特許第6052291号(P6052291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052291
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20161219BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20161219BHJP
   H01J 37/30 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
   H01L21/68 N
   H01J37/30 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-537877(P2014-537877)
(86)(22)【出願日】2012年9月26日
(86)【国際出願番号】JP2012074626
(87)【国際公開番号】WO2014049696
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2014年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】寺島 知秀
(72)【発明者】
【氏名】吉浦 康博
(72)【発明者】
【氏名】大月 詠子
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−101574(JP,U)
【文献】 実開昭59−158100(JP,U)
【文献】 特開平08−220300(JP,A)
【文献】 特表2000−513103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01J 37/30
H01L 21/683
G21K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被処理物を、第1トレイの上と、前記第1トレイと接する第2トレイの上に並べる工程と、
前記第1トレイと前記第2トレイが接する接触位置の直上に形成された照射装置から照射物を放出しつつ、前記照射装置を前記接触位置を横断する方向である第1の方向に沿ってスイングさせ、前記第1トレイと前記第2トレイを前記第1の方向と垂直をなす第2の方向に移動させることで前記複数の被処理物に前記照射物を照射することを複数回繰り返す複数の照射工程と、
前記複数の照射工程の間に少なくとも1回実施される、前記第1トレイと前記第2トレイの前記第2の方向に向かう向きを変更せずに前記第1トレイと前記第2トレイの位置を入れ替える入替工程と、を備え
前記複数の被処理物は、前記複数の照射工程を始める前と前記複数の照射工程を終えた後で同じ構造を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記複数の被処理物は、前記第1トレイに前記第2の方向と平行に複数の列を形成するように並べられるとともに、前記第2トレイに前記第2の方向と平行に複数の列を形成するように並べられ、
前記複数の照射工程の間に、前記第1トレイと前記第2トレイの少なくとも一方を、前記第2の方向と反対方向を向くように反転させる反転工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数の被処理物は、前記第1トレイに前記第2の方向と平行に複数の列を形成するように並べられるとともに、前記第2トレイに前記第2の方向と平行に複数の列を形成するように並べられ、
前記第1トレイは、それぞれ1列の被処理物が並べられている複数の第1細長トレイに分割できるように構成され、
前記第2トレイは、それぞれ1列の被処理物が並べられている複数の第2細長トレイに分割できるように構成され、
前記複数の照射工程の間に、前記入替工程を複数回実施し、前記複数の被処理物の全てが前記複数の列の全てで前記照射工程を受けることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
複数の被処理物をトレイの上にのせる工程と、
前記トレイの直上に形成された照射装置から照射物を放出しつつ前記照射装置を第1の方向に沿ってスイングさせ、前記トレイを前記第1の方向と垂直をなす第2の方向に移動させることで前記複数の被処理物に前記照射物を照射することを複数回繰り返す複数の照射工程と、
前記複数の照射工程の間に、前記複数の被処理物のそれぞれを前記第2の方向と反対方向を向くように反転させる被処理物反転工程を、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
第1トレイと、
前記第1トレイと接する第2トレイと、
前記第1トレイと前記第2トレイが接する接触位置の直上に形成され、照射物を放出しつつ前記接触位置を横断する方向である第1の方向に沿ってスイングする照射装置と、
