(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、窒化ガリウム(GaN)系の半導体において、P型不純物を熱拡散することによってフローティング部を形成している。しかし、この技術では、900度、60分のような比較的高温、長時間の熱処理が行われるため、N型半導体層における電気的特性が劣化する(例えば、オン抵抗の増加)という課題があった。また、特許文献2から特許文献5の技術では、イオン注入によってフローティング部を形成することから、イオン注入によってP型半導体を形成することが困難である半導体(例えば、GaNに代表されるIII族窒化物半導体)には適用することができないという課題があった。その他、特許文献1から特許文献5記載の技術では、フローティング部を形成しない半導体装置に比べて、フローティング部を形成するための製造工程が増加するという課題があった。これらの課題は、トレンチを用いて終端構造が形成された半導体装置においても、同様に生じ得る課題であった。
【0005】
そのため、トレンチを有する半導体装置の電気的特性を向上させることが可能な技術や、製造を容易化する技術が望まれていた。そのほか、半導体装置においては、微細化や、低コスト化、耐久性の向上などが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、半導体装置である。この半導体装置は、
基板と、
前記基板の下面に接する電極と、
前記基板の上面に接する第1導電型の半導体である第1半導体層と、
前記第1半導体層の上面に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と、
を備える半導体装置であって、
前記第2半導体層には、トレンチが前記第1半導体層まで達するように形成され、前記トレンチ内には、絶縁膜を介して電極が形成されており、
前記トレンチの底部は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成され、前記トレンチの側壁は、前記トレンチの開口側ほど広がるように傾斜して形成されており、
前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を有し、
前記トレンチの底部は、前記側壁とつながる部分において丸まり、かつ、前記領域の上面に向けて丸まった形状となるように凸状に形成されており、
前記半導体装置は、前記トレンチ内の電極と前記基板の下面に接する電極との間に電圧が印加されるものである、半導体装置である。
本発明の第2の形態は、半導体装置である。この半導体装置は、
基板と、
前記基板の下面に接する電極と、
前記基板の上面に接する第1導電型の半導体である第1半導体層と、
前記第1半導体層の上面に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と、
前記基板の上面側に形成された電極であって、前記第2半導体層側に形成された電極と、
前記基板の上面側に形成された電極に隣接する終端構造と、
を備える半導体装置であって、
前記終端構造は、前記第2半導体層に前記第1半導体層にまで達するように形成されたトレンチと、前記トレンチ内に充填された絶縁膜又は前記トレンチ内に充填された電極と、を有し、
前記トレンチの底部は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成され、前記トレンチの側壁は、前記トレンチの開口側ほど広がるように傾斜して形成されており、
前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を有し、
前記トレンチの底部は、前記側壁とつながる部分において丸まり、かつ、前記領域の上面に向けて丸まった形状となるように凸状に形成されており、
前記半導体装置は前記基板の上面側に形成された電極と前記基板の下面に接する電極との間に電圧が印加されるものである、半導体装置である。
本発明の第3の形態は、半導体装置の製造方法である。この方法は、
基板と、
前記基板の下面に接する電極と、
前記基板の上面に接する第1導電型の半導体である第1半導体層と、
前記第1半導体層の上面に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と、
前記第2半導体層に前記第1半導体層にまで達するように形成されたトレンチと、前記トレンチ内に絶縁膜を介して形成された電極と、を備える半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置は、前記トレンチ内の電極と前記基板の下面に接する電極との間に電圧が印加されるものであり、
(A)前記第2半導体層に、前記トレンチを前記第1半導体層まで達するように形成する工程を備え、
前記工程(A)は、前記トレンチの側壁を、前記トレンチの開口側ほど広がるように傾斜させて形成し、前記トレンチの底部を、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成することによって、前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を前記トレンチと同時に形成する工程であり、前記トレンチの底部を、前記側壁とつながる部分において丸まり、かつ、前記領域の上面に向けて丸まった形状となるように凸状に形成する工程である、半導体装置の製造方法である。
本発明の第4の形態は、半導体装置の製造方法である。この方法は、
基板と、
前記基板の下面に接する電極と、
前記基板の上面に接する第1導電型の半導体である第1半導体層と、
