特許第6052585号(P6052585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052585
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】誘導加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   H05B6/12 312
   H05B6/12 324
   H05B6/12 335
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-185189(P2012-185189)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-44809(P2014-44809A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】富田 英夫
(72)【発明者】
【氏名】片岡 章
(72)【発明者】
【氏名】北泉 武
(72)【発明者】
【氏名】藤濤 知也
(72)【発明者】
【氏名】永田 隆二
(72)【発明者】
【氏名】相原 勝行
(72)【発明者】
【氏名】志智 一義
(72)【発明者】
【氏名】田中 弘之
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−527294(JP,A)
【文献】 特開2011−060476(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/113235(WO,A1)
【文献】 特開2006−173040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの直下に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する多数の加熱コイルユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの周りに配置され、前記トッププレートを通して目視可能に発光する発光表示ユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの上方に被加熱物が載置されたことを検出する被加熱物検出部と、
前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記加熱コイルユニットのそれぞれの動作状態および前記発光表示ユニットのそれぞれの発光状態を制御する加熱制御部と、を備え、
前記加熱コイルユニットは、前記トッププレートの直下において平面的な縦横の列に並んで配設され、当該加熱コイルユニットを前記トッププレートの裏面側に押圧する付勢部を備え、
前記発光表示ユニットのそれぞれは、並設された少なくとも前記加熱コイルユニットにより囲まれた空間内に配置された発光表示ケースと、前記発光表示ケース内に設けられた発光源となる発光素子と、を備え、
前記加熱制御部は、前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱すべき加熱コイルユニットを特定し、特定された当該加熱コイルユニットの周りに配置された発光表示ユニットの少なくとも一部を発光させて加熱領域を表示するよう構成され、
前記発光表示ケースの外面が前記加熱コイルユニットに接するように配置され、前記付勢部による前記加熱コイルユニットの振動方向を所定方向に規制するよう構成された誘導加熱装置。
【請求項2】
前記発光表示ユニットは、前記加熱コイルユニットの周りにおいて点状に発光するよう構成され、前記発光表示ユニットの点状発光により囲まれた領域を加熱領域とするよう構成された請求項1に記載の誘導加熱装置。
【請求項3】
前記加熱制御部は、前記トッププレートに被加熱物が載置されたとき、前記発光表示ユニットが少なくとも四角形の枠体の頂点の位置で加熱領域を発光表示するよう構成された請求項2に記載の誘導加熱装置。
【請求項4】
前記発光表示ユニットのそれぞれは、前記発光表示ケースにおける前記トッププレートに対向する上面に設けられ、前記発光素子からの光が前記発光表示ケース内の壁面に反射した後に照射して点状に光る発光領域を有するメンブレムシートを備えた請求項3に記載の誘導加熱装置。
【請求項5】
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの直下に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する多数の加熱コイルユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの周りに配置され、前記トッププレートを通して目視可能に発光する発光表示ユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの上方に被加熱物が載置されたことを検出する被加熱物検出部と、
前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記加熱コイルユニットのそれぞれの動作状態および前記発光表示ユニットのそれぞれの発光状態を制御する加熱制御部と、を備え、
前記加熱コイルユニットは、前記トッププレートの直下において平面的な縦横の列に並んで配設され、当該加熱コイルユニットを前記トッププレートの裏面側に押圧する付勢部を備え、
前記発光表示ユニットのそれぞれは、並設された少なくとも前記加熱コイルユニットにより囲まれた空間内に配置された発光表示ケースと、前記発光表示ケース内に設けられた発光源となる発光素子と、隣接する前記発光表示ケースの間を繋ぐように設けられ、前記トッププレートに対向する上面が前記発光素子からの光により発光する導光ユニットと、を備え、
前記加熱制御部は、前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱すべき加熱コイルユニットを特定し、特定された当該加熱コイルユニットの周りに配置された発光表示ユニットの少なくとも一部を発光させて加熱領域を表示するよう構成され、
前記導光ユニットの外面が前記加熱コイルユニットに接するように配置され、前記付勢部による前記加熱コイルユニットの振動方向を所定方向に規制するよう構成された誘導加熱装置。
【請求項6】
前記発光表示ユニットは、前記加熱コイルユニットの周りにおいて線状に発光するよう構成された請求項1または5に記載の誘導加熱装置。
【請求項7】
前記加熱制御部は、前記トッププレートに被加熱物が載置されたとき、前記発光表示ユニットが少なくとも四角形の枠体の位置で加熱領域を発光表示するよう構成された請求項6に記載の誘導加熱装置。
【請求項8】
前記加熱制御部は、前記トッププレート上に載置された被加熱物の温度に応じて、前記加熱領域を示す前記発光表示ユニットの発光状態を制御するよう構成された請求項1乃至7のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トッププレート上に載置された金属製の調理用鍋などの被加熱物を誘導加熱する誘導加熱装置に関し、特にトッププレートの直下に多数の加熱コイルを有するマルチコイル構成を持つ誘導加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱装置として一般的に用いられている誘導加熱調理器においては、例えば1つ又は2つの加熱コイルがトッププレートの直下に配設されており、当該加熱コイルによりトッププレート上に載置された被加熱物である金属製の調理用鍋などを誘導加熱するよう構成されている。