前第1トレイと前記第2トレイを前記第1の方向と垂直をなす第2の方向へ送るコンベアと、を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物に電子又はイオンを照射する工程を備えた半導体装置の製造方法とその製造方法に用いる半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被処理物の幅方向に沿って連続的又は断続的に電子線を照射する技術が開示されている。そして、電子線の焦点を、電子線が被処理物正面に垂直に入射する場合における被処理物表面よりも遠くに位置させて照射する。これにより、被処理物の幅方向中央部における電子線の強度が弱くなり、かつ被処理物の幅方向両端部における電子線の強度が強くなるので、被処理物幅方向に均一に電子線が照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開平5−128992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照射物を放出する照射装置を繰り返しスイングさせ、この照射装置の下方でこのスイングの方向と垂直方向に複数の被処理物を送り、複数の被処理物に照射物を照射することがある。処理効率を高めるために被処理物は送り方向に複数列に並べて配置する。
【0005】
このとき、照射装置の直下近傍の被処理物と照射装置の直下から離れた被処理物とでは、照射装置からの距離が異なるので入射する照射物の加速エネルギが異なる。また、これらの被処理物の間では照射物の入射角も異なる。従って、照射装置に対する被処理物の相対的な位置によって照射効果にばらつきが生じ、これが最終的な被処理物の特性をばらつかせる問題があった。
【0006】
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、複数の被処理物の照射効果のばらつきを抑制できる半導体装置の製造方法と半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明にかかる半導体装置の製造方法は、複数の被処理物を、第1トレイの上と、該第1トレイと接する第2トレイの上に並べる工程と、該第1トレイと該第2トレイが接する接触位置の直上に形成された照射装置から照射物を放出しつつ、該照射装置を該接触位置を横断する方向である第1の方向に沿ってスイングさせ、該第1トレイと該第2トレイを該第1の方向と垂直をなす第2の方向に移動させることで該複数の被処理物に該照射物を照射することを複数回繰り返す複数の照射工程と、該複数の照射工程の間に少なくとも1回実施される、該第1トレイと該第2トレイの該第2の方向に向かう向きを変更せずに該第1トレイと該第2トレイの位置を入れ替える入替工程と、を備え、該複数の被処理物は、該複数の照射工程を始める前と該複数の照射工程を終えた後で同じ構造を有する

【0008】
本願の発明にかかる他の半導体装置の製造方法は、複数の被処理物をトレイの上にのせる工程と、該トレイの直上に形成された照射装置から照射物を放出しつつ該照射装置を第1の方向に沿ってスイングさせ、該トレイを該第1の方向と垂直をなす第2の方向に移動させることで該複数の被処理物に該照射物を照射することを複数回繰り返す複数の照射工程と、該複数の照射工程の間に、該複数の被処理物のそれぞれを該第2の方向と反対方向を向くように反転させる被処理物反転工程を、を備える。
【0009】
本願の発明にかかる半導体製造装置は、第1トレイと、該第1トレイと接する第2トレイと、該第1トレイと該第2トレイが接する接触位置の直上に形成され、照射物を放出しつつ該接触位置を横断する方向である第1の方向に沿ってスイングする照射装置と、前第1トレイと該第2トレイを該第1の方向と垂直をなす第2の方向へ送るコンベアと、を備える。
【0010】
本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、複数の照射工程の間に被照射物の位置又は方向を変える工程を備えることにより、複数の被照射物の照射効果のばらつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置の概念図である。
図2】トレイと照射装置との相対位置を示す斜視図である。
図3】被処理物の位置による照射効果の違いを示す断面図である。
図4】複数の被処理物をトレイ上に並べたことを示す平面図である。
図5】被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図6】入替工程を実施した後の被処理物の平面図である。
図7】入替工程実施後に被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る第1照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図9】第2照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図10】反転工程実施後のトレイの位置を示す平面図である。
