(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リング穴の周囲には、二分割された穴部のうち、少なくとも一方の穴部から外周に開放した開放溝が形成されている、請求項13から15のいずれか一項に記載の生体組織のクリップ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態のクリップ装置100の一部分解斜視図である。
図2から
図8は、クリップ30の一部斜視図である。
図2はクリップ30に連結フック23を連結した連結状態のクリップ装置100を示す。
図3は操作ワイヤ22を牽引し、クリップ30を閉じた収納準備状態のクリップ装置100を示す。
図4は操作ワイヤ22を更に牽引し、シース21内にクリップ30を収納した収納状態のクリップ装置100を示す。
図5は操作ワイヤ22を押し出し、シース21からクリップ30を突出させた突出状態のクリップ装置100を示す。
図6は操作ワイヤ22を牽引し、突出させたクリップ30を閉じた閉腕状態のクリップ装置100を示す。
図7は操作ワイヤ22を更に牽引し、クリップ30の仮結紮状態のクリップ装置100を示す。
図8は本発明の第一実施形態の操作ワイヤ22を更に牽引し、クリップ30を本結紮状態にするとともに連結フック23の連結状態を解除した離脱状態のクリップ装置100を示す。
図9は姿勢制御部50の一部拡大側面図、
図10は姿勢制御部50の一部拡大平面図である。
図11は締付リング40とシース21の開口端部との説明図であり、
図11(a)は端面側からみた正面図、
図11(b)は側面側からみた一部側面図である。
【0011】
クリップ装置100は、図示しないが、内視鏡に挿入して用い、操作ワイヤ22を牽引することで生体組織を結紮するものである。
クリップ装置100は、シース21内に収納可能なクリップ30と、一端部に操作ワイヤ22が固定され、他端部にクリップ30を着脱可能に連結する連結フック23と、クリップ30の周囲に嵌装することにより当該クリップ30を閉成する締付リング40と、を備える。
クリップ30の周囲には姿勢制御部50が設けられている。姿勢制御部50は、締付リング40を傾動させた状態で操作ワイヤ22を牽引することにより、締付リング40およびクリップ30のシース21内への収納を可能とする(
図3および4参照)。また、姿勢制御部50は、牽引に引き続き操作ワイヤ22を押し出してシース21から締付リング40およびクリップ30を突出させることにより(
図5参照)、締付リング40が傾斜状態からシース21の軸線に対して直交する向きに起立して直立状態(
図6および
図7参照)となることを許容する。これにより、姿勢制御部50は締付リング40およびクリップ30のシース21内への再収納を禁止する。
すなわち、姿勢制御部50により、シース21内への再収納を禁止することで、
図7に示すように、操作ワイヤ22の牽引によりクリップ30を本締めできる。
【0012】
クリップ装置100は、
図1に示すように、大別すると、クリップユニット10と、操作ユニット20と、から構成されている。
クリップユニット10は、クリップ30と、締付リング40と、から構成されている。
操作ユニット20は、クリップユニット10を操作するものであり、可撓性を有するチューブ状のシース21と、当該シース21内に進退自在に挿入された操作ワイヤ22と、連結フック23と、から構成されている。連結フック23は、操作ワイヤ22の先端に固定され、シース21の開口端部から出入り自在である。
【0013】
連結フック23は、
図1および
図2に示すように、平面が略チャネル形ないしC字形に形成され、クリップ30に向かって平行に延びる二本の腕片の対向する内面に、略円錐形に突出した一対の連結突起24が形成されている。一対の連結突起24は、連結フック23の弾性を利用して、クリップ30の後述する基端部31の内周側の空部内に嵌り込む。
【0014】
クリップ30は、たとえば板バネ等の金属製板材を中央部で折り曲げて形成したものである。
【0015】
クリップ30は、
図1に示すように、後方に向かって略U字形に屈曲し、前方に対向して延びる二つの端部を有し、連結フック23に連結される基端部31と、基端部31の二つの端部から前方にそれぞれ延び、互いに接近する方向に屈曲し、互いに接触することの無い二つの中間屈曲部32と、二つの中間屈曲部32からそれぞれ前方に延び、互いに離隔する方向に屈曲する二つの腕部33と、二つの腕部33からそれぞれ前方に延び、互いに接近する方向に屈曲した二つの先端爪部34と、を備える。
姿勢制御部50は、二つの腕部33の互いに背向する外面に線対称に形成されている。
