特許6052239IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

駆動力源と駆動輪との間に並列に設けられた無段変速機構及び伝動機構を備える車両用変速機の制御装置に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、伝動機構を介した動力伝達経路における変速比が無段変速機構を介した動力伝達経路における最ロー変速比よりロー側である場合、無段変速機構と伝動機構との切替えは無段変速機構の最ロー変速比側にて実行することが望ましい。この場合、伝動機構を介した動力伝達時に空転させる無段変速機構の変速比を、切替えが行われる最ロー変速比側からハイ側(例えば中間変速比側)へ変速しておくことで、無段変速機構の出力側プーリの推力(セカンダリ推力)が低下させられる為、出力側プーリに作用する油圧(セカンダリ圧)の元圧であるライン圧が低下させられ、そのライン圧の元圧を発生させる油圧ポンプを駆動する駆動力源の損失が抑制され、燃費向上効果が期待できる。しかしながら、ライン圧がセカンダリ圧及び入力側プーリに作用する油圧(プライマリ圧)により支配される領域(例えばセカンダリ圧及びプライマリ圧が、元圧を同じライン圧とする他の制御油圧である、伝動機構を介した動力伝達経路を形成するクラッチの油圧(クラッチ圧)よりも大きな領域)でしか、そのライン圧を下げることができず、燃費向上効果が得られない。又、ライン圧がセカンダリ圧及びプライマリ圧により支配される領域以外で、空転時の無段変速機構の変速比をハイ側へ変速すると、燃費向上効果が得られないだけでなく、入力回転部材の等価慣性が増大する(例えば変速比に依存する出力側プーリ分の入力回転部材の等価慣性が増大する)ことで、例えば車両加速時に回転変動による入力回転部材の慣性損失が増大して、車両の動力性能(ドライバビリティ)が悪化する可能性がある。従って、空転時における無段変速機構をどのように制御するかについて、まだまだ改善の余地がある。尚、上述したような課題は未公知である。 本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、入力回転部材と出力回転部材との間に並列に無段変速機構及び伝動機構が備えられた車両用変速機において、空転時における無段変速機構を適切に制御することで、燃費を向上させたり、動力性能を向上させることができる制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 駆動力源の動力が伝達される入力回転部材と駆動輪へ前記動力を出力する出力回転部材との間に並列に設けられた、入力側プーリと出力側プーリと前記各プーリに巻き掛けられたベルトとを有する無段変速機構及び1つ乃至複数のギヤ段が形成される伝動機構と、前記駆動力源の動力を前記駆動輪側へ伝達する動力伝達経路を前記無段変速機構を介した第1動力伝達経路・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
このようにすれば、無段変速機構の空転時に、各プーリやクラッチに作用する油圧の元圧が入力側プーリ及び出力側プーリに各々作用する油圧のうちの少なくとも一方の油圧により支配されている場合には、クラッチに作用する油圧よりも大きい油圧が作用する、プーリに作用する油圧を低下させることで、燃費向上効果が得られる。一方で、無段変速機構の空転時に、元圧がクラッチに作用する油圧により支配されている場合には、無段変速機構の変速比を最ロー変速比側に制御することで、入力回転部材の等価慣性が小さくされるので、回転変動による入力回転部材の慣性損失が低減させられて、車両の動力性能が向上させられる。よって、入力回転部材と出力回転部材との間に並列に無段変速機構及び伝動機構が備えられた車両用変速機において、空転時における無段変速機構を適切に制御することで、燃費を向上させたり、動力性能を向上させることができる。 ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両用変速機の制御装置において、前記入力側プーリ及び前記出力側プーリに各々作用する油圧のうちの少なくとも一方が前記クラッチに作用する油圧よりも大きい場合は、前記無段変速機構への入力トルクに対して前記ベルトを滑らせない最小の油圧に、前記入力側プーリ及び前記出力側プーリに各々作用する油圧を制御することにある。このようにすれば、無段変速機構の変速比を最ロー変速比側に制御するときの入力側プーリ及び出力側プーリに各々作用する油圧と、ベルトを滑らせない最小の油圧との差分だけ燃費向上効果が適切に得られる。 また、第3の発明は、前記第2の発明に記載の車両用変速機の制御装置において、前記無段変速機構への入力トルクに対して前記ベルトを滑らせない最小の油圧が前記クラッチに作用する油圧よりも小さい場合は、前記クラッチに作用する油圧を下限の油圧として、前記入力側プーリ及び前記出力側プーリに各々作用する油圧を制御することにある。このようにすれば、入力側プーリ及び出力側プーリに各々作用する油圧のうちの一方がクラッチに作用する油圧よりも大きい範囲或いはクラッチに作用する油圧と略同じ油圧まで、クラッチに作用する油圧よりも大きい油圧が作用する、プーリに作用する油圧を低下させることができる。 また、第4の発明は、前記第1の発明乃至第3の発明の何れか1つに記載の車両用変速機の制御装置において、前記クラッチに作用する油圧が前記入力側プーリ及び前記出力側プーリに各々作用する油圧の何れよりも大きい場合は、前記無段変速機構の変速比を最低車速側の変速比とする油圧に、前記入力側プーリ及び前記出力側プーリに各々作用する油圧を制御することにある。このようにすれば、入力回転部材の等価慣性を最小化することができ、車両の動力性能が適切に向上させられる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。

【図2】車両用変速機の走行パターンの切り替わりを説明する為の図である。

【図3】車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。

【図4】目標変速比をパラメータとしてトルク比と推力比との予め定められた推力比マップの一例を示す図である。

【図5】目標変速比を維持するのに必要な推力を説明する為の図である。

【図6】最ロー変速比を維持する推力と滑り限界推力との一例を示す図である。

【図7】電子制御装置の制御作動の要部すなわち空転時における無段変速機を適切に制御することで燃費を向上させたり動力性能を向上させる為の制御作動を説明するフローチャートである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

12:エンジン(駆動力源)   14:駆動輪   17:車両用変速機   22:入力軸(入力回転部材)   24:ベルト式無段変速機(無段変速機構)   28:ギヤ機構(伝動機構)   30:出力軸(出力回転部材)   58:プライマリプーリ(入力側プーリ)   62:セカンダリプーリ(出力側プーリ)   64:伝動ベルト(ベルト)   70:電子制御装置(制御装置)   B1:後進用ブレーキ(クラッチ機構、クラッチ)   C1:前進用クラッチ(クラッチ機構、クラッチ)

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