(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である無線装置の構成図である。
無線装置250は、アンテナ(逆F型アンテナ)101と、センサ部205を有した無線モジュール201とを備え、アクセスポイント(AP)と無線通信を行うものである。また、無線装置250は、アンテナ101が固定され、発振器としての無線モジュール201がアンテナ101の軸方向に沿って平行に配設されたシャフト301を往復移動するように構成されている。
【0012】
(アンテナ101)
アンテナ101は、プリント基板103、共振周波数切り替え用可動部108、及び給電パターン切り換え用可動部109,110を備え、プリント基板103は、共振決定銅箔パターン102、高共振周波数用の給電銅箔パターン104、高共振周波数用の短絡銅箔パターン105、L字状の低共振周波数用の給電銅箔パターン106、及びL字状の低共振周波数用の短絡銅箔パタ一ン107が形成されており、低共振周波数用の短絡銅箔パタ一ン107は、その先端部が低共振周波数用の給電銅箔パターン106の屈曲部に接続されている。
【0013】
アンテナ101は、低共振周波数では、低共振周波数用の短絡銅箔パタ一ン107の軸方向部分、低共振周波数用の給電銅箔パターン106の軸方向部分、及び共振決定銅箔パターン102が共振部を構成し、高共振周波数では、共振決定銅箔パターン102のみが共振部を構成する。つまり、アンテナ101は、全長が変わることなく、共振が行われる共振部の長さ(共振長)が変わるように構成されている。なお、
図1では、2箇所の共振位置で説明しているが、実際には、
図6のように、共振位置をN個有している。
【0014】
また、アンテナ101は、いわゆる逆F型アンテナであり、低共振周波数用の短絡銅箔パタ一ン107や高共振周波数用の短絡銅箔パターン105が短絡部を構成し、低共振周波数用の給電銅箔パターン106や高共振周波数用の給電銅箔パターン104との間の距離を事前設定して、整合をとるようになっている。
【0015】
共振周波数切り替え用可動部108、及び給電パターン切り換え用可動部109,110は、例えば、マイクロスイッチやリードスイッチのような機械的スイッチであり、アンテナ外部にアンテナ可動部駆動機構304(
図4)や、制御部(AP)305(
図4))を設け、機械的スイッチをON/OFF制御できるように構成されている。また、共振周波数切り替え用可動部108をON/OFFしたときの共振部は、共振決定銅箔パターン102により、先端部(開放端)が共通になっている。なお、これらの可動部は、機械的スイッチに限定されず、例えば、トランジスタ等の電子的スイッチでもよい。
【0016】
(無線モジュール201)
無線モジュール201は、無線信号給電部202と、地板銅箔部203と、パケット生成部204と、センサ部205と搬送周波数特定部206とを備え、プリント基板上に実装されている。
【0017】
無線信号給電部202は、搬送周波数0.3〜6GHzの高周波信号(高周波電力)をアンテナ101に給電する構成部であり、アンテナ101からの反射波の電圧振幅、及び進行波の電圧振幅を測定することができるように構成されている。地板銅箔部203は、多層プリント基板を構成する複数層の銅パターンの1層であり、接地回路を構成する。無線信号給電部202、及び地板銅箔部203は、アンテナ101の銅箔パターン106,107や104,105の先端と近接配置されており、高周波的に接続されている。
【0018】
センサ部205は、圧力、温度、加速度等のアナログ量やデジタル量を検出するセンサであり、検出データをパケット生成部204に引き渡す。パケット生成部204は、センサ部205が検出した検出情報(センサ情報)をパケット化して、無線信号給電部202に引き渡す構成部である。
【0019】
