(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第二のブラケットは実質的に前記フロントガラスに沿う予め設定された一方向に前記第一のブラケットに対し予め設定された位置まで変位させることにより前記第一のブラケットに取り付けられ、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、前記押圧部は、前記一方向及び前記フロントガラスを横切る方向に前記被押圧部を押圧することを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記支持部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、前記押圧部の下方に位置する部分を有し、前記フロントガラスを横切る方向は前記フロントガラスから下方へ離れる方向であることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2又は3に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一のブラケットは、前記一方向に平行に延在する第一の当接部を有し、前記第二のブラケットは、前記第一の当接部に当接可能な第二の当接部を有し、前記押圧部が前記一方向に前記被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の逆止係合部から前記第一の逆止係合部へ伝達され、前記押圧部が前記フロントガラスを横切る方向に前記被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の当接部から前記第一の当接部へ伝達されることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記被押圧部は、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、少なくとも前記一方向に互いに隔置されるよう設けられた第一及び第二の被押圧部を含み、前記支持部は第一及び第二の支持部を含み、前記押圧部は前記第一及び第二の被押圧部をそれぞれ第一及び第二の支持部に対し押圧する第一及び第二の押圧部を含んでいることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項5に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一及び第二の被押圧部、前記第一及び第二の支持部、及び前記第一及び第二の押圧部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあり、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直な方向に互いに隔置される一対の第一の被押圧部及び一対の第二の被押圧部、一対の第一の支持部及び一対の第二の支持部、及び一対の第一の押圧部及び一対の第二の押圧部をそれぞれ有していることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項5又は6に記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第二のブラケットの前記一方向の変位について見て、前記第一の押圧部は前記第二の押圧部よりも前記変位の進み側に位置し、前記第一の押圧部は、前記第二の押圧部が前記第二の支持部に対する前記第二の被押圧部の押圧を開始する前に前記第一の支持部に対する前記第一の被押圧部の押圧を開始し、前記第二の押圧部は前記第二のブラケットが前記予め設定された位置に到達すると、前記第二の被押圧部と面接触することを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項5乃至7の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一及び第二の支持部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、それぞれ前記第一及び第二の押圧部の下方に位置する部分を有し、前記フロントガラスを横切る方向は前記フロントガラスから下方へ離れる方向であることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項5乃至8の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一の逆止係合部は、前記一方向について見て、前記第一の支持部と前記第二の支持部との間に位置していることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項5乃至9の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一のブラケットは、前記一方向に平行に延在し且つ前記一方向に沿って互いに隔置された一対の第一の当接部を有し、前記第二のブラケットは、前記一対の第一の当接部に当接可能な一対の第二の当接部を有し、前記第一及び第二の押圧部が前記一方向にそれぞれ前記第一及び第二の被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の逆止係合部から前記第一の逆止係合部へ伝達され、前記第一及び第二の押圧部が前記フロントガラスを横切る方向にそれぞれ前記第一及び第二の被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記一対の第二の当接部から前記一対の第一の当接部及び前記第一の逆止係合部へ伝達されることを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2乃至10の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一及び第二のブラケットはそれぞれ第一及び第二のガイド部を有し、前記第一及び第二のガイド部は、互いに共働して前記第二のブラケットの前記一方向の変位を案内することを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2乃至11の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第二のブラケットはカメラ係合部を有し、前記カメラ係合部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあり、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、車載カメラに係合することにより、車載カメラが前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直な方向へ前記第一及び第二のブラケットに対し移動することを阻止することを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
請求項2乃至12の何れか一つに記載の車載カメラの取り付け構造において、前記第一のブラケットは一対の第一の側壁部を有し、前記一対の第一の側壁部は、前記一方向に延在し且つ前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直に互いに隔置されており、前記第二のブラケットは、それが前記予め設定された位置にあるときには、前記一方向に延在し且つ前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直に互いに隔置される一対の第二の側壁部を有し、前記第一及び第二の側壁部の一方の一対の側壁部はそれらの間に前記車載カメラの少なくとも一部に当接して前記車載カメラを受け入れるよう構成され、前記第一及び第二の側壁部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、少なくとも一部にて互いに係合することにより、前記第一及び第二のブラケットが各側壁部の壁面を横切る方向へ相対的に移動することを阻止することを特徴とする車載カメラの取り付け構造。
