(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記移動部は、上記ロック位置と上記第1セット位置との間であって上記係合部が上記被係合部と係合しないロック解除位置に移動可能であり、且つ、上記第2トレイの移動向きにおいて、上記第2トレイが上記第1位置のときに上記案内部における第1案内位置に上記移動部は位置し、上記第2トレイが上記第2位置のときに上記案内部における第2案内位置に上記移動部は位置し、上記第2トレイが上記第3位置のときに上記案内部における第3案内位置に上記移動部は位置するものであり、
上記移動部または上記案内部の一方は、上記移動部または上記案内部の他方に対して離れる向きへ移動可能であり、
上記第2セット位置は、上記第1セット位置に対して上記ロック位置と反対側に位置し、
上記案内部は、上記ロック位置と上記ロック解除位置との間において、上記第1案内位置と上記第3案内位置との間の全域と、上記第2案内位置と上記3案内位置との間の全域と、に延びた案内リブを備え、
上記第1案内部は、
上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間において、上記第1案内位置から、当該第1案内位置と上記第3案内位置との間の第4案内位置まで、延びた第1リブと、
上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間において、上記第2案内位置から、当該第2案内位置と上記第3案内位置との間の第5案内位置まで、延びた第2リブと、を備え、
上記第2案内部は、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間において、上記第1案内位置から、上記第4案内位置と上記第3案内位置との間の第6案内位置まで、延びた第3リブと、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間において、上記第2案内位置から、上記第5案内位置と上記第3案内位置との間の第7案内位置まで、延びた第4リブと、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間であって上記第3リブと上記第3案内位置との間の位置から、上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間であって上記第6案内位置と上記第4案内位置との間の位置まで延び、上記第1案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第5リブと、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間であって上記第4リブと上記第3案内位置との間の位置から、上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間であって上記第7案内位置と上記第5案内位置との間の位置まで延び、上記第2案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第6リブと、を備え、
上記移動妨害部は、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間において、上記第5リブと上記第6リブとを繋ぐ第7リブを備える請求項3に記載の給送トレイ。
上記移動部は、上記ロック位置と上記第1セット位置との間であって上記係合部が上記被係合部と係合しないロック解除位置に移動可能であり、且つ、上記第2トレイの移動向きにおいて、上記第2トレイが上記第1位置のときに上記案内部における第1案内位置に上記移動部は位置し、上記第2トレイが上記第2位置のときに上記案内部における第2案内位置に上記移動部は位置し、上記第2トレイが上記第3位置のときに上記案内部における第3案内位置に上記移動部は位置するものであり、
上記第2セット位置は、上記第1セット位置に対して上記ロック位置と反対側に位置し、
上記第1案内部は、
上記第1案内位置と上記第3案内位置との間において、上記第1セット位置と上記第2セット位置との間から、上記第1セット位置と上記ロック解除位置との間まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第1傾斜部と、
上記第1傾斜部と上記第3案内位置との間において、上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間から、上記ロック解除位置と上記ロック位置との間まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第2傾斜部と、
上記第2案内位置と上記第3案内位置との間において、上記第1セット位置と上記第2セット位置との間から、上記第1セット位置と上記ロック解除位置との間まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第3傾斜部と、
上記第3傾斜部と上記第3案内位置との間において、上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間から、上記ロック解除位置と上記ロック位置との間まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第4傾斜部と、を備え、
上記第2案内部は、
上記第2セット位置に対して上記第1セット位置の反対側における上記第1案内位置と上記第3案内位置との間から、上記第2セット位置と上記第1セット位置との間における上記第1傾斜部よりも上記第3案内位置側まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第5傾斜部と、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間における上記第3案内位置と上記第3傾斜部との間から、上記第1セット位置と上記ロック解除位置との間における上記第3傾斜部と上記第4傾斜部との間まで延び、上記第2案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第6傾斜部と、
上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間における上記第3傾斜部の上記第3案内位置側の端部と上記第2案内位置との間から、上記ロック解除位置と上記ロック位置との間まで延び、上記第2案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第7傾斜部と、
上記第2セット位置に対して上記第1セット位置の反対側における上記第2案内位置と上記第3案内位置との間から、上記第2セット位置と上記第1セット位置との間における上記第6傾斜部の上記第3案内位置側の端部よりも上記第3案内位置側まで延び、上記第3案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第8傾斜部と、
上記第1セット位置と上記第2セット位置との間における上記第5傾斜部の上記第3案内位置側の端部と上記第1傾斜部との間から、上記第1セット位置と上記ロック解除位置との間における上記第1傾斜部と上記第2傾斜部との間まで延び、上記第1案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第9傾斜部と、
上記ロック解除位置と上記第1セット位置との間における上記第1傾斜部の上記第3案内位置側の端部と上記第1案内位置との間から、上記ロック解除位置と上記ロック位置との間まで延び、上記第1案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第10傾斜部と、
上記第2セット位置に対して上記第1セット位置の反対側における上記第5傾斜部と上記第3案内位置との間から、上記第2セット位置と上記第1セット位置との間まで延び、上記第1案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第11傾斜部と、
