(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エネルギー消費設備のエネルギー源として電力、自然エネルギーおよびガスの供給源を有し、所定期間内でのガス使用量下限制約の有する購入ガス量の消費を基にエネルギー最適運転計画作成装置によってエネルギー運転計画を作成する方法において、
エネルギー需要作成部によって作成された電力・ガスによる一次エネルギー価格の変動時間帯を前記所定期間内で短期間に区分し、熱需要総量算出部によって短期間区分の区分毎を更に時間区分して時間区分帯毎の電力・熱需要総量を抽出し、熱需要総量算出部により電力・熱需要総量より契約電力対策分を減算することで熱需要総量を求め、ガス需要コスト算出部で熱需要総量に対するコストを算出した後にガス使用期待量を求めると共に、
熱需要設定部により前記短期間区分および時間区分毎のガス使用期待量を総計して所定期間内でのガス使用量下限制約と比較し、ガス使用期待量が少ないときにガス強制使用量を熱需要分だけに割り当て、割り当てられたガス使用期待量とガス強制使用量を配分して消費目標設定部による消費目標値とすることを特徴としたエネルギー最適計画作成方法。
エネルギー消費設備のエネルギー源として電力、自然エネルギーおよびガスの供給源を有し、所定期間内でのガス使用量下限制約の有する購入ガス量消費を基にエネルギー最適運転計画作成装置によってエネルギー運転計画を作成するものにおいて、
前記エネルギー最適運転計画作成装置に格納されたデータを基に電力・ガスの
価格の変動時間帯を前記所定期間内での短期間,時間帯で区分してエネルギー需要予想を作成するエネルギー需要作成部と、
エネルギー需要作成部により作成された時間帯区分毎のコージェネレーション利用によるエネルギー総量を算出するエネルギー総量算出部と、
エネルギー総量算出部で算出された実績を基に所定期間内の短期間毎に、エネルギー需要作成部で作成された時間帯区分毎のエネルギー総量を抽出し、時間帯区分毎のエネルギー総量から前記コージェネレーション利用による契約電力対策分を引いて熱需要総量を算出する熱需要総量算出部と、
算出された熱需要総量に対し、コージェネレーションとボイラ利用以外の電力利用による熱機器による単位出力コスト、およびコージェネレーションとボイラ利用時の単位出力コストをそれぞれ算出する熱需要コスト算出部と、
熱需要コスト算出部で算出された各時間帯でのガス使用コストと電気設備使用時のコスト比較を行い、ガス使用有利のときのガス使用量を期待量とし所定期間内の短期間毎・時間帯毎に求めて所定期間の需要量設定値とするガス使用期待量算出部と、
ガス使用期待量算出部で算出された短期間毎・時間帯毎のガス使用期待量を総計して前記所定期間内でのガス使用量下限制約と比較し、ガス使用期待量の総計が少ないときにガス強制使用量を熱需要分に割り当てる熱需要設定部と、
前記ガス使用期待量とガス強制使用量の何れかを選択し、選択された量を強制使用量の目標値として設定する消費目標設定部を備えたことを特徴とするエネルギー最適運転計画作成装置。
エネルギー消費系統に利用可能な蓄電池の存在時に時間別価格帯調整部を設け、前記エネルギー需要作成部で作成されたエネルギー需要予想の最低電力価格帯で蓄電池をフル充電し、充電時の蓄電池効率を考慮した電力価格がコージェネレーションの発電コストよりも安価なときに最高電力価格帯でフル放電(放電量=充電量*充電効率*放電効率)するようエネルギー需要予想を修正することを特徴とした請求項2記載のエネルギー最適運転計画作成装置。
強制使用量を目標値としてエネルギー消費機器の運転を実行する運転制御部を設け、運転制御部はエネルギー消費機器による消費データを入力し、入力された消費データ量が当該短期間の強制使用量の目標値に到達しなかったときには、未到達分を次の短期間の強制使用量の目標値に加算して運転を行うことを特徴とした請求項2又は3記載のエネルギー最適運転計画作成装置。
前記熱需要設定部での所定期間内における時間毎にガス強制使用量を割り当てで、熱需要設定部は、選択機器を所定期間通じて電気料金の高い時間で、且つ電熱運転で使用していない時間を選んで稼動し、電気料金の高額な順に所定期間内の全時間の稼動可否を調べ、稼動可能時に稼動分のガス量を短期間区分の時間帯ガス分配量に加算することを特徴とした請求項2乃至4記載のエネルギー最適運転計画作成装置。