前記第1半導体層の上面に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と、
前記基板の上面側に形成された電極であって、前記第2半導体層側に形成された電極と、
前記基板の上面側に形成された電極に隣接する終端構造と、
を備える半導体装置の製造方法であって、
前記終端構造は、前記第2半導体層に前記第1半導体層にまで達するように形成されたトレンチと、前記トレンチ内に充填された絶縁膜又は前記トレンチ内に充填された電極と、を有し、
前記半導体装置は、前記基板の上面側に形成された電極と前記基板の下面に接する電極との間に電圧が印加されるものであり、
(A)前記第2半導体層に、前記トレンチを前記第1半導体層まで達するように形成する工程を備え、
前記工程(A)は、前記トレンチの側壁を、前記トレンチの開口側ほど広がるように傾斜させて形成し、前記トレンチの底部を、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成することによって、前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を前記トレンチと同時に形成する工程であり、前記トレンチの底部を、前記側壁とつながる部分において丸まり、かつ、前記領域の上面に向けて丸まった形状となるように凸状に形成する工程である、半導体装置の製造方法である。
また、本発明は以下の形態として実現することも可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、半導体装置が提供される。この半導体装置は、第1導電型の半導体である第1半導体層と;前記第1半導体層に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と;を備える半導体装置であって;前記第2半導体層には、トレンチが前記第1半導体層まで達するように形成されており;前記トレンチの底部は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成されており;前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を有する。この形態の半導体装置によれば、第2導電型の半導体で構成された領域によって、トレンチの底部において発生する電界の集中を緩和することができる。よって、半導体装置の耐圧を高くすることができる。また、トレンチの底部と、第1半導体層と第2半導体層との境界を含む面との間が第2導電型の半導体で構成された領域となることから、その領域を形成するためにイオン注入や不純物の熱拡散処理を行わなくともよい。そのため、第2半導体層内の不純物が第1半導体層等へ拡散することを抑制することができるので、オン抵抗の増加が抑制される。その結果、半導体装置の電気的特性を向上させることができる。
【0008】
(2)上記形態の半導体装置において、前記面と前記領域の底面とは同一面上に存在してもよい。この形態の半導体装置によれば、トレンチが形成される前の第2導電型の半導体層を利用して前述の領域を形成することができる。よって、前述の領域を形成するための工程を別途設けなくともよいので、工程の簡易化と、製造コストの低減化を図ることができる。
【0009】
(3)上記形態の半導体装置において、前記面から前記方向に向けた前記領域の最大高さT1と;前記面における前記領域を跨いだ前記トレンチの側壁間の幅W1とは、以下の式(1)を満たしてもよい。
0<T1≦W1・・・(1)
この形態の半導体装置によれば、トレンチの底部の形状が第1半導体層から第2半導体層に向かう方向に向けて急峻になることを抑制することができる。そのため、前述の領域によって、トレンチの底部において発生する電界の集中を充分に緩和することができる。
【0010】
(4)上記形態の半導体装置において、前記面における前記トレンチの側壁から前記面における前記トレンチの底部までの幅W2は、以下の式(2)を満たしてもよい。
0≦W2≦1.0(μm)・・・(2)
この形態の半導体装置によれば、順方向電流の流れを確保できるとともに、前述の領域がチャネル領域に近接しすぎることを防ぐことができるので、チャネル領域の空乏化によるオン抵抗の上昇を抑制することができる。また、トレンチの底部と前述の領域の底面との距離が大きくなりすぎることを抑制することができるので、その領域によって、トレンチの底部において発生する電界の集中を、より充分に緩和することができる。
【0011】
(5)上記形態の半導体装置において、前記面から前記底部までの最大深さT2と;前記面における前記トレンチの側壁から前記面における前記トレンチの底部までの幅W2と、は、以下の式(3)を満たしてもよい。
0≦T2≦W2・・・(3)
この形態の半導体装置によれば、順方向電流の流れを確保しつつ、トレンチの底部と前述の領域の底面との距離が大きくなりすぎることを抑制することができる。そのため、前述の領域によって、トレンチの底部において発生する電界の集中を、より充分に緩和することができる。
【0012】
(6)上記形態の半導体装置において、前記第1半導体層および前記第2半導体層は、主に窒化ガリウム(GaN)により構成されていてもよい。この形態の半導体装置によれば、イオン注入によって前述の領域を形成することが困難であるGaN系の半導体装置において、トレンチの底部において発生する電界の集中を緩和することができる。
【0013】