【発明の概要】
【0005】
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の車載カメラの取り付け構造においては、ばね機構のばね部材はブラケットに固定されているため、ばね部材のばね力の低下などに対処すべくばね機構を変更しようとすると、ブラケットを交換しなければならない。しかるに、ブラケットはフロントガラスの内面に接着により固定されているため、ブラケットのみを交換することができず、ブラケットが固定されたフロントガラスを交換しなければならない。そのため、車載カメラの取り付けに関する保守を容易に且つ能率よく且つ低廉に行うことができない。
【0006】
なお、ばね部材のばね力に経時変化が発生していなくても、車載カメラの交換が必要になり、ばね部材によって押圧される部分の大きさ又は形状が異なる車載カメラに交換されるような場合には、交換後の車載カメラに作用する押圧力が所定の値にならなくなる。そのため、車載カメラが交換される場合にも、ばね力の低下などの経時変化の場合と同様の問題が生じることがある。
【0007】
本発明は、フロントガラスの内面に車載カメラを取り付ける従来の車載カメラの取り付け構造における上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の主要な課題は、ブラケット及びこれが固定されたフロントガラスの交換を要することなく、押圧力に関する保守及び/又は車載カメラの交換を容易に且つ能率よく且つ低廉に行うことができる車載カメラの取り付け構造を提供することである。
【0008】
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車載カメラを車両のフロントガラスの内面に取り付けるための車載カメラの取り付け構造において、
フロントガラスの内面に固定された第一のブラケットと、予め設定された位置にて前記第一のブラケットに取り付けられることにより、前記第一のブラケットに対し車載カメラを保持する第二のブラケットとを有し、
前記第一のブラケットは、支持部及び第一の逆止係合部を有し、
前記第二のブラケットは、押圧部及び第二の逆止係合部を有し、
前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、前記押圧部は、前記支持部に対し前記車載カメラの被押圧部を弾性的に押圧することにより、前記被押圧部を前記支持部との間に挟止し、前記第二の逆止係合部は、前記第一の逆止係合部に係合することにより、前記押圧部と共働して前記第二のブラケットが前記第一のブラケットに対し変位することを阻止する
ことを特徴とする車載カメラの取り付け構造が提供される。
【0009】
上記の構成によれば、第二のブラケットが予め設定された位置にあるときには、車載カメラの被押圧部が押圧部により支持部に対し弾性的に押圧され、押圧部と支持部との間に挟止される。更に、第二の逆止係合部が第一の逆止係合部に係合することにより、第二のブラケットが第一のブラケットに対し変位することが阻止される。よって、第二のブラケットを予め設定された位置にて第一のブラケットに取り付けることにより、車載カメラを第一のブラケットに対し所定の位置に位置決めすることができる。
【0010】
また、第二のブラケットが予め設定された位置にあるときには、車載カメラを保持するために第二のブラケットが被押圧部を介して第一のブラケットに及ぼす押圧力の反力の少なくとも一部は、第二のブラケットから第一のブラケットへ伝達される。従って、第一及び第二の逆止係合部を、押圧力の反力を第二のブラケットから第一のブラケットへ伝達する反力伝達手段の一部としても機能させることができる。
【0011】
車載カメラを第一のブラケットに対し所定の位置に位置決めし保持するための押圧力は、押圧部が弾性的に押圧する力、換言すれば第二のブラケットの一部が弾性変形することにより発生する力であるので、ばね機構が第一のブラケットに設けられている必要はない。よって、押圧力の低下に対処する保守、被押圧部の大きさ又は形状が異なる車載カメラへの交換などが必要になっても、第二のブラケットのみを交換すればよく、第一のブラケット及びフロントガラスの交換は不要である。従って、押圧力に関する保守及び/又は車載カメラの交換を容易に且つ能率よく且つ低廉に行うことができる。
【0012】
なお、本明細書において、「実質的にフロントガラスに沿う」とは、フロントガラスに対する傾斜角が、20度以下、好ましくは15度以下、更に好ましくは10度以下であることを意味する。また、「フロントガラスを横切る方向」とは、フロントガラスに対する傾斜角が、70度以上、好ましくは75度以上、更に好ましくは80度以上であることを意味し、所定の方向に対し垂直であることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、上記の構成において、前記第二のブラケットは実質的に前記フロントガラスに沿う予め設定された一方向に前記第一のブラケットに対し予め設定された位置まで変位させることにより前記第一のブラケットに取り付けられ、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、前記押圧部は、前記一方向及び前記フロントガラスを横切る方向に前記被押圧部を押圧するようになっていてよい。
【0014】
上記の構成によれば、押圧の反力に抗して、予め設定された一方向(必要に応じて「所定の方向」という)に第一のブラケットに対し第二のブラケットを移動させることにより、第二のブラケットは予め設定された位置にて第一のブラケットに取り付けられる。よって、第一のブラケットに対する第二のブラケットの取り付けを容易に行うことができると共に、第二のブラケットが第一のブラケットに取り付けられる際にフロントガラスにそれを横切る方向に不必要な応力が作用することを回避することができる。
【0015】
本発明によれば、上記の構成において、前記支持部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、前記押圧部の下方に位置する部分を有し、前記フロントガラスを横切る方向は前記フロントガラスから下方へ離れる方向であってよい。
【0016】
上記の構成によれば、第二のブラケットが予め設定された位置にて第一のブラケットに取り付けられる際には、第二のブラケットは作業者によって所定の方向に第一のブラケットに対し移動される。その状況において押圧部が支持部に対し車載カメラの被押圧部を弾性的に押圧する方向は、所定の方向及びフロントガラスから下方へ離れる方向である。よって、支持部はフロントガラスへ近づく上方向の成分を含む力を受けず、フロントガラスは第一のブラケットから上向きの力を受けない。従って、予め第一のブラケットが固定されたフロントガラスが接着により車体に固定され、その後車載カメラが取り付けられる場合に、たとえ作業者が比較的強い力にて第二のブラケットを移動させても、フロントガラスが車体より剥がれることを回避することができる。
【0017】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一のブラケットは、前記一方向に平行に延在する第一の当接部を有し、前記第二のブラケットは、前記第一の当接部に当接可能な第二の当接部を有し、前記押圧部が前記一方向に前記被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の逆止係合部から前記第一の逆止係合部へ伝達され、前記押圧部が前記フロントガラスを横切る方向に前記被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の当接部から前記第一の当接部へ伝達されるようになっていてよい。
【0018】