すなわち、姿勢制御部50を二つの腕部33の互いに背向する外面に線対称に形成することで、二つの腕部33を締付リング40を介して均等に開閉できる。
【0016】
姿勢制御部50は、
図1および
図8に示すように、クリップ30の二つの腕部33の互いに背向する外面に凸状に一体に形成されている。
【0017】
姿勢制御部50は、
図1から
図10に示すように、クリップ30に対する締付リング40の前進および後退を規制している。
すなわち、姿勢制御部50により、締付リング40の前進および後退を規制することで、締付リング40がクリップ30から外れるのを防止できる。
【0018】
姿勢制御部50には、締付リング40の前進を規制する前進規制部51と、締付リング40の後退を規制する後退規制部52と、クリップ30に対する締付リング40の前後の移動を許容する移動部53と、を備えている。移動部53は、前進規制部51と後退規制部52との間に位置している。
すなわち、前進規制部51と後退規制部52との間に位置する移動部53の範囲内で締付リング40の前後の移動が許容され、クリップ30を開閉できる。
【0019】
前進規制部51には、
図9および
図10に示すように、締付リング40を傾斜状態から直立状態に起立させ、クリップ30の先端爪部を互いに接近させて仮結紮状態とするとともに、移動部53への逆行を許容する仮止め部55が設けられている。より具体的には、本実施形態の前進規制部51は、締付リング40と当接することにより締付リング40が自重により起立することを許容する。
すなわち、締付リング40を仮止め部55に位置させた状態で、操作ワイヤ22の牽引状態を解除することで、締付リング40を仮止め部55から移動部53に復帰させ、クリップ30を再び開放できる。
【0020】
前進規制部51には、
図9および
図10に示すように、仮止め部55に連続させ、締付リング40が更に前進した位置で、締付リング40が嵌り込み、仮止め部55への逆行を禁止するロック部54が設けられている。
すなわち、締付リング40が仮止め部55に位置した仮結紮状態から、操作ワイヤ22を更に牽引することで、締付リング40がロック部54に嵌り込み、仮止め部55への逆行が禁止される。
【0021】
前進規制部51は、
図9および
図10に示すように、腕部33の外面から凸状、たとえば断面半円形に突出し、中央部に凹状に凹んだロック部54を形成している。また、移動部53からロック部54に向かって上り傾斜した斜面または湾曲面を仮止め部55としている。
また、仮止め部55は、
図10に示すように、その移動部53との間の裾部分を、平面から見て円弧状に屈曲させることで、締付リング40(
図1から
図8を参照)のリング穴41との間の引っ掛かりを無くし、移動部53から仮止め部55に締付リング40が円滑に移動できるようにしている。
【0022】
後退規制部52は、
図1に示すように、前進規制部51から基端部31側に離れて位置し、
図9および
図10に示すように、腕部33の外面から凸状、たとえば断面扇形ないし断面三角形に突出し、切り立った面を前進規制部51側に向けている。
移動部53は、
図9および
図10に示すように、前進規制部51と後退規制部52との間に位置し、腕部33の外面をそのまま使用している。
【0023】
締付リング40が、
図1に示すように、平板状である。
すなわち、締付リング40を平板状とすることで、リング穴41を含めて、金属板の打ち抜き加工で容易に作成できる。
【0024】
締付リング40は、
図1に示すように、平板状の金属板を打ち抜き加工して形成され、外形を、
図11において上下に長い縦長の略長円形ないしは略小判形に形成している。また、締付リング40の中央には、表裏面に貫通し、
図11(a)において上下に長い縦長の略長方形のリング穴41が形成されている。
【0025】
締付リング40は、
図11(a)に示すように、全体の外形が縦長に形成されている。
長辺40aがシース21の開口端部の内径Lより大きく(長辺の長さA>内径L)設定されている。
短辺40bが開口端部の内径L以下(短辺の長さB=<内径L)に設定されている。
すなわち、締付リング40の外形の長辺40aおよび短辺40bの長さを上記のように設定することで、締付リング40を、
図7および
図8に示すように、直立状態としたときに、シース21内への収納が禁止され、
図3および
図4に示すように、傾斜状態としたときに、シース21内への収納が許容される。
【0026】
締付リング40は、
図1および
図11(a)、(b)に示すように、表裏面に貫通し、クリップ30の周囲に嵌り込む縦長のリング穴41が形成されている。
リング穴41の長辺41aは、クリップ30を閉成可能な長さ(長辺の長さC)に設定されている。
