(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052808
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】個人安否管理システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20161219BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20161219BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20161219BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B25/10 D
G08B25/04 K
G08B21/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-204130(P2013-204130)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-70495(P2015-70495A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】手塚 隆之
【審査官】
松平 英
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−238909(JP,A)
【文献】
特開2006−005530(JP,A)
【文献】
特開2001−357475(JP,A)
【文献】
特開2012−049952(JP,A)
【文献】
特開2002−247179(JP,A)
【文献】
特開2005−057513(JP,A)
【文献】
特開2002−92772(JP,A)
【文献】
特開2008−21054(JP,A)
【文献】
特開2002−92768(JP,A)
【文献】
特開2005−192171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00−31/00
H04B7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時刻に生体の動作または反応があるかないかを検出する検出手段と、
前記所定時刻に前記検出手段が生体に動作または反応があることを検出した場合に、電話網を介して管理装置へ短時間発呼動作により発信元電話番号通知を伴って発呼を行う一方、前記所定時刻に前記検出手段が生体に動作または反応がないことを検出した場合に、前記管理装置への発呼を行わずに前記電話網を介して個別対応用端末装置へ短時間発呼動作により発信元電話番号通知を伴って発呼を行う発呼手段と、
を備える宅側装置と、
着呼がなされるべき時刻に電話網を介して到来する着呼を受けると、当該着呼に伴う発信元電話番号に基づき対応する対象者が通常状態であることを示す安否情報を表示部へ表示する一方、着呼がなされるべき時刻に基づき着呼がない対象者を特定し、当該対象者が異常状態にあることを示す安否情報を前記表示部へ表示する管理装置と、
電話網を介して到来する着呼を受けた場合に、当該着呼に伴う発信元電話番号に基づき対応する対象者から着呼ありを報知する個別対応用端末装置と、
を具備したことを特徴とする個人安否管理システム。
【請求項2】
検出手段は、人感センサであることを特徴とする請求項1に記載の個人安否管理システム。
【請求項3】
検出手段は、複数種類のセンサであり、発呼手段は、前記センサの種類に応じて管理装置の異なる電話番号へ発呼することを特徴とする請求項1に記載の個人安否管理システム。
【請求項4】
宅側装置は、発呼手段の発呼に対応して、検出手段の検出結果に応じた内容の電子メールを個別対応用端末装置へ送信することを特徴とする請求項3に記載の個人安否管理システム。
【請求項5】
管理装置は、着呼の時刻または発信元電話番号に対応して対象者を特定し、検出手段毎に異なる電話番号への着呼の有無を検出し、検出結果に応じて安否情報の表示態様を変化させて表示することを特徴とする請求項3または4に記載の個人安否管理システム。
【請求項6】
管理装置は、着呼がない宅側装置を特定し、特定した宅側装置に対応する個別対応用端末装置へ発信し、連絡がない旨を知らせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の個人安否管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、独居高齢者等の一人暮らしの人が無事に暮らしているかを監視するための個人安否管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のシステムの多くは、インターネット回線を利用したものであった。従って、このシステムを導入するには、インターネット回線が必要であり、通常インターネットを利用していない高齢者は新たにインターネット回線に加入する必要があり、金銭的負担が大きくなるという問題があった。
【0003】
上記に対し、電話により安否確認を行うシステムも知られている。このシステムは、非侵襲的バイタルセンサによって対象者の安否状態を監視するものである。そして、非侵襲的バイタルセンサの出力は、無線機により監視装置へ送信して監視装置が電話回線を介して通報を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−238909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に示されたシステムでは、単純な安否だけではなく、心拍の検出や、呼吸抽出を行っており、構成が複雑であり、コストも高いという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような従来の安否確認システムが有する問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、構成が簡素でありながら、適切に安否確認を行うことができ、安価な個人安否管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る個人安否管理システムは、
