特許第6052148号(P6052148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000002
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000003
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000004
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000005
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000006
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000007
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000008
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000009
  • 特許6052148-シート用ワイヤハーネスの配索装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052148
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】シート用ワイヤハーネスの配索装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20161219BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20161219BHJP
   B60N 2/14 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B60N2/44
   B60N2/06
   B60N2/14
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-252717(P2013-252717)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-110353(P2015-110353A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真治
(72)【発明者】
【氏名】榊原 敬和
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−51494(JP,A)
【文献】 特開2002−114065(JP,A)
【文献】 特開2004−64815(JP,A)
【文献】 特開2006−42566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
H02G 11/00−11/02
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後移動自在および回転自在とされるシートに、回転吸収用ケースを固定し、該回転吸収用ケース内にワイヤハーネスをシート側の開口から挿入して迂回させた後に、該ワイヤハーネスを該回転吸収用ケースに設けた円弧状スライド溝とフロアに敷設したハーネスレールに両端を摺動自在に嵌合したスライダに貫通し、
前記ハーネスレールの前端にスライド吸収用ケースを設置し、該スライド吸収用ケースに前記ハーネスレールの前端から前記スライダから引き出すワイヤハーネスを挿入し、該スライド吸収用ケース内を迂回させて他端開口からフロア側へ引き出す構成としているシート用ワイヤハーネスの配索装置。
【請求項2】
前記回転吸収用ケースは半円環状部の周方向の半側部に内周側へ突出した膨出部を設けた形状で、該膨出部の内側端にシートハーネス側のワイヤハーネス挿入口を設けると共に、前記半円環状部の外周下面に前記円弧状スライド溝を設けた形状とし、
該ワイヤハーネス挿入口から挿入したワイヤハーネスを膨出部内を外周側へ配線した後に半円環状部を通して迂回させ、前記円弧状スライド溝に嵌合した前記スライダ内を通して前記ハーネスレールに引き出している請求項1に記載のシート用ワイヤハーネスの配索装置。
【請求項3】
