(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、スマートフォン等に代表される多機能の携帯端末装置が普及するにしたがい、携帯端末装置を利用したポイントサービスが試行されている。このような携帯端末装置を利用することにより、現在のポイントやポイントの有効期限等のデータを携帯端末装置に送信して表示させることができ、リライトカードを用いる場合と同様なサービスを提供できる。また、このような携帯端末装置を用いる場合には、メール配信サービス等、さらなるサービスを付加することも容易であるという利点がある。
【0007】
しかしながら、ポイントサービスは、上記したリライトカードによるものが主流であり、集積された顧客データを元にCRM(Customer Relationsip Management)の推進がはかられてきた。近年の携帯端末装置の普及につれ、携帯端末装置によるポイントサービスの運用が増えつつある。現状、リライトカードによる運用と、携帯電話端末による運用とではその仕組みが異なることから、事業者サイドで2種類のサービスシステムを個別に構築し、運用がなされていた。しかしながら、携帯端末装置は全ての顧客が所有しているものではなく、また、それを使いこなせない顧客が多い。したがって、携帯端末装置を使用したポイントサービスのみにしてしまうと、当該ポイントサービスを利用できない顧客が多数発生してしまうという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、ポイントカードと携帯端末装置によるポイントサービスを一体的に利用可能とし、使い勝手の向上をはかったポイント管理装置およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明のポイント管理装置は、ポイントカードに記録された固有の情報とポイントとを読み取り、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づき、前記記録されたポイントを更新するカードリーダライタを備えた本体と、前記本体に内蔵されるか、前記本体に接続され、固有の情報とポイントとが記録された非接触記録媒体を有する携帯端末装置との間で非接触通信を行ない、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づき前記記録されたポイントを更新する無線リーダライタとを備え、前記本体は、前記カードリーダライタと前記無線リーダライタのいずれを用い、前記ポイントカードまたは前記非接触記録媒体に記録された、前記ポイントの更新を行なうかを制御する制御手段、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記制御手段は、前記カードリーダライタのカード挿入口近傍に設けられたカードセンサが、前記カード挿入口に前記ポイントカードが挿入されたことを検知すると、前記カードリーダライタを用いて前記ポイントカードに記録された前記ポイントを更新することを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記制御手段は、前記無線リーダライタにおける前記携帯端末装置のタッチ面近傍の内部に設けられた荷重センサが所定の重量を検出すると、前記無線リーダライタを用いて前記非接触記録媒体に記録された前記ポイントを更新することを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記制御手段は、前記カードリーダライタを用いた前記ポイントの更新が選択されると、前記ポイントカードから前記固有の情報を読み取り、前記読み取りが成功すると、前記ポイントカードに記録されている前記ポイントに、前記購入金額に応じて新たに付与されるポイントを加算して前記記録されているポイントを更新するポイント付与処理を実行し、前記無線リーダライタを用いた前記ポイントの更新が選択されると、前記携帯端末装置との間で非接触通信を行い、前記非接触記録媒体から前記固有の情報を読み取り、前記読み取りが成功すると、前記非接触記録媒体に記録されている前記ポイントに、前記購入金額に応じて新たに付与されるポイントを加算して前記記録されているポイントを更新するポイント付与処理を実行することを特徴とする。
【0013】
