(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すようなマッサージ機は、エアによってマッサージを行うため、緩慢で大味なマッサージとなるうえ、多彩なマッサージ動作が行えないという問題点があった。
また、特許文献2に示すようなマッサージ機は、駆動ユニットを出退移動させるために、エアセルで構成された出退駆動部が設けられており、前記出退駆動部を動作させることで駆動ユニットを使用者側へ出退移動させるものである。また、駆動ユニットは、揉み動作軸及び叩き動作軸によって保持された左右方向(使用者の身体の幅方向)一対の駆動アームと、各駆動アームの先端部に連結された支持アームを有して構成され、該支持アームの上下両端部に、左右方向の支持軸を介して回転自在にローラー状の施療子が取り付けられた構成となっている。上記のような構成の駆動ユニットは、揉み動作や叩き動作を行なうために部品が非常に多く重量があるため、大型化し使用者側へ出退移動するのに、時間がかってしまうという問題があった。また、出退駆動部は駆動ユニットの背部に設けられるので、マッサージ機の厚みが増してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、多彩なマッサージ動作が可能であり、出退駆動部を小さくすることが可能であって、使用者側へ進退移動を早くし、厚みの少ないマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
背凭れ部内を上下昇降可能なマッサージ機
構において、揉みや叩きのマッサージ動作を伝達する第1アームと、被施療者の身体の起伏に沿って揺動する第2アームと、を有し、前記第2アームは、前記第1アームに第一揺動軸を介して身体の起伏に沿って揺動可能に支持された第一施療子支持体と、前記第一施療子支持体に第二揺動軸を介して揺動可能に支持された第二施療子支持体と、前記第二施療子支持体の上部と下部に位置する施療子と、前記第二施療子支持体を第二揺動軸を中心に揺動させて、被施療者に対して進退出させる強弱調整機構を有している。
このように強弱調整機構をアームに備えることで、アームのみを押出すため、応答速度の速い強弱調整を行うことができる。
また、施療子が第二施療子支持体の上部と下部に設けられているので、第二施療子支持体を強弱機構によって進退出させても、施療子同士の距離が変更されないので、同一種類のマッサージ動作を強弱調整できるようになる。
【0007】
また、このように構成されることで、強弱調整機構は、第2アームの第二施療子支持体を動作させることができ、駆動ユニットごと前後に移動させる手法に比べて応答速度の速い強弱調整を行うことができる。
【0008】
また、このような構成とすることで、第一揺動軸回りにアームを揺動させて身体の起伏に沿わせた状態で、強弱調整機構によって第二施療子支持体を動作させて強弱を変更することが可能となっている。
【0009】
また、前記強弱調整機構は、
前記第二施療子支持体の下部に設けられた第一施療子と
前記第二施療子支持体の上部に設けられた第二施療子の相対的な距離を保持した状態で、第二施療子支持体を動作させて強弱調整を行うことを特徴とするが好ましい。
第一施療子と第二施療子の相対的な距離を変更するとマッサージ動作が変更される(第一施療子と第二施療子の接近及び離間によって掴み動作になる)ため、第一施療子と第二施療子の相対的な距離を変更しないことで、マッサージ動作を変更せずに強弱を調整できる。
【0010】
また、前記第一施療子支持体は、前記強弱調整機構を取付ける第一取付部と、前記第二施療子支持体と、前記第一施療子を同軸上に設けた前記第二揺動軸とを有しており、前記第一取付部に設けられた強弱調整機構は、前記第二施療子支持体を被施療者に対して進退出させることが好ましい。
このような構成とすることで、強弱調整機構の取付を可能とし、第二施療子支持体の施療子を被施療者の身体に進退出させることができる。
【0011】
また、前記強弱調整機構は、エアセルで構成されていることが好ましい。強弱調整機構をエアセルとすることで、強弱調整機構の軽量化が図れる。また、部品点数を少なくすることができる。
【0012】
また、前記強弱調整機構は、前記エアセルに流入流出するエアを減少させる絞りを設けていることが好ましい。
第2アームに設けられた強弱調整機構のエアセルは、アームに設けることが可能なようにサイズの小さいエアセルを使用している。小さいエアセルは、エアの流出入が非常に早く、短時間でエアセルの膨張収縮を行うことができる。しかし、急激な強弱調整は、被施療者を不快にさせることがあり、快適な強弱調整を行うために絞りを設けて、エアの流出入を制限して、強弱調整を行っている。
【0013】
また、前記マッサージ機構は、背凭れ部と座部を有するマッサージ機に設けられており、前記マッサージ機構は、背凭れ部内を昇降可能なように、昇降機構を有していることが好ましい。
このように構成することで、マッサージ機のマッサージ機構として使用可能となる。
【0014】
また、前記マッサージ機は、制御部を有しており、前記制御部は、前記施療子を第1施療位置と第2施療位置との間を移動させる第1プログラムと、前記強弱調整機構を第1プログラムに合わせて動作させる第2プログラムを有しており、第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して施療子を進出させる第一動作ステップを含むプログラムであることを特徴とする。