上記の構成によれば、所定の方向とは逆の方向へ第二のブラケットが変位することを阻止しつつ、押圧部が所定の方向に被押圧部を押圧することにより発生する反力を、主として第二の逆止係合部から第一の逆止係合部へ伝達させることができる。また、第二のブラケットは、所定の方向に平行に延在する第一の当接部に当接可能であるので、第一及び第二の当接部はそれらが互いに当接した状態にて所定の方向に相対的に変位することができる。よって、第二のブラケットが所定の方向に第一のブラケットに対し予め設定された位置まで変位することを許容しつつ、押圧部がフロントガラスを横切る方向に被押圧部を押圧することにより発生する反力を、主として第二の当接部から第一の当接部へ伝達させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記被押圧部は、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、少なくとも前記一方向に互いに隔置されるよう設けられた第一及び第二の被押圧部を含み、前記支持部は第一及び第二の支持部を含み、前記押圧部は前記第一及び第二の被押圧部をそれぞれ第一及び第二の支持部に対し押圧する第一及び第二の押圧部を含んでいてよい。
【0020】
上記の構成によれば、少なくとも所定の方向に互いに隔置された二つの位置において、第一及び第二の押圧部により第一及び第二の支持部に対し車載カメラの第一及び第二の被押圧部を弾性的に押圧することができる。よって、所定の方向について見て押圧部、支持部及び被押圧部が一つである場合に比して、車載カメラを第一のブラケットに対し正確に位置決めし、所定の位置に安定的に保持することができる。
【0021】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一及び第二の被押圧部、前記第一及び第二の支持部、及び前記第一及び第二の押圧部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあり、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直な方向に互いに隔置される一対の第一の被押圧部及び一対の第二の被押圧部、一対の第一の支持部及び一対の第二の支持部、及び一対の第一の押圧部及び一対の第二の押圧部をそれぞれ有していてよい。
【0022】
上記の構成によれば、第一及び第二の被押圧部、第一及び第二の支持部、及び第一及び第二の押圧部は、それぞれフロントガラスに沿って所定の方向に対し垂直な方向に互いに隔置された一対の部分として設けられる。よって、第一及び第二の被押圧部などが一対ではない場合に比して、車載カメラを第一のブラケットに対し正確に位置決めし、車載カメラを所定の位置に安定的に保持することができる。
【0023】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第二のブラケットの前記一方向の変位について見て、前記第一の押圧部は前記第二の押圧部よりも前記変位の進み側に位置し、前記第一の押圧部は、前記第二の押圧部が前記第二の支持部に対する前記第二の被押圧部の押圧を開始する前に前記第一の支持部に対する前記第一の被押圧部の押圧を開始し、前記第二の押圧部は前記第二のブラケットが前記予め設定された位置に到達すると、前記第二の被押圧部と面接触するようになっていてよい。
【0024】
上記の構成によれば、まず、第一の押圧部が第一の支持部に対する第一の被押圧部の押圧を開始し、その後第二の押圧部が第二の支持部に対する第二の被押圧部の押圧を開始する。よって、第一の押圧部が第一の被押圧部を押圧することによって第一の支持部に対し第一の被押圧部を拘束し、その状態にて第二の押圧部により第二の被押圧部を第二の支持部に対し押圧することができる。従って、第一及び第二の押圧部がそれぞれ第一及び第二の支持部に対する第一及び第二の被押圧部の押圧を同時に開始する構成の場合に比して、第一のブラケットに対し第二のブラケットを所定の方向へ移動させるに必要な力が急激に上昇する度合を低減するこができる。また、第二の押圧部と第二の被押圧部との面接触を良好に行わせ、これにより第二の押圧部と第二の被押圧部とが点接触又は線接触する場合に比して、車載カメラを第一のブラケットに対し正確に位置決めし、車載カメラを所定の位置に安定的に保持することができる。
【0025】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一及び第二の支持部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、それぞれ前記第一及び第二の押圧部の下方に位置する部分を有し、前記フロントガラスを横切る方向は前記フロントガラスから下方へ離れる方向であってよい。
【0026】
上記の構成によれば、第二のブラケットが予め設定された位置にて第一のブラケットに取り付けられる際には、第二のブラケットは作業者によって所定の方向に第一のブラケットに対し移動される。その状況において第一及び第二の押圧部が第一及び第二の支持部に対し車載カメラの第一及び第二の被押圧部を弾性的に押圧する方向は、所定の方向及びフロントガラスから下方へ離れる方向である。よって、第一及び第二の支持部はフロントガラスへ近づく上方向の力を受けず、フロントガラスは第一のブラケットから上向きの成分を含む力を受けない。従って、予め第一のブラケットが固定されたフロントガラスが接着により車体に固定された後に車載カメラが取り付けられる状況において、たとえ作業者が比較的強い力にて第二のブラケットを移動させても、フロントガラスが車体より剥がれることを回避することができる。
【0027】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一の逆止係合部は、前記一方向について見て、前記第一の支持部と前記第二の支持部との間に位置していてよい。
【0028】
上記の構成によれば、第一及び第二の押圧部が第一及び第二の支持部に対し第一及び第二の被押圧部を弾性的に押圧する押圧力のフロントガラスを横切る方向の成分は、所定の方向について見て第一の逆止係合部の両側において同一の方向に作用する。よって、第一の逆止係合部が所定の方向について見て第一及び第二の支持部の間に位置していない場合に比して、第一及び第二の押圧部による押圧力のフロントガラスを横切る方向の成分に起因して第一の逆止係合部の周りに作用するモーメントを低減することができる。
【0029】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一のブラケットは、前記一方向に平行に延在し且つ前記一方向に沿って互いに隔置された一対の第一の当接部を有し、前記第二のブラケットは、前記一対の第一の当接部に当接可能な一対の第二の当接部を有し、前記第一及び第二の押圧部が前記一方向にそれぞれ前記第一及び第二の被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記第二の逆止係合部から前記第一の逆止係合部へ伝達され、前記第一及び第二の押圧部が前記フロントガラスを横切る方向にそれぞれ前記第一及び第二の被押圧部を押圧することにより発生する反力は、主として前記一対の第二の当接部から前記一対の第一の当接部及び前記第一の逆止係合部へ伝達されるようになっていてよい。
【0030】
上記の構成によれば、所定の方向とは逆の方向へ第二のブラケットが変位することを阻止しつつ、第一及び第二の押圧部が所定の方向にそれぞれ第一及び第二の被押圧部を押圧することにより発生する反力を、主とし第二の逆止係合部から第一の逆止係合部へ伝達させることができる。また、一対の第一の当接部及び一対の第二の当接部はそれらが互いに当接した状態にて所定の方向に相対的に変位することができる。よって、第二のブラケットが所定の方向に第一のブラケットに対し予め設定された位置まで変位することを許容しつつ、第一及び第二の押圧部がフロントガラスを横切る方向に被押圧部を押圧することにより発生する反力を、主として一対の第二の当接部から一対の第一の当接部へ伝達させることができる。
