特許第6052486号(P6052486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6052486-端末装置、配送システムおよび方法 図000002
  • 特許6052486-端末装置、配送システムおよび方法 図000003
  • 特許6052486-端末装置、配送システムおよび方法 図000004
  • 特許6052486-端末装置、配送システムおよび方法 図000005
  • 特許6052486-端末装置、配送システムおよび方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052486
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】端末装置、配送システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20161219BHJP
【FI】
   G06Q10/08 306
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-130589(P2012-130589)
(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公開番号】特開2013-254410(P2013-254410A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】若尾 聡
(72)【発明者】
【氏名】榊 純一
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−196350(JP,A)
【文献】 特開2011−219181(JP,A)
【文献】 特開2002−342838(JP,A)
【文献】 特開2008−033789(JP,A)
【文献】 特開2001−310574(JP,A)
【文献】 特開平06−282558(JP,A)
【文献】 特開2008−186268(JP,A)
【文献】 特開2004−220276(JP,A)
【文献】 特開2002−042008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送システムで用いられる端末装置であって、
配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る伝票情報読取り部と、
配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている情報を読み取るICカード情報読取り部と、
を備え、
前記伝票から読み取る情報には、前記受取人の氏名が含まれ、
前記ICカードから読み取る情報には、氏名電子署名が含まれ、
前記端末装置は
記電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する証明書記憶部と
前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する署名検証部と、
前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への受け渡しの妥当性を判定する受け渡し判定部と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記電子証明書を配送ルートに従って取得する証明書取得部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
将来の配送ルートプランの情報を取得するルート情報取得部と、
前記証明書記憶部に記憶されている前記電子証明書の情報のうち、前記配送ルートプランに含まれない受取人の電子署名を検証するための電子証明書を消去する証明書消去部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記電子証明書には、複数の世代の電子証明書が含まれ、前記配送先の場所に応じて、前記電子証明書の世代ごとに優先度が設定されており、
前記端末装置は、前記優先度の高い順に前記電子証明書を取得する証明書取得部を備えたことを特徴とする請求項1ないしは請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
過去の配送結果に基づいて、前記配送先の場所ごとの前記電子証明書の世代の情報がデータベース化され、前記データベース化された情報に基づいて、前記電子証明書の世代ごとの優先度が設定されており、
前記証明書取得部は、前記優先度の高い順に前記電子証明書を取得することを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記配送先の場所には、受取人の住所、または、前記受取人の住所以外の受け取り可能な場所が含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の端末装置。
【請求項7】
端末装置を用いた配送システムであって、
前記端末装置は、
配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る伝票情報読取り部と、
配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている受取人の情報を読み取るICカード情報読取り部と、
を備え、
前記伝票から読み取る情報には、受取人の氏名が含まれ、
前記ICカードから読み取る情報には、氏名と電子署名が含まれ、
前記端末装置は
記受取人の電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する証明書記憶部と、
前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する署名検証部と、
前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する受け渡し判定部と、
を備えたことを特徴とする配送システム。
【請求項8】
配送システムで用いられる端末装置において実行される方法であって、
前記方法は、
配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る処理と、
