特許第6052085号(P6052085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052085
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20161219BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01R13/629
   H01R13/639 Z
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-146180(P2013-146180)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-18731(P2015-18731A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 克司
(72)【発明者】
【氏名】前岨 宏芳
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−296893(JP,A)
【文献】 特開2012−164474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合時に相手方コネクタのハウジングに係合される係合部を有する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに取り付けることにより、前記係合部と前記相手方コネクタのハウジングとの係合状態を維持し、かつ、前記第1ハウジングから取り外すことにより、前記係合部と前記相手方コネクタのハウジングとの係合状態を解除する係合維持部を有する第2ハウジングと、を備え
前記係合部は、先端に近づくに従って先細り状となる斜面とその斜面の頂上から基端側に向かって下降傾斜する斜面とを有する山形に形成されているコネクタ。
【請求項2】
前記第1ハウジングは、前記相手方コネクタのハウジングに対して回転自在に係合される請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
機器に接続されるコネクタとしては、例えば特許文献1に記載のものなどが知られている。
【0003】
このようなコネクタにおいて、機器側のコネクタとの嵌合信頼性を高めるためには、例えば、コネクタに機器側コネクタに固定される固定部を設けておいて、当該固定部を機器側コネクタハウジングに圧入する等により、強固に固定する構成が考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−192140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コネクタを相手方(機器側)コネクタハウジングに圧入等の方法により強固に固定した場合、嵌合信頼性を高めることができても、コネクタを容易に取り外すことができないため、コネクタの補修作業等が困難であった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合信頼性を高めつつ補修作業等が可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するものとして、本発明は嵌合時に相手方コネクタのハウジングに係合される係合部を有する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに取り付けることにより、前記係合部と前記相手方コネクタのハウジングとの係合状態を維持し、かつ、前記第1ハウジングから取り外すことにより、前記係合部と前記相手方コネクタのハウジングとの係合状態を解除する係合維持部を有する第2ハウジングと、を備えるコネクタ、である。
【0008】
本発明において、嵌合時に相手方コネクタのハウジングと係合されて係合状態となった第1ハウジングを係合維持する係合維持部を有する第2ハウジングを備えるので、コネクタと相手方コネクタとの嵌合信頼性を高めることができる。また、この第2ハウジングを第1ハウジングから取り外すことにより、第1ハウジングと相手方コネクタのハウジングとの係合状態が解除されるので、第2ハウジングを取り外すだけでコネクタの補修作業が可能となる。
【0009】
その結果、本発明によれば、嵌合信頼性を高めつつ補修作業等が可能なコネクタを提供することができる。
【0010】
本発明は以下の構成であってもよい。
前記第1ハウジングは、前記相手方コネクタのハウジングに対して回転自在に係合されてもよい。
このような構成とすると、コネクタを相手方コネクタに嵌合させる際に、相手方コネクタのハウジングに第1ハウジングを挿入する位置の規制がないので嵌合作業を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、嵌合信頼性を高めつつ補修作業等が可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1のコネクタと相手方コネクタが嵌合した状態を示す斜視図
図2図1の状態における正面図
図3図2のA−A線における断面図
図4図1の状態における背面図
図5図4のB−B線における断面図
図6】相手方コネクタの分解斜視図
図7】相手方コネクタの正面図
図8図7のC−C線における断面図
図9】コネクタの側面図
図10】コネクタの正面図
図11図10のD−D線における断面図
図12】コネクタの分解斜視図
図13】ハウジングの側面図
図14】ハウジングの背面図
図15図14のE−E線における断面図
図16】ハウジングの分解斜視図
図17】第1ハウジングの側面図
図18】第1ハウジングの正面図
図19図20のG−G線における断面図
図20】第1ハウジングの背面図
図21図18のF−F線における断面図
図22】第2ハウジングの側面図
図23】第2ハウジングの正面図
図24図23のH−H線における断面図
図25】第2ハウジングの背面図
図26図25のI−I線における断面図
図27】嵌合前のハウジングと相手方コネクタのハウジングを示す断面図
図28】ハウジングと相手方コネクタのハウジングとが嵌合した状態を示す断面図