【背景技術】
【0002】
電力会社の給電制御を始めとして、スマートグリッドの需給制御、スマートBEMS・FEMS(エネルギー管理システム)などによる需給制御やマイクログリッドの需給制御では、エネルギー設備の経済性や環境性に対する最適運転を行うために、通常、次のような需給計画制御を実施している。
a.需給バランスを実現する需給制御は、需要予測から作成する運転計画にしたがって発電を行うと共に、需要と供給と差分を調整する出力制御を行う。その際の計画期間は1日から数日である。
b.「運転計画作成」は、「電力・熱需要予測」結果と「自然エネルギー出力予測」結果から各新エネルギー電源の最適運転計画を作成する。
c.「負荷追従制御」は、運転計画で作成した運転パターンに従った各新エネルギー電源の運転/停止並びに出力制御を行うと共に、負荷変動に追従した出力制御を行う。
d.「短時間負荷予測」は、予備発電力が不足状態となったことを検出して運転パターンの修正を行う。
【0003】
図12は、上記a〜dの過程を模式化したものである。また、電力・熱負荷予測制御としては、例えば特許文献1等が公知となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力や熱需要を満たすためにはガスが使用されるが、使用ガス購入のための大口購入契約においては大口供給の基準量を満たす契約年間ガス使用量が決められ、その使用量を決定する際には下回ることの出来ない使用量の制約を伴うことがあり、下限制約を逸脱した場合にはペナルティが発生する。
【0006】
現状のエネルギー最適運転計画システムでは、最適化の時間単位が1日〜数日であることから、年間契約量である大量のガスに対する最適な消費についての考慮がされていない。また、エネルギー価格が電力<ガスの現状下で、年間におけるガスの使用量が、何れの時点で、どの程度の量を使用するかといった最適需給制御を行うためのシミュレーションをしようとしても、そのためのコストが増大するという問題を有している。
【0007】
本発明が目的とするところは、大口供給の基準量を満たす契約年間ガス使用量の下限制約量内で行うエネルギー最適計画作成方法と最適制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、エネルギー消費設備のエネルギー源として電力、自然エネルギーおよびガスの供給源を有し、所定期間内でのガス使用量下限制約の有する購入ガス量の消費を基にエネルギー最適運転計画作成装置によってエネルギー運転計画を作成する方法において、
エネルギー需要作成部によって作成された電力・ガスによる一次エネルギー価格の変動時間帯を前記所定期間内で短期間に区分し、熱需要総量算出部によって短期間区分の区分毎を更に時間区分して時間区分帯毎の電力・熱需要総量を抽出し、熱需要総量算出部により電力・熱需要総量より契約電力対策分を減算することで熱需要総量を求め、ガス需要コスト算出部で熱需要総量に対するコストを算出した後にガス使用期待量を求めると共に、
熱需要設定部により前記短期間区分および時間区分毎のガス使用期待量を総計して所定期間内でのガス使用量下限制約と比較し、ガス使用期待量が少ないときにガス強制使用量を熱需要分だけに割り当て、割り当てられたガス使用期待量とガス強制使用量を配分して消費目標設定部による消費目標値とすることを特徴としたものである。
【0009】
本発明の請求項2は、エネルギー消費設備のエネルギー源として電力、自然エネルギーおよびガスの供給源を有し、所定期間内でのガス使用量下限制約の有する購入ガス量消費を基にエネルギー最適運転計画作成装置によってエネルギー運転計画を作成するものにおいて、
前記エネルギー最適運転計画作成装置に格納されたデータを基に電力・ガスの
価格の変動時間帯を前記所定期間内での短期間,時間帯で区分してエネルギー需要予想を作成するエネルギー需要作成部と、
エネルギー需要作成部により作成された時間帯区分毎のコージェネレーション利用によるエネルギー総量を算出するエネルギー総量算出部と、
