特許第6052495号(P6052495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052495
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】開口構造及び開口施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20161219BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   E06B1/56 Z
   E04B2/82 501T
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-215681(P2012-215681)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-70370(P2014-70370A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100143926
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 公敏
(74)【代理人】
【識別番号】100149504
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 周子
(72)【発明者】
【氏名】大岸 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】奥山 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 繭
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−308327(JP,A)
【文献】 実開昭50−108211(JP,U)
【文献】 特開昭60−055913(JP,A)
【文献】 特開2009−127265(JP,A)
【文献】 特開2012−154170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/52 − 1/68
E05D 15/06
E04B 2/74 − 2/82
E04B 9/00 − 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と両側の縦枠とからなる建具用枠を建物の上枠下地及びその両側の縦枠下地によって構成される開口部に固定して出入開口を形成した開口構造であって、
前記上枠の長手方向両端に前記両側の縦枠をそれぞれ接合して三方枠状に枠組みされ、前記開口部内に嵌め込み固定された前記建具用枠の上枠の見込み方向両側に沿うように、かつ前記開口部の幅方向に架け渡されるように天井パネル下地用の桟材がそれぞれ固定され、これら両側の桟材に、建具の上端部を保持する上レールに応じた隙間を隔てるように天井パネルがそれぞれ固定され、前記上レールが、その下面を前記隙間から露出させるように前記上枠に固定されており、
前記両側の桟材が、前記両側の縦枠下地を挟むように該縦枠下地の見込み方向両面に当接されていることを特徴とする開口構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記上枠の下面側に長手方向に沿って設けられた凹溝に前記上レールの上側部位が嵌め込まれ、該上レールの下側部位が前記隙間に配置されていることを特徴とする開口構造。
【請求項3】
請求項1または2において、
横断面略L字状とされ、その一片部を前記開口部の内側面に交差するように形成された壁下地面に固定される壁パネルの厚さと略同厚さとした額縁状部材の他片部が、少なくとも一方の前記縦枠における少なくとも一方の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れられ、該額縁状部材の一片部と前記壁パネルとが表面略面一状に前記壁下地面に固定され、これら額縁状部材及び壁パネルの表面に一連に化粧シートが貼着されていることを特徴とする開口構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記建具用枠は、中方立を備えた引戸用枠であり、
両側の縦枠間に配設された前記中方立の戸尻側の縦枠側に袖壁下地が設けられ、横断面略L字状とされ、その一片部を前記袖壁下地の反引戸納め側の袖壁下地面に固定される袖壁パネルの厚さと略同厚さとした中方立用額縁状部材の他片部が、前記中方立の反引戸対面側の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れられ、該中方立用額縁状部材の一片部と前記袖壁パネルとが表面略面一状に前記袖壁下地面に固定され、これら中方立用額縁状部材及び袖壁パネルの表面に一連に化粧シートが貼着されていることを特徴とする開口構造。
【請求項5】
上枠と両側の縦枠とからなる建具用枠を建物の上枠下地及びその両側の縦枠下地によって構成される開口部に固定し、出入開口を形成する開口施工方法であって、
前記上枠の長手方向両端に前記両側の縦枠をそれぞれ接合して前記建具用枠を三方枠状に枠組みし、該建具用枠を前記開口部内に嵌め込み固定し、前記両側の縦枠下地を挟むように該縦枠下地の見込み方向両面に当接させて前記建具用枠の上枠の見込み方向両側に沿わせるように、かつ前記開口部の幅方向に架け渡すように天井パネル下地用の桟材をそれぞれ固定し、これら両側の桟材に、建具の上端部を保持する上レールに応じた隙間を隔てるように天井パネルをそれぞれ固定し、前記上レールを、その下面を天井パネル間の隙間から露出させるように前記上枠に固定することを特徴とする開口施工方法。
【請求項6】
請求項5において、
横断面略L字状とされ、その一片部を前記開口部の内側面に交差するように形成された壁下地面に固定される壁パネルの厚さと略同厚さとした額縁状部材の他片部を、少なくとも一方の前記縦枠における少なくとも一方の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れ、該額縁状部材の一片部と前記壁パネルとを表面略面一状に前記壁下地面に固定し、これら額縁状部材及び壁パネルの表面に一連に化粧シートを貼着することを特徴とする開口施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上枠と両側の縦枠とからなる建具用枠を建物の開口部に固定して出入開口を形成した開口構造及び同建具用枠を建物の開口部に固定し、出入開口を形成する開口施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、引戸や折戸等の建具が建て付けられる建具用枠を建物の開口部に固定し、出入開口を形成した構造が知られている。一般的には、鴨居としての上枠を開口部の天面に沿わせて固定し、この上枠に建具の上端部を保持する上レールを固定した構造とされている。このような構造では、上枠や上レールが大きく露出し、見栄え上の観点等から改善が望まれていた。