図11】第3照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図12】第4照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図13】本発明の実施の形態3に係るトレイ等の斜視図である。
図14】第1細長トレイと第2細長トレイの組み合わせを示す平面図である。
図15】本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法において、照射工程を実施して、複数の被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
図16】被処理物反転工程実施後に照射工程を実施して、複数の被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と半導体製造装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置の概念図である。この半導体製造装置は照射装置10を備えている。照射装置10は、照射室12の内部の被処理物へ、電子又はイオン(以後、電子又はイオンを照射物と称する)を照射するものである。照射室12にはコンベア14が収容されている。コンベア14の上にはトレイ台16を介してトレイ18が乗せられている。トレイ18は被処理物をのせるために用いられる。照射室12には開閉扉30が取り付けられ、被処理物の出し入れが可能となっている。
【0015】
図2は、トレイと照射装置との相対位置を示す斜視図である。トレイ18は、それぞれ細長い形状で形成された第1トレイ40と第2トレイ42を備えている。そして、第1トレイ40と第2トレイ42の長辺同士が接している。第1トレイ40と第2トレイ42が接する位置を接触位置と称する。また、第1トレイ40と第2トレイ42は同じ形状で形成され容易に位置を入れ替えることができる。
【0016】
照射装置10は接触位置の直上に形成されている。照射装置10は、照射物を放出しつつ、接触位置を横断する方向である第1の方向(x方向)に沿ってスイングするように形成されている。具体的には、照射装置10は、第1の方向と第1の方向と反対方向にそれぞれ角度θだけスイングできる。
【0017】
トレイ18には複数の被処理物が並べられている。複数の被処理物は、第1の方向(x方向)と垂直をなす第2の方向(y方向)に沿って4列に並べられている。詳細には、複数の被処理物は、第1トレイ40上に第2の方向と平行に2つの列を形成するように並べられるとともに、第2トレイ42上に第2の方向と平行に2つの列を形成するように並べられている。
【0018】
4列に並べられた被処理物は、1列ごとに分けられた第1群20、第2群22、第3群24、第4群26で構成されている。第1トレイ40には第1群20と第2群22の2列の被処理物が並べられている。第2トレイ42には第3群24と第4群26の2列の被処理物が並べられている。被処理物はSi又は化合物半導体で形成されたウエハである。そして複数の被処理物は、前述のコンベア14により第1トレイ40と第2トレイ42を第2の方向(y方向)へ送ることにより、第2の方向へ移動するようになっている。
【0019】
図3は、被処理物の位置による照射効果の違いを示す断面図である。この図は、照射装置10の直下近傍のウエハW1と非直下のウエハW2に対し、照射物を照射した場合の照射効果の違いを示している。照射効果とは、照射物の照射により被処理物の特性を変える効果のことをいう。照射効果は、照射物の到達深さ、照射物の分布、及び照射物の濃度などによって変化する。
【0020】
照射効果の差を分かりやすくするためにウエハW1、W2にパターニングされたレジスト50を形成している。照射装置10と被処理物(W1、W2)の距離をLとする。照射装置10がウエハW1に照射物を照射する場合には、照射角をΔθとすると、照射長さはLΔθとなる。一方、照射装置10を角度θだけスイングさせてウエハW2に照射物を照射する場合には、照射長さはLΔθ/(cosθ)となる。
【0021】
従って、角度θが大きいほど照射長さが長くなるので、角度θが大きいほど単位面積当たりに入射する照射物の量が減る。また、角度θが大きいほど照射装置10と被処理物の距離が長くなるので、角度θが大きいほど被処理物へ入射する照射物の加速エネルギが減る。ここで、スイング速度を1/(cosθ)に反比例させることで角度θの増減によらず単位面積当たりの照射量を一定に保つことができる。しかしながらこの場合でも、角度θが大きいほど照射物が被処理物表面に対し斜めに浅く照射されることは回避できない。
【0022】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明する。まず、複数の被処理物をトレイの上に並べる。図4は、複数の被処理物をトレイ上に並べたことを示す平面図である。直線L1は接触位置に沿って引かれた線である。距離aは接触位置から、第1群20と第2群22の間(又は第3群24と第4群26の間)の位置までの距離である。距離rは被処理物の半径である。