上記第2セット位置に対して上記第1セット位置の反対側における上記第8傾斜部と上記第3案内位置との間から、上記第2セット位置と上記第1セット位置との間まで延び、上記第2案内位置側である程に上記ロック位置側に位置するように傾斜した第12傾斜部と、を備える請求項1または2に記載の給送トレイ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
【0015】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体に形成されている。複合機10は、その上部に、記録用紙などの原稿に記録された画像をイメージセンサによって読み取って画像データを取得するスキャナ部11を備えている。また、複合機10は、その下部に、上記画像データなどに基づいて、記録用紙15(本発明のシートの一例、
図2参照)に画像を記録するプリンタ部12を備えている。
【0016】
スキャナ部11は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されているが、ここでは、スキャナ部11の内部構成の詳細な説明は省略される。プリンタ部12は、概ね直方体に形成されており、正面に開口13が形成されたプリンタ筐体14を有している。
【0017】
図2に示されるように、プリンタ部12におけるプリンタ筐体14の内部には、開口13から前後方向8に挿抜可能であって内部に記録用紙15が収容される給紙トレイ20(本発明の給送トレイの一例)と、給紙トレイ20の上側に設けられた排紙トレイ21と、給紙トレイ20に収容された記録用紙15を搬送路23へ向けて給送向き17(後向き)に給送する給紙ローラ25と、給紙ローラ25によって給送された記録用紙15を搬送路23に沿って搬送させる搬送ローラ対63及び排出ローラ対66と、スキャナ部11によって原稿から読み取られた画像データなどに基づいて、搬送路23を搬送される記録用紙15に画像を記録する記録部24などが配設されている。
【0018】
画像が記録された記録用紙15は、排紙トレイ21に排出され、排紙トレイ21に支持される。排紙トレイ21は、給紙トレイ20の上側に給紙トレイ20と重ねられて設けられており、給紙トレイ20と一体に開口13に挿抜される。
【0019】
[搬送路23]
図2に示されるように、搬送路23は、給紙トレイ20の後端部を基点として、下方から上方に延びつつUターンしてから、前向きに延びて排紙トレイ21に至る通路である。搬送路23は、所定間隔を隔てて互いに対向する第1ガイド部材31及び第2ガイド部材32によって構成される空間である。記録用紙15は、給紙トレイ20から搬送路23に給送され、搬送路23を、
図2に破線の矢印で示される向きである搬送向き16に搬送される。つまり、記録用紙15は、下方から上方に延びつつUターンするように搬送された後に、前向きに搬送されつつ排紙トレイ21に排出される。
【0020】
[搬送ローラ対63及び排出ローラ対66]
図2に示されるように、搬送路23における記録部24よりも搬送向き16の上流側には、搬送ローラ61及びピンチローラ62よりなる搬送ローラ対63が設けられている。ピンチローラ62は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって搬送ローラ61のローラ面に圧接されている。搬送路23における記録部24よりも搬送向き16の下流側には、排出ローラ64及び拍車65よりなる排出ローラ対66が設けられている。拍車65は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって排出ローラ64のローラ面に圧接されている。搬送ローラ61及び排出ローラ64は、搬送用モータ(不図示)から駆動力が伝達されることによって回転され、ピンチローラ62及び拍車65との間に記録用紙15を挟持しつつ搬送向き16へ搬送する。
【0021】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送路23の上側に配置されている。記録部24は、搬送路23に対向可能な位置に設けられた記録ヘッド37と、記録ヘッド37を搭載したキャリッジ38とを備えている。記録ヘッド37には、インクカートリッジ(不図示)から供給されたインクを搬送路23に向けて吐出するための複数のノズル36が形成されている。キャリッジ38は、左右方向9に往復移動可能に構成されている。キャリッジ38が左右方向9へ往復移動されながら、搬送路23に沿って搬送される記録用紙15に向かってノズル36からインク滴が吐出される。これにより、記録用紙15に画像が記録される。
【0022】
なお、本実施形態において、記録部24が記録用紙15に画像を記録する方式は、インクジェット記録方式であるが、記録部24が記録用紙15に画像を記録する方式はインクジェット記録方式に限らず、例えば電子写真方式などであってもよい。
【0023】
[給紙トレイ20]
図3及び
図4に示されるように、給紙トレイ20は、第1トレイ72と、第1トレイ72に対して前後方向8に移動可能な第2トレイ73と、第2トレイ73の第1トレイ72に対する前後方向8の移動をロック可能なロック機構40と、を備えている。第1トレイ72は、底板74と、底板74の左右端から上向きに立設された一対の側板75と、底板74の後端から上向きに立設された凸部76とを備えている。底板74の上面80(本発明の第1支持面の一例)には、複合機10内の搬送路23へ給送される記録用紙15が積層された状態で支持される。
【0024】
第2トレイ73は、第1トレイ72に上側から重畳された状態で配置されている。第2トレイ73は、底板77(
図2参照)と、底板77の左右端から上向きに立設された一対の側板78と、底板77の前端から上向きに立設された前板79とを備えている。当該底板の上面81(
図2参照、本発明の第2支持面の一例)には、複合機10内の搬送路23へ給送される記録用紙15が積層された状態で支持される。なお、
図3及び
図4では、底板77は排紙トレイ21によって隠された状態である。また、上述とは逆に、第1トレイ72が、第2トレイ73の上側から重畳された状態で配置されていてもよい。
【0025】
第2トレイ73の一対の側板78は、左右方向9において、第1トレイ72の一対の側板75の外側に隣接している。また、第2トレイ73の一対の側板78には、第1トレイ72の一対の側板75の上端部と係合される係合部(不図示)が設けられている。これにより、第2トレイ73は、左右方向9への移動を制止されつつ、記録用紙15の給送向き17に沿った前後方向8(本発明の移動向きの一例)へ移動可能である。その結果、第2トレイ73は、第1トレイ72に対して前後方向8に摺動される。
【0026】
第2トレイ73が第1トレイ72に対して押し入れられた状態(
図3(A)参照)のとき、搬送路23に給送される記録用紙15は、第1トレイ72の底板74の上面81によって支持される。つまり、このとき、第1トレイ72及び第2トレイ73の各上面80、81は、上方からの平面視で重畳しており、搬送路23に給送される記録用紙15は、その殆どの部分を第1トレイ72の底板74の上面81に支持された状態で、第1トレイ72に収容される。このときの第2トレイ73の位置は、本発明の第1位置である。第2トレイ73が第1位置のとき、給紙トレイ20には、A4サイズの記録用紙15が支持可能である。
【0027】
一方、第2トレイ73が第1トレイ72に対して引き出された状態(
図2及び
図3(B)参照)のとき、上方からの平面視で、第1トレイ72の底板74の上面80の前端部と、第2トレイ73の底板77の上面81の後端部とが重畳しているが、その他の部分においては重畳していない。つまり、上方からの平面視における両上面80、81の重畳面積は、第2トレイ73が第1位置のときよりも小さい。搬送路23に給送される記録用紙15は、第1トレイ72の底板74の上面80の前端部を除く大部分及び第2トレイ73の底板77の上面81の後端部を除く大部分によって支持される。つまり、このとき、搬送路23に給送される記録用紙15は、双方のトレイ72、73の上面80、81に支持された状態で、双方のトレイ72、73に収容される。このときの第2トレイ73の位置は、本発明の第2位置である。第2トレイ73が第2位置のとき、給紙トレイ20には、A3サイズの記録用紙15が支持可能である。
【0028】