前記ハーネスレールは前後直線方向のレールからなり、その上面に前記スライダを摺動自在に嵌合する直線状スライド溝を備え、フロアに前後方向に敷設されるシートレールと平行に配置され、該ハーネスレールの前端に連続して配置する前記スライド吸収用ケースは前記ハーネスレールに連続する直線部と、該直線部の前端から円弧部を介して後方へ突出する膨出部を設けた略J形状とし、該膨出部の先端にフロア側へワイヤハーネスを引き出す前記開口を設けている請求項1または請求項2に記載のシート用ワイヤハーネスの配索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート用ワイヤハーネスの配索装置に関し、特に、自動車等の車両に搭載され、前後方向にスライドすると共に回転するシートに装着する電装品に給電するためのワイヤハーネスの配索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるシートは前後方向にスライド可能とされおり、さらに、特殊車両ではシートを回転可能とし、昇降時に出口側に回転させて乗員の昇降を容易する場合、大型車やキャンピング車では並列状態から向かい合わせの状態に移動可能とする場合がある。例えば、特開2002−114065号公報で提供されている車両シートの回動装置では、図9(A)(B)に示すように、フロアに固定されるガイドレール101にスライドベース102が前後方向にスライド自在に取り付けられ、該スライドベース102上に回転盤103が回転自在に搭載され、該回転盤103上にシート100が支持されている。
【0003】
前記スライドと回転との両方ができる車両用シートに電装品を装着する場合、該電装品に給電するワイヤハーネスをフロアハーネスと接続して配索する必要があるが、スライドと回転の両方の動作に追従させる必要があるため、該ワイヤハーネスの配索装置は複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−114065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、自動車等の車両に搭載するシートを前後方向の移動と回転との両方ができる構成とすると、該シートに装着する電装品に接続するワイヤハーネスは前後移動に追従させる機構と回転方向に追従させる機構の両方が必要となる。具体的には、該ワイヤハーネスの長さを前後移動に追従できる余長およびスライド余長吸収機構が必要になると共に、回転方向に追従できる余長および回転余長吸収機能が必要となる。特に、ワイヤハーネスの前後方向の余長吸収機能と回転方向の余長吸収機能とを両立させる必要があるため、ワイヤハーネスの配索装置は複雑となる。
【0006】
前記のように、ワイヤハーネスの配索装置は複雑となるため、従来は前後移動と回転の両方ができるシートには電装品を装備されていない場合が多い。しかしながら、この種の前後移動と回転の両方ができるシートにおいても、電動リクライニング機構等を含む電装品を装着することが要望されている
【0007】
本発明は前記要望を満たすために、前後移動と回転の両方ができる車両用のシートにおいて、該シートに電装品を装着し、該電装品に接続する給電用のワイヤハーネスの配索装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、前後移動自在および回転自在とされるシートに、回転吸収用ケースを固定し、該回転吸収用ケース内にワイヤハーネスをシート側の開口から挿入して迂回させた後に、該ワイヤハーネスを該回転吸収用ケースに設けた円弧状スライド溝とフロアに敷設したハーネスレールに両端を摺動自在に嵌合したスライダに貫通し、
前記ハーネスレールの前端にスライド吸収用ケースを設置し、該スライド吸収用ケースに前記ハーネスレールの前端から前記スライダから引き出すワイヤハーネスを挿入し、該スライド吸収用ケース内を迂回させて他端開口からフロア側へ引き出す構成としているシート用ワイヤハーネスの配索装置を提供している。
【0009】
なお、前記スライド吸収用ケースに直線部を長く延在させて設け、該直線部に直線状スライド溝を設け、前記スライダの下部をスライド吸収用ケースの直線状スライド溝に摺動自在に嵌合して、前記ハーネスレールをスライド吸収用ケースと一体化してもよい。
【0010】
前記のように、回転吸収用ケースとスライド吸収用ケースとを別々に設け、スライダとハーネスレールとを介在させて連続し、この連続させた配索装置にシート側からワイヤハーネスを、回転吸収用ケース→スライダ→ハーネスレール→スライド吸収用ケースと順に通して、フロア側へと配索している。
【0011】
シートが回転動作する時は、該シートに固定している前記回転吸収用ケースも連動して回転し、該回転吸収用ケースの円弧状スライド溝に取り付けた前記スライダは移動せず、回転吸収用ケースが回転し、該回転吸収用ケース内を挿通するワイヤハーネスの長さが変わることで回転動作に追従する。