上記した課題を解決するために本発明は、ポイント管理装置と、前記ポイント管理装置が接続される店舗端末と、前記店舗端末がネットワーク経由で接続される上位装置とからなるポイント管理システムであって、前記ポイント管理装置は、ポイントカードに記録された固有の情報とポイントとを読み取り、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づき、前記記録されたポイントを更新するカードリーダライタを備えた本体と、前記本体に内蔵されるか、前記本体に接続され、固有の情報とポイントとが記録された非接触記録媒体を有する携帯端末装置との間で非接触通信を行ない、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づき前記記録されたポイントを更新する無線リーダライタとを備え、前記上位装置は、前記店舗端末で、前記ポイント管理装置によって読み取られた前記固有の情報および前記購入金額が入力されると、前記購入金額に応じた新たなポイントを付与するポイント付与処理を実行し、得られる累計ポイント情報を前記ネットワーク経由で要求のあった前記店舗端末に送信し、前記ポイント管理装置は、前記カードリーダライタと前記無線リーダライタのいずれかを用い、前記ポイントカードまたは前記非接触記録媒体に記録された、前記ポイントの更新を行なうかを制御すると共に、前記店舗端末により中継される前記累計ポイント情報に基づき、前記カードリーダライタ、または無線リーダライタにより、前記ポイントカードまたは前記携帯端末装置の前記非接触記録媒体に記録された前記ポイントを更新する処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ポイントカードと携帯端末装置によるポイントサービスを一体的に利用可能とし、使い勝手の向上がはかれる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0017】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係るポイント管理装置1の外観構成を示す略図である。
図1に示すように、本実施形態に係るポイント管理装置1は、ポンイト管理装置本体(以下、本体100という)と、無線リーダライタ200とから構成される。
【0018】
本体100は、ポイントカード10に記録された固有の情報を読み取り、かつ記録されたポイントを更新可能なカードリーダライタ100aを内蔵し、後述するように、カードリーダライタ100aと無線リーダライタ200のいずれを用いてポイント処理を行うかを制御する。なお、ここでいう「ポイント処理」とは、ポイントカード10に記録された固有の情報(ID)とポイントとを読み取り、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づき、ポイントカード10に記録されたポイントを更新する処理をいう。
【0019】
このため、カードリーダライタ100aのカード挿入口105の近傍には、ポイントカード10が挿入されたことを検知するカードセンサ105aが実装されている。本体100はまた、キャッシュレジスター300にケーブル101を介して有線接続されている。
【0020】
無線リーダライタ200は、本体100とケーブル102により有線接続され、固有の情報が記録された、例えば、RFIDチップ20a等の非接触記録媒体を有する携帯端末装置20との間で無線通信により非接触で情報の授受を行なうことによりポイント処理を行う。ここでいう「ポイント処理」とは、固有の情報(ID)とポイントとが記録されたRFIDチップ20aを有する携帯端末装置20との間で非接触通信を行ない、購入金額に応じて新たに付与されるポイントに基づきRFIDチップ20aに記録されたポイントを更新する処理をいう。
【0021】
なお、無線リーダライタ200は、本体100に内蔵されていてもよい。無線リーダライタ200は、RFIDチップ20aが内蔵された携帯端末装置20等との間で無線通信により非接触で情報の授受を行う。このとき、携帯端末装置20は、店頭で、又は、通信回線を利用して利用者自らが、予めポイントサービスの利用を可能にするための登録や、必要なアプリケーションの設定等の利用環境を済ましているものとする。
【0022】
無線リーダライタ200はまた、タッチ面200a近傍内部(点線表記)に、携帯端末装置20の重量を計測する荷重センサ200bが実装されている。荷重センサ200bとして、例えば、ロードセルが使用される。ロードセルは、荷重を電気抵抗の変化として検出するセンサであり、重量に応じた電気信号に変換して出力する。ここでは、タッチ面200aに載置される、例えば、100g〜200g程度の重量を有する携帯端末装置20を検知する用途に使用される。