配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている受取人の情報を読み取る処理と、
を含み、
前記伝票から読み取る情報には、受取人の氏名が含まれ、
前記ICカードから読み取る情報には、氏名と電子署名が含まれ、
前記方法は
記受取人の電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する処理と、
前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する処理と、
前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する処理と、
を含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システムで用いられる端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配送システムにおいて、GPSシステムと移動通信システムを結合し、配送車の位置の把握や配送データなどの送受信を行うことにより、配送効率や信頼性の向上が図られている。例えば、配送先の位置情報を利用することで、印鑑やサインなどの不要な受領確認の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−273097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の配送システムでは、GPSシステムと移動通信システムとを利用するに留まっており、配送品の受け渡しをより確実かつ簡単に行うための技術の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、短い処理時間で、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことのできる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、配送システムで用いられる端末装置であって、前記端末装置の現在位置の情報を取得する位置情報取得部と、配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る伝票情報読取り部と、配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている受取人の情報を読み取るICカード情報読取り部と、を備え、前記伝票から読み取る情報には、配送先の場所と受取人の氏名の情報が含まれ、前記ICカードから読み取る情報には、氏名と電子署名の情報が含まれ、前記端末装置は、予め設定されている配送ルートに従って取得した、前記受取人の電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する証明書記憶部と、前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する署名検証部と、前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記配送先の場所と前記端末装置の現在位置とが対応するか否か、および、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する受け渡し判定部と、を備えた構成を有している。
【0007】
この構成により、伝票から読み取った配送先の場所と端末装置の現在位置とが対応し、かつ、伝票から読み取った受取人の氏名とICカードから読み取ったカード所有者またはカード所有者の後見人、親、配偶者等の氏名とが対応したときに、受取人への配送品の受け渡しが許可される。そのため、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。この際、電子証明書を用いて電子署名の検証を行い、ICカードから読み取った電子署名の検証に成功した場合に、上記のように、受取人への配送品の受け渡しを許可するか否かが判定される。そして、この電子証明書は、予め設定されている配送ルートに従って取得して記憶されている。したがって、配送品の受け渡しの許否の判定のたびに電子証明書を取得する場合に比べて、処理時間を短縮することができる。
【0008】
また、本発明の端末装置は、将来の配送ルートプランの情報を取得するルート情報取得部と、前記証明書記憶部に記憶されている前記電子証明書の情報のうち、前記配送ルートプランに含まれない受取人の電子署名を検証するための電子証明書を消去する証明書消去部と、を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、配送ルートプランに含まれない受取人の電子署名を検証するための電子証明書(不要な電子証明書)が消去されるので、端末装置のメモリ等のリソースを節約することができる。
【0010】
また、本発明の端末装置では、前記電子証明書に、複数の世代の電子証明書が含まれ、前記配送先の場所に応じて、前記電子証明書の世代ごとに優先度が設定されており、前記端末装置は、前記優先度の高い順に前記電子証明書を取得する証明書取得部を備えた構成を有している。
【0011】
この構成により、配送先の場所に応じて、電子証明書の世代ごとに優先度が設定され、優先度の高い順に電子証明書の取得が行われる。このようにして、電子証明書の取得を効率的に行うことができる。
【0012】
また、本発明の端末装置では、過去の配送結果に基づいて、前記配送先の場所ごとの前記電子証明書の世代の情報がデータベース化され、前記データベース化された情報に基づいて、前記電子証明書の世代ごとの優先度が設定されており、前記証明書取得部は、前記優先度の高い順に前記電子証明書を取得する構成を有している。
【0013】
この構成により、過去の配送結果に基づいて、配送先の場所ごとの電子証明書の世代の情報がデータベース化される。そして、データベース化された情報に基づいて、電子証明書の世代ごとの優先度が設定され、優先度の高い順に電子証明書の取得が行われる。このようにして、電子証明書の取得を効率的に行うことができる。
【0014】
また、本発明の端末装置では、前記配送先の場所に、受取人の住所、または、前記受取人の住所以外の受け取り可能な場所が含まれる構成を有している。
