特許第6052131号(P6052131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6052131コルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052131
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】コルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/32 20060101AFI20161219BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20161219BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20161219BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20161219BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161219BHJP
   F16L 3/137 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02G3/32
   H02G3/04 068
   F16B2/08 S
   F16B2/08 U
   F16B19/00 Q
   B60R16/02 623U
   B60R16/02 623C
   F16L3/137
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-218284(P2013-218284)
(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-82855(P2015-82855A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】松村 雄高
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−150406(JP,A)
【文献】 特開2006−223087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/30 − 3/34
H02G 3/04
B60R 16/02
F16B 2/08
F16B 19/00
F16L 3/137
F16L 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の環状リブおよび複数の環状溝を有し、ワイヤハーネスを内包するコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブを取付対象物に固定するバンドクリップと、を備え、
前記バンドクリップが、前記コルゲートチューブに取り付けられた際に前記コルゲートチューブの外周面に向かって突出する突起部を有し、
前記コルゲートチューブが、前記環状溝と並列に設けられ、前記突起部が嵌合する溝状の環状凹部と、前記環状凹部の周方向に所定の間隔で複数設けられ、前記突起部に係合する凸部とを有し、
前記バンドクリップが前記コルゲートチューブに対し前記周方向に回転するとき、前記突起部の回転が前記複数の凸部の前記所定の間隔内に規制されて、前記バンドクリップの回転範囲が制限されることを特徴とするコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造。
【請求項2】
前記環状溝の前記周方向に直交する軸方向の幅をW1、前記突起部の前記軸方向の幅をW2、前記環状凹部の前記軸方向の幅をW3としたとき、
W1<W2<W3の関係が成立するよう、前記環状溝、前記突起部および前記環状凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造。
【請求項3】
前記凸部は、前記周方向に直交する軸方向の幅が前記環状凹部の前記軸方向の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ワイヤハーネスの外周を保護するコルゲートチューブを車体等に固定する際には、コストや設置面積の関係からバンドタイプのクリップ(以下、バンドクリップという)が用いられることが多い。
【0003】
バンドクリップは、ベルト部をバックル部に挿通させることでループ状となり、この状態でベルト部を引き締めることによりコルゲートチューブの外周をクランプできるようになっている。コルゲートチューブをクランプしたバンドクリップは、クリップ部が車体等に形成された固定穴に挿入されることで、コルゲートチューブを車体等に固定することができる。
【0004】
ところが、こうしたバンドクリップのベルト部の内周面はコルゲートチューブの外周面に対して滑りやすいため、バンドクリップがコルゲートチューブに対して周方向に回転してしまい、コルゲートチューブを車体等に取り付ける際の作業性が悪い。一方、バンドクリップの回転を防止するためにベルト部の締め付けを強くすると、コルゲートチューブを押しつぶすおそれがある。
【0005】