エネルギー総量算出部で算出された実績を基に所定期間内の短期間毎に、エネルギー需要作成部で作成された時間帯区分毎のエネルギー総量を抽出し、各時間帯区分毎のエネルギー総量から前記コージェネレーション利用による契約電力対策分を引いて熱需要総量を算出する熱需要総量算出部と、
算出された熱需要総量に対し、コージェネレーションとボイラ利用以外の電力利用による熱機器による単位出力コスト、およびコージェネレーションとボイラ利用時の単位出力コストをそれぞれ算出する熱需要コスト算出部と、
熱需要コスト算出部で算出された各時間帯でのガス使用コストと電気設備使用時のコスト比較を行い、ガス使用有利のときのガス使用量を期待量とし所定期間内の短期間毎・時間帯毎に求めて所定期間の需要量設定値とするガス使用期待量算出部と、
ガス使用期待量算出部で算出された短期間毎・時間帯毎のガス使用期待量を総計して前記所定期間内でのガス使用量下限制約と比較し、ガス使用期待量の総計が少ないときにガス強制使用量を熱需要分に割り当てる熱需要設定部と、
前記ガス使用期待量とガス強制使用量の何れかを選択し、選択された量を強制使用量の目標値として設定する消費目標設定部を備えたことを特徴としたものである。
【0010】
本発明の請求項3は、エネルギー消費系統に利用可能な蓄電池の存在時に時間別価格帯調整部を設け、前記エネルギー需要作成部で作成されたエネルギー需要予想の最低電力価格帯で蓄電池をフル充電し、充電時の蓄電池効率を考慮した電力価格がコージェネレーションの発電コストよりも安価なときに最高電力価格帯でフル放電(放電量=充電量*充電効率*放電効率)するようエネルギー需要予想を修正することを特徴としたものである。
【0011】
本発明の請求項4は、強制使用量を目標値としてエネルギー消費機器の運転を実行する運転制御部を設け、運転制御部はエネルギー消費機器による消費データを入力し、入力された消費データ量が当該短期間の強制使用量の目標値に到達しなかったときには、未到達分を次の短期間の強制使用量の目標値に加算して運転を行うことを特徴としたものである。
【0012】
本発明の請求項5は、熱需要設定部での所定期間内における時間毎にガス強制使用量を割り当てで、熱需要設定部は、選択機器を所定期間通じて電気料金の高い時間で、且つ電熱運転で使用していない時間を選んで稼動し、電気料金の高額な順に所定期間内の全時間の稼動可否を調べ、稼動可能時に稼動分のガス量を短期間区分の時間帯ガス分配量に加算することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、本発明によれば、年間ガス使用量が契約下限制約量内で消費するとき、複数に分散するエネルギー消費機器の負荷変動に対しても、年間を通じて自然エネルギーを考慮しながら電力とガスによる最適運転スケジュールでの運転が可能となるものである。また、比較的少ない最適運転計画作成コストで、且つ実装容易な装置が可能となるものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の機能構成図を示したもので、1はエネルギー最適計画作成装置、2はキーボードやマウスなどからなる入力部、3は表示画面を備えた出力部、4は記憶部で、エネルギーの最適運転計画を作成する上で必要な各データが格納されている。
【0016】
エネルギー最適運転計画作成装置1は、後述の11〜19の各機能を備えている。11は制御部で、記憶部4に格納されたデータの取得や、11〜19間のデータおよび処理プログラム等の授受を円滑に行うためのデータ加工,処理を行ってデータ処理をコントロールする。
【0017】
12はエネルギー需要作成部で、制御部11を介して記憶部4に蓄積されたデータを基に、電力,ガスの一次エネルギー価格で変動が想定される時間帯毎に区分する。
図2はエネルギー需要作成部12により作成されたエネルギー価格の季節区分・時間区分図を示したものである。縦軸は季節区分で、例えば夏季電力料金季節、冬季電力料金季節、…中間季ガス料金季節が採られる。また、横軸は時間区分で、深夜、夜間…冬季ピーク時間で区分し、夜間電力料金、昼間の電力料金および夏季のピークカット時刻や予定負荷状態等を考慮してエネルギー需要予想を作成する。
【0018】
