特許第6052084号(P6052084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052084
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20161219BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20161219BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H01R43/00 Z
   B60R16/02 610Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-146069(P2013-146069)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-19524(P2015-19524A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
(72)【発明者】
【氏名】北川 学
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−287224(JP,A)
【文献】 特開2007−012379(JP,A)
【文献】 特開2004−037164(JP,A)
【文献】 特開2012−042383(JP,A)
【文献】 特開2001−185316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内部に収容したプリント基板の導体に実装した雄端子をケース周壁に設けた端子接続部内に突出すると共に、該端子接続部の底側が前記プリント基板で閉鎖され、該底側と対向する前記端子接続部の先端開口から電線端末に接続した雌端子を挿入して前記雄端子と嵌合接続する電気接続箱において、
前記端子接続部の端子収容室を囲む下壁に、前記先端開口から前記ケースの中空部に連続するピン挿入溝を凹設し、該ピン挿入溝の底側開口に対向する位置の前記プリント基板に前記雄端子と接続した導体から延在する導通検査用接点を設け、
前記端子接続部の先端開口から前記ピン挿入溝に導通検査ピンを挿入して、前記導通検査用接点に接触させて導通検査を行える構成としている電気接続箱。
【請求項2】
前記端子接続部内において、前記ピン挿入溝の底側上面を閉鎖するように端子係止用のランスを設け、該ランスの底端側を前記ピン挿入溝の両側壁の上面に架橋状に連続させる支持部とし、該支持部から先端側は前記下壁と分離して上下方向に撓み可能とし、かつ、該ランスの中央上面に前記電線端末の雌端子に設けた係止凹部に係止する係止段部を突設すると共に、該係止段部の先端に下向き傾斜部を設け、該下向き傾斜部を前記ピン挿入溝の上面開口に位置させ、
雌雄端子の誤結時に、前記ピン挿入溝に解除治具ピンを挿入し、前記ランスの下向き傾斜部と接触させて押し下げることにより、該ランスによる係止を解除し、前記電線端末の雌端子を前記端子接続部からの抜き出しを可能としている請求項1に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両に搭載される電気接続箱に関し、特に、電気接続箱内に収容したプリント基板から突設する端子をケース周壁に設けた端子接続部(キャビテイ)に突出させ、該端子接続部に電線接続端子を挿入して嵌合する電気接続部位に対して、前記端子接続部の底部が前記プリント基板により閉鎖されている場合に、電線接続端子の挿入口側から導通検査および端子抜き作業が行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気・電子部品の増加に伴い、これら部品への電気分配および給電制御を行う電気接続箱の内部にプリント基板を収容し、該プリント基板から突設した接続ピンに外部電線を端子接続する場合がある。
例えば、図6に示す電気接続箱では、ケース100の内部にプリント基板101を収容し、該プリント基板101の導体に半田付けで実装したタブ状あるいはピン状の雄端子102をケース100の周壁外面に設けた端子接続部(キャビテイ)103に突出させている。該端子接続部103の先端開口103aから外部電線200の端末に接続した雌端子201を挿入し、前記基板実装の雄端子102に嵌合して電気接続している。其の際、挿入する電線端末の雌端子201の底面に設けている係止段部201aに端子接続部103の内壁から可撓性を持たせて突出しているランス105を係止して、基板実装の雄端子102と嵌合した電線端末の雌端子201を所定位置に保持している。
【0003】
前記雌雄端子201、102との電気接続の確認を行う導通検査を行う必要がある。また、基板実装の雄端子102と雌端子201が誤結された場合、雌雄端子の嵌合を解除して雌端子201を端子接続部103から抜き出す作業が必要となる。
【0004】
前記端子接続部での電気接続確認の導通検査を行う場合、特開平8−22882号公報、特開2012−42383号公報等に開示しているように、端子接続部に挿入する雌端子201の先端開口と対向する方向、即ち、雄端子側から導通検査ピンを挿入し、雌端子201と接触させている。
また、端子接続部内で誤結されている雌端子201を雄端子との嵌合を解除して端子接続部から抜き出す場合も、雄端子側から解除治具を挿入し、雌端子201の係止段部201aに係止しているランス105の先端突出部側を押し下げて、雌端子201を端子接続部から抜き出せるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−22882号公報