(7)本発明の他の形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。この形態の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体である第1半導体層と;前記第1半導体層に接する第2導電型の半導体である第2半導体層と;を備える半導体装置の製造方法であって;(A)前記第2半導体層に、トレンチを前記第1半導体層まで達するように形成する工程を備え;前記工程(A)では、前記トレンチの底部を、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に向けて凸状に形成し、前記底部と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との境界を含む面と、の間に、前記第2導電型の半導体により構成された領域を形成する。この形態の製造方法によれば、トレンチを形成することにより、同時に第2導電型の半導体で構成された領域を形成することができる。前述の領域は、イオン注入や熱拡散処理を行わなくとも形成されることから、第2半導体層内の不純物が第1半導体層等へ拡散することを抑制することができるので、オン抵抗の増加が抑制される。その結果、半導体装置の電気的特性を向上させることができる。また、前述の領域を形成するための工程を別途設けなくともよいため、工程の簡易化と、製造コストの低減化を図ることができる。
【0014】
(8)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(A)では、ドライエッチングによって、前記トレンチの底部を、前記方向に向けて凸状に形成し、前記領域を形成してもよい。この形態の製造方法によれば、ドライエッチングによってトレンチを形成することにより、同時に前述の領域を形成することができる。
【0015】
(9)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(A)では、ドライエッチングおよびウェットエッチングを行うことにより、前記トレンチの底部を、前記方向に向けて凸状に形成し、前記領域を形成してもよい。この形態の製造方法によれば、ドライエッチングおよびウェットエッチングを行うことによってトレンチを形成しても、同時に前述の領域を形成することができる。
【0016】
(10)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(A)では、前記面に対して略平行な底部を有するトレンチを形成する場合と比べて、プラズマ生成電力とバイアス電力のうち、少なくとも一方が大きい条件でドライエッチングを行ってもよい。この形態の製造方法によれば、プラズマ生成電力とバイアス電力のうち少なくとも一方を大きくすることで、トレンチを形成する際に同時に前述の領域を形成することができる。
【0017】
(11)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記第1半導体層および前記第2半導体層として、主に窒化ガリウム(GaN)により構成された層が用いられてもよい。この形態の製造方法によれば、イオン注入によって前述の領域を形成することが困難であるGaN系の半導体装置において、トレンチの底部において発生する電界の集中を緩和することができる。
【0018】
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
【0019】
本発明は、上述した半導体装置や、半導体装置の製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、半導体装置を備えるサーバの電源やエアコン、太陽光発電システムのパワーコンディショナ、電気自動車(EV)用急速充電器、鉄道の電力変換装置などの電力効率を高める用途に用いられるパワー半導体デバイスとして実現することができる。また、半導体装置を製造する製造装置などの形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第2導電型の半導体で構成された領域によって、トレンチの底部において発生する電界の集中を緩和することができる。よって、半導体装置の耐圧を高くすることができる。また、トレンチの底部と、第1半導体層と第2半導体層との境界を含む面との間が第2導電型の半導体で構成された領域となることから、その領域を形成するためにイオン注入や不純物の熱拡散処理を行わなくともよい。そのため、第2半導体層内の不純物が第1半導体層等へ拡散することを抑制することができるので、オン抵抗の増加が抑制される。その結果、半導体装置の電気的特性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施形態:
A1.半導体装置の構成:
図1は、第1実施形態における半導体装置10の構成を模式的に示す断面図である。
図1には、本実施形態における半導体装置10の断面の一部を示している。なお、
図1は、半導体装置10の技術的特徴をわかりやすく示すための図であり、各部の寸法を正確に示すものではない。また、
図1には、説明を容易にするために、相互に直交するXYZ軸が図示されている。このことは、以降の図についても同様である。
【0023】
本実施形態における半導体装置10は、窒化ガリウム(GaN)系のトレンチゲート型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。半導体装置10は、例えば、電力制御に用いられ、パワーデバイスとも呼ばれる。
【0024】