搬送周波数特定部206は、無線モジュール201が往復移動中であっても、外部から位置情報を得ることなく、アンテナ101の共振周波数(搬送周波数)を特定し、無線信号給電部202に引き渡す機能部である。例えば、搬送周波数特定部206は、無線信号給電部202がアンテナ101に対して出力する進行波の電圧振幅とアンテナ101から反射する反射波の電圧振幅とを用いて、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)を演算し、この演算値が最小になるように搬送周波数を帰還制御する。なお、パケット生成部204、及び搬送周波数特定部206は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより機能を実現している。
【0020】
図2は、無線モジュールからアクセスポイントへの無線伝送手順を示すフローチャートである。
無線モジュール201は、センサ部205がセンサ情報を取得し(S2)、パケット生成部204が取得したセンサ情報をパケットに変換する(S4)。無線モジュール201は、搬送周波数特定部206が搬送周波数を特定し(S6)、無線信号給電部202がパケット化された無線電力(高周波信号、無線信号)をアンテナ101に給電する(S8)。このとき、搬送周波数特定部206は、無線信号給電部202に微小の高周波電力を出力させて、VSWRを演算し、演算されたVSWRが最小値になるように搬送周波数を決定する。そして、S2の処理に戻り、割り込み処理により停止するまで、無線パケットの給電が繰り返される。アンテナ101から送信された無線信号は、無線伝搬路を介して、アクセスポイントAPのアンテナにおいて受電され(S10)、アクセスポイントAPは、受電されたパケットの無線信号からセンサ情報を復号し(S12)、センサ情報を取得する(S14)。
【0021】
図3は、本発明の第1実施形態である無線システムの構成図であり、金属筐体内部におけるアンテナ、無線モジュール、アクセスポイントAPの配置関係を示している。
無線システムとして印刷装置(画像形成装置)を想定している。
図3において、印刷装置1000は、金属筐体と、印刷部と、制御部305とを備え、印刷部は、前記したアンテナ101、シャフト301、及び印字ヘッダ302等(
図4)とを備え、無線モジュール201は、印字ヘッダ302に取り付けられている(
図5参照)。制御部305は、印字ヘッダ302を制御すると共に、前記したアクセスポイントAPとして機能している。制御部305は、アンテナ101の先端部の後方に配設されている。
【0022】
また、
図3(a)は、無線モジュール201とAPとの間の距離が長い場合を示し、
図3(b)は、無線モジュール201とアクセスポイントAPとの間の距離が短い場合を示している。つまり、
図3(a)は、印字ヘッダ302、及び無線モジュール201がアンテナ101の一方の端部に移動した状態を示しており、
図3(b)は、印字ヘッダ302、及び無線モジュール201がアンテナ101の他方の端部に移動した状態を示している。
【0023】
アンテナ共振部の中点位置とアクセスポイントAPとの間の距離は、
図3(a)の状態では、低共振周波数用の給電銅箔パターン106(
図1)、及び共振決定銅箔パターン102(
図1)の中点位置とアクセスポイントAPとの間の距離であり、この距離が長くなっている。また、
図3(b)の状態では、アンテナ共振部の中点位置とアクセスポイントAPとの間の距離は、共振決定銅箔パターン102の中点位置とアクセスポイントAPとの間の距離であり、この距離が短くなっている。つまり、
図3(a)の状態の方が、
図3(b)の状態よりも伝搬損失が大きくなっている。なお、この伝搬損失は、単に距離だけの影響でなく、機器内部の金属物による影響も含まれている。
【0024】
図4は、印刷装置、及びこの印刷装置を備えた自動取引装置の構成図である。
自動取引装置2000は、通帳等の媒体に印刷する印刷装置1000と、現金入出金部510と、磁気カードやICカードに格納された個人情報を読み取るカード情報読取部520と、入力表示部530と、これらを制御する主制御部550とを備える。
【0025】
前記したように、印刷装置1000は、無線装置250と、印刷部と、制御部(AP)305とを備え、無線装置250は、アンテナ101と無線モジュール201とを備え、印刷部は、シャフト301と、印字ヘッダ302と、媒体搬送機構303と、アンテナ可動部駆動機構304とを備える。アンテナ可動部駆動機構304は、アンテナ101の可動部108,109,110の機械的スイッチのON/OFFを切り換えるアクチュエータである。