【0023】
第1群20を、L1から第1の方向にa+rだけ離れた位置に並べる。第2群22を、L1から第1の方向にa−rだけ離れた位置に並べる。第3群24を、L1から第1の位置と反対方向に−a+rだけ離れた位置に並べる。第4群26を、L1から第1の位置と反対方向に−a−rだけ離れた位置に並べる。このように、複数の被処理物を第1トレイ40上と第2トレイ42上に並べる。
【0024】
次いで、照射工程を実施する。図5は、被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。照射工程では、接触位置の直上に形成された照射装置10から照射物を放出しつつ、照射装置10を接触位置を横断する方向である第1の方向に沿ってスイングさせる。また、第1トレイ40と第2トレイ42を第2の方向に移動させる。第1トレイ40と第2トレイ42の移動は連続的又は間欠的に行う。このように複数の被処理物に照射物を照射する。
【0025】
前述の照射工程は複数回実施する。その後、入替工程を実施する。図6は、入替工程を実施した後の被処理物の平面図である。入替工程では、第1トレイ40と第2トレイ42の第2の方向に向かう向きを変更せずに第1トレイ40と第2トレイ42の位置を入れ替える。
【0026】
次いで、再度照射工程を実施する。図7は、入替工程実施後に被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。入替工程実施前の照射工程の実施回数と、入替工程実施後の照射工程の実施回数を等しくすることが好ましい。
【0027】
ここで、被処理物に対して所望の照射量を与えるために100回の照射工程を要するとする。トレイ上における被処理物の位置を固定したまま100回の照射工程を実施したとすると、被処理物が第1の方向にどれだけずれているかに依存して照射効果が変わる。より具体的には、被処理物が属する群毎に照射効果がばらついてしまう。
【0028】
ところが、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法では、複数の照射工程の間に入替工程を実施する。例えば50回照射工程を実施した後に入替工程を実施し、再度残りの50回の照射工程を実施する。入替工程の実施により、被処理物は接触位置を越えて移動する。例えば、第1群20の被処理物は、入替工程前の照射工程では第1の方向に向かう照射物の照射を受け、入替工程後の照射工程では第1の方向と反対方向に向かう照射物の照射を受ける。よってどの被処理物も、第1の方向に向かう照射物の照射と第1の方向と反対方向に向かう照射物の照射を受けるので、第1の方向に沿った照射量のばらつきを抑制できる。その結果、照射効果のばらつきを抑制できる。
【0029】
さらに本発明の実施の形態1では、照射工程の全てを、被処理物のオリエンテーションフラットが第2の方向を向いた状態で実施した。従って、オリエンテーションフラットに垂直な方向に対しほぼ左右対称な照射物分布とすることができる。これにより照射物がチップの特性に及ぼす影響の均一性を確保することができる。特に、パワーデバイスではオリエンテーションフラットに垂直な方向に対しほぼ左右対称なパターンを形成することが多いので、照射工程の全てを被処理物のオリエンテーションフラットが第2の方向を向いた状態で実施すると照射効果のばらつきを抑制する効果を高めることができる。
【0030】
ところで、接触位置を第1の方向の座標原点(x=0)とすると、被処理物の照射効果はxの関数f(x)で表すことができる。照射回数(照射工程の回数)をNとすると各群の照射効果は以下のようになる。
入替工程がない場合の照射効果は、
第1群20:N・f(a+r)、
第2群22:N・f(a−r)、
第3群24:N・f(−a+r)、
第4群26:N・f(−a−r)、である。
【0031】
他方、入替工程を実施した場合の照射効果は、
第1群20:N/2・{f(a+r) + f(−a+r)}
第2群22:N/2・{f(a−r) + f(−a−r)}
第3群24:N/2・{f(−a+r) + f(a+r)}
第4群26:N/2・{f(−a−r) + f(a−r)}である。なお、距離a、rは図4にて定義したとおりである。
【0032】
入替工程を実施した場合、第1群20と第3群24の照射効果は同じであり、第2群22と第4群26の照射効果は同じである。つまり入替工程を実施するとトレイ間の照射効果の差を無くすことができ、しかも上記のとおり略左右対称な照射物分布となるので、結果としてかなりの照射効果のばらつき抑制ができる。
【0033】
f(x)≠f(−x)を仮定すると入替工程がない場合は複数の被処理物に対し4通りの照射効果が生じるが、入替工程がある場合は2通りの照射効果に低減できる。f(x)=f(−x)を仮定すると入替工程がない場合は複数の被処理物に対し2通りの照射効果が生じるが、入替工程がある場合は1通りの照射効果に低減できる。
