(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(A)は実施形態の組立治具を正面側から観た斜視図であり、
図1(B)は実施形態の組立治具を背面側から観た斜視図である。
【
図2】
図2は実施形態の組立治具の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【
図3】
図3は実施形態の組立治具の分解斜視図である。
【
図4】
図4は実施形態の組立治具を用いて組み立てられるPCカードカセットの分解斜視図である。
【
図5】
図5はカセット本体に装着された基板の先端部を拡大して示す説明図である。
【
図6】
図6は実施形態の組立治具を用いて組み立てられたPCカードカセットの斜視図である。
【
図7】
図7(A)は実施形態の組立治具に含まれる基台部を上面側から観た斜視図であり、
図7(B)は実施形態の組立治具に含まれる基台部を底面側から観た斜視図である。
【
図8】
図8は実施形態の組立治具に含まれる基台部の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【
図9】
図9(A)は実施形態の組立治具に含まれる第1壁部を正面側(第2壁部との対向面側)から観た斜視図であり、
図9(B)は実施形態の組立治具に含まれる第1壁部を背面側から観た斜視図である。
【
図10】
図10は実施形態の組立治具に含まれる第1壁部の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【
図11】
図11(A)は実施形態の組立治具に含まれる第2壁部を正面側から観た斜視図であり、
図11(B)は実施形態の組立治具に含まれる第2壁部を背面側(第1壁部との対向面側)から観た斜視図である。
【
図12】
図12は実施形態の組立治具に含まれる第2壁部の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【
図13】
図13(A)はカセット本体を正面側から観た斜視図であり、
図13(B)はカセット本体を背面側から観た斜視図である。
【
図14】
図14はカセット本体の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【
図15】
図15(A)は側部カバーを正面側から観た斜視図であり、
図15(B)は側部カバーを背面側から観た斜視図である。
【
図17】
図17(A)は底部カバーを底面側から観た斜視図であり、
図17(B)は底部カバーを上面側から観た斜視図である。
【
図19】
図19(A)は指掛け凹部の寸法を示す説明図であり、
図19(B)は指掛け凹部に作業者が親指を掛けた状態を示す説明図である。
【
図20】
図20(A)〜(C)は作業者が指掛け凹部に親指を掛けて、第2の接地面を作業台に当接させる工程を示す説明図である。
【
図21】
図21(A)〜(D)は指掛け凹部の寸法を決定する際に参照するマトリックスの例を示す説明図である。
【
図23】
図23はPCカードカセットの組立手順の一部を示す説明図である。
【
図24】
図24はPCカードカセットの組立手順の一部を示す説明図である。
【
図25】
図25はPCカードカセットの組立手順の一部を示す説明図である。
【
図26】
図26は案内部上をスライドさせて基板をカセット本体に搭載する様子を示す説明図である。
【
図27】
図27は基板の先端部がレンズ収納部に差し込まれる様子を示す説明図である。
【
図28】
図28はカセット本体に基板が搭載された状態を示す説明図である。
【
図29】
図29は、第3の接地面を作業台に当接させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、実際には存在する構成要素が省略されている場合がある。
【0011】
(実施形態)
まず、組立治具1の概略構成について
図1乃至
図3を参照しつつ説明する。
図1(A)は実施形態の組立治具1を正面側から観た斜視図であり、
図1(B)は実施形態の組立治具を背面側から観た斜視図である。
図2は実施形態の組立治具1の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
図3は実施形態の組立治具1の分解斜視図である。
【0012】