【0003】
また、誘導加熱調理器においては、トッププレートの直下に多数の加熱コイルを配設したマルチコイル構成が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に開示された加熱調理器は、トッププレートの下に敷き詰められた多数の加熱コイルが近接して配置されており、調理用鍋などの被加熱物をトッププレートのいずれの位置に載置しても誘導加熱可能な構成を有している。
【0004】
さらに、多数の加熱コイルにより被加熱物である調理用鍋を加熱するマルチコイル構成としては、例えば、特表2008−527294号公報(特許文献2)に開示された加熱調理器がある。特許文献2に開示された加熱調理器は、トッププレートの下に比較的に小さな六角形構造の加熱ユニットを敷き詰めるように配設して、トッププレート上に載置された調理用鍋を複数の加熱ユニットにより加熱調理する構成である。特許文献2に開示された加熱調理器における加熱ユニットとしては、輻射加熱器および誘導加熱器の2種類の加熱ユニットが混在して用いられており、それぞれの加熱ユニットの外縁に沿ってハニカム形状(六角形状)に照明セグメントが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】スペイン特許出願公開第2366511号明細書
【特許文献2】特表2008−527294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように特許文献1に開示された加熱調理器においては、被加熱物をトッププレートのいずれの位置に載置しても誘導加熱可能な構成を有しているが、使用者にとっては加熱コイルが設けられている位置が不明であるため、トッププレートに載置された調理用鍋などの被加熱物が確実に加熱されているか否かが不安であるという課題を有していた。
【0007】
また、特許文献2に開示された加熱調理器においては、被加熱物である調理用鍋がトッププレート上に載置されたとき、当該調理用鍋の鍋底により覆われた加熱ユニットの外縁に沿って照明セグメントが起動される構成である。しかしながら、特許文献2に開示された加熱調理器においては、当該調理用鍋の鍋底により覆われたハニカム形状の加熱ユニットの照明セグメントのみが起動するため、使用者においては、当該調理用鍋の鍋底や、ハンドルや、蓋などにより遮られて、起動している照明セグメントを容易に確認できる構成ではなく、視認性において問題があった。したがって、特許文献2に開示された加熱調理器では、使用者が調理動作において加熱領域の確認を容易に行うことができず、使用者にとっては使い勝手が悪いという課題を有していた。
【0008】
本開示は、トッププレートの下に多数の加熱コイルが配設されたマルチコイル構成において、使用者にとって使い勝手の良い誘導加熱装置を提供することを目的とするものであり、トッププレート上における加熱領域を使用者に対して明確に表示して、使いやすく、高い信頼性を有する誘導加熱装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示における誘導加熱装置は、
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの直下に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する多数の加熱コイルユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの周りに配置され、前記トッププレートを通して目視可能に発光する発光表示ユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの上方に被加熱物が載置されたことを検出する被加熱物検出部と、
前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記加熱コイルユニットのそれぞれの動作状態および前記発光表示ユニットのそれぞれの発光状態を制御する加熱制御部と、を備え、
前記加熱コイルユニットは、前記トッププレートの直下において平面的な縦横の列に並んで配設され、当該加熱コイルユニットを前記トッププレートの裏面側に押圧する付勢部を備え、
前記発光表示ユニットのそれぞれは、並設された少なくとも前記加熱コイルユニットにより囲まれた空間内に配置された発光表示ケースと、前記発光表示ケース内に設けられた発光源となる発光素子と、を備え、
前記加熱制御部は、前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱すべき加熱コイルユニットを特定し、特定された当該加熱コイルユニットの周りに配置された発光表示ユニットの少なくとも一部を発光させて、使用者が被加熱物に遮られることなく加熱領域を確認できるように構成されていると共に、前記発光表示ケースの外面が前記加熱コイルユニットに接するように配置され、前記付勢部による前記加熱コイルユニットの振動方向を所定方向に規制するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示における誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域を明確に表示して、使いやすく、高い信頼性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器においてトッププレートを取り除いた状態を示す平面図
図2】実施の形態1の誘導加熱調理器におけるトッププレートを示す平面図
図3】実施の形態1の誘導加熱調理器において、並設された加熱コイルユニットおよび発光表示ユニットを拡大して示す斜視図
図4図1に示した誘導加熱調理器におけるIV−IV線による部分的な断面図
図5図1に示した誘導加熱調理器におけるV−V線による部分的な断面図
図6】実施の形態1の誘導加熱調理器における発光表示ユニットの表示機能を構成する要素を示すブロック図
図7】実施の形態1の誘導加熱調理器において、被加熱物がトッププレートに載置されたときの発光表示ユニットの発光状態を示す平面図
図8】本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器におけるトッププレートの直下に設けられている多数の加熱コイルユニットおよび発光表示ユニットなどを示す平面図
図9】実施の形態2の誘導加熱調理器におけるトッププレートを示す平面図
図10】実施の形態2の誘導加熱調理器において、並設された加熱コイルユニットおよび発光表示ユニットを拡大して示す斜視図
図11図8に示した誘導加熱調理器におけるXI−XI線による部分的な断面図
図12図8に示した誘導加熱調理器におけるXII-XII線による部分的な断面図
図13】実施の形態2の誘導加熱調理器における導光ユニットを示す斜視図
図14】実施の形態2の誘導加熱調理器において、被加熱物がトッププレートに載置されたときの発光表示ユニットの発光状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示に係る第1の態様の誘導加熱装置は、