【0023】
キャッシュレジスター300は、商品名、価格、数量、販売日時等の販売実績を収集可能な会計処理機であり、商品の価格等をケーブル101経由で本体100へ伝えることができるように構成されている。また、キャッシュレジスター300は、会計時にポイントを利用する場合には、利用するポイントに関する情報を本体100から受け取り、会計処理に反映できるように構成されている。キャッシュレジスター300は、ネットワーク接続環境を有するPC(Personal Computer)の機能を有するPOS(Point Of Sale)レジスターで代替してもよい。
【0024】
ポイント管理装置1の内部構成が
図2に示されている。本体100は、カードリーダライタ100aの他に、入力部103と、表示部104と、通信部109とを周辺デバイスとして備えている。
【0025】
入力部103は、「0」〜「9」までの数字キー、点検キー、交換キー、販売キー、合計キー、訂正キー等を有している。また、これらのキーは、文字入力に用いるキー割り当てが行われている。入力部103は、これら各種キーを備えることにより、ポイント利用者の情報登録等に用いられる。表示部104は、ユーザが入力部103による入力操作を行っているとき等に各種情報を表示する液晶表示装置等のディスプレイ装置である。また、表示部104は、ポイント処理が、ポイントカード10によるものか携帯端末装置20によるものかを示す操作モード(カードモード/無線モード)、およびそのときに付与されるポイントについても表示する。通信部109は、キャッシュレジスター300との間で、例えば、RS232Cによりシリアル通信を行う。
【0026】
カードリーダライタ100aは、カード挿入口105と、カードセンサ105aと、サーマルヘッド106と、磁気ヘッド107と、駆動ローラ108と、制御部110とを備えている。
【0027】
カード挿入口105は、ポイントカードによりポイント処理を行うカードモード時に、ポイントカード10を挿入する開口部である。カードモード時には、カード挿入口105にポイントカード10を挿入することによりポイント処理が行なわれる。なお、ポイント処理が終了した後は、このカード挿入口105からポイントカード10が排出される。一方、スマートフォン等の携帯端末装置20を使用してポイント処理を行う無線モード時には、利用者がRFIDチップ20aを内蔵した携帯端末装置20を無線リーダライタ200のタッチ面200aに載置することで無線通信によるポイント処理が行なわれる。
【0028】
カードセンサ105aは、カード挿入口105近傍の内部に設けられており、カード挿入口105に挿入されたポイントカード10を、例えば、光学的に検出する光センサである。カードセンサ105aは、マイクロスイッチあるいは機械的スイッチで代替してもよい。
【0029】
サーマルヘッド106は、ポイントカード10のリライト印刷領域を加熱することにより、今回ポイントや累積ポイントやポイント有効期限等を書き換える。ポイントカード10のリライト印刷領域には、所定の薬品が塗布されており、サーマルヘッド106により、所定温度の熱を加えることにより、繰り返し、消去、書き換えが可能である。なお、サーマルヘッド106は、ロイコ式、及び、白濁式のいずれのリライト印刷の方式にも対応可能である。磁気ヘッド107は、ポイントカード10の磁気記録部に対して固有の情報の読み取りを行う。駆動ローラ108は、不図示のモータから駆動力を得てポイントカード10の搬送を行うローラである。駆動ローラ108は、不図示の従動ローラに対向して動作し、従動ローラは、ポイントカード10の磁気ストライプ部分が磁気ヘッド107に密着して、記録または再生の一方に不具合が生じないように配置されている。
【0030】
制御部110は、ヘッド駆動回路111と、記録再生駆動回路112と、ローラ駆動回路113と、データメモリ114と、MPU(Micro Processor Unit)115と、ROM(Read Only Memory)116と、RAM(Random Access Memory)117とデータバス118とを備えている。制御部110は、MPU115が、ROM116に記録されたプログラムを逐次読み出し実行することにより、カードリーダライタ100aによるポイントカード10のリードライトを制御する他に、カードリーダライタ100aと無線リーダライタ200のいずれを用いてポイント処理を行うかを制御する制御手段としても機能する。