【0031】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一及び第二のブラケットはそれぞれ第一及び第二のガイド部を有し、前記第一及び第二のガイド部は、互いに共働して前記第二のブラケットの前記一方向の変位を案内するようになっていてよい。
【0032】
上記の構成によれば、互いに共働する第一及び第二のガイド部により、第二のブラケットが所定の方向に変位するよう第二のブラケットの変位を案内させることができる。よって、第一及び第二のガイド部が設けられていない場合に比して、予め設定された位置まで所定の方向に第二のブラケットを第一のブラケットに対し円滑に移動させることができる。
【0033】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第二のブラケットはカメラ係合部を有し、前記カメラ係合部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあり、車載カメラが前記取り付け構造により取り付けられると、車載カメラに係合することにより、車載カメラが前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直な方向へ前記第一及び第二のブラケットに対し移動することを阻止するようになっていてよい。
【0034】
上記の構成によれば、フロントガラスに沿って所定の方向に対し垂直な方向についても、第二のブラケットにより第一のブラケットに対し車載カメラを所定の位置に位置決めすることができる。また、車載カメラがフロントガラスに沿って所定の方向に対し垂直な方向へ第一のブラケット及び第二のブラケットに対し相対的に移動することを阻止し、これにより所定の方向に対し垂直な方向についても、車載カメラを所定の位置に安定的に保持することができる。
【0035】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記第一のブラケットは一対の第一の側壁部を有し、前記一対の第一の側壁部は、前記一方向に延在し且つ前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直に互いに隔置されており、前記第二のブラケットは、それが前記予め設定された位置にあるときには、前記一方向に延在し且つ前記フロントガラスに沿って前記一方向に対し垂直に互いに隔置される一対の第二の側壁部を有し、前記第一及び第二の側壁部の一方の一対の側壁部はそれらの間に前記車載カメラの少なくとも一部に当接して前記車載カメラを受け入れるよう構成され、前記第一及び第二の側壁部は、前記第二のブラケットが前記予め設定された位置にあるときには、少なくとも一部にて互いに係合することにより、前記第一及び第二のブラケットが各側壁部の壁面を横切る方向へ相対的に移動することを阻止するようになっていてよい。
【0036】
上記の構成によれば、第二のブラケットが予め設定された位置にあるときには、第一及び第二の側壁部を少なくとも一部にて互いに係合させ、これにより第一及び第二のブラケットが各側壁部の壁面を横切る方向へ相対的に移動することを阻止することができる。よって、車載カメラが各側壁部の壁面を横切る方向へ第一及び第二のブラケットに対し移動することを阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0039】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態にかかる車載カメラの取り付け構造10を斜め後方且つ下方から見た状態にて示す分解斜視図である。また、
図2は第一のブラケットを斜め前方且つ下方から見た状態にて示す斜視図、
図3は第二のブラケットを斜め前方且つ上方から見た状態にて示す斜視図である。
【0040】
なお、以下の説明において、前方などの方向や前端、右側などの位置関係は、車載カメラが取り付け構造10によって取り付けられた状況を車両の前進時について見た場合の方向や位置関係であることに留意されたい。また、本願に添付の図面においては、煩雑化を避けるため、断面のハッチングは省略されている。
【0041】
<取り付け構造10の構成>
図1に示されているように、取り付け構造10は、メインブラケットとしての第一のブラケット14と、第一のブラケットに対し車載カメラ16を保持するサブブラケットとしての第二のブラケット18とを有している。第一のブラケット14は、板状のベース部14Aにてフロントガラス12の内面に接着により固定されている。第一のブラケット14は、繊維の体積率が数十%程度のガラス繊維強化PBT(ポリブチレンテレフタレート)のような強度及び剛性に優れた繊維強化プラスチックにて形成されていることが好ましいが、金属などの他の材料にて形成されていてもよい。
【0042】
第二のブラケット18は、後に詳細に説明するように、実質的にフロントガラス12に沿う所定の方向に第一のブラケット14に対し予め設定された位置まで移動されることにより第一のブラケットに取り付けられるよう構成されている。第二のブラケット18は、プラスチック、金属などの任意の材料にて形成されていてよいが、特に所定の部位が弾性変形可能であるよう、強度、弾性、耐摩耗性などに優れたPOM(ポリアセタール)樹脂プラスチックにて形成されていることが好ましい。
【0043】
フロントガラス12は、図には示されていないが、車両の前方へ向かうにつれて低くなるよう前傾状態にて車体に取り付けられている。第一のブラケット14のベース部14Aは、フロントガラス12に垂直な方向に見て、実質的に口形(打ち抜きの長方形)をなし、長手方向が車両の前後方向に整合して延在している。よって、後に詳細に説明するように、第二のブラケット18が第一のブラケット14に対し移動される所定の方向は、車両の前方向に整合し且つ実質的にフロントガラス12に沿う方向である。
【0044】
なお、図示の実施形態においては、ベース部14Aの後端部は、車両の横方向に延在する一対のアーム部14Bを有し、各アーム部14Bの先端にはカバー80(
図18参照)を取り付けるための取り付け部14Cが設けられている。また、フロントガラス12の内面には、ベース部14Aの打ち抜き部14Dのうち車両後方且つ車幅方向中央の領域において、ルームミラー20のブラケット20Aが接着により固定されている。更に、
図1においては、ベース部14Aの車両前方の部分には、フロントガラス12を経て入射する光を遮断するための遮光フード21が取り付けられている。
【0045】
図1に示されているように、取り付け構造10により車載カメラ16がフロントガラス12に取り付けられる際には、まず、矢印Aにて示されているように車載カメラ16が第一のブラケット14の下面に当接するよう位置合わせされる。次に、矢印Bにて示されているように車載カメラ16が第一のブラケット14に対し所定の方向に移動される。そして、矢印Cにて示されているように下方から第二のブラケット18が第一のブラケット14及び車載カメラ16に対し位置合わせされる。更に、矢印Dにて示されているように第二のブラケット18が第一のブラケット14及び車載カメラ16に対し所定の方向に移動される。従って、上記所定の方向は矢印B及びDの方向である。
【0046】
図4及び
図5は、それぞれ車載カメラ16の斜視図及び平面図である。特に、車載カメラ16が取り付け構造10により取り付けられた状況を想定すると、
図4は、車載カメラ16を斜め前方且つ上方から見た状態にて示す斜視図であり、
図5は、車載カメラ16を真上から見た状態にて示す平面図である。
【0047】
図4及び
図5に示されているように、車載カメラ16は全体として直方体の形態をなし、車載カメラ16が取り付け構造10により取り付けられると、車両の後方側に位置する部分が車両の前方側に位置する部分よりも大きい厚さを有している。車載カメラ16はハウジング25により支持されたレンズ26を有し、