また、第2トレイ73が第1位置と第2位置の間の第3位置のとき、上方からの平面視で、第1トレイ72の底板74と第2トレイ73の底板77との重畳面積は、第2トレイ73が第1位置のときよりも大きく且つ第2トレイ73が第2位置のときよりも小さい。本実施形態では、第2トレイ73が第3位置のとき、給紙トレイ20には、B4サイズの記録用紙15が支持可能である。以上より、第2トレイ73は、第1位置と第2位置と第3位置とに移動可能である。
【0029】
[ロック機構40]
ロック機構40は、以下で詳述するように、第2トレイ73の前後方向8に沿った移動、つまり第2トレイ73の第1位置及び第2位置の間の移動のロック、及び当該ロックの解除が可能に構成されている。
【0030】
ロック機構40は、移動本体41(
図4参照)と、被係合部42(
図7参照)と、案内部43(
図7及び
図11参照)と、付勢部材50(
図7参照)と、を備えている。ここで、ロック機構40は、
図4に破線で示される範囲に設けられているが、
図4では、移動本体41のみが露出した状態で、被係合部42と案内部43と付勢部材50とは第1トレイ72によって隠された状態である。なお、被係合部42と案内部43と付勢部材50とは、第1トレイ72の下方に第1トレイ72と重畳されている第2トレイ73の底板77の上面81側に配置されている。被係合部42と案内部43と付勢部材50とは、
図7〜
図11に示されている。
【0031】
移動本体41は、第1トレイ72の底板74の上面80によって、前後方向8と直交し且つ第1トレイ72の底板74の上面80に沿った左右方向9(本発明の交差方向の一例)へ移動可能に支持されている。被係合部42は、第2トレイ73に設けられており、移動本体41と係合することによって第2トレイ73の第1トレイ72に対する前後方向8の移動をロックする。案内部43は、第2トレイ73に設けられており、第2トレイ73の前後方向8への移動過程において移動本体41と当接して、当該移動本体41を左右方向9へ案内する。付勢部材50は、移動本体41を右側へ付勢する。移動本体41、被係合部42、案内部43、及び付勢部材50については、後に詳細に説明される。
【0032】
[移動本体41]
図6に示されるように、移動本体41は、樹脂成形された細長板状の部材である。
図4及び
図7に示されるように、移動本体41は、前後方向8を短手方向、左右方向9を長手方向、上下方向7を厚み方向として、第1トレイ72の底板74の上面80に左右方向9へ移動可能に支持されている。
【0033】
以下に詳述する。第1トレイ72の底板74の上面80の前端部であって左右方向9における中央部には、凹部44が形成されている。凹部44の左右方向9における中央部には、開口45が形成されている。移動本体41は、その左右両端部を、凹部44の左右方向9における端部によって支持されている。
【0034】
移動本体41の左右方向9の長さは、凹部44の左右方向9の長さよりも短い。よって、移動本体41は、第1トレイ72に対して、その右端が凹部44の右側面82と当接する右当接位置(
図7(D)に示される位置)及び左側面83と当接する左当接位置(
図8(B)に示される位置)の間の範囲で左右方向9に移動可能である。一方、移動本体41の前後方向8の長さは、凹部44の前後方向8の長さと略同一である。よって、移動本体41は、第1トレイ72に対して、前後方向8に移動しない。以上より、移動本体41と第1トレイ72とは、左右方向9には互いに相対移動可能である一方、前後方向8には互いに相対移動できない。
【0035】
図6及び
図7に示されるように、移動本体41は、係合部46と凸部47と表示部90とを備えている。なお、
図6では、凸部47が省略されている。
【0036】
係合部46は、移動本体41の下面の左端部及び右端部からL字状に突出した突部である。係合部46は、移動本体41が右当接位置の状態で、被係合部42と係合可能であり、移動本体41が左当接位置の状態で被係合部42から離間される。係合部46と被係合部42とが係合することによって、第1トレイ72と第2トレイ73とが移動本体41を介して連結される。これにより、第2トレイ73の第1トレイ72に対する前後方向8の移動がロックされる。一方、係合部46と被係合部42とが離間した状態では、第1トレイ72と第2トレイ73との連結が解除されるため、第2トレイ73は第1トレイ72に対して前後方向8に移動可能となる。
【0037】
凸部47は、係合部46から左右方向9に沿って延びた延設部48と、延設部48の先端部において下向きに屈曲した屈曲部49(本発明の移動部の一例)とを備えている。延設部48は、案内部43(
図11参照)よりも上方に位置している。屈曲部49は、案内部43の上端よりも下方まで延びている。つまり、屈曲部49は、第1トレイ72から第2トレイ73へ向けて延びている。これにより、屈曲部49は、案内部43と当接可能である。
【0038】
延設部48は、その基端側が係合部46と繋がっている一方で、その先端側は何れの部材とも繋がっていない。また、上述したように延設部48を含む移動本体41は、樹脂成形されている。これにより、延設部48は、その基端側を軸として、その先端側が概ね上下方向7に移動するように撓む。つまり、延設部48は、弾性によって第2トレイ73から離れる向きへ移動可能である。
【0039】
図7及び
図8に示されるように、移動本体41が左右方向9に移動することによって、屈曲部49は、左右方向9に沿って、ロック位置91、ロック解除位置92、第1セット位置93、及び第2セット位置94に移動する。ここで、ロック位置91、ロック解除位置92、第1セット位置93、及び第2セット位置94は、左右方向9における位置である。
【0040】
ロック位置91は、4つの位置の中で最も右側の位置である。屈曲部49がロック位置のとき、移動本体41は右当接位置に位置する。これにより、係合部46が被係合部42と係合可能となる。ロック解除位置92は、ロック位置よりも左側の位置である。屈曲部49がロック解除位置92のとき、係合部46が被係合部42から離間して被係合部42と係合不可能となる。
【0041】
第1セット位置93は、ロック解除位置92よりも左側の位置である。第1セット位置93は、第2トレイ73を第1位置と第2位置との間の第3位置へ移動させる場合に、屈曲部49がセットされる位置である。第2セット位置94は、4つの位置の中で最も左側の位置である。第2セット位置94は、第2トレイ73を第1位置または第2位置へ移動させる場合に、屈曲部49がセットされる位置である。屈曲部49が第2セット位置94のとき、移動本体41は左当接位置に位置する。また、屈曲部49が第1セット位置93または第2セット位置94のとき、係合部46が被係合部42から離間して被係合部42と係合不可能となる。
【0042】
凸部47の屈曲部49は、前後方向8において、第2トレイ73が第1位置のときに、案内部43における第1案内位置131に位置し、第2トレイ73が第2位置のときに案内部43における第2案内位置132に位置し、第2トレイ73が第3位置のときに案内部43における第3案内位置133に位置する。換言すると、凸部47の屈曲部49は、第2トレイ73が第1位置のとき、第1トレイ72の上面80における第1案内位置131の部分と対向し、第2トレイ73が第2位置のとき、第1トレイ72の上面80における第2案内位置132の部分と対向し、第2トレイ73が第3位置のとき、第1トレイ72の上面80における第3案内位置133の部分と対向する。
【0043】
図4に示されるように、表示部90は、移動本体41の上面に塗料などによって表示された指定部70と、第1トレイ72の底板74の上面80に塗料などによって表示された被指定部71とで構成されている。
【0044】
指定部70は、三角形状であり、その頂点が後側に向いている。被指定部71は、上面80における移動本体41の後側に設けられている。被指定部71は、指定部70と前後方向8において対向する位置に設けられている。被指定部71は、左右方向9に間隔を空けて3つ設けられている。移動本体41が左右方向9に移動されることによって、指定部70と各被指定部71とが対向する。
【0045】
各被指定部71は、右から順に、「Lock」、「B4」、「A4orA3」と表示されている。「Lock」と表示された被指定部71は、屈曲部49がロック位置91に位置するときに指定部70と対向する位置に設けられている。これにより、移動本体41が、指定部70と「Lock」と表示された被指定部71とが対向する位置に移動されたとき、第2トレイ73は第1トレイ72に対してロックされる。
【0046】