【0031】
具体的に、MPU115は、カードリーダライタ100aのカード挿入口115a近傍に設けられたカードセンサ105aが、カード挿入口105にポイントカード10が挿入されたことを検知すると、カードリーダライタ100aを用いたポイント処理を選択し、カードリーダライタ100aによるポイントカード10の読み取りおよび書き込み動作を有効にする。一方、無線リーダライタ200における携帯端末装置20のタッチ面200a近傍内部に設けられた荷重センサ200bが所定の重量(100g〜200g)を検出すると、無線リーダライタ200を用いたポイント処理を選択し、無線リーダライタ200が内蔵する無線通信回路201によるRFIDチップ20aの読み取りおよび書き込み動作を有効にする。
【0032】
カードリーダライタ100aを用いたポイント処理が選択されると、MPU115は、ポイントカード10から固有の情報(ID)を読み取り、読み取りが成功すると、ポイントカード10に記録されている累計ポイントに、購入金額に応じて新たに付与されるポイントを加算して累計ポイントを更新するポイント付与処理を実行する。また、無線リーダライタ200を用いたポイント処理が選択されると、MPU115は、携帯端末装置20との間で非接触通信を行い、RFIDチップ20aから固有の情報を読み取り、読み取りが成功すると、RFIDチップ20aに記録されている累計ポイントに、購入金額に応じて新たに付与されるポイントを加算して累計ポイントを更新するポイント付与処理を実行する。
【0033】
なお、RAM117にはプログラム実行過程でMPU115により生成される各種データが記憶される。例えば、ポイントカード10に印刷する、または、携帯端末装置20に送信すべきポイントに関する各種データが格納される。
【0034】
ヘッド駆動回路111は、MPU115による制御の下で、サーマルヘッド106に対して印刷動作を行わせる。記録再生駆動回路112は、磁気ヘッド107に対し、ポイントカード10のデータの読み取りや書き込みを行わせる。ローラ駆動回路113は、駆動ローラ108を駆動させる。
【0035】
データメモリ114には、例えば、
図3にそのデータ構造の一例を示すように、ポイントを含む会員データが記憶される。会員データは、「会員No.」と「有効期限」と、「最終利用日」と、「今回ポイント」と、「累計ポイント」とをデータフィールドとして持つ。「会員No.」は、会員毎に割り振られる固有の番号(ID)である。ポイントカード1O、および携帯端末装置20は、少なくともこの「会員No.」に相当するIDが格納されており。このIDにポイントのデータを紐付けている。「有効期限」は、会員が有するポイントの有効期限である。「最終利用日」は、直近で最後にポイントサービスを利用した年月日である。「今回ポイント」は、直近で最後にポイントサービスを利用したときに紐付けられたポイントである。「累計ポイント」は、現在までに蓄積されたポイントの総額である。
【0036】
説明を
図2に戻す。データバス118は、MPU115の内部バスであり、ROM116,RAM117は勿論のこと、カードリーダライタ100aを構成するカードセンサ105a、ヘッド駆動回路111,記録再生駆動回路112,ローラ駆動回路113,データメモリ114の他に、入力部103、表示部104、通信部109、そして、無線リーダライタ200も接続されている。
【0037】
無線リーダライタ200は、無線通信回路201と、アンテナ202と、荷重センサ200bとを含む。無線通信回路201は、携帯端末装置20が内蔵するRFIDチップ20aのアンテナとの間で無線による信号を授受するために必要な電波を生成し、変調あるいは復調してアンテナ202を介して送受信する。荷重センサ200bは、タッチ面200aに載置される携帯端末装置20の重量を計測するもので、MPU115は、荷重センサ200bが、例えば、100g〜200g範囲の携帯端末装置20の重量を検出したときに無線モードによるポイント処理に切り替える。
【0038】
(実施形態の動作)
以下、
図3のフローチャートを参照して
図1,
図2に示す本実施形態に係るポイント管理装置1の動作について詳細に説明する。
【0039】