図4及び
図5には示されていないが、ハウジング25内には、撮像素子、電子回路などが収容されている。なお、ハウジング25は、プラスチック又は金属にて形成されていてよい。
【0048】
ハウジング25の左右の側面部28には、それぞれ第一の被押圧部30と第二の被押圧部32とが設けられ、これらの被押圧部は側面部から垂直に突出する突起状をなしている。左右の第一の被押圧部30は車載カメラ16の前端に近接して設けられ、左右の第二の被押圧部32は対応する第一の被押圧部30から車両後方へ隔置されている。ハウジング25には、レンズ26の前方にレンズへ入射する光を通すための窪み25Aが設けられている。更に、ハウジング25の前端には、車載カメラ16の前端を第一のブラケット14に位置決めして固定するための一対のフック(図示せず)が、車両の横方向に隔置された状態にて設けられている。
【0049】
図2に示されているように、第一のブラケット14の左右の側辺部14Eには、それぞれ側壁部14Sが一体に設けられている。各側壁部14Sは側辺部14Eに垂直に対応する側辺部に沿って延在している。側壁部14Sの互いに対抗する側面(内側の側面)には、車載カメラ16の第一の支持部22及び第二の支持部24が一体に形成されている。
【0050】
後に詳細に説明するように、各第一の支持部22は、車載カメラ16の対応する第一の被押圧部30を支持し、各第二の支持部24は、対応する第二の被押圧部32を支持する。よって、左右の第二の支持部24は対応する第一の支持部22から車両の後方へ隔置されている。各支持部は車両の横方向に見てL形をなしている。
【0051】
図6は、第一のブラケット14の右側の側壁部14Sを左側の側壁部の側からみた拡大部分図である。この
図6から解るように、第一の支持部22及び第二の支持部24は、それぞれ実質的にベース部14Aに沿って延在する底壁部22B及び24Bと、底壁部と一体に底壁部の前端から上方へ延在する直立部24U及び24Uとを有している。左側の第一の支持部22及び第二の支持部24もそれぞれ右側の第一の支持部22及び第二の支持部24と同様に形成されている。
【0052】
左右の側壁部14Sには、第二の支持部24の前方側に切欠き36が設けられている。また、左右の側壁部14Sには、第一の支持部22と切欠き36との間の領域に、第一のガイド溝38が設けられている。各ガイド溝38の後端側には、側壁部14Sが車両の横方向外側へ突出するよう成形されることにより形成されたガイド受け入れ窪み40が設けられている。
【0053】
また、左右の側壁部14Sには、第二の支持部24の後方に第二のガイド溝42が設けられている。各ガイド溝42の後端側には、ガイド受け入れ窪み40に対応する窪みは設けられておらず、各ガイド溝42の後端部は、後方へ向けて開放されている。第一のガイド溝38及び第二のガイド溝42の上面及びこれらのガイド溝の主要部の下面は、所定の方向に平行に延在している。
【0054】
更に、左右の側壁部14Sには、それぞれ第一のガイド溝38及び第二のガイド溝42の上方に車両の横方向に見てL形をなす第一のリブ46及び第二のリブ48が設けられている。第一及び第二のリブ46及び48の下端部はそれぞれ第一のガイド溝38及び第二のガイド溝42の上面と同一の平面をなしており、後に詳細に説明するように、それぞれ第一及び第二の当接部46A及び48Aとして機能する。
【0055】
図3に示されているように、第二のブラケット18は、互いに平行に前後方向に延在する一対の側壁部18Sと、それらの側壁部の下縁部を一体に接続し横方向に延在する底壁部18Bとを有している。各側壁部18Sの前端部には、前方へ延在し上下方向へ弾性変形可能な第一の弾性アーム50が設けられている。各弾性アーム50は、先端に第一の押圧部52を有し、各押圧部52の端面は先端へ向かうにつれて高くなるよう僅かに凸状に湾曲して傾斜し、弾性アーム50の下縁に滑らかに接続されている。
【0056】
各側壁部18Sの後端部には、前方へ延在し上下方向へ弾性変形可能な第二の弾性アーム54が設けられている。各弾性アーム54は、先端に第二の押圧部56を有し、各押圧部56の端面は先端へ向かうにつれて高くなるよう僅かに凸状に湾曲して傾斜し、弾性アーム54の下縁よりも下方まで延在している。各側壁部18Sの中間部には、第一の弾性アーム50に近接した位置にカメラ係合突起58が設けられている。各カメラ係合突起58の先端部の厚さは他の部分に比して大きく、先端部の内面は前方側が後方側に比して厚さが小さくなるよう傾斜している。
【0057】
各第二の弾性アーム54の下方且つ前方の位置にて側壁部18Sの後端部には、前方へ延在し上下方向へ弾性変形可能な第三の弾性アーム60が設けられている。各弾性アーム60は、先端に逆止爪62を有し、各逆止爪62は弾性アーム60から上方へ突出している。
図7に示されているように、各逆止爪62は、弾性アーム60の延在方向に垂直に延在する逆止係合面62Aと、弾性アーム60の先端へ向かうにつれて低くなるよう傾斜した傾斜面62Bとを有している。各逆止爪62の外側の側面には、横方向へ突出する取り外し用の突起64が設けられており、突起64は後述のように第一のブラケット14から第二のブラケット18を取り外す際に使用される。
【0058】
各第一の弾性アーム50の根元部の外側の側面には、横方向へ突出する第一のガイド突起66が設けられており、各第二の弾性アーム54の根元部の外側の側面には、横方向へ突出する第二のガイド突起68が設けられている。第一のガイド突起66及び第二のガイド突起68の上面は、それぞれ第一の弾性アーム50及び第二の弾性アーム54の上面と同一の平面をなしている。後に説明するように、第一のガイド突起66及び第二のガイド突起68は、第二のブラケット18が第一のブラケット14に対し移動される際に、それぞれ第一のガイド溝38及び第二のガイド溝42に係合することにより第二のブラケット18を所定の方向に案内する。
【0059】
<車載カメラ16の取り付け>
取り付け構造10によるフロントガラス12に対する車載カメラ16の取り付けは、以下の手順にて行われる。
【0060】
〔1〕車載カメラ16の配置
まず、
図1及び
図8に示されているように、実質的にベース部14Aに沿って車載カメラ16が第一のブラケット14に対し前方へ移動され、車載カメラ16が第一のブラケット14に対し仮位置決めされる。この仮位置決めは、左右の第一の被押圧部30が対応する第一の支持部22上に載置され、左右の第二の被押圧部32が対応する第二の支持部24上に載置されることにより行われる。この場合、第一及び第二の支持部は、それぞれ対応する第一及び第二の被押圧部の下方に位置するので、車載カメラ16を支持する作業者の手の力が解除されても、車載カメラ16は落下せず、車載カメラの重量は第一及び第二の支持部により担持される。
【0061】
図8及び
図9に示されているように、第一及び第二の被押圧部30及び32の横方向に見た形状は、後方且つ上側の角部が面取りされた矩形であって、各角部が丸みを帯びた形状をなしている。第二の被押圧部32の高さ及び面取りの大きさは、第一の被押圧部30の高さ及び面取りの大きさよりも大きい。特に、図示の実施形態においては、
図12乃至
図16に示されているように、第一の被押圧部30の面取りの斜面30Aは、横方向に見て凸状に湾曲しているが、第二の被押圧部32の面取りの斜面32Aは、横方向に見て凹状に湾曲している
【0062】
また、第一の被押圧部30の前面と第二の被押圧部32の前面との間の距離は、第一の支持部22の直立部22Uの後面と第二の支持部24の直立部24Uの後面との間の距離よりも小さく設定されている。よって、第二の被押圧部32は、第二の支持部24の底壁部24B及び直立部24Uに当接する。これに対し、第一の被押圧部30は、第一の支持部22の底壁部22Bに当接するが、第一の支持部22の直立部24Uには当接しない。
【0063】
〔2〕第二のブラケット18の取り付け
次に、
図1、
図10及び
