。
【0084】
コマンドフレーム生成部5150は、画面サイズ比率変更通知フレームを作成する。例えば、第5の無線通信装置500に対して、映像投影装置に投影する画面サイズ比率の変更要求などがあった場合に、コマンドフレーム生成部5150に、画面サイズ比率変更情報が入力される。画面サイズ比率の変更要求は、プロジェクタに付随のリモートコントローラ(以下、「リモコン」という)などで行われるのが好ましい。コマンドフレーム生成部5150は、画面サイズ比率変更情報に基づいて、該画面サイズ比率変更情報を含む画面サイズ比率変更通知フレームを作成する。コマンドフレーム生成部5150により作成された画面サイズ比率変更通知フレームは、プロトコル制御部5144へ入力される。
【0085】
また、コマンドフレーム生成部5150は、第5の無線通信装置500が第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400から画面サイズ変更要求フレームを受信した場合に、画面サイズ比率変更通知フレームを作成する。コマンドフレーム生成部5150により作成された画面サイズ比率変更通知フレームは、プロトコル制御部5144へ入力され、信号処理部5146において変調される。信号処理部5146において変調された画面サイズ比率変更通知フレームは、高周波回路5148において無線信号に変換され、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400へ送信される。
【0086】
画面サイズ比率変更通知フレームには、第5の無線通信装置500のデバイスアドレスと、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400の画面サイズの比率とが含まれる。画面サイズ比率変更通知フレームはマルチキャストフレームであってもよいし、ユニキャストフレームであってもよい。ユニキャストフレームである場合、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400へ、順番に送信されるのが好ましい。
【0087】
図9は、画面サイズ比率変更通知フレームの一実施例を示す。
【0088】
画面サイズ比率変更通知フレームには、MACヘッダと、ペイロード部と、FCSフィールドが含まれる。FCSは、誤り検出用のハッシュ値であるのが好ましい。
【0089】
ペイロード部には、1又は複数のアドレスと、該アドレスに対応して1又は複数の画面サイズ比率とが含まれる。アドレスは、映像生成装置に接続されている無線通信装置のデバイスアドレスであるのが好ましい。画面サイズ比率は、各デバイスから送信される映像情報を投影する画面サイズの比率情報であるのが好ましい。図9には、N(Nは、N>0の整数)個のアドレスと、N個の画面サイズ比率とが含まれる。Nは、第5の無線通信装置500に接続されている無線通信装置の数と同数であるのが好ましい。
【0090】
MACヘッダには、宛先アドレスフィールドが含まれる。宛先アドレスフィールドには、宛先アドレスが含まれる。但し、画面サイズ比率変更通知フレームをマルチキャスト転送する場合には、宛先アドレスフィールドにはマルチキャストアドレスが含まれる。
【0091】
また、第1の無線通信装置100−第4の無線通信装置400から画面サイズ変更要求フレームを受信した場合、コマンドフレーム生成部5150は、該画面サイズ変更要求に従って処理を行うのが好ましい。しかし、必ずしも、コマンドフレーム生成部5150は、該画面サイズ変更要求に従って処理を行う必要はない。該画面サイズ変更要求に従って処理を行う場合、コマンドフレーム生成部5150は、映像投影装置に投影する画面サイズを変更することを要求するとともに、画面サイズの比率を変更したことを通知するフレームをマルチキャスト転送、もしくは順番にユニキャスト転送する。
【0092】
映像投影装置は、各無線通信装置からの映像情報の表示サイズの比率を変更した場合、映像情報の表示サイズの比率を変更したことを、自映像投影装置と接続されている第5の無線通信装置500に通知するのが好ましい。
【0093】
<無線通信システムの動作>
<第1の無線通信装置100の動作>
図10は、第1の無線通信装置100の動作の一実施例を示す。第2の無線通信装置200−第4の無線通信装置400の動作については、図10と略同一であるため、その説明を省略する。
【0094】
ステップS1002では、第1の無線通信装置100は、映像生成装置から映像データを取得する。第1の無線通信装置100は、周期的に映像生成装置から映像情報を取得するのが好ましい。
【0095】
ステップS1004では、第1の無線通信装置100は、ステップS1002で取得した映像データを圧縮する。映像コーデック部108は、映像データを圧縮する。
【0096】
ステップS1006では、第1の無線通信装置100は、メモリ104にステップS1004で圧縮された映像データをコピーする。DMAC112は、圧縮された映像データをメモリ104にDMA転送する。
【0097】
ステップS1008では、第1の無線通信装置100は、自第1の無線通信装置100のTXOPが開始されるか否かを判定する。プロトコル制御部1144は、自第1の無線通信装置100のTXOPが開始されるか否かを判定する。
【0098】
ステップS1010では、ステップS1008で自第1の無線通信装置100のTXOPが開始されると判定した場合、第1の無線通信装置100は、圧縮された映像データを無線送信する。
【0099】
ステップS1002−ステップS1010の処理は、フレームレート周期で繰り返し実行されるのが好ましい。
【0100】
ステップS1012では、ステップS1008で自第1の無線通信装置100のTXOPが開始されないと判定した場合、コマンド転送用期間が開始されるか否かを判定する。コマンド転送用期間が開始されないと判定した場合、ステップS1008に戻る。
【0101】
ステップS1014では、ステップS1012でコマンド転送用期間が開始されると判定した場合、第1の無線通信装置100は、画面サイズ比率変更通知フレームを受信したか否かを判定する。
【0102】