組立治具1は、基台部10、第1壁部21及び第2壁部31を備える。基台部10、第1壁部21、第2壁部31は、それぞれ導電性を有するMCナイロン製の板体である。第1壁部21は、基台部10に締結部材であるネジ100を用いて立設されている。第2壁部31は、第1壁部21と並列配置されることによって、第1壁部21との間に部材保持部としての保持溝50を形成している。第2壁部31は、第1壁部21に対し締結部材であるネジ100によって取り付けられるとともに、基台部10へ立設されている。
図1、
図2を参照すると、組立治具1は、少なくとも二箇所以上に作業台300への接地面を備える。具体的に、基台部10は、第1壁部21が立設された側と反対側に第1の接地面11を備える。第1の接地面11は、
図2(C)に示す組立治具1の底面として現れる面である。第1壁部21は、第2壁部31と対向する側の反対側に第2の接地面22を備える。第2の接地面22は、
図2(F)に示す組立治具1の背面図に現れる面である。第1壁部21は、基台部10が位置する側の反対側に第3の接地面24を備える。第3の接地面24は、
図2(B)に示す組立治具1の上面図に現れる面である。なお、本実施形態では、以下に説明するように電気製品を取り扱うため、組立治具1の素材として導電性を有するMCナイロンを用いているが、組立の対象物によっては、他の素材を用いてもよい。
【0013】
本実施形態の組立治具1は、三分割可能な態様であるが、治具全体を削り出し等で一体に形成してもよいし、適宜、分割可能な状態とすることもできる。例えば、基台部10と第1壁部21とを一体に成形し、そこへ、第2壁部31を取り付けてもよい。また、本実施形態では、第2壁部31を第1壁部21に取り付けているが、第1壁部21と第2壁部31とを一体に形成してもよい。なお、本実施形態では、ネジを用いて第1壁部21へ第2壁部31を取り付けているため、第1壁部21と第ニ壁部31との間に形成される部材溝50の間隔調整を行うことができる。さらに、基台部10は、厳密に第1壁部21や第2壁部31と区別されることが求められるものではなく、上述の第1の接地面11が形成された部分を基台部10とすることができる。
【0014】
組立治具1の各部の詳細な説明をする前に、
図4乃至
図6を参照してこの組立治具1を用いて組み立てられる物品の説明をする。本実施形態における組立治具1を用いて組み立てられるのは、PCカードカセット60である。PCカードカセット60は、基本的に作業者の手作業によって組み立てられる。
図4は実施形態の組立治具1を用いて組み立てられるPCカードカセット60の分解斜視図である。
図5はカセット本体70に装着された基板95の先端部を拡大して示す説明図である。
図6は実施形態の組立治具1を用いて組み立てられたPCカードカセット60の斜視図である。
【0015】
PCカードカセット60は、内部にPCカードを保持した状態で、サーバ等の電子機器の筐体に対し、抜き差しされる。PCカードカセット60は、一例であり、組立治具1は、他の構造の組立にも適用することができる。
【0016】
PCカードカセット60は、フレーム状のカセット本体70に装着された底部カバー80、側部カバー90及び基板95を備える。カセット本体70は、基板搭載部72を備え、この基板搭載部72に基板95が装着される。このとき、
図5に示すように、基板95の先端部がカセット本体70に設けられたレンズ収納部73内に挿入される。レンズ収納部73内にはレンズ77が設けられている。レンズ77は、入射部77aと点灯部77bを備える。基板95は、その先端部に設けられたセンサ素子95cの位置がレンズ77の入射部77aの位置と一致するようにカセット本体95に装着される。このとき、作業者は、センサ素子95cがレンズ収納部73の天板部73aやレンズ77に接触して破損させないように留意しなければならない。
【0017】
図4を参照すると明らかなように、カセット本体70に対し、底部カバー80、側部カバー90及び基板95の取付方向は異なっている。すなわち、組立作業には、複数の方向からの取付作業が含まれている。作業者が組立作業を行う場合、通常、対象物に対し、上方から目視しつつ組立作業することが望ましい。側方から作業することは、目視しづらく、また、取り付ける部品の保持の点でも作業がし難いからである。組立治具1は、作業者のこれらの要請に応えるものである。具体的に、組立治具1は、保持溝50に保持する部材としてカセット本体70を選定し、保持溝50に保持されたカセット本体70の向きを種々変更して、底部カバー80、側部カバー90及び基板95といった部品の装着を容易なものとする。各部品の組立作業時、組立治具1が備える第1の接地面11、第2の接地面22及び第3の接地面24を順次作業台300に接地させた状態とすることができる。これにより、作業者の上方から目視しながらの作業が許容される。