「B4」と表示された被指定部71は、屈曲部49が第1セット位置93に位置するときに指定部70と対向する位置に設けられている。これにより、ユーザは、給紙トレイ20にB4サイズの記録用紙15を収容したいとき、換言すると第2トレイ73を第3位置へ移動させたいときに、指定部70を「B4」と表示された被指定部71と対向させればよい。
【0047】
「A4orA3」と表示された被指定部71は、屈曲部49が第2セット位置94に位置するときに指定部70と対向する位置に設けられている。これにより、複合機10のユーザは、給紙トレイ20にA4またはA3サイズの記録用紙15を収容したいとき、換言すると第2トレイ73を第1位置または第2位置へ移動させたいときに、指定部70を「A4orA3」と表示された被指定部71と対向させればよい。
【0048】
なお、本実施形態において、移動本体41は、所定間隔毎に停止しながら移動することができる。ここで、移動本体41が所定間隔毎に停止する位置は、屈曲部49が、ロック位置91、ロック解除位置92、第1セット位置93、及び第2セット位置94となる各位置である。このように、移動本体41を所定間隔毎に停止させるための構成は、以下の通りである。
図5及び
図6に示されるように、移動本体41は、その下端部に凸部33を備えている。また、第1トレイ72は、
図5に示されるように、凸部33に対向可能な位置に複数の凹部34を備えている。これにより、移動本体41の移動過程において、凸部33は凹部34と対向しない位置では弾性変形しているため、移動本体41は連続的に移動するが、凸部33が凹部34と対向する位置では凸部33が凹部34と嵌合するため、移動本体41は停止する。この状態で、ユーザが移動本体41を移動させるべく力を加えると、凸部33は凹部34から離間して弾性変形し、移動本体41は連続的に移動することが可能となる。
【0049】
[被係合部42]
図7及び
図8に示されるように、被係合部42は、第2トレイ73の底板77の上面81に設けられている。被係合部42は、第1被係合部51と第2被係合部52と第3被係合部53とで構成されている。各被係合部51〜53は、上面81から上向きに突出された凸形状であり、当該凸形状の左側面には、係合部46の先端部が挿入可能な大きさの凹みが形成されている。すなわち、被係合部51〜53の凹部は、左側に向かって開口しており、係合部46より若干大きく形成されている。凹部は、前後方向8及び右側に壁が形成されており、係合部46が挿入されると、移動本体41の前後方向8における移動と右側に向かう向きの移動とを規制する。なお、各被係合部51〜53は、前述したような形状に限らず、例えば上面81からU字状に立設されたリブであってもよい。
【0050】
図7(A)に示されるように、各被係合部51〜53は、前後方向8に沿って互いに間隔を空けて設けられている。各被係合部51〜53の左右方向9における位置は、屈曲部49がロック位置91のときの係合部46の先端部の左右方向9における位置と同位置である。
【0051】
第1被係合部51の前後方向8における位置は、第2トレイ73が第1位置のときの係合部46の先端部の前後方向8における位置と同位置である。つまり、第1被係合部51は、第2トレイ73が第1位置且つ屈曲部49がロック位置91の状態において係合部46と係合する位置に設けられている。
【0052】
第2被係合部52の前後方向8における位置は、第2トレイ73が第2位置のときの係合部46の先端部の前後方向8における位置と同位置である。つまり、第2被係合部52は、第2トレイ73が第2位置且つ屈曲部49がロック位置91の状態において係合部46と係合する位置に設けられている。
【0053】
第3被係合部53の前後方向8における位置は、第2トレイ73が第3位置のときの係合部46の先端部の前後方向8における位置と同位置である。つまり、第3被係合部53は、第2トレイ73が第3位置且つ屈曲部49がロック位置91の状態において係合部46と係合する位置に設けられている。
【0054】
[案内部43]
図7、
図8、及び
図11に示されるように、案内部43は、第2トレイ73が第1位置から第3位置または第2位置から第3位置へ移動する過程において、第1セット位置93の屈曲部49をロック位置91へ案内する第1案内部54と、第2トレイ73が第1位置から第2位置、第2位置から第1位置、第3位置から第1位置、または第3位置から第2位置へ移動する過程において、第2セット位置94の屈曲部49を、ロック位置91へ案内する第2案内部55と、を備えている。ここで、第2トレイ73は、前後方向8において、第1位置及び第2位置の間を移動する際、第3位置を経由する。このとき、第2案内部55は、第2トレイ73が第3位置の状態において屈曲部49がロック位置91に位置しないような案内経路で、屈曲部49を案内する。つまり、第2案内部55は、第2トレイ73が第3位置の状態において第2セット位置94の屈曲部49をロック位置91に案内しないが、第2トレイ73が第1位置または第2位置に移動するとロック位置91へ案内する。
【0055】
第1案内部54及び第2案内部55は、後述するように、第2トレイ73の底板77の上面81に立設された複数のリブで構成されている。
【0056】
また、案内部43の周縁部56には、段差が形成されている。周縁部56は、移動本体41に設けられた凸部47が案内部43の設けられた領域外に位置してしまうことを防止するために設けられている。周縁部56のうち、右側に設けられた右周縁部57(本発明の案内リブの一例)は、前後方向8において、第1案内位置131と第3案内位置133との間、及び、第2案内位置132と第3案内位置133との間の全域に亘って延びている。換言すると、右周縁部57は、前後方向8において、第1案内位置131の前側近傍から第3案内位置133の後側近傍までの範囲、及び、第2案内位置132の後側近傍から第3案内位置133の前側近傍までの範囲に亘って延びている。
【0057】
[第1案内部54]
図7、
図8、及び
図11に示されるように、第1案内部54は、第1リブ101と第2リブ102とを備えている。各リブ101、102の高さは、凸部47の屈曲部49の先端よりも高く且つ凸部47の屈曲部49の基端よりも低い。第1リブ101と第2リブ102とは、前後方向8に沿った方向に延びた直線状のリブである。
【0058】
第1リブ101は、左右方向9において、ロック解除位置92と第1セット位置93との間に設けられており、前後方向8において、第1案内位置131から第4案内位置134まで延びている。ここで、第4案内位置134は、前後方向8における第1案内位置131と第3案内位置133との間の位置である。
【0059】
第2リブ102は、左右方向9において、ロック解除位置92及び第1セット位置93の間に設けられており、前後方向8において、第2案内位置132から第5案内位置135まで延びている。ここで、第5案内位置135は、前後方向8における第2案内位置132と第3案内位置133との間の位置である。
【0060】
[第2案内部55]
図7、
図8、及び
図11に示されるように、第2案内部55は、第3リブ103、第4リブ104、第5リブ105、及び第6リブ106を備えている。また、第2案内部55は、第2トレイ73が第3位置の状態において屈曲部49の右側への移動、つまりロック位置91側への移動を妨げる第7リブ107(本発明の移動妨害部の一例)を備えている。各リブ103〜107の高さは、リブ101、102と同様、凸部47の屈曲部49の先端よりも高く且つ凸部47の屈曲部49の基端よりも低い。第3リブ103と第4リブ104とは、前後方向8に沿った方向に延びた直線状のリブである。
【0061】
第3リブ103は、左右方向9において、第1セット位置93と第2セット位置94との間に設けられており、前後方向8において、第1案内位置131から第6案内位置136まで延びている。ここで、第6案内位置136は、前後方向8における第4案内位置134と第3案内位置133との間の位置である。
【0062】
第4リブ104は、左右方向9において、第1セット位置93と第2セット位置94との間に設けられており、前後方向8において、第2案内位置132から第7案内位置137まで延びている。ここで、第7案内位置137は、前後方向8における第5案内位置135と第3案内位置133との間の位置である。
【0063】
