【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において行った分析、および評価方法は以下の通りである。
1.メルトフローレート(MFR)(単位:g/10分)
JIS−K−7210、温度230℃、荷重21.18Nに従って測定した。
【0038】
2.プロピレン系ブロック共重合体の物性の分析法
プロピレン系ブロック共重合体のプロピレン・エチレンランダム共重合体部分(以下ゴム成分ということがある。)の比率(Wc)、エチレン含有量、及び固有粘度の測定は、以下の装置、条件を用い、以下の手順で測定する。
【0039】
(1)使用する分析装置
(i)クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100(CFCと略す)
(ii)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR、パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは光路長1mm、光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFC後段部分のGPCカラムは、昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用する。
【0040】
(2)CFCの測定条件
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/mL
(iii)注入量:0.4mL
(iv)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(v)分別方法:
昇温溶出分別時の分別温度は40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:重量%)を各々W
40、W
100、W
140と定義する。W
40+W
100+W
140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(vi)溶出時溶媒流速:1mL/分
【0041】
(3)FT−IRの測定条件
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(i)検出器:MCT
(ii)分解能:8cm
−1
(iii)測定間隔:0.2分(12秒)
(iv)一測定当たりの積算回数:15回
【0042】
(4)測定結果の後処理と解析
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm
−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸に沿ったエチレン含有量の分布)は、FT−IRによって得られる2956cm
−1の吸光度と2927cm
−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレンや
13C−NMR測定等によりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレンラバー(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン含有量(重量%)に換算して求める。
【0043】
(5)プロピレン・エチレンランダム共重合体部分の比率(Wc)
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の比率(Wc)は、下記式(I)で理論上は定義され、以下のような手順で求められる。
Wc(重量%)=W
40×A
40/B
40+W
100×A
100/B
100 …(I)
式(I)中、W
40、W
100は、上述した各フラクションでの溶出割合(単位:重量%)であり、A
40、A
100は、W
40、W
100に対応する各フラククションにおける実測定の平均エチレン含有量(単位:重量%)であり、B
40、B
100は、各フラクションに含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含有量(単位:重量%)である。A
40、A
100、B
40、B
100の求め方は後述する。
【0044】
(I)式の意味は以下の通りである。すなわち、(I)式右辺の第一項はフラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の量を算出する項である。フラクション1がプロピレン・エチレンランダム共重合体のみを含み、結晶性プロピレン重合体部分を含まない場合には、W
40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のプロピレン・エチレンランダム共重合体部分含有量に寄与するが、フラクション1にはプロピレン・エチレンランダム共重合体由来の成分のほかに少量の結晶性プロピレン重合体部分由来の成分(極端に分子量の低い成分及びアタクチックポリプロピレン)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこでW
40にA
40/B
40を乗ずることにより、フラクション1のうち、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分由来の量を算出する。例えば、フラクション1の平均エチレン含有量(A
40)が30重量%であり、フラクション1に含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体のエチレン含有量(B
40)が40重量%である場合、フラクション1の30/40=3/4(即ち75重量%)はプロピレン・エチレンランダム共重合体由来、1/4は結晶性プロピレン重合体部分由来ということになる。このように右辺第一項でA
40/B
40を乗ずる操作は、フラクション1の重量%(W
40)からプロピレン・エチレンランダム共重合体の寄与を算出することを意味する。右辺第二項も同様であり、各々のフラクションについて、プロピレン・エチレンランダム共重合体の寄与を算出して加え合わせたものがプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の含有量となる。
【0045】
(i)上述したように、CFC測定により得られるフラクション1〜2に対応する平均エチレン含有量をそれぞれA
40、A
100とする(単位はいずれも重量%である)。平均エチレン含有量の求め方は後述する。
(ii)フラクション1の微分分子量分布曲線におけるピーク位置に相当するエチレン含有量をB
40とする(単位は重量%である)。フラクション2については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本発明では実質的にB
100=100と定義する。B
40、B
100は各フラクションに含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含有量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由はフラクションに混在するプロピレン単独重合体とプロピレン・エチレンランダム共重合体を完全に分離・分取する手段がないからである。種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B
40はフラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明することができることがわかった。また、B
100はエチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、および、これらのフラクションに含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体の量がフラクション1に含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体の量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が、実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。そこでB
100=100として解析を行うこととしている。
【0046】
(iii)上記の理由からプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の比率(Wc)を以下の式に従い、求める。
Wc(重量%)=W
40×A
40/B
40+W
100×A
100/100 …(II)
つまり、(II)式右辺の第一項であるW
40×A
40/B
40は結晶性を持たないプロピレン・エチレンランダム共重合体含有量(重量%)を示し、第二項であるW
100×A
100/100は結晶性を持つプロピレン・エチレンランダム共重合体部分含有量(重量%)を示す。
ここで、B
40およびCFC測定により得られる各フラクション1および2の平均エチレン含有量A
40、A
100は、次のようにして求める。
微分分子量分布曲線のピーク位置に対応するエチレン含有量がB
40となる。また、測定時にデータポイントとして取り込まれる、各データポイントの重量割合と各データポイントのエチレン含有量の積の総和がフラクション1の平均エチレン含有量A
40となる。フラクション2の平均エチレン含有量A
100も同様に求める。
【0047】
なお、上記3種類の分別温度を設定した意義は次の通りである。本発明のCFC分析においては、40℃とは結晶性を持たないポリマー(例えば、プロピレン・エチレンランダム共重合体の大部分、もしくは結晶性プロピレン重合体部分の中でも極端に分子量の低い成分およびアタクチックな成分)のみを分別するのに必要十分な温度条件である意義を有する。100℃とは、40℃では不溶であるが100℃では可溶となる成分(例えばプロピレン・エチレンランダム共重合体中、エチレン及び/またはプロピレンの連鎖に起因して結晶性を有する成分、および結晶性プロピレン重合体部分)のみを溶出させるのに必要十分な温度である。140℃とは、100℃では不溶であるが140℃では可溶となる成分(例えば、結晶性プロピレン重合体部分中特に結晶性の高い成分、およびプロピレン・エチレンランダム共重合体中の極端に分子量が高くかつ極めて高いエチレン結晶性を有する成分)のみを溶出させ、かつ分析に使用するプロピレン系ブロック共重合体の全量を回収するのに必要十分な温度である。なお、W
140にはプロピレン・エチレンランダム共重合体成分は全く含まれないか、存在しても極めて少量であり実質的には無視できることからプロピレン・エチレンランダム共重合体の比率やプロピレン・エチレンランダム共重合体のエチレン含有量の計算からは排除する。
【0048】
(6)プロピレン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含有量
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体におけるプロピレン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含有量は、上述で説明した値を用い、次式から求められる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含有量(重量%)=(W
40×A
40+W
100×A
100)/Wc
但し、Wcは先に求めたプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の比率(重量%)である。
【0049】
(7)固有粘度の測定
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体における結晶性プロピレン重合体部分とプロピレン・エチレンランダム共重合体部分の固有粘度[η]pは、ウベローデ型粘度計を用いてデカリンを溶媒として温度135℃で測定する。
まず、結晶性プロピレン重合体部分の重合終了後、一部を重合槽よりサンプリングし、固有粘度[η]pを測定する。次に、結晶性プロピレン重合体部分を重合した後、プロピレン・エチレンランダム共重合体を重合して得られた最終重合物(F)の固有粘度[η]Fを測定する。[η]cは、以下の関係から求める。
[η]F=(100−Wc)/100×[η]p+Wc/100×[η]c
【0050】
<触媒の製造例>
撹拌装置を備えた容量10リットルのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエンを2リットル導入した。ここに、室温で、ジエトキシマグネシウムMg(OEt)
2を200g、四塩化チタンを1リットル添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温で四塩化チタンを1リットル添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体触媒成分のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体触媒成分のチタン含有量は2.7重量%、マグネシウム含有量は18重量%であった。また、固体触媒成分の平均粒径は33μmであった。
次に、攪拌装置を備えた容量20リットルのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体触媒成分(触媒1−1)のスラリーを固体触媒成分(触媒1−1)として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体触媒成分(触媒1−1)の濃度が25g/リットルとなるように調整した。四塩化珪素SiCl
4を50mL加え、90℃で1時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
【0051】
その後、精製したn−ヘプタンを導入して液レベルを4リットルに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、t−ブチルメチルジメトキシシラン(t−C
4H
9)(CH
3)Si(OCH
3)
2を30ml、トリエチルアルミニウムEt
3Alのn−ヘプタン希釈液をEt