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの直下に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する多数の加熱コイルユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの周りに配置され、前記トッププレートを通して目視可能に発光する発光表示ユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの上方に被加熱物が載置されたことを検出する被加熱物検出部と、
前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記加熱コイルユニットのそれぞれの動作状態および前記発光表示ユニットのそれぞれの発光状態を制御する加熱制御部と、を備え、
前記加熱コイルユニットは、前記トッププレートの直下において平面的な縦横の列に並んで配設され、当該加熱コイルユニットを前記トッププレートの裏面側に押圧する付勢部を備え、
前記発光表示ユニットのそれぞれは、並設された少なくとも前記加熱コイルユニットにより囲まれた空間内に配置された発光表示ケースと、前記発光表示ケース内に設けられた発光源となる発光素子と、を備え、
前記加熱制御部は、前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱すべき加熱コイルユニットを特定し、特定された当該加熱コイルユニットの周りに配置された発光表示ユニットの少なくとも一部を発光させて加熱領域を表示するよう構成され、
前記発光表示ケースの外面が前記加熱コイルユニットに接するように配置され、前記付勢部による前記加熱コイルユニットの振動方向を所定方向に規制するよう構成されている。このように構成された第1の態様の誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域が明確に表示されて、被加熱物により加熱領域の全てが遮られることがなく、加熱動作時において加熱領域を確実に確認することができ、使いやすく、信頼性の高い加熱装置となる。また、このように構成された第1の態様の誘導加熱装置は、例えば搬送時において振動状態が発生しても、加熱コイルユニットが揺動(横揺れ)することなく所定方向の振動に規制されているため、加熱装置として高い信頼性および安全性を保持した構成となる。
【0013】
本開示に係る第2の態様の誘導加熱装置は、前記の第1の態様における前記発光表示ユニットが、前記加熱コイルユニットの周りにおいて点状に発光するよう構成され、前記発光表示ユニットの点状発光により囲まれた領域を加熱領域とするよう構成されている。このように構成された第2の態様の誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域が複数の点状発光により表示されるため、いくつかの発光表示ユニットの点状発光が被加熱物に遮られても使用者が加熱領域を容易に確認することができ、使い勝手の良い加熱装置となる。
【0014】
本開示に係る第3の態様の誘導加熱装置は、前記の第2の態様における前記加熱制御部が、前記トッププレートに被加熱物が載置されたとき、前記発光表示ユニットが少なくとも四角形の枠体の頂点の位置で加熱領域を発光表示するよう構成されている。このように構成された第3の態様の誘導加熱装置は、使用者が被加熱物、例えば一般的な円筒形状の調理用鍋などのハンドルや蓋などに遮られることなく四角形の加熱領域(4個の発光表示ユニットの点状発光)を容易に確認でき、使い勝手の良い加熱装置となる。
【0015】
本開示に係る第4の態様の誘導加熱装置は、前記の第3の態様における前記発光表示ユニットのそれぞれが、前記発光表示ケースにおける前記トッププレートに対向する上面に設けられ、前記発光素子からの光が前記発光表示ケース内の壁面に反射した後に照射して点状に光る発光領域を有するメンブレムシート、を備えている。このように構成された第4の態様の誘導加熱装置においては、トッププレート上において加熱領域が実質的に四角い枠体の頂点の位置で、メンブレムシートの発光領域全体で発光するため、使用者が被加熱物に遮られることなく加熱領域を容易に、且つ明確に認識することができ、使い勝手の良い加熱装置となる。
【0016】
本開示に係る第5の態様の誘導加熱装置は、
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの直下に設けられ、前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する多数の加熱コイルユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの周りに配置され、前記トッププレートを通して目視可能に発光する発光表示ユニットと、
前記加熱コイルユニットのそれぞれの上方に被加熱物が載置されたことを検出する被加熱物検出部と、
前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記加熱コイルユニットのそれぞれの動作状態および前記発光表示ユニットのそれぞれの発光状態を制御する加熱制御部と、を備え、
前記加熱コイルユニットは、前記トッププレートの直下において平面的な縦横の列に並んで配設され、当該加熱コイルユニットを前記トッププレートの裏面側に押圧する付勢部を備え、
前記発光表示ユニットのそれぞれは、並設された少なくとも前記加熱コイルユニットにより囲まれた空間内に配置された発光表示ケースと、前記発光表示ケース内に設けられた発光源となる発光素子と、隣接する前記発光表示ケースの間を繋ぐように設けられ、前記トッププレートに対向する上面が前記発光素子からの光により発光する導光ユニットと、を備え、
前記加熱制御部は、前記被加熱物検出部による検出結果に基づいて、前記トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱すべき加熱コイルユニットを特定し、特定された当該加熱コイルユニットの周りに配置された発光表示ユニットの少なくとも一部を発光させて加熱領域を表示するよう構成され、
前記導光ユニットの外面が前記加熱コイルユニットに接するように配置され、前記付勢部による前記加熱コイルユニットの振動方向を所定方向に規制するよう構成されている。このように構成された第5の態様の誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域が明確に表示されて、被加熱物により加熱領域の全てが遮られることがなく、加熱動作時において加熱領域を確実に確認することができ、使いやすく、信頼性の高い加熱装置となる。また、第5の態様の誘導加熱装置は、加熱領域を容易に、且つ明確に認識することができる使い勝手の良い加熱装置となるとともに、加熱コイルユニットの周りの空間を有効に利用することができる構成となる。さらに、このように構成された第5の態様の誘導加熱装置は、例えば搬送時において振動状態が発生しても、加熱コイルユニットが揺動(横揺れ)することなく所定方向の振動に規制されているため、加熱装置として高い信頼性および安全性を保持した構成となる。
【0017】