第5リブ105は、第1セット位置93と第2セット位置94との間であって第3リブ103と第3案内位置133との間の位置から、ロック解除位置92と第1セット位置93との間であって第6案内位置136と第4案内位置134との間の位置まで延び、後方斜め左に傾斜している。
【0064】
第6リブ106は、第1セット位置93と第2セット位置94との間であって第4リブ104と第3案内位置133との間の位置から、ロック解除位置92と第1セット位置93との間であって第7案内位置137及び第5案内位置135の間の位置まで延び、前方斜め左に傾斜している。
【0065】
第7リブ107は、第1セット位置93と第2セット位置94との間において、前後方向9に延びている。また、第7リブ107の一端は第5リブ105の左端と繋がっており、第7リブ107の他端は第6リブ106の左端と繋がっている。
【0066】
なお、第7リブ107は、第7リブ107よりも左側に位置する屈曲部49の右側への移動を妨げるものであれば、上述した構成に限らない。例えば、第7リブ107は、前後方向9と交差する方向に延びていてもよい。また、第7リブ107は、第5リブ105及び第6リブ106と左端以外で繋がっていてもよい。また、第7リブ107は、第5リブ105及び第6リブ106と繋がっていなくてもよい。但し、第7リブ107と第5リブ105及び第6リブ106との間隔は、屈曲部49が通過できない程度に小さい間隔であることを条件とする。
【0067】
[付勢部材50]
図7及び
図8に示されるように、付勢部材50は、コイルばねである。コイルばねの一端は、移動本体41に取り付けられており、コイルばねの他端は、第1トレイ72に取り付けられている。コイルばねは、移動本体41が右当接位置の状態(
図7(D)及び
図8(D)の状態)で自然長となるように取り付けられている。これにより、移動本体41が右当接位置から左側へ移動すると、コイルばねは縮み、右側への付勢力が移動本体41へ作用する。その結果、移動本体41は、右側へ付勢される。なお、付勢部材50は、移動本体41を右側へ付勢するものであるならばコイルばねに限らず、例えば板ばねであってもよい。
【0068】
[第2トレイ73の第1トレイ72に対する移動]
以下、
図7及び
図11を参照しながら、第1位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第3位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作について説明する。
【0069】
初期状態において、第2トレイ73は、第1位置に位置している。このとき、移動本体41は、前後方向8において、第1案内位置131の真上に位置している。また、移動本体41に設けられた屈曲部49は、左右方向9において、ロック位置91に位置している。そのため、係合部46の先端部は、第1被係合部51の側面に設けられた凹部に挿入されている。これにより、第2トレイ73は、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされている。
【0070】
上記初期状態において、複合機10のユーザが、移動本体41を把持して左向きへ移動させると、屈曲部49も左向きへ移動する。屈曲部49は左向きへ移動する過程において、第1リブ101と接触する。このとき、ユーザが左向きへ力を加えることにより、屈曲部49は延設部48と屈曲部49自体との弾性変形によって上方へ移動する。これにより、屈曲部49は、第1リブ101を乗り越えて、ロック位置91からロック解除位置92を経て第1セット位置93に移動する。つまり、移動本体41は、
図7(A)において符号41Bで示された位置、つまり
図7(B)に示された位置に位置する。これにより、係合部46は、第1被係合部51から離間する。その結果、第2トレイ73は、ロックを解除されて、第1トレイ72に対して、前後方向8へ移動可能となる。なお、第1セット位置93の屈曲部49は、移動本体41が付勢部材50によって右側へ付勢されることにより、第1リブ101の左側面と当接している。
【0071】
次に、ユーザが第2トレイ73を前方へ移動させると、屈曲部49は、以下に詳述するように、
図7の矢印84の向きに案内部43に沿って相対移動する。ここで、屈曲部49が案内部43に沿って相対移動するとは、案内部43が移動することによって、屈曲部49と案内部43とが当接する位置が変わることである。以下の説明においても同様である。
【0072】
まず、屈曲部49は、第1リブ101の左側面に沿って後方へ相対移動する。屈曲部49が第4案内位置134を通過すると、屈曲部49は付勢部材50の付勢力によって右側へ移動する。係合部46の先端が右周縁部57と接触する位置まで、移動本体41も右側へ移動して、
図7(A)において符号41Cで示された位置、つまり
図7(C)に示された位置に位置する。つまり、屈曲部49は、第1セット位置93からロック解除位置92へ移動する。このとき、係合部46の先端が右周縁部57と当接している。そのため、屈曲部49が、ロック解除位置92からロック位置91へ移動することはない。
【0073】
この状態において、第2トレイ73が更に前方へ移動されると、係合部46の先端が、右周縁部57の左側面に沿って後方へ相対移動する。第2トレイ73が第3位置に到達すると、付勢部材50の付勢力によって、係合部46が右周縁部57から離間して第3被係合部53の側面に設けられた凹部に進入する。これにより、移動本体41も右側へ移動して、
図7(A)において符号41Dで示された位置、つまり
図7(D)に示された位置に位置する。つまり、屈曲部49は、ロック解除位置92からロック位置91へ移動する。その結果、第2トレイ73は、第3位置において、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされている。
【0074】
なお、第2位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第3位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、第2トレイ73が後側へ移動する点、屈曲部49が第2リブ102と当接しながら相対移動する点、及び係合部46が第2案内位置132と第3案内位置133との間における右周縁部57に当接しながら相対移動する点を除いて、上述した動作と概ね同様である。よって、ここでは、この動作の詳細な説明は省略される。
【0075】
次に、
図8及び
図11を参照しながら、第1位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第2位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作について説明する。
【0076】
初期状態は、
図7の場合と同様である。
【0077】
当該初期状態において、複合機10のユーザが、移動本体41を把持して左向きへ移動させると、屈曲部49も左向きへ移動する。屈曲部49は左向きへ移動する過程において、第1リブ101及び第3リブ103と接触するが、上述したように凸部47は弾性変形によって上方へ移動するため、屈曲部49は、第1リブ101及び第3リブ103を乗り越えて、ロック位置91から第2セット位置94に移動する。つまり、移動本体41は、
図8(A)において符号41Bで示された位置、つまり
図8(B)に示された位置に位置する。これにより、係合部46は、第1被係合部51から離間する。その結果、第2トレイ73は、ロックを解除されて、第1トレイ72に対して、前後方向8へ移動可能となる。なお、第2セット位置の屈曲部49は、移動本体41が付勢部材50によって右側へ付勢されることにより、第3リブ103の右側面と当接する。
【0078】
次に、ユーザが第2トレイ73を前方へ移動させると、屈曲部49は、以下に詳述するように、
図8の矢印85の向きに案内部43に沿って相対移動する。
【0079】
まず、屈曲部49は、第3リブ103の左側面に沿って後方へ相対移動する。屈曲部49が第6案内位置136を通過すると、屈曲部49は付勢部材50の付勢力によって右側へ移動し、第5リブ105と当接する。また、移動本体41も、右側へ移動する。
【0080】