【特許文献2】特開2012−42383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記電気接続箱100では内部に収容したプリント基板101が、電気接続箱100内を横断する状態で収容されているため、ケース周壁に突設する端子接続部103の底部側を閉鎖している。よって、プリント基板101側からの端子抜き取り治具および導通検査ピンを挿入することは構造上困難である。
【0007】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、プリント基板に実装された端子がケース周壁に設けた端子接続部に突出していると共に、該端子接続部の底側が前記プリント基板で閉鎖されている電気接続箱において、前記端子接続部に挿入して前記基板に実装された端子と嵌合接続する電線端末端子との導通検査および誤結された電線端末の端子の抜き取りが行えるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、ケース内部に収容したプリント基板の導体に実装した雄端子をケース周壁に設けた端子接続部内に突出すると共に、該端子接続部の底側が前記プリント基板で閉鎖され、該底側と対向する前記端子接続部の先端開口から電線端末に接続した雌端子を挿入して前記雄端子と嵌合接続する電気接続箱において、
前記端子接続部の端子収容室を囲む下壁に、前記先端開口から前記ケースの中空部に連続するピン挿入溝を凹設し、該ピン挿入溝の底側開口に対向する位置の前記プリント基板に前記雄端子と接続した導体から延在する導通検査用接点を設け、
前記端子接続部の先端開口から前記ピン挿入溝に導通検査ピンを挿入して、前記導通検査用接点に接触させて導通検査を行える構成としている電気接続箱を提供している。
【0009】
前記のように、本発明の電気接続箱では、端子接続部の先端開口からケースの中空部に連続するピン挿入溝を設けると共に、該ピン挿入溝に挿入した導通検査ピンが突き当たる位置のプリント基板に、雄端子と導通した導体を延在させた検査用接点部を設けている。これにより、端子接続部のケース内の底側がプリント基板で閉鎖されていても、端子接続部の先端開口からピン挿入溝に導通検査ピンを挿入し、プリント基板の検査用接点部に突き当てることにより、端子接続部内で基板実装の雄端子と電線端末の雌端子が正規に嵌合して回路接続が成されていることを確認検査することができる。
【0010】
さらに、本発明の電気接続箱では、前記端子接続部内において、前記ピン挿入溝の底側上面を閉鎖するように端子係止用のランスを設け、該ランスの底端側を前記ピン挿入溝の両側壁の上面に架橋状に連続させる支持部とし、該支持部から先端側は前記下壁と分離して上下方向に撓み可能とし、かつ、該ランスの中央上面に前記電線端末の雌端子に設けた係止凹部に係止する係止段部を突設すると共に、該係止段部の先端に下向き傾斜部を設け、該下向き傾斜部を前記ピン挿入溝の上面開口に位置させ、
雌雄端子の誤結時に、前記ピン挿入溝に解除治具ピンを挿入し、前記ランスの下向き傾斜部と接触させて押し下げることにより、該ランスによる係止を解除し、前記電線端末の雌端子を前記端子接続部からの抜き出しを可能としている。
【0011】
前記のように、電線端末の端子を係止するランスを前記ピン挿入溝の上部に設けると共に、該ピン挿入溝の上面に該ランスの可撓側先端に設けた下向き傾斜部を位置させることで、ピン挿入溝から解除治具ピンを挿入して、ランスの係止を解いて端子を抜き出すことができる。
このように、ピン挿入溝を導通検査ピンと解除治具ピンの挿入溝として機能させ、端子接続部の底側(奥側)がプリント基板で閉鎖されていても導通検査および誤結時の端子抜きを行うことができる。
【0012】
本発明の電気接続箱は、ケースの他の部分にヒューズ嵌合部、リレー嵌合部、電線端末のコネクタ嵌合部を設けてもよい。
【0013】
さらに、本発明の電気接続箱を他の電気接続箱と着脱自在に連結できる構成としてもよい。例えば、自動車に搭載するジャンクションボックスからなる電気接続箱を、ワイヤハーネス端末のコネクタ嵌合部と、ヒューズ装着部とを分割して、ハーネス接続ボックスとヒューズ専用ボックスとを別体として設け、着脱自在に連結できるようにし、前記ヒューズ専用ボックス内にプリント基板を収容すると共に、一面に前記端子接続部を設け、他面にヒューズ装着部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
前記のように、本発明の電気接続箱は、ケース内に収容したプリント基板から突出した端子をケース周壁に設けた端子接続部(キャビテイ)内に突出させ、電線端末の端子と嵌合接続し、該端子接続部のケース内の底側(奥側)が前記プリント基板で閉鎖されていても、端子嵌合による回路接続の確認検査用の導通検査ピンをピン挿入溝に挿入して導通検査することができる。さらに、端子嵌合が誤結である場合、係止解除用の解除治具ピンを前記ピン挿入溝に挿入してランスを押し下げて係止を解除し、電線端末の端子を抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の電気接続箱の実施形態を示し、(A)は断面図、(B)は右側面図である。
図2】前記電気接続箱に設けた端子接続部を示し、(A)は拡大垂直断面図、(B)は水平断面図、(C)は右側面図、(D)は(A)のD−D線断面図、(E)は(B)のE−E線断面図である。
図3】前記端子接続部に電線端末の端子を挿入する状態を示す断面図である。
図4】前記端子接続部で端子を嵌合し、導通検査している状態を示す断面図である。
図5】(A)〜(C)は前記端子接続部から誤結合した端子を抜き取る工程を示す図面である。