半導体装置10は、基板110と、第1半導体層120と、第2半導体層130と、第3半導体層140と、トレンチ250と、絶縁膜255と、ゲート電極260と、ドレイン電極210と、ソース電極240と、フローティング部330と、を備える。半導体装置10は、NPN型の半導体装置であり、N型半導体の第1半導体層120と、P型半導体の第2半導体層130と、N型半導体の第3半導体層140とが順に積層された構造を有する。本実施形態において、本願の「第1導電型の半導体」はN型半導体に相当し、本願の「第2導電型の半導体」はP型半導体に相当する。また、本実施形態において、本願の「領域」はフローティング部330に相当する。なお、第1半導体層120と第2半導体層130と第3半導体層140とが積層された構造を、「積層体15」とも呼び、+Z方向(各層が積層される方向)を「上方」、−Z方向を「下方」とも呼ぶ。基板110、第1半導体層120、第2半導体層130、第3半導体層140のそれぞれの表面のうち上方側の表面を「上面」、下方側の表面を「下面」とも呼ぶ。
【0025】
半導体装置10の基板110は、XY平面に沿って広がる板状をなす。基板110はGaN系基板であり、ドーパント(ドナー)としてシリコン(Si)を含有する。本実施形態では、基板110の全域におけるシリコンの平均濃度は、1.0×10
18cm
-3である。
【0026】
第1半導体層120は、基板110の上面112に積層された状態で形成されている。第1半導体層120は、GaN系の半導体であり、基板110よりも低い濃度で、ドーパント(ドナー)としてシリコン(Si)を含有する。本実施形態では、第1半導体層120の全域におけるシリコンの平均濃度は、1.0×10
16cm
-3である。また、第1半導体層120の+Z方向への厚さは、10μm(マイクロメートル)である。
【0027】
第2半導体層130は、第1半導体層120の上面122に積層された状態で形成されている。第2半導体層130は、GaN系の半導体であり、ドーパント(アクセプタ)としてマグネシウム(Mg)を含有する。本実施形態では、第2半導体層130の全域におけるマグネシウムの平均濃度は、1.0×10
18cm
-3である。また、第2半導体層130の+Z方向への厚さは、1.0μmである。
【0028】
第3半導体層140は、第2半導体層130の上面132に積層された状態で形成されている。第3半導体層140は、GaN系の半導体であり、第1半導体層120よりも高い濃度でドーパント(ドナー)としてシリコン(Si)を含有する。本実施形態では、第3半導体層140の全域におけるシリコンの平均濃度は、3.0×10
18cm
-3である。また、第3半導体層140の+Z方向への厚さは、0.3μmである。
【0029】
トレンチ250は、積層体15をドライエッチングすることによって、第3半導体層140の上面142から第2半導体層130を貫通して第1半導体層120にまで到達するように形成されている。トレンチ250は、側壁251と底部252とを有する。底部252は、第1半導体層120から第2半導体層130へ向かう方向に向けて、凸状に形成されている。第1半導体層120から第2半導体層130へ向かう方向とは、半導体装置10の上方に向けた方向でもある。以降、トレンチ250の底部252のうち、第1半導体層120内に存在する底部252を「底部252D」とも呼び、第2半導体層130内に存在する底部252を「底部252B」とも呼ぶ。本実施形態では、トレンチ250の形状は、底部252Bの中央を中心とするXZ平面に対して、略対称である。トレンチ250の底部252Dは、やや丸まった形状を有する。
【0030】
フローティング部330は、
図1に示すように、第2半導体層130に存在する底部252Bと、第1半導体層120と第2半導体層130との境界面(境界)125を含む面と、の間に囲まれた領域である。なお、フローティング部330は、底部252Bの下方かつ内側に形成されているといいかえることができる。フローティング部330は、トレンチ250の底部252において発生する電界の集中を緩和する。フローティング部330は、トレンチ250の底部252を、第1半導体層120から第2半導体層130に向かう方向(上方)に向けて凸状に形成する際に、トレンチ250の底部252の内側に残る第2半導体層130である。そのため、フローティング部330は、第2半導体層130と同じGaN系のP型半導体であり、ドーパント(アクセプタ)としてマグネシウム(Mg)を第2半導体層130と同じ濃度(1.0×10
18cm
-3)で含有する。また、フローティング部330の底面(下面)331と、境界面125とは同一面上に存在する。
【0031】
絶縁膜255は、トレンチ250の底部252および側壁251と、トレンチ250周縁の第3半導体層140の上面142と、を連続的に覆うように形成された膜である。本実施形態では、絶縁膜255は、酸化シリコン(SiO
2)により形成されている。
【0032】
ゲート電極260は、絶縁膜255を介して、トレンチ250の底部252および側壁251と、トレンチ250周縁の第3半導体層140上面142と、を連続的に覆うように形成された電極である。本実施形態では、ゲート電極260は、アルミニウム(Al)により形成されている。
【0033】
ソース電極240は、第2半導体層130および第3半導体層140に接続するように形成された電極である。本実施形態では、ソース電極240は、アルミニウム(Al)からなる層とチタン(Ti)からなる層とパラジウム(Pd)からなる層を積層した後、熱処理することによって形成されており、アルミニウム(Al)からなる層が上方に位置する構造を有する。
【0034】
ドレイン電極210は、基板110の下面111に形成された電極である。本実施形態では、ドレイン電極210は、チタン(Ti)からなる層とアルミニウム(Al)からなる層を積層した後熱処理することによって形成されており、チタンからなる層が上方(基板110の下面111側)に位置する構造を有する。