例えば、下記特許文献1には、天井下地材に上レールを固定し、この上レールと略同厚の天井仕上材を、上レールを挟むように天井下地材に固定した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような上レールの固定構造では、上レールを天井下地材に固定する構造とされているため、上レールの水平や建具厚(壁厚)方向の位置調整等が面倒な作業となることが考えられる。また、天井仕上材が固定される天井下地材は、一般的には複数本の桟状の野縁や鋼材等を、略等間隔を空けて互いに略平行に設けた構造とされており、天井側の全面に亘って設けられていない場合が多々ある。このような場合には、上レールの近傍の天井仕上材の端部を天井下地材に固定し難くなることも考えられ、上レールの近傍において天井仕上材の浮きや起伏等が生じ易くなることも考えられる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、出入開口の見栄えを向上させながらも施工性を向上し得る開口構造及び開口施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る開口構造は、上枠と両側の縦枠とからなる建具用枠を建物の上枠下地及びその両側の縦枠下地によって構成される開口部に固定して出入開口を形成した開口構造であって、前記上枠の長手方向両端に前記両側の縦枠をそれぞれ接合して三方枠状に枠組みされ、前記開口部内に嵌め込み固定された前記建具用枠の上枠の見込み方向両側に沿うように、かつ前記開口部の幅方向に架け渡されるように天井パネル下地用の桟材がそれぞれ固定され、これら両側の桟材に、建具の上端部を保持する上レールに応じた隙間を隔てるように天井パネルがそれぞれ固定され、前記上レールが、その下面を前記隙間から露出させるように前記上枠に固定されており、前記両側の桟材が、前記両側の縦枠下地を挟むように該縦枠下地の見込み方向両面に当接されていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記上枠の下面側に長手方向に沿って設けられた凹溝に前記上レールの上側部位を嵌め込み、該上レールの下側部位を前記隙間に配置してもよい。
また、本発明においては、横断面略L字状とされ、その一片部を前記開口部の内側面に交差するように形成された壁下地面に固定される壁パネルの厚さと略同厚さとした額縁状部材の他片部を、少なくとも一方の前記縦枠における少なくとも一方の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れ、該額縁状部材の一片部と前記壁パネルとを表面略面一状に前記壁下地面に固定し、これら額縁状部材及び壁パネルの表面に一連に化粧シートを貼着した構造としてもよい。
また、本発明においては、前記建具用枠を、中方立を備えた引戸用枠とし、両側の縦枠間に配設された前記中方立の戸尻側の縦枠側に袖壁下地を設け、横断面略L字状とされ、その一片部を前記袖壁下地の反引戸納め側の袖壁下地面に固定される袖壁パネルの厚さと略同厚さとした中方立用額縁状部材の他片部を、前記中方立の反引戸対面側の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れ、該中方立用額縁状部材の一片部と前記袖壁パネルとを表面略面一状に前記袖壁下地面に固定し、これら中方立用額縁状部材及び袖壁パネルの表面に一連に化粧シートを貼着した構造としてもよい。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る開口施工方法は、上枠と両側の縦枠とからなる建具用枠を建物の上枠下地及びその両側の縦枠下地によって構成される開口部に固定し、出入開口を形成する開口施工方法であって、前記上枠の長手方向両端に前記両側の縦枠をそれぞれ接合して前記建具用枠を三方枠状に枠組みし、該建具用枠を前記開口部内に嵌め込み固定し、前記両側の縦枠下地を挟むように該縦枠下地の見込み方向両面に当接させて前記建具用枠の上枠の見込み方向両側に沿わせるように、かつ前記開口部の幅方向に架け渡すように天井パネル下地用の桟材をそれぞれ固定し、これら両側の桟材に、建具の上端部を保持する上レールに応じた隙間を隔てるように天井パネルをそれぞれ固定し、前記上レールを、その下面を天井パネル間の隙間から露出させるように前記上枠に固定することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、横断面略L字状とされ、その一片部を前記開口部の内側面に交差するように形成された壁下地面に固定される壁パネルの厚さと略同厚さとした額縁状部材の他片部を、少なくとも一方の前記縦枠における少なくとも一方の見込み方向端部に設けられた凹所に嵌め入れ、該額縁状部材の一片部と前記壁パネルとを表面略面一状に前記壁下地面に固定し、これら額縁状部材及び壁パネルの表面に一連に化粧シートを貼着するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る開口構造は、上述のような構成としたことで、また、本発明に係る開口施工方法によれば、出入開口の見栄えを向上させながらも施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る開口構造の一例を模式的に示し、図2(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
図2】(a)は、同開口構造を模式的に示す概略正面図、(b)は、(a)におけるY−Y線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
図3】(a)〜(d)は、いずれも本発明の一実施形態に係る開口施工方法の施工手順の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図である。
図4】(a)〜(c)は、いずれも同開口施工方法の施工手順の一例を模式的に示し、(a)は、一部破断概略斜視図、(b)、(c)は、図2(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。
図5】(a)、(b)は、いずれも同開口施工方法の施工手順の一例を模式的に示す図1に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、図2(b)に示すV方向から開口構造に対面した状態を基準として、手前側を前方、逆側を後方として、その方向等を原則的に説明する。
【0013】
図1図5は、本実施形態に係る開口構造及び開口施工方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る開口構造は、図1及び図2に示すように、住居等の建物の開口部2(図3(b)も参照)に、建具用枠1を固定して出入開口8を形成した構造とされている。
本実施形態では、出入開口8を開閉する建具36を引戸36とし、建具用枠1を引戸用枠1としている。また、本実施形態では、引戸36が納められる(引き込まれる)袖壁を設けた開口構造を示しており、一枚の引戸36を袖壁納めで施工した開口構造を例示している。また、本実施形態では、引戸用枠1を、引戸36を吊下支持する上吊り型としており、床側に下レール等を設けていない開口構造を例示している。