図6】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の電気接続箱の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の電気接続箱1は自動車に搭載され、主としてヒューズを装着しているヒューズ専用ボックスとして好適に用いられるものである。
【0017】
該電気接続箱1は図1(A)(B)に示すケース20を第1ケース21と第2ケース22とから構成し、第1ケースはメンテナンス空間に向ける表面ケースとし、他方の第2ケース21を車体パネル側に沿わせる裏面ケースとしている。第1ケース21と第2ケース22で囲まれる中空部にプリント基板2を収容して、第1、第2ケース21、22に設けたロック手段24でロック結合するものとしている。
【0018】
前記第1ケース21の周壁に上下方向に間隔をあけて2つのヒューズ装着部25A、25Bを設けている。
一方、第2ケース22の周壁の上端から突出したメス型のコネクタ嵌合部26を設け、その下方の中央部にヒューズ装着部28を設けている。さらに、該第2ケース22の下部に端子接続部10を突設している。本実施形態では端子接続部10を5個並設している。
【0019】
各端子接続部10は図2(A)〜(E)に示す構成としている。該端子接続部10はコネクタの端子収容室(キャビテイ)に相当し、端子接続部10の下壁11、上壁12、左右壁13、14で端子収容室15を囲んでいる。前記プリント基板2の導体からなる導電路3に半田付けで実装したタブ形状の雌端子5を各端子接続部10の端子収容室15内に各1本づつ突出している。
【0020】
前記端子接続部10のケース内部と連通する底側(奥側)はプリント基板2で閉鎖された状態となっており、対向側には電線端末に接続した端子挿入用の先端開口6を設けている。各端子接続部10には先端開口6から図3に示すように、各1本の電線4の先端に接続した雌端子8を挿入し、前記雄端子5と雌雄嵌合し、プリント基板2の導電路3と電線8とを回路接続するようにしている。
【0021】
端子接続部10の端子収容室15を囲む下壁11の左右幅方向の中央部に、先端開口6からケース内の中空部16に連続する位置までの長さ方向の全長にピン挿入溝30を凹設している。ピン挿入溝30の両側壁30aの上部内面に段状突出部30a−1を設けている。該段状突出部30a−1の下方空間をピンガイド部30gと、後述する導通検査ピン50および解除治具ピン60を摺動自在にガイドする溝形状としている。
【0022】
ピン挿入溝30のケース内の中空部16に開口する底側の内部開口30hは、プリント基板2の前記雄端子5の突出位置P1から下方に位置する突き当て位置P2に対向させている。プリント基板2の裏面側に前記雄端子5を実装した導通路3を延在させた導通路40を設け、該導通路40の先端に設けたスルーホールに半田を充填し、突き当て位置P2の表面に検査用接点部42を設けている。
【0023】
また、前記内部開口30hを挟む両側壁の段状突出部30a−1の上面に連続して架橋状に端子係止用のランス35の支持部35aを設け、該支持部35aから下壁11とは分離して、ピン挿入溝30の上面開口を塞ぐ状態で可撓部35bを先端開口6側に向けて突出している。
【0024】
前記ランス35は図2(A)に示すように、可撓部35bの先端側の上面に係止段部35cを突設し、前記電線4の端末に接続した雌端子8の下面に設けた係止突起8dに係止するものとしている。また、ランス35の先端の下面に解除突起35dを設けている。該解除突起35dの先端に下向き傾斜部35eを設け、該下向き傾斜部35eの先端側をピン挿入溝30のピンガイド部30g内に上面開口からわずかに突出させている。
【0025】
前記構成とした電気接続箱1の端子接続部10内に突出した雄端子5に電線4の端末に接続した雌端子8を図3に示すように挿入し、雄端子5と雌雄嵌合する。この状態で雌端子8の係止突起8dにランス35の係止段部35cが係止し、雄端子5との嵌合状態を係止保持する。
【0026】
雌雄端子8、5を嵌合して回路接続した状態を検査するため、図4に示すように、導通検査ピン50を端子接続部10のピン挿入溝30に先端開口6側から挿入する。導通検査ピン50はピン挿入溝30のピンガイド部30gに挿入し、内部開口30hを通してプリント基板2に突き当てる。該突き当て位置P2に導通検査用接点42を設けているため、導通検査ピン50の先端は導通検査用接点42に突き当たって接触する。これにより、雌雄端子8、5の電気接続が成されているか否かを検査することができる。
【0027】
また、雄端子5と嵌合した電線4の端末の雌端子8が誤結した端子であれば、抜き出す必要があるため、図5に示すように解除治具ピン60を用いて雌端子8を抜き出している。
即ち、図5(A)に示すように、解除治具ピン60をピン挿入溝30に挿入していく。ランス35の解除突起の下向き傾斜部35eがピンガイド部30gの上部にわずかに突出しているため、解除治具ピン60の先端傾斜部60aを図5(B)に示すように下向き傾斜部35eに接触させることができる。この状態で、図5(C)に示すように、ランス35の可撓部35bを下向き傾斜させ、雌端子8との係止を解くと、雌端子8を端子接続部10から引き出すことができる。
【0028】
本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 電気接続箱
2 プリント基板
3 導通路
4 電線
5 雄端子
8 雌端子
10 端子接続部
11 下壁
30 ピン挿入溝
35 ランス
50 導通検査ピン
60 解除治具ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6