ステップS1016では、ステップS1014で画面サイズ比率変更通知フレームを受信したと判定した場合、第1の無線通信装置100は、自第1の無線通信装置100のTXOPを計算する。通信帯域調整・計算部1150はTXOPを計算し、プロトコル制御部1144に通知する。通信帯域調整・計算部1150は、自身のデバイスアドレスに設定された比率情報と、他の無線通信装置のデバイスアドレスに設定された比率情報をデコードして、自身のTXOPを再計算する。
【0103】
ステップS1018では、第1の無線通信装置100は、ステップS1016で計算したTXOPを設定する。通信帯域調整・計算部1150はTXOPを計算し、プロトコル制御部1144に通知する。設定されたTXOPは、次のフレーム転送レート期間から適用されるのが好ましい。
【0104】
ステップS1020では、ステップS1014で、画面サイズ比率変更通知フレームを受信しないと判定した場合、第1の無線通信装置100は、画面サイズの変更を要求するか否かを判定する。例えば、映像生成装置から画面サイズの変更通知がある場合に、画面サイズの変更を要求すると判定するのが好ましい。画面サイズの変更を要求しないと判定した場合、終了する。
【0105】
ステップS1022では、ステップS1020で、画面サイズの変更を要求すると判定した場合、第1の無線通信装置100は、画面サイズ変更要求フレームを生成し、送信する。
【0106】
ステップS1024では、第1の無線通信装置100は、画面サイズ比率変更通知フレームを受信したか否かを判定する。画面サイズ比率変更通知フレームを受信ないと判定した場合終了する。
【0107】
ステップS1026では、ステップS1024で、画面サイズ比率変更通知フレームを受信したと判定した場合、第1の無線通信装置100は、自第1の無線通信装置100のTXOPを計算する。
【0108】
ステップS1028では、第1の無線通信装置100は、ステップS1026で計算したTXOPを設定する。通信帯域調整・計算部1150はTXOPを計算し、プロトコル制御部1144に通知する。
【0109】
<第5の無線通信装置500の動作>
図11は、第5の無線通信装置500の動作の一実施例を示す。
【0110】
ステップS1102では、第5の無線通信装置500は、画面サイズ比率の変更要求があるか否かを判定する。例えば、リモコンなどにより、投影している画面サイズの比率を変更する要求があるか否かを判定するのが好ましい。
【0111】
ステップS1104では、ステップS1102で画面サイズ比率の変更要求があると判定した場合、第5の無線通信装置500は、画面比率情報を取得する。第5の無線通信装置500は、映像投影装置から画面比率情報を取得するのが好ましい。
【0112】
ステップS1106では、第5の無線通信装置500は、コマンド転送用期間が開始されるか否かを判定する。コマンド転送用期間が開始されないと判定した場合、ステップS1106へ戻る。
【0113】
ステップS1108では、ステップS1102で画面サイズ比率の変更要求がないと判定した場合、第5の無線通信装置500は、コマンド転送用期間が開始されるか否かを判定する。コマンド転送用期間が開始されないと判定した場合、ステップS1102に戻る。
【0114】
ステップS1110では、ステップS1108でコマンド転送用期間が開始されると判定した場合、第5の無線通信装置500は、画面サイズ変更要求フレームを受信したか否かを判定する。画面サイズ変更要求フレームを受信していないと判定した場合、終了する。
【0115】
ステップS1112では、ステップS1106でコマンド転送用期間が開始されると判定した場合又はステップS1110で画面サイズ変更要求フレームを受信した場合、第5の無線通信装置500は、画面サイズ比率変更通知フレームを生成し、送信する。例えば、第5の無線通信装置500は、接続している無線通信装置に画面サイズ比率変更通知フレームをマルチキャスト転送する。コマンド転送期間に画面サイズ変更要求フレームを受信した場合は、その旨をプロジェクタに通知するとともに、投影する画面比率を再計算して、その計算結果を記載した画面サイズ変更通知フレームをマルチキャスト転送する。
【0116】
ステップS1112で、第5の無線通信装置500は、無線接続している無線通信装置に順番にユニキャスト転送してもよい。
【0117】
通信システムの一実施例は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)、もしくはTDMA(Time Division Multiple Access)などのプロトコル全てに適用できる。
【0118】
無線通信システムの一実施例によれば、プロジェクタなどの映像投影装置が投影する画像の表示サイズの比率に応じて、該映像生成装置に接続される各無線通信端末に割り当てる通信帯域を使用できる時間を動的に変更することができる。各無線通信端末に割り当てる通信帯域を使用できる時間を動的に変更することにより、安定して高品質な無線通信環境を提供できる。結果として投影される映像情報の品質を維持することができる。
【0119】
また、画像の表示サイズの比率が変更された通知を映像生成装置に接続される複数の無線通信装置に送信することができる。該通知を受信した各無線通信装置は、自身の送信する映像情報が処理されることにより投影される画像の表示サイズの比率から送信するために予約すべき帯域を使用する時間を決定することができる。
【0120】
本発明は特定の実施例、変形例を参照しながら説明されてきたが、各実施例、変形例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に従った装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0121】
100 第1の無線通信装置
102 CPU
104 メモリ
106 映像I/F
108 映像コーデック部
110 マルチプレクサ
112 DMAC
114 無線通信処理部
116 バス
200 第2の無線通信装置
300 第3の無線通信装置
400 第4の無線通信装置
500 第5の無線通信装置
502 CPU
504 メモリ
506 映像I/F
508 映像コーデック部
510 マルチプレクサ
512 DMAC
514 無線通信処理部
516 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開2003−330436号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11