特許第6052605号(P6052605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052605
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】車体前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   B62D21/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-277477(P2012-277477)
(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-118131(P2014-118131A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大佐々 吉宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩一
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−153260(JP,A)
【文献】 特開平06−127435(JP,A)
【文献】 特開2004−182154(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0187720(US,A1)
【文献】 特開2012−224152(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0100127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部構造において、
車両の前端部において車幅方向に延在するフロントエンドクロスメンバと、
前記フロントエンドクロスメンバに対して車両後方側に位置し、前記車幅方向に延在するとともに、サスペンションアーム部材を支持するサスペンションクロスメンバと、
前記車両の前後方向に延在し、その前端部が前記フロントエンドクロスメンバにそれぞれ連結される一対のサブフレームと、
前記一対のサブフレームの後端部と前記サスペンションクロスメンバとをそれぞれ連結する一対のブラケット部材と、を備え、
前記一対のブラケット部材の各々を、前記車両の上下方向の振動に伴って弾性変形するバネ要素として構成し、前記一対のサブフレームの各々を、前記車両の上下方向の振動を抑制するダイナミックダンパの質量体として機能するように構成し
前記一対のブラケット部材と、前記一対のサブフレームとから構成されるダイナミックダンパの共振周波数が、前記サスペンションクロスメンバの共振周波数と等しくなるように構成されていることを特徴とする車体前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車体前端部とサスペンションクロスメンバとを車両前後方向に連結する一対のサブフレームを備える車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の振動に伴って共振するダイナミックダンパを設けることで、車両に発生する振動を抑制する方法が知られている。
例えば特許文献1には、燃料電池自動車の気体燃料が充填された高圧タンクをダイナミックダンパの質量体(マス)として構成した高圧タンク支持構造が開示されている。
また特許文献2には、トランスミッションなどのフロア下部品を支持するためのクロスメンバをダイナミックダンパの質量体として構成したフロア下部品支持構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4857306号公報
【特許文献2】特許第4720304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1は、水素などの気体燃料が充填された高圧タンクをダイナミックダンパの質量体として構成したものであり、高圧タンクを備えていない車両には適用できない。また、上述した特許文献2についても、車体のフロアの一部を隆起させてフロア下部品を格納するスペースを形成する場合において、格納されるフロア下部品を支持するための支持部材(クロスメンバ)をダイナミックダンパの質量体として構成したものであり、このようなフロア下部品支持構造を備えていない車両には適用できない。
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述したような課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、新たな重量物を用いることなく、既存部品を利用した簡単な構成で、サスペンションクロスメンバから車体に伝達される振動を効果的に抑制することができる車体前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車体前部構造の少なくとも一つの実施形態は、上述した目的を達成するために、
車両の前端部において車幅方向に延在するフロントエンドクロスメンバと、
前記フロントエンドクロスメンバに対して車両後方側に位置し、前記車幅方向に延在するとともに、サスペンションアーム部材を支持するサスペンションクロスメンバと、
前記車両の前後方向に延在し、その前端部が前記フロントエンドクロスメンバにそれぞれ連結される一対のサブフレームと、