【0015】
この構成により、受取人の住所だけでなく、受取人の住所以外の受け取り可能な場所でも、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。
【0016】
本発明のシステムは、端末装置を用いた配送システムであって、前記端末装置は、前記端末装置の現在位置の情報を取得する位置情報取得部と、配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る伝票情報読取り部と、配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている情報を読み取るICカード情報読取り部と、を備え、前記伝票から読み取る情報には、配送先の場所と受取人の氏名の情報が含まれ、前記ICカードから読み取る情報には、氏名と電子署名の情報が含まれ、前記端末装置は、予め設定されている配送ルートに従って取得した、前記受取人の電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する証明書記憶部と、前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する署名検証部と、前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記配送先の場所と前記端末装置の現在位置とが対応するか否か、および、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記の氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する受け渡し判定部と、を備えた構成を有している。
【0017】
このシステムによっても、上記と同様に、伝票から読み取った配送先の場所と端末装置の現在位置とが対応し、かつ、伝票から読み取った受取人の氏名とICカードから読み取った氏名とが対応したときに、受取人への配送品の受け渡しが許可される。そのため、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。この場合、電子証明書を用いて電子署名の検証を行い、ICカードから読み取った電子署名の検証に成功した場合に、上記のように、受取人への配送品の受け渡しを許可するか否かが判定される。そして、この電子証明書は、予め設定されている配送ルートに従って取得して記憶されている。したがって、配送品の受け渡しの許否の判定のたびに電子証明書を取得する場合に比べて、処理時間を短縮することができる。
【0018】
本発明の方法は、配送システムで用いられる端末装置において実行される方法であって、前記方法は、前記端末装置の現在位置の情報を取得する処理と、配送用の伝票から、当該伝票に記載されている情報を読み取る処理と、配送先で受取人が提示するICカードから、当該ICカードに記憶されている情報を読み取る処理と、を含み、前記伝票から読み取る情報には、配送先の場所と受取人の氏名の情報が含まれ、前記ICカードから読み取る情報には、氏名と電子署名の情報が含まれ、前記方法は、予め設定されている配送ルートに従って取得した、前記受取人の電子署名を検証するための電子証明書の情報を記憶する処理と、前記電子証明書を用いて前記受取人の電子署名を検証する処理と、
前記電子署名の検証に成功した場合に、前記伝票から読み取った前記配送先の場所と前記端末装置の現在位置とが対応するか否か、および、前記伝票から読み取った前記受取人の氏名と前記ICカードから読み取った前記氏名とが対応するか否かに基づいて、前記受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する処理と、を含んでいる。
【0019】
この方法によっても、上記と同様に、伝票から読み取った配送先の場所と端末装置の現在位置とが対応し、かつ、伝票から読み取った受取人の氏名とICカードから読み取った氏名とが対応したときに、受取人への配送品の受け渡しが許可される。そのため、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。この場合、電子証明書を用いて受取人の電子署名の検証を行い、受取人のICカードから読み取った電子署名の検証に成功した場合に、上記のように、受取人への配送品の受け渡しを許可するか否かが判定される。そして、この電子証明書は、予め設定されている配送ルートに従って取得して記憶されている。したがって、配送品の受け渡しの許否の判定のたびに電子証明書を取得する場合に比べて、処理時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、短い処理時間で、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができるという効果を有する端末装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態における配送システムの説明図
図2】本発明の実施の形態における端末装置のブロック図
図3】本発明の実施の形態における配送ルートと電子証明書のダウンロード順の説明図
図4】本発明の実施の形態における電子証明書の世代の情報と優先度の説明図
図5】本発明の実施の形態における端末装置の動作説明のためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の端末装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、配送エリアの比較的広い配送システム(例えば、家具、燃料、ゴルフバッグなどの配送システム)等に用いられる端末装置の場合を例示する。
【0023】
本発明の実施の形態の端末装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の配送システムの説明図である。図1に示すように、本実施の形態の配送システム1では、配送用の端末装置2が用いられる。端末装置2は、配送者に所持され、配送先での配送品の受け渡しの確認や決済等の処理を行うために用いられる。なお、端末装置2は、配送センターの受付カウンターに設置されてもよく、配送センターでの配送品の受け渡しの確認や決済等の処理を行うために用いられてもよい。