【0035】
このように構成された半導体装置10において、第2半導体層130における絶縁膜255との境界面付近がチャネル領域となる。そして、ゲート電極260に所定値以上の電圧が印加されると、ソース電極240とドレイン電極210との間が、第3半導体層140と、第2半導体層130のチャネル領域と、第1半導体層120と、基板110とを介して導通する。
【0036】
ここで、トレンチ250およびフローティング部330の形状について、より詳細に説明する。
図2は、トレンチ250およびフローティング部330の形状についてより詳細に説明するための図である。
図2には、フローティング部330の高さT1、トレンチ250の幅W1、トレンチ250の底部252Dの深さT2、底部252Dの幅W2が示されている。なお、
図2においては、基板110や、絶縁膜255、ゲート電極260等は図示を省略している。
【0037】
T1は、境界面125を含む面から上方に向けた、フローティング部330の最大高さ(厚み)である。T2は、境界面125を含む面から底部252Dまでの最大深さである。W1は、フローティング部330を跨いだトレンチ250の側壁251間の境界面125を含む面における幅である。W2は、トレンチ250の側壁251からトレンチ250の凸状の底部252までの境界面125を含む面における幅である。T1と、T2と、W1と、W2とは、それぞれ以下の式(1)〜(3)を満たすように形成されている。
【0038】
0<T1≦W1・・・(1)
0≦W2≦1.0(μm)・・・(2)
0≦T2≦W2・・・(3)
【0039】
なお、T1と、T2と、W1と、W2とは、それぞれ以下の式(4)〜(6)を満たすように形成されているとより好ましい。
【0040】
T2≦T1≦W2・・・(4)
0.2≦W2≦0.5(μm)・・・(5)
0.1≦T2≦0.5(μm)・・・(6)
【0041】
以下、T1とT2とW2との下限および上限が、式(1)〜(3)を満たすように形成されている理由と、式(4)〜(6)を満たすように形成されているとより好ましい理由とについて説明する。
【0042】
<T1の下限について>
T1が0より大きい(式(1))とされているのは、フローティング部330を形成して、トレンチ250の底部252における電界の集中を充分に緩和するためである。なお、T1はT2以上であることが、より好ましい(式(4))。T1がT2以上であれば、フローティング部330が、トレンチ250の底部252Dに発生する電界の集中を、より充分に緩和することができる高さ(厚み)を有するからである。
【0043】
<T1の上限について>
T1がW1以下である(式(1))のは次の理由による。T1がW1以下であれば、底部252Bが第2半導体層130内のより上方に位置することを防ぐことができるため、底部252Dの形状が上方に向けて急峻になることを抑制することができる。その結果、底部252Dの形状が、フローティング部330によって電界の集中を充分に緩和することができる形状となるためである。なお、T1はW2以下であることが、より好ましい(式(4))。T1がW2以下であれば、底部252Dの形状が上方に向けて急峻になることを、より抑制することができる。その結果、フローティング部330が、底部252に発生する電界の集中をより充分に緩和することができるためである。
【0044】
<W2の下限について>
W2が0以上である(式(2))のは、ゲート電極260に所定値以上の電圧を印加した場合に、ソース電極240とドレイン電極210との間に、第3半導体層140と、第2半導体層130のチャネル領域と、第1半導体層120と、基板110とを介して電流を流すことができるようにするためである。なお、W2は0.2μm以上であることが、より好ましい(式(5))。W2を0.2μm以上とすることで、フローティング部330がチャネル領域に近接しすぎることを防ぐことができるので、電圧
印加時にチャネル領域が空乏化することを抑制できる。その結果、半導体装置10のオン抵抗の上昇を抑制することができるためである。
【0045】
<W2の上限について>
W2が1.0μm以下である(式(2))のは次の理由による。W2が1.0μm以下であれば、例えば側壁251近傍の底部252Dとフローティング部330の底面331との距離が大きくなりすぎることを抑制することができる。そのため、フローティング部330が、側壁251近傍の底部252Dにまで、電界緩和の効果を充分に及ぼすことができるからである。なお、W2は0.5μm以下であることが、より好ましい(式(5))。W2を0.5μm以下とすれば、フローティング部330が、側壁251近傍の底部252Dにまで、電界緩和の効果をより充分に及ぼすことができるからである。
【0046】
<T2の下限について>
T2が0以上である(式(3))のは、ソース電極240とドレイン電極210との間に、第3半導体層140と、第2半導体層130のチャネル領域と、第1半導体層120と、基板110とを介して電流を流すことができるようにするためである。なお、T2は、0.1μm以上であることがより好ましい(式(6))。
【0047】
<T2の上限について>
T2がW2以下である(式(3))のは、次の理由による。T2をW2以下とすれば、底部252Dの下端とフローティング部330の底面331との距離とが大きくなりすぎることを抑制することができる。そのため、フローティング部330が、底部252Dの下端に発生する電界の集中を充分に緩和することができるからである。なお、T2は0.5μm以下であることが、より好ましい(式(6))。T2を0.5μm以下とすれば、フローティング部330が、底部252Dの下端にまで、電界緩和の効果をより充分に及ぼすことができるからである。