リング穴41の短辺41bは、クリップ30の横幅に略等しく(短辺の長さD)設定されている。
すなわち、リング穴41の長辺41aおよび短辺41bの長さを上記のように設定することで、締付リング40を、
図3および
図4に示すように、クリップ30に対して傾斜させることができる。
【0027】
リング穴41は、
図11(a)に示すように、長辺41aの方向において対向する二つの端部を有する。
傾斜状態においては、
図3および
図4に示すように、二つの端部のうち、一方の端部が二つの腕部33の一方に形成された前進規制部51側に位置し、残る他方の端部が二つの腕部33の他方に形成された後退規制部52側に位置する。
すなわち、締付リング40を前進規制部51側から後退規制部52側に向かって傾斜させることで、シース21内への収納を可能としている。
【0028】
つぎに、
図1から
図8を参照して、クリップ装置100の使用方法について説明する。
まず、
図1および
図2に示すように、連結フック23とクリップ30とを連結する。
つぎに、締付リング40の平面を、
図3に示すように、手などで、操作ワイヤ22の軸心に対して傾け、収納準備状態とする。
締付リング40を傾斜させた状態で、操作ワイヤ22を牽引して後退させ、
図4に示すように、締付リング40およびクリップ30をシース21内へ収納する。
収納状態で、図示しないが、内視鏡の鉗子孔に挿入する。
その後、図示しないが、患部に到着したら、操作ワイヤ22を押し出して前進させ、クリップ30をシース21から突出させる。このとき、締付リング40の平面が、
図5に示すように、操作ワイヤ22の軸心に対して垂直となる。
つぎに、操作ワイヤ22を牽引して後退させ、
図6に示すように、クリップ30を閉腕させ、患部を把持させる。更に操作ワイヤ22を牽引して後退させると、締付リング40は前進規制部51の仮止め部55に到達する(
図7を参照)。
すなわち、締付リング40が直立しているため、シース21の開口端面に当接して後退が規制され、クリップ30が単独でシース21内に引き込まれる。締付リング40がクリップ30に対して相対的に前進することで、クリップ30が閉腕される。
図6および
図7は、締付リング40が、移動部53の先端側または仮止め部55に位置する仮結紮状態である。このとき、操作ワイヤ22を後退させる牽引力を緩めることで、締付リング40を仮止め部55から移動部53の中央に復帰させ、クリップ30を再び開放させることができる。
図7に示す仮結紮状態から、更に操作ワイヤ22を牽引して、
図8に示すようにクリップ30を本締めする。このとき、締付リング40がロック部54に嵌り込み、仮止め部55への逆行が禁止される。
図8に示す本締め状態では、連結フック23とクリップ30との連結状態が解除され、クリップ30が離脱する。
クリップ30は患部を結紮した状態となり、締付リング40とともに、体内に留置される。患部が止血された後にクリップ30は体壁から落ちて体外に排泄される。
【0029】
<第二実施形態>
図12は、本発明の第二実施形態の姿勢制御部50の一部斜視図である。
【0030】
本実施形態のクリップ装置100は、姿勢制御部50のうち前進規制部51を、
図12に示すように、腕部33の外面から断面三角形状に突出させた点で第一実施形態と相違する。
【0031】
すなわち、前進規制部51は、
図12に示すように、腕部33の外面から断面三角形状、より具体的には断面直角三角形状に突出させている。ここでいう断面とは腕部33を長手方向に切った縦断面である。すなわち、腕部33を外側に断面直角三角形状に突出させ、その斜面を移動部53側に向けて形成することで、仮止め部210を形成している。また、断面直角三角形状の切り立った立面を、移動部53と反対側の先端側に位置させることで、ロック部200としている。また、断面直角三角形状の頂点を平坦に形成することで、ロック部200と仮止め部210との間に頂点平坦部220を形成している。
頂点平坦部220は、仮止め部210からロック部200への締付リングの移動を円滑にするためのものである。
【0032】
<第三実施形態>
図13(a)は、本発明の第三実施形態の締付リング300とシース21の開口端部を端面側からみた正面図である。
図13(b)は開口端部を側面側からみた一部側面図である。
【0033】
本実施形態のクリップ装置100は、その締付リング300のリング穴310をシース21の軸心に対して偏心させた点で第一実施形態と相違する。
【0034】
すなわち、リング穴310の中心は、シース21の軸心に対して偏心している。ここでいうリング穴310の中心とは、縦長のリング穴310の短手方向の中心をいう。