前記一対のサブフレームの後端部と前記サスペンションクロスメンバとをそれぞれ連結する一対のブラケット部材と、を備え、
前記一対のブラケット部材の各々は、
前記サスペンションクロスメンバから突出して設けられる平板状の連結部を含み、
前記連結部は、その平板面が上下方向に配向された状態で前記一対のサブフレームの一つの後端部に連結されることを特徴とする。
【0007】
上記車体前部構造では、サブフレームに連結される連結部がサスペンションクロスメンバから突出して設けられるとともに、その平板面が上下方向に配向された状態でサブフレームの後端部に連結される。このため、連結部を含むブラケット部材が、車両の上下方向の振動に伴って弾性変形するバネ要素として機能する。すなわち、サブフレームおよびブラケット部材を、サブフレームを質量体(マス)、ブラケット部材をバネ要素としたダイナミックダンパとして構成することができる。
このように、上記車体前部構造によれば、新たな重量物を用いることなく、既存部品であるサブフレームを利用することで、サスペンションクロスメンバから車体側に伝達される振動を抑制することができる。
【0008】
また、本発明の一実施形態では、前記一対のブラケット部材の各々は、前記サスペンションクロスメンバから前記車幅方向に突出して設けられた延長壁部をさらに含み、前記平板状の連結部は、前記延長壁部より前方側に延在して設けられるとともに、前記一対のサブフレームの一つの後端部に締結部材によって締結されている。
このような構成によれば、簡単な構成で、連結部をサスペンションクロスメンバから突出して設けることができる。しかも、連結部とサブフレームの後端部とを締結部材によって締結するため、組み立て性にも優れる。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、前記一対のブラケット部材の各々は、縦壁状の側壁部と、前記側壁部の下縁部から延在して設けられたフランジ部と、をさらに含み、前記フランジ部が、前記サスペンションクロスメンバの前縁部に形成されているツバ部の上に配置された状態で、前記側壁部と前記サスペンションクロスメンバとが溶接によって接合されている。
このような構成によれば、ブラケット部材とサスペンションクロスメンバとを側壁部において溶接によって強固に連結することができる。この際、ブラケット部材のフランジ部をサスペンションクロスメンバのツバ部の上に配置した状態で溶接することができるため、溶接作業性にも優れる。
【0010】
また、本発明の車体前部構造の少なくとも一つの実施形態は、
車両の前端部において車幅方向に延在するフロントエンドクロスメンバと、
前記フロントエンドクロスメンバに対して車両後方側に位置し、前記車幅方向に延在するとともに、サスペンションアーム部材を支持するサスペンションクロスメンバと、
前記車両の前後方向に延在し、その前端部が前記フロントエンドクロスメンバにそれぞれ連結される一対のサブフレームと、
前記一対のサブフレームの後端部と前記サスペンションクロスメンバとをそれぞれ連結する一対のブラケット部材と、を備え、
前記一対のブラケット部材の各々を、前記車両の上下方向の振動に伴って弾性変形するバネ要素として構成し、前記一対のサブフレームの各々を、前記車両の上下方向の振動を抑制するダイナミックダンパの質量体として機能するように構成したことを特徴とする。
【0011】
上記車体構造では、サスペンションクロスメンバとサブフレームとを連結するブラケット部材とを車両の上下方向の振動に伴って弾性変形するバネ要素として構成することにより、一対のサブフレームの各々を、車両の上下方向の振動を抑制するダイナミックダンパの質量体として機能するように構成した。これにより、新たな重量物を用いることなく、既存部品であるサブフレームを利用することで、サスペンションクロスメンバから車体側に伝達される振動を軽減することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態では、前記一対のブラケット部材と、前記一対のサブフレームとから構成されるダイナミックダンパの共振周波数が、サスペンションクロスメンバの共振周波数と等しくなるように構成されている。
このように構成されていれば、ロードノイズで一般的に問題となり易い120Hz付近の振動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、サブフレームおよびブラケット部材を、サブフレームを質量体、ブラケット部材をバネ要素としたダイナミックダンパとして構成することができるため、新たな重量物を用いることなく、既存部品であるサブフレームを利用することで、サスペンションクロスメンバから車体側に伝達される振動を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態にかかる車体前部構造において、車両の車体前部を下方側から視認した斜視図である。
図2】一実施形態にかかる車体前部構造において、車体前部の下部構造を上方から視認した平面図である。
図3】一実施形態にかかる車体前部構造において、サブフレームの後端部とサスペンションクロスメンバの一端部との連結箇所を拡大して示した斜視図である。
図4】一実施形態にかかるブラケット部材を示した斜視図である。
図5】他の実施形態にかかる車体前部構造において、サブフレームの後端部とサスペンションクロスメンバの一端部との連結箇所を拡大して示した斜視図である。
図6】他の実施形態にかかるブラケット部材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0016】