このような強弱調整機構のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができるので、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。
【0015】
また、前記マッサージ機は、左右に夫々第1アームと第2アームを有しており、前記第1プログラムの第1施療位置は、前記左右の第2アームに設けられた施療子同士が近接した位置であって、前記第2施療位置は、前記左右の第2アームに設けられた施療子同士が離反した位置であり、前記第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して左右の施療子を進出させる第一動作ステップを含むプログラムであることを特徴とする。
このような強弱調整機構のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができる。例えば、被施療者の体側から背骨にかけて、指圧マッサージを行いながら、揉みマッサージを行うことができ、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。また、第1プログラムと第2プログラムによって、被施療者の背面に対して略垂直方向の移動成分に加えて、略左右方向の移動成分も加わることで、斜め方向に進出することとなる。例えば、施療子の動作が近接方向であった場合、斜め方向の進出動作で被施療者に施療を行うと、施療箇所付近の肉を寄せながら施療を行うことが可能となり、効果的なマッサージが行える。
【0016】
また、前記第2プログラムは、前記第一動作ステップと、被施療者に対して左右の施療子を進出させた状態を維持したまま、第1プログラムを実行する第二ステップを含むプログラムであることを特徴とする。
このような強弱調整機構のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができるので、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。
【0017】
また、前記第2プログラムは、前記第一動作ステップと、前記第1プログラムを一時停止させ、被施療者に対して左右の施療子を進出させた状態を維持する第二動作ステップを含むプログラムであることを特徴とする。
このような強弱調整機構のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができるので、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
被施療者に対して施療子を進退出させる強弱調整機構を小型化し、強弱調整の応答速度を早くし、厚みの少ないマッサージ機を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1のマッサージ機1は、本発明の実施形態に係る斜視図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、起立状態にあるマッサージ機1に着座した被施療者から見たときの方向の概念と一致するものとし、左手側が「左」であり、右手側が「右」であり、頭部側が「上」であり、腰部側が「下」であり、その他の場合は適宜説明するものとする。
図1の椅子型マッサージ機1は、被施療者の背中を支持する背凭れ部2と、被施療者が着座する座部3と、脹脛と足を支持するフットレスト4を有している。
図2の椅子型マッサージ機1は、本発明の実施形態に係る椅子型マッサージ機1を簡略化しエア施療部の配置を示すものである。
図3の椅子型マッサージ機1は、本発明の実施形態に係る椅子型マッサージ機1のブロック図である。
【0021】
図1に示す椅子型マッサージ機1の背凭れ部2には、マッサージ機構6が背凭れ部2内を上下昇降自在に設けられており、更に
図2に示す様に背凭れ部2には、後述する座部3の下方にある給排気装置32によって動作するエア施療部を、被施療者の肩にあたる部分に左右一対設けられており、被施療者の腰にあたる部分に左右一対設けられている。
肩部の左右一対の背裏エアセルL302a,背裏エアセルR302bと腰部の左右一対の腰エアセルL303a,腰エアセルR303bは、背凭れ部2の幅方向の中央側に回動支点を有している。
背凭れ部2には、被施療者の頭部を支持する枕部を有していることが好ましい。
また、背凭れ部2は、後述する座部3の端部を回動支点にリクライニング可能に設けられている。
【0022】
前記座部3には、マッサージ動作の制御を行う制御部31と、各所に配置されたエア施療部にエアを給排気する給排気装置32と、マッサージ機1の動作を操作する操作部33と、前記背凭れ部2をリクライニングさせるアクチュエータ34と、後述するフットレスト4をリクライニングさせるアクチュエータ35とを備えている。
また、被施療者の臀部側の端部に背凭れ部2の回動支点が設けられ、被施療者の膝部側の端部にフットレスト4の回動支点が設けられている。
また、座部3の座面には、被施療者の臀部を左右から押圧又は押し上げることが可能な座エアセルL307,座エアセルR308を有しており、被施療者の膝側には、膝寄りの大腿部を背面から押圧する座エアセルA309を有している。
【0023】
座部3の両側面には、肘掛け部5が設けられており、前記肘掛け部5は、座部3と背凭れ部2に渡って取り付けられており、被施療者の手先部,前腕部,上腕部までを支持できるようになっている。
また、肘掛け部5は、被施療者の手先部と前腕部と上腕部の側方に壁を設け、更に手先部と前腕部の上方にまで、壁を延設している。