【0018】
以下、このような組立治具1及びPCカードカセット60について詳細に説明する。
【0019】
図7(A)、(B)及び
図8(A)乃至(F)を参照しつつ、基台部10について説明する。
図7(A)は実施形態の組立治具1に含まれる基台部10を上面側から観た斜視図であり、
図7(B)は実施形態の組立治具1に含まれる基台部10を底面側から観た斜視図である。
図8は実施形態の組立治具1に含まれる基台部10の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。基台部10は板状の部材からなる。基台部10は、組立治具1を立てたときにスタンドとなる部分であり、第1の接地面11を備える。また、保持溝50にカセット本体70を保持した状態で組立治具1が転倒しないような寸法を有する。これにより、
図2に示すように第1壁部21及び第2壁部31を装着した状態で、第2壁部31よりも前面側に突出する突出部12が形成される。
【0020】
基台部10は、第1壁部21を装着するためのネジ穴13を備える。また、切欠部14を備える。この切欠部14は、後に詳述する指掛け凹部40の一部となる。
【0021】
図9(A)、(B)及び
図10(A)乃至(F)を参照しつつ、第1壁部21について説明する。
図9(A)は実施形態の組立治具1に含まれる第1壁部21を正面側、すなわち、第2壁部31との対向面側から観た斜視図であり、
図9(B)は実施形態の組立治具1に含まれる第1壁部21を背面側から観た斜視図である。
図10は実施形態の組立治具1に含まれる第1壁部21の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【0022】
第1壁部21は、板状の部材であり、第1壁部21の背面側に位置する面は、第2の接地面22となる。第2の接地面22は、外壁面となり、その中央部に第1凹部22aを備える。この第1凹部22aは滑り止め部に相当する。なお、滑り止め部としては、例えば、滑り止めシートを貼着する等、従来公知の滑り止め手段を採用することができる。第2の接地面22は、第1凹部22aの両側に第2凹部22b及び第3凹部22cを備える。第2凹部22b及び第3凹部22cは、第1凹部22aと比較して深い。このような第2凹部22b及び第3凹部22cを設けることにより、第1壁部21の重量を軽減することができる。また、この第2凹部22b及び第3凹部22cは、組立治具1を持ち上げたり、保持したりするときの摘まみ部として用いることもできる。
【0023】
第1壁部21は、第1凹部22aの下側に開放凹部22dを備える。この開放凹部22dは、基台部10に設けられた切欠部14と一体となることによって、指掛け凹部40を形成する。指掛け凹部40は、第1の接地面11と、これに隣り合う第2の接地面22とに亘って設けられ、第2の接地面22が作業台に接している状態のときに、作業者が自らの親指201を差し入れることができる部分である。作業者は、親指201を指掛け凹部40に差し込むことにより、組立治具1を掬いあげるように持ち上げることができる。なお、開放凹部22dの奥側には、数条の細かい溝が刻まれた滑り止め部22d1が設けられている。
【0024】
第1壁部21は、組立治具1とされたときに第2壁部31と対向する対向面23を備える。この対向面23は、第1壁部21における第2の接地面22の裏面側に位置する。対向面23の上縁部23aには、基板搭載部72に基板95を搭載するときに、基板95の案内をする案内部23bが設けられている。案内部23bは、保持溝50に保持された部材であるカセット本体70に組み付けられる部品、すなわち、基板95をカセット本体70の組み付け位置に案内するものである。具体的に、案内部23bは、基板95をカセット本体70に対して斜めに供給することができる傾斜面である。対向面23には、第2壁部31を装着するためのネジ穴25を備えている。
【0025】
第1壁部21は、基台部10が位置する側の反対側に第3の接地面24を備える。すなわち、第2の接地面22と対向面23とに挟まれた面が第3の接地面24となる。この第3の接地面24の高さ方向の位置は、組立作業時に、カセット本体70に装着された基板95が作業台300に接触しないように設定されている。
【0026】
第1壁部21は、
図10(C)を参照すると、基台部10との当接面26を備え、当接面26には、基台部10に第1壁部21を装着するためのネジ穴27が設けられている。当接面26は、第3の接地面24と反対側の面となる。このように、第3の接地面24は、基台部10が位置する側の反対側に位置する。