商品清算の際(ステップS101)、店員は、キャッシュレジスター300を操作することにより購入金額を入力する(ステップS102)。例えば、購入金額の合計が1000円であり、ポイント付与率が合計額の10%であるとする。このとき、制御部110(を構成するMPU115)は、キャッシュレジスター300から商品購入のための合計額が1000円であることを示すデータを通信部109、データバス118経由で取得する。MPU115は、この1000円に10%を乗算することにより今回ポイントが100ポイントであり、また、それまでの累計ポイントに今回ポイントを加えて、新たな累計ポイントを算出するポイント演算を行う(ステップS103)。
【0040】
次に、MPU115は、利用者がポイントカード10によるポイント処理と携帯端末装置20(RFIDチップ20a)によるポイント処理のいずれを希望しているかを判定する。この判定は、カードリーダライタ100aのカード挿入口105にポイントカード10が挿入されているか否かを、カードセンサ105aからの出力を判定することにより可能である。カード挿入口105にポイントカード10が挿入された場合には(ステップS104“C”)、MPU115は、表示部104にカードモードによるポイント処理を開始することを示す「カード処理中」を表示し、ポイントカード10によるポイント処理を起動する。
【0041】
続いて、MPU115は、ポイントカード10から磁気ヘッド107を用いてID(会員No)の読み取りを行なう(ステップS105)。IDの読み取りに成功すると、MPU115は、ポイントカード10の書き換えを行う(ステップS106)。なお、IDの読み取りに失敗した場合には終了する。
【0042】
ポイントカード10の書き換えにあたり(ステップS106)、MPU115は、サーマルヘッド106に対して、ポイントカード10のリライト印刷領域において、以前の印刷を消去して、新たに、今回ポイントやポイント有効期限等の印刷を行わせる。続いて、MPU115は、データメモリ114の該当する会員のデータを、今回ポイントにより更新する(ステップS107)。更新処理後、MPU115は、ポイントカード10をカード挿入口105から排出させる処理を行う(ステップS108)。
【0043】
一方、ステップS104の判定処理で、カード挿入口105にポイントカード10が挿入されていない場合(ステップS104“S”)、MPU115は、無線リーダライタ200のタッチ面の重量検出を行なう(ステップS109)。ここで、利用者が、携帯端末装置20を無線リーダライタ200のタッチ面200a内の任意の位置に載置すると、MPU115は、荷重センサ200bから所定重量の携帯端末装置20が載置されたことを知り(ステップS110“Yes”)、無線リーダライタ200と携帯端末装置20が内蔵するRFIDチップ20aとの間で無線による通信を行う。この無線通信が成功すると、MPU115は、表示部104に無線モードによるポイント処理を開始することを表示し、携帯端末装置20(RFIDチップ20a)によるポイント処理を起動する。
【0044】
具体的に、MPU115は、携帯端末装置20(RFIDチップ20a)から無線通信によりID(会員No)を読み取り(ステップS111)、読み取りに成功した場合には、携帯端末装置20のRFIDチップ20aに記録されたポイントに、今回新たに付与されるポイントを加算して更新する(ステップS112)。この処理により、携帯端末装置20が最新のポイントデータを格納することになり、利用者は、専用のアプリケーションを利用することにより、保有しているポイントに関するデータをいつでも閲覧することができる。同時に、データメモリ114の該当する会員のデータを、新たなポイントデータにより更新することにより、携帯端末装置20が内蔵するRFIDチップ20aの記憶内容と整合をとる。
【0045】
なお、利用者が携帯端末装置20を無線リーダライタ200のタッチ面200a内に載置していない等により荷重センサ200bで予め定めた所定範囲内の重量検出がなされなかった場合(ステップS109“No”)、あるいは荷重センサ200bで所定重量が検出されなかった場合は(ステップS110“No”)、制御部110は、表示部104にエラー表示を行なう(ステップS113)。そして、所定重量の携帯端末装置20を無線リーダライタ200のタッチ面200aに載置する等によりエラーを解除した後(ステップS114“Yes”)、再試行の有無が判定され(ステップS115)、再試行が必要な場合は(ステップS115“Yes”)、ステップS104以降のステップを繰り返し実行し、再試行が不要な場合(ステップS115“No”)は処理を終了する。
【0046】
