特許第6052777号(P6052777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052777
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20161219BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20161219BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C11D17/08
   C11D1/04
   C11D1/22
   C11D1/14
   C11D1/29
   C11D1/72
   C11D1/722
   C11D3/30
   C11D3/10
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-282551(P2012-282551)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-125520(P2014-125520A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】村田 大也
(72)【発明者】
【氏名】古谷 智香
(72)【発明者】
【氏名】矢野 誠二
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−520262(JP,A)
【文献】 特表2001−506679(JP,A)
【文献】 特開2011−213993(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/114876(WO,A1)
【文献】 特開2010−229387(JP,A)
【文献】 特表2001−516801(JP,A)
【文献】 特表2000−513045(JP,A)
【文献】 特開昭59−025894(JP,A)
【文献】 特開2012−102285(JP,A)
【文献】 特開2002−060787(JP,A)
【文献】 特開2011−246585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/08
C11D 1/04
C11D 1/14
C11D 1/22
C11D 1/29
C11D 1/72
C11D 1/722
C11D 3/10
C11D 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)非石鹸系アニオン性界面活性剤〔以下、(a)成分という〕5質量%以上、50質量%以下
(b)脂肪酸及び脂肪酸塩から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、
(c)アルカリ剤〔以下、(c)成分という〕、
(d)下記一般式(1)で示されるノニオン性界面活性剤〔以下、(d)成分という〕、並びに、

を含有する液体洗浄剤組成物であって、
(a)成分の配合成分として、(a−1)アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(a−1)成分という〕、(a−2)全アルキル基中の炭素数12以上、16以下の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上であるアルキル硫酸塩〔以下、(a−2)成分という〕、及び(a−3)アルキレンオキシ基の平均付加モル数が0より大きいポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩〔以下、(a−3)成分という〕から選ばれる1以上の非石鹸系アニオン性界面活性剤を含み、
配合成分としての(a−1)成分の質量と配合成分としての(a−2)成分の質量の合計と(a)成分の質量との質量比が、[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分で、0.5以上、1以下であり、
配合成分としての(a−3)成分の質量と(a)成分の質量との質量比が、(a−3)成分/(a)成分で、0.2以下であり、且つ、
配合成分としての(a−1)成分の質量と配合成分としての(a−2)成分の質量との質量比が、(a−1)成分/(a−2)成分で、0.25以上、9以下である、
衣料用液体洗浄剤組成物。
O−[(CO)/(AO)]H (1)
〔式中、Rは炭素数8以上、22以下の直鎖の炭化水素基であり、AOは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは18以上、60以下の数であり、nは0以上、5以下の数である。“/”はCO基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
【請求項2】
(a)成分の質量と(d)成分の質量の合計と(b)成分の質量との質量比が、[(a)成分+(d)成分]/(b)成分で、4以上、50以下である、請求項1記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(b)成分が、炭素数10以上、18以下の脂肪酸及び該脂肪酸の塩から選ばれる化合物である、請求項1又は2記載の液体衣料用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(b)成分として、炭素数12以上、14以下の脂肪酸と炭素数16以上、18以下の脂肪酸とを含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(c)成分が、アルカノールアミン及び炭酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤である、請求項1〜4の何れか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の、抑臭・消臭効果に優れる衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項7】
(a)非石鹸系アニオン性界面活性剤〔以下、(a)成分という〕5質量%以上、50質量%以下
(b)脂肪酸及び脂肪酸塩から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、
(c)アルカリ剤〔以下、(c)成分という〕、
(d)下記一般式(1)で示されるノニオン性界面活性剤〔以下、(d)成分という〕、並びに、

を含有する液体洗浄剤組成物の製造方法であって、
(a)成分として、(a−1)アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(a−1)成分という〕、(a−2)全アルキル基中の炭素数12以上、16以下の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上であるアルキル硫酸塩〔以下、(a−2)成分という〕、及び(a−3)アルキレンオキシ基の平均付加モル数が0より大きいポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩〔以下、(a−3)成分という〕から選ばれる1以上の非石鹸系アニオン性界面活性剤を配合し、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量の合計と(a)成分の質量との質量比が、[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分で、0.5以上、1以下、
(a−3)成分の質量と(a)成分の質量との質量比が、(a−3)成分/(a)成分で、0.2以下、且つ、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量との質量比が、(a−1)成分/(a−2)成分で、0.25以上、9以下、
となるように(a−1)成分、(a−2)成分、及び(a−3)成分を配合する、
衣料用液体洗浄剤組成物の製造方法。
O−[(CO)/(AO)]H (1)
〔式中、Rは炭素数8以上、22以下の直鎖の炭化水素基であり、AOは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは18以上、60以下の数であり、nは0以上、5以下の数である。“/”はCO基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
【請求項8】
請求項1〜6の何れか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物を製造する、請求項7に記載の衣料用液体洗浄剤組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物、詳しくは手洗い洗濯用として好適な液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料等の洗濯方法としては、大きく分けて手洗い洗濯と洗濯機洗濯の2種類がある。近年では、洗濯機の普及により洗濯機による洗濯が増加する傾向にあるが、汚れの落ち具合をしっかり確認できることや経済性の観点などから、世界的にみれば依然、手洗い洗濯が広く行われている。特に、水資源の少ない地域では出来るだけ少ない水で洗濯できるように手洗い洗濯を採用する場合が多い。一方、シーツなどの大物洗いは手洗い洗濯には不向きなことから、手洗い洗濯と洗濯機洗濯を併用している家庭も多く見られる。
【0003】
手洗い洗濯も洗濯機洗濯も、ともに洗い時の泡立ちやすすぎ時の泡切れを制御することは重要である。例えば、衣料等の洗濯時に発生する泡の量は、洗濯を行う消費者にとっては、洗濯が充分にされているという充実感、安心感を生じさせる要因となるものであり、また、すすぎ時の泡残りは不安感を生じさせる要因にもなる。特に手洗い洗濯の場合は、泡残りがあると、すすぎ回数を増やす人もいる。また洗濯機洗濯の場合でも、すすぎ時の泡残りに対して激しい嫌悪感を示したり、すすぎ回数を増やす人もいる。