図11に示されているように、第一のブラケット14及び車載カメラ16に対し第二のブラケット18が下方から上方へ移動される。そして、左右の第一のガイド突起66が対応するガイド受け入れ窪み40内に位置決めされ、左右の第二のガイド突起68が対応するガイド溝42の後端の開口部の後方に位置決めされる。この位置決めの際に第一のブラケット14が第二のブラケット18によってフロントガラス12に対し押圧されることはない。次いで、第二のブラケット18が前方へ移動される。この場合、各第一のガイド突起66が第一のガイド溝38に沿って移動し、第二のガイド突起68が第二のガイド溝42に沿って移動することにより、第二のブラケット18は
図1、
図10及び
図11において矢印Dにて示された所定の方向に移動する。
【0064】
この所定の方向の移動の初期段階においては、
図12に示されているように、各第一の押圧部52は対応する第一の被押圧部30に部分的に乗り上げた状態になり、各第一の弾性アーム50は上方へ弾性的に湾曲変形する。よって、
図13に示されているように、各第一の被押圧部30は、第一の押圧部52により、所定の方向の成分F1h及びこれに垂直で下向きの成分F1vを有する押圧力F1にて第一の支持部22に対し押圧される。これに対し、各第二の押圧部56は、第二の被押圧部32から隔置された状態に維持され、これにより第二の押圧部は第二の被押圧部を押圧しない。
【0065】
また、所定の方向の移動の初期段階においては、各逆止爪62の上端が対応する第二の支持部24の底壁部24Bの下面に係合し、これにより各第三の弾性アーム60は下方へ弾性的に湾曲変形する。更に、左右の第一の弾性アーム50の上面が、対応する第一のリブ46の先端の第一の当接部46Aに当接し、左右の第二の弾性アーム54の上面が、対応する第二のリブ48の先端の第二の当接部48Aに当接する。
【0066】
所定の方向の移動の中間段階においては、
図14に示されているように、各第一の押圧部52は対応する第一の被押圧部30に一層乗り上げた状態になり、各第二の押圧部56も第二の被押圧部32を第二の支持部24に対し押圧するようになる。よって、各第二の弾性アーム52も上方へ弾性的に湾曲変形する。
図15に示されているように、各第二の被押圧部32は、第二の押圧部56により、所定の方向の成分F2h及びこれに垂直で下向きの成分F2vを有する押圧力F2にて第二の支持部24に対し押圧される。また、各逆止爪62の上端が対応する第二の支持部24の底壁部24Bの下面の前端近傍まで移動するが、各第三の弾性アーム60は下方へ弾性的に湾曲変形した状態を維持する。
【0067】
所定の方向の移動の最終段階においては、
図16に示されているように、各第一の押圧部52は対応する第一の被押圧部30に更に一層乗り上げた状態になり、各第二の押圧部56は第二の被押圧部32を更に強く第二の支持部24に対し押圧するようになる。また、各逆止爪62の上端が対応する第二の支持部24の底壁部24Bの下面の前端を越えることにより、各逆止爪62の逆止係合面62Aが第二の支持部24の直立部24Uの前面に逆止係合し、各第三の弾性アーム60の弾性変形が解除される。この最終段階においては、各第二の被押圧部32は、対応する第二の支持部24の底壁部24B及び直立部24Uと第二の押圧部56との間に挟止される。
図16に示された第一のブラケット14に対する第二のブラケット18の位置が、「予め設定された位置」である。
【0068】
第二のブラケット18が予め設定された位置に位置決めされると、左右の第一の被押圧部30及び第二の被押圧部32がそれぞれ第一の押圧部52及び第二の押圧部56により第一の支持部22及び第二の支持部24に対し所定の位置に位置決めされ保持される。これにより、車載カメラ16が第一のブラケット14に対し所定の取り付け位置に位置決めされ保持される。この場合、各第二の支持部24の直立部24U及び逆止爪62は、それぞれ第一及び第二の逆止係合部として機能し、互いに共働して、第二のブラケット18が所定の方向とは逆の方向へ第一のブラケット14に対し変位することを阻止する。
【0069】
第二のブラケット18が予め設定された位置に位置決めされている状況においても、第一の押圧部52及び第二の押圧部56は、それぞれ押圧力F1及びF2にて第一の支持部22及び第二の支持部24に対し第一の被押圧部30及び第二の被押圧部32を押圧する。押圧力F1の所定の方向の成分F1h及び押圧力F2の所定の方向の成分F2hの反力(それらの反力の和を「反力Fr12h」という)は、それぞれ第一の被押圧部30及び第二の被押圧部32から第一の押圧部52及び第二の押圧部56に対し所定の方向とは逆の方向へ作用する。成分F1hの反力及び成分F2hの反力の和を「反力Fr12h」とすると、反力Fr12hの主要部は、各逆止爪62から第二の支持部24の直立部24Uへ伝達される。反力Fr12hの残りの部分は、各第一の弾性アーム50の上面と第一の当接部46Aとの間の摩擦力及び各第二の弾性アーム54の上面と第二の当接部48Aとの間の摩擦力として、それぞれ対応する第一のリブ46及び第二のリブ48へ伝達される。
【0070】
また、押圧力F1の所定の方向に垂直な成分F1v及び押圧力F2の所定の方向に垂直な成分F2vの反力(それらの反力の和を「反力Fr12v」という)は、それぞれ第一の被押圧部30及び第二の被押圧部32から第一の押圧部52及び第二の押圧部56に対し所定の方向に垂直に上方へ作用する。成分F1vの反力及び成分F2vの反力の和を「反力Fr12v」とすると、反力Fr12vの一部Fr12v1は、各第一の弾性アーム50の根元部から第一の当接部46Aへ伝達される。反力Fr12vの残りの部分Fr12v2は、各第二の弾性アーム54の根元部から第二の当接部48Aへ伝達される。
【0071】
よって、第一の弾性アーム50の根元部、第二の弾性アーム54の根元部及び逆止爪62は、第一の反力伝達部として機能し、第一の押圧部52、第二の押圧部56及び第二の支持部24の直立部24Uは、第二の反力伝達部として機能する。即ち、第一及び第二の押圧部52及び56がそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧することにより発生する反力は、第二の反力伝達部から第一の反力伝達部へ伝達され、これにより第二のブラケット18から第一のブラケット14へ伝達される。
【0072】
また、第二のブラケット18が予め設定された位置に位置決めされると、
図17において仮想線にて示されているように、左右のカメラ係合突起58が車載カメラ16の対応する側面28に係合する。なお、第二のブラケット18の側壁部18Sは他の部位にて第一のブラケット14の側壁部14Sに当接する。これにより、車載カメラ16は第二のブラケット18により車両の横方向にも第一のブラケット14に対し所定の位置に位置決めされる。また、第一のブラケット14及び第二のブラケット18は、左右両方の側壁部14S及び18S以外の部位においても互いに係合し、これにより車載カメラ16が車両の横方向へ第一のブラケット14及び第二のブラケット18に対し相対的に移動することが効果的に阻止される。
【0073】
〔3〕カバー80の取り付け
第二のブラケット18が予め設定された位置に位置決めされると、
図18に示されているように、カバー80が第一のブラケット14などに対し下方から上方へ移動された後、後方へ移動される。そしてカバー80の二つの後端部に設けられた図には示されていない係合部が、第一のブラケット14の取り付け部14Cに係合せしめられる。更に、カバー80の前端部に設けられた図には示されていない係合部が、第一のブラケット14の前端部に設けられた取り付け部14Fに係合せしめられる。これによりカバー80が、車載カメラ16及び第二のブラケット18を覆うように、第一のブラケット14に取り付けられる。なお、
図18において、82は湿度センサ又は雨滴センサを示しており、図示の実施形態においては、これらのセンサもカバー80により覆われる。
【0074】
〔4〕保守又は交換