この状態において、第2トレイ73が更に前向きへ移動されると、屈曲部49は、第5リブ105の左側面に沿って後方斜め左向きへ相対移動する。その後、屈曲部49は、第7リブ107の左側面に沿って後方へ相対移動する。その後、屈曲部49は、第6リブ106の左側面に沿って後方斜め右向きへ相対移動する。これにより、屈曲部49は、第2セット位置94から第1セット位置93へ移動する。また、移動本体41も、右側へ移動する。
【0081】
屈曲部49が第6リブ106よりも後側に位置すると、屈曲部49は付勢部材50の付勢力によって右側へ移動する。これにより、移動本体41も右側へ移動して、
図80(A)において符号41Cで示された位置、つまり
図8(C)に示された位置に位置する。つまり、屈曲部49は、第1セット位置93からロック解除位置92へ移動する。このとき、係合部46の先端が右周縁部57と当接している。そのため、屈曲部49が、ロック解除位置92からロック位置91へ移動することはない。
【0082】
この状態において、第2トレイ73が更に前方へ移動されると、係合部46は、右周縁部57の左側面に沿って後方へ相対移動する。第2トレイ73が第2位置に到達すると、付勢部材50の付勢力によって、係合部46が右周縁部57から離間して第2被係合部52の側面に設けられた凹部に進入する。これにより、移動本体41も右側へ移動して、
図8(A)において符号41Dで示された位置、つまり
図8(D)に示された位置に位置する。つまり、屈曲部49は、ロック解除位置92からロック位置91へ移動する。その結果、第2トレイ73は、第2位置において、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされている。
【0083】
なお、第2位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第1位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、第2トレイ73が後側へ移動する点、及び屈曲部49が第4リブ104、第6リブ106、第7リブ107、第5リブ105、及び右周縁部57の順に当接しながら相対移動することを除いて、上述した動作と概ね同様である。また、第3位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第1位置または第2位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、屈曲部49が第7リブ107、第5リブ105と当接しながら相対移動し、その後で係合部46が右周縁部57に当接する順序、または、屈曲部49が第7リブ107、第6リブ106と当接しながら相対移動し、その後で係合部46が右周縁部57に当接する順序を除いて、上述した動作と概ね同様である。よって、ここでは、この動作の詳細な説明は省略される。
【0084】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、第2トレイ73がユーザによって第1位置または第2位置から第3位置に移動される場合、最初に、屈曲部49がロック位置91から第1セット位置93に移動されるように移動本体41が移動される。これにより、第2トレイ73の第1トレイ72に対する移動のロックが解除される。次に、第2トレイ73が第3位置に移動される。このとき、屈曲部49は、第1案内部54によって第1セット位置93からロック位置91に案内される。その結果、移動本体41に設けられた係合部46が第3被係合部53と係合され、第2トレイ73は、第3位置において、第1トレイ72に対する移動をロックされる。
【0085】
一方、第2トレイ73がユーザによって第1位置から第2位置、第2位置から第1位置、第3位置から第1位置、または第3位置から第2位置に移動される場合、最初に、屈曲部49がロック位置91から第2セット位置94に移動されるように移動本体41が移動される。これにより、第2トレイ73の第1トレイ72に対する移動のロックが解除される。次に、第2トレイ73が第1位置または第2位置に移動される。このとき、屈曲部49は、第2案内部55によって第2セット位置94からロック位置91に案内される。その結果、移動本体41に設けられた係合部46が第1被係合部51または第2被係合部53と係合され、第2トレイ73は、第1位置または第2位置において、第1トレイ72に対する移動をロックされる。
【0086】
ここで、第2トレイ73が第1位置または第2位置に移動される過程において、第2トレイ73が第3位置に位置した際に、屈曲部49はロック位置91に位置しない。よって、第2トレイ73が第1位置または第2位置に移動される際に、第2トレイ73が第3位置において誤ってロックされることを防止することができる。
【0087】
また、第2トレイ73が第1位置または第2位置に移動される過程において、第2トレイ73が第3位置に位置した時点において、屈曲部49がロック位置91に位置しなくても、その時点からのユーザの誤操作によって、屈曲部49がロック位置91に移動してしまうおそれがある。本実施形態では、第2案内部55は第7リブ107を備えているため、上述したような屈曲部49のロック位置91への誤った移動を防止することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、ユーザが手動によって移動本体41を移動させなくても、付勢部材50によって屈曲部49を自動的にロック位置91へ移動させることができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、屈曲部49は、案内部43に対して離れる向きへ移動可能であるため、移動本体41の移動の際に、屈曲部49は、ロック位置91から第1リブ101及び第2リブ102を乗り越えて第1セット位置93に移動することができる。また、屈曲部49は、第1セット位置93から第3リブ103及び第4リブ104を乗り越えて第2セット位置94に移動することができる。
【0090】
また、屈曲部49を第1セット位置93にセットした状態で、第2トレイ73が第1位置または第2位置から第3位置へ移動されると、屈曲部49は、付勢部材50によって第1リブ101、第2リブ102、及び右周縁部57と当接した状態を維持しつつ、第1セット位置93からロック解除位置92を経由してロック位置91へ移動する。つまり、屈曲部49を第1セット位置93にセットしてから第2トレイ73を第3位置へ向けて移動させることによって、第2トレイ73を第3位置でロックすることができる。
【0091】
また、屈曲部49を第2セット位置94にセットした状態で、第2トレイ73が第1位置から第2位置、第2位置から第1位置、第3位置から第1位置、または第3位置から第2位置へ移動されると、屈曲部49は、付勢部材50によって右周縁部57及び第4リブ104〜第7リブ107と当接した状態を維持しつつ、第2セット位置94から第1セット位置93及びロック解除位置92を経由してロック位置91へ移動する。つまり、屈曲部49を第2セット位置94にセットしてから第2トレイ73を第1位置または第2位置へ向けて移動させることによって、第2トレイ73を第3位置でロックさせることなく第1位置または第2位置でロックすることができる。
【0092】
また、第7リブ107は、第2トレイ73が第3位置の状態において、第2セット位置94の屈曲部49がロック位置91側へ移動することを防止することができる。
【0093】
また、本実施形態のように移動本体41の移動方向を第2トレイ73の移動向きと直交する左右方向9とすることによって、ロック機構40の構成を簡易なものとすることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、ユーザは表示部90を参照しながら移動本体41を左右方向9に移動させることによって、誤った位置へ移動本体41を移動させてしまう可能性を低くすることができる。
【0095】
[変形例1]
上述の実施形態では、第1トレイ72は、第2トレイ73に上側から重畳された状態で配置されているが、第2トレイ73が、第1トレイ72に上側から重畳された状態で配置されていてもよい。
【0096】
[変形例2]
上述の実施形態では、移動本体41は第1トレイ72に支持されているが、移動本体41は第2トレイ73に支持されていてもよい。この場合、被係合部42及び案内部43は、第2トレイ73ではなく第1トレイ72に設けられる。
【0097】
[変形例3]