従来、こうした不具合を解消するために、バンドクリップの内周面、特にベルト部の内周面に長手方向に亘って複数の凸部を設け、コルゲートチューブに対してベルト部を締め付けた際に複数の凸部がコルゲートチューブの外周面に食い込むことでバンドクリップの回転を防止するようにしたバンドクリップ取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−46505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のバンドクリップ取付構造にあっては、バンドクリップのベルト部の締め付けが緩いと、コルゲートチューブに対する複数の凸部の食い込みが不十分となり、バンドクリップの回転を確実に防止することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、コルゲートチューブに取り付けられたバンドクリップの回転を確実に防止することができるコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、上記目的達成のため、複数の環状リブおよび複数の環状溝を有し、ワイヤハーネスを内包するコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブを取付対象物に固定するバンドクリップと、を備え、前記バンドクリップが、前記コルゲートチューブに取り付けられた際に前記コルゲートチューブの外周面に向かって突出する突起部を有し、前記コルゲートチューブが、前記環状溝と並列に設けられ、前記突起部が嵌合する溝状の環状凹部と、前記環状凹部の周方向に所定の間隔で複数設けられ、前記突起部に係合する凸部とを有し、前記バンドクリップが前記コルゲートチューブに対し前記周方向に回転するとき、前記突起部の回転が前記複数の凸部の前記所定の間隔内に規制されて、前記バンドクリップの回転範囲が制限されるものである
【0010】
この構成により、本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、バンドクリップをコルゲートチューブに取り付けた際に、バンドクリップの突起部がコルゲートチューブの環状凹部に嵌合するようになっている。また、バンドクリップの突起部は、環状凹部に嵌合した状態で、コルゲートチューブの環状凹部に設けられた複数の凸部により周方向への移動が規制されるようになっている。
【0011】
このため、本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、コルゲートチューブに取り付けられたバンドクリップの回転を確実に防止することができる。
【0012】
また、上記構成のコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造において、前記環状溝の前記周方向に直交する軸方向の幅をW1、前記突起部の前記軸方向の幅をW2、前記環状凹部の前記軸方向の幅をW3としたとき、W1<W2<W3の関係が成立するよう、前記環状溝、前記突起部および前記環状凹部が形成されているのが好ましい。
【0013】
この構成により、本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、環状溝の幅W1<突起部の幅W2<環状凹部の幅W3の関係が成立するよう各部が形成されているので、コルゲートチューブにバンドクリップを取り付ける際にバンドクリップの突起部を環状凹部に確実に嵌合させることができる。また、コルゲートチューブにバンドクリップを取り付ける際に誤ってバンドクリップの突起部を環状溝に嵌合してしまうことを防止することができる。
【0014】
また、上記構成のコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造において、前記凸部は、前記周方向に直交する軸方向の幅が前記環状凹部の前記軸方向の幅よりも小さく設定されているのが好ましい。
【0015】
この構成により、本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、コルゲートチューブの凸部が隣接する一対の環状リブに接触しない構成とすることができる。これにより、隣接する一対の環状リブと凸部との間に隙間ができ、当該隙間の分だけコルゲートチューブの屈曲を許容することができる。このため、コルゲートチューブの良好な屈曲性を担保することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コルゲートチューブに取り付けられたバンドクリップの回転を確実に防止することができるコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブにバンドクリップを取り付けた様子を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態に係るバンドクリップの斜視図であって、(a)はクリップ部側を上面とした斜視図、(b)は突起部側を上面とした斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブの斜視図である。
図4】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブを示す図であって、(a)は平面図、(b)はA−A端面図である。
図5】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブにバンドクリップを取り付けた様子を示す一部断面図である。
図6】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブの変形例を示す斜視図である。
図7図6に示したコルゲートチューブを示す図であって、(a)は平面図、(b)はB−B端面図である。
図8図6に示したコルゲートチューブの要部を拡大した平面図である。
図9図8に示した凸部の他の形状を示す平面図である。
図10】本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブの他の変形例を示す斜視図である。
図11図9に示したコルゲートチューブを示す図であって、(a)は平面図、(b)はC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係るコルゲートチューブへのバンドクリップの取付構造について、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施の形態では、図1に示すように、自動車等に配索するワイヤハーネス(図示せず)を内包するコルゲートチューブ1にバンドクリップ2を取り付ける際にコルゲートチューブ1に対するバンドクリップ2の周方向(図中、矢印で示す方向)への回転を規制するためのバンドクリップ2の取付構造について説明する。