【0034】
本発明の実施の形態1では被処理物をウエハとしたが、被処理物はダイシング後のチップでもよい。また、例えば周知のウエハディスクに複数の被処理物を並べて、ウエハディスクを回転させることで照射工程を実施しても良い。第1トレイ40と第2トレイ42に2列ずつ被処理物を並べたが、それぞれに1列ずつ並べても良いし、それぞれに3列以上並べてもよい。なお、これらの変形は、以下の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と半導体製造装置にも応用できる。
【0035】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法と半導体製造装置は、実施の形態1と一致する点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は、複数の照射工程の間にトレイを反転させる反転工程を実施することを特徴とする。
【0036】
まず、照射工程を25回実施する。この25回の照射工程を第1照射工程と称する。図8は、本発明の実施の形態2に係る第1照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。次いで、入替工程を実施する。次いで、照射工程を25回実施する。この25回の照射工程を第2照射工程と称する。図9は、第2照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
【0037】
次いで、反転工程を実施する。反転工程では第1トレイ40と第2トレイ42を第2の方向と反対を向くように反転させる。図10は、反転工程実施後のトレイの位置を示す平面図である。次いで、照射工程を25回実施する。この25回の照射工程を第3照射工程と称する。図11は、第3照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
【0038】
次いで、入替工程を実施する。この入替工程では第1トレイ40と第2トレイ42の位置を入れ替える。次いで、照射工程を25回実施する。この25回の照射工程を第4照射工程と称する。図12は、第4照射工程で被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。こうして合計100回の照射工程を実施する。
【0039】
反転工程前のxにおける照射効果をf(x)、反転工程後のxにおける照射効果をf´(x)とすると、第1群20と第3群24の照射効果はそれぞれ、
N/4・{f(a+r)+f(−a+r)+f´(−a−r)+f´(a−r)}となる。 第2群22と第4群26の照射効果は、
N/4・{f(a−r) + f(−a−r)+f´(−a+r)+f´(a+r)}となる。
【0040】
ここで、x座標がa+r又は−a−rのときの照射効果は照射効果のばらつきに与える影響が大きい。従って、x座標がa+rの位置でだけ処理され−a−rで処理されないものと、x座標が−a−rの位置だけで処理されa+rで処理されないものとの照射効果の差が大きくなるおそれがある。そこで、本発明の実施の形態2では、反転工程を設けることで、各被処理物について、x座標がa+rの位置と−a−rの位置との両方で処理されるようにした。よって、照射効果のばらつきを低減できる。
【0041】
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法により処理された被処理物の照射効果は、トレイの数をM、照射工程の回数をN、Nが2Mの倍数とすると、以下のようになる。
【0042】
【数1】
【0043】
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法では、反転工程において、第1トレイ40と第2トレイ42を反転させたが、複数の照射工程の間に、第1トレイ40と第2トレイ42の少なくとも一方を第2の方向と反対方向を向くように反転させることも可能である。また、複数の照射工程の間に、どのタイミングで入替工程と反転工程を実施するかは、工程の簡素化の観点から適宜定めることができる。
【0044】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法と半導体製造装置は、実施の形態1と一致する点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法は、1列の被処理物をのせるためのトレイを設けたことを特徴とする。
【0045】
本発明の実施の形態3に係る半導体製造装置は、第1トレイと第2トレイがそれぞれ2つに分割されている。図13は、本発明の実施の形態3に係るトレイ等の斜視図である。第1トレイ40は、それぞれ1列の被処理物が並べられている第1細長トレイ60、62を備えている。第1細長トレイ60と第1細長トレイ62は分割できる。第2トレイ42は、それぞれ1列の被処理物が並べられている第2細長トレイ64、66を備えている。第2細長トレイ64と第2細長トレイ66は分割できる。