図1は、車両の車体前部を下方側から視認した斜視図である。図2は、車体前部の下部構造を上方から視認した平面図である。図2において、矢印Xで示す方向が車両の前後方向であり、矢印Yで示す方向が車両の幅方向(車幅方向)である。
【0017】
図1図2に示すように、車体前部構造10は、車幅方向に延在するフロントエンドクロスメンバ14と、フロントエンドクロスメンバ14に対して車両後方側に位置するサスペンションクロスメンバ20と、車両の前後方向に延在する左右一対のサブフレーム21,22と、サスペンションクロスメンバ20によって支持される左右一対のサスペンションアーム部材35,36などを備えている。
【0018】
フロントエンドクロスメンバ14は、車両前端部のバンパビーム13の下方において車幅方向に延在し、その両端部がそれぞれブラケット23を介して左右のサイドメンバ11,12に固定されている。
【0019】
サブフレーム21,22は、フロントエンドクロスメンバ14とサスペンションクロスメンバ20との間で車両の前後方向に延在する長尺の板状部材である。これらサブフレーム21,22は、車両前方に位置する前端部21a,22aがフロントエンドクロスメンバ14に連なるブラケット23に固定されている。また、車両後方に位置する後端部21b,22bが、ブラケット部材55,56を介して、サスペンションクロスメンバ20に固定されている。なお、ブラケット23のサブフレーム21,22との連結箇所近傍には、車両の牽引時などに牽引ロープを固定するための牽引支持部材24が固定されている。
【0020】
サスペンションクロスメンバ20は、車両の上方に延在する一対の支持部材30,31によって、車体のサイドメンバ11,12に連結されている。また、サスペンションクロスメンバ20の左右両端部には、フロントサスペンションの一部をなすサスペンションアーム部材(ロアアーム)35,36が設けられている。
【0021】
サスペンションクロスメンバ20は、車両の車幅方向に延在するクロスメンバ本体20aと、クロスメンバ本体20aの左右両端部において一体的に延設された、前方アーム支持部40および後方アーム支持部41とを備える。前方アーム支持部40は、車幅方向における外側斜め前方に延在している。後方アーム支持部41は、車幅方向における外側斜め後方に延在している。
【0022】
上述したサブフレーム21,22は、サスペンションクロスメンバ20の両端部と、ブラケット部材55,56を介してそれぞれ連結されている。ブラケット部材55,56は、サスペンションクロスメンバ20の前方アーム支持部40、及び前方アーム支持部40に固定されているブッシュ取付部材50,51に、それぞれ溶接によって接合されている。
【0023】
図3は、サブフレームの後端部とサスペンションクロスメンバの一端部との連結箇所を拡大して示した斜視図である。図4は、ブラケット部材を示した斜視図である。なお、サブフレーム21,22とサスペンションクロスメンバ20との連結箇所の構成は、一端部と他端部とで同様である。このため、以下の説明では、サブフレーム21とサスペンションクロスメンバ20の一端部との連結箇所を例に説明する。
【0024】
図3に示すように、サスペンションクロスメンバ20の前方アーム支持部40には、ブッシュ取付部材50が溶接によって接合されている。符号W1,W2は、その溶接個所を示している。また、ブッシュ取付部材50は、サスペンションアーム部材35に接続されている。サスペンションアーム部材35は、ブッシュ取付部材50、および前方アーム支持部40と後方アーム支持部41とによって、上下方向に回動可能に支持されている。サスペンションアーム部材35,36のそれぞれの先端部35a,36aにはナックル部材が設けられ、該ナックル部材を介して、図1に示す前輪45が支持されている。これにより、前輪45からロードノイズに起因する上下方向の振動が、サスペンションクロスメンバ20を介して車体に伝達される。
【0025】
ブラケット部材55,56は、図4に示すように、中央部に円形の開口90が形成された前壁部71と、前壁部71に対して車幅方向の内側に位置する側壁部74と、前壁部71の上側に位置する上壁部72と、前壁部71に対して車幅方向の外側に位置する延長壁部73と、延長壁部73の前方に位置する連結部70などを含んでいる。
【0026】
前壁部71は、前方アーム支持部40に固定されたブッシュ取付部材50の前方に隙間を空けて配置される。前壁部71とブッシュ取付部材50との間には、サスペンションアーム部材35と連結された回転軸64の頭部が位置している。そして、開口90から不図示の回転用工具を挿入し、回転軸64を回転させることで、サスペンションアーム部材35の上下方向の回転位置が調整される。
【0027】
延長壁部73は、水平方向に対して斜め立設する壁状をなし、前壁部71から車幅方向の外側に延在して、サスペンションクロスメンバ20から突出している。そして、サスペンションアーム部材35の前方位置に、サスペンションアーム部材35から所定の隙間Gだけ離間して配置されている。
【0028】
連結部70は、平板状に形成されており、その平板面70aが上下方向に配向された状態で、延長壁部73の下縁部から前方側に延在して設けられている。すなわち、連結部70は、サスペンションクロスメンバ20から突出した状態で車両前方側に向かって延在している。また、平板面70aには、貫通穴86,86が形成されている。そして、この貫通穴86,86に、ボルトなどの締結部材85が挿通され、ナットなどで締め付けられることで、連結部70とサブフレーム21の後端部21bとが連結される。