3Alとして80g添加し、40℃で2時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄し、得られたスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分にはチタンが1.2重量%、(t−C
4H
9)(CH
3)Si(OCH
3)
2 が8.8重量%含まれていた。
上記で得られた固体成分を用いて、以下の手順により予備重合を行った。上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が20g/リットルとなるように調整した。スラリーを10℃に冷却した後、トリエチルアルミニウムEt
3Alのn−ヘプタン希釈液をEt
3Alとして10g添加し、280gのプロピレンを4時間かけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30分間反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って固体触媒成分(触媒1)を得た。この固体触媒成分(触媒1)は、固体成分1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。分析したところ、固体触媒成分(触媒1)のポリプロピレンを除いた部分には、チタンが1.0重量%、(t−C
4H
9)(CH
3)Si(OCH
3)
2が8.2重量%含まれていた。
【0052】
[実施例1]
内容積2000リットルの流動床式反応器を二個連結してなる連続反応装置を用いて重合を行った。まず、第一反応器で、重合温度58℃、プロピレン分圧1.8MPa(絶対圧)、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.035となるように連続的に供給するとともに、トリエチルアルミニウムを4.0g/hrで、触媒1をポリマー重合速度が16kg/hrになるように供給した。第一反応器で重合したパウダー(結晶性プロピレン重合体)は、反応器内のパウダー保有量を40kgとなるように16kg/hrの抜出し速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的に移送した(第一工程)。
第二反応器で、重合温度60℃で、モノマー圧力1.5MPaになるように、プロピレンとエチレンをエチレン/プロピレンのモル比で0.44となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.0008となるように連続的に供給すると共に、エチルアルコールを第一反応器に供給するトリエチルアルミニウムに対して1.37倍モルになるように供給した。第二反応器で重合したパウダーは、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように連続的にベッセルに抜き出し、水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、プロピレン・エチレンブロック共重合体を得た(第二工程)。
【0053】
得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体のパウダー100重量部に対して、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製、商品名:イルガノックス1010)0.1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバガイギー社製、商品名:イルガホス168)0.05重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.15重量部を添加し、スーパーミキサー(川田製作所製)で5分間混合、ブレンドした。得られたブレンド物を用いて、以下の装置、条件下で水中カット造粒法によりプロピレン・エチレンブロック共重合体の造粒体を得た(第三工程)。
混練押出機:内径110mm 単軸押出機
ダイス:TiC、φ2.5、20穴、ヒートチャンネル式
カッター刃:TiC、4枚、掬い角50°
造粒体の処理レート:200kg/hr
冷却水温度:43℃
スクリーンパックフィルター:500メッシュ
【0054】
第一工程及び第二工程の反応条件並びに第三工程を経て得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体の諸物性を表1に示した。
また、得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体の造粒体100重量部に対して黒色顔料マスターバッチ3重量部をドライブレンドして、型締め圧20トンの射出成形機及び短辺に幅2mmのフィルムゲートをもつ金型を用いて、40mm×80mm×2mmtのシートを成形温度200℃で射出成形した。シートの外観(ゲル)の評価を以下の基準で行った。
○:ゲルが認められない、又はあっても目立たず実用上問題ないレベル
×:ゲルが多数認められる
【0055】
<実施例2
、4、5、
参考例3、比較例1〜3>
触媒1を用いて、実施例1の手順に従って、プロピレン・エチレンブロック共重合体の造粒体を得た。ここで、第一工程におけるプロピレン及び水素量、第二工程におけるプロピレンとエチレンの供給量及び水素量、各段階の平均滞留時間、重合温度を表1又は2のように変更した。
得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体の諸物性を表1又は2に示した。また、得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体について、外観(ゲル)の評価結果を表1又は2に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
以上の各実施例及び比較例から次の事項が判明した。
(1)実施例1
、2、4、5から、本発明の製造方法によれば、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分の比率が高いプロピレン系ブロック共重合体を製造するにあたり、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分の固有粘度を高くしてもゲルの発生を抑制できるといえる。
(2)比較例1は、プロピレン・エチレンランダム共重合体部製造工程の重合温度が高い例であり、実施例1
、2、4、5との比較から、固有粘度[η]cが低下した。
(3)比較例2は、結晶性プロピレン重合体部分製造工程の重合温度とプロピレン・エチレンランダム共重合体部製造工程の重合温度との差が大きい例であり、実施例1
、2、4、5との比較から、固有粘度[η]cが低いにも関わらず、外観が悪い(ゲルの問題あり)。
(4)比較例3は、プロピレン・エチレンランダム共重合体部製造工程の重合温度が高く、結晶性プロピレン重合体部分製造工程の重合時間(平均滞留時間)に比べ、プロピレン・エチレンランダム共重合体部製造工程の重合時間(平均滞留時間)が短い例であり、実施例1
、2、4、5との比較から、固有粘度[η]cが低いにも関わらず、外観が悪い(ゲルの問題あり)。