本実施形態のようにリング穴310を偏心させることで、締付リング300が、シース21の先端に対してリング穴310の周囲の三辺で係合する。このため、シース21から押し出された締付リング300が再収納されることが良好に防止される。操作ワイヤを牽引したときに、この三辺がシース21の端部に対して面直方向に支持されるため、締付リング300の残る細幅の一辺が折れ曲がってしまうことはない。
【0035】
具体的には、締付リング300は、
図13(a)に示したように、縦長に形成され、また、リング穴310も同様に縦長に形成されている。リング穴310は、同図において左側に寄せて形成することで、偏心させている。
【0036】
<第四実施形態>
図14は本発明の第四実施形態のセンタリング部材400の側面図、
図15はセンタリング部材400をシース21内に装填した一部断面図である。
【0037】
本実施形態のクリップ装置100は、
図14および
図15に示すように、操作ワイヤ22のセンタリングを行うためのセンタリング部材400をシース21内に内装した点で第一実施形態と相違する。
【0038】
すなわち、シース21内には、
図15に示すように、操作ワイヤ22のセンタリングを行うためのセンタリング部材400が内装されている。
センタリング部材400が内装することで、締付リングのリング穴が偏心している場合、クリップや操作ワイヤ22が屈曲した状態でシース21の内部に収容されるが、シース21の内壁とクリップとが極力干渉しないように、操作ワイヤ22を中心寄せできる。
【0039】
センタリング部材400は、
図14および
図15に示すように、球形に形成され、その外形をシース21の内径以下、たとえば略等しく設定する。センタリング部材400には、その中心を通り、直径方向に貫通する直線的な貫通孔410が形成されている。
貫通孔410には、
図15に示すように、操作ワイヤ22が通り、通過時にセンタリングが行われる。
【0040】
<第五実施形態>
図16は、本発明の第五実施形態のセンタリング部材500の側面図、
図17はセンタリング部材500をシース21内に装填した一部断面図である。
【0041】
本実施形態のクリップ装置100は、
図16および
図17に示すように、センタリング部材500が内装した点で第一実施形態と相違し、また、センタリング部材500が円筒形に形成されている点で先の第四実施形態と相違する。
【0042】
センタリング部材500は、
図16および
図17に示すように、円筒形に形成され、その直径をシース21の内径以下、たとえば略等しく設定する。センタリング部材500の円筒内部には、円の中心を通る直線的な貫通孔510が形成されている。
貫通孔510には、
図17に示すように、操作ワイヤ22が通り、通過時にセンタリングが行われる。
【0043】
<第六実施形態>
図18(a)は、本発明の第六実施形態の締付リング600とシース21の開口端部を端面側からみた正面図である。
図18(b)は開口端部を側面側からみた一部側面図である。
【0044】
本実施形態のクリップ装置100は、
図18(a)に示すように、締付リング600のリング穴610が二分割されている点で第一実施形態と相違する。
【0045】
すなわち、リング穴610は、二つの腕部33をそれぞれ独立して挿入可能に二分割されている。リング穴610を二分割することで、クリップ30に対する締付リング600のいわゆる芯ずれが生じにくくなり、シース21内への収納あるいは再収納の円滑化が図られる。
【0046】
具体的には、リング穴610の内部に仕切り部620が形成されている。仕切り部620を形成することで、当該仕切り部620がクリップ30の中心に留まり、締付リング600のいわゆる芯ずれの防止、ならびにシース21内への収納あるいは再収納の円滑化が図られる。
【0047】
より具体的には、締付リング600は、
図18(a)に示すように縦長に形成され、また、リング穴610も同様に縦長に形成されている。
リング穴610には、縦方向の中央に、横方向に延びた仕切り部620が橋渡し状に形成されている。仕切り部620は、左右両端部がリング穴610の左右の両側縁にそれぞれ連設されている。
リング穴610は、仕切り部620により上下の第一、第二穴部630,640に二分割される。上下の第一、第二穴部630,640には、クリップ30の二つの腕部33がそれぞれ独立して挿入され、二つの腕部33は第一、第二穴部630,640に沿ってそれぞれ独立して移動する。
【0048】
<第七実施形態>
図19(a)は、本発明の第七実施形態のクリップ30の斜視図であり、
図19(b)から(e)は本実施形態の締付リング700の例をそれぞれ示す正面図である。