【0026】
このアンテナ可動部駆動機構304は、制御部(AP)305により制御され、印字ヘッダ302の往復移動に同期して制御される。印字ヘッダ302の移動と同期する手段としては、例えば印字ヘッダ302を駆動させるための駆動源としてパルスモータを用い、パルスモータの回転数を測定したり、パルスモータを駆動するパルス数を計数したりすることで印字ヘッダ302の位置を把握することができる。これにより、印字ヘッダの位置に適した可動部108,109,110を切り換えることができる。また、アンテナ可動部駆動機構304は、印字ヘッダ302の往復移動に伴って、可動部108,109,110をON/OFF駆動させるように機械的に構成することもできる。特に、アンテナ101の長さが数cmであり、その共振位置が2箇所や3箇所程度であれば、この機械的構成は有用である。
【0027】
図5は、印刷装置の側面図、及び平面図であり、
図5(a)が側面図であり、
図5(b)が平面図である。
媒体搬送機構303は、搬送路に沿った複数のローラ対により構成されている。シャフト301は、印字ヘッダ302の下部に設けられ、図示しない駆動源によって印字ヘッダ302を媒体搬送面内であって媒体搬送方向に対して直角方向(主走査方向)に往復移動するようになっている。印字ヘッダ302は、通帳等の媒体に印字する印字機構であり、媒体搬送面内であって媒体搬送方向に対して直角方向に往復移動することにより、順次、文字や数字を印字する。媒体搬送機構303は、媒体挿入口に挿入された通帳等の媒体を、サイドフレームに沿って、印字ヘッダ302まで搬送し、印字後、媒体を排出する。
【0028】
無線モジュール201は、印字ヘッダ302の上部に配設され、印字ヘッダ302と共に主走査方向に往復移動する。アンテナ101は、印字ヘッダ302の近傍に配設されており、媒体搬送面内であって媒体搬送方向に対して直角方向を向き、無線モジュール201に対して近接して配設されている。
【0029】
印刷装置1000の無線モジュール201は、センサ部205(
図1)が取得した印字状態情報データや周辺環境情報データをパケット化し、無線通信により低遅延で制御部(AP)305や主制御部550まで送信する。つまり、無線装置250を使用することで制御部(AP)における受信SNR(Signal to Noise Ratio)が高まり、従来技術よりも安定した無線通信が可能となる。
【0030】
図6は、N個の共振位置を有した逆F型アンテナの構成図である。
図1,3は、説明の便宜上、共振位置を2個にしていたが、本実施形態で使用されるアンテナ101は、最大N個の共振位置に給電用と短絡用との銅箔パターンセットが用意されており、共振周波数の変更に柔軟性を持たせている。
アンテナ101は、N個の共振位置1、2、・・・、(N−1)、Nを有し、各共振位置に対応して給電用銅箔パターン、及び短絡用銅箔パターンが設けられ、給電用銅箔パターン、及び短絡用銅箔パターンの何れかに無線モジュール201(
図1,3)が近接する。これにより、給電用銅箔パターン、及び短絡用銅箔パターンの何れかと無線モジュール201とが高周波的に接続される。
【0031】
(アンテナの動作説明)
図7は、無線モジュールが共振位置1にある場合の共振周波数切り換え可動部の状態を示す図である。
図7(a)は、アンテナ共振部が長くなるように、共振周波数切り替え可動部108のON、OFF状態が設定されている。つまり、アンテナ101は、可動部108が全てONに設定されており、給電パターン切り換え可動部109,110が全てOFFに設定されている。なお、
図7(b)は、
図7(a)の状態のアンテナ101の実際の見え方を示したものであり、共振部の長さが最も長くなっている。この状態のときの共振周波数がf1の場合、無線モジュール201は、f1が中心周波数となるように無線信号を送信する。
【0032】
図8は、無線モジュールが共振位置Nにある場合の共振周波数切り換え可動部の状態を示す図である。