前記肘掛け部5は、被施療者の手先部を施療する手エアセルLA305a,手エアセルLB305b,手エアセルRA306a,手エアセルRB306bと、被施療者の前腕部を施療する前腕エアセルLA305c,前腕エアセルLB305d,前腕エアセルRA306c,前腕エアセルRB306dと、被施療者の上腕部や肩部を施療する肩エアセルL304a,肩エアセルR304bが設けられている。
左側の肘掛け部5にある手先部と前腕部を支持する支持面上に手エアセルLA305aと前腕エアセルLA305cが設けられ、前記支持面に対向し、前記支持面の上方にまで延設された側壁に被施療者の手先部を押圧する手エアセルLB305bと前腕部を押圧する前腕エアセルLB305dが設けられており、上腕部の側壁には、上腕や肩を施療する肩エアセルL304aが設けられている。右側の肘掛け部5は、左側の肘掛け部5と同じ構成になっているので、説明は省略する。
肩エアセルL304a,肩エアセルR304bは、被施療者の上腕や肩を横方向又は前方向からも押圧するエアセルが設けられており、背凭れ部2に設けられた背裏エアセルL302a,背裏エアセルR302bとで、被施療者の上腕や肩を挟むように押圧できるように設けられている。
上腕部の肩エアセルL304a,肩エアセルR304bのエアセルの回動支点は、背凭れ部2側に設けられている。
また、上述の実施例では、上腕の肩エアセルL304a,肩エアセルR304bは、肘掛け部5に設けられているが、背凭れ部2の側面に直接取付けて、背凭れ部2の側方から突出して設けられていてもよい。
【0024】
前記肘掛け部5は、背凭れ部2のリクライニングに追従して傾動可能に設けられている。肘掛け部5は、背凭れ部2と座部3にそれぞれ固定されており、座部3側の固定部には、スライド溝(図示せず)が設けられており、背凭れ部2のリクライニングよって、スライド溝(図示せず)上を移動して、リクライニングに追従することができる。
このように肘掛け部5を、背凭れ部2のリクライニングに追従させることで、被施療者を適正な姿勢で保持、施療することが可能となる。
【0025】
フットレスト4は、脹脛を施療する脚施療部41と、足首から足先までを施療する足施療部42とを有している。前記脚施療部41と前記足施療部42は、スライドするフレーム(図示せず)を介して繋がれており、被施療者の足の長さに合わせて、脚施療部41と足施療部42の位置を調整することが可能である。
前記フレーム(図示せず)の端部は、座部3に連結されており、回動自在となっている。前記座部3は、フットレスト4を上下方向に回動させるアクチュエータ35を有しており、フットレスト4を上下方向にリクライニングさせることが可能となっている。
【0026】
前記脚施療部41は、脚を保持できるように左右に凹部43を有している。脚施療部41の凹部43は左右で同じ構成となっているので、左側の凹部43を例にとって説明する。
前記凹部の両側壁部には、対向して設けられた一対のエアセル(脹脛エアセルLA310a,脹脛エアセルLB310b)が設けられており、脚の両側面を押圧する。
前記凹部の両側壁部の間にある底面部には、脹脛の背面を押圧する脹脛裏エアセルL311aが設けられている。
【0027】
前記足施療部42は、足を保持できるように左右に凹部46を有しており、前記凹部の両側壁部は、足先から足首に沿って設けられている。足施療部42の凹部46は左右で同じ構成となっているので、左側の凹部46を例にとって説明する。
前記足首部の凹部46は、両側壁部に、対向して設けられた一対の足首エアセルLA311c,足首エアセルLB311dが設けられており、足首を両側面から押圧する。
前記足先部の凹部46は、両側壁部に、対向して設けられた一対の足先エアセルLA310e,足先エアセルLB310fが設けられており、前記両側壁部の間にある底面部には、足裏を押圧する足裏エアセルL311gが設けられている。
【0028】
前記座部3に設けられた制御部31は、操作部33からの信号を受け、背凭れ部2をリクライニングさせるアクチュエータ34、フットレスト4をリクライニングさせるアクチュエータ35、マッサージ機構6を昇降させる昇降用モータ61、マッサージ機構6に揉みマッサージ動作を行わせる揉みモータ62、マッサージ機構6に叩きマッサージ動作を行なわせる叩きモータ63、各エア施療部にエアを給排する給排気装置32を駆動させる。
また、給排気装置32は、電磁弁イ〜ヌを有しており、各電磁弁は、ポートが開かれるとエアセルにエアを給排する。なお、給排気装置32と各電磁弁と各エアセルとは配管でつながれている。
【0029】
電磁弁イ36aは、後述するマッサージ機構6の強弱調整機構90の押出しエアセルL301a,押出しエアセルR301bへエアを給排気する電磁弁である。電磁弁イ36aと強弱調整機構90の押出しエアセルL301a,押出しエアセルR301bとの途中には、絞り37aが設けられている。また、押出しエアセルL301aと押出しエアセルR301bは同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。
後述するが、押出しエアセルL301aと押出しエアセルR301bを膨張させることで、被施療者に向かって施療子81を突出させ、強いマッサージを行うことが可能である。
本実施例では、上側の施療子81bを突出させているが、下側の施療子81aを突出させていてもよい。
【0030】
電磁弁ロ36bは、背凭れ部2の肩部分に設けられた背裏エアセルL302aと背裏エアセルR302bにエアを給排気する電磁弁である。背裏エアセルL302aと背裏エアセルR302bは同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。また、背裏エアセルL302a,背裏エアセルR302bと後述する電磁弁二36dを駆動させて、肩エアセルL304a,肩エアセルR304bを膨張させると、被施療者の上腕部と肩部を挟んで押圧することが可能である。