【0049】
本実施形態のクリップ装置100は、
図19(b)から(e)に示すように、締付リング700のリング穴710が二分割されている点で第一実施形態と相違し、また、切れ目部750や開放溝760が形成されている点で先の第六実施形態と相違する。
【0050】
すなわち、仕切り部740には、
図19(b)、(d)および(e)に示すように、二分割された第一、第二穴部720,730を連通する切れ目部750が形成されている。
仕切り部740に切れ目部750を形成することで、締付リング700をクリップ30に装着する際に、仕切り部740の屈曲を可能として、クリップ30への装着性を改善できる。すなわち、クリップ30の基端部31を切れ目部750に通し、一対の対向する中間屈曲部32の間に仕切り部740を挟むようにして第一、第二穴部720,730にそれぞれ中間屈曲部32を装着する。これにより、クリップ30に対して側方から締付リング700を容易に装着することができる。
【0051】
また、リング穴710の周囲には、
図19(b)から(d)に示すように、二分割された穴部のうち、少なくとも一方の穴部720,730から外周に開放した開放溝760が形成されている。
リング穴710の周囲に開放溝760を形成することで、締付リング700をクリップ30に装着する際に、中間屈曲部32を締付リング700の側方から開放溝760に通すことができる。このため、クリップ30への締付リング700の装着性を改善できる。このとき、開放溝760を広げるように締付リング700を面直方向に弾性的に捩った状態で中間屈曲部32を通してもよい。
【0052】
具体的には、締付リング700は、
図19(b)から(e)に示すように、いずれも縦長に形成され、また、リング穴710も同様に縦長に形成されている。
リング穴710には、縦方向の中央に横方向に延びた仕切り部740が橋渡し状に形成されている。仕切り部740は、左右両端部がリング穴710の左右の両側縁にそれぞれ連設されている。
リング穴710は、仕切り部740により上下の第一、第二穴部720,730に二分割される。上下の第一、第二穴部720,730には、クリップ30の二つの中間屈曲部32がそれぞれ独立して挿入され、二つの中間屈曲部32は第一、第二穴部720,730に沿ってそれぞれ独立して移動する。
【0053】
図19(b)に示す締付リング700には、仕切り部740の一端部に、二分割された第一、第二穴部720,730を連通する切れ目部750が形成されている。
図19(c)に示す締付リング700は、上下に二個の開放溝760が形成されている。上下の開放溝760は、幅方向の反対側から左右互い違いに形成され、締付リング700全体が平面略S字形をなしている。
図19(d)に示す締付リング700には、切れ目部750および開放溝760が幅方向の同一側に形成されている。切れ目部750および開放溝760とは、連続的して形成され、締付リング700全体が平面略E字形をなしている。
図19(e)に示す締付リング700には、切れ目部750および開放溝760が幅方向の反対側に形成されている。切れ目部750と開放溝760とは独立して形成され、締付リング700全体が平面略G字形をなしている。
【0054】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記第一実施形態において、連結フック23を平面が略チャネル形ないしC字形に形成したが、当該形状に限定されない。また、連結突起24も、略円錐形に突出したが、これに限定されず、半円形に突出させてもよい。
たとえば上記第一実施形態において、姿勢制御部50をクリップ30に一体的に形成したが、これに限定されず、金属やプラスチックで別成形し、クリップ30に接合するようにしてもよい。
たとえば上記第一実施形態において、前進規制部51を断面半円形に突出させたが、これに限定されず、断面山形や断面三角形状に突出させてもよい。
たとえば上記第一実施形態において、移動部53として、腕部33の外面をそのまま使用したが、これに限定されず、腕部33の外面から隆起させ、前進規制部51および後退規制部52と一体的に形成してもよい。
たとえば上記第一実施形態において、締付リング40に金属板を使用したが、これに限定されず、プラスチックを使用してもよい。また、締付リング40を縦長の略長円形ないしは略小判形に形成したが、これに限定されず、縦横比が異なっていれば足りる。さらに、リング穴41を、縦長の略長方形に形成したが、これに限定されず、縦横比が異なっていれば足りる。
一方、たとえば、上記第三実施形態において、リング穴310を一方の横方向に寄せて形成したが、これに限定されず、一方の縦方向に寄せて形成してもよい。