【0004】
また、衣類等の洗濯では、特に近年、衛生・清潔に対する意識は高まっており、汚れ落ちといった本来の機能に加えて、抑臭・消臭といった機能が求められている。ここで抑臭機能とは、湿度が高く、洗濯物が乾きにくい状態が続いたときに発生する嫌なニオイが抑えられる機能を示す。抑臭機能に優れることは、例えば、雨の日や室内干しなど干す環境の悪い状況であっても、不快なニオイがしない、不衛生な気分にならない、気になるニオイを感じない、香料を配合した場合はいい香りを楽しめる、などのような衛生感を、よりいっそう感じさせることにつながる。
【0005】
特許文献1には、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、ハイドロトロープ剤、過酸化水素、水混和性溶剤を所定条件で含有する液体洗浄剤組成物が、衣料等を洗濯した後の生乾き臭を抑制できることが開示されている。
【0006】
特許文献2には、アルキルエーテルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を含有する、注入可能な液体洗濯洗剤組成物が開示されている。
【0007】
特許文献3には、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が比較的多いポリオキシアルキレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤、特定のアニオン性界面活性剤、及び炭素数8〜18の脂肪酸又はその塩を特定条件で含有する洗浄剤組成物が、洗浄時の洗浄力、及び泡立ち性が優れ、しかもすすぎ工程においてすばやく泡が消え、すすぎが速やかに完了する洗浄剤組成物であることが開示されている。
【0008】
特許文献4には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸及び/又はその塩を特定条件で含有し、非イオン界面活性剤の含有量が2質量%以下である液体洗浄剤組成物が、衣料等の洗濯において、優れた洗浄力を有し、起泡性と濯ぎ性の両方に優れることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−246585号公報
【特許文献2】特開平5−209198号公報
【特許文献3】特開2011−89107号公報
【特許文献4】特開2011−213992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
衣料用の洗浄剤組成物では、優れた洗浄力を有することに加え、洗浄後のすすぎ時には泡が速やかに消える等のすすぎ性に優れることが望まれる。更に、近年では洗浄後の衣料のニオイについての関心が高まっており、衣料からニオイを除去する消臭効果や、洗浄後の衣料から生乾き臭などの臭気が発生しない抑臭効果に優れることも望まれる。
【0011】
本発明は、良好な洗浄力が維持されており、すすぎ性に優れ、且つ衣料に対する抑臭効果に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
(a)非石鹸系アニオン性界面活性剤〔以下、(a)成分という〕5質量%以上、50質量%以下
(b)脂肪酸及び脂肪酸塩から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、
(c)アルカリ剤〔以下、(c)成分という〕、
(d)下記一般式(1)で示されるノニオン性界面活性剤〔以下、(d)成分という〕、並びに、

を含有する液体洗浄剤組成物であって、
(a)成分として、(a−1)アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(a−1)成分という〕、(a−2)アルキル硫酸塩〔以下、(a−2)成分という〕、及び(a−3)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩〔以下、(a−3)成分という〕から選ばれる1以上の非石鹸系アニオン性界面活性剤を含有し、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量の合計と(a)成分の質量との質量比が、[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分で、0.5以上、1以下であり、
(a−3)成分の質量と(a)成分の質量との質量比が、(a−3)成分/(a)成分で、0.2以下であり、且つ、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量との質量比が、(a−1)成分/(a−2)成分で、0.25以上、9以下である、
衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
1O−[(C24O)m/(AO)n]H (1)
〔式中、R1は炭素数8以上、22以下の炭化水素基であり、AOは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは18以上、60以下の数であり、nは0以上、5以下の数である。“/”はC24O基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、良好な洗浄力が維持されており、すすぎ性に優れ、且つ衣料に対する抑臭効果に優れた衣料用液体洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は非石鹸系アニオン性界面活性剤であり、(a−1)アルキルベンゼンスルホン酸塩〔(a−1)成分〕、(a−2)アルキル硫酸塩〔(a−2)成分〕、及び(a−3)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩〔(a−3)成分〕から選ばれる1以上の非石鹸系アニオン性界面活性剤を所定の条件で含有する。
【0015】
〔(a−1)成分〕
(a−1)成分のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、限定されるものではないが、炭素数8以上、更に10以上、そして、20以下、更に15以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。また、(a−1)成分が有するアルキル基は直鎖アルキル基が好ましい。
【0016】
アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、又はマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、洗浄性や組成物の保存安定性の観点から、アルカリ金属塩、又はアルカノールアミン塩であることが好ましい。本発明の組成物を調製する場合、アルキルベンゼンスルホン酸(酸型)を組成物中に添加し、系内でアルカリと中和反応させアルキルベンゼンスルホン酸塩としてもよいし、予め中和した後、組成物中に添加してもよい。アルキルベンゼンスルホン酸の中和には、(c)成分である、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムなどの強塩基、アルカノールアミン、炭酸塩等を用いることができる。
【0017】
〔(a−2)成分〕
本発明の(a−2)成分は、アルキル硫酸塩であり、アルキル基の炭素数は10以上、更に12以上、そして、16以下が好ましい。すなわち、(a−2)成分は、炭素数10以上、更に12以上、そして、16以下のアルキル基を有するアルキル硫酸塩が好ましい。
【0018】
(a−2)成分は、全アルキル基中の炭素数12以上、16以下の直鎖アルキル基の割合が50質量%以上であるアルキル硫酸塩が好ましい。再生産可能な原料を用いることで環境負荷を低減するという観点から、全アルキル基中の直鎖アルキル基の割合は70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、99質量%以上が特に好ましく、100質量%、すなわち(a−2)成分が直鎖アルキル硫酸塩であることが最も好ましい。
【0019】
(a−2)成分を構成する塩はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、洗浄性能、泡立ち性、溶解性の観点からアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
【0020】
〔(a−3)成分〕
(a−3)成分のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、限定されるものではないが、例えば、炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下のアルキル基、好ましくは、炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下の直鎖1級アルコール若しくは直鎖2級アルコール由来のアルキル基又は炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下の分岐アルコール由来のアルキル基を有し、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が0以上、更に0より大きい、更に0.5以上、更に1以上、また、5以下、更に4以下、更に3以下のものが挙げられる。(a−3)成分は、アルキレンオキシ基としてエチレンオキシ基を含むものが挙げられるが、平均付加モル数0.2〜2モルの範囲でプロピレンオキシ基を含んでいてもよい。塩はアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩から選ばれる塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。本発明においては、(a−3)成分は、所定の条件を満たした上で、含有してもよい成分である。