【0031】
電磁弁ハ36cは、背凭れ部2の腰部分に設けられた腰エアセルL303aと腰エアセルR303bにエアを給排気する電磁弁である。腰エアセルL303aと腰エアセルR303bは、同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。また、前記腰エアセルL303aと腰エアセルR303bを膨張させることで、被施療者の腰で固定保持することが可能である。
【0032】
電磁弁二36dは、肘掛け部5の上腕部分に設けられた肩エアセルL304aと肩エアセルR304bにエアを給排気する電磁弁である。肩エアセルL304aと肩エアセルR304bは同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。
前述の通り、背裏エアセルL302a,背裏エアセルR302bと肩エアセルL304aと肩エアセルR304bを膨張させることで、被施療者の上腕部と肩部を挟んで押圧することが可能である。
【0033】
電磁弁ホ36e及び電磁弁へ36fについては、左右の配置の違いはあるが、同じ構成なので、電磁弁ホ36eを例に説明を行う。
電磁弁ホ36eは、肘掛け部5に設けられた手エアセルLA305a、手エアセルLB305bと前腕エアセルLA305cと前腕エアセルLB305dに給排気する電磁弁である。前腕エアセルLA305cと前腕エアセルLB305dとの途中には、絞り37bが設けられている。前腕エアセルに絞り37bが設けられているのは手エアセルLA305aと手エアセルLB305bよりも前腕エアセルLA305cと前腕エアセルLB305dの膨張を遅らせて施療のタイミングをずらすためである。
また、電磁弁ホ36eと電磁弁へ36fを同時に膨張させずに片方ずつ膨張させている。これは、両手腕を同時に施療すると、緊急時にマッサージ機1から脱出するのが困難になるため、片方ずつ電磁弁を操作している。
【0034】
電磁弁ト36g及び電磁弁チ36hについては、左右の配置の違いはあるが、同じ構成なので、電磁弁ト36gを例に説明を行う。
電磁弁ト36gは、座部3に設けられ、被施療者の臀部側にある座エアセルL307にエアを給排気する電磁弁である。電磁弁ト36gと電磁弁チ36hは夫々独立して動作させることが可能であるため、臀部の左右を抑えて押圧したり、左右交互に膨張させてストレッチ動作が行える。
【0035】
電磁弁リ36iは、座部3に設けられ、被施療者の膝寄りの大腿部を背面から押圧する座エアセルA309を給排気するための電磁弁である。座エアセルA309を膨張させることで、被施療者の膝部分を押し上げることができる。
【0036】
電磁弁ヌ36jは、脚施療部41の脹脛エアセルLA310a,脹脛エアセルLB310b,脹脛エアセルRA310c,脹脛エアセルRB310dと足施療部の足先エアセルLA310e,足先エアセルLB310f,足先エアセルRA310g,足先エアセルRB310hにエアを給排気する電磁弁である。
脚施療部41の脹脛エアセルLA310a,脹脛エアセルLB310b,脹脛エアセルRA310c,脹脛エアセルRB310dと足施療部の足先エアセルLA310e,足先エアセルLB310f,足先エアセルRA310g,足先エアセルRB310hは、同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。この様に膨張させることで、施療にバリエーションを持たすことが可能である。
【0037】
電磁弁ル36kは、脚施療部41の脹脛裏エアセルL311a、脹脛裏エアセルR311bと、足施療部43の足首エアセルLA311c,足首エアセルLB311d,足首エアセルRA311e,足首エアセルRB311f,足裏エアセルL311g,足裏エアセルR311hにエアを給排気する電磁弁である。
脚施療部41の脹脛裏エアセルL311a、脹脛裏エアセルR311bと、足施療部42の足首エアセルLA311c,足首エアセルLB311d,足首エアセルRA311e,足首エアセルRB311f,足裏エアセルL311g,足裏エアセルR311hは、同期しており、同じタイミングで膨張収縮を行う。
この様に膨張させることで、施療にバリエーションを持たすことが可能である。
【0038】
なお、これらの電磁弁イ〜ルは、複数の電磁弁を組合わせて動作させることができ、組合わせることで複雑な施療を可能としている。
例えば、電磁弁イ36aを動作させた状態で、マッサージ機構6を昇降させると、身体へ施療子81を突出させた状態でマッサージ機構6が昇降するため、背筋を伸ばすようなマッサージが行える。
また、電磁弁ハ36c、電磁弁ト36g、電磁弁チ36hを駆動させると、腰部を固定し、臀部が浮いた状態とすることができる。この状態で揉みマッサージや叩きマッサージを行うことで、椅子型マッサージ機1に座っていては施療できない臀部から腰にかけてマッサージすることができる。
【0039】
図4のマッサージ機構6は、本発明のマッサージ機構6を示している。
図4のマッサージ機構6は、施療子81を有する第2アーム80、第2アーム80にマッサージ動作を伝達する第1アーム70と、マッサージ動作を行わせる駆動源62,63と、前記駆動源62,63を収容している枠体100とを有している。
【0040】
前記マッサージ機構6の枠体100の中には、揉み動作を行なう駆動源62と、叩き動作を行なう駆動源63と、前記駆動源62,63からの駆動力を減速する減速機構(図示せず)と、前記減速機構(図示せず)に連結され、揉み動作を行なう揉軸71と、叩き動作を行なう叩軸76(