図29】第2ハウジングを取り外した状態を示す断面図
図30】相手方コネクタのハウジングから第1ハウジングを取り外す様子を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図30によって説明する。
実施形態1のコネクタ10は、図1図5に示すように、相手方コネクタ30と嵌合して電気的に接続される。
【0014】
(相手方コネクタ30)
相手方コネクタ30は図1および図6に示すように、3種類の端子37,38,39とこれらの端子37,38,39を保持する円筒状のハウジング31と、を備える。
【0015】
3種類の端子37,38,39は、図6における左側から順に、第1端子37、第2端子38、第3端子39である。第1端子37、第2端子38および第3端子39は、それぞれ、C字状の接触部37A,38A,39Aと、接触部37A,38A,39Aの略中央から突出する板状の端子部37B,38B,39Bとからなる。第1端子37、第2端子38および第3端子39の接触部37A,38A,39Aの径寸法は、第1端子37、第2端子38、第3端子39の順に小さく設定されている。
【0016】
相手方コネクタ30のハウジング31の内部には、図8に示すように、断面形状が三段階の段差状をなす内筒部32が設けられている。内筒部32内にはコネクタ10の第1ハウジング12を受け入れ可能とされる(図3および図5を参照)。
【0017】
内筒部32には、3つの端子37,38,39が内嵌され保持される端子保持部33,34,35が設けられている。
【0018】
詳しくは、内筒部32には、図8における右側から順に第1端子37を保持する第1端子保持部33、第2端子38を保持する第2端子保持部34、第3端子39を保持する第3端子保持部35が形成されている。内筒部32の図8の左右方向の端縁は円形状に開口している(図7を参照)。
【0019】
ハウジング31には、第1端子37の端子部37Bと第2端子38の端子部38Bを挿通させる端子挿通孔36が設けられている。第3端子39の端子部39Bは第3端子保持部35の縁部の切欠部35Aに保持されるようになっている。
【0020】
(コネクタ10)
コネクタ10は図9図12に示すように3種類の端子18,19,20と、これらの端子18,19,20を保持するハウジング11と、を備える。
【0021】
3種類の端子18,19,20は、図12における右側から順に、第1端子18、第2端子19、第3端子20である。第1端子18、第2端子19および第3端子20は、それぞれ、C字状の接触部18A,19A,20Aと、接触部18A,19A,20Aの略中央から突出する板状の端子部18B,19B,20Bとからなる。第1端子18、第2端子19および第3端子20の接触部18A,19A,20Aの径寸法は、第1端子18、第2端子19、第3端子20の順に小さく設定されている。
【0022】
ハウジング11は、図16に示すように、端部に相手方コネクタ30のハウジングに係合する係合部13を有する第1ハウジング12と、第1ハウジング12に取り付けられる第2ハウジング22とからなる。
【0023】
ハウジング11は、第2ハウジング22を第1ハウジング12に取り付けた状態において、図9図12に示すように、その外壁が3段階の段差形状をなしている。段差形状をなす部分は端子18,19,20が外嵌され保持される端子保持部14,15,16である。ハウジング11の外壁には、図11における右側から順に第1端子18を保持する第1端子保持部14、第2端子19を保持する第2端子保持部15、第3端子20を保持する第3端子保持部16が形成されている。また第1端子保持部14、第2端子保持部15および第3端子保持部16には各端子18,19,20の端子部18B,19B,20Bが挿通され保持される端子保持孔17が設けられている。
【0024】
(第1ハウジング12)
第1ハウジング12の図示右端部には、図13図16に示すように、第2ハウジング22のロック突部23に係合するロック孔21が設けられている。そして、第1ハウジング12の図示左端部には嵌合時に相手方コネクタ30のハウジング31に係合される3つの係合部13が設けられている。係合部13は、先端に近づくに従って先細り状に形成されている。第1ハウジング12の係合部13は、図3および図5に示すように、相手方コネクタ30のハウジング31の内筒部32の図示左側の端縁32Aに係止されるようになっている。
【0025】
第1ハウジング12の内部には、図15に示すように、第2ハウジング22の係合維持部24(詳細は後述する)を挿入可能とされる。また、第1ハウジング12の外壁には図17図21に示すように、各端子18,19,20を保持する端子保持部14,15,16が設けられている。
【0026】
(第2ハウジング22)
第2ハウジング22には図22図26に示すように、第1ハウジング12の内部に挿入され第1ハウジング12の係合部13と相手方コネクタ30のハウジング31の内筒部32との係合状態を維持する係合維持部24が突出形成されている。この係合維持部24を第1ハウジング12の内部から抜き取ると、第1ハウジング12の係合部13が撓み変形しやすくなり容易に第1ハウジング12の係合部13と相手方コネクタ30のハウジング31の内筒部32との係合状態を解除することができる。
【0027】
係合維持部24は円柱状をなしており図示左端部には先端に近づくほど小径に形成された傾斜面24Aが形成されている。
【0028】
第2ハウジング22の係合維持部24の突出端よりも右側の部分には、図11に示すように、内部に端子18,19,20が配されるようになっており、その外壁には、図16および図26に示すように、第1ハウジング12のロック孔21に嵌り込むロック突部23が設けられている。
【0029】
(コネクタ10と相手方コネクタ30との嵌合)
本実施形態のコネクタ10と相手方コネクタ30との嵌合作業について説明する。
まず第1ハウジング12の各端子保持部14,15,16に各端子18,19,20を取り付けたのち、第1ハウジング12の内部に第2ハウジング22の係合維持部24を挿入し、第1ハウジング12のロック孔21に第2ハウジング22のロック突部23を係合させると、本実施形態のコネクタ10が得られる。
【0030】