【0021】
〔その他の(a)成分〕
(a−1)成分、(a−2)成分及び(a−3)以外の(a)成分としては、パラフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる非石鹸系アニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0022】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は脂肪酸及び脂肪酸塩から選ばれる化合物である。(b)成分としては、限定されるものではないが、(b)成分としては、炭素数8以上、更に10以上、また、炭素数44以下、更に28以下、更に18以下の脂肪酸及び該脂肪酸の塩から選ばれる化合物が挙げられる。例えば炭素数8以上、更に10以上、また、炭素数44以下、更に28以下、更に18以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが挙げられる。
【0023】
(b)成分は、不飽和結合を有しても構わないが、その数は2以下、好ましくは1以下、より好ましくは0であることがすすぎ性の観点からより望ましい。従って、(b)成分は、飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸塩から選ばれる化合物が好ましい。
【0024】
(b)成分としては、具体的には、ラウリン酸又はその塩、ミリスチン酸又はその塩、ラウリン酸、ミリスチン酸を多く含むココヤシ由来の脂肪酸の混合物又はその塩などが挙げられ、洗浄力、起泡性、すすぎ性の観点から、ラウリン酸及びその塩、並びにミリスチン酸及びその塩から選ばれる一種以上の化合物を含むことが好ましく、更にミリスチン酸及びその塩から選ばれる一種以上の化合物を含むことがより好ましい。
【0025】
(b)成分の脂肪酸塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩であることが、すすぎ性の観点から好ましい。本発明の組成物を調製する場合、酸型の化合物である脂肪酸を組成物中に添加し、系内でアルカリと中和反応させてもよいし、予め中和した後、組成物中に添加してもよい。脂肪酸の中和には、(c)成分である、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムなどの強塩基、アルカノールアミン、炭酸塩等を用いることができる。
【0026】
(b)成分として、炭素数が12以上、14以下の脂肪酸(以下、C12〜14脂肪酸という)と炭素数16以上、18以下の脂肪酸(以下、C16〜18脂肪酸という)とを含有することは、洗浄力、起泡性、すすぎ性に優れると共に、低温保存安定性など、組成物の安定性を考慮した場合にも好ましいものである。
【0027】
(b)成分としてC12〜14脂肪酸とC16〜18脂肪酸とを含む場合、C12〜14脂肪酸に対するC16〜18脂肪酸の質量比、すなわち、C16〜18脂肪酸/C12〜14脂肪酸の質量比は、低温保存安定性の向上の観点から、好ましくは1/99以上、更に4/96以上、更に8/92以上、更に12/88以上、更に18/82以上であり、また、好ましくは60/40以下、更に50/50以下、更に40/60以下である。
【0028】
12〜14脂肪酸としては、直鎖又はメチル分岐鎖を有する炭素数12以上、14以下の脂肪酸及びその塩から選ばれる化合物が挙げられる。C12〜14脂肪酸として、炭素数12の脂肪酸又はその塩、具体的にはラウリン酸又はその塩を含むことが好ましい。ここで、炭素数12の脂肪酸又はその塩をC12脂肪酸と表記する。(b)成分としてC12脂肪酸を含むことが好ましく、C12〜14脂肪酸の全量に占めるC12脂肪酸の割合は60質量%以上、更に80質量%以上、更に95質量%以下、更に100質量%が好ましい。
【0029】
また、C16〜18脂肪酸としては、直鎖又はメチル分岐鎖を有する炭素数16以上、18以下の脂肪酸及びその塩から選ばれる化合物が挙げられる。C16〜18脂肪酸として、炭素数16の脂肪酸又はその塩、具体的にはパルミチン酸又はその塩を含むことが好ましい。
【0030】
また、C12〜14脂肪酸として炭素数12の脂肪酸又はその塩を含有し、且つC16〜18脂肪酸として炭素数16の脂肪酸又はその塩を含有することが好ましい。(b)成分中、更に、C12〜14脂肪酸とC16〜18脂肪酸の含有量の合計中、炭素数12の脂肪酸又はその塩と炭素数16の脂肪酸又はその塩の含有量の合計の割合が、70質量%以上、更に80質量%以上、更に90質量%以上、更に95質量%以上であることが好ましく、そして、100質量%以下が好ましく、100質量%であってもよい。
【0031】
<(c)成分>
(c)成分はアルカリ剤であり、アルカノールアミン、炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種以上のアルカリ剤が挙げられる。(c)成分は、アルカノールアミン及び炭酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤が好ましい。
【0032】
(c)成分は洗浄性、濯ぎ性の観点から、25℃のpKaが8.5以上、更に8.7以上、更に9以上、また、10.6以下、更に10以下、更に9.6以下であることが好ましい。
【0033】
アルカノールアミンとしては、炭素数2以上、4以下のアルカノール基を1以上、3以下、有するアルカノールアミンを挙げることができる。このうちアルカノール基はヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子であるが、炭素数1以上、5以下のアルキル基、更にメチル基であっても(c)成分として使用することができる。
【0034】
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(pKa=9.52)、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン(pKa=8.90)、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン、及びこれらの混合物(モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンの混合物)等のアルカノールアミン類が挙げられる。本発明では、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミンから選ばれる一種以上のアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミン及びジエタノールアミンから選ばれる一種以上のアルカノールアミンがより好ましく、洗浄性の観点からモノエタノールアミンが更に好ましい。
【0035】
炭酸塩としては、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩及びセスキ炭酸アルカリ金属塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物を挙げることができる。炭酸塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が望ましく、更に系の塩強度を抑制する点から炭酸水素ナトリウム塩が好ましい。
【0036】
(c)成分としては、炭素数2以上、4以下のアルカノール基を1以上、3以下、有するアルカノールアミン、炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種以上のアルカリ剤が挙げられる。
【0037】
本発明の液体洗浄剤組成物では、(c)成分として、アルカノールアミンと炭酸塩とを併用することにより、洗浄性や保存安定性を向上できる。従って、(c)成分として、アルカノールアミンと炭酸塩とを含有することが好ましい。
【0038】
(c)成分は、前述した(a)成分や(b)成分の中和にも用いても良い。洗浄性、及び手肌への低刺激性の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物のpH緩衝能が後述するpHの範囲で良好に発現することが望ましく、そのためには(c)成分のうち例えば25℃のpKaを8.0以上、10.6以下の範囲に持つ化合物を組み合わせることが望ましい。
【0039】
(c)成分としては、アルカリ金属水酸化物、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムから選ばれる化合物を使用することもできる。また、水酸化アンモニウムなどを使用することもできる。また、(a)成分や(b)成分を中和する成分として(c)成分が機能することもできる。なお、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物は、組成物の調製の際、水溶液で用いることが好ましい。
【0040】
<(d)成分>
本発明の(d)成分は下記一般式(1)で表されるノニオン性界面活性剤である。
1O−[(C24O)m/(AO)n]H (1)
〔式中、R1は炭素数8以上、22以下の炭化水素基であり、AOは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは18以上、60以下の数であり、nは0以上、5以下の数である。“/”はC24O基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