一方、シートが前後移動する時は、回転吸収用ケースを介してスライダがハーネスレール内を前後方向に移動し、スライダを挿通するワイヤハーネスがハーネスレールを介してスライド吸収用ケース内のワイヤハーネスを出入する。即ち、シートの後退時にはスライダは後退してスライド吸収用ケースからワイヤハーネスを引き出す一方、シートの前進時にはスライダは前進してスライド吸収用ケース内にワイヤハーネスを押し込んで迂回させて、シートの前後移動にワイヤハーネスを追従させる。
このように、回転吸収用ケースとスライド吸収用ケースとを設けることで、シートの前後移動および回転にワイヤハーネスをスムーズに追従させることができる。
【0012】
前記回転吸収用ケース、スライダ、ハーネスレールおよびスライド吸収用ケースを貫通させる前記ワイヤハーネスは、シート内に配索するシートハーネスとフロアに配索するフロアハーネスを中継する中継ハーネスとして、その両端をコネクタ接続してもよい。
あるいは、フロアハーネスの幹線から分岐する枝線を前記スライド吸収用ケース、ハーネスレール、スライダ、回転吸収用ケースに順次挿通して、シート内に配索するシートハーネスとコネクタ接続してもよい。
さらに、シートハーネスを延在させて回転吸収用ケース、スライダ、ハーネスレールおよびスライド吸収用ケースに順次挿通して、フロアハーネスとコネクタ接続してもよい。
【0013】
前記回転吸収用ケースは、半円環状部の周方向の半側部に内周側へ突出した膨出部を設けた形状で、該膨出部の内側端にシートハーネス側のワイヤハーネス挿入口を設けると共に、前記半円環状部の外周下面に前記円弧状スライド溝を設けた形状とし、
該ワイヤハーネス挿入口から挿入したワイヤハーネスを膨出部内を外周側へ配線した後に半円環状部を通して迂回させ、前記円弧状スライド溝に嵌合した前記スライダ内を通して前記ハーネスレールに引き出していることが好ましい。
【0014】
前記ハーネスレールは前後直線方向のレールからなり、その上面に前記スライダを摺動自在に嵌合する直線状スライド溝を備え、フロアに前後方向に敷設されるシートレールと平行に配置され、該ハーネスレールの前端に連続して配置する前記スライド吸収用ケースは前記ハーネスレールに連続する直線部と、該直線部の前端から円弧部を介して後方へ突出する膨出部を設けた略J形状とし、該膨出部の先端にフロア側へワイヤハーネスを引き出す前記開口を設けていることが好ましい。
【0015】
前記回転吸収用ケース及びスライド吸収用ケースの構成は前記構成に限定されず、シートの前後スライド時および回転時にワイヤハーネスを追従できる構成であればよい。
【0016】
シートの前後スライド機構および回転機構を特定されないが、シートレールに回転自在に嵌合する左右車輪の支軸を支持板の下面から突出し、該支持板の上面にシートを回転自在に搭載することが好ましい。あるいは、シートレールの一部を分離すると共に該分離部を回転盤上に設置し、該回転板を所定位置に戻すとシートレールが連続し、該回転板上にシートを固定して搭載してもよい。
【0017】
前記回転吸収用ケース、ハーネスレール、スライド吸収用ケースを連続して挿通するワイヤハーネスを構成する電線群はキャタピラ型の外装材で外装することが好ましい。該外装材は帯状の平板に長さ方向に延在すると共に幅方向に間隔をあけてもうけた複数本の折曲ラインを折り曲げて四角筒にすると共に、長さ方向に間隔をあけて幅方向に設けて切り込みにより筒型の一方側を分離すると共に他方側を連続させ、一方側は屈曲するが他方側は屈曲しない状態で連続させている。
【発明の効果】
【0018】
前記のように、本発明の回転と前後移動の両方を行うシートに接続するワイヤハーネスの配索構造では、シートに回転吸収用ケースを固定し、フロア側にスライド吸収用ケースを設け、前後移動および回転するシートに接続するワイヤハーネスを、該シートの前後移動および回転にスムーズに追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態のシートを示す斜視図である。
図2】(A)は前記シートに取り付けるワイヤハーネスの配索装置をシート下部に設置している状態を示す概略図、(B)は前記配索装置の連結状態を示す概略図である。
図3】前記配索装置の概略斜視図である。
図4】回転吸収用ケースの平面図である。
図5】前記回転吸収用ケースの作動を示す図面である。
図6】スライダを示し、(A)は斜視図、(B)はスライダと回転吸収用ケースおよびハーネスレールとの取付状態を示す断面図である。
図7】(A)(B)はスライダ吸収用ケースを示す概略図である。
図8】(A)はワイヤハーネスを外装材で外装した状態の斜視図、(B)は外装材の展開図である。
図9】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。