このような構成によれば、簡単な構成で、連結部70がサスペンションクロスメンバ20から突出して設けられる。しかも、連結部70とサブフレーム21の後端部21bとを締結部材85によって締結するため、組み立て性にも優れている。
【0029】
上壁部72は、前壁部71の上縁部から車両後方側に延在し、ブッシュ取付部材50の上方に配置されている。
側壁部74は、縦壁状に形成されており、前壁部71から前方アーム支持部40の前面に沿って延在している。また側壁部74には、上述したブッシュ取付部材50の溶接部W2との干渉を避けるための縦長の開口96が形成されている。
【0030】
また、前壁部71および側壁部74の下縁部からはフランジ部75が延在している。フランジ部75は、縦壁状の前壁部71および側壁部74に対して直交して設けられ、車両前側に向かって延在している。そして、上述した連結部70に連なるように形成されている。
【0031】
そして、ブラケット部材55の上壁部72および側壁部74が、それぞれ第1溶接部W3と第2溶接部W4において、サスペンションクロスメンバ20側に溶接によって接合されている。第1溶接部W3は、上壁部72の車両後側の端縁72aに設けられ、ブッシュ取付部材50に溶接されている。第2溶接部W4は、側壁部74の車両内側の端縁74aに設けられ、クロスメンバ本体20aの前面に溶接されている。この際、第2溶接部W4の溶接は、ブラケット部材55のフランジ部75が、サスペンションクロスメンバ20の前縁部に形成されているツバ部20bの上に配置された状態で行われる。
このような構成によれば、ブラケット部材55とサスペンションクロスメンバ20とを側壁部74において溶接によって強固に連結される。この際、ブラケット部材55のフランジ部をサスペンションクロスメンバ20のツバ部20bの上に配置した状態で溶接することができ、溶接作業性にも優れている。
【0032】
以上のとおり構成される本実施形態の車体前部構造10では、上述したように、サブフレーム21,22に連結されるブラケット部材55,56の連結部70が、サスペンションクロスメンバ20から突出して設けられ、その平板面70aが上下方向に配向された状態でサブフレーム21,22の後端部21b,22bに、例えば締結部材85によって連結されている。このため、連結部70を含むブラケット部材55,56が、車両の上下方向の振動に伴って弾性変形するバネ要素として機能するようになっている。すなわち、サブフレーム21,22およびブラケット部材55,56を、サブフレーム21,22を質量体(マス)、ブラケット部材55,56をバネ要素としたダイナミックダンパとして構成することができる。
このような本実施形態の車体前部構造10によれば、新たな重量物を用いることなく、既存部品であるサブフレーム21,22を利用することで、サスペンションクロスメンバ20から車体側に伝達される振動を抑制することができる。
【0033】
この場合、上述した一対のブラケット部材55,56と、一対のサブフレーム21,22とから構成されるダイナミックダンパの共振周波数が、サスペンションクロスメンバの共振周波数と等しくなるように構成されているとよい。
このように構成されていれば、ロードノイズで一般的に問題となり易い周波数帯付近の振動を抑制することができる。
【0034】
上述した一対のブラケット部材55,56と、一対のサブフレーム21,22とから構成されるダイナミックダンパの共振周波数は、ブラケット部材55,56の形状、肉厚および材質等を適宜変更することで調整することができる。
例えば、図5及び図6に示すように、上述した実施形態に対してブラケット部材55の上壁部72の一部72Aを切り欠いた形状とすることで、ダイナミックダンパの共振周波数を調整することができる。また、図5及び図6に示すように、上述した実施形態に対して側壁部74を延長することでも、ダイナミックダンパの共振周波数を調整することができる。また、ブラケット部材55,56の形状は変更せずに、肉厚やヤング率を変更することでも、ダイナミックダンパの共振周波数を調整することが可能である。
【0035】
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、車体前端部とサスペンションクロスメンバとを車両前後方向に連結する一対のサブフレームを有する車体前部構造を備えた自動車に適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 車体前部構造
11,12 サイドメンバ
13 バンパビーム
14 フロントエンドクロスメンバ
20 サスペンションクロスメンバ
20a クロスメンバ本体
20b ツバ部
21 サブフレーム
21a 前端部
21b 後端部
23 ブラケット
24 牽引支持部材
30 支持部材
35,36 サスペンションアーム部材
35a,36a 先端部
40 前方アーム支持部
41 後方アーム支持部
45 前輪
50,51 ブッシュ取付部材
55,56 ブラケット部材
64 回転軸
70 連結部
70a 平板面
71 前壁部
72 上壁部
73 延長壁部
74 側壁部
75 フランジ部
85 締結部材
86 貫通穴
90,96 開口
W1〜W4 溶接箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6