【0041】
(d)成分の一般式(1)中、R1は炭素数8以上、22以下の炭化水素基であり、炭素数10以上、そして、18以下、更に16以下、更に14以下の炭化水素基が好ましい。また、R1は鎖式炭化水素基、更に直鎖の炭化水素基が好ましい。また、R1の炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R1は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。本発明では酸素原子に結合するR1の炭素原子が第一炭素原子であってもよい。このようなアルキル基は天然油脂由来の脂肪族アルコールを原料として用いることができる。一般式(1)中のR1−O−の酸素原子に結合するR1の炭素原子が第1炭素原子であるものは、第2炭素原子による化合物よりも洗浄力に優れる。特にR1は第1炭素原子を有する直鎖アルキル基が好ましい。
【0042】
一般式(1)の化合物を得る方法は、特に限定されるものではないが、炭素数8以上、22以下のアルコールにエチレンオキシドを付加反応すること、あるいはエチレンオキシドと炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシドを付加反応することによって得ることができる。
【0043】
一般式(1)中のmはエチレンオキシ基の平均付加モル数であって、mの下限値は、すすぎ性、洗浄性能の点から、18以上、更に20以上である。更に22以上、更に26以上、更に30以上であっても良い。また、上限値は、製造し易さの点から、好ましくは45以下、より好ましくは35以下である。また、一般式(1)中のnは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、洗浄性能の点から下限値は0以上、好ましくは1以上であり、上限値は5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
更に、一般式(1)中のmとnの合計の下限値は、すすぎ性、洗浄性能の点から、18以上、更に20以上であることが好ましい。更に22以上、更に26以上、更に30以上であっても良い。また、上限値は、製造し易さの点から、45以下、更に35以下であることが好ましい。
【0044】
一般式(1)中のAOであるアルキレンオキシ基は、アルキレンオキシドの付加反応による場合はメチル分岐、エチル分岐ないしプロピル分岐した構造を有する。AOは、プロピレンオキシドを付加反応させて得られるプロピレンオキシ基(以下、POと表記する場合がある)であることが好ましい。
【0045】
ところで、R1O−の近い位置にAOが存在する構造の場合、AOは疎水性基であることから、R1である鎖式炭化水素基が延長された構造に類似する構造になり、疎水性が高まる傾向を示す。本発明の(d)成分は、一般式(1)において、R1−O−C24O−である化合物の割合が、(d)成分を構成している化合物中の75モル%以上、更に80モル%以上(上限は100モル%以下)であることが好ましい。
【0046】
更には(d)成分は、一般式(1)において、前記の、R1−O−C24O−の条件を満たした上で、末端が−C24O−Hの割合も高いものが、末端が疎水性基の炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基の−AO−Hである場合よりも、繊維の吸着性が低いことから好ましい。特には末端が−C24O−Hの構造を有する化合物が70モル%以上、更に80モル%以上(上限は100モル%以下)であることがより好ましい。なおR1−O−C24O−や−C24O−Hの割合はC13−NMRを用いた定量測定で求めることができる。
【0047】
<液体洗浄剤組成物>
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、5質量%以上、50質量%以下含有する。抑臭効果、洗浄力の観点から、(a)成分を、組成物中、7質量%以上、更に9質量%以上含有することが好ましく、また、すすぎ性、製品安定性の観点から、40質量%以下、更に30質量%以下、より更に20質量%以下含有することが好ましい。なお、本発明では、(a)成分は、ナトリウム塩換算の量に基づいて質量%や質量比を算出するものとする。
【0048】
本発明の液体洗浄剤組成物は、(b)成分を、すすぎ性の観点から、0.4質量%以上、更に0.6質量%以上、より更に0.8質量%以上含有することが好ましく、また、泡立ち性の観点から、5質量%以下、更に4質量%以下、より更に3質量%以下、より更に2.5質量%以下含有することが好ましい。なお、本発明では、(b)成分は、ナトリウム塩換算の量に基づいて質量%や質量比を算出するものとする。
【0049】
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄性能の観点から(c)成分を1質量%以上、更に1.5質量%以上、そして、6質量%以下、更に3質量%以下含有することが好ましい。(c)成分のうち、アルカノールアミンについては、アミン臭のマスキング効果の観点から、組成物中の含有量は3質量%以下が好ましい。また、(c)成分のうち、炭酸塩については、製品安定性の観点から、組成物中の含有量は3質量%以下、更に2.5質量%以下が好ましい。
【0050】
本発明の液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、洗浄力の観点から、0.5質量%以上、更に1.0質量%以上、より更に1.5質量%以上含有することが好ましく、また、すすぎ性の観点から、5.0質量%以下、更に3.0質量%以下、より更に2.5質量%以下に含有することが好ましい。
各成分の含有量は、以下の質量比を満たす範囲で選択される。
【0051】
また、本発明の液体洗浄剤組成物では、(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量の合計と(a)成分の質量との質量比が、[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分で、0.5以上、1以下である。[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分の質量比は、抑臭効果の観点から、0.6以上、更に0.7以上、更に0.8以上、更に0.9以上、更に0.95以上であることが好ましい。
【0052】
本発明の液体洗浄剤組成物では、(a−3)成分の質量と(a)成分の質量との質量比が、(a−3)成分/(a)成分で、0.2以下である。(a−3)成分/(a)成分の質量比は、抑臭効果の観点から、0.1以下、更に0.05以下、更に0であることが好ましい。
【0053】
本発明の液体洗浄剤組成物では、(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量との質量比が、(a−1)成分/(a−2)成分で、0.25以上、9以下である。(a−1)成分/(a−2)成分の質量比は、抑臭効果、製品安定性の観点から、0.4以上、更に0.45以上、更に0.5以上、更に0.7以上、更に0.9以上、更に1以上であることが好ましい。また、(a−1)成分/(a−2)成分の質量比は、抑臭効果、洗浄力の観点から、6以下、更に4以下、更に2以下、更に1.5以下であることが好ましい。
【0054】
本発明の液体洗浄剤組成物では、(a)成分の質量と(d)成分の質量の合計と(b)成分の質量との質量比が、[(a)成分+(d)成分]/(b)成分で、4以上、50以下であることが好ましい。[(a)成分+(d)成分]/(b)成分の質量比は、洗い時の泡立ちの観点から、6以上、更に8以上、更に10以上、更に12以上、更に14以上であることが好ましい。また、質量比は、すすぎ性の観点から、50以下、更に40以下、更に30以下、更に25以下であることが好ましい。
【0055】
本発明の液体洗浄剤組成物において、水の含有量は、組成物全体で100質量%となる量であって、組成物中、30質量%以上、更に40質量%以上、より更に50質量%以上が好ましく、また、90質量%以下、更に85質量%以下、より更に80質量%以下が好ましい。
【0056】
本発明の液体洗浄剤組成物は、(f)成分として、(a)成分、(b)成分及び上記(d)成分以外の界面活性剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。本発明では、(f)成分の割合が、全界面活性剤中の20質量%以下、更に10質量%以下、より更には5質量%以下であることが好ましい。
【0057】
(f)成分としては、限定されるものでないが、アミンオキシド又はベタインなどが挙げられる。これらは、例えば、「泡のエンジニアリング」(株式会社テクノシステム発行、2005年)に記載されているように、泡ブースターとしての機能を持つため、本発明の洗浄剤組成物の起泡力を高めることができる。(f)成分のうち、アミンオキシド及びベタインから選ばれる泡ブースター、中でもアミンオキシドから選ばれる泡ブースターは、すすぎ性を損なわないために、組成物中の5質量%以下、更には3質量%以下、更には1.5質量%以下、更には0.5質量%以下が好ましい。
【0058】
アミンオキシドとしては、炭素数8以上、更に12以上、また、炭素数18以下、更に14以下の長鎖長のアルキル基と炭素数1〜3のアルキル基、好ましくはメチル基とを有する、モノ長鎖アルキルアミンオキシドなどを挙げることができる。ベタインとしては、アルキルアミドプロピルベタインを挙げることができる。中でも、炭素数が12のラウラミドプロピルベタインやヤシ油組成のココアミドプロピルベタインが一般的である。この内、上記ベタインから選ばれる泡ブースターの組成物中の含有量は、1.5質量%以下、更に1質量%以下、更に0.5質量%以下、更に0.3質量%以下が好ましい。