本開示に係る第6の態様の誘導加熱装置は、前記の第1または第5の態様における前記発光表示ユニットが、前記加熱コイルユニットの周りにおいて線状に発光するよう構成され、線状発光により囲まれた領域を加熱領域とするよう構成されている。このように構成された第6の態様の誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域のほぼ全ての周りで線状の枠体で発光して表示されるため、発光表示ユニットの線状発光の一部分が被加熱物に遮られても使用者が加熱領域を容易に確認することができ、使い勝手の良い加熱装置となる。
【0018】
本開示に係る第7の態様の誘導加熱装置は、前記の第6の態様において、前記加熱制御部が、前記トッププレートに被加熱物が載置されたとき、前記発光表示ユニットが少なくとも四角形の枠体の位置で加熱領域を発光表示するよう構成されている。このように構成された第7の態様の誘導加熱装置は、トッププレート上において加熱領域が実質的に四角い枠体状に発光するため、使用者が被加熱物、例えば調理用鍋などのハンドルや蓋などに遮られることなく四角形の加熱領域を容易に確認でき、使い勝手の良い加熱装置となる。
【0021】
本開示に係る第8の態様の誘導加熱装置は、前記の第1乃至第7の態様における前記加熱制御部が、前記トッププレート上に載置された被加熱物の温度に応じて、前記加熱領域を示す前記発光表示ユニットの発光状態を制御するよう構成されている。このように構成された第8の態様の誘導加熱装置は、被加熱物が載置された加熱領域の状態を使用者が容易に、且つ確実に認識することができるとともに、加熱領域の加熱状態を使用者が容易に認識できる構成となる。
【0022】
以下、本開示に係る誘導加熱装置の一実施の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。例えば、既に良く知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0023】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0024】
以下の実施の形態の誘導加熱装置においては誘導加熱調理器について説明するが、この構成は例示であり、本発明は、以下の実施の形態において説明する構成に限定されるものではなく、本開示の技術的特徴を有する誘導加熱装置を含むものである。また、本発明には、以下に述べる各実施の形態において説明する任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置である誘導加熱調理器において、調理用鍋などの被加熱物が載置されるトッププレートを取り除いた状態を示す平面図である。図1に示すように、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、本体筐体1の上部開口部分を覆うトッププレートの直下には多数の加熱コイルユニット2および発光表示ユニット3などにより構成されたマルチコイル構成の各種部材が設けられている。
【0026】
図1に示すように、本体筐体1の内部には、加熱コイルユニット2が平面的な縦横の列に並んで配設されており、実施の形態1の誘導加熱調理器の例においては、縦列に5個、横列に9個が並設されており、45個の加熱コイルユニット2が設けられている。したがって、トッププレートにおいては、多数の加熱コイルユニット2が並設された領域の直上が加熱可能領域となり、この加熱可能領域内に複数の被加熱物を載置したとしても、誘導加熱可能となる。
【0027】
また、トッププレートにおいて、加熱コイルユニット2が配設された加熱可能領域以外の領域には操作表示部5が配設されており、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、使用者側である前面側で中央の領域に操作表示部5が設けられている。操作表示部5は、液晶表示部にタッチパネルを重ねて構成したものであり、当該誘導加熱調理器が起動されたとき、操作表示部5における操作ボタンが表示されると共に、操作内容や動作内容が発光して表示される構成である。
【0028】
図2は、実施の形態1の誘導加熱調理器におけるトッププレート6を示す平面図である。図3は、実施の形態1の誘導加熱調理器において、並設された加熱コイルユニット2および発光表示ユニット3を拡大して示す斜視図であり、トッププレートにおける加熱可能領域直下の状態を示している。図4図1に示した誘導加熱調理器におけるIV−IV線による部分的な断面図であり、図5図1に示した誘導加熱調理器におけるV−V線による部分的な断面図である。図4および図5においては、1つの加熱コイルユニット2とその両側に配置された発光表示ユニット3の構成を断面で示している。
【0029】
実施の形態1の誘導加熱調理器におけるトッププレート6は、例えば透明の結晶化ガラスを用いており、加熱コイルユニット2に対向する面(トッププレート6の裏面)には黒色の着色膜16が印刷されている。この着色膜16は光を透す黒色の光透過膜16aと、光を遮光する黒色の遮光膜16bとの二重構造になっている。トッププレート6の裏面においては、操作表示部5以外の全面に光透過膜16aが印刷されており、その上から遮光膜16bが所定の領域、例えば後述する操作表示部5、発光表示ユニット3、光センサ15に対向する面以外の所定の領域に印刷されている。したがって、使用者が外部からトッププレート6を通して本体筐体1内の加熱コイルユニット2などの部材が見えないよう構成されている。また、着色膜16と加熱コイルユニット2との間には加熱コイルユニット2からの熱を遮断することを目的として、例えばマイカ材で構成された断熱材17が配置されている。なお、トッププレート6の裏面において、加熱コイルユニット2に対向する領域に断熱材17が設けられているが、発光表示ユニット3に対向する領域や、加熱コイルユニット2の中央部分に対向する領域には断熱材17は設けられていない。また、実施の形態1の誘導加熱調理器において、断熱材17は各加熱コイルユニット2に固定されており、組み立て時において、それぞれの加熱コイルユニット2と断熱材17は一体化されて、筐体本体1内に組み込まれる構成である。
【0030】
〈加熱コイルユニットの構成〉
実施の形態1の誘導加熱調理器における各加熱コイルユニット2は、トッププレート6上に載置された調理用鍋などの被加熱物を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイル13の他に、集磁部材としてのフェライト(図示なし)や、断熱部材としてのマイカ板(図示なし)を有しており、加熱コイル13の一部とフェライトとマイカ板が加熱コイルケース14内に収納されている。加熱コイルケース14の裏面側と本体ベース19との間には、付勢手段として付勢部、例えば、圧縮コイルばね11が配設されており、この圧縮コイルばね11の押圧力により加熱コイルケース14がトッププレート6に常時押圧される構成である。この結果、加熱コイル13の表面(トッププレート側の上面)は、断熱材17および着色膜16を介して、常時トッププレート6に確実に密着した状態である。
【0031】
図5に示すように、それぞれの加熱コイルユニット2には、光センサ15が設けられており、当該加熱コイルユニット2上のトッププレート6に載置された被加熱物の温度を検知する構成である。被加熱物温度検出部である赤外線を用いた光センサ15は、加熱コイル13の中央にある開口部に検知窓が配置された光センサ保持部20に固定されており、加熱コイル13の中央直下に配置されている。したがって、加熱コイル13の中央部分に対向するトッププレート6には、光透過膜16aが設けられており、断熱材17が設けられていないため、トッププレート6上に載置された被加熱物の温度を高精度に検出する構成である。