所定時刻に生体の動作または反応
があるかないかを検出する検出手段と、
前記所定時刻に前記検出手段が生体に動作または反応があることを検出した場合に、電話網を介して管理装置へ短時間発呼動作
により発信元電話番号通知を伴って発呼を行う
一方、前記所定時刻に前記検出手段が生体に動作または反応がないことを検出した場合に、
前記管理装置への発呼を行わずに前記電話網を介して個別対応用端末装置へ短時間発呼動作
により発信元電話番号通知を伴って発呼を行う発呼手段と、を備える宅側装置と、
着呼がなされるべき時刻に電話網を介して到来する着呼を受け
ると、当該着呼に伴う発信元電話番号に基づき対応する対象者が
通常状態であることを示す安否情報を表示部へ表示する一方、
着呼がなされるべき時刻に基づき着呼がない対象者を特定し、当該対象者が異常状態にあることを示す安否情報を前記表示部へ表示する管理装置と、電話網を介して到来する着呼を受けた場合に、
当該着呼に伴う発信元電話番号に基づき対応する対象者
から着呼ありを報知する個別対応用端末装置と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る個人安否管理システムでは、検出手段は、
複数種類のセンサであり、発呼手段は、前記センサの種類に応じて管理装置の
異なる電話番号へ発呼することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る個人安否管理システムでは、宅側装置は、発呼手段の発呼に対応して、検出手段の検出結果に応じた
内容の電子メールを個別対応用端末装置へ送信することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る個人安否管理システムでは、管理装置は、着呼の時刻または発信元電話番号に対応して対象者を特定し、検出手段毎に異なる電話番号への着呼の有無を検出し、検出結果に応じて安否情報の表示態様を変化させて表示することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る個人安否管理システムでは、管理装置は、着呼がない宅側装置を特定し、特定した宅側装置の第二の宛先へ発信し、連絡がない旨を知らせることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る個人安否管理システムでは、検出手段は、
人感センサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る個人安否管理システムは、生体の動作または反応を検出し、生体に動作または反応があることを検出した場合に、電話網を介して管理装置へ短時間発呼動作で発呼を行うと共に、生体に動作または反応がないことを検出した場合に、電話網を介して個別対応用端末装置へ短時間発呼動作で発呼を行うので、簡単で安価な構成によって適切に安否確認を行うことができる。
【0017】
また、電話網を介して到来する着呼を受けて、発信元の対象者の安否情報を表示部へ表示する管理装置を備えるので、安否情報を管理装置において一元管理可能である。また、電話網を介して到来する着呼を受けた場合に、着呼ありを報知する個別対応用端末装置を備えるので、着信ありの場合に対象者の元へ安否確認に向かうことが必要であると知ることができ、素早い対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る個人安否管理システムの構成図。
【
図2】本発明の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる管理装置の構成図。
【
図3】本発明の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる宅側装置の動作を示すフローチャート。
【
図4】本発明の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる管理装置の動作を示すフローチャート。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる管理装置による安否管理リストの表示例を示す図。
【
図6】本発明の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる個別対応用端末装置の動作を示すフローチャート。
【
図7】本発明の第二の実施形態に係る個人安否管理システムの構成図。
【
図8】本発明の第二の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる個別対応用端装置の動作を示す図。
【
図9】本発明の第二の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる管理装置による表示色とセンサ出力の関係を示す図。
【
図10】本発明の第二の実施形態に係る個人安否管理システムに用いられる管理装置による安否管理リストの表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照して本発明に係る個人安否管理システムの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1には、本発明に係る個人安否管理システムの第一の実施形態の構成図が示されている。このシステムは、宅側装置10、管理装置30、個別対応用端末装置40を有している。