図8(a)は、アンテナ共振部の長さが最も短くなるように、共振周波数切り替え可動部のON、OFF状態が設定されている。つまり、アンテナ101は、共振位置Nに対応した可動部109N,110NのみがONに設定されており、共振位置1,2,・・・,(N−1)に対応した可動部109,110、及び可動部108が全てOFFに設定されている。このとき、可動部109N,110Nは、開放されたスイッチ(可動部108)の近傍に配置された無線モジュール201と共振部の受電端とを接続する他のスイッチとして機能している。なお、
図8(b)は、
図8(a)に関して、アンテナの実際の見え方を示したものである。この状態のときの共振周波数がfnの場合、無線モジュール201は、fnが中心周波数となるように無線信号を送信する。
【0033】
ここで、アンテナ共振部の長さを短くするために、無線モジュール201を移動させずに、可動部(スイッチ)108で共振部の長さを変更することを考える。つまり、
図1に示す高共振周波数用の給電銅箔パターン104、及び高共振周波数用の短絡銅箔パターン105を設けることなく、可動部108をONすることにより、共振部を長くし、可動部108をOFFすることにより、共振部を短くすることを考える。例えば、共振部の長さの中点に可動部108を設け、可動部108をOFFすることにより、低共振周波数の約2倍の高共振周波数で共振させることを考える。
【0034】
この場合のアンテナ電流分布は、可動部108近傍では微小であるので、可動部108の有無は機能に影響しない。言い換えれば、可動部108よりも先端側の共振部により、電磁波の位相が打ち消され、全体としてアンテナとして機能しない。このため、
図3(b)や
図8のように、可動部108は、短絡銅箔パターン105近傍のインピーダンスが低いところで、OFF状態にするのが好ましい。言い換えれば、アンテナ101の共振部は、可動部108を短絡したときと、開放したときとで先端部(開放端)を共通させることが好ましい。
【0035】
(作用効果)
図9は、アンテナと無線モジュールとの間の反射特性を示す図であり、共振位置1、・・・、共振位置Nにおける反射特性を示している。
無線モジュール201が共振位置1に配置されているときの共振周波数をf1とし、共振位置Nに移動しているときの共振周波数をfnとする。アンテナ101は、共振位置1の方が共振位置Nよりも共振部の長さが長いため、共振周波数fnよりも低い搬送周波数f1で共振する。反射特性は、無線モジュール201の搬送周波数と共振周波数とが一致したとき、低反射率になるが、搬送周波数が共振周波数からずれたとき、高反射率となる。
【0036】
アンテナ101は、N個の共振位置を有しているので、共振周波数もN個存在する。この場合は、搬送周波数特定部206は、電圧定在波比(VSWR)が最小になるような共振周波数f1,・・・,fnを選択する。
【0037】
図10は、アクセスポイントと無線モジュールとの間の伝送距離に対する伝搬損失を示す図である。
図10において、実線は搬送周波数(共振周波数)がf1の場合であり、破線は搬送周波数(共振周波数)がfnの場合である。同図を用いて、本アンテナシステムの効果を示す。
一般的に、自由空間における伝搬損失L(d,f)[dB]は、
L(d,f)=32.44+20log
10(f)+20log
10(d)
で与えられる。ここで、d[km]は伝送距離であり、f[MHz]は搬送周波数である。伝搬損失は、伝送距離と共に増加し、搬送周波数が高い方がさらに増加する。
なお、自由空間でなく筐体内の場合は、金属等の遮蔽物が存在しており、電磁波のパスが遮断されるので、伝搬損失が理論式の値よりも20dB程度高くなることがある。
【0038】
アクセスポイントAPと共振位置1との間の距離d1、搬送周波数fnの場合の伝搬損失は、Loss(d1,fn)である。また、アクセスポイントAPと共振位置Nとの距離dn、搬送周波数fnの場合の伝搬損失は、Loss(dn,fn)である。Loss(d1,fn)とLoss(dn,fn)とを比較すると、Loss(dn,fn)よりもLoss(d1,fn)の方が大幅に大きな値である。
【0039】