【0055】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)内視鏡に挿入して用い、操作ワイヤを牽引することで生体組織を結紮するクリップ装置であって、前記クリップ装置は、シース内に収納可能なクリップと、一端部に前記操作ワイヤが固定され、他端部に前記クリップを着脱可能に連結する連結フックと、前記クリップの周囲に嵌装することにより当該クリップを閉成する締付リングと、を備え、前記クリップの周囲には、前記締付リングを傾動させた状態で前記操作ワイヤを牽引することにより前記締付リングおよび前記クリップの前記シース内への収納を可能とし、前記牽引に引き続き、前記操作ワイヤを押し出して前記シースから前記締付リングおよび前記クリップを突出させることにより、前記締付リングが傾斜状態から前記シースの軸線に対して直交する向きに起立して直立状態となることを許容することで、前記締付リングおよび前記クリップの前記シース内への再収納を禁止する姿勢制御部が設けられていることを特徴とする生体組織のクリップ装置。
(2)前記姿勢制御部は、前記クリップに対する前記締付リングの前進および後退を規制している、上記(1)に記載の生体組織のクリップ装置。
(3)前記姿勢制御部には、前記締付リングの前進を規制する前進規制部と、前記締付リングの後退を規制する後退規制部と、前記前進規制部と前記後退規制部との間に位置し、前記クリップに対する前記締付リングの前後の移動を許容する移動部と、を備えている、上記(2)に記載の生体組織のクリップ装置。
(4)前記前進規制部には、前記締付リングを前記傾斜状態から前記直立状態に起立させ、前記クリップの先端爪部を互いに接近させて仮結紮状態とするとともに、前記移動部への逆行を許容する仮止め部が設けられている、上記(3)に記載の生体組織のクリップ装置。
(5)前記前進規制部には、前記仮止め部に連続させ、前記締付リングが更に前進した位置で、前記締付リングが嵌り込み、前記仮止め部への逆行を禁止するロック部が設けられている、上記(4)に記載の生体組織のクリップ装置。
(6)前記クリップは、後方に向かって略U字形に屈曲し、前方に対向して延びる二つの端部を有し、前記連結フックに連結される基端部と、前記基端部の前記二つの端部から前方にそれぞれ延び、互いに接近する方向に屈曲し、互いに接触することの無い二つの中間屈曲部と、前記二つの中間屈曲部からそれぞれ前方に延び、互いに離隔する方向に屈曲する二つの腕部と、前記二つの腕部からそれぞれ前方に延び、互いに接近する方向に屈曲した二つの先端爪部と、を備え、前記姿勢制御部は、前記二つの腕部の互いに背向する外面に線対称に形成されている、上記(3)から(5)のいずれか一項に記載の生体組織のクリップ装置。
(7)前記締付リングは、全体の外形が縦長に形成され、長辺が前記シースの開口端部の内径より大きく、短辺が前記開口端部の内径以下に設定されている、上記(6)に記載の生体組織のクリップ装置。
(8)前記締付リングは、表裏面に貫通し、前記クリップの周囲に嵌り込む縦長のリング穴が形成され、前記リング穴の長辺は、前記クリップを閉成可能な長さに設定され、
前記リング穴の短辺は、前記クリップの横幅に略等しく設定されている、上記(6)または(7)に記載の生体組織のクリップ装置。
(9)前記リング穴は、前記長辺の方向において対向する二つの端部を有し、前記傾斜状態においては、前記二つの端部のうち、一方の端部が前記二つの腕部の一方に形成された前進規制部側に位置し、残る他方の端部が前記二つの腕部の他方に形成された後退規制部側に位置する、上記(8)に記載の生体組織のクリップ装置。
(10)前記リング穴の中心が前記シースの軸心に対して偏心している、上記(8)または(9)に記載の生体組織のクリップ装置。
(11)前記シース内には、前記操作ワイヤのセンタリングを行うためのセンタリング部材が内装されている、上記(10)に記載の生体組織のクリップ装置。
(12)前記締付リングが平板状である、上記(1)から(11)のいずれか一項に記載の生体組織のクリップ装置。
(13)前記リング穴は、前記二つの腕部をそれぞれ独立して挿入可能に二分割されている上記(8)に記載の生体組織のクリップ装置。
(14)前記リング穴の内部には仕切り部が形成されている、上記(13)に記載の生体組織のクリップ装置。
(15)前記仕切り部には、二分割された穴部を連通する切れ目部が形成されている、上記(14)に記載の生体組織のクリップ装置。
(16)前記リング穴の周囲には、二分割された穴部のうち、少なくとも一方の穴部から外周に開放した開放溝が形成されている、上記(13)から(15)のいずれか一項に記載の生体組織のクリップ装置。