(実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係るポイント管理装置1によれば、カードセンサ105a、あるいは荷重センサ200bにより、ポイントカード10によるポイント付与と、携帯端末装置20(RFIDチップ20a)によるポイント付与とを簡単に切り換えることができる。したがって、簡単な構成により、ポイントカード10と携帯端末装置20(RFIDチップ20a)との両方を一体化したポイントサービスを実現でき、したがって、事業者サイドは、サービスコストの低減がはかれ、ユーザは携帯端末装置20の利用を意識することなくポイントサービスを享受できるようになるため使い勝手の向上がはかれる。
【0047】
なお、本実施形態に係るポイント管理装置1によれば、ポイントカード10は、磁気記録によりIDが記録されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ポイントカード10は、IDをバーコード等により表面に印刷表示するものであってもよい。また、ポイントカード10として書き換え可能なリライトカードを例示したが、書き換えできないポイントカード10であってもよい。
【0048】
また、制御部110によりポイントカード10が選択された場合には、無線リーダライタ200の無線通信回路201を電気的に切断することができ、携帯端末装置20が選択された場合には、カードセンサ105aを電気的に切断することができるようにしてもよく、これにより省電力化が期待できる。さらに、制御部110に不図示のタイマ回路を設け、モード選択操作から所定時間の経過(タイムアウト)を検出することにより、カードセンサ105a、無線通信回路201の両方を切断するエコモードとすることができ、さらに省電力化に貢献することができる。
【0049】
この場合のポイント管理装置1の動作が変形例として
図5にフローチャートで示されている。
図5において、
図4のフローチャートと同じステップ番号が付されたブロックは、
図4に示す各ステップと同じ処理を行う。以下、
図4のフローチャートとの差異にのみ着目して説明する。
図5において、MPU115は、ポイント演算処理(ステップS103)が終了した時点で、カードセンサ105aおよび加重センサ200bへの電力供給を開始する(ステップS121)。MPU115は、常時、タイマによるタイムアウト監視を行っており、例えば、10秒間等の所定時間内に、カードリーダライタ100aのカードセンサ105a、無線リーダ200の荷重センサ200bのいずれからも信号が検出されない場合は(ステップS116“Yes”)、表示部104に対して読み取りエラー表示を行なう(ステップS118)。
【0050】
そして、ポイントカード10がカードリーダライタ100aのカード挿入口105に挿入されることにより、あるいは所定重量の携帯端末装置20が無線リーダライタ200のタッチ面200aに載置されることにより、カードセンサ105aまたは加重センサ200bから信号が検出されてエラーが解除されると(ステップS119“Yes”)、MPU115は、再試行の有無を判定し(ステップS120)、再試行が必要な場合は(ステップS120“Yes”)、ステップS121の処理に戻ってカードセンサ105aおよび加重センサ200bに電力を供給し、ステップS116以降の処理を繰り返し実行する。一方、再試行が不要な場合(ステップS120“No”)は、カードセンサ105aおよび荷重センサ200bへの電力供給を停止し、上記した一連のポイント管理処理動作を終了する(ステップS122)。
【0051】
なお、ステップS116のタイムアウト判定処理で、タイムアウトが検出されなかった場合、すなわち、所定時間内にいずれかの信号が検出された場合(ステップS116“No”)、MPU115は、カードセンサ105aによりポイントカード10がカードリーダライタ100aのカード挿入口105に挿入されたか否かを判定し(ステップS117)、ポイントカード10が挿入された場合は、
図4と同様、ステップS105のカード読み取り処理以降のポイントカード10によるポイント管理処理動作を実行し(ステップS105〜S108)、ポイントカード10が未挿入の場合は(ステップS117“No”)、ステップS109の重量検出処理以降の携帯端末装置20によるポイント管理処理動作を実行する(ステップS109〜S115)。そして、カードセンサ105aおよび荷重センサ200bへの電力供給を停止して上記した一連のポイント管理処理動作を終了する(ステップS122)。なお、ステップS109の重量検出処理で所定重量の携帯端末装置29を検出できなかった場合は(ステップS109“No”)、ステップS121のカードセンサ105aおよび荷重センサ200bの電力供給処理に戻る。