【0014】
開口部2は、図3(b)に示すように、正面視して略矩形状とされており、その天面3が、横桟やまぐさ等の横架材または該横架材の下面側に固定された飼木(スペーサー材)等からなる上枠下地によって構成されている。本実施形態では、図1に示すように、開口部2の天面3を、天井面6よりも上側に位置するように設けている。
また、開口部2は、その開口幅方向両側の内側面4,4が、間柱等の柱材または該柱材の開口幅方向内側に固定された飼木(スペーサー材)等からなる左右両側の縦枠下地によって構成されている。
また、開口部2は、その下面が、床材または床下地によって構成されている。なお、図例では、開口部2の下面を、床面7としている(図1参照)。
【0015】
引戸用枠1は、図1図3に示すように、上枠10と、この上枠10に固定される上レール14と、この上枠10の長手方向両側に配設される両側の縦枠20,23と、これら縦枠20,23間に配設される中方立26と、を備えている。
上枠10は、開口部2の開口幅方向に沿って長尺の帯板状とされている。また、本実施形態では、長手方向一方側略半部の出入開口側部位11の見込み寸法(前後方向に沿う寸法、壁厚方向に沿う寸法)よりも、長手方向他方側略半部の袖壁側部位12の見込み寸法を袖壁に応じて小さくした上枠10を例示している。この上枠10の出入開口側部位11の見込み寸法は、図1に示すように、当該上枠10が固定される開口部2の天面3の見込み寸法(前後両側の壁下地面5,5間寸法)よりも小さく形成されている(図2(b)も参照)。
また、本実施形態では、上枠10の下面側に、上レール14の上側部位を受け入れる凹溝13を長手方向に沿って設けている。この凹溝13は、下向きに開口し、かつ当該上枠10の全長に亘って設けられている。
【0016】
上レール14は、上枠10の長さ寸法と略同長さとされ、上枠10の凹溝13にその上側部位を嵌め込み、上枠10に固定される。また、この上レール14の見込み方向に沿う寸法は、上枠10の凹溝13に嵌め込み可能なように、凹溝13の見込み方向に沿う寸法(溝幅寸法)に応じた寸法とされている。
また、上レール14は、図1に示すように、上枠10の凹溝13の下向きの溝底面に当接される上板部15と、この上板部15の見込み方向両側縁から垂れ下がるように連成された両側板部16,16と、を備えている。また、上レール14は、これら上板部15及び両側板部16,16によって縦断面形状が、下方に向けて開口する略コ字状(略U字状または略C字状)とされている。また、上レール14の両側板部16,16の下端縁部には、互いに向き合う方向に突出する案内片17,17が当該上レール14の全長に亘ってそれぞれに設けられている。
【0017】
上レール14は、これら上板部15、両側板部16,16及び両案内片17,17によってガイド溝19を区画し、このガイド溝19に、引戸36の上端部に連結固定されたランナー部材37の転動部(ローラー)等が長手方向一端側の開口から挿入等されて収容される。また、両案内片17,17に、引戸36のランナー部材37のローラー等が当該上レール14の長手方向に沿って転動自在に支持されることで、引戸36が上レール14に対してスライド自在に吊下支持される。
また、本実施形態では、上レール14の両側板部16,16の下端縁部に、見込み方向外方側に向けてそれぞれに突出する突片部18,18を当該上レール14の全長に亘ってそれぞれに設けている。これら突片部18,18は、図1に示すように、後記する天井パネル41,41の上レール側端部(隙間側端部)の下端縁を覆うように該下端縁に当接または近接して配置される。
【0018】
両側の縦枠20,23は、図2に示すように、引戸36の戸先側に配設される戸先側縦枠20と、引戸36の戸尻側に配設される戸尻側縦枠23と、からなる。これら両側の縦枠20,23は、開口部2の開口高に応じた長さ寸法とされ、帯板状とされている。
また、本実施形態では、戸先側縦枠20の見込み寸法よりも、戸尻側縦枠23の見込み寸法を袖壁に応じて小さくしている。
戸先側縦枠20は、その見込み寸法がこの戸先側縦枠20が固定される開口部2の内側面4の見込み寸法(前後両側の壁下地面5,5間寸法)よりも小さく形成されている。
また、本実施形態では、この戸先側縦枠20の見込み方向両側端部のそれぞれに凹所21,22(前側凹所21、後側凹所22)を設けている。これら前側凹所21及び後側凹所22は、戸先側縦枠20の見込み方向両側端面において開口するように、それぞれ凹溝状に戸先側縦枠20の全長に亘って設けられている。
【0019】
戸尻側縦枠23は、図例では、その見込み寸法が戸先側縦枠20の見込み寸法の略1/2程度とされている。
また、本実施形態では、この戸尻側縦枠23の反袖壁側の見込み方向端部(後端部)に凹所(後側凹所)25を設けている。この後側凹所25は、上記と略同様、戸尻側縦枠23の後端面において開口するように、凹溝状に戸尻側縦枠23の全長に亘って設けられている。
また、これら両側の縦枠20,23の互いに向き合う各内側面には、互いに向き合う方向に開口し、引戸36の戸幅方向端部を受け入れる戸じゃくり溝が長手方向に沿って設けられている。これら両側の縦枠20,23の各戸じゃくり溝は、上枠10の上レール14の見込み方向位置に応じた位置となるように設けられている。
【0020】
なお、これら両側の縦枠20,23の各凹所21,22,25は、これら縦枠20,23の開口幅方向中心側(内側面側)縁部の強度を確保しながらもそれぞれの見付け面を小さくする観点等から、これら縦枠20,23の見付け方向(開口幅方向)の適宜の位置に設けるようにしてもよい。例えば、上記のような観点等から、各縦枠20,23のそれぞれの内側面から1mm〜10mm程度、好ましくは、4mm〜8mm程度の位置にそれぞれの内側面側の凹溝縁が位置するように各凹所21,22,25を設けるようにしてもよい。
【0021】
上記構成とされた両側の縦枠20,23と上記した上枠10とは、図3(a)、(b)に示すように、上枠10の長手方向両端に両側の縦枠20,23をそれぞれ接合して三方枠状に枠組みされる。例えば、上枠10の長手方向の各端面に、各縦枠20,23の上端部内側面を当接させ、各縦枠20,23の外側面側からねじや釘等の止具9を上枠10に捩じ込む(または打ち込む)ことで三方枠状に枠組みするようにしてもよい。なお、両側の縦枠20,23の各上端部に、これらの厚さ方向(見付け方向)に貫通し、止具9が挿通される挿通孔を設け、上枠10の長手方向両端部に、各縦枠20,23の挿通孔に整合する止具穴を設けるようにしてもよい。また、両側の縦枠20,23と上枠10とは、上記のようにいわゆる縦勝ちで接合する態様に限られず、いわゆる横勝ちで接合する態様としてもよい。
また、このように枠組みされた上枠10と両側の縦枠20,23とからなる引戸用枠1は、図3(b)、(c)に示すように、開口部2に嵌め込まれ、上記した開口部2の天面3及び両内側面4,4に沿わせて上枠下地及び両縦枠下地に止具9によって固定される。
【0022】
中方立26は、開口部2の開口高に応じた長さ寸法とされ、帯板状とされている。
この中方立26は、袖壁に応じた見込み寸法とされており、本実施形態では、その見込み寸法が袖壁の壁厚よりも小さく形成されている。