上述の実施形態では、案内部43が前後方向8に移動する一方で、移動本体41が前後方向8に移動しなかった。しかし、上記とは逆に、移動本体41が前後方向8に移動する一方で、案内部43は前後方向8に移動しなくてもよい。このような構成は、例えば、移動本体41が第2トレイ73に支持され、案内部43が第1トレイ72に設けられることによって実現可能である。
【0098】
[変形例4]
移動本体41は、前後方向8と交差する方向であれば、左右方向9以外の方向に移動してもよい。
【0099】
[変形例5]
上述の実施形態では、本発明の移動部が屈曲部49で構成され、本発明の案内部43が主にリブ101〜107で構成されていたが、このような構成に限らない。例えば、本発明の移動部が、移動本体41の下面に形成された段差であってもよい。また、本発明の案内部43が、第2トレイ73の底板77の上面81に形成された段差であってもよい。
【0100】
[変形例6]
上述の実施形態では、凸部47は、延設部48が撓むことによって、上方へ移動したが、撓み以外によって上方へ移動してもよい。例えば、凸部47は、移動本体41の下面に一端が取り付けられたコイルばねと、当該コイルばねの他端に取り付けられた当接片とで構成されていてもよい。そして、当接片が当接した第1リブ101に押された際に、コイルばねが収縮することによって、当接片が上方へ移動してもよい。
【0101】
[変形例7]
上述の実施形態では、右から順に、ロック位置91、ロック解除位置92、第1セット位置93、及び第2セット位置94であったが、各位置91〜94の位置関係は、上記以外であってもよい。
【0102】
[変形例8]
上述の実施形態では、移動本体41は、ロック機構40に設けられた付勢部材50によって右側に付勢されていたが、ロック機構40は付勢部材50を備えていなくてもよい。
【0103】
以下に、付勢部材50を備えていないロック機構40の構成、及び第2トレイ73の第1トレイ72に対する移動過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作を、主に上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0104】
変形例8では、第1案内部54及び第2案内部55が、傾斜面で構成されている。
【0105】
第1案内部54は、第1傾斜面111(本発明の第1傾斜部の一例)、第2傾斜面112(本発明の第2傾斜部の一例)、第3傾斜面113(本発明の第3傾斜部の一例)、及び第4傾斜面114(本発明の第4傾斜部の一例)を備えている。
【0106】
第1傾斜面111は、第1案内位置131と第3案内位置133との間において、第1セット位置93と第2セット位置94との間から、第1セット位置93とロック解除位置92の間まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0107】
第2傾斜面112は、前後方向8における第1傾斜面111と第3案内位置133との間において、ロック解除位置92と第1セット位置93との間から、ロック解除位置92とロック位置91との間まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0108】
第3傾斜面113は、第2案内位置132と第3案内位置133との間において、第1セット位置93と第2セット位置94との間から、第1セット位置93とロック解除位置92との間まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0109】
第4傾斜面114は、前後方向8における第3傾斜面113と第3案内位置133との間において、ロック解除位置92と第1セット位置93との間から、ロック解除位置92とロック位置91との間まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0110】
第2案内部55は、第5傾斜面115(本発明の第5傾斜部の一例)、第6傾斜面116(本発明の第6傾斜部の一例)、第7傾斜面117(本発明の第7傾斜部の一例)、第8傾斜面118(本発明の第8傾斜部の一例)、第9傾斜面119(本発明の第9傾斜部の一例)、第10傾斜面120(本発明の第10傾斜部の一例)、第11傾斜面121(本発明の第11傾斜部の一例)、及び第12傾斜面122(本発明の第12傾斜部の一例)を備えている。
【0111】
第5傾斜面115は、第2セット位置94よりも左側における第1案内位置131と第3案内位置133との間から、第2セット位置94と第1セット位置93との間における第1傾斜面111よりも前側まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0112】
第6傾斜面116は、第1セット位置93と第2セット位置94との間且つ前後方向8における第3案内位置133と第3傾斜面113との間から、第1セット位置93とロック解除位置92との間且つ前後方向8における第3傾斜面113と第4傾斜面114との間まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0113】
第7傾斜面117は、ロック解除位置92と第1セット位置93との間且つ前後方向8における第3傾斜面113の前端部と第2案内位置132との間から、ロック解除位置92とロック位置91との間まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0114】
第8傾斜面118は、第2セット位置94よりも左側における第2案内位置132と第3案内位置133との間から、第2セット位置94と第1セット位置93との間且つ前後方向8における第6傾斜面116の前端部よりも前側まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0115】
第9傾斜面119は、第1セット位置93と第2セット位置94との間における第5傾斜面115の後端部と第1傾斜面111との間から、第1セット位置93とロック解除位置92との間且つ前後方向8における第1傾斜面111と第2傾斜面112との間まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0116】
第10傾斜面120は、ロック解除位置92と第1セット位置91との間における第1傾斜面111の後端部と第1案内位置131との間から、ロック解除位置92とロック位置91との間まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0117】
第11傾斜面121は、第2セット位置94よりも左側における第5傾斜面115と第3案内位置133との間から、第2セット位置94と第1セット位置93との間まで延び、前方斜め右に傾斜している。
【0118】
第12傾斜面122は、第2セット位置94よりも左側における第8傾斜面118と第3案内位置133との間から、第2セット位置94と第1セット位置93との間まで延び、後方斜め右に傾斜している。
【0119】
また、変形例8では、凸部47は、移動本体41の下面から下側へ延びた突起である。つまり、上述の実施形態では、凸部47は延設部48と屈曲部49とを備えており、凸部47の一部である屈曲部49が本発明の移動部に相当していたが、変形例8では、凸部47全体が本発明の移動部に相当する。
【0120】
以下、
図9を参照しながら、第1位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第3位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作について説明する。
【0121】
初期状態において、第2トレイ73は、第1位置に位置している。このとき、移動本体41は、前後方向8において、第1案内位置131の真上に位置している。また、移動本体41に設けられた凸部47は、左右方向9において、ロック位置91に位置している。そのため、係合部46の先端部は、第1被係合部51の側面に設けられた凹部に挿入されている。これにより、第2トレイ73は、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされている。
【0122】