【0020】
宅側装置10は、安否管理を行うべき対象者の一人一人に対応するもので、通常は複数設けられる。管理装置30は、市役所の介護係や介護サービスのセンタなどの一か所に配置されるもので、例えばパーソナルコンピュータを中心として構成することができ、装置自体は複数台であっても良い。個別対応用端末装置40は、携帯電話機やスマートフォンにより構成することができ、介護人に通常は一台(複数台であっても良い)備えられるものである。
【0021】
宅側装置10は、対象者の生体に動作または反応を検出する検出手段としてのセンサ11を有している。このセンサ11はベッドや敷き布団に設けられ、例えば、人が寝返りをしたり、立ち上がったり、起きた状態から寝た状態に移行したりするときの振動を検出するセンサにより構成することができる。この他に、感熱センサや。ベッド等の所定位置を通過すること検出するフォトセンサ等であっても良い。
【0022】
センサ11には、記憶装置とプロセッサなどにより構成される処理装置12が接続され、処理装置12には、モデム及び網制御部(NCU)を備えた発呼機能部13が接続されている。発呼機能部13は切換スイッチ14を介して電話回線15から電話網50へ接続されている。切換スイッチ14には電話機18が接続されており、切換スイッチ14は、処理装置12による制御によって電話機18または発呼機能部13のいずれかに接続されるように切り換えられる。
【0023】
処理装置12には、発呼手段21が備えられている。発呼手段21は、検出手段であるセンサ11が生体に動作があることを検出した場合に、電話網50を介して第一の宛先へ短時間発呼動作で発呼を行うと共に、上記検出手段が生体に動作がないことを検出した場合に、電話網50を介して第二の宛先へ短時間発呼動作で発呼を行うものである。ここで短時間発呼は、管理装置30や個別対応用端末装置40が呼び出しに応答しない時間であり、機械的不完了呼(俗に、ワン切りと称される発呼)が好適である。従って、発呼機能部13は、例えば、リングバックトーンを検出すると、直ちに発呼を停止するように構成することができる。
【0024】
上記において、第一の宛先は管理装置30であり、第二の宛先は個別対応用端末装置40である。即ち、発呼手段21は、第一の宛先である管理装置30の電話番号情報と、第二の宛先である個別対応用端末装置40の電話番号情報とを記憶している。また、発呼手段21は、発呼機能部13を制御して短時間発呼を行わせる共に、相手の電話番号の前段に発信元通知を網へ要求するための番号「186」を付して発呼先を通知する。
【0025】
図2に示されるように、管理装置30には、発着呼を行う電話機能部31が備えられ、電話機能部31がインタフェース32を介して例えばCPU33に接続された構成を有している。CPU33には、各種の情報を表示するための表示部34と、情報やコマンドを入力するための入力部35が接続されている。管理装置30は、電話網50を介して到来する着呼を受けて、発信元の対象者の安否情報を表示部へ表示する。このために、発信元電話番号と各対象者の氏名等を対応付けて記憶し、また、着信がなされるべき時刻情報に対応して各対象者の氏名等を記憶している。
【0026】
携帯電話機やスマートフォンである個別対応用端末装置40は、電話網50を介して到来する着呼を受けた場合に、着呼ありを発信元電話番号と共に報知(表示)する。
【0027】
以上の通りに構成された個人安否管理システムでは、宅側装置10は、
図3に示すフローチャートに示すように動作を行うので、これを説明する。所定時刻となるのを待っており(S11)、所定時刻となると、センサ11により生体の動作を検出し(S12)、動作ありかを判定する(S13)。
【0028】
判定結果が動作ありとなると、第一の宛先の管理装置30へ短時間発呼し(S14)、エンドとなる。一方、判定結果が動作なしとなると、第二の宛先の個別対応用端末装置40へ短時間発呼し(S15)、エンドなる。
【0029】
上記に対し、管理装置30は
図4に示すフローチャートに示すように動作を行うので、これを説明する。前述の通り、着信がなされるべき時刻情報に対応して各対象者の氏名等を記憶しているので、各対象者に対して配置された宅側装置10から着呼がなされるべき所定時刻となるのを待っており(S21)、所定時刻となると、着呼がなされたかを検出する(S22)。この検出結果、着信があると発信元電話番号から対象者の氏名を特定し、通常生活の状態を示す表示を表示部34に行う(S23)。一方、ステップS22における検出の結果、着信がない場合には、当該所定時刻から対象者の氏名を特定し、異常発生の可能性を示す表示を表示部34に行う(S24)。
【0030】
上記ステップS23及びステップS24における表示部34に表示される画像の一例を、
図5に示す。本実施形態に係る個人安否管理システムの管理装置30が管理している対象者の氏名と住所が対にされて、所定色の背景画上に表示されている。通常生活の状態を示す表示においては、Bによって示されるように背景画が青色により表示される。一方、異常発生の可能性を示す表示においては、Rによって示されるように背景画が赤色により表示される。このように管理装置30は、着呼の時刻に対応して対象者を特定し、対応者に対応付けて安否情報を表示部へ表示する。
【0031】
上記のように異常発生の可能性を示す表示がなされた場合には、オペレータ等が介護担当者へ電話などで連絡する(S25)。この場合において、管理装置30が対象者の氏名と担当する介護者の電話番号と、電話連絡をとるように促すメッセージを表示するようにしても良い。また、オペレータではなく、管理装置30が電話機能により発呼した後、音声合成したメッセージを介護担当者へ送信するようにしてもよい。すなわち、管理装置30は、着呼がない宅側装置を特定し、特定した宅側装置の第二の宛先へ発信し、連絡がない旨を知らせる構成を備えることができる。