車載カメラ16の保守又は交換を行う場合、又は第二のブラケット18が発生する押圧力の低下などにより第二のブラケット18を交換する場合には、カバー80及び第二のブラケット18が取り外される。
【0075】
まず、カバー80の前端部に設けられた係合部が、第一のブラケット14の前端部に設けられた取り付け部14Fから取り外され、カバー80の前方部分が下方へ引き下ろされる。更に、カバー80の二つの後端部に設けられた係合部が、第一のブラケット14の取り付け部14Cから取り外されることにより、カバー80が取り外される。
【0076】
次に、第二のブラケット18の左右の逆止爪62の外側の側面に設けられた取り外し用の突起64が、同時に下方へ押し下げられることにより、各逆止爪62の逆止係合面62Aと第二の支持部24の直立部24Uの前面との逆止係合が解除される。逆止係合が解除されると、第一の押圧部52及び第二の押圧部56がそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧することによる反力により、第二のブラケット18が所定の方向とは逆の方向へ第一のブラケット14及び車載カメラ16に対し移動される。よって、第二のブラケット18が第一のブラケット14から取り外される。
【0077】
なお、第二のブラケット18が発生する押圧力の低下などが生じている場合には、第二のブラケット18が交換される。また、車載カメラ16の保守又は交換を行う場合には、車載カメラ16が所定の方向とは逆の方向へ第一のブラケット14に対し移動され、第一のブラケット14から取り外される。そして、新しい車載カメラ16が上述の要領にて第一のブラケット14及び第二のブラケット18により取り付けられる。
【0078】
<取り付け構造10の主な利点>
以上の説明から解るように、実施形態にかかる取り付け構造10によれば、下記の利点が達成される。
【0079】
(1)車載カメラ16の位置決め及び保持
第一のブラケット14とこれに組み付けられる第二のブラケット18との共働により、車載カメラ16を第一のブラケット14に対し所定の位置に正確に位置決めし、車載カメラを所定の位置に良好に保持することができる。
【0080】
(2)車載カメラ16などの保守又は交換
第一のブラケット14にはばね機構が設けられておらず、車載カメラ16を位置決めし保持するための押圧力は、第二のブラケット18の弾性変形により発生される。よって、押圧力の低下に対処する保守、押圧力の変更を要する車載カメラの交換などが必要になっても、第二のブラケット18のみを交換すればよく、第一のブラケット14及びフロントガラス12の交換は不要である。従って、押圧力に関する保守及び/又は車載カメラの交換を容易に且つ能率よく且つ低廉に行うことができる。
【0081】
(3)第二のブラケット18を組み付ける際の応力
第一のブラケット14に第二のブラケット18を組み付ける際に、第一及び第二の押圧部52及び56がそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を第一及び第二の支持部22及び24に対し押圧する。しかし、それらの押圧力の所定の方向に垂直な成分は、フロントガラス12から離れる下向きであり、上向きの成分を含む力がフロントガラス12に作用することはない。従って、予め第一のブラケット14が固定されたフロントガラス12が車体に接着された後に車載カメラ16の取り付けが行われる場合にも、第二のブラケット18の組み付けに起因してフロントガラス12が車体から剥がれることはない。
【0082】
(4)一対の第一及び第二の押圧部52及び56など
第一及び第二の支持部22及び24、第一及び第二の被押圧部30及び32及び第一及び第二の押圧部52及び56は、それぞれ車両の横方向に隔置されるよう、一対ずつ設けられている。従って、これらが一つずつしか設けられていない場合に比して、車載カメラ16を第一のブラケット14に対し所定の位置に正確に位置決めし、車載カメラを所定の位置に良好に保持することができる。
【0083】
(5)第二のブラケット18の一部の弾性変形による押圧力の発生
第一及び第二の押圧部52及び56がそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧する押圧力は、第一及び第二の弾性アーム50及び54の弾性変形により発生される。よって、第二のブラケット18に固定されたばね部材により押圧力が発生される構造の場合に比して、部品点数を低減し、コストを低減することができる。
【0084】
(6)車載カメラ16の支持及び重量の担持
第一のブラケット14に第二のブラケット18を組み付ける際も組み付け完了後も、車載カメラ16は左右の第一及び第二の支持部22及び24により支持され、車載カメラ16の重量も第一及び第二の支持部22及び24により担持される。よって、作業者は第二のブラケット18を組み付ける際に車載カメラ16を保持する必要がなく、作業を能率よく実施することができる。また、第二のブラケット18は車載カメラ16の重量を担持する必要がないので、第二のブラケット18に要求される強度及び剛性を緩和することができる。
【0085】
(7)第一のブラケット14及び第二のブラケット18の横方向の関係
図17に示されているように、第二のブラケット18が予め設定された位置にあるときには、第二のブラケット18の各側壁部18Sは、第一のブラケット14の一対の側壁部14Sの内側にて車載カメラ16と側壁部14Sとの間に位置する。そして、一対のカメラ係合突起58によってそれらの間に車載カメラ16を挾圧することにより、車載カメラ16を横方向に拘束する。よって、第二のブラケット18の各側壁部18Sが、第一のブラケット14の一対の側壁部14Sの外側に位置し、側壁部14Sを介して車載カメラ16を挾圧する構造の場合に比して、第二のブラケット18に要求される強度及び剛性を緩和することができる。
【0086】
(8)第二の支持部24及び第一の逆止係合部の関係
第二の支持部24の直立部24Uは、第二のブラケット18が予め設定された位置に位置決めされると、逆止爪62が第二の支持部24の直立部24Uに係合することにより、第二のブラケット18が所定の方向とは逆の方向へ第一のブラケット14に対し変位することが阻止される。よって、第二の支持部24は、支持部としての機能に加えて第一の逆止係合部として機能するので、第一の逆止係合部が支持部とは別の部位に設けられる場合に比して、第一のブラケット14の構造を簡略化することができる。また、第二の押圧部56の押圧により発生される所定の方向とは逆方向の反力を第一のブラケット14へ効率的に伝達させることができる。
【0087】
(9)その他
実施形態の構造によれば、上述の利点に加えて、上記〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕の欄において説明した種々の利点を達成することができる。
【0088】
[第一の変形例]
図19は、本発明による車載カメラの取り付け構造の第一の変形例にかかる第二のブラケットとしての右側のサブブラケット18Rを斜め前方且つ上方から見た状態にて示す斜視図である。
【0089】
第一の変形例においては、第二のブラケットは、上述の実施形態の第二のブラケット18における一対の側壁部18Sに対応する二つのサブブラケットよりなっている。
図19に示されているように、右側のサブブラケット18Rは、実施形態の右側の側壁部18Sの部分と同様に構成されている。また、
図19には図示されていない左側のサブブラケット(18L)は、実施形態の左側の側壁部18Sの部分と同様に構成されている。
【0090】
車載カメラ16の取り付けに際しては、まず、実施形態の場合と同様に車載カメラ16の配置が行われる。次いで、実施形態の第二のブラケット18の取り付けの場合と同様にサブブラケット18R及び18Lが同時に又は時間的に前後して第一のブラケット14に組み付けられる。
【0091】