13は時間別価格帯調整部で、この時間別価格帯調整部13はエネルギー需要作成部12で作成されたエネルギー需要予想によるマトリックスの欄内に
図3で示すような季節区分・時間区分毎にエネルギー単価を記入する。さらに、需給制御系統に利用可能な蓄電池総量(充放電効率込みの実量)が存在している場合には、エネルギー需要作成部12で作成されたエネルギー需要予想の最低電力価格帯でフル充電し、充電時の蓄電池効率を考慮した電力価格がコージェネレーションの発電コストよりも安価なとき最高電力価格帯でフル放電(放電量=充電量*放電効率)するモデルを想定し、エネルギー需要作成部12で作成された時間帯に
図4で示すように蓄電池の充放電時間帯を追加し修正する。この時における一次エネルギーの価格は、最低電力価格に充放電効率の逆数を掛けた値を用いる。
なお、蓄電池総量が存在してない場合には、時間別価格帯調整部13の機能は不要であることは勿論である。
【0019】
14はエネルギー総量算出部で、前年又はそれ以前の実績を基に1年間(又は所定期間)の月毎(所定期間を更に短期間で区分)に、エネルギー需要作成部12で作成された時間帯区分毎の契約電力超え回避を目的として運転したコージェネレーション利用によるエネルギー総量を算出する。実績値のないときには仮想値を用いる。
図5は算出された月毎のエネルギー使用量例を示したものであり、
図6は12〜14の機能部によって作成された年間の月毎エネルギー需要予想図で、
図6で7月と9月が2回表示されている部分は、7月の途中からピークカットなどの夏季料金の価格変更が発生し、9月の途中まで夏季価格が継続することを示している。なお、PVは自然エネルギーを太陽光発電量で示している。
【0020】
15は熱需要総量算出部で、エネルギー総量算出部14で算出された実績を基に1年間の月毎に、エネルギー需要作成部12で作成された時間区分毎のエネルギー(電力・ガス)総量を抽出する。抽出後、各時間区分のエネルギー総量から
エネルギー総量算出部14でのコージェネレーション利用等による契約電力対策分を差し引いて熱需要総量を算出する。ただし、電力需要からは当該時間帯の太陽光発電量PV等の自然エネルギーに基づく発電量は予め差し引いておく。実績値のないときには仮想値を用いる。
【0021】
16は熱需要コスト算出部で、熱需要総量算出部15で算出された熱需要総量に対し、コージェネレーションとボイラを最大限利用し、残りを電力利用した熱機器で賄ったときの単位出力(電力+熱)あたりのコストを算出する。同時に、同じ熱需要総量に対し、ヒートポンプのような一次エネルギーに電力を使用する熱機器を最大限利用し、残りをコージェネレーションとボイラで賄った時の単位出力(電力+熱)あたりのコストを計算する。計算に用いるコージェネレーション、ボイラ、およびヒートポンプの変換効率は、最小値、中間値又は最高値の固定値を用い、後に調整できるよう選択可能とされる。
図7は月毎のエネルギー単価図の例であり、
図8は分散電源・熱源の効率表である。
【0022】
17は年間ガス使用期待量算出部で、熱需要コスト算出部16で算出した各時間帯でのガスをできるだけ多く使用したときのコストと、電気設備を最大に併用したときのコストを比べ、ガスを多く使用した方が安価となったときには、その時間帯ではコージェネレーションを用いた方の利益が上がるとみなして、最大限コージェネレーションとボイラを利用したガス使用量を期待量として月毎・時間帯毎に計算し、記録する。
図9はガス使用の期待量として設定された年間の月毎熱需要量の設定値である。
【0023】
18はガス使用を熱需要分に割り当てる熱需要設定部で、年間ガス使用期待量算出部17で算出された月毎・時間帯毎のガス使用期待量を総計し、年間ガス使用量下限制約と比較する。足りていれば次のステップに進むが、不足の時には熱需要コスト算出部16で算出した月毎・時間帯毎のコスト比較をし、ガス機器優先運転コストと電気機器優先運転コストの差額が少ない時間帯から順に時刻毎にガス強制使用量を熱需要分だけ割り当てる。
【0024】
1年分の熱需要分の割り当てで、年間ガス使用量下限制約を満たさないときには、コージェネレーションを発電のみで稼動(熱は廃棄する)しガスを消費する。
熱廃棄運転によるガス消費の配分は次の手順で計算する。
A.