また、本実施形態では、この中方立26の反引戸対面側の見込み方向端部(前端部)に凹所(前側凹所)27を設けている。この前側凹所27は、上記と略同様、中方立26の前端面において開口するように、凹溝状に中方立26の全長に亘って設けられている。
この中方立26の前側凹所27は、上記した各縦枠20,23と略同様、中方立26の内側面(戸先側縦枠20側面)から1mm〜10mm程度、好ましくは、4mm〜8mm程度の位置に内側面側の凹溝縁が位置するように設けるようにしてもよい。
【0023】
また、この中方立26の引戸対面側の見込み方向端部(後端部)には、引戸36の袖壁対面側面(前面)に摺るように接する隙間遮蔽部材(モヘア部材)29が当該中方立26の概ね全長に亘って設けられている。この隙間遮蔽部材29は、中方立26の後端面において開口するように凹溝状に形成された取付溝28に嵌め込まれるように取り付けられている。
また、図例では、中方立26の後端部を、中方立26の戸尻側に設けられた袖壁の引戸納め側面(後面)よりも突出させるように配置した例を示している(図2(b)参照)。また、図例では、この中方立26の戸尻側(袖壁側)の側面に、袖壁を構成する引戸納め側(後側)の袖壁パネル47の幅方向一端部を受け入れる凹溝を当該中方立26の全長に亘って設けた例を示している。
この中方立26は、その上端部を上記した上枠10の出入開口側部位11と袖壁側部位12との境界部位に係合させ、該上端部が上枠10に上記同様の止具によって固定される(図3(d)参照)。また、中方立26の下端部は、床材や床下地等に上記同様の止具によって固定するようにしてもよい。
【0024】
なお、上記した引戸用枠1の上枠10、両側の縦枠20,23及び中方立26は、木質系材料等から形成されたものとしてもよい。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、パーティクルボード等の木質ボード、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などを採用するようにしてもよい。また、例えば、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉(木質)・プラスチック複合材(WPC)や、その他の合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、施工された状態で少なくとも露出する部位に、突板や合成樹脂シート等の貼着や、塗装等によって表面化粧処理が施されたものとしてもよい。また、上レール14は、合成樹脂系材料や金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
【0025】
中方立26の戸尻側に設けられた袖壁は、図2(b)及び図4に示すように、袖壁下地43の引戸納め側の袖壁下地面(後面)44及び反引戸納め側の袖壁下地面(前面)45のそれぞれに袖壁パネル47,48を固定した構造とされている。
袖壁下地43は、図4(a)に示すように、複数本の縦桟と複数本の横桟とから軸組み状(枠組み状)に形成されている。図例では、両側の縦桟の上端部間及び下端部間に上下の横桟を設け、また、両側の縦桟間に中間縦桟を設けた袖壁下地43を例示している。この袖壁下地43は、その厚さが袖壁の厚さに応じて形成されている。
また、袖壁下地43は、その反引戸納め側の袖壁下地面(前面)45が、開口部2の戸尻側の内側面4に交差するように形成された反引戸納め側の壁下地面5と略同一平面状となるように設けられている。
【0026】
また、この袖壁下地43は、中方立26側の一方の縦桟が中方立26の戸尻側の側面に固定され、他方の縦桟が開口部2の戸尻側の内側面4に固定されている。また、本実施形態では、この他方の縦桟の開口幅方向に沿う寸法を、戸尻側縦枠23の開口幅方向に沿う寸法(見付け寸法)よりも大きく形成している。
また、この袖壁下地43は、上側の横桟が開口部2の天面3等に固定され、下側の横桟が開口部2の下面等に固定されている。
また、本実施形態では、袖壁下地43の引戸納め側の袖壁下地面(後面)44と戸尻側縦枠23の見込み方向袖壁側端面(前端面)24との間に、袖壁下地43の後面44に固定される袖壁パネル47を介在させた例を示している。この袖壁パネル47は、袖壁下地43を構成する上記した各桟に、その引戸納め側から上記同様の止具によって固定するようにしてもよい。
【0027】
図例では、袖壁下地43の後面44に固定された袖壁パネル47の引戸納め側の表面(反袖壁下地側面)に、戸尻側縦枠23の前端面24を当接させた例を示している。このような構造とすれば、袖壁パネル47の戸尻側縦枠23側の端部が直線状に切断されていないような場合にも、戸尻側縦枠23によって、その端部が隠蔽されて露出せず見栄えを阻害することがない。換言すれば、袖壁を構成する袖壁パネル47の戸尻側縦枠23側の端部を、精度良く加工する必要がなく、袖壁の施工性を向上させることができる。なお、このような構造に代えて、袖壁下地43の後面44に、戸尻側縦枠23の前端面24を当接または近接させ、戸尻側縦枠23の内側面(見込み面)に、袖壁パネル47の戸尻側縦枠23側の端部を当接させる構造としてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、引戸用枠1は、戸先側縦枠20の見込み方向両側及び戸尻側縦枠23の見込み方向反袖壁側にそれぞれ配設される額縁状部材30,30,30と、中方立26の見込み方向反引戸対面側に配設される中方立用額縁状部材33と、を備えている。
これら額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33は、概ね同様の構成とされており、横断面略L字状とされている。これら額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33は、開口部2の開口高に概ね応じた長さ寸法とされている。図例では、これら額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の長さ寸法を、開口部2の開口高よりも小さくし、各上端部が後記する桟材40,40の下面に当接または近接するような寸法としている(図5(a)参照)。また、本実施形態では、これら額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33を、同一部材としている。
【0029】
各額縁状部材30,30,30は、図2(b)に示すように、それぞれの一片部31,31,31が開口部2の両内側面4,4に交差するように形成された壁下地面5,5,5に固定される壁パネル46,46,46の厚さと略同厚さとされている。なお、壁下地面5は、図例では、上記した柱等の縦枠下地の前後両面とした例を示しているが、この前後両面に固定された胴縁等の前後面としてもよい。また、壁下地面5は、縦枠下地の前後両面に加え、互いに間隔を空けて配設された複数本の間柱等の柱材等(または柱材等の前後両面に固定された胴縁等)からなる壁下地の前後両面によって構成するようにしてもよい。
【0030】