図1に示すように、シート1は自動車のフロア上に前後方向Xにスライド自在で、矢印Y方向に回転自在に搭載されている。該スライドおよび回転を行う機構は限定されず、例えば、シート1の底面から突出した支軸を回転基台上に回転自在に取り付け、該回転基台の左右下面から車輪支持軸を突出し、車輪を左右に敷設するシートレール2にスライド自在に嵌合している。
【0021】
前記シート1に電装品を搭載し、該電装品に給電するワイヤハーネスをシートハーネス3としてシート1の内部に配線し、該シートハーネス3の端末に接続したコネクタ3Cをシート1の底面に配置している。該シートハーネス3にワイヤハーネス5の一端に接続したコネクタ5Aを嵌合接続している。該ワイヤハーネス5はフロアハーネス6の幹線6aから分岐した枝線で構成している。
なお、フロアハーネス6の枝線と前記ワイヤハーネスを分離してコネクタ接続してもよい。この場合、ワイヤハーネス5はシートハーネス3とフロアハーネス6との間に介在させる中継ハーネスとなる。
【0022】
前記シート1内のシートハーネス3と接続するワイヤハーネス5を挿通する配索装置として、シート1の底面に回転吸収用ケース10を固定している。図4図6に示すように、回転吸収用ケース10に設ける円弧状スライド溝11にスライダ12の上部を摺動自在に嵌合している。
図2に示すように、前記シートレール2と平行にフロアに敷設する前後直線方向のハーネスレール14を設け、図3に示すように、該ハーネスレール14の上面に設けた前後方向の直線状スライド溝15に前記スライド12の下部を摺動自在に嵌合している。
【0023】
前記ハーネスレール14の前端に連続してスライド吸収用ケース16を車室床材9の下部に設置し、該スライド吸収用ケース16の開口から前記ワイヤハーネス5を引き出して、フロアハーネス6の幹線6aに連続させている。
即ち、図2(B)に示すように、シート1の内部に配索したシートハーネス3とコネクタ5Aを介して接続するワイヤハーネス5を、回転吸収用ケース10内にシート側の開口10bから挿入し、迂回させた後に、該回転吸収用ケース10の円弧状スライド溝11に摺動自在に嵌合したスライダ12内を貫通させて、ハーネスレール14に引き出し、該ハーネスレール14よりスライド吸収用ケース16を通してフロア側へ引き出している。
【0024】
回転吸収用ケース10、スライダ12、スライド吸収用ケース16はいずれも樹脂成形品からなる。
図3および図4に示すように、回転吸収用ケース10は半円環状部10dの周方向の半側部に内周側へ突出させて膨出部10eを設けた形状としている。該形状とした回転吸収用ケース10は浅底の本体にワイヤハーネス5を後述する外装在40で外装した状態で蓋を被せて閉鎖する構成としている。該回転吸収用ケース10の前記膨出部10eの先端側に設けた取付板10fをシート1の底面に固定している。
【0025】
該回転吸収用ケース10の膨出部10eから突出した半円環状部10dの円弧をシート1の回転軌跡に対応させ、該半円環状部10dの外周下面に前記円弧状スライド溝11を設けている。図6(B)に示すように、前記スライダ12の上部を円弧状スライド溝11に摺動自在に嵌合して下向きに突出し、シート1の下方に敷設したハーネスレール14の上面に設けた直線状スライド溝15に下部を摺動自在に嵌合している。即ち、シート1の回転時に連続して回転する回転吸収用ケース10の外周面に対してハーネスレール14が接線方向に延在する状態としている。
【0026】
図2(A)に示すように、ハーネスレール14はシートレール2の内側に平行に敷設しており、その上面には、全長に沿って前記直線状スライド溝15を設けている。
該ハーネスレール14の直線状スライド溝15と上方に位置する回転吸収用ケース10の円弧状スライド溝11との間に上下方向に架け渡すスライダ12は図6に示すように、四角筒状で、上下に嵌合溝12b、12cを設けている。図6(B)に示すように、スライダ12内にワイヤハーネス5を貫通し、該スライダ12の上部の嵌合溝12bの対向面を回転吸収用ケース10の円弧状スライド溝11の両側縁に摺動自在に嵌合している。また、下部の嵌合溝12cの対向面をハーネスレール14の直線状スライド溝15の両側縁に摺動自在に嵌合している。
【0027】
ハーネスレール14の前端に連続して配置する前記スライド吸収用ケース16は、図7に示すように、ハーネスレール14に連続する直線部16bと、該直線部16の前端から円弧部16cを介して後方へ突出する膨出部16dを設けた略J形状とし、膨出部16dの先端にフロア側へワイヤハーネスを引き出す開口16fを設けている。該スライド吸収用ケース16は前記形状とした浅底の本体に図8に示す外装材40で外装したワイヤハーネス5を通した状態で蓋を被せて閉鎖している。