【0024】
図2は、本実施の形態の配送システム1で用いられる端末装置2のブロック図である。図2に示すように、端末装置2には、位置情報取得部3と伝票情報読取り部4とICカード情報読取り部5が備えられている。位置情報取得部3は、GPSシステム6を利用することにより、端末装置2の現在位置の情報を取得する機能を備えている。
【0025】
伝票情報読取り部4は、配送用の伝票7(用紙)から、その伝票7に記載されている情報(例えば、配送先の場所や受取人の氏名などの情報)を光学的に読み取る機能(例えば、スキャナー機能とOCR機能)を備えている。ICカード情報読取り部5は、配送先で受取人が提示するICカード8(例えば、IC免許証や住民基本台帳カード)から、そのICカード8に記憶されている受取人の情報(例えば、カード所有者と電子署名の情報)を非接触通信で読み取る機能を備えている。なお、配送先の場所には、受取人の住所だけでなく、受取人の住所以外の受け取り可能な場所(例えば、受取人の職場など)が含まれる。
【0026】
また、図2に示すように、端末装置2には、ルート情報取得部9と証明書管理部10が備えられている。ルート情報取得部9は、配送事業者のサーバ装置11から、当日の配送ルートの情報を取得する機能を備えている。また、このルート情報取得部9は、配送事業者のサーバ装置11から、翌日の配送ルートプランの情報を取得する機能も備えている。
【0027】
証明書管理部10は、証明書取得部12と証明書記憶部13と証明書消去部14で構成される。証明書取得部12は、当日の配送ルート(予め設定されている配送ルート)に従って、その配送ルートに含まれる受取人の電子署名を検証するための電子証明書を、証明書サーバ15からダウンロードして取得する機能を備えている。証明書サーバ15は、例えば、都道府県ごと(IC免許証の場合)や市町村ごと(住基カードの場合)に設置される。証明書取得部12によって取得された電子証明書は、証明書記憶部13に記憶される。
【0028】
ここで、図3を参照して、配送ルートと電子証明書のダウンロード順について説明する。例えば、図3(a)に示すように、当日の配送ルートが「配送先1(住所:A市a区1−1−1、氏名:X)」、「配送先2(住所:B市区2−2−2、氏名Y)」、「配送先3(住所:C市c区3−3−3、氏名:Z)」、・・・の順であったとすると、図3(b)に示すように、電子証明書のダウンロードは、この配送ルートに従って「A市発行の電子証明書」、「B市発行の電子証明書」、「C市発行の電子証明書」・・・の順で行われる。
【0029】
証明書消去部14は、当日の配送が終了した後、証明書記憶部13に記憶されている電子証明書のうち、翌日の配送ルートプランに含まれない受取人の電子署名を検証するための電子証明書を消去する機能を備えている。例えば、図3(b)の例において、翌日の配送ルートプランにA市が含まれていない場合には、証明書記憶部13から「A市発行の電子証明書」が消去されることになる。
【0030】
電子証明書には、複数の世代(例えば、第1世代、第2世代、第3世代、・・・)の電子証明書が含まれる。配送事業者のサーバ装置11では、過去の配送結果(端末装置2から収集した情報)に基づいて、配送先の場所ごとの電子証明書の世代の情報がデータベース化されており、データベース化された情報に基づいて、配送先の場所に応じて、電子証明書の世代ごとの優先度(ダウンロード優先度、消去優先度)が設定されている。そして、証明書取得部12は、ダウンロード優先度の高い順に電子証明書を取得し、証明書消去部14は、消去優先度が高い順に電子証明書を消去する。
【0031】
ここで、図4を参照しながら、電子証明書の世代と優先度について説明する。例えば、図4に示すように、古くからの住宅地が多い「A市」で、電子証明書の世代の割合が「第1世代:70%、第2世代:20%、第3世代:10%」であったとすると、A市の電子証明書については、ダウンロード優先度が「第1世代、第2世代、第3世代」の順に高く、消去優先度が「第3世代、第2世代、第1世代」の順に高くなるように設定される。したがって、A市の電子証明書のダウンロードは「第1世代、第2世代、第3世代」の順に行われ、A市の電子証明書の消去は「第3世代、第2世代、第1世代」の順に行われる。
【0032】
一方、新興住宅地が多い「C市」で、電子証明書の世代の割合が「第1世代:10%、第2世代:20%、第3世代:17%」であったとすると、C市の電子証明書については、ダウンロード優先度が「第3世代、第2世代、第1世代」の順に高く、消去優先度が「第1世代、第2世代、第3世代」の順に高くなるように設定される。したがって、C市の電子証明書のダウンロードは「第3世代、第2世代、第1世代」の順に行われ、C市の電子証明書の消去は「第1世代、第2世代、第3世代」の順に行われる。
【0033】
図2に戻って、端末装置2の構成の説明を続ける。図2に示すように、端末装置2には、署名検証部16と受け渡し判定部17が備えられている。署名検証部16は、証明書記憶部13に記憶されている電子証明書を用いて、受取人のICカード8から読み取った電子署名を検証する機能を備えている。受け渡し判定部17は、電子署名の検証に成功した場合に、伝票7から読み取った配送先の場所と端末装置2の現在位置とが対応するか否か、および、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者とが対応するか否かに基づいて、受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する機能を備えている。
【0034】
本実施の形態では、伝票7から読み取った配送先の場所と端末装置2の現在位置とが対応(完全一致または部分一致)し、かつ、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者が対応(完全一致または部分一致)した場合に、受取人への配送品の受け渡しが許可される。
【0035】