【0059】
(f)成分として使用できる界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔(d)成分以外のもの〕、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルグリコシドから選ばれるノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、モノ又はジアルキルアミン及びそのポリオキシエチレン付加物、及びモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩から選ばれるカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0060】
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄性、特に塗布洗浄性と手肌への低刺激性の観点から、JIS K3362:2008 8.3記載の25℃で測定するpHが、好ましくは9以上、更に好ましくは9.3以上、より好ましくは9.5以上である。一方、好ましくは11以下、更に好ましくは10.5以下、より好ましくは10.2以下、更により好ましくは10以下である。pHは、組成物中に配合される成分の種類や配合量、なかでも、アルキルベンゼンスルホン酸塩の酸型化合物、(b)成分、(c)成分の種類や配合量により調整でき、必要に応じて塩酸(例えば6N−HCl)、クエン酸、パラトルエンスルホン酸(PTS)、パラクメンスルホン酸(PCS)等の酸剤を用いて調整してもよい。
【0061】
本発明の液体洗浄剤組成物は、すばやい泡切れと洗浄性能の観点、手肌への優しさから、液体洗浄剤組成物をアルカリ度=65CaCO3mg/l、pH7.15の水で200倍希釈した水希釈物のJIS K3362:2008 8.3記載の25℃で測定するpHが、好ましくは8.5以上、より好ましくは8.7以上、更に好ましくは8.9以上、更により好ましくは9以上であり、また、好ましくは10.5以下、より好ましくは10.1以下、更に好ましくは9.7以下、更により好ましくは9.5以下である。本発明の(c)成分はこのような性質を付与するのに適切なpKaを有するアルカリ剤であり、これらを組み合わせて配合することにより、このような性質を組成物に付与することができる。
【0062】
以下に、前記水希釈物の調製に用いる水のアルカリ度の測定方法を示す(以下、特記しない限り本発明のアルカリ度はこの方法で測定されたものをいう)。
【0063】
検水100mlを200mlビーカーにとり、指示薬としてブロモクレゾールグリーン−メチルレッド・エタノール溶液(和光純薬工業(株)製)を0.15ml加える。検水に残留塩素があるときは、あらかじめ検水100mlにチオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)を加えて残留塩素を除いておく。この溶液を緩やかに攪拌しながら10mmol/l硫酸で、溶液の色が青から赤紫色になるまで滴定する。次式によってアルカリ度を算出する。
アルカリ度(CaCO3mg/l)=a×10
ここで、a:滴定に要した10mmol/l硫酸(ml)
着色した試料など、指示薬による変色が明らかでない場合には、指示薬に代えてpH計を使用し、pH値が4.8までに要した10mmol/l硫酸量(ml)をaとする。
【0064】
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、すばやい泡切れの観点から、液体洗浄剤組成物をアルカリ度=65CaCO3mg/l、pH7.15の水で200倍希釈した水希釈物に、1規定の塩酸を、前記水希釈物1Lあたり0.5g添加した場合のJIS K3362:2008 8.3記載の25℃で測定するpHが、8.5以上、更に8.8以上、より更に9以上、より更に9.2以上であることが好ましく、一方、11以下、更に10以下、より更に9.5以下であることが好ましい。本発明の(c)成分はこのような性質を付与するのに適切なpKaを有するアルカリ剤であり、これらを組み合わせて配合することにより、このような性質を組成物に付与することができる。なお、塩酸を用いた理由は、汗や皮脂等の酸性汚れを想定した点にある。
【0065】
本発明の液体洗浄剤組成物に配合できるその他の成分として、例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩などのキレート剤、好ましくは分子量が1,000以下のキレート剤を配合できる。キレート剤の含有量は、組成物中、0.001質量%以上、更に0.01質量%以上、更に0.03質量%以上であることが、または、10質量%以下、更に3質量%以下、更に1質量%以下であることが好ましい。
【0066】
その他、洗浄剤組成物の溶液安定性や透明性の向上を目的に水混和性有機溶剤〔以下、(g)成分という〕を含有しても良い。本発明でいう水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解するもの、すなわち、溶解の程度が50g/L以上である溶剤を指す。(g)成分の含有量は、溶液安定性と透明性の向上の観点から、組成物中、0.1質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、更に1質量%以上、1.5質量%以上、より更に2質量%以上であることが、または、40質量%以下、更に20質量%以下、更に10質量%以下、より更に5質量%以下であることが好ましい。
【0067】
(g)成分としては、(g1)エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルカノール類、(g2)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、(g3)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコール類、(g4)ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、1−ペンチルグリセリルエーテル、2−ペンチルグリセリルエーテル、1−オクチルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブトキシジグリコールとも呼ばれる)などのアルキルエーテル類、(g5)2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等の芳香族エーテル類、が挙げられる。
【0068】
水混和性有機溶剤は同時に、組成物の粘度調整剤、ゲル化抑制剤として有効であり、上記の(g1)アルカノール類、(g2)グリコール類、(g4)アルキルエーテル類、(g5)芳香族エーテル類から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、より好ましくは(g2)グリコール類、(g4)アルキルエーテル類、(g5)芳香族エーテル類から選ばれるものであり、更に好ましくは(g4)アルキルエーテル類である。より更に、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。(g)成分は粘度調整やゲル化抑制に効果的である。
【0069】
本発明の液体洗浄剤組成物に配合できるその他の成分として、次の(i)〜(xiii)に示す成分を本発明の効果を損なわない程度で配合することができる。
【0070】
(i)ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、重量平均分子量5,000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマーなどの再汚染防止剤及び分散剤、好ましくはポリアクリル酸、ポリマレイン酸又はそれらの塩、より好ましくはポリアクリル酸又はその塩(含有量は、組成物中、好ましくは0.1質量%以上、更に0.5質量%以上、更に1質量%以上、そして、10質量%以下、更に5質量%以下、更に3質量%以下)
(ii)ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤
(iii)過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム等の漂白剤
(iv)テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤
(v)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素
(vi)ホウ素化合物、カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ビヒドロキシ化合物、蟻酸等の酵素安定化剤
(vii)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料
(viii)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤
(ix)パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)などの可溶化剤
(x)重量平均分子量200以上、400以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量1,000以上、2,000以下のポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール系ゲル化防止重合体
(xi)オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤。