【0027】
つぎに、
図11(A)、(B)及び
図12(A)乃至(F)を参照しつつ、第2壁部31について説明する。
図11(A)は実施形態の組立治具1に含まれる第2壁部31を正面側から観た斜視図であり、
図11(B)は実施形態の組立治具に含まれる第2壁部31を背面側、すなわち、第1壁部21との対向面側から観た斜視図である。
図12は実施形態の組立治具1に含まれる第2壁部の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【0028】
第2壁部31は、第1壁部21と比較して、高さが低い。これは、保持溝50に保持されるカセット本体70との干渉を回避するための措置である。第2壁部31は、第1壁部21と対向する対向面32を備える。対向面32は、第1壁部21と第2壁部31とが対向した状態で並列配置されることによって、第1壁部21の対向面23とともに保持溝50を形成する。対向面32の底部には、保持溝の底部51を形成する段部32dを備える。このような、対向面32は、保持溝50の形状をその底部51に向かうに従って幅狭とする形状を有している。具体的に、第2壁部31は、対向面32の上縁部に位置するテーパ部32a、その下側に位置する中間部32b及び底部に近い位置に設けられ保持溝50の内側に突出する段部32cを備える。このように、保持溝50の形状を底部51に向かうに従って幅狭とすることにより、保持対象物であるカセット本体70を確実に保持するとともに、容易に抜き取る状態とすることができる。なお、本実施形態では、保持溝50の幅を徐々に変化させることによって保持対象物であるカセット本体70を保持しているが、他の手段、例えば、板バネ等を保持溝50内に装備して、カセット本体70を保持するようにしてもよい。
【0029】
第2壁部31は、対向面32の裏面側となる面、すなわち、
図11(A)に現れた正面33側に凹部33aを備える。この凹部33aは、凹部33aは滑り止め部に相当する。なお、滑り止め部としては、例えば、滑り止めシートを貼着する等、従来公知の滑り止め手段を採用することができる。
【0030】
第2壁部31は、第2壁部31を第1壁部21へ取り付けるためのネジ穴35を備える。また、第2壁部31は、
図12(C)を参照すると、基台部10との当接面36を備え、当接面36には、基台部10に第2壁部31を装着するためのネジ穴37が設けられている。
【0031】
つぎに、
図13(A)、(B)及び
図14(A)乃至(F)を参照しつつ、カセット本体70について説明する。
図13(A)はカセット本体70を正面側から観た斜視図であり、
図13(B)はカセット本体70を背面側から観た斜視図である。
図14はカセット本体70の6面図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は左側面図、(F)は背面図である。
【0032】
カセット本体70は、フレーム状の部材である。カセット本体70は、側板部71を備える。側板部71の上縁部には、基板搭載部72を備える。基板搭載部72は、切欠部72aを備える。切欠部72aは、基板95との干渉、より具体的に、基板95が備えるカードコネクタ部95bとの干渉を回避するために設けられている。カセット本体70は、一端側に箱状のレンズ収納部73を備える。このレンズ収納部73は、組み立てられたPCカードカセット60が電子装置の筐体内に設置される際に、電子装置の筐体の外側に位置する部分である。レンズ収納部73は、天板部73aを備える。天板部73aは、段差を有しており、その最も高い位置を頂面73a1としている。この頂面73a1は、カセット本体70が組立治具1に装着されたときに、第3の接地面24と面一の関係となる。
【0033】
カセット本体70は、レンズ収納部73が設けられた側と異なる端部に掛合穴74aを備える掛合部74を有している。掛合部74は、側部カバー90の装着に用いられる。
【0034】
カセット本体70の下端部75は、側板部71の下縁を折り返して形成されている。カセット本体70が組立治具1に装着される場合、この下端部75が保持溝50の底部51に位置することになる。すなわち、下端部75が段部32cに挟持されることによってカセット本体70が保持溝50に保持される。なお、下端部75の折り返し加工により、カセット本体70の強度を向上させることができるが、折り返し加工は必須のものではない。折り返し加工がされていない場合、下端部75は薄くなるが、この場合、保持溝50の寸法を調整することによって対応することができる。