相手方コネクタ30のハウジング31にも各端子37,38,39を取り付ける。具体的にはハウジング31の内筒部32の各端子保持部33,34,35に各端子37,38,39を内嵌し取り付ける。
【0031】
次に本実施形態のコネクタ10のハウジング11を、図27に示すように、相手方コネクタ30のハウジング31内に挿入し両コネクタ10,30を嵌合させる。なお、図27図30においては、各コネクタ10,30の端子18,19,20,37,38,39を省略している。
【0032】
コネクタ10のハウジング12の係合維持部24を、相手方コネクタ30の内筒部32内に挿入し、第1ハウジング12の係合部13と相手方コネクタ30のハウジング31の内筒部32とが当接すると、相手方コネクタ30のハウジング31の内筒部32が外側方向に撓み変形する。第1ハウジング12の係合部13が完全に内筒部32を通過するところまで進入すると、ハウジング31の内筒部32が弾性復帰して内筒部32の端縁32Aに第1ハウジング12の係合部13が係止されるとともに、コネクタ10と相手方コネクタ30との嵌合作業が終了する(図3を参照)。
【0033】
コネクタ10と相手方コネクタ30とが嵌合状態にあるときには、図3および図5に示すように、コネクタ10の第1端子18の接触部18Aと相手方コネクタ30の第1端子37の接触部37Aとが接触し、コネクタ10の第2端子19の接触部19Aと相手方コネクタ30の第2端子38の接触部38Aとが接触し、コネクタ10の第3端子20の接触部20Aと相手方コネクタ30の第3端子39の接触部39Aとが接触し、両コネクタ10,30は電気的に接続可能な状態となる。
【0034】
コネクタ10と相手方コネクタ30とが嵌合状態にあるとき、第1ハウジング12は相手方コネクタ30のハウジング31に中心軸で係合されているため、第1ハウジング12は相手方コネクタ30のハウジング31に対して回転自在に嵌合できることになる。
【0035】
その一方で、第1ハウジング12の係合部13は第2ハウジング22の係合維持部24により、内側方向への弾性変形が妨げられているため、第1ハウジング12は、第2ハウジング22が取り付けられていることにより、相手方コネクタ30のハウジング31との係合状態が維持されており、嵌合信頼性が高くなっている。
【0036】
(本実施形態の作用および効果)
本実施形態の作用について説明する。例えば本実施形態のコネクタ10を補修する際には、図29に示すように、第2ハウジング22を第1ハウジング12から取り外す。第2ハウジング22を第1ハウジング12から取り外す際には、第2ハウジング22のロック突部23と第1ハウジング12のロック孔21との係合状態を解除して図29に示す右側方向に第2ハウジング22を引き抜く。
【0037】
第2ハウジング22を引き抜くことにより、第2ハウジング22の係合維持部24が第1ハウジング12の内部から抜き取られ、第1ハウジング12の係合部13が内側方向に弾性変形可能となる。第1ハウジング12の係合部13が内側方向に撓むことにより、相手方コネクタ30のハウジング31との係合状態が解除されると、図30に示すように、第1ハウジング12を相手方コネクタ30のハウジング31から容易に取り外すことができる。
【0038】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、嵌合時に相手方コネクタ30のハウジング31と係合状態となった第1ハウジング12を、係合維持する係合維持部24を有する第2ハウジング22を備えるので、コネクタ10と相手方コネクタ30との嵌合信頼性を高めることができる。
【0039】
また、第2ハウジング22を第1ハウジング12から取り外すことにより、第1ハウジング12と相手方コネクタ30のハウジング31との係合状態の解除が容易となるので、第2ハウジング22を取り外すだけでコネクタ10の補修作業が可能となる。
その結果、本実施形態によれば、嵌合信頼性を高めつつ補修作業等が可能なコネクタ10を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、第1ハウジング12は、相手方コネクタ30のハウジング31に対して回転自在に係合されているから、コネクタ10と相手方コネクタ30とを嵌合させる際に、方向規制がないので、嵌合作業を円滑に行うことができる。
なお、本実施形態では、第1端子37、第2端子38および第3端子39の接触部37A,38A,39Aの径寸法は、第1端子37、第2端子38、第3端子39の順に小さく設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1端子37の接触部37Aと、第2端子38の接触部38Aとを軸方向に離れた位置に配置し且つ接触部38Aを第1端子37に電気的に接触しないような構成にすることで、第1端子37および第2端子38の径寸法を同じくすることもできる。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では第1ハウジング12は相手方コネクタ30のハウジング31に対して回転自在に係合されている構成を示したが、第1ハウジングは相手方コネクタのハウジングに対して回転しない構成であってもよい。
(2)上記実施形態では第1ハウジング12と第2ハウジング22とを一体化したハウジング11を、相手方コネクタ30のハウジング31に嵌合させる構成を例示したが、第1ハウジングのみを相手方コネクタのハウジングに係止させた後第2ハウジングを第1ハウジングに取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…コネクタ
11…ハウジング
12…第1ハウジング
13…係合部
18…第1端子
19…第2端子
20…第3端子
21…ロック孔
22…第2ハウジング
23…ロック突部
24…係合維持部
30…相手方コネクタ
31…ハウジング
32…内筒部
32A…内筒部の端縁
37…第1端子
38…第2端子
39…第3端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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