(xii)ゼオライトや結晶性層状シリケートなどの金属イオン交換剤
(xiii)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤
【0071】
本発明の液体洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば(a)成分のアルキルベンゼンスルホン酸塩については、原料に、塩になっているアルキルベンゼンスルホン酸塩を用いてもよく、また、原料に、酸型のアルキルベンゼンスルホン酸を用いて製造することも出来る。後者の場合は、たとえば、水を含む塩基性の配合原料(例えば塩基性の水溶液)にアルキルベンゼンスルホン酸を加える、または、水を含む配合原料(例えば水溶液)にアルキルベンゼンスルホン酸を加えた後、アルカリ剤を添加して組成物中で塩が形成されるようにする、などの方法が含まれる。
【0072】
本発明の液体洗浄剤組成物は、家庭での洗濯用、更には手洗い洗濯用として好適であり、衣料、布帛、寝具、タオル等の繊維製品の手洗い洗濯に好適に用いられる。
【0073】
本発明は、本発明の液体洗浄剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法に関する。本発明の液体洗浄剤組成物を用いた手洗い洗濯方法としては、布帛のような被洗浄物に、本発明の液体洗浄剤組成物を含む洗浄水を接触させて手洗いする方法が挙げられる。洗浄水の接触は、浸漬、塗布、噴霧などにより行うことができる。接触時間が長いと洗浄効果が高く、5分以上、15分以下、接触するとより良好な効果が得られる。また、汚れた部分に直接、本発明の液体洗浄剤組成物を塗布して5分以上、15分以下、放置した後、本発明の液体洗浄剤組成物を含む洗浄水を接触させて手洗いするすると更に高い効果が得られる。
【0074】
手洗い洗濯方法での洗浄水は、本発明の組成物又は組成物の水希釈物(例えば水溶液)が用いられる。ここで使用する水は水道水が一般的であり、日本をはじめ、各国の水道水は通常アルカリ度(緩衝能)を持っている。しかし、本発明の液体洗浄剤組成物は、アルカリ度を持つ水道水により希釈した場合でも、当該水道水の持つ緩衝能を超えてpHを8以上、好ましくは8.5以上、10.5以下に維持できるため、設計通りの優れた洗浄性能が発現する。布帛のような被洗浄物の質量に対する洗浄水の質量は、好ましくは2倍以上、更に3倍以上、更に5倍以上、また、100倍以下、更に50倍以下、更に25倍以下が好ましい。本発明に係る洗浄水を接触させた布帛等の被洗浄物を十分に手でこすり洗いすると高い洗浄力が得られるばかりか豊かな泡立ちがあるため、視覚的に好ましい。
【0075】
本発明の手洗い洗濯方法は、手洗い後の被洗浄物を水ですすぐ工程を含むことが好ましい。こすり洗い等の手洗い後は洗浄水から布帛等の被洗浄物を取り出し、絞って水を切るか脱水機を用いて水を切り、新しい水〔以下、すすぎ水という〕に再度浸漬させる。すすぎ水は、洗面器などにためた水でも流水でもどちらでも良い。布帛に対するすすぎ水の質量は、すすぎに用いたすすぎ水の全量基準で、好ましくは2倍以上、更に5倍以上、更に10倍以上、また、好ましくは1,000倍以下、更に500倍以下、更に100倍以下である。すすぎ水を浸漬させた段階で布帛に残存している界面活性剤などが、すすぎ水に再溶解するため、泡立ちが見られる。この操作を数回繰り返すと泡立ちがなくなりすすぎ終了となる。
【0076】
手洗いによる一般的な洗濯では、例えば通常の洗浄剤を用いた場合には、洗濯時に発生する泡が消えないため、一般的に5回以上必要となるが、本発明では3回以下ですすぎを終了でき、非常に少ないすすぎ水ですすぎを終了させることができ、無駄に水を使用する必要がなくなる。
【0077】
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄水の調製に用いる水の硬度及びすすぎ水の硬度の少なくとも何れかは、洗浄力とすすぎ性の観点から、1°DH以上、更に2°DH以上、更に3°DH以上、更に4°DH以上、更に6°DH以上、更に8°DH以上、更に10°DH以であっても良く、また、50°DH以下、更に40°DH以下、更に30°DH以上、更に20°DH以下であることが好ましい。
【0078】
本発明の態様を以下に例示する。
<1>
(a)非石鹸系アニオン性界面活性剤〔以下、(a)成分という〕5質量%以上、50質量%以下
(b)脂肪酸及び脂肪酸塩から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、
(c)アルカリ剤〔以下、(c)成分という〕、
(d)下記一般式(1)で示されるノニオン性界面活性剤〔以下、(d)成分という〕、並びに、

を含有する液体洗浄剤組成物であって、
(a)成分として、(a−1)アルキルベンゼンスルホン酸塩〔以下、(a−1)成分という〕、(a−2)アルキル硫酸塩〔以下、(a−2)成分という〕、及び(a−3)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩〔以下、(a−3)成分という〕から選ばれる1以上の非石鹸系アニオン性界面活性剤を含有し、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量の合計と(a)成分の質量との質量比が、[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分で、0.5以上、1以下であり、
(a−3)成分の質量と(a)成分の質量との質量比が、(a−3)成分/(a)成分で、0.2以下であり、且つ、
(a−1)成分の質量と(a−2)成分の質量との質量比が、(a−1)成分/(a−2)成分で、0.25以上、9以下である、
衣料用液体洗浄剤組成物。
1O−[(C24O)m/(AO)n]H (1)
〔式中、R1は炭素数8以上、22以下の炭化水素基であり、AOは炭素数3以上、5以下のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは18以上、60以下の数であり、nは0以上、5以下の数である。“/”はC24O基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
【0079】
<2>
(a−1)成分が、炭素数8以上、更に10以上、そして、20以下、更に15以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩である、前記<1>記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0080】
<3>
(a−2)成分が、炭素数10以上、更に12以上、そして、16以下のアルキル基を有するアルキル硫酸塩である、前記<1>又は<2>記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0081】
<4>
(a−3)成分が、炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下のアルキル基、好ましくは炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下の直鎖1級アルコール若しくは直鎖2級アルコール由来のアルキル基又は炭素数10以上、更に12以上、また、20以下、更に14以下の分岐アルコール由来のアルキル基を有し、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が0以上、更に0より大きい、更に0.5以上、更に1以上、また、5以下、更に4以下、更に3以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、前記<1>〜<3>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0082】
<5>
(a−1)成分、(a−2)成分及び(a−3)以外の(a)成分が、パラフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる非石鹸系アニオン性界面活性剤である、前記<1>〜<4>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0083】
<6>
(b)成分が、炭素数8以上、更に10以上、また、炭素数44以下、更に28以下、更に18以下の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸及び該脂肪酸の塩から選ばれる化合物である、前記<1>〜<5>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0084】
<7>
(b)成分として、炭素数が12以上、14以下の脂肪酸(以下、C12〜14脂肪酸という)と炭素数16以上、18以下の脂肪酸(以下、C16〜18脂肪酸という)とを含む、前記<1>〜<6>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0085】
<8>
16〜18脂肪酸/C12〜14脂肪酸の質量比が、1/99以上、更に4/96以上、更に8/92以上、更に12/88以上、更に18/82以上であり、また、好ましくは60/40以下、更に50/50以下、更に40/60以下である、前記<7>記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0086】
<9>
12〜14脂肪酸が、炭素数12の脂肪酸又はその塩である、前記<7>又は<8>記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0087】
<10>
16〜18脂肪酸が、炭素数16の脂肪酸又はその塩である、前記<7>〜<9>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0088】