また、各額縁状部材30,30,30は、それぞれの他片部32,32,32が上記した各縦枠20,23の各凹所21,22,25に嵌め込まれる。上記した各縦枠20,23は、各凹所21,22,25に、各額縁状部材30,30,30の他片部32,32,32の少なくとも一部が嵌め込み可能なように、それぞれの見込み寸法及び各凹所21,22,25の深さ寸法(見込み方向に沿う寸法)が設定されている。
各額縁状部材30,30,30は、それぞれの他片部32,32,32を各縦枠20,23の各凹所21,22,25に嵌め込み、それぞれの一片部31,31,31が壁下地面5,5,5に固定される。なお、各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31の壁下地面5,5,5への固定態様としては、上記同様の止具や、接着剤等によって固定するようにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31と各壁パネル46,46,46とを表面略面一状に壁下地面5,5,5に固定した構造としている。つまり、各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31の端面と各壁パネル46,46,46の端面とを一致させるように突き合わせ、これらを壁下地面5,5,5に固定した構造としている。
また、本実施形態では、これら額縁状部材30,30,30及び壁パネル46,46,46の表面に一連に化粧シート49,49,49を貼着した構造としている。図例では、各額縁状部材30,30,30の他片部32,32,32における各縦枠20,23の各凹所21,22,25に嵌め込まれた部位を除く表面(見込み面)及び各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31の表面(見付け面)並びに各壁パネル46,46,46の表面(反壁下地側面)に、化粧シート49,49,49を一連に貼着した構造としている。なお、化粧シート49,49,49は、合成樹脂シートや、壁クロス(壁紙)等としてもよい。
【0032】
中方立用額縁状部材33は、その一片部34が、中方立26の戸尻側に設けられた袖壁下地43の前面45に固定される袖壁パネル48の厚さと略同厚さとされている。なお、本実施形態では、袖壁下地43の前後面44,45のそれぞれに固定される袖壁パネル47,48、及び上記した壁下地面5,5,5に固定される壁パネル46,46,46をそれぞれ略同厚さとしている。
また、中方立用額縁状部材33は、その他片部35が上記した中方立26の前側凹所27に嵌め込まれる。上記した中方立26は、その凹所27に、中方立用額縁状部材33の他片部35の少なくとも一部が嵌め込み可能なように、見込み寸法及び凹所27の深さ寸法(見込み方向に沿う寸法)が設定されている。
【0033】
この中方立用額縁状部材33は、その他片部35を中方立26の凹所27に嵌め込み、その一片部34が袖壁下地43の前面45に固定される。なお、中方立用額縁状部材33の一片部34の袖壁下地43への固定態様としては、上記同様、止具や、接着剤等によって固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、この中方立用額縁状部材33の一片部34と袖壁下地43の前面45に固定される袖壁パネル48とを表面略面一状に袖壁下地43の前面45に固定した構造としている。つまり、上記同様、中方立用額縁状部材33の一片部34の端面と前面側の袖壁パネル48の端面とを一致させるように突き合わせ、これらを袖壁下地43の前面45に固定した構造としている。
【0034】
また、本実施形態では、これら中方立用額縁状部材33及び前面側の袖壁パネル48の表面に一連に、上記同様の化粧シート49を貼着した構造としている。図例では、上記同様、中方立用額縁状部材33の他片部35における中方立26の凹所27に嵌め込まれた部位を除く表面(見込み面)及び中方立用額縁状部材33の一片部34の表面(見付け面)並びに前面側の袖壁パネル48の表面(反袖壁下地側面)に、化粧シート49を一連に貼着した構造としている。なお、図例では、上記した袖壁下地43の後面44に固定された袖壁パネル47の表面(反袖壁下地側面)にも同様の化粧シート49を貼着した例を示している。
【0035】
なお、図例では、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の他片部32,32,32,35の厚さ寸法(見付け方向に沿う寸法)を、一片部31,31,31,34の厚さ寸法(見込み方向に沿う寸法)よりも小さくした例を示しているが、これらを略同寸法としてもよい。
また、図例では、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の他片部32,32,32,35の幅寸法(見込み方向に沿う寸法)を、一片部31,31,31,34の幅寸法(見付け方向に沿う寸法)よりも小さくした例を示しているが、これらを略同寸法としてもよい。
また、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33は、上記同様の木質系材料や、木粉(木質)・プラスチック複合材(WPC)、その他の合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33は、横断面略L字状に一体的に形成されたものとしてもよく、または、それぞれに帯板状とされた材料を接着剤等で接合して横断面略L字状に形成されたものとしてもよい。
【0036】
また、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33は、各他片部32,32,32,35の幅寸法(見込み方向に沿う寸法)を、予め大きい寸法としておき、適宜、施工現場において壁厚に応じて各他片部32,32,32,35が切断されるものとしてもよい。
また、本実施形態では、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の他片部32,32,32,35が嵌め入れられる各縦枠20,23及び中方立26の凹所21,22,25,27を、それぞれの端面において開口するように設けた態様とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、各縦枠20,23の開口部2の内側面4側の角部や、中方立26の袖壁下地43側の角部に、切り欠くようにして凹段部を設け、該凹段部と開口部2の内側面4や袖壁下地43とによって凹所を構成したような態様としてもよい。この場合は、各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の他片部32,32,32,35を、開口部2の内側面4や袖壁下地43に沿わせて固定するようにしてもよい。
【0037】
また、各壁下地面5,5,5及び袖壁下地43の前後面44,45に固定された壁パネル46,46,46及び袖壁パネル47,48は、上下寸法が概ね床面7または床下地から天井面6または天井下地までの寸法とされたものとしてもよく、または、上下に複数枚から構成されたものとしてもよい。