【0048】
トレンチ250およびフローティング部330が上述のような形状を有するため、本実施形態の半導体装置10は、トレンチ250の底部252において発生する電界の集中を緩和することができる。そのため、フローティング部330が形成されていない半導体装置と比べて、半導体装置10は高い耐圧を有する。
【0049】
A2.半導体装置の製造方法:
図3は、半導体装置10の製造方法を示すフローチャートである。
図4は、積層体15を示す図である。半導体装置10を製造するには、まず、基板110上に第1半導体層120と第2半導体層130と第3半導体層140とが積層された積層体15が用意される(ステップS110)。積層体15は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法による結晶成長によって、基板110に、第1半導体層120と第2半導体層130と第3半導体層140とを上方に順に積層することによって製造される。
【0050】
次に、積層体15に対して、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行うことによって、トレンチ250およびフローティング部330が形成される(ステップS120)。具体的には、ステップS120では、積層体15のトレンチ250を形成すべき所定の領域を除いて、SiO
2をマスクとするパターンが形成される。その後、積層体15に対して、トレンチ250の形状が、上述の式(1)〜(3)を満たす形状となるような条件において、ドライエッチングが行われる。本実施形態では、積層体15に対するドライエッチングは、BCl
3とCl
2との混合ガスを用い、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)エッチング装置を用いて行われる。
【0051】
図5は、トレンチ250およびフローティング部330が形成された、製造過程における半導体装置17を示す模式図である。トレンチ250およびフローティング部330の形状を、上述の式(1)〜(3)を満たす形状となるようにするためには、例えばプラズマ生成電力(ICP電力)や、バイアス電力、プラズマ圧力、ガス組成、ガス流量、エッチング時間と、積層体15におけるT1、T2、W1、W2との関係を実験によってあらかじめ求めておく。そして、トレンチ250およびフローティング部330の形状が、上述の式(1)〜(3)を満たす形状となる条件によって、ドライエッチングが行われればよい。なお、トレンチ250およびフローティング部330をより好ましい形状とするためには、上述の式(4)〜(6)を満たす形状となるエッチング条件によって、積層体15に対してドライエッチングが行われればよい。
【0052】
このようなエッチング条件は、トレンチ250の底部252の形状を境界面125を含む面に対して略平行な(XY平面に対して平らな)形状とする場合のドライエッチングの条件と比べて、例えばプラズマ生成電力とバイアス電力のうち少なくとも一方が大きい。
【0053】
なお、本実施形態では、プラズマ生成電力が500W、バイアス電力が45W、BCl
3/Cl
2ガス流量比が0.5の条件下で、ドライエッチングが行われる。
【0054】
次に、トレンチ250およびフローティング部330が形成された、製造過程における半導体装置17に対し、酸素雰囲気において、800度、5分間の熱処理が施される(ステップS130)。熱処理を行うことで、ドライエッチングによって与えられたトレンチ250の側壁251および底部252のダメージが回復されるとともに、第2半導体層130およびフローティング部330のアクセプタが活性化される。
【0055】
次に、第3半導体層140の上面142およびトレンチ250の表面に、絶縁膜255が形成される(ステップS140)。
図6は、ステップS140が行われた後の、製造過程における半導体装置19を示す模式図である。
【0056】
次に、絶縁膜255が形成された、製造過程における半導体装置19に対し、電極(ゲート電極260、ソース電極240、ドレイン電極210)が形成される(ステップS150)。以上の工程により、本実施形態の半導体装置10が製造される。
【0057】
次に、上述の製造方法により製造された半導体装置10の電気的特性と、フローティング部330を有さない半導体装置50の電気的特性とについて説明する。
図7は、フローティング部330を有さない半導体装置50の構造を示す図である。半導体装置50は、上述の製造方法のステップS120におけるドライエッチング条件のうち、プラズマ生成電力を2分の1、すなわち250Wに変更することによって製造された半導体装置である。半導体装置50のトレンチ550の底部552の形状は、本実施形態の半導体装置10と異なり、境界面125を含む面に対して略平行な(XY平面に対して平らな)形状である。
【0058】
図8は、フローティング部330を有する半導体装置10とフローティング部330を有さない半導体装置50の耐圧を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の半導体装置10は、1300〜1400Vの耐圧を示す。一方、
図7に示す半導体装置50は、800〜900Vの耐圧を示す。この実験結果から、本実施形態の半導体装置10は、
図1に示すような形状のフローティング部330を有することにより、フローティング部330を有さない半導体装置50に対して、40%以上、耐圧が高いことが示された。