【0032】
〈発光表示ユニットの構成〉
発光表示ユニット3は、各加熱コイルユニット2の周りにおける四方の位置に配置されており、トッププレートを通して目視可能に実質的に点状に発光するよう構成されている。発光表示ユニット3は、平面的な縦横に列状に並設された加熱コイルユニット2により挟まれた空間内に配設されており、加熱コイルユニット2における加熱コイルケース14の外周面に接するように配置されている。即ち、発光表示ユニット3は、縦横に列状に並設された加熱コイルユニット2を取り囲むように構成される略正方形である四角形の格子形状の枠体の頂点の位置に配置されている。
【0033】
実施の形態1の誘導加熱装置においては、加熱コイルユニット2は実質的な平面視形状が円形であり、これらの加熱コイルユニット2を平面的な縦横の列に並んで敷き詰めるように設けられているため、例えば4つの加熱コイルユニット2により囲まれた領域には空き空間が形成されている。実施の形態1の誘導加熱装置においては、加熱ユニットコイル2の間に形成される空き空間に発光表示ユニット3を設けているため、装置内空間を効率高く利用しており、小型化および薄型化を図る上で重要な構成を有している。
【0034】
発光表示ユニット3は、発光源としての発光素子8、例えばLEDと、発光素子8を収納して発光素子8から出射された光を反射する内壁面を有する発光表示ケース9と、発光表示ケース9におけるトッププレート6との対向面に、十字形状の開口である十字形状開口部10を有するメンブレムシート12と、を備えている。メンブレムシート12は乳白色の光透過材で構成されており、このメンブレムシート12に十字形状開口部10を形成する膜体が印刷されている。発光素子8から出射された光が直接的に十字形状開口部10を照射しないよう、発光素子8は発光表示ケース9内に設けられている。即ち、発光表示ユニット3は、発光素子8からの光が発光表示ケース9の内壁面に反射した後に十字形状開口部10を照射するよう構成されている。このように構成することにより、発光素子8が発光したとき、メンブレムシート12の十字形状開口部10を通過した実質的に点状である十字形状に発光している光がトッププレート6を通して一様な光となり、十字形状開口部10が不均一に発光しないようにするためである。この結果、発光状態の発光表示ユニット3は複数の点状の発光により加熱領域を表示する構成であるため、実施の形態1の誘導加熱調理器はトッププレート6を通して加熱領域を確実に認識できる、高い視認性を有する加熱装置となる。なお、本開示において、点状に発光するとは、上記のように十字形状の開口からの光により実質的に点状に視認できるものを含むものであり、発光する開口形状としては十字形状に限定されるものではなく、丸、三角、四角などの実質的に点状に発光可能な各種形状を含むものである。
【0035】
なお、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、図4に示すように、発光素子8がトッププレート6の方向である上方へ発光するよう配置されているが、十字形状開口部10の直下に配置されていないため、発光素子8からの光は少なくとも十字形状開口部10以外のメンブレムシート12の裏面や、発光表示ケース9の内壁面に反射した後に十字形状開口部10を照射する構成となっている。メンブレムシート12および発光表示ケース9は、例えば白色系の樹脂材で形成されており、発光素子8からの光を反射可能な面を持つよう構成されている。また、1つの発光表示ケース9内には4つの発光素子8が設けられており、お互いが等間隔であり、且つメンブレムシート12からも等距離を有するよう配置されている。
【0036】
〈摺動案内部の構成〉
図5に示すように、発光表示ユニット3には加熱コイルユニット2に対向する位置に摺動案内部4が設けられている。摺動案内部4は、加熱コイルユニット2における加熱コイルケース14の外周面に摺動可能に配設されている。当該誘導加熱調理器の搬送時などにおいて、それぞれの加熱コイルユニット2が圧縮コイルばね11により振動状態となったとしても、それぞれの加熱コイルユニット2の振動方向を上下方向に規制し、それぞれの加熱コイルユニット2が揺動(横揺れ)することにより生じる接触や衝突などの故障の原因となる動きが確実に禁止されている。ここで上下方向とは、加熱コイルユニット2が押付けられている直上のトッププレート6の平面に対して直交する方向をいう。
【0037】
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、摺動案内部4は、長手方向が縦方向となるフィン形状であり、上下方向に延設された突起を3枚設けた構成である。したがって、摺動案内部4と加熱コイルケース14の外周面との摺動面は上下方向(振動方向)に長く延びた直線状であり、摺動案内部4の3枚のフィン構成は、加熱コイルケース14の外周面の曲面に対応するよう形成されている。
【0038】
上記のように、実施の形態1の誘導加熱装置においては、摺動案内部4が加熱コイルユニット2の方向に突出する複数のフィン形状を有しており、これらのフィン形状の突出端部が加熱コイルケースの外周面との摺動案内面となる。発光表示ケースの外面に形成されたフィン形状の摺動案内部4は、付勢部である圧縮コイルばね11によるトッププレート6に対する押圧方向と同じ方向に延設されている。このように構成された摺動案内部4が発光表示ユニット3に設けられているため、実施の形態1の誘導加熱装置は、振動した場合であっても、加熱コイルの揺動(横揺れ)を確実に防止することができ、加熱装置として高い信頼性および安全性を有している。
【0039】
なお、実施の形態1においては、摺動案内部4をフィン形状として、摺動面を直線状とする例で説明したが、本開示はこのような構成に限定されるものではなく、摺動面が加熱コイルケース14の外周面に対応する形状であればよく、加熱コイルユニット2の振動方向を規制して、揺動(横揺れ)を防止する構成であればよい。なお、実施の形態1の誘導加熱装置においては、摺動案内部4を発光表示ユニット3の側面に設けることにより、装置内部の空間を効率高く利用することができ、加熱コイルの揺動(横揺れ)防止とともに、小型化および薄型化を達成することができる構成となる。
【0040】
〈発光表示ユニットの発光動作〉
図6は、実施の形態1の誘導加熱調理器における発光表示ユニットの表示機能を構成する要素を示すブロック図である。図6において、使用者が操作表示部5における調理開始操作により、当該誘導加熱調理器が起動したとき、操作表示部5から加熱制御部22に起動信号が入力される。加熱制御部22は、起動信号が入力されたとき、トッププレート6の直下に設けられた発光表示ユニット3における最も外側にある発光表示ユニット3のみを発光させて、トッププレート6における加熱可能領域を表示する。
【0041】
また、加熱制御部22は、起動信号が入力されたとき、被加熱物検出部21に対して各加熱コイルユニット2において被加熱物が載置されたか否かを検出する検出動作を実行させる。この検出動作は、各加熱コイルユニット2における加熱コイル13に検出電流を流して、その検出電流の変化により、被加熱物の有無を検出するものである。
【0042】