【0020】
図2(a)に示すように、本実施の形態に係るバンドクリップ2は、クリップ部21と、ベルト部22と、クリップ係止部23とを含んで構成される。
【0021】
クリップ部21は、クリップ係止部23上に設けられ、例えば自動車のボディパネルやインストルメントパネル内のリーンフォース等の取付対象物4(図1参照)に形成された取付け穴4aに挿入されることで、バンドクリップ2を取付対象物4に固定するものである。これにより、バンドクリップ2を介してコルゲートチューブ1が取付対象物4に固定される。
【0022】
ベルト部22は、クリップ係止部23から所定の長さだけ延在する有端のベルトである。ベルト部22は、可撓性を有する樹脂材料からなり、コルゲートチューブ1に巻き付けた際にその自由端がクリップ係止部23の後述するベルト挿通穴23aに挿通されるようになっている。
【0023】
また、ベルト部22には、図示はしていないが、後述するベルト挿通穴23a内に設けられた係止片に係止される複数の係止溝が形成されている。なお、ベルト部22の自由端側をベルト挿通穴23aに係止する構成としては、係止溝に限らない。
【0024】
クリップ係止部23は、コルゲートチューブ1に対して巻き付けられたベルト部22を係止する機能を有する。具体的には、クリップ係止部23には、ベルト部22が自由端側から挿通されるベルト挿通穴23aが形成されている。このベルト挿通穴23aには、ベルト部22の係止溝を係止する図示しない係止片が設けられている。
【0025】
したがって、ベルト部22が自由端側からベルト挿通穴23aに挿通されると、係止片がベルト部22の複数の係止溝のうちの1つを係止する。これにより、ベルト部22は、ベルト挿通穴23aから抜けないようにされる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、クリップ係止部23は、クリップ部21が形成された面と反対側の面に突起部24が設けられている。
【0027】
突起部24は、バンドクリップ2がコルゲートチューブ1に取り付けられた際にコルゲートチューブ1の外周面に向かって突出するよう構成されている。この突起部24は、バンドクリップ2がコルゲートチューブ1に取り付けられた際にコルゲートチューブ1に設けられた後述する環状凹部12(図4(a)参照)に嵌合するようになっている。
【0028】
また、突起部24の高さ、つまり突出方向の長さは、少なくとも環状凹部12の深さ、つまり後述する環状リブ10の外周面から環状凹部12の底面までの長さよりも小さい長さに設定されている。これにより、バンドクリップ2がコルゲートチューブ1に取り付けられた際にクリップ係止部23とコルゲートチューブ1の外周面との間に隙間が生じることがなく、クリップ係止部23とコルゲートチューブ1の外周面とを密着させることができる。
【0029】
図3に示すように、コルゲートチューブ1は、いわゆる蛇腹構造を有することによって長手方向、すなわちコルゲートチューブ1の周方向に直交する軸方向における柔軟性を有する筒状の部材である。コルゲートチューブ1は、その内部にワイヤハーネスを収納するようになっている。
【0030】
具体的には、コルゲートチューブ1は、軸方向に所定の間隔で配置された複数の環状リブ10および複数の環状溝11を有している。コルゲートチューブ1は、例えばポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の熱可塑性樹脂からなる一体成形部材である。
【0031】
このコルゲートチューブ1には、その軸方向に亘って図示しない切れ目が形成されている。したがって、コルゲートチューブ1は、所定の治具を用いて当該切れ目が両側に拡げられることにより軸方向に亘って隙間が形成され、その隙間からワイヤハーネスが内部に挿入されるようになっている。
【0032】
また、コルゲートチューブ1は、バンドクリップ2がコルゲートチューブ1に取り付けられた際にクリップ係止部23の突起部24が嵌合する溝状の環状凹部12を有している。
【0033】
環状凹部12は、上述した環状溝11と並列に軸方向に所定の間隔で複数設けられている。本実施の形態では、環状凹部12と環状溝11とを軸方向に交互に配置している。なお、環状凹部12と環状溝11とをどのように配置するかは任意であり、例えば環状溝11の数に対して環状凹部12の数を減らしてもよい。
【0034】
また、環状凹部12には、その周方向に所定の間隔で複数設けられた凸部13を有する。本実施の形態では、凸部13は、図4(b)に示すように、4つ設けられ、これら4つの凸部13はそれぞれ周方向に90°ずつずらして配置されている。なお、凸部13の数は、4つに限らず、後述するように2つでもよいし、3つあるいは5つ以上でも構わない。ただし、コルゲートチューブ1の屈曲性を考慮すると、2つないし4つ程度が好ましい。
【0035】
凸部13は、環状凹部12を挟んで隣接する一対の環状リブ10を軸方向に連結するリブ形状からなる。
【0036】
また、凸部13は、バンドクリップ2がコルゲートチューブ1に取り付けられた際に、環状凹部12に嵌合したバンドクリップ2の突起部24が係合するようになっている。したがって、コルゲートチューブ1に取り付けられたバンドクリップ2が周方向に回転した際には、図5に示すように、突起部24が凸部13に係合し、バンドクリップ2の回転が規制されるようになっている。
【0037】
次に、図2および図4(a)を参照して、環状溝11、突起部24および環状凹部12の軸方向の各幅について説明する。
【0038】