【0035】
カセット本体70は、レンズ収納部73の下側に、底部カバー80を装着するための鍔状の取付ステー76が設けられている。取付ステー76には、ネジ穴76aが設けられている。
【0036】
図14(C)によく現れているように、カセット本体70は、レンズ収納部73内にレンズ77を収納している。レンズ77は、入射部77aと点灯部77bを備える。入射部77aは、レンズ収納部73の内側に位置しており、点灯部77bは、レンズ収納部73の外側に露出するように配置されている。点灯部77bは、PCカードカセット60が電子装置の筐体に装着されたときにその外部から点灯状態が確認可能な状態とされる。
【0037】
つぎに、
図15(A)、(B)を参照しつつ、側部カバー90について説明する。
図15(A)は側部カバー90を正面側から観た斜視図であり、
図15(B)は側部カバー90を背面側から観た斜視図である。
【0038】
側部カバー90は、側板部91を備える。側板部91には、組立時に基板95の下側に位置する鍔状部92が設けられている。側板部91には、二つの爪状部93が設けられている。爪状部93は、それぞれ、その先端部に鉤状部93aを備える。鉤状部93aは、組立時にカセット本体70が備える掛合穴74aにそれぞれ掛合する。また、側板部91は、爪状部93が設けられた端部とは異なる端部に差込部94を備える。この差込部94は、組立時にカセット本体70が備えるレンズ収納部73内に差し込まれる。
【0039】
つぎに、
図16を参照しつつ、基板95について説明する。
図16は基板95を裏面側から観た斜視図である。基板95は、後端部にコネクタ95aを備える。また、カードコネクタ部95bを備える。このカードコネクタ部95bにPCカードが挿抜される。基板95は、先端部にセンサ素子95cを備える。センサ素子95cは、上述のように、組立時にレンズ77の入射部77aと一致するように配置される。
【0040】
つぎに、
図17(A)、(B)を参照しつつ、底部カバー80について説明する。
図17(A)は底部カバー80を底面側から観た斜視図であり、
図17(B)は底部カバー80を上面側から観た斜視図である。底部カバー80は、底板部81を備える。底板部81は、ネジ穴81aを備える。また、底板部81には、摺動部81bが設けられている。摺動部81bは、PCカードカセット60が電子装置の筐体に装着されるときに、筐体が備える案内レール部に接した状態で摺動し、PCカードカセット60の挿脱を容易にする。底部カバー80は、底板部81の両側に設けられた差込部82を備える。差込部82は、レンズ収納部73の下端部に差し込まれる板状の部分である。
【0041】
以上説明したように、組立治具1を用いて組み立てられるPCカードカセット60は、カセット本体70に対し、複数の部品が異なる方向から装着される。このように、組立作業に含まれる複数の方向からの作業を容易に行うことができる組立治具1の細部につき、さらに説明する。
【0042】
まず、
図18を参照すると、第1壁部21と第2壁部31とが対向配置されることによって形成される保持溝50の幅は、上側の幅W1に対して下側、すなわち、底部51に近い側の幅W2の方が狭くなっている。このように、徐々に幅狭となる形状、いわば、全体として楔形状を備えることにより、カセット本体70の下端部75をスムーズに保持溝50内に導入することができ、最終的に保持溝50によって確実にカセット本体70を保持することができる。特に、第2壁部31の上縁部には、テーパ部32aが設けられていることから保持溝50へカセット本体70を導入し易くなっている。
【0043】
図19(A)は指掛け凹部40の寸法を示す説明図であり、
図19(B)は指掛け凹部40に作業者が親指201を掛けた状態を示す説明図である。
図20(A)〜(C)は作業者が指掛け凹部40に親指201を掛けて、第2の接地面22を作業台300に当接させる工程を示す説明図である。指掛け凹部40を設けたことにより、第2の接地面22が作業台300に接地した状態とすることや、これとは逆に、第2の接地面22が作業台300に接地した状態から組立治具1を持ち上げることが容易となる。ここで、組立治具1は、作業者が用いるものであるが、作業者の体格は異なるため、指掛け凹部40の寸法は、より多くの作業者が使い易く、安定した状態で組立治具1を使用することができる寸法に設定しておく必要がある。特に、深さと幅は、作業性への影響が大きく、重要となる。そこで、
図21に示すマトリクスを参酌して、指掛け凹部40の幅、深さの寸法を決定する。まず、