被加熱物がトッププレート6における加熱可能領域上に載置されて、加熱コイルユニット2における実質的な上方の位置に配置されたとき、当該加熱コイルユニット2の検出電流に基づいて被加熱物検出部21は検出結果である検出信号を加熱制御部22に出力する。被加熱物検出部21がトッププレート6における加熱可能領域上に被加熱物が載置されたことを検出したとき、加熱制御部22は、該当する加熱コイルユニット2の周りにある発光表示ユニット3を発光させる。このとき、複数の加熱コイルユニット2において被加熱物を検出したときには、被加熱物を検出した加熱コイルユニット2により囲まれた発光表示ユニット3は発光しない構成としても良い。このように構成することにより、被加熱物を誘導加熱する加熱領域の外縁部分にある発光表示ユニット3のみが発光されて、加熱領域において被加熱物で覆われている発光表示ユニットの不要な点灯が防止される構成となる。
【0043】
上記のように、被加熱物検出部21が被加熱物を検出すると、加熱制御部22は、操作表示部5において、検出された被加熱物が載置された加熱領域に対応する加熱操作領域を表示する。使用者は、操作表示部5に表示された加熱操作領域を確認して、当該加熱操作領域に対して加熱開始の指令操作を行う。加熱開始の指令操作が実行されると、加熱領域における加熱コイルユニット2の加熱コイル13が実質的に起動して交番磁界を発生して、誘導加熱動作が開始される。誘導加熱動作を開始した加熱コイルユニット2を囲む加熱領域を示す発光表示ユニット3は、光量が増加されて、当該加熱領域が誘導加熱動作を行っていることを表示するよう構成しても良い。この場合、波長を変更して加熱領域を示す枠体の色を変えても良い。このように、加熱領域が誘導加熱動作を行っていることを発光表示ユニット3の発光状態を変更(制御)して表示することにより、使用者に対して確実に誘導加熱動作が実行されていることを示すことができる。
【0044】
図7は、実施の形態1の誘導加熱調理器において、2つの被加熱物7,7がトッププレート6の加熱可能領域に載置されたときの発光表示ユニット3の発光状態を示す平面図である。図7においては、トッププレート6が取り除かれた状態における発光表示ユニット3の発光状態を示しており、発光している十字形状開口部10aをハッチングで示している。
【0045】
図7に示すように、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、トッププレート6の加熱可能領域に被加熱物7が載置されたとき、被加熱物7を検出した加熱コイルユニット2の周りの発光表示ユニット3が発光する。このとき、被加熱物7が加熱コイルユニット2の一部を覆う状態であっても、当該加熱コイルユニット2において被加熱物7を検出して、その加熱コイルユニット2の周りの発光表示ユニット3が発光するよう構成されている。実施の形態1の誘導加熱調理器において、被加熱物7がトッププレート6の加熱可能領域に載置されたとき、略正方形である四角形の頂点の位置において実質的に点状である十字形状の発光によりトッププレート6を通して、加熱領域が使用者に知らされるため、被加熱物7におけるハンドルや蓋などにより邪魔されることなく、加熱領域を使用者が確実に認識され得る状態となる。
【0046】
なお、発光表示ユニット3においては、実質的に点状発光として四方に突出した形状である十字形状に発光する構成について説明した。このように十字形状に発光させることにより、十字形状の突出部分が加熱領域を示す境界を使用者に認識させる効果を奏する。例えば、十字形状に発光する発光表示ユニット3が加熱領域の角にある場合、十字形状において直角に折れ曲がるように配置される2つの突出部分が加熱領域の角を使用者に容易に視認させることができる。また、十字形状に発光する発光表示ユニット3が加熱領域の辺の中間にある場合には、直線状に延びる2つの突出部分が加熱領域の辺を示すことを使用者に容易に視認させることができる。このように、隣接する発光表示ユニット3が十字形状に発光して加熱領域の境界を表示することにより、使用者は、隣接する十字形状の発光状態により案内されて、加熱領域の境界を容易に把握することができる。
【0047】
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、被加熱物7を誘導加熱している加熱コイルユニット2の位置を使用者が容易に認識できる構成であるため、使用者は被加熱物7を加熱領域の中央となるように配置(センタリング動作)して、被加熱物7に対して効率の高い誘導加熱を行うことができる。
【0048】
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、加熱可能領域に被加熱物7が載置されて誘導加熱されるとき、被加熱物7の温度を検出するための被加熱物温度検出部である光センサ15が設けられている。このように、被加熱物温度検出部により被加熱物である調理用鍋の鍋底温度は、常時検出されており、その検出結果である検出信号は、加熱制御部22に入力されている。このため、加熱制御部22は、被加熱物7の検出温度に応じて加熱領域の光量および/または、波長(色)を変化させる構成としても良い。このように構成することにより、使用者に対して、被加熱物7に対する調理時の温度管理や、調理作業などを容易なものとすることができる。
【0049】
また、実施の形態1の誘導加熱装置である誘導加熱調理器においては、トッププレート6上に被加熱物7が載置されて、加熱領域が表示された後、当該被加熱物7に対する誘導加熱動作が開始される。実施の形態1においては、加熱領域が表示された後は加熱可能領域が表示されない構成で説明したが、加熱領域が表示された後も引き続き加熱可能領域を表示するよう構成しても良い。この場合、加熱領域が表示された後の加熱可能領域における発光表示ユニット3の発光状態を変えても良い。例えば、加熱領域が表示された後の加熱可能領域を表示するために、加熱領域が表示される前の加熱可能領域とは異なる光量、波長(色)および/または発光状態(例えば、点滅状態)で発光させても良い。
【0050】
上記のように構成された本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置では、トッププレート6上において、加熱可能領域および/または加熱領域を加熱コイルユニット2の周りに配設された発光表示ユニットを用いて点状発光表示する構成である。このため、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置は、トッププレート6の下に多数の加熱コイル13が配設されたマルチコイル構成において、使用者にとって使い勝手の良い加熱装置となり、トッププレート6上における加熱領域を使用者に対して被加熱物に遮られることなく、明確に表示して、使いやすく、高い信頼性を有する加熱装置を提供することができる。
【0051】
(実施の形態2)
以下、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の例示として誘導加熱調理器について説明する。実施の形態2の誘導加熱調理器において、前述の実施の形態1の誘導加熱調理器と異なる点は、トッププレートの直下に配置される発光表示ユニットの構成である。
【0052】