また、図例では、袖壁下地43の前面45に固定された袖壁パネル48を、袖壁下地43の前面45に連なるように形成された壁下地面5をも覆うように固定した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、この袖壁パネル48の幅寸法を袖壁下地43の幅寸法に応じた寸法とし、その側部に他の壁パネル46を沿わせて壁下地面5に固定した態様としてもよい。
【0038】
また、各壁パネル46,46,46及び各袖壁パネル47,48は、一般的な内装用面材としてもよく、厚さ寸法が5mm〜25mm程度とされたものとしてもよい。例えば、無垢材や上記同様の木質系材料、石膏ボード等の無機質系材料、合成樹脂系材料等からなるものとしてもよい。このような面材は、その厚さ寸法が、例えば、9.5mm、12.5mm、15mm、21mm等と規格化されており、その厚さ寸法に応じた寸法となるように、上記した各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33の一片部31,31,31,34の厚さ寸法を設定するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、引戸用枠1は、図1及び図2(b)に示すように、引戸36の下端側をガイドする下端ガイド部材39を備えている。図例では、上方に向けて突出するガイドピン39aを備え、床面7に固定される下端ガイド部材39を例示している。また、図例では、この下端ガイド部材39を、中方立26の引戸対面側の床面7に設けた例を示している。なお、下端ガイド部材39としては、このような固定的に設けられたガイドピン39aを備えたものに限られず、上下方向に出没自在とされた磁石を設けたガイドピンを有し、床に埋め込まれるように配設されるマグネットガイド等としてもよい。また、図例では、単一の下端ガイド部材39を、中方立26の引戸対面側の床面7に設けた例を示しているが、他の部位に設けるようにしてもよく、また、引戸36の移動軌跡に沿って間隔を空けて複数箇所に設けるようにしてもよい。
【0040】
引戸36は、上記構成とされた引戸用枠1に、スライド自在に建て付けられる。
この引戸36は、図1及び図2(a)に示すように、上下寸法が床面7から天井面6に概ね至る上下寸法とされている。
また、この引戸36の上端部には、上記した上レール14に支持されるランナー部材37が連結固定されている。このランナー部材37は、引戸36の上端部の戸幅方向両側端部のそれぞれに設けるようにしてもよい。また、図例では、ランナー部材37に、水平軸廻りに回転し、上レール14の両案内片17,17上を転動するローラーを設けた例を示している。
【0041】
また、引戸36の下端部には、上記した下端ガイド部材39のガイドピン39aを受け入れるガイド溝38が設けられている。このガイド溝38は、引戸36の下端面において開口するように引戸36の戸幅方向の全幅に亘って設けられている。また、図例では、縦断面下向き開口形状のレール状部材を、引戸36の下端面に設けた凹溝に嵌め込み、ガイド溝38を構成した例を示している。
この引戸36は、例えば、上レール14を上枠10に固定する前に、そのランナー部材37を上レール14に支持させ、上レール14を上枠10に固定した後に、その上端部の取付部(カップ部)にランナー部材37を取り付けて固定し、建て付けるようにしてもよい。
なお、図2(a)において、符号36aは、引戸36の引手(取手)である。
【0042】
また、本実施形態では、図1に示すように、開口部2内に嵌め込み固定された引戸用枠1の上枠10の見込み方向両側に沿うように、天井パネル下地用の桟材40,40をそれぞれ固定した構造としている。これら両側の桟材40,40は、図3(d)に示すように、開口部2の幅方向に架け渡されるように固定されている。
本実施形態では、図1に示すように、これら両側の桟材40,40を、上枠下地の前後面(見込み方向両面)にそれぞれ当接させた例を示している。また、本実施形態では、図3(d)に示すように、これら両側の桟材40,40の長さ寸法を開口部2の開口幅寸法よりも大きく形成し、これら両側の桟材40,40を、両側の縦枠下地を挟むように縦枠下地の前後面(壁下地面)5,5に当接させた例を示している。
【0043】
これら両側の桟材40,40は、上枠下地及び縦枠下地の両方または一方に、上記同様の止具によって固定するようにしてもよい。
また、これら両側の桟材40,40は、上記同様の木質系材料を四角柱状に加工して形成されたものとしてもよく、または、他の天井下地に合わせて鋼材等からなるものとしてもよい。
なお、これら両側の桟材40,40は、それぞれの下面が、野縁や鋼材等からなる他の天井下地の下面と略同一平面状となるように固定されている。
また、図例では、これら両側の桟材40,40の厚さ寸法(上下寸法)を上枠10の厚さ寸法よりも大きくし、それぞれの下面が上枠10の下面よりも下側位置となるように、これら両側の桟材40,40を固定した例を示している。
【0044】
また、本実施形態では、図1に示すように、これら両側の桟材40,40に、上レール14に応じた隙間42を隔てるように天井パネル41,41をそれぞれ固定した構造としている。また、上レール14を、その下面を隙間42から露出させるように上枠10に固定した構造としている。
これら天井パネル41,41は、上レール14の両側板部16,16に、それぞれの端面を当接または近接させ、上レール14側の端部が両側の桟材40,40のそれぞれに、上記同様の止具によって固定されている。なお、これら天井パネル41,41は、桟材40,40に加え、他の部位をこれら桟材40,40に隣接する他の天井下地に固定するようにしてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、これら天井パネル41,41の上レール14側の下端縁を、上レール14の見込み方向両側の下端縁部に設けられた突片部18,18の上面に当接または近接させている。このような構造とすれば、これら天井パネル41,41の上レール14側の端部が直線状に切断されていないような場合にも、上レール14の両側の突片部18,18によって、各端部が隠蔽されて露出せず見栄え良く納めることができる。換言すれば、各天井パネル41,41の上レール14側の端部を、精度良く加工する必要がなく、天井の施工性を向上させることができる。
【0046】
これら天井パネル41,41は、それぞれの上レール14側の端面間に上レール14に応じた隙間42が形成されるように、それぞれの上レール14側の端面を、その上方側の上枠10に設けられた凹溝13のそれぞれの溝内壁と略同一平面状となるよう位置付け、固定するようにしてもよい。または、これら天井パネル41,41は、上レール14を上枠10に固定した後に、上レール14の見込み方向両側にそれぞれの上レール14側の端面を突き合わせ、固定するようにしてもよい。
なお、これら天井パネル41,41は、上記した壁パネル46,46,46及び袖壁パネル47,48と概ね同様の内装用面材としてもよい。この場合、天井パネル41,41の室内側面(下面)に、上記同様の化粧シートを貼着するようにしてもよい。
【0047】