図21(A)を参照して、手の大きさとの関係から、最も汎用性の高い寸法を割り出す。例えば、幅×深さ×奥行の関係を15×10×20(mm)とすると、一般的な女性の手であれば問題がないものの、一般的な男性の手では、狭すぎる。また、例えば、幅×深さ×奥行の関係を55×5×20(mm)とすると、男性であっても女性であっても親指を差し入れることができない。これに対し、例えば、幅×深さ×奥行の関係を55×10×20(mm)とすると、男性であっても女性であっても使用し易い。このような検証を進めていくと、
図21(A)における領域Aであれば、より多くの作業者が使用できる寸法となる。
【0044】
つぎに、
図21(B)を参照して、組立治具1の取り扱い時の安定性に着目した寸法を割り出す。例えば、上述の例のように、幅×深さ×奥行の関係を55×10×20(mm)とすると、安定性の面からは、好ましくない。すなわち、幅が広すぎ、安定した取り扱いが妨げられている。このように、組立治具1の取り扱いの安定性に着目した検証を進めていくと、
図21(B)における領域Bであれば、安定した作業を実現することができる寸法となる。
【0045】
以上のように、手の大きさの関係からの検証と取り扱いの安定性からの検証を総合的に判断すると、領域Aと領域Bとを重ね合わせることによって導き出される
図21(C)に示す領域C内の寸法に設定することが望ましい。本実施形態では、領域Cに含まれる寸法を実現すべく、幅×深さ×奥行の関係を40×10×20(mm)に設定している。なお、奥行に関しては、一律に20mmとして評価している。
【0046】
指掛け凹部40の寸法を、このような寸法に設定することにより、作業者は、組立治具1を回転させる動作を安定して行うことができる。組立治具1を安定した状態で取り扱うことができる結果、第2の接地面22を作業台300へ接地させる際も、組立治具1への衝撃を軽減することができる。なお、指掛け凹部40の奥側には滑り止め部22d1が設けられているため、この点も、組立治具1の安定した取り扱いに貢献している。
【0047】
図22を参照すると、対向面23の上縁部23aには、基板搭載部72に基板95を搭載するときに、基板95の案内をする案内部23bが設けられている。案内部23bの傾斜角度は、基板95の先端部、より具体的にセンサ素子95cが搭載された先端部をレンズ収納部73の天板部73aやレンズ77の入射部77aに接触させずにレンズ収納部73内へ滑り込ませる角度となっている。
【0048】
つぎに、
図23乃至
図29を参照しつつ、組立治具1を用いたPCカードカセット60の組立作業について説明する。
図23乃至
図25は、いずれもPCカードカセット60の組立手順の一部を示す説明図である。
図23乃至
図25を通して、一連の組立手順が示されている。
図26は案内部23b上をスライドさせて基板95をカセット本体70に搭載する様子を示す説明図である。
図27は基板95の先端部がレンズ収納部73に差し込まれる様子を示す説明図である。
図28はカセット本体70に基板95が搭載された状態を示す説明図である。
図29は、第3の接地面24を作業台300に当接させた状態を示す説明図である。
【0049】
図23(A)を参照すると、まず、第1の接地面11を作業台300に接地させた組立治具1を準備する。そして、
図23(B−1)及び(B−2)に示すように、保持溝50にカセット本体70の下端部75を差し込み、カセット本体70を保持溝50に保持させる。作業者は、下端部75が底部51に接触するまでカセット本体70を押し込む。これにより、レンズ収納部73の頂面73a1と第3の接地面24とが面一の状態となる。
【0050】
つぎに、
図23(C)に示すように、基板95を取り付ける。このとき、組立治具1は、第1の接地面11が作業台300へ接地した状態となっており、基板95を取り付ける位置が、上側に位置しているため、作業者は、組立作業をし易い。また、基台部10は、突出部12を備えているため、安定した立ち状態を維持することができる。基板95を取り付ける際、まず、
図26に示すように、基板95を第1壁部21側に押し付けるとともに、基板95の下面を案内部23bに沿わせる。そして、
図27に示すように基板95をスライドさせつつ、その先端部をレンズ収納部73内へ滑り込ませる。これにより、基板95の先端部を天板部73aやレンズ77に衝突させることなく、所定の位置にセットすることができる。このときも、作業者は、基板95の先端部を目視することができる。
【0051】
基板95を所定位置にセットした後は、