ここで、無線装置250は、アンテナ101の共振位置1では、共振周波数、及び搬送周波数を低く設定し、f1とする。その伝搬損失Loss(d1,f1)は、Loss(d1,fn)よりも少なくでき、Loss(dn,fn)に近づけることができる。無線装置250によれば、伝搬損失が少ないため、共振位置1から送信された高周波信号はアクセスポイントAPにおいて高い受信SNRを達成できる。
【0040】
図11は、平面逆Fアンテナの特性シミュレーションに用いたガラスエポキシ(FR4)製プリント基板パターン図である。なお、プリント基板は、ガラスエポキシ製でなくても、絶縁基板を用いていれば、何でもよい。
この特性シミュレーションは、XY平面内にサイズ60mm四方のプリント基板を配置し、逆F部以外を接地(GND)させたベタ基板としている。この特性シミュレーションは、アンテナ共振部の長さをL[mm]とし、短絡部の銅箔長さをH[mm]とし、短絡部と給電部との間隔をS[mm]とし、周波数[GHz]して、電圧反射係数S11,及び各面(XY面,YZ面,ZX面)の最大利得(Max Gain)[dBi]を演算している。
【0041】
ここで、電圧反射係数S11は、散乱行列の一要素であり、利得の単位「dBi」は、アイソトロピックゲインを示している。利得の基準になるアイソトロピックアンテナは、指向性が立体的に見ると完全な球となる仮想の理想アンテナ(等方向性アンテナ)のことである。
【0042】
アンテナ共振部の長さLが短い場合(L=18.3mm)、且つ高い周波数(2.45GHz)で電圧反射係数S11が小さく(−36.99dB)、利得も高い(0.52〜2.36dBi)。また、アンテナ共振部の長さLが長い場合(L=53.57mm)、且つ低い周波数(0.92GHz)で電圧反射係数S11が小さく(S11=−19.64dB)、利得も高い(−4dBi程度)。つまり、逆F型アンテナの利得は、共振部の長さLが短い場合も、長い場合も、各々の共振周波数において、同程度である。
【表1】
【0043】
図12は、搬送周波数に対するアンテナ利得を示す特性図である。
実線は、本実施形態で期待できる特性であり、破線は、従来技術で想定される特性である。従来技術である電子部品の変更により共振周波数を低くした場合には、アンテナ長が低い搬送周波数において必要となる長さに満たないため、アンテナ利得が低くなってしまう。一方、本実施形態において共振周波数を低く設定した場合には、アンテナ長が低い搬送周波数において必要となる長さを十分に満たすことができるため、アンテナ利得の低下を防止することが可能となる。
【0044】
(比較例)
図3の印刷装置1000は、制御部305がアンテナ101の先端部の後方に配設されていた。ここで、制御部(AP)305が、アンテナ101の先端部の後方でなく、低共振周波数用の短絡銅箔パタ一ン107の後方に配設されている場合を考える。
図13は、比較例としての印刷装置の構成図である。印刷装置1000Bにおいて、アンテナ共振部の中点位置と制御部(AP)305Bとの間の距離は、
図13(a)の状態の方が
図13(b)の状態よりも短くなる。つまり、
図13(a)の状態は、伝搬距離が短く、共振周波数(搬送周波数)も低いので、最も伝搬損失が低減する状態である。一方、
図13(a)の状態は、伝搬距離が長く、且つ、共振周波数(搬送周波数)も高いので、伝搬損失が二重に増加している状態である。つまり、前記実施形態は、制御部(AP)305のアンテナがアンテナ101の先端部の後方に配設されていることを前提にしている。
【0045】
(変形例)
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。例えば、下記の変形が可能である。
(1)前記実施形態の無線装置250は、逆F型アンテナを前提として説明していたが、逆L型アンテナでもよく、λ/4ダイポールアンテナでもよい。また、無線モジュール201の移動により、アンテナの中点位置で給電するときは、T型アンテナ(λ/2ダイポールアンテナ)の構成になるように、銅箔パターンや可動部を配設することもできる。
(2)前記実施形態は、アンテナ101を筐体に固定し、無線モジュール201を移動させたが、無線モジュール201を筐体に固定させて、アンテナ101を移動させることもできる。つまり、アンテナ101と無線モジュール201との相対位置が変化する。