【0052】
なお、本実施形態に係るポイント管理装置1によれば、携帯端末装置20として、いわゆるスマートフォンを例示した。これに限らず、例えば、いわゆるフューチャーフォンと呼ばれるタイプの従来からある携帯電話であってもよく、携帯可能で無線リーダライタ200と通信可能な非接触記録媒体を内蔵するものであればどのようなものであってもよい。
【0053】
また、本実施形態に係るポイント管理装置1によれば、ポイント管理装置1には、キャッシュレジスター300が接続されており、キャッシュレジスター300から合計金額のデータを受け取る例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ポイント管理装置1は、キャッシュレジスター300が接続されていないスタンドアロンの形態であってもよい。この場合、店員は、合計金額を本体100の入力部103から入力すればよい。また、ポイントに関する各種データを格納するデータメモリ114は、本体100に内蔵されるものとして説明した。これに限らず、例えば、本体100を、ネットワーク接続環境を有しPC(Personal Computer)の構成を基本として持つPOSレジスター、あるいはバックヤードに備え付けの店舗端末400経由でIP(Internet Protocol)網等のネットワークに接続して、上位装置(ポイント管理サーバ700)を使用することによってポイントを管理してもよい。この場合のシステム構成例を
図6に示す。
【0054】
図6によれば、ポイント管理システム800は、店舗毎に設置される1以上のポイント管理装置1a〜1nと、ポイント管理装置1a〜1nのそれぞれが接続される店舗端末400a〜400nと、店舗端末400a〜400nがそれぞれIPルータ500a〜500n経由でIP網600等のネットワークを介して接続される上位装置(ポイント管理サーバ700)と、から構成される。
【0055】
ポイント管理サーバ700が管理するポイントサービスのための会員データは、ポイント管理サーバ700が有する不図示の大容量メモリに格納されている。この会員データは、例えば、
図3に示すデータメモリのデータ構造を店舗別に拡張したデータ構造を有する。すなわち、「会員No.」と「有効期限」と、「最終利用日」と、「今回ポイント」と、「累計ポイント」の他に、例えば、店舗毎に割り当てられる店舗IDのデータフィールドが付加され、管理される。事業者は、このポイント管理サーバ700により集積される会員データを元にCRMの推進をはかることができる。
【0056】
上記システム構成において、店舗端末400a〜400nで、ポイント管理装置1a〜1n(本体100)によって読み取られたID、および購入金額が入力されると、ポイント管理サーバ700は、購入金額に応じたポイントを付与するポイント付与処理を実行し、得られる累計ポイントをIP網600、IPルータ500a〜500nのいずれかを経由して要求のあった店舗端末400a〜400nのいずれかに送信する。そして、その店舗端末400a〜400nのいずれかに接続されたポイント管理装置1a〜1nは、本体100(制御部110)が店舗端末400a〜400nによって中継される累計ポイントに基づき、選択されたカードリーダライタ100aまたは無線リーダライタ200により、ポイントカード10または携帯端末装置20が内蔵するRFIDチップ20aに記録されてあるポイントを更新する処理を実行する。このポイント付与処理、あるいはポイント更新処理は、
図3のフローチャートで説明した通りであり、重複を回避する意味でここでの説明を省略する。
【0057】
本実施形態に係るポイント管理システム800によれば、簡単な仕組みにより、ポイントカード10と携帯端末装置20(RFIDチップ20a)との両方を一体化したポイントサービスを実現でき、したがって、事業者サイドは、サービスコストの低減がはかれ、ユーザは携帯端末装置20の利用を意識することなくポイントサービスを享受できるようになる。また、ポイントは、上位装置(ポイント管理サーバ700)が管理するため、ポイント管理装置1の処理負荷が軽減される。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。