図5,
図6参照)とが設けられている。
前記揉軸71は、軸の途中で所定の角度で曲げられた偏角部(図示せず)を有しており、前記偏角部(図示せず)に後述する第1アーム70が設けられており、揉軸71が回転することによって、偏角部(図示せず)に設けられた後述する第1アーム70に略円状の揉みマッサージ動作を伝達する。
前記叩軸76は、軸の途中で偏心されクランク部(図示せず)を有しており、前記クランク部(図示せず)には、クランクロッド76aが設けられており、前記クランクロッド76aが後述する第1アーム70に連結されており、叩軸76が回転することによって、略円状の叩きマッサージ動作を、クランク部(図示せず)に設けられたクランクロッド76aより第1アーム70に伝達する。
第1アーム70と第2アーム80は、左右に夫々設けられており、第2アーム80は、施療子81(81a,81b)を有している。
なお、以降の第1アーム70及び第2アーム80の説明は、左右で同じ構成となっているので、左側の第1アーム70及び第2アーム80を基準に説明を行う。
【0041】
図5は本発明の実施形態に係るマッサージ機構6の第1アーム70と第2アーム80を示す図である。
図5aは、第2アーム80を示す図である。
図5bは、第1アーム70を示す図である。
図5cは、第1アーム70と第2アーム80を組合わせた状態の図である。
図6は本発明の実施形態に係るマッサージ機構6の強弱調整機構90を示す図である。
図6aは、マッサージ機構6の第2アーム80に設けた強弱調整機構90が動作していない状態を示す図である。
図6bは、マッサージ機構6の第2アーム80に設けた強弱調整機構90を動作させた状態を示す図である。
【0042】
前記1アーム70には、第2アーム80を揺動可能に設けられるように第一揺動軸72と、第2アーム80の揺動を規制する規制手段73と、第2アーム80を揺動から復帰させる付勢手段74と、揉軸71に連結連動される揉軸連結部75と、叩軸76にクランクロッド76aの端部を取り付ける叩軸連結部77を有している。
また、第1アーム70は、後述する揺動検出手段(肩位置検出手段)64を有しており、第2アーム80の揺動動作を検出している。
【0043】
前記第1アーム70は、使用者側を前端部70aとし、使用者から最も離れた部分を後端部70bとしている。
前記前端部70aには、スリット78が設けられており、前記スリット78の間に第2アーム80が設けられており、前記スリット78と第2アーム80を貫通し、第2アーム80を揺動可能に支持する第一揺動軸72が設けられている。
また、前端側には、第2アーム80の揺動を規制する規制手段73が設けられており、第2アーム80が適切な揺動範囲で、揺動するようになっている。
また、前記第2アーム80を揺動状態から復帰させる付勢手段74が設けられており、揺動状態の第2アーム80を元の位置に復帰させることができる。
【0044】
また、スリット78には、揺動検出手段(肩位置検出手段)64が設けられており、第2アーム80の揺動を検出できるようになっている。揺動検出手段(肩位置検出手段)64は、光学式のセンサを用いており、センサのオンオフで第2アーム80の揺動状態を検出している。
前記揺動検出手段(肩位置検出手段)64は、第1アーム70のスリット78の内部で対向するように設けられている。第2アーム80が、前記スリット78内で揺動することによって、光センサの発光部と受光部の間を通り、オンとオフが切り替わり、第2アーム80の揺動を検出できるようになっている。
また、昇降機構の昇降動作によって身体の起伏に沿って第2アーム80を揺動させ、身体の起伏を検出するので、肩位置のみに限らず、臀部や腰、背中等の位置検出も行うことができる。
【0045】
前記第1アーム70の後端部70bには、球状の凹部が設けられており、叩軸76のクランク部(図示せず)に設けられたクランクロッド76aの端部が連結される球状座79が設けられている。
クランクロッド76aの端部は、球状となっており、第1アーム70の球状座79と嵌合することで、前記クランクロッド76aからの叩きマッサージ動作を伝達することが可能となっている。
叩きマッサージ動作を伝達するクランクロッド76aを第1アームの後端側に設けた球状座79に連結させることで、前端部70aに設けられた第2アーム80をてこの原理で大きく叩き動作することができるようになる。
【0046】
また、第1アーム70の揉軸連結部75は、前端部70aと後端部70bの間に設けられている。
第1アーム70は前述の通り、揉軸71の偏角部(図示せず)に設けられており、揉軸71の回転により揉みマッサージ動作を伝達できるようになっている。
前記揉軸連結部75は、偏角カム75aと、ベアリング75bとで構成されることで、揉軸71と連結され、揉み動作が可能となっている。
【0047】
前記第2アーム80は、第1アーム70に揺動可能に設けられ、上下一対の施療子81(81a,81b)と、強弱調整機構90を有している。
具体的には、第2アーム80は、第一施療子支持体82と、強弱調整機構90によって被施療者に対して進退出する第二施療子支持体83を有している。
前記第一施療子支持体82は、前記第一揺動軸72を通す貫通孔84と、前記強弱調整機構90を取付ける第一取付部85と、前記第二施療子支持体83と前記第一施療子81aを同軸上に設けた第二揺動軸86の貫通孔87とを有している。
第一施療子支持体82は、扁平な板材を組合わせて形成されており、前記第一取付部85と第二揺動軸86の貫通孔87は、第二施療子支持体83と対向する前面に設けられており、後面には、強弱調整機構90の配管を通す孔と、前記第一揺動軸72を通す貫通孔84が設けられている。