また、車載カメラ16の保守などに際しては、左右の逆止爪62の外側の側面に設けられた取り外し用の突起64が、同時に又は時間的に前後して下方へ押し下げられることにより、各逆止爪62と第二の支持部24の直立部24Uの前面との逆止係合が解除される。そして、サブブラケット18R及び18Lが同時に又は時間的に前後して第一のブラケット14から取り外される。
【0092】
第一の変形例によれば、上述の実施形態と同様の利点が得られることに加えて、上述の実施形態の底壁部18Bは不要であるので、上述の実施形態の場合に比してコストを低減し、軽量化を図ることができる。
【0093】
[第二の変形例]
図20は、本発明による車載カメラの取り付け構造の第二の変形例にかかる第二のブラケット18を斜め前方且つ上方から見た状態にて示す斜視図である。
【0094】
第二の変形例においては、上述の実施形態の第二のブラケット18における一対の側壁部18Sの後端部が、底壁部18Bではなく背壁部18Cにより一体に接続された形態をなしている。第二の変形例の他の点は、上述の実施形態と同一である。
【0095】
車載カメラ16の取り付けに際しては、実施形態の第二のブラケット18の取り付けの場合と同様に第二のブラケット18が第一のブラケット14に組み付けられる。また、車載カメラ16の保守などに際しては、実施形態の場合と同一の要領にて、各逆止爪62と第二の支持部24前面との逆止係合が解除された後、第二のブラケット18が第一のブラケット14から取り外される。
【0096】
また、この第二の変形例においては、
図21に示されているように、まず、第二のブラケット18が落下しないよう第一のブラケット14に仮止めされてよい。そして、車載カメラ16が下方から第二のブラケット18の内側にて所定の位置に配置され、その後第二のブラケット18が所定の方向へ移動されてもよい。
【0097】
第二の変形例によれば、上述の実施形態と同様の利点が得られることに加えて、車載カメラ16の厚さや下面の形状の制約が小さいので、第一のブラケット14から第二のブラケット18を取り外すことなく、車載カメラ16の保守、交換などを行うことができる。
【0098】
[第三の変形例]
図22は、本発明による車載カメラの取り付け構造の第三の変形例にかかる第一のブラケット14を斜め前方且つ下方から見た状態にて示す斜視図である。
【0099】
第三の変形例においては、第一のブラケット14のベース部14Aには、各アーム部14B及び左右の側辺部14Eと一体をなすセンサ取り付け部14Gが設けられている。センサ取り付け部14Gは、ベース部14Aに形成された打ち抜き部84と、打ち抜き部84の周りにてベース部14Aと一体に形成された四つのフック86とを有している。
図22には示されていないが、センサ取り付け部14Gには、湿度センサ又は雨滴センサなどのセンサが部分的に打ち抜き部84にはめ込まれた状態にてフック86により取り付けられる。
【0100】
第三の変形例によれば、センサがアーム部14B及び側辺部14Eに取り付けられる場合に比して、第一のブラケット14のベース部14Aにセンサの取り付け精度を向上させることができる。
【0101】
なお、第三の変形例においては、第二のブラケット18は、第一のブラケット14の構造が異なることによる制約を受けないので、上述の実施形態、第一の変形例又は第二の変形例の何れであってもよい。
【0102】
[第四の変形例]
図23は、本発明による車載カメラの取り付け構造の第四の変形例において、カバー80が車載カメラ16及び第二のブラケット18を覆うように第一のブラケット14に取り付けられる要領を示す斜視図である。
【0103】
第四の変形例においては、上述の実施形態における湿度センサ又は雨滴センサ82に対応するセンサは第一のブラケット14に取り付けられない。よって、第一のブラケット14は上述の実施形態におけるアーム部14Bに対応する部分を有しておらず、カバー80も湿度センサ又は雨滴センサ82を収容する部分を有していない。
【0104】
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0105】
例えば、上述の実施形態においては、第一及び第二の押圧部52及び56がそれぞれ、第一及び第二の支持部22及び24に対し第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧するようになっている。しかし、第一の押圧部52による第一の支持部22に対する第一の被押圧部30の押圧が省略されてもよい。その場合には、カメラ16が第二の被押圧部32以外の部位にて第二のブラケット18により第一のブラケット14に対し所定の位置に位置決めされることが好ましい。
【0106】
また、上述の実施形態においては、第一及び第二の押圧部52及び56がフロントガラス12を横切る方向にそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧することにより発生する反力は、主として第一及び第二のアーム部50及び54から第一及び第二の当接部46A、48Aへ伝達されるようになっている。しかし、この反力の少なくとも一部が、逆止爪62から第二の支持部24へ伝達されるよう修正されてもよい。
【0107】
また、上述の実施形態においては、第一及び第二の押圧部52及び56がそれぞれ第一及び第二の被押圧部30及び32を押圧する押圧力は、第一及び第二の弾性アーム50及び54の弾性変形により発生されるようになっている。しかし、押圧力は、第二のブラケット18に固定されたばね部材により発生されるよう修正されてよい。
【0108】
また、上述の実施形態においては、第一及び第二の支持部22及び24、第一及び第二の被押圧部30及び32及び第一及び第二の押圧部52及び56は、それぞれ車両の横方向に隔置されるよう、一対ずつ設けられている。しかし、支持部、被押圧部及び押圧部の夫々の全体の数は3、2又は1であってもよい。
【0109】
また、上述の実施形態においては、第一の逆止係合部である第二の支持部24の直立部24Uは、所定の方向について見て、第一の支持部22と第二の支持部24との間に位置している。しかし、第一の支持部22及び第二の支持部24の一方が第一の支持部22及び第二の支持部24の他方と第一の逆止係合部との間に位置していてもよい。
【0110】
また、上述の実施形態においては、車載カメラ16が左右の第一及び第二の支持部22及び24上に仮置きされる段階においても、一対の第一の被押圧部30は対応する第一の支持部22に当接するようになっている。しかし、車載カメラ16が仮置きされる段階においては、一対の第一の被押圧部30の一方が対応する第一の支持部22に当接せずに浮き上がった状態にあってもよい。その場合には、実施形態の場合に比して、第一及び第二の支持部22及び24、第一及び第二の被押圧部30及び32の位置について要求される精度を緩和することができる。
【0111】
また、上述の実施形態においては、所定の方向は車両の前方向に整合し且つ実質的にフロントガラス12に沿う方向であるが、所定の方向は車両の前方向に整合する方向以外の方向であってもよい。
【0112】
また、上述の実施形態においては、第二のブラケット18が予め設定された位置にあるときには、第二のブラケット18の各側壁部18Sは、第一のブラケット14の一対の側壁部14Sの内側にて車載カメラ16と側壁部14Sとの間に位置する。しかし、第二のブラケット18の各側壁部18Sが、第一のブラケット14の一対の側壁部14Sの外側に位置するよう修正されてもよい。
【0113】
また、上述の実施形態においては、第一及び第二の被押圧部30及び32は車載カメラ16のハウジング25に形成されている。しかし、車載カメラ16がカメラ本体とこれを着脱自在に収容するケーシングとにより形成され、被押圧部がカメラ本体に設けられるのではなく、ケーシングに設けられてもよい。
【0114】
更に、上述の実施形態においては、第一及び第二の支持部22及び24は、それぞれ車載カメラ16の第一及び第二の被押圧部30及び32の下方に位置するようになっている。しかし、第一及び第二の支持部22及び24は、それぞれ車載カメラ16の第一及び第二の被押圧部30及び32の上方に位置するよう修正されてもよい。