<11>
(b)成分中、更に、C12〜14脂肪酸とC16〜18脂肪酸の含有量の合計中、炭素数12の脂肪酸又はその塩と炭素数16の脂肪酸又はその塩の含有量の合計の割合が、70質量%以上、更に80質量%以上、更に90質量%以上、更に95質量%以上、そして、100質量%以下である、更に100質量%である、前記<7>〜<10>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0089】
<12>
(c)成分が、アルカノールアミン及び炭酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤である、前記<1>〜<11>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0090】
<13>
(c)成分が、炭素数2以上、4以下のアルカノール基を1以上、3以下、有するアルカノールアミン、炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種以上のアルカリ剤である、前記<1>〜<12>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0091】
<14>
(c)成分の25℃のpKaが、8.5以上、更に8.7以上、更に9以上、また、10.6以下、更に10以下、更に9.6以下である、前記<1>〜<13>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0092】
<15>
アルカノールアミンが、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミンから選ばれる一種以上である、前記<12>〜<14>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0093】
<16>
炭酸塩が、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩及びセスキ炭酸アルカリ金属塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物である、前記<12>〜<15>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0094】
<17>
(c)成分として、アルカノールアミンと炭酸塩とを含有する、前記<1>〜<16>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0095】
<18>
(d)成分が、一般式(1)中のR1が炭素数8以上、更に10以上、そして、22以下、更に18以下、更に16以下、更に14以下の炭化水素基のノニオン性界面活性剤である、前記<1>〜<17>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0096】
<19>
(d)成分が、一般式(1)中のmが18以上、更に20以上、そして、45以下、更に35以下のノニオン性界面活性剤である、前記<1>〜<18>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0097】
<20>
(a)成分を、組成物中、7質量%以上、更に9質量%以上、そして、40質量%以下、更に30質量%以下、より更に20質量%以下含有する、前記<1>〜<19>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0098】
<21>
(b)成分を、組成物中、0.4質量%以上、更に0.6質量%以上、より更に0.8質量%以上、そして、5質量%以下、更に4質量%以下、より更に3質量%以下、より更に2.5質量%以下含有する、前記<1>〜<20>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0099】
<22>
(c)成分を1質量%以上、更に1.5質量%以上、そして、5質量%以下、更に3質量%以下含有する、前記<1>〜<21>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0100】
<23>
(d)成分を0.5質量%以上、更に1.0質量%以上、より更に1.5質量%以上、そして、5.0質量%以下、更に3.0質量%以下、より更に2.5質量%以下に含有する、前記<1>〜<22>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0101】
<24>
[(a−1)成分+(a−2)成分]/(a)成分の質量比が、0.6以上、更に0.7以上、更に0.8以上、更に0.9以上、更に0.95以上である、前記<1>〜<23>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0102】
<25>
(a−3)成分/(a)成分の質量比が、0.1以下、更に0.05以下、更に0である、前記<1>〜<24>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0103】
<26>
(a−1)成分/(a−2)成分の質量比が、0.4以上、更に0.45以上、更に0.5以上、更に0.7以上、更に0.9以上、更に1以上、そして、6以下、更に4以下、更に2以下、更に1.5以下である、前記<1>〜<25>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0104】
<27>
(a)成分の質量と(d)成分の質量の合計と(b)成分の質量との質量比[(a)成分+(d)成分]/(b)成分が、4以上、更に6以上、更に8以上、更に10以上、更に12以上、更に14以上、そして、50以下、更に40以下、更に30以下、更に25以下である、前記<1>〜<26>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0105】
<28>
水の含有量が、組成物全体で100質量%となる量である、更に、組成物中、30質量%以上、更に40質量%以上、より更に50質量%以上、また、90質量%以下、更に85質量%以下、より更に80質量%以下である、前記<1>〜<27>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0106】
<29>
(f)成分として、アミンオキシド及びベタインから選ばれる泡ブースター、中でもアミンオキシドから選ばれる泡ブースターの含有量が、組成物中の5質量%以下、更には3質量%以下、更には1.5質量%以下、更には0.5質量%以下である、前記<1>〜<28>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0107】
<30>
JIS K3362:2008 8.3記載の25℃で測定するpHが、好ましくは9以上、更に好ましくは9.3以上、より好ましくは9.5以上、そして、好ましくは11以下、更に好ましくは10.5以下、より好ましくは10.2以下、更により好ましくは10以下である、前記<1>〜<29>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0108】
<31>
アルカリ度=65CaCO3mg/l、pH7.15の水で200倍希釈した水希釈物のJIS K3362:2008 8.3記載の25℃で測定するpHが、好ましくは8.5以上、より好ましくは8.7以上、更に好ましくは8.9以上、更により好ましくは9以上、そして、好ましくは10.5以下、より好ましくは10.1以下、更に好ましくは9.7以下、更により好ましくは9.5以下である、前記<1>〜<30>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0109】
<32>
(g)成分として、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する水混和性有機溶剤を、組成物中、0.1質量%以上、更に0.3質量%以上、更に0.5質量%以上、更に1質量%以上、1.5質量%以上、より更に2質量%以上、そして、40質量%以下、更に20質量%以下、更に10質量%以下、より更に5質量%以下含有する、前記<1>〜<31>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【0110】
<33>
前記<1>〜<32>のいずれか記載の、抑臭・消臭効果に優れる衣料用液体洗浄剤組成物。
【0111】
<34>
前記<1>〜<33>のいずれか記載の衣料用液体洗浄剤組成物を含む洗浄水を接触させた被洗浄物を手洗いする手洗い洗濯方法。
【0112】
<35>
接触時間が5分以上、15分以下である、前記<34>の手洗い洗濯方法。
【0113】
<36>
手洗い後の被洗浄物を水ですすぐ工程を含み、洗浄水の調製に用いる水の硬度及びすすぎ水の硬度の少なくとも何れかが、1°DH以上、更に2°DH以上、更に3°DH以上、更に4°DH以上、更に6°DH以上、更に8°DH以上、更に10°DH以、そして、50°DH以下、更に40°DH以下、更に30°DH以上、更に20°DH以下である、前記<34>又は<35>記載の手洗い洗濯方法。
【実施例】
【0114】
表1に示す液体洗浄剤組成物を調製し、以下の方法で抑臭効果、洗浄力、すすぎ性を評価した。結果を表1に示す。なお、表中の配合成分は以下のものである。また、表中、NaOHの「適量」とは、組成物のpHを表中の値とするために要する量である。
【0115】
<配合成分>
・LAS−Na:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ネオペレックスG−15(花王(株)製)