上記した上レール14は、その上側部位が上枠10の凹溝13に嵌め込まれ、その下側部位が、その両側の天井パネル41,41間の隙間42に配置されている。本実施形態では、上レール14の下面が天井パネル41,41の下面よりも僅かに下方位置となるように上レール14を固定した構造としている。例えば、上レール14の下面が天井パネル41,41の下面よりも1.0mm〜5.0mm程度、下方位置となるように上レール14を固定するようにしてもよい。または、上レール14の下面と天井パネル41,41の下面とが略同一平面状となるように上レール14を固定するようにしてもよい。
このように上レール14及びその両側の天井パネル41,41を施工した状態では、上枠10が天井パネル41,41によって覆われた状態となる。
なお、この上レール14の上枠10への固定態様としては、上記同様の止具や、接着剤等によって固定するようにしてもよい。
【0048】
次に、本実施形態に係る開口構造の施工手順(開口施工方法)の一例について、説明する。
まず、図3(a)〜(c)に示すように、引戸用枠1の上枠10及び両側の縦枠20,23を、上述のように三方枠状に枠組みし、開口部2内に嵌め込み固定する。
次いで、図3(d)に示すように、引戸用枠1の上枠10の見込み方向両側に沿わせるように、かつ開口部2の幅方向に架け渡すように天井パネル下地用の桟材40,40をそれぞれ上述のように固定する。また、中方立26を開口部2内に配設し、上述のように固定する。
【0049】
また、図4(a)に示すように、中方立26と開口部2の袖壁側の内側面4との間に袖壁下地43を形成する。また、図4(b)に示すように、袖壁下地43の後面44に、袖壁パネル47を固定する。
また、図4(b)に示すように、各額縁状部材30,30,30の他片部32,32,32を、各縦枠20,23の各凹所21,22,25に嵌め入れ、それぞれの一片部31,31,31を壁下地面5,5,5に固定する。また、中方立用額縁状部材33の他片部35を、中方立26の凹所27に嵌め入れ、その一片部34を袖壁下地43の前面45に固定する。
次いで、図4(c)に示すように、壁下地面5,5,5のそれぞれに、各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31と表面略面一状となるように壁パネル46,46,46を固定する。また、袖壁下地43の前面45に、中方立用額縁状部材33の一片部34と表面略面一状となるように袖壁パネル48を固定する。
【0050】
次いで、図5(a)に示すように、両側の桟材40,40に、上レール14に応じた隙間42を隔てるように天井パネル41,41をそれぞれ固定する。この際、これら天井パネル41,41を、各縦枠20,23及び中方立26並びに各額縁状部材30,30,30及び中方立用額縁状部材33、さらには壁パネル46,46,46及び袖壁パネル47,48の表面形状に応じた形状となるように加工し、固定するようにしてもよい。また、上レール14の見込み方向袖壁側(手前側)に設けられる天井パネル41は、出入開口8側の部位と袖壁側の部位とに分割されたものとしてもよい。例えば、上レール14と袖壁との間には、幅狭のスペーサー状の他の天井パネルを固定する態様としてもよい。この場合は、適宜、必要に応じて上枠10の下面側に厚さ調整のスペーサー等を設け、このスペーサーに対して他の天井パネルを固定するようにしてもよい。また、この場合は、この他の天井パネルによって隙間42の一部を形成するようにしてもよい。
【0051】
また、図5(b)に示すように、上レール14を、その下面を天井パネル41,41間の隙間42から露出させるように上枠10に固定する。
また、図1及び図2(b)に示すように、各額縁状部材30,30,30及び壁パネル46,46,46の表面に一連に化粧シート49,49,49をそれぞれ貼着する。また、中方立用額縁状部材33及び前面側の袖壁パネル48の表面に一連に化粧シート49を貼着する。また、後面側の袖壁パネル47の表面に化粧シート49を貼着する。
【0052】
上記のようにして、開口部2の戸尻側には、引戸36のスライドスペースの手前側に位置するように袖壁が形成され、開口部2の戸先側には、引戸36によって開閉される出入開口8が形成された開口構造が構成される。
そして、適宜、引戸36を、引戸用枠1に建て付ける(吊り下げる)ことで、袖壁納めの引戸構造が構成される。
なお、上記施工手順は一例に過ぎず、各部材の機能を阻害しない限りにおいて別手順で行うようにしてもよい。
【0053】
本実施形態に係る開口構造は、上述のような構成としたことで、また、本実施形態に係る開口施工方法によれば、出入開口8の見栄えを向上させながらも施工性を向上させることができる。
つまり、上枠10の長手方向両端に両側の縦枠20,23がそれぞれ接合されて三方枠状に枠組みされ、開口部2内に嵌め込み固定された建具用枠(引戸用枠)1の上枠10に上レール14を固定した構造としている。従って、上枠10の水平や建具厚方向の位置決めを、長手方向両側に接合された両側の縦枠20,23によって行い易くなる。このように位置決めされた上枠10に対して上レール14を固定することができるので、上レール14の水平や建具厚方向の位置決めも容易に行え、施工性を向上させることができる。
【0054】
また、この上枠10の見込み方向両側に沿うように、かつ開口部2の幅方向に架け渡すように天井パネル下地用の桟材40,40をそれぞれ固定した構造としている。また、これら両側の桟材40,40に固定された天井パネル41,41の隙間42から下面を露出させるように上レール14を上枠10に固定した構造としている。従って、上枠10が天井パネル41,41によって覆われて露出せず、上レール14が天井パネル41,41の隙間42に配置されることとなり、上レール14も目立ち難くすることができ、見栄えを向上させることができる。また、上レール14近傍の天井パネル41,41の端部を、上枠10の見込み方向両側の桟材40,40に固定することができるので、これら天井パネル41,41の浮きや起伏等を抑制することができ、見栄えを向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、上レール14の上側部位を上枠10の下面側に長手方向に沿って設けられた凹溝13に嵌め込んだ構造としている。従って、上レール14を上枠10に固定する際における位置決めをより容易に行え、施工性をより向上させることができる。また、上レール14の上側部位が上枠10の凹溝13に嵌め込まれているので、上レール14の厚さ寸法を効率的に大きくしながらも、天井パネル41,41から下方側への上レール14の突出量を低減させることができる。つまり、本実施形態のように、上レール14が天井パネル41,41の下面から僅かに突出した構造とすることができ、見栄えをより向上させることができる。また、上レール14の厚さ寸法を効率的に大きくすることができるので、上レール14に対する引戸36の上端部(ランナー部材)37の係り代を大きくすることができる。つまりは、ランナー部材37のローラーを比較的に大きくすることもでき、引戸36の上端部を安定的に保持させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、両側の縦枠20,23の各凹所21,22,25に、各額縁状部材30,30,30の他片部32,32,32を嵌め込み、各額縁状部材30,30,30の一片部31,31,31と壁パネル46,46,46とを表面略面一状に壁下地面5,5,5に固定した構造としている。また、これら額縁状部材30,30,30及び壁パネル46,46,46の表面に一連に化粧シート49,49,49を貼着した構造としている。従って、これら額縁状部材30,30,30が設けられた側の各縦枠20,23の見込み方向端部側がすっきりとした印象となり、見栄えを向上させることができる。つまり、従来の固定枠やケーシング枠のように、壁面から縦枠やケーシング額縁が突出せず、また、各縦枠20,23の見付け面が目立ち難くなり、これら縦枠部分の開口縁の見栄えを向上させることができる。