上記初期状態において、複合機10のユーザが、移動本体41を把持して左向きへ移動させると、凸部47も左向きへ移動する。ユーザは、凸部47を、ロック位置91から第1セット位置93に移動させる。これにより、移動本体41は、
図9(A)において符号41Bで示された位置、つまり
図9(B)に示された位置に位置し、係合部46は、第1被係合部51から離間する。その結果、第2トレイ73は、ロックを解除されて、第1トレイ72に対して、前後方向8へ移動可能となる。
【0123】
次に、ユーザが第2トレイ73を前方へ移動させると、凸部47は、以下に詳述するように、
図9の矢印86の向きに案内部43に沿って相対移動する。
【0124】
まず、凸部47は、後方へ相対移動して、第1傾斜リブ111と当接する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第1傾斜リブ111に沿って後方斜め右に相対移動する。その結果、凸部47は、左右方向9において、第1セット位置93からロック解除位置92へ移動する。
【0125】
この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、後方へ相対移動する。この過程において、移動本体41は、
図9(A)において符号41Cで示された位置、つまり
図9(C)に示された位置に位置する。その後、凸部47は、第2傾斜リブ112と当接する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第2傾斜リブ112に沿って後方斜め右に相対移動する。これにより、凸部47は、左右方向9において、ロック解除位置92からロック位置91へ移動する。その結果、移動本体41は、
図9(A)において符号41Dで示された位置、つまり
図9(D)に示された位置に位置する。このときの第2トレイ73の位置は第3位置である。その結果、第2トレイ73は、第3位置において、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされる。
【0126】
なお、第2位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第3位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、第2トレイ73が後側へ移動すること、及び凸部47が第3傾斜リブ113及び第4傾斜リブ114の順に当接しながら相対移動することを除いて、上述した動作と概ね同様である。よって、ここでは、この動作の詳細な説明は省略される。
【0127】
次に、
図10を参照しながら、第1位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第2位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作について説明する。
【0128】
初期状態は、
図9の場合と同様である。
【0129】
上記初期状態において、複合機10のユーザが、移動本体41を把持して左向きへ移動させると、凸部47も左向きへ移動する。ユーザは、凸部47は、ロック位置91から第2セット位置94に移動させる。これにより、移動本体41は、
図10(A)において符号41Bで示された位置、つまり
図10(B)に示された位置に位置し、係合部46は、第1被係合部51から離間する。その結果、第2トレイ73は、ロックを解除されて、第1トレイ72に対して、前後方向8へ移動可能となる。
【0130】
次に、ユーザが第2トレイ73を前向きへ移動させると、凸部47は、以下に詳述するように、
図10の矢印87の向きに案内部43に沿って相対移動する。
【0131】
まず、凸部47は、後方へ相対移動して、第5傾斜リブ115と当接する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第5傾斜リブ115に沿って後方斜め右に相対移動する。その後、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、矢印87に沿って後方へ相対移動して、第12傾斜リブ122と当接する。なお、この過程において、移動本体41は、
図10(A)において符号41Cで示された位置、つまり
図10(C)に示された位置に位置する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第12傾斜リブ122に沿って後方斜め右に相対移動する。その結果、凸部47は、左右方向9において、第2セット位置94から第1セット位置93へ移動する。
【0132】
この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第6傾斜リブ116と当接する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第6傾斜リブ116に沿って後方斜め右に相対移動する。その結果、凸部47は、左右方向9において、第1セット位置93からロック解除位置92へ移動する。
【0133】
この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第7傾斜リブ117と当接する。この状態で、第2トレイ73が前方へ移動されると、凸部47は、第7傾斜リブ117に沿って後方斜め右に相対移動する。その結果、凸部47は、左右方向9において、ロック解除位置92からロック位置91へ移動する。その結果、移動本体41は、
図10(A)において符号41Dで示された位置、つまり
図10(D)に示された位置に位置する。このときの第2トレイ73の位置は第2位置である。その結果、第2トレイ73は、第2位置において、第1トレイ72に対する前後方向8への移動をロックされる。
【0134】
なお、第2位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第1位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、第2トレイ73が後側へ移動すること、及び凸部47が第8傾斜リブ118、第11傾斜リブ121、第9傾斜リブ119、及び第10傾斜リブ120の順に当接しながら相対移動することを除いて、上述した動作と概ね同様である。また、第3位置においてロック機構40によってロックされている第2トレイ73が第1位置または第2位置においてロックされる過程における給紙トレイ20を構成する各要素の動作は、凸部47が第11傾斜リブ121、第9傾斜リブ119、第10傾斜リブ120の順序、または、第12傾斜リブ122、第6傾斜リブ116、第7傾斜リブ117の順序に当接しながら相対移動することを除いて、上述した動作と概ね同様である。よって、ここでは、この動作の詳細な説明は省略される。
【0135】
変形例8によれば、凸部47を第1セット位置93にセットした状態で、第2トレイ73が第1位置または第2位置から第3位置へ向けて移動されると、第2トレイ73の移動向きに沿って移動する凸部47は、第1傾斜面111または第3傾斜面113と当接することによって第1セット位置93からロック解除位置92へ移動し、第2傾斜面112または第4傾斜面114と当接することによってロック解除位置92からロック位置91へ移動する。つまり、凸部47を第1セット位置94にセットしてから第2トレイ73を第3位置へ向けて移動させることによって、第2トレイ73を第3位置でロックすることができる。
【0136】
また、凸部47を第2セット位置94にセットした状態で、第2トレイ73が第1位置から第2位置、第2位置から第1位置、第3位置から第1位置、または第3位置から第2位置へ移動されると、第2トレイ73の移動向きに沿って移動する凸部47は、第5傾斜面115、第8傾斜面118、第11傾斜面121、または第12傾斜面122と当接することによって第2セット位置94から第1セット位置93へ移動し、第6傾斜面116または第9傾斜面119と当接することによって第1セット位置93からロック解除位置92へ移動し、第7傾斜面117または第10傾斜面120と当接することによってロック解除位置92からロック位置91へ移動する。つまり、凸部47を第2セット位置94にセットしてから第2トレイ73を第1位置または第2位置へ向けて移動させることによって、第2トレイ73を第3位置でロックさせることなく第1位置または第2位置でロックすることができる。