該スライド吸収用ケース16の開口16fから引き出すワイヤハーネス5にバンドクリップ19を取り付け、フロアに設けた係止穴(図示せず)に係止するようにしている。
【0028】
前記ワイヤハーネス5に外装材40を外装した状態で、回転吸収用ケース10、スライダ12、ハーネスレール14、スライド吸収用ケース16内に連続的に通している。
外装材40は本出願人の先願に係わる特願2012−278727号公報に記載のキャタピラ型の組立式のプロテクタからなる。該外装材40は図8(B)に示すように、帯状の平板に長さ方向に延在すると共に幅方向に間隔をあけて設けた4本の折曲ライン40aを折り曲げている。この状態で、幅方向の一端側に突設した係止片40dを他端側に設けた係止穴40nに挿入係止して4角筒型に組み立てている。この組み立てた状態で、長さ方向に間隔をあけて幅方向に設けている切り込み40bにより筒型の外周側を分離し、内周側を連続させ、外周側は屈曲するが内周側は屈曲しない状態で連続している。
ワイヤハーネス5を前記外装材40で外装した状態で回転吸収用ケース10およびスライド吸収用ケース16内で両側面を底面と蓋とに接触させて移動させており、安定姿勢でワイヤハーネス5を保持すると共にガタツキなく移動できるようにしている。
【0029】
前記ワイヤハーネス5の組み立て及び自動車に搭載するシート1への組みつけ方法を説明する。
まず、ワイヤハーネス組立工場で、フロアハーネス6の幹線から分岐する枝線からなるワイヤハーネス5をスライド吸収用ケース16、ハーネスレール14、スライダ12および回転吸収用ケース10内を貫通させて、ワイヤハーネス5を配索装置に組み付けている。
【0030】
前記のように、ワイヤハーネス5を配索装置に組みつけた状態で自動車組立工場に搬送し、フロアハーネス6をフロアに配索すると共に、スライド吸収用ケース16およびハーネスレール14を車両フロアの車室床材9の下面に固定する。また、回転吸収用ケース10をシート1の下面に固定する。
【0031】
前記のように自動車のシート1とフロアとの間に取り付けたワイヤハーネス5は、シート1の前後移動および回転に、以下のように動作して、追従する。
シート1が回転動作する時は、シート1に固定している回転吸収用ケース10も連動して回転する。該回転吸収用ケース10の円弧状スライド溝11に嵌合したスライダ12は、その下部をハーネスレール14に嵌合しているため回転せず、スライダ12を支点として回転吸収用ケース10が回転することになる。
このように、回転吸収用ケース10が回転する一方、スライダ12は回転しないため、スライダ12を通して引き出されるワイヤハーネス5は、回転吸収用ケース10内の挿通長さが図4に示すように、変わることで回転動作に追従する。
【0032】
一方、シート1が前後移動する時は、回転吸収用ケース10を介してスライダ12がハーネスレール14内を前後方向に移動し、スライダ12を挿通するワイヤハーネス5がハーネスレール14を介してスライド吸収用ケース16内に出入する。即ち、スライド吸収用ケース16内で図7(B)に示すシート1の後退時にはスライダ12は後退してスライド吸収用ケース16からワイヤハーネス5を引き出す一方、シート1の前進時には図7(A)に示すように、スライダ12は前進してスライド吸収用ケース16内にワイヤハーネス5を押し込んで迂回させて、シート1の前後移動にワイヤハーネス5を追従させる。
【0033】
このように、回転吸収用ケース10、スライダ12、ハーネスレール14、スライド吸収用ケース16にワイヤハーネス5を連続して挿通することで、前後移動および回転するシート1にワイヤハーネス5の一端をコネクタ接続する一方、他端をフロア側に固定した状態で、シート1の移動にワイヤハーネス5をスムーズに追従させることができる。
【0034】
本発明は前記実施形態に限定されず、スライド吸収用ケースの直線部を延長して、直線状スライド溝を設けて前記スライダを摺動させて、ハーネスレールを省略してもよい。
また、前記外装材40で外装せずに、ワイヤハーネス5をコルゲートチューブで外装し、あるいはテープ巻きして外装してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 シート
2 シートレール
3 シートハーネス
5 ワイヤハーネス
6 フロアハーネス
10 回転吸収用ケース
11 円弧状スライド溝
12 スライダ
14 ハーネスレール
15 直線状スライド溝
16 スライド吸収用ケース
40 外装材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9