また、各額縁状部材30,30,30を横断面略L字状としている。従って、それぞれの他片部32,32,32を各縦枠20,23の凹所21,22,25に嵌め込み、それぞれの一片部31,31,31を壁下地面5,5,5に当接させることで、各額縁状部材30,30,30を容易に施工することができ、施工性を向上させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、中方立26の反引戸対面側の凹所27に、中方立用額縁状部材33の他片部35を嵌め込み、中方立用額縁状部材33の一片部34と前面側の袖壁パネル48とを表面略面一状に袖壁下地43の前面45に固定した構造としている。また、これら中方立用額縁状部材33及び袖壁パネル48の表面に一連に化粧シート49を貼着した構造としている。従って、中方立26の反引戸対面側の見込み方向端部側が、上記同様、すっきりとした印象となり、見栄えを向上させることができる。また、上記同様、施工性を向上させることができる。
つまり、本実施形態では、各縦枠20,23及び中方立26並びに上レール14を目立ち難くすることができ、引戸36が天井面6近傍に至る上下寸法とされていることとも相俟って、すっきりとした印象を与えることができ、見栄えをより向上させることができる。
【0058】
また、各額縁状部材30,30,30や中方立用額縁状部材33の他片部32,32,32,35の幅寸法を、上述のように予め大きい寸法としておいたり、異なる壁厚に対応させて他片部32,32,32,35の幅寸法を異ならせたりすることで、汎用性を向上させることができる。つまり、壁厚が異なるような場合にも各縦枠20,23や中方立26は共通のものを利用でき、汎用性を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、一枚の引戸36を袖壁納めとした開口構造を例示しているが、このような態様に限られない。例えば、複数枚の引戸を納める袖壁を設けた開口構造としてもよい。この場合は、上枠10や上レール14、各縦枠20,23等を適宜、必要に応じて変形するようにすればよい。
または、複数枚の引戸を引き分け状に納める袖壁を開口部2の両側のそれぞれに設けた構造としてもよい。この場合は、上記同様、上枠10や上レール14、各縦枠20,23等を適宜、必要に応じて変形するようにすればよい。また、この場合には、上記した戸尻側縦枠23を、戸先側縦枠20に代えて、開口部2の両側に設けたような構造としてもよい。さらには、一枚若しくは複数枚の引戸36を戸袋納めとした開口構造としてもよい。この場合は、戸袋口を形成する見込み方向両側の中方立のそれぞれの見込み方向反引戸対面側の端部側に上記同様の中方立用額縁状部材を設け、これらの一片部に戸袋を構成する壁パネルを表面略面一状に設け、上記同様に化粧シートを貼着した構造としてもよい。また、この場合は、両中方立の戸袋口側の端部に、隙間遮蔽部材やその取付溝等を設けないようにしてもよい。
【0060】
また、このような中方立を設けて建具を袖壁納めや戸袋納めとした態様に代えて、出入開口8の両側を、両側の縦枠20,23によって区画する開口構造としてもよい。この場合は、例えば、建具を、複数枚の戸板を折り畳み自在に連結した折戸や、引き違い状に配設される複数枚の引戸等としてもよい。また、この場合は、上記した戸先側縦枠20を、戸尻側縦枠23に代えて、開口部2の両側に設けたような構造としてもよい。また、この場合は、これら両側の縦枠の見込み方向両側の端部側のそれぞれに額縁状部材を設けた構造としてもよい。または、クローゼット等の収納部の開口構造の場合には、両側の縦枠の見込み方向収納側の端部側には額縁状部材を設けずに、居室側の端部側のそれぞれに額縁状部材を設けた構造としてもよい。つまりは、少なくとも一方の縦枠の少なくとも一方の見込み方向端部に設けられた凹所に、額縁状部材の他片部を嵌め込み、この額縁状部材の一片部と壁パネルとを表面略面一状に壁下地面に固定した構造としてもよい。また、これら額縁状部材及び壁パネルの表面に一連に化粧シートを貼着した構造としてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、それぞれの一片部31,31,31,34を壁パネル46,46,46,48と表面略面一状とした額縁状部材30,30,30,33を設けた構造とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、上記した各縦枠20,23や中方立26を、従来同様のケーシング枠状のものや固定枠状のものとしてもよい。このような場合にも、出入開口8の上側の見栄えを向上させることができる。
また、本実施形態では、上枠10の下面側に凹溝13を設け、この凹溝13に、上レール14の上側部位を嵌め込んだ構造とした例を示しているが、このような態様に限られない。上枠10の下面側に凹溝13を設けずに、上枠10の下面に上レール14の上板部15を当接させ、固定する態様としてもよい。このような場合にも、上記のように、上枠10は、両側の縦枠20,23によって位置決めが容易になされるので、この上枠10に対して上レール14を比較的に容易に位置決めすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、建具(引戸)36を、上レール14に吊下支持させる構造とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、建具(引戸)36の下端に床上や下レール上を走行する戸車やキャスター等の転動体を設けた下荷重構造としてもよい。この場合は、建具(引戸)36の上端部に上記のようなランナー部材37に代えて、上レール14にガイドされるピン状のガイド部等を設けた構造としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 引戸用枠(建具用枠)
2 開口部
4 内側面
5 壁下地面
8 出入開口
10 上枠
13 凹溝
14 上レール
20 戸先側縦枠(縦枠)
21 前側凹所(凹所)
22 後側凹所(凹所)
23 戸尻側縦枠(縦枠)
25 後側凹所(凹所)
26 中方立
27 前側凹所(凹所)
30 額縁状部材
31 一片部
32 他片部
33 中方立用額縁状部材
34 一片部
35 他片部
36 引戸(建具)
37 ランナー部材(上端部)
40 桟材
41 天井パネル
42 隙間
43 袖壁下地
45 前面(反引戸納め側の袖壁下地面)
46 壁パネル
48 袖壁パネル
49 化粧シート
図1
図2
図3
図4
図5