前記第一取付部85は、第一施療子支持体82の前面に取り付けられており、第一取付部85よりも下方に第二施療子支持体83と第一施療子81aが第二揺動軸86によって取り付けられている。
【0048】
また、第二施療子支持体83は、第二揺動軸86の貫通孔87と、第二施療子81b
の取付部である第二取付部88を有している。
第二施療子支持体83は、第二揺動軸86の貫通孔87と第二取付部88が前面に設けられており、前記第一施療子支持体82の前面と対向する後面には、前記強弱調整機構90からの駆動力を受ける面が設けられている。
また、第二揺動軸86の貫通孔87は、前記第二施療子支持体83の前面の下方に設けられており、前記第二取付部88は、前記第二施療子支持体83の前面の上方に設けられている。
また、前記強弱調整機構90からの駆動力を受ける面は、第二施療子81bに駆動力を伝達しやすいように、第二取付部88の後面に位置している。
また、第二揺動軸86には、第二施療子支持体83が前記強弱調整機構90によって揺動した状態から復帰するための付勢手段(図示せず)が設けられており、前記強弱調整機構90が動作しない状態では、第一施療子支持体82に沿った状態で保持されている。
【0049】
また、第二施療子支持体83は、カバー部89を有しており、前記カバー部89は、第二施療子支持体83に設けられており、第二施療子支持体83を覆うような大きさとなっている。また、前記カバー部89は、第2アーム80と背凭れ部2などの他部材との干渉を防ぐために設けられている。第2アームは、強弱調整機構90を設けることで、左右方向の幅が増えており、背凭れ部2の開口と干渉し、強弱調整機構90が擦れて損傷してしまう恐れがあるので、カバー部89を設けることで強弱調整機構90の損傷を防いでいる。
【0050】
また、強弱調整機構90を動作させた場合であっても、第一施療子81aと前記第二施療子81bの相対的距離は保持されたままとなっている。これは、第二施療子支持体83の下部が、第一施療子81aとともに第二揺動軸86上に設けられており、第二施療子支持体83の上部に第二施療子81bが設けられており、この状態のまま強弱調整機構90が第二施療子支持体83の第二揺動軸86を支点に揺動させるので、第一施療子81aと第二施療子81bの距離が保持される。
例えば、第一施療子81aと第二施療子81bの距離が変更されてしまうと、第一施療子81aと第二施療子81bが接近した状態となり、掴み動作となるため、施療動作の変更となってしまい、施療中のマッサージ動作の強弱を調整することができない。
このように第一施療子81aと第二施療子81bの距離を保持することで、同一種類のマッサージ動作を強弱調整できるようになる。
【0051】
前記強弱調整機構90は、蛇腹状のエアセル301a(301b)よりなり、第一施療子支持体82の第一取付部85に設けられている。
また、第一取付部85には、配管を通す孔があり、蛇腹状のエアセル301a(301b)の給排気口がそこから出されている。
前記強弱調整機構90は、前記第一施療子81a側に揺動支点を有しており、エアの給気によって、被施療者側へ揺動を行う。
また、前記蛇腹状のエアセル301a(301b)は、施療用のエアセル(302a等)に比べて小さくなっていることが好ましい。エアセルを小さくすることで、少ないエア量で膨張状態とすることができ、応答速度の速い強弱調整が可能となっている。
【0052】
また、蛇腹状のエアセル301a(301b)の給排気口につながれているエア配管(図示せず)は、座部3の下方にある給排気装置32へと繋がっている。
前記エア配管の途中には、絞り37aが配置されており、強弱調整機構90の蛇腹状のエアセル301a(301b)へのエアの流入流出量を抑制している。
強弱調整機構90の蛇腹状のエアセル301a(301b)は、他のエアセルに比べて小さいサイズであるため、通常のエアセルと同じ様にエアを入れてしまうと反応速度が速すぎてしまうため、絞り37aを設けてエアの流入流出を抑制している。
【0053】
前記絞り37a(37b,37c)は、エア配管とエア配管の途中に配置できるように、配管と配管を繋ぐ管状部材で形成されている。
また、絞り37a(37b,37c)は流路の途中で単に内径を縮小させた形状となっていてもいいし、内径を徐々に小さくしていくような形状となっていてもよい。
例えば、強弱調整機構90側(エアの流出側)から見た絞り37a(37b,37c)の内径は、単に内径を縮小させた形状とし、給排気装置32側(エア流入側)から見た絞り37a(37b,37c)の内径は、強弱調整機構90に向かって徐々に小さくしていくような形状とした場合は、エアの流入は、エアの流出に比べて早く、エアの流出は、エアの流入に比べて遅いといった変化を付けることができる。
【0054】
図7は、本発明の実施形態に係るマッサージ機1の動作を示す図であり、マッサージ機構6の左右一対の施療子81を利用して、揉みマッサージを行っている図である。
図7aでは、マッサージ機構6の左右一対の施療子81の間隔が広い状態をA位置とし、マッサージ機構6の左右一対の施療子81の間隔が狭い状態をB位置としている。
図7bの表では、第1動作ステップ,第2動作ステップ,第3動作ステップ中に、左右の施療子81がA位置からB位置へ移動する様子を示している。
図7cの表では、第1動作ステップ,第2動作ステップ,第3動作ステップ中の強弱調整機構90のエア量を示している。
【0055】