【0059】
本実施形態の半導体装置10の製造方法によれば、トレンチ250の底部252を、第1半導体層120から第2半導体層130へ向かう方向に向けて凸状に形成することによって、トレンチ250が形成される際に、同時にフローティング部330が形成される。そのため、積層体15に対して、フローティング部330を形成するための熱拡散処理が行われないので、熱処理によって第2半導体層130内の不純物が、第1半導体層120および第3半導体層140へ拡散することを防ぐことができる。よって、オン抵抗の増加が抑制される。また、イオン注入によってフローティング部330を形成することが困難であるGaN系の半導体装置であっても、トレンチ250の底部252において発生する電界の集中を緩和することができる。よって、半導体装置10の電気的性能を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態の半導体装置10の製造方法によれば、トレンチ250が形成される際に、同時にフローティング部330が形成される。そのため、フローティング部330を形成するための工程を別途設けなくともよい。よって、半導体装置10の製造工程を簡易にすることができるとともに、半導体装置10の製造コストの増加を抑制することができる。
【0061】
B.第2実施形態:
図9は、第2実施形態における半導体装置20の構成を模式的に示す断面図である。
図9に示す半導体装置20は、第3半導体層140に接続されたソース電極241と、第2半導体層130に接続されたボディ電極245とを備える点を除き、上述の第1実施形態における半導体装置10と同様である。第2実施形態におけるフローティング部330もまた、第1実施形態と同様に、ドライエッチングによりトレンチ250を形成することによって、トレンチ250と同時に形成される。ソース電極241は、アルミニウム(Al)からなる層とチタン(Ti)からなる層とを積層した後、熱処理することによって形成されている。ボディ電極245は、第2半導体層130のボディ電極245を形成すべき領域にパラジウム(Pd)からなる層を積層した後、熱処理することによって形成されている。
図9に示す半導体装置20を製造する場合には、ソース電極241を形成した後の熱処理と、ボディ電極245を形成した後の熱処理は、それぞれ別に行ってもよいし、同時に行ってもよい。このような構成の半導体装置20であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0062】
C.第3実施形態:
図10は、第3実施形態における半導体装置30の構成を模式的に示す断面図である。
図10に示す半導体装置30は、第1実施形態における半導体装置10に、さらにトレンチ250aを用いた終端構造を有する。
【0063】
終端構造におけるトレンチ250aは、第1および第2実施形態における半導体装置10のトレンチ250と同様の形状を有する。終端構造におけるフローティング部330aもまた、第1および第2実施形態と同様に、ドライエッチングによりトレンチ250aを形成することによって、トレンチ250aと同時に形成される。絶縁膜255aは、トレンチ250aの底部252a(252Da、252Ba)および側壁251aと、トレンチ250a周縁の第3半導体層140の上面142と、を連続的に覆うとともに、トレンチ250aを充填している。絶縁膜255aは、酸化シリコン(SiO
2)により形成されている。
【0064】
このように、上述の実施形態におけるトレンチ250およびフローティング部330の形状を終端構造に適用しても、終端構造におけるフローティング部330aによって、トレンチ250aの底部252aにおける電界の集中を緩和することができる。その結果、上述の実施形態と同様に、半導体装置30の電気的特性を向上させることができる。なお、トレンチ250aには、絶縁膜255aが充填されることに代えて、例えば、アルミニウム(Al)からなる電極が形成されていてもよい。
【0065】
D.変形例:
D1.変形例1:
上述の種々の実施形態では、トレンチ250、250aおよびフローティング部330、330aはドライエッチングを行うことによって形成されている。これに対し、トレンチ250、250aおよびフローティング部330、330aはドライエッチングおよびウェットエッチングを行うことによって形成されてもよい。ウェットエッチングのエッチャントとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ系のエッチャントを用いてもよい。
【0066】
D2.変形例2:
上述の種々の実施形態では、トレンチ250、250aは、プラズマ生成電力が500W、バイアス電力が45Wの条件下でドライエッチングを行うことにより形成されている。この条件は、トレンチの底部を、境界面125を含む面に対して略平行な形状とする条件(プラズマ生成電力が250W、バイアス電力が45W)に対して、プラズマ生成電力が2倍である。しかし、トレンチ250、250aは、トレンチの底部を、境界面125を含む面に対して略平行な形状とする条件に対して、バイアス電力を大きくすることによって形成されてもよい。例えば、トレンチ250、250aは、プラズマ生成電力が250W、バイアス電力が70Wの条件下で形成されてもよい。
【0067】
D3.変形例3:
図11は、半導体装置40の構成を模式的に示す断面図である。半導体装置40は、上述の実施形態における半導体装置10の変形例である。半導体装置40は、半導体装置10と比較して、トレンチ250bが第1半導体層120のより下方まで到達するように形成されている点と、ゲート電極260bが、境界面125を超えて第1半導体層120まで達している点とが異なる。半導体装置40のその他の点については、半導体装置10と同様である。半導体装置40のフローティング部330bもまた、半導体装置10と同様に、ドライエッチングによりトレンチ250bを形成することによって、トレンチ250bと同時に形成される。このような構成の半導体装置40であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。なおフローティング部330bは、
図11に図示しない領域において、第2半導体層130と繋がっていてもよい。
【0068】
D4.変形例4:
上述の種々の実施形態では、フローティング部330、330aの形状は、トレンチ250、250aの底部252B、252Baと境界面125を含む面とによって囲まれた形状である。これに対し、フローティング部330、330aは、
図1、
図9、
図10に図示しない領域において、第2半導体層130と繋がっていてもよい。
【0069】
D5.変形例5:
上述の種々の実施形態では、トレンチ250、250aおよびフローティング部330、330aは、ICPエッチング装置を用いたドライエッチングにより形成されている。これに対し、ICPエッチング装置に代えて、例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマを用いた誘導結合型エッチング装置や、マグネトロン型やイオンビーム型などの容量結合型プラズマエッチング装置など、プラズマ生成電力とバイアス電力を制御することのできる他のエッチング装置を用いてもよい。
【0070】
D6.変形例6:
上述の種々の実施形態における各半導体層の形成材料はあくまで一例であり、他の材料を用いることも可能である。例えば、上述の実施形態では、各半導体層が主として窒化ガリウム(GaN)により構成されているとしている。これに対し、各半導体層は炭化ケイ素(SiC)やケイ素(Si)といった他の材料により構成されていてもよい。
【0071】
D7.変形例7:
上述の種々の実施形態では、トレンチゲート型MOSFETについて説明したが、本発明はそれ以外の半導体装置にも適用可能である。例えば、本発明は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にも適用可能である。
【0072】
D8.変形例8:
上述の種々の実施形態では、絶縁膜255、255aは、酸化シリコン(SiO
2)により形成されている。これに対し、絶縁膜255、255aは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)や窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)といった他の材料により形成されているとしてもよい。また、絶縁膜255、255aは複数層構成であるとしてもよい。例えば、SiO
2の上にZrO
2を設けたZrO
2/SiO
2構成をはじめ、HfO
2/SiO
2構成、Al
2O
3/SiO
2構成、SiO
2/SiN構成といった2層構成や、SiNの上にSiO
2を設け、さらにその上にZrO
2を設けたZrO
2/SiO
2/SiN構成をはじめ、HfO
2/Al
2O
3/SiO
2構成といった3層構成であるとしてもよい。
【0073】
D9.変形例9:
上述の種々の実施形態ではゲート電極260はアルミニウム(Al)により形成されている。これに対し、ゲート電極260は、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、金(Au)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ポリシリコン等の導電性材料の少なくとも1つを含む電極であってもよい。また、ゲート電極260は、複数層によって構成されてもよい。例えば、ゲート電極260は、Au/Ni構成や、Al/Ti構成、Al/TiN構成(それぞれ、Ni、Ti、TiNが絶縁膜側)のような2層構成であってもよいし、TiN/Al/TiN構成のような3層構成であってもよい。
【0074】
D10.変形例10:
上述の第1実施形態では、ソース電極240は、アルミニウム(Al)からなる層とチタン(Ti)からなる層とパラジウム(Pd)からなる層とを積層して形成されている。また、上述の第2実施形態では、ソース電極241は、Alからなる層とTiからなる層とを積層して形成されている。これに対し、ソース電極240、241は、Tiの代わりに、例えば、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)などの導電性材料の少なくとも1つから成る電極であってもよい。
【0075】
D11.変形例11:
上述の種々の実施形態では、ドレイン電極210は、チタン(Ti)からなる層とアルミニウム(Al)からなる層を積層して形成されている。これに対し、ドレイン電極210は、Tiの代わりに、例えば、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)などの導電性材料の少なくとも1つから成る電極であってもよい。
【0076】
D12.変形例12:
上述の種々の実施形態では、半導体装置10の「第1導電型」はN型であり、「第2導電型」はP型である。これに対し、半導体装置10の「第1導電型」がP型であり、「第2導電型」がN型であってもよい。
【0077】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。