また、伝票7に受取人の住所が記載されており、またカード所有者の住所がICカード内に書き込まれている場合、受け渡し判定部17は、電子署名の検証に成功した場合に、伝票7から読み取った配送先の場所と、端末装置2の現在位置とが対応するか否か、および、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者とが対応するか否か、および伝票7から読み取った受取人の住所とICカード8から読み取ったカード所有者の住所とが対応するか否か、これら3つの条件がすべて満足しているかどうかに基づいて、受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する機能を備えている。
【0036】
また、配送品の重要度に応じて、上記3つの条件のうちいくつを満たせばいいかを割りあてることも可能である。例えば、高価な配送品には3つの条件すべてが満足した場合にのみ受け渡しを許可し、通常の配送品には3つの条件のうち2つを満足した場合に受け渡しを許可し、チラシ等であれば1つでも合致すればよい、とすることも可能である。
【0037】
以上のように構成された端末装置2について、図5のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0038】
本実施の形態の端末装置2を用いて配送を行うときには、図5に示すように、まず、配送事業者のサーバ装置11から、当日の配送ルートの情報を取得し(S1)、必要な電子証明書(その配送ルートに含まれる受取人の電子署名を検証するための電子証明書)をダウンロードできる証明書サーバ15(例えば、A市、B市、C市の証明書サーバ)を特定し(S2)、その証明書サーバ15に対して電子証明書のダウンロード要求を送信する(S3)。そして、必要な電子証明書(例えば、A市、B市、C市の電子証明書)をすべて取得すると(S4)、それらの電子証明書を予め保存しておく(S5)。
【0039】
配送先(例えば、図3(a)の配送先1)に到着すると、端末装置2は、GPSシステム6を利用して「現在位置」の情報を取得する(S6)。また、端末装置2は、伝票7から「配送先の場所」や「受取人の氏名」などの情報を光学的に読み取るとともに(S7)、受取人が提示するICカード8から「電子署名」の情報を非接触通信で読み取る(S8)。
【0040】
つぎに、予め保存しておいて電子証明書(例えば、A市の電子証明書)を用いて、受取人の電子署名の検証を行う(S9)。電子署名の検証に成功した場合には、伝票7から読み取った配送先の場所と端末装置2の現在位置とが対応するか否か、および、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者、あるいは配偶者等の氏名とが対応するか否かに基づいて、受取人への配送品の受け渡しの許否を判定する(S10)。配偶者の氏名は苗字、あらかじめ読んだ住民基本台帳を参照しても良い。
【0041】
そして、伝票7から読み取った配送先の場所と端末装置2の現在位置とが対応(完全一致または部分一致)し、かつ、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者の氏名とが対応(完全一致または部分一致)した場合には、配送品の受け渡しの処理(受け渡しの確認や決済等の処理)が実行される(S11)。
【0042】
このような本実施の形態の端末装置2によれば、短い処理時間で、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。
【0043】
すなわち、本実施の形態では、伝票7から読み取った配送先の場所と端末装置2の現在位置とが対応し、かつ、伝票7から読み取った受取人の氏名とICカード8から読み取ったカード所有者の氏名とが対応したときに、受取人への配送品の受け渡しが許可される。そのため、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。以上にカード所有者の氏名が対応した場合を主に記述したが、カード所有に限らず、カード所有者の保護者、後見人、保佐人等でも良い。
【0044】
この場合、電子証明書を用いて受取人の電子署名を検証を行い、受取人のICカード8から読み取った電子署名の検証に成功した場合に、上記のように、受取人への配送品の受け渡しを許可するか否かが判定される。そして、図3に示すように、この電子証明書は、予め設定されている配送ルートに従って、予め取得(ダウンロード)して記憶(保存)されている。したがって、配送品の受け渡しの許否の判定のたびに電子証明書を取得する場合に比べて、処理時間を短縮することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、配送ルートプランに含まれない受取人の電子署名を検証するための電子証明書(不要な電子証明書)が消去されるので、端末装置2のメモリ等のリソースを節約することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、図4に示すように、配送先の場所に応じて、電子証明書の世代ごとに優先度が設定され、優先度の高い順に電子証明書の取得が行われる。この場合、過去の配送結果に基づいて、配送先の場所ごとの電子証明書の世代の情報がデータベース化される。そして、データベース化された情報に基づいて、電子証明書の世代ごとの優先度が設定され、優先度の高い順に電子証明書の取得が行われる。このようにして、電子証明書の取得を効率的に行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態では、配送先の場所に、受取人の住所以外の受け取り可能な場所(例えば、受取人の職場など)が含まれる。したがって、受取人の住所だけでなく、受取人の住所以外の受け取り可能な場所でも、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる端末装置は、短い処理時間で、受取人への配送品の受け渡しを適切に行うことができるという効果を有し、配送エリアの比較的広い配送システムで用いられる端末装置等として有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 配送システム
2 端末装置
3 位置情報取得部
4 伝票情報読取り部
5 ICカード情報読取り部
6 GPSシステム
7 伝票
8 ICカード
9 ルート情報取得部
10 証明書管理部
11 配送事業者のサーバ装置
12 証明書取得部
13 証明書記憶部
14 証明書消去部
15 証明書サーバ
16 署名検証部
17 受け渡し判定部
図1
図2
図3
図4
図5