本実施の形態では、図2および図4(a)に示すように、環状溝11の軸方向の幅をW1、バンドクリップ2の突起部24の軸方向の幅をW2、環状凹部12の軸方向の幅をW3としたとき、W1<W2<W3の関係が成立するよう、環状溝11、突起部24および環状凹部12が形成されている。
【0039】
このように、環状溝11の幅W1<突起部24の幅W2<環状凹部12の幅W3の関係が成立するよう各部が形成されているので、コルゲートチューブ1にバンドクリップ2を取り付ける際にバンドクリップ2の突起部24を環状凹部12に確実に嵌合させることができる。また、コルゲートチューブ1にバンドクリップ2を取り付ける際に誤ってバンドクリップ2の突起部24を環状溝11に嵌合してしまうことを防止することができる。
【0040】
以上のように、本実施の形態に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、バンドクリップ2をコルゲートチューブ1に取り付けた際に、バンドクリップ2の突起部24がコルゲートチューブ1の環状凹部12に嵌合するようになっている。また、バンドクリップ2の突起部24は、環状凹部12に嵌合した状態で、コルゲートチューブ1の環状凹部12に設けられた複数(本実施の形態では4つ)の凸部13により周方向への移動が規制されるようになっている。このため、コルゲートチューブ1に取り付けられたバンドクリップ2の回転を確実に防止することができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、コルゲートチューブ1の凸部13を、一対の環状リブ10を軸方向に連結するリブ形状としたが、これに限らず、例えば図6図8に示すように、隣接する環状リブ10から離隔するよう設けられた突起形状の凸部43としてもよい。
【0042】
具体的には、図8に示すように、本変形例に係る凸部43は、軸方向の幅W4が環状凹部12の軸方向の幅W3よりも小さく設定されている。このため、コルゲートチューブ1の凸部43が隣接する一対の環状リブ10に接触しない構成とすることができる。これにより、隣接する一対の環状リブ10と凸部43との間に隙間ができ、当該隙間の分だけコルゲートチューブ1の屈曲を許容することができる。このため、コルゲートチューブ1の良好な屈曲性を担保することができる。
【0043】
したがって、本変形例では、コルゲートチューブ1の環状溝11を廃して、環状凹部12と環状リブ10とによって蛇腹構造を構成し、当該環状凹部12の全てに凸部43を設けることができる。これにより、コルゲートチューブ1の良好な屈曲性を担保しつつ、軸方向にバンドクリップ2の取付位置を増やすことができる。
【0044】
また、凸部43は、図7(a)および図7(b)に示すように、本実施の形態と同様、1つの環状凹部12に対して4つ設けられ、これら4つの凸部43はそれぞれ周方向に90°ずつずらして配置されている。本変形例では、上述のようにコルゲートチューブ1の良好な屈曲性を担保できることから、本実施の形態と比べて凸部43の数を増やすことができる。この場合、バンドクリップ2の回転範囲をより制限することができる。
【0045】
なお、本変形例では、凸部43を立方形状としたが、バンドクリップ2の突起部24が係合可能な形状であればいずれの形状でもよく、例えば図9に示すように周方向から見て三角形状としてもよいし、円柱形状や弾頭形状等、種々の形状を採用することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、1つの環状凹部12に対して凸部13を4つ配置した例について説明したが、図10に示すように、1つの環状凹部12に対して凸部13を2つとしてもよい。この場合、凸部13は、周方向に180°ずつずらして配置される。
【0047】
ところが、凸部13を2つとしてしまうと、環状凹部12においてコルゲートチューブ1が図11(a)中、上方あるいは下方にのみ屈曲しやすくなり、コルゲートチューブ1の屈曲性に関してバランスが悪くなってしまう。
【0048】
したがって、図10に示す例では、環状凹部12に隣接するいずれか一方の環状溝11に、当該環状溝11を挟んで隣接する一対の環状リブ10を軸方向に連結するリブ16を別途設ける。このリブ16は、図11(b)に示すように、2つの凸部13に対して周方向に位相を90°ずらして2つ配置される。
【0049】
これにより、コルゲートチューブ1の屈曲性に関するバランスをとることができ、いずれかの方向にのみ屈曲しやすいといった問題がなく、良好な屈曲性を担保することができる。
【0050】
なお、本実施の形態および上述の変形例においては、バンドクリップ2の突起部24が1つである構成について説明したが、これに限らず、例えば突起部24を軸方向と直交する方向に所定の間隔で2つ設けてもよい。この場合、2つの突起部24で凸部13を挟み込む構成とすることができ、よりバンドクリップ2の回転を防止することができる。
【0051】
また、本実施の形態および上述の変形例においては、突起部24をクリップ係止部23に設けた例について説明したが、これに限らず、突起部24をベルト部22に設けてもよい。
【0052】
以上説明したように、本発明に係るコルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造は、コルゲートチューブに取り付けられたバンドクリップの回転を確実に防止することができるという効果を有し、コルゲートチューブへのバンドクリップ取付構造全般に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 コルゲートチューブ
2 バンドクリップ
4 取付対象物
10 環状リブ
11 環状溝
12 環状凹部
13 凸部
16 リブ
21 クリップ部
22 ベルト部
23 クリップ係止部
23a ベルト挿通穴
24 突起部
43 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11