図8で示す効率表から計算に使用する変換効率を選択する。
B.一次エネルギーにガスを使用する機器を選択し、効率順に並べる。
C.電力変換効率の良い順に機器を選択する。
D.選択した機器を、年間を通して電気料金の高い時刻で、且つ熱需要設定部18の電熱運転で使用していない時刻を選び稼動する。電気料金の高額な順に1年間の全時間帯の稼動の可否を調べ、可能なときの稼動時には稼動分のガス量を該当月・時間帯ガス配分量に加算する。年間ガス使用量の下限制約を満たしたら、次のステップに移る。1年分の稼動可否の調べが終わったら、次の電力変換効率の良い機器を選択してこのDの手順に移り、これを繰り返す。
【0025】
図10は、熱需要設定部18によって割り当てられた8月における時間帯毎の熱需要例を示したもので、熱エネルギー負荷に対する深夜時間、昼間時間、夏季ピーク時間および蓄電池放電時間の割り当てが行われる。
【0026】
図11は例として8月の昼間時間帯のエネルギー供給コスト比較時の概要を示したもので、電力設備を最大に使用した場合のエネルギー価格をX円とし、ガス設備を最大に使用した場合をY円としたとき、X≧Yの場合にはエネルギー最適運転計画により自動的にガスの使用が期待できる。また、X<Yのときには、そのままの運転ではガスの使用が出来なくなるので、価格差の小さい月からガス使用を割り当てる。
【0027】
19は消費目標設定部で、割り当てられたガス使用期待量とガス強制使用量を、該当月内の該当時間帯に各日均等配分、又は日毎のガス消費が可能な量から月の前詰めあるいは後詰めで配分する。どれを選択するかは、需要家の事情によるものとして外部インターフェースなどを介し任意に選択可能に構成され、選択値を消費目標値とする。
なお、上記における月毎の区切りは目安であり、その増減は任意に決定される。
月内で季節により一次エネルギーの価格変動がある場合には、その変動が優先される。
【0028】
次に、季節区分・時間区分毎のエネルギー単位の計算について、具体的な算出法を以下に説明する。
【0029】
(1)ガスを最大量使用したときのエネルギー単位の計算について
a.
図8で示す効率表から計算に使用する変換効率を選択する。
b.一次エネルギーにガスを使用する機器を選択し、効率順に並べる。
c.変換効率の良い順に機器を選択する。
d.選択した機器を時刻毎の枠内で運転したときの電気出力Opと熱出力O
Hと変換コストUcを(1)式〜(3)式よって求める。
【0030】
Op=min(Up,Sp) ……(1)式
ただし、Op(kWh):当該機器の季節・時間区分内の電気エネルギー出力、Up:当該機器の最大電気出力(kWh)、Sp:電力需要残量。
【0031】
O
H=min(U
H,S
H) ……(2)式
ただし、O
H(kWh):当該機器の季節・時間区分内の熱エネルギー出力、S
H:熱需要残量。
【0032】
Uc=max((100*Op/Rp)*C
H,(100*C
H/R
H)*C
H)
…… ……(3)式
ただし、Rp(%):選択した変換効率(電気)、R
H(%):選択した変換効率(熱)、
Uc(¥):当該機器の変換コスト(一次エネルギーコスト)、C
H(¥):ガス単価で、選択した変換効率(電気Rp、熱R
H)での一次エネルギー使用量。
e.対象の月枠の熱需要利用量を満たさないときは、月枠の電熱需要残量を計算(Sp=Sp−Op、S
H=S
H−O
H)して次のエネルギー効率の良いガス機器を選んでcに戻る。このとき、変換コストを求める式は後述の「季節区分・時間区分毎のエネルギー単位の計算」の(d)の5式に基づく。
f.エネルギー単位E
Uの計算は(4)式による。
E
U=ΣUc/(Op+O
H) ……(4)式
(2)電気を最大量使用したときのエネルギー単位の計算について
(a).