【0046】
本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法は、複数の照射工程の間に細長トレイの位置を入替える入替工程を複数回実施する。これにより、複数の被処理物の全てが複数の列の全てで照射工程を受けるようにする。
【0047】
図14は、第1細長トレイと第2細長トレイの組み合わせを示す平面図である。4つの組み合わせのそれぞれについて25回ずつ照射工程を実施する。入替工程におけるトレイの入替方法は図14に示す方法に限定されないが、第1細長トレイ60、62と第2細長トレイ64、66をローテーションさせると入替えを単純化でき好ましい。
【0048】
本発明の実施の形態3では、全ての被処理物が4つの列の全てで照射工程を受けるので、複数の被処理物の照射効果のばらつきを解消できる。本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法により処理された被処理物の照射効果は、細長トレイの数をM、照射工程の回数をN、NがMの倍数とすると、以下のようになる。
【0049】
【数2】
【0050】
例えば、第1トレイ40に3列の被処理物を並べる場合、第1細長トレイは3つ用意する。このように、1列の被処理物ごとに1つの第1細長トレイ(又は第2細長トレイ)を設けることで、本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法による効果を得ることができる。よって、第1細長トレイと第2細長トレイの数は2個に限定されない。
【0051】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法と半導体製造装置は、分割されていない1枚のトレイを用いながら、被処理物の照射効果のばらつきを抑制するものである。
【0052】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法では、まず、複数の被処理物をトレイの上にのせる。複数の処理物は、ここまでの実施の形態と同様に4列に並べる。次いで
照射工程を50回実施する。図15は、本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法において、照射工程を実施して、複数の被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。照射装置10とトレイ70の動きはここまでの実施の形態と同様である。
【0053】
次いで、被処理物反転工程を実施する。被処理物反転工程では、複数の被処理物のそれぞれを第1の方向と反対方向を向くように反転させる。つまり、被処理物のオリエンテーションフラットが第1の方向を向く状態から、第1の方向と反対方向を向く状態に反転させる。被処理物の反転は例えば、ウエハ移動用アームを用いる。反転後は被処理物をトレイ70上のもとの位置に戻す。次いで、照射工程を50回実施する。図16は、被処理物反転工程実施後に照射工程を実施して、複数の被処理物に照射物を照射することを示す平面図である。
【0054】
本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法によれば、オリエンテーションフラットに垂直な方向に対し左右対称に形成されたパターンについて、左右対称な照射効果を得ることができる。より詳細には、ウエハのオリエンテーションフラットの真ん中から左右に同距離だけ離れた2点で照射効果を等しくすることができる。
【0055】
装置の被処理物ハンドリング系によっては、トレイを反転させるよりもウエハ(被処理物)を反転させる方が処理効率が高い場合がある。また、被処理物がウエハよりも小型のチップの場合は、チップを回してもx方向の位置はほとんど変化しないため、チップの左右非対称性への均一化効果が高い。なお、被処理物反転工程を実施の形態1又は3と組み合わせて実施することができる。
【0056】
実施の形態1−4で説明したように、本発明は、複数の照射工程の間に、少なくとも1回は、第1トレイ40と第2トレイ42の第2の方向に向かう向きを変更せずに第1トレイ40と第2トレイ42の位置を入れ替える入替工程を実施したり、被処理物回転工程を実施したりして、照射効果のばらつきを解消するものである。従ってこの特徴を失わない限りにおいて様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 照射装置、 12 照射室、 14 コンベア、 16 トレイ台、 18 トレイ、 20 第1群、 22 第2群、 24 第3群、 26 第4群、 40 第1トレイ、 42 第2トレイ、 50 レジスト、 60,62 第1細長トレイ、 64,66 第2細長トレイ、 70 トレイ
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