以下の実施の形態2の誘導加熱調理器の説明においては、実施の形態1の誘導加熱調理器における構成要素と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その詳細な説明は実施の形態1の説明を適用する。また、実施の形態2における基本的な動作は、前述の実施の形態1における動作と同様であるので、以下の実施の形態2の説明においては、実施の形態1と異なる点について主として説明する。
【0053】
図8は、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の例示である誘導加熱調理器におけるトッププレート6の直下に設けられている多数の加熱コイルユニット2および発光表示ユニット23などを示す平面図である。図9は、実施の形態2の誘導加熱調理器におけるトッププレートを示す平面図である。
【0054】
図8に示すように、実施の形態2の誘導加熱調理器においては、実施の形態1の構成と同様に、本体筐体1の内部には、多数の加熱コイルユニット2が平面的な縦横に列状に並んで配設されており、多数の加熱コイルユニット2が並設された領域の直上が加熱可能領域となり、被加熱物を載置することにより、誘導加熱可能となる。
【0055】
また、実施の形態2の誘導加熱調理器においては、各加熱コイルユニット2を取り囲むように格子状に構成された発光表示ユニット23が設けられている。即ち、発光表示ユニット23により構成された略正方形である四角形の枠体の中にそれぞれの加熱コイルユニット2が配置されている。
【0056】
上記のように、発光表示ユニット23は、多数の加熱コイルユニット2のそれぞれの周りに枠体状に配置されており、トッププレート6を通して目視可能に枠状に発光するよう構成されている。実施の形態2の誘導加熱調理器においては、加熱コイルユニット2が前述の実施の形態1における加熱コイルユニット2と同じ構成であり、発光表示ユニット23の構成が異なるため、発光表示ユニット23に関して詳細に説明する。
【0057】
図10は、実施の形態2の誘導加熱調理器において、並設された加熱コイルユニット2および発光表示ユニット23を拡大して示す斜視図であり、トッププレート6における加熱可能領域直下の状態を示している。図11図8におけるXI−XI線による部分的な断面図であり、加熱コイルユニット2の側面と接触している導光ユニット25と発光表示ケース24とを有する発光表示ユニット23を示している。図12図8におけるXII−XII線による部分的な断面図であり、加熱コイルユニット2の略中心で切断した断面図である。図11および図12においては、1つの加熱コイルユニット2とその両側に配置された発光表示ユニット23との構成を示している。
【0058】
〈発光表示ユニットの構成〉
発光表示ユニット23は、各加熱コイルユニット2の周りを取り囲むように枠体状に配置されており、トッププレート6を通して目視可能に格子状に発光するよう構成されている。発光表示ユニット23は、発光源として、例えばLEDで構成された発光素子8と、発光素子8を内蔵する発光表示ケース24と、発光素子8からの光が入射されて導光し、端面から光を出射して発光する導光部26を有する導光ユニット25と、を有している。
【0059】
図10に示すように、発光表示ユニット23の発光表示ケース24は、縦横に列状に並設された加熱コイルユニット2により挟まれた空間内に配設されており、発光表示ケース24から四方に導出する導光ユニット25は、加熱コイルユニット2における加熱コイルケース14の外周面に接するように配置されている。即ち、発光表示ユニット23は、縦横に並設された加熱コイルユニット2を取り囲むように配置されている。
【0060】
実施の形態2の誘導加熱調理器におけるトッププレート6は、例えば透明の結晶化ガラスを用いており、トッププレート6の裏面には黒色の着色膜16が印刷されている。この着色膜16は光を透す黒色の光透過膜16aと、光を遮光する黒色の遮光膜16cとの二重構造になっている。トッププレート6の裏面においては、操作表示部5以外の全面に透過膜16aが印刷されており、その上から遮光膜16cが所定の領域、例えば操作表示部5、発光表示ユニット23、光センサ15に対向する面以外の所定の領域に印刷されている。したがって、使用者が外部からトッププレート6を通して本体筐体1内の加熱コイルユニット2などの部材が見えないよう構成されている。
【0061】
図11に示すように、導光ユニット25は、光透過性を有する樹脂で形成された板状の導光部26と、導光部26の左右端を保持して隣接する発光表示ケース24間に吊設するための導光保持部27と、導光部26の下側を支持し、中央部分が下方に突出した凸部を有する導光支持部28と、導光部26と導光支持部28の両側面を覆うように設けられた摺動案内部29(図13参照)と、を備えている。
【0062】
図13は、実施の形態2における導光ユニット25を示す斜視図である。図13に示すように、導光部26におけるトッププレート6に対向する上面は被覆されておらず、発光素子8からの光が導光部26の上側端面である上面から放射される構成である。図13に示す導光ユニット25において、発光素子8は導光部26における両側に形成された段差部分の下側に配置されており、導光部26の両側から照射する構成である。この結果、導光部26の上面(トッププレート側の面)が両側の発光素子8から出射された光により略一様に線状に発光する。この結果、発光状態の発光表示ユニット23は、トッププレート6を通して高い視認性を有する構成となる。
【0063】
実施の形態2の誘導加熱調理器において、導光部26の上面以外の端面は光が漏れないように遮光体30により被覆されて。遮光体30は、光を遮断する機能を有するとともに、断熱機能を有し、且つ後述する摺動案内部29として用いられている。このため、遮光体30は滑りやすい表面を有する材料で構成されている。実施の形態2においては遮光体30としてはマイカ材を用いている。上記のように構成された導光ユニット25が、隣り合う加熱コイルユニット2の間に接するように配置されているため、加熱コイルユニット2間においては確実に断熱されている。
【0064】
〈摺動案内部の構成〉
図13に示すように、発光表示ユニット23における導光ユニット25には、加熱コイルユニット2に対向する位置に遮光体30としても用いられている摺動案内部29が設けられている。摺動案内部29は、マイカ板で形成されており、加熱コイルユニット2における加熱コイルケース14の外周面に摺動可能に配設されている。摺動案内部29においては、その中央部分に下側に突出する凸部18が形成されている。
【0065】
上記のように、実施の形態2の誘導加熱調理器においては、摺動案内部29における長手方向の中間部分に加熱コイルケース14の外周面が接触する構成であり、摺動案内部29における長手方向の中間部分に下側に突出する凸部18が形成されている。したがって、実施の形態2の誘導加熱調理器において、摺動案内部29と加熱コイルケース14とが接触している部分は、上下方向(トッププレートへの押圧方向)の長さが長くなるよう構成されている。このため、圧縮コイルばね11により加熱コイルユニット2が振動したとしても、加熱コイルケース14の外周面が摺動案内部29に対して外れることなく常時接触できる構成である。
【0066】