図8で示す効率表から計算に使用する変換効率を選択する。
(b).一次エネルギーに電気を使用する機器を選択し、効率順に並べる。
(c).変換効率の良い順に機器を選択する。
(d).選択した機器を各季節・時間区分の枠内で運転したときの熱エネルギー出力O
Hを(2)式で算出した後、(5)式に基づいて変換コストUc(¥)を求める。
Uc=(100*O
H/R
H)*C
H ……(5)式
(e).対象の季節・時間枠のエネルギー利用量を満たさないときは、残量を計算して(c)に戻る。電気機器がないときには、熱出力のあるガス機器を選択して(c)に戻る。このとき、変換コストを求める式は前記「季節区分・時間区分毎のエネルギー単位の計算」のeに記載の計算式に基づく。
(f).エネルギー単位E
Uの計算は(6)式による。
【0033】
E
U=ΣUc/O
H ……(6)式
上記のように、エネルギー最適運転計画作成装置1によって作成される最適計画で、例えば消費目標設定部19により設定される消費目標値は、該当月における単純平均にはならない。すなわち、雨降りなどによる日照不足や負荷変動に伴って最適計画作成時点とは異なるエネルギー消費の変化が生じる。このため、本発明では年間ガス使用計画に基づき、以下で述べる制約で毎日のエネルギー設備の最適運転を実施する。
【0034】
図1における5が最適運転を実行するための運転制御部で、運転制御部5には各種のエネルギー消費設備による実消費データが入出力機能部を介して入力される。運転制御部5は、エネルギー最適運転計画作成装置1によって作成された運転計画に基づく需要プログラムにより、毎日の最適運転計画でガス強制使用量の目標値分を強制消費させる。したがって、このときのガス使用期待量は最適運転計画の需要プログラムの結果に基づくものとなる。
【0035】
運転制御部5に入力された消費データと最適運転計画に基づくガス強制使用量とを比較し、当日の運転が天候や休日などにより熱需要が減り、ガス強制使用が目標に達しなかったときには、翌日の目標に加算される。
また、同様に天候や休日などにより熱需要が変化し、最適化運転によるガス使用量が目標値と異なったときには、その差分を翌日に加算する。
【0036】
日毎のガス消費実績を月毎(又は所定日毎)の実績として加算し、下限制約量に基づく総量が予め定めた閾値を超えると判断されたときには、年の途中でエネルギー需要作成部12から消費目標設定部19による手順で再度計画書を作成して修正し、修正された計画書に基づいての運転を再開する。
【0037】
なお、運転実行部5は、
図1ではエネルギー最適運転計画作成装置1に接続されたエネルギーの最適運転計画による自動運転を行うことで示しているが、エネルギー最適運転計画作成装置1により作成された年間の消費目標値をメモリに格納し、そのメモリ記録を基にプログラムを作成して別個に設置された自動運転機能のない運転制御装置を用いて運転制御を実行してもよく、手動の運転指標としてガス使用量配分計算で消費制御するようにしてもよい。
【0038】
以上本発明によれば、年間ガス使用量が契約下限制約量内で消費するとき、複数に分散するエネルギー消費機器の負荷変動に対しても、年間を通じて自然エネルギーを考慮しながら電力とガスによる最適運転スケジュールでの運転が可能となるものである。また、最適な需給制御を行うためにシミュレーションを行うことなく可能となるので、少ない最適運転計画作成コストで、且つ実装容易な装置となるものである。
【0039】
また、最適運転計画作成の手法が演繹的であることから、出力結果の説明や判断が容易にできる。また、一般に、ガス大口契約において年間ガス使用量が契約下限制約を逸脱した場合にはペナルティが発生するが、そのペナルティを加味したときの得失判断時においても、本発明を使用してペナルティを回避する運転時と、ペナルティを受け入れて運用した場合の2回を繰返し算出することで比較判断が容易となるものである。