・AS−Na:ラウリル硫酸ナトリウム、エマール10G(花王(株)製)
・AES−Na(EO=2):ポリオキシエチレン(平均付加モル数2)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム、エマール270J(花王(株)製)
・C12FA:ルナックL−98(花王(株)製)
・C16FA:ルナックP−95(花王(株)製)
・NaHCO3:和光純薬工業(株)製
・EOノニオン(1):炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有する1級アルコールにエチレンオキシドを平均20モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
・EOノニオン(2):炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有する1級アルコールにエチレンオキシドを平均9モル付加させたあと、プロピレンオキシドを平均2モル付加し、さらにエチレンオキシドを平均9モル付加させたブロック重合させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル
・EOノニオン(3):炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有する1級アルコールにエチレンオキシドを平均35モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
・EOノニオン(4):炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有する1級アルコールにエチレンオキシドを平均7モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
【0116】
<評価用肌着の調製方法>
市販肌着2.5kg〔グンゼ社製(YG1614丸首Lサイズ 木綿100%)〕を洗濯機(Panasonic製 NA-F70PB1 '2008)で、水温20℃、炭酸カルシウム換算で89.5mg/Lの硬水を用いて洗濯を5回繰り返して処理剤を除去した。洗濯条件は、水量54L、洗い12分、ためすすぎ2回、脱水5分であった。その際に、ノニオン性界面活性剤(炭素数12のアルキル基からなる1級アルコールにオキシエチレン基を平均6モル付加させたもの)、非晶質ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムを1:1:3の質量比で混合したものを0.5g/Lで使用した。その後、水温20℃、炭酸カルシウム換算で89.5mg/Lの硬水を用いて、2槽式洗濯機(HITACHI製、PS-H35L'2008)で、流水すすぎを行った。すすぎを止めた際に完全に泡がなくなるまですすぎを行い、処理剤及び洗浄成分を除去したものを自然乾燥にて乾燥させ評価用肌着として使用した。
【0117】
<評価>
(1)抑臭効果
3つの家庭から1本ずつ回収した中古タオル(材質:綿)から、タオル1枚につき1枚の試験用タオル片(6cm×6cm四方)を調製した(合計3枚のタオル片を調製した)。表の液体洗浄剤組成物を用いて、3枚のタオル片を洗濯(ターゴトメーター85rpm、10分、液体洗浄剤組成物の濃度1質量%、すすぎ3分を2回)した後、30℃、湿度70%の恒温室内で12時間乾燥させた。恒温室で乾燥させた3枚のタオル片について、1枚ずつ10人のパネラー(20〜30代男女10人)が下記基準でニオイを判定し、3枚のタオル片の合計点から求めた平均点により、液体洗浄剤組成物の抑臭効果を評価した。表にはその平均点を示した。
*ニオイの判定基準
0:無臭
1:かすかにニオイを感じるが気にならない程度である
2:ニオイがする
3:顕著にニオイがする
4:強烈なニオイがする
【0118】
(2)洗浄力評価
〔人工汚染布の作製〕
使用した人工汚染布は、6cm×6cmの木綿/ポリエステル混紡ブロード染着布(木綿/ポリエステル比=65/35 谷頭商店より購入)に、下記組成から成る人工汚垢を1枚当り100mgになるようグラビア塗工したものである。
【0119】
*人工汚垢
下記A、B、C、D、Eを含有する組成物を人工汚垢とした。それぞれの質量%は、最終組成の人工汚垢中の割合であり、合計が100質量%となるようにBの量を調節した。
A:下記組成の調整油(人工汚垢中の質量%が、ラウリン酸0.44質量%、ミリスチン酸3.15質量%、ペンタデカン酸2.35質量%、パルチミチン酸9.31質量%、ヘプタデカン酸0.44質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸1.91質量%、トリミリスチン13.33質量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル5.22質量%、スクアレン6.66質量%となる量で用いる)
B:塩化カルシウム(2水塩)105mgを秤量し、蒸留水に溶かして1,000mlとして得た硬水
C:卵白レシチン液晶物1.98質量%(蒸留水80mlにアルギニン塩酸塩11.37g、ヒスチジン4.20g、セリン2.44gを溶解し、濃塩酸でpHを5.0に調整した後、この溶液と卵白レシチンをミキサーで十分混ぜ合わせて得た卵白レシチン液晶物)
D:鹿沼赤土8.11質量%
E:カーボンブラック0.025質量%
・調整油
ラウリン酸1質量%、ミリスチン酸7.1質量%、ペンタデカン酸5.3質量%、パルチミチン酸14.2質量%、ヘプタデカン酸1質量%、ステアリン酸3.6質量%、オレイン酸17.8質量%、トリオレイン30質量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル5質量%、スクアレン15質量%を約60℃に加温し、均一に溶解混合したものを調整油とした。
【0120】
〔洗浄条件〕
液体洗浄剤組成物2gを、炭酸カルシウム換算で179mg/L、アルカリ度65CaCO3mg/l、pH7.15の硬水〔塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)1.57gと硫酸マグネシウム(MgSO4・6H2O)1.45gと重曹1.6gにイオン交換水を加えて10Lとし、塩酸で調整したもの、Ca/Mg=6/4(モル比)〕1Lに溶解し、そこに上記人工汚染布4枚入れてターゴトメーターにて以下の条件で洗浄した。
洗浄時間10分
水温20℃
【0121】
汚染前の原布、及び洗浄前後の550nmにおける反射率を測色色差計(日本電色株式会社製 Z−300A)にて測定し、次式によって洗浄率(%)を求めた(4枚の洗浄率の平均値を採用する)。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)]
洗浄力の判定は、表1の液体洗浄剤組成物の洗浄率を比較例1の洗浄率と対比して行った。そして、以下のように評価した。ここで、比較例1の洗浄率は34%であった。
I:洗浄率が比較例1よりも6%以上高い。
II:洗浄率が比較例1よりも2%以上6%未満高い。
III:洗浄率が比較例1よりも2%未満高い、又は洗浄率が比較例1と同等以下である。
【0122】
(3)すすぎ性評価
モデル円形洗面器(底面の直径25cm、高さ15cmの円柱のアクリル製容器)に、水温20℃、炭酸カルシウム換算で179mg/L(本硬水はドイツ硬度で10°DHに相当する)、アルカリ度65CaCO3mg/l、pH7.15の硬水〔塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)1.57gと硫酸マグネシウム(MgSO4・6H2O)1.45gと重曹1.6gにイオン交換水を加えて10Lとし、塩酸で調整したもの、Ca/Mg=6/4(モル比)〕3Lを注入する。そこに液体洗浄剤組成物を20g添加し、溶解させる。次いでそこに、上記洗浄力評価で用いた調整油を、加温(60℃)して、3枚で1gになるように(1枚当り約0.33g)襟元にスポイド(φ:2mm)を用いて滴下した評価用肌着を投じ、洗浄液に完全に浸る状態で15分間放置する。15分間放置後、肌着1枚に付き50回もみ洗い(布と布を擦り合わせながら1往復(約1秒)で1回と換算)する。その後、肌着を取り出し、肌着の含水量が肌着に対して100〜140%程度になるように絞る。
【0123】
新たに、モデル円形洗面器(底面の直径25cm、高さ15cmの円柱状のアクリル製容器)に、水温20℃、炭酸カルシウム換算で179mg/L、アルカリ度65CaCO3mg/l(本硬水はドイツ硬度で10°DHに相当する)、pH7.15の硬水(前記洗浄力評価で用いたものと同様に調製したもの)5Lを注入し、上記で絞った評価用肌着3枚を投入する。肌着をすすぎ水中でほぐした後、ほぐした肌着を1枚ずつエリの部分を持って浴中から上に持ち上げ(浴中から洗面器上約5cmの高さまで衣料全体が抜け切るまで持ち上げる)、その後再び浴中へ戻す。このような上下運動によるすすぎを1枚の肌着につき10回繰り返した後、肌着の含水量が肌着に対して100〜140%程度になるように洗面器から10cm上で絞る。3枚の肌着のすすぎ、脱水が終わった直後のすすぎ水の液面状態を観察し、下記の基準でポイントをつける。これが1回の評価である。更に、この脱水した肌着に新しいすすぎ水を投入し、この評価をあと2回繰り返す(1つの液体洗浄剤組成物について同じ肌着3枚を繰り返して用いる)ことを行い、3回の評価におけるポイントの平均点ですすぎ性を評価した。
*ポイントの基準
6:液面全体を泡高さ1cm以上の泡が残っている
5:液面全体に泡が残っている(1cm未満)
4:液面の1/2程度に泡が残っている
3:液面の1/4程度に泡が残っている
2:液面に細かい泡が残っている
1:液面に泡が残っていない
【0124】
【表1】