マッサージ機1の制御部31は、左右一対の施療子81を第1施療位置と第2施療位置との間を移動させる第1プログラムと、前記強弱調整機構90を第1プログラムに合わせて動作させる第2プログラムを有している。なお、第1施療位置は、
図7のB位置にあたり、第2施療位置は、
図7のA位置にあたる。第1プログラムでは、揉み動作を行なっている。揉み動作を行なうと、施療子81は、被施療者に対して略水平方向に動作し、
図7で示す、A位置からB位置またはB位置からA位置を略円状に移動しながら揉み動作を行なう。なお、A位置は、マッサージ機構6の左右一対の施療子81が離間しており、左右一対の施療子81の間隔が広い状態であり、B位置は、マッサージ機構6の左右一対の施療子81が近接しており、左右一対の施療子81の間隔が狭い状態をとなっている。
第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて強弱調整機構90を動作させている。第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して左右一対の施療子81を進出させる第一動作ステップと、被施療者に対して左右一対の施療子81を進出させ、その状態を維持したまま、第1プログラムを実行する第二動作ステップと、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して左右一対の施療子81を退出させる第三動作ステップと、を含むプログラムである。
詳しくは、強弱調整機構90を利用しながら揉み動作を行い、A位置からB位置又はB位置からA位置への移動時にエアを流入流出させて揉み動作を行なっている。前記第一動作ステップでは、A位置からB位置へ移動させる際に強弱調整機構90のエアセルにエアを流入させ、B位置到達の際には、強弱調整機構90のエアセルは最大膨張状態となっている。また、A位置からB位置又はB位置からA位置への移動は、被施療者の背面に対して略左右方向の動作であって、強弱調整機構90の動作は、被施療者の背面に対して施療子81を進退出させる略垂直方向の動作である。前記略左右方向動作の移動成分と前記略垂直方向動作の移動成分を組合せることで、施療子81は、被施療者に対して斜め方向に動作することとなる。前記斜め方向の動作で被施療者に施療を行うと、施療箇所付近の肉を寄せながら施療を行うことが可能となり、効果的なマッサージが行える。
前記第二動作ステップでは、強弱調整機構90のエアセルを膨張させたまま、B位置からA位置又はA位置からB位置への移動を繰り返し行っている。前記第三動作ステップでは、B位置からA位置へ向かう際に、強弱調整機構90のエアセルのエアを流出させ、A位置到達の際には、強弱調整機構90のエアセルは膨張していない状態となっている。
言い換えると、第一動作ステップは、身体の外側から背骨側へ移動しながら揉み動作の圧力を徐々に強くしていく動作であり、第二動作ステップは、同じ揉み圧で身体の外側から内側(又は内側から外側)に対して複数回揉み動作を行なう揉み動作であり、第三動作ステップは、身体の内側から外側へ移動しながら揉み圧を徐々に弱くしていく揉み動作である。
また、A位置からB位置への移動又はB位置からA位置への移動、強弱調整機構90のエアセルにエアを流入流出させるタイミングは、実施例だけに限らず、適宜設定することができる。
このような強弱調整機構90のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができるので、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。
【0056】
図8は本発明の実施形態に係るマッサージ機1の動作を示す図であり、マッサージ機構6の左右一対の施療子81を利用して、指圧マッサージを行っている図である。
図8aは、施療子の位置を示しており、C位置、D位置、E位置が示されている。なお、C位置は、左右一対の施療子81が被施療者の背骨に近い位置であり、B位置とC位置は、左右一対の施療子81が被施療者の身体の側面と背骨との中間位置にある。
図8bは、第1動作ステップ,第2動作ステップ,第3動作ステップ中に、左右の施療子81がC位置,D位置,E位置へ移動する様子を示している。
図8cは、第1動作ステップ,第2動作ステップ,第3動作ステップ中の強弱調整機構90のエア量を示している。
【0057】
マッサージ機1の制御部31は左右一対の施療子81を第1施療位置と第2施療位置との間を移動させる第1プログラムと、前記強弱調整機構90を第1プログラムに合わせて動作させる第2プログラムを有している。なお、第1施療位置は、
図8のC位置にあたり、第2施療位置は、
図8のD位置とE位置にあたる。
第1プログラムでは、施療子81を、被施療者に対して略水平方向に動作させ、
図8で示す、C位置、D位置、E位置に施療子81を移動させる動作を行なう。C位置は、マッサージ機構6の左右一対の施療子81が近接しており、左右一対の施療子81同士の間隔が狭い状態であり、D位置とE位置は、マッサージ機構6の左右一対の施療子81が離反しており、左右一対の施療子81の間隔が広い状態である。
第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて強弱調整機構90を動作させている。第2プログラムは、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して左右一対の施療子81を進出させる第一動作ステップと、前記第1プログラムを一時停止させ、被施療者に対して左右一対の施療子81を進出させた状態を維持する第二動作ステップと、前記第1プログラムに合わせて徐々に被施療者に対して左右一対の施療子81を退出させる第三動作ステップと、を含むプログラムである。