上記のように摺動案内部29が設けられているため、当該誘導加熱調理器の搬送時などにおいて、それぞれの加熱コイルユニット2が圧縮コイルばね11により振動状態となったとしても、それぞれの加熱コイルユニット2の振動方向を規制して、それぞれの加熱コイルユニット2が揺動することにより生じる接触や衝突などの故障の原因を確実に防止している。実施の形態2の誘導加熱調理器においては、摺動案内部29としてマイカ板を用いているため、隣接する加熱コイルユニット2における互いの熱を断熱する構成である。このため、加熱コイルユニット2間の配置間隔を短くすることが可能となり、小型化および効率化を図ることができ、信頼性の高い誘導加熱装置を構築することができる。さらに、実施の形態2の誘導加熱装置においては、摺動案内部29を発光表示ユニット23の導光ユニット25の側面に遮光体30と兼用して設けることにより、装置内部の空間を効率高く利用することができ、加熱コイルの揺動(横揺れ)防止とともに、小型化および薄型化を達成することができる構成となる。
【0067】
なお、実施の形態2においては、摺動案内部29の摺動面を平面形状の例で説明したが、本開示はこのような構成に限定されるものではなく、摺動面が加熱コイルケース14の外周面に対応する曲面形状であってもよく、加熱コイルユニット2の振動方向を上下方向のみに規制して、揺動(横揺れ)を禁止する構成であれば良い。
【0068】
〈発光表示ユニットの発光動作〉
実施の形態2の誘導加熱調理器における発光表示ユニット23の発光動作は、実施の形態1における発光表示ユニット3の発光動作と基本的には同じであり、同じ構成要素で動作するため、図6のブロック図で示した構成要素を用いて説明する。
【0069】
使用者が操作表示部5における調理開始操作により、当該誘導加熱調理器が起動したとき、操作表示部5から加熱制御部22に起動信号が入力される。加熱制御部22は、起動信号が入力されたとき、トッププレート6の直下に設けられた多数の発光表示ユニット23における最も外側にある発光表示ユニット23のみを発光させて、トッププレート6における加熱可能領域を表示する。
【0070】
また、加熱制御部22は、起動信号が入力されたとき、被加熱物検出部21に対して各加熱コイルユニット2において被加熱物7が載置されたか否かを検出する検出動作を実行させる。この検出動作は、各加熱コイルユニット2における加熱コイル13に検出電流を流して、その検出電流の変化により、被加熱物7の有無を検出する。
【0071】
被加熱物7がトッププレート6における加熱可能領域上に載置されて、加熱コイルユニット2における実質的な上方の位置に配置されたとき、当該加熱コイルユニット2の検出電流に基づいて被加熱物検出部21は検出結果である検出信号を加熱制御部22に出力する。被加熱物検出部21がトッププレート6における加熱可能領域上に被加熱物7が載置されたことを検出したとき、加熱制御部22は、該当する加熱コイルユニット2の周りにある発光表示ユニット23における発光素子8を発光させる。このとき、複数の加熱コイルユニット2において被加熱物7を検出したときには、被加熱物7を検出した加熱コイルユニット2の間に存在する導光ユニット25の導光部26が発光しない構成としても良い。
【0072】
図14は、実施の形態2の誘導加熱調理器において、2つの被加熱物7,7がトッププレート6の加熱可能領域に載置されたときの発光表示ユニット23の発光状態を示す平面図である。図14においては、トッププレート6が取り除かれた状態における発光表示ユニット23の発光状態を示しており、発光している導光部26aをハッチングで示している。
【0073】
図14に示すように、実施の形態2の誘導加熱調理器においては、トッププレート6の加熱可能領域に被加熱物7が載置されたとき、被加熱物7を検出した加熱コイルユニット2の周りの発光表示ユニット23が発光する。このとき、被加熱物7が加熱コイルユニット2の一部を覆う状態であっても、当該加熱コイルユニット2において被加熱物7を検出して、その加熱コイルユニット2の周りの発光表示ユニット23が発光するよう構成されている。実施の形態2の誘導加熱調理器において、被加熱物7がトッププレート6の加熱可能領域に載置されたとき、四角い枠体形状の加熱領域が発光表示ユニット23の発光によりトッププレート6を通して使用者が認識され、被加熱物7におけるハンドルや蓋などにより邪魔されることなく、トッププレートにおける加熱領域を確実に認識される状態となる。
【0074】
実施の形態2の誘導加熱調理器においては、被加熱物7を誘導加熱している加熱コイルユニット2を使用者が容易に認識できる構成であるため、使用者は被加熱物7を加熱領域の中央となるように最善の位置に配置(センタリング動作)して、加熱コイルユニットにより効率高く誘導加熱できるよう被加熱物を配置できる構成である。
【0075】
実施の形態2の誘導加熱調理器においては、トッププレート6に被加熱物が載置されたとき、被加熱物を検出した発光表示ユニット23が枠体状に発光して加熱領域を表示するよう構成されているが、加熱領域としてさらに一回り大きな領域を加熱領域として表示するよう構成しても良い。即ち、被加熱物を検出した発光表示ユニット23に隣接する発光表示ユニット23を含む一回り大きな領域を加熱領域として発光表示する。この構成は、トッププレート6の直下の加熱コイルユニット2の直径が小さい場合に特に優れた効果を発揮し、使用者が被加熱物を加熱領域に対して容易に、且つ確実にセンタリング動作を行うことが可能となる。
【0076】
なお、トッププレート6は必ずしも透明な結晶化ガラスの裏面に黒色の膜体を印刷しなくてもよく、ガラス自体が着色された構成でもよい。本開示の誘導加熱装置としては、本体筐体1内の部材が使用者から見えず、発光表示ユニット23の発光状態と操作表示部5の表示部分が視認できる構成であればよい。
【0077】
上記のように構成された本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置では、トッププレート6上において、加熱可能領域や加熱領域を加熱コイルユニット2の周りに配設された発光表示ユニット23を用いて枠体形状に発光表示する構成である。このため、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置は、トッププレート6の下に多数の加熱コイルが配設されたマルチコイル構成において、使用者にとって使い勝手の良い加熱装置となり、トッププレート6上における加熱領域を使用者に対して明確に表示して、使いやすく、高い信頼性を有する加熱装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、使い勝手が良く、高い信頼性を有する誘導加熱装置を提示するものであり、例えば誘導加熱調理器などの誘導加熱を行う各種機器において適用可能であり、高い商品価値を提供することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 本体筐体
2 加熱コイルユニット
3 発光表示ユニット
4 摺動案内部
5 操作表示部
6 トッププレート
7 被加熱物
8 発光素子
9 発光表示ケース
10 十字形状開口部
11 圧縮コイルばね(付勢部)
12 メンブレムシート
13 加熱コイル
14 加熱コイルケース
15 光センサ
16 着色膜
16a 光透過膜
16b、16c 遮光膜
17 断熱材
18 凸部
19 本体ベース
20 光センサ保持部
21 被加熱物検出部
22 加熱制御部
23 発光表示ユニット
24 発光表示ケース
25 導光ユニット
26 導光部
27 導光保持部
28 導光支持部
29 摺動案内部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14