図23(D)に示すように、作業者は、ネジ100を用いて基板95をカセット本体70に取り付ける。このとき、工具210は、基板95の上側で使用される状態となる。すなわち、作業者は、基板95の上方から、目視しながらの作業が可能となる。基台部10は、突出部12を備えるため、ネジ締め作業時も組立治具1の安定状態を維持することができる。
【0052】
基板95の取り付けが完了した後、作業者は、
図23(E)で示すように、手200で組立治具1を掴み、
図24(F)に示すように組立治具1を持ち上げる。このとき、作業者は、第1壁部21に設けられた第1凹部22aと第2壁部31に設けられた凹部33aに指を掛けて組立治具1を持ち上げることができる。第1凹部22aや凹部33aは、滑り止めとなるだけでなく、その位置を把握する上でも役立ち、迅速な作業に資する。
【0053】
作業者は、組立治具1を持ち上げた後、
図24(G)に示すように、指掛け凹部40に親指201を添えるように持ち替える。そして、
図24(H)に示すように、手首を返して、第2の接地面22が下側を向くように回転させる。そして、第2の接地面22が作業台300へ接地するように、組立治具1を作業台300上へ載置する。
【0054】
そして、
図24(I)に示すように、側部カバー90をカセット本体70に装着する。このとき、側部カバー90は、カセット本体70の上方から装着することができる。このため、作業者は、目視しながらの作業を行うことができる。特に、側部カバー90を装着する際は、爪状部93の鉤状部93aと掛合穴74aの位置合わせを行わなければならず、また、差込部94をレンズ収納部73へ差し込まなければならない。このため、目視しながらの作業は、作業者の負担を軽減し、迅速な作業に資する。さらに、鉤状部93aを掛合穴74aに押し込むために上方から押し付ける動作となるため、側部カバー90の装着作業が容易となる。
【0055】
側部カバー90の装着が完了した後、作業者は、
図24(J)に示すように、組立治具1を引き上げる。側部カバー90の装着が完了した時点で、組立治具1は、第2の接地面22が作業台300へ接地した状態となっているが、作業者は親指201を指掛け凹部40に差し入れることができるので、組立治具1を容易に引き上げることができる。
【0056】
作業者は、組立治具1を引き上げた後、
図25(K)に示すように、第3の接地面24を下側に向ける。ここで、
図28に示すように、第3の接地面24と頂面73a1とが面一の状態となっているため、第3の接地面24とともに、頂面73a1も作業台300へ当接される状態となる。これにより、接地面積が増大することになるので、より安定した状態での作業を行うことができる。
【0057】
第3の接地面24及び頂面73a1を作業台300へ接地した状態で組立治具1を作業台300へ載置した後、
図25(L)に示すように底部カバー80を装着する。底部カバー80の装着も上方からの作業とすることができる。底部カバー80は、差込部82をカセット本体70と側部カバー90との間に差し込み、底板部81を取付ステー76上に配置する。そして、
図25(M)に示すように、ネジ100を用いて、底部カバー80を取付ステー76に固定すればよい。このとき、工具210は、底部カバー80の上側で使用される状態となる。すなわち、作業者は、底部カバー80の上方から、目視しながらの作業が可能となる。また、この際、
図29に示すように、基板95は、作業台300に接触していないため、基板95を破損することがない。
【0058】
底部カバー80の装着が完了した後は、
図25(N)に示すように、完成したPCカードカセット60を組立治具1から取り外せばよい。このとき、PCカードカセット60は、カセット本体70の下端部75が保持溝50に挟持されて保持されているのみであるので、容易に組立治具1から抜き取り、取り外すことができる。
【0059】
以上でPCカードカセット60の組立が完了する。作業者は、カセット本体70への各種部品の取り付けを基本的に上方方向から行うことができる。すなわち、組立作業に含まれるカセット本体70に対する複数の方向からの作業を一律に上方から行うことができる。この結果、無理な態勢での作業から開放されるため、作業効率が向上する。また、基本的に目視しながらの作業となるため、部品の破損を極力回避することができる。
【0060】
上記実施形態では、複数の部品を装着することを想定しているが、例えば、単一の部品の装着であっても、複数の方向からの作業が必要となる場合に、本明細書開示の組立治具は有効である。
【0061】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。