詳しくは、左右一対の施療子81をC位置、D位置、E位置に移動させながら強弱調整機構90を膨張収縮させることで、指圧動作を行なっている。
第一動作ステップでは、施療子81がC位置からD位置へ移動し、C位置からD位置に移動する際に強弱調整機構90にエアを流入させ、D位置に到達の際には、強弱調整機構90のエアセルは膨張している状態となっている。また、C位置からD位置への移動又はD位置からC位置への移動、C位置からE位置への移動又はE位置からC位置への移動は、被施療者の背面に対して略左右方向の動作であって、強弱調整機構90の動作は、被施療者の背面に対して施療子81を進退出させる略垂直方向の動作である。前記略水平方向動作の移動成分と前記略垂直方向動作の移動成分を組合せることで、施療子81は、斜め方向に動作することとなる。前記斜め方向の動作で被施療者に施療を行うと、施療箇所付近の肉を寄せながら施療を行うことが可能となり、効果的なマッサージが行える。第二動作ステップでは、強弱調整機構90のエアセルを膨張させた状態で左右一対の施療子81の移動動作を一時停止させている。第三動作ステップでは、左右一対の施療子81がD位置からC位置へ移動し、D位置からC位置に移動する際に強弱調整機構90のエアを流出させ、C位置へ到達する際には、強弱調整機構90のエアセルは収縮している状態となっている。なおC位置からE位置,E位置からC位置の施療子81の移動と、エアセルの膨張タイミングは、C位置からD位置,D位置からC位置の動作と同じなので、説明は省略する。また、C位置では、強弱調整機構90のエア量が最小状態となっており、D位置及びE位置では、強弱調整機構90のエア量が最大状態となっており、施療子81はD位置及びE位置で移動動作を停止する。
言い換えると、第一動作ステップは、施療子81が被施療者の背骨側の位置から、被施療者の身体の外側と背骨との中間位置に移動しながら指圧動作の圧力を徐々に強くする動作であり、第二動作ステップは、前記指圧の圧力を維持した状態で施療子81の移動を止めて、中間位置に指圧する動作であり、第三動作ステップは、施療子81が中間位置から背骨側の位置へ移動しながら、指圧動作の圧力を徐々に弱くする動作である。
また、C位置からD位置への移動又はD位置からC位置への移動、C位置からE位置への移動又はE位置からC位置への移動、強弱調整機構90のエアセルにエアを流入流出させるタイミングは、実施例だけに限らず、適宜設定することができる。
このような強弱調整機構90のプログラムを設けることで、指圧マッサージを行ないながら、他のマッサージを行うことができるので、マッサージの手法が増え、バリエーションに富んだマッサージを行うことができる。
【0058】
図9は、本発明の別実施形態に係る強弱調整機構90を示す図である。
図9では、強弱調整機構90をエアセルから別の駆動手段に変更したものであり、
第一施療子支持体82の後面に駆動用のモータ93を設けて、第二施療子支持体83をネジ棒式アクチュエータ92で駆動させる構成のものである。
図9aは、本発明の別実施例である強弱調整機構90が動作していない状態を示す図である。
図9bは、本発明の別実施例である強弱調整機構90が動作したときの状態を示す図である。
【0059】
図9aの、第一施療子支持体82の後面に駆動用のモータ93を設けて、第二施療子支持体83をネジ棒式アクチュエータ92で駆動させる構成のものである。
前記ネジ棒式のアクチュエータ92は、第一施療子支持体82の後面に設けられている。
ネジ棒式のアクチュエータ92は、モータ93と、ネジ棒94と、モータ92からの駆動力を伝達する伝達部95を有しており、前記モータの駆動によって、ネジ棒94を被施療者側に移動させて、第二施療子支持体83を揺動させる。
このような構成とすることで、被施療者に対して施療子81を進退出させることができ、マッサージ動作の強弱を調整することができる。
【0060】
図10は、本発明の別実施形態に係る強弱調整機構90を示す図である。
図10aは、本発明の別実施例である強弱調整機構90が動作していない状態を示す図である。
図10bは、別実施形態の強弱調整機構90が動作している状態を示す図である。
なお、破線は、
図10aの強弱調整機構90が動作していない状態を示している。
【0061】
別実施形態に係るマッサージ機構6は、揉みや叩きのマッサージ動作を伝達する第1アーム70と、被施療者の身体の起伏に沿って揺動する第2アーム80と、を有し、前記第2アーム80は、施療子81(81a,81b)と、前記施療子81(81a,81b)を被施療者に対して進退出させる強弱調整機構90を有している。
前記強弱調整機構90は、強弱調整部96と、伝達部97とを有している。強弱調整部96は、円形状の偏心カムであって、マッサージ機構6の揉軸71の偏角部に固定されている。
また、前記偏心カムの偏心量によって、第2アームを被施療者に対して進退出させる量が決定される。
前記伝達部97は、一端を第1アーム70に固定しており、多端を第2アーム80に固定している。なお中途部には、偏心カムと接触し、偏心カムの外周を転動するローラ98が設けられており、前記ローラ98が、偏心カムに接触することで、第2アーム80を被施療者に対して進退出させることが可能となっている。
【0062】
また、
図10で示す強弱調整機構90は、揉軸71の回転動作によって、強弱調整を行っているので、揉みや指圧マッサージに合わせて施療子81を被施療者に対して進退出させることができる。例えば、
図7や
図8で示したような、動作が可能である。