【0032】
更に、個別対応用端末装置40は、
図6に示すフローチャートに示すように動作を行うので、これを説明する。個別対応用端末装置40では、着信を待っており(S31)、着信があるとは発信元電話番号に基づき対象者を特定し、発信元電話番号と対象者氏名を表示し(S32)、エンドとなる。
【0033】
個別対応用端末装置40に着信があり、介護者は介護の対象者に異常発生の可能性があることが判る。このとき、管理装置30では当該対象者の背景画が赤色に表示されているはずである。そして、ステップS25に示した通りに電話連絡があるはずである。この連絡を待って、或いは、管理装置30では当該対象者の背景画が赤色に表示されていることを確認して、対象者の安否確認へ対象者の自宅へ赴くことになる。
【0034】
上記に対し、管理装置30では当該対象者の背景画が赤色に表示されている場合において、個別対応用端末装置40に当該対象者に対応する着信がない場合には、宅側装置10が故障などしていることが考えられる。この場合には、宅側装置10のメンテナンスのために介護者または保守担当者が対象者の自宅へ赴くことになる。
【0035】
以上のように本実施形態に係る個人安否管理システムによれば、対象者に異常発生の可能性がある場合には、個別対応用端末装置40に着呼があり、且つ管理装置30には所定時間の通知がなされないので、簡単で安価な手法により安否管理を行うことができ、必要十分な対応をとることが可能である。
【0036】
図7に、第二の実施形態に係る個人安否管理システムを示す。この実施形態では、宅側装置10が複数の検出手段としてのセンサ11−1〜11−4を備える。例えば、センサ11−1を温度センサ、センサ11−2を第一の実施形態と同様の人感センサ、センサ11−3を照度センサ、センサ11−4をドアセンサとすることができる。温度センサであるセンサ11−1は、所定温度以上となると異常報知信号を出力する。人感センサであるセンサ11−2は、人の動きが所定時間無い場合に異常報知信号を出力する。照度センサであるセンサ11−3は、照度が所定以上とならないときにカーテンが開けられないなどの異常を検知して異常報知信号を出力する。センサ11−4をドアセンサであるセンサ11−4は、ドアの開閉が所定時間以上無いときに異常信号を出力する。
【0037】
更に、処理装置12には、メール送信手段22が備えられる。メール送信手段22は、個別対応用端末装置40のメールアドレスを記憶しており、異常報知信号を出力したセンサに対応する内容の電子メールを上記メールアドレスへ送信する。また、発呼手段21は、上記センサ11−1〜11−4の出力を所定時刻に取得し、異常報知信号が得られないとき(正常であるとき)に、それぞれのセンサに対応して、管理装置30の異なる電話番号へ短時間発呼する。ここではセンサを4個とした例であるので、電話番号を簡略化して0001〜0004とする。
【0038】
また、発呼手段21は、上記センサ11−1〜11−4の出力を所定時刻に取得し、異常報知信号が得られたとき(異常であるとき)に、それぞれのセンサに対応して、個別対応端末装置40のへ短時間発呼する。このとき、メール送信手段22は検出手段であるセンサ11−1〜11−4の検出結果に応じた内容の電子メールを個別対応用端末装置40へ送信する。このような発呼手段21とメール送信手段22による以上の動作をまとめると、
図8に示す通りである。
【0039】
上記の動作により個別対応用端末装置40は、
図6に示したフローチャートに対応した動作を行うと共に、着信する電子メールを介護者の操作に応じて表示する。これによって、介護者は第一の実施形態の場合と同様に、異常が発生した対象者を特定して確認などを行うことができる。本実施例ではこれに加えて、介護者は電子メールにより対象者の状況を所定程度知ることができ、適切な行動を行うことが可能である。
【0040】
一方、管理装置30では、異なる電話番号への着呼の有無を検出し、検出結果に応じて安否情報の表示態様を変化させて表示する。ここでは、表示態様として色を
図9に示すようにセンサ状態に応じて変化させるが、文字を大きくしたり、ブリンクさせたりするなどの表示態様を単独に行っても良く、或いはこれらの表示態様を色と合わせて用いるようにしても良い。
図9において「●」は、「着信あり」を示す。また「判定」は管理装置30の画面を目視した人が表示態様の変化により気付くと思われる心理状態を示すものである。
【0041】
管理装置30の動作は、基本的に
図4に示したフローチャートに対応して行われる。ただし、ステップS24においては、
図9に示すようにセンサ状態に応じた色表示を実行する。表示部34に表示される画像の一例を、
図10に示す。この第二の実施形態では、異常発生の可能性を示す表示においては、Rによって示されるように背景画が赤色により表示され、問題ありを示す表示においては、Yによって示されるように背景画が黄色により表示される。
【0042】
かくして、管理装置30が配置されるセンタにおいては、対象者の状況を色などの表示態様により詳細に把握して、適切な対処が可能となる。
【0043】
なお、上記第二の実施例は複数の検出手段としてのセンサの数を4個としたものであるが、一般的に複数である場合には次の通りに処理を行う。第一に、設置したセンサの全てから管理装置30へ着呼があれば、
図9の「判定」において「問題なし」と示した処理と同様の処理を行うことができる。第二に、設置したセンサの一部から管理装置30へ着呼がなければ、
図9の「判定」において「問題あり」と示した処理と同様の処理を行うことができる。第三に、設置したセンサの全てから管理装置30へ着呼が無い場合には、
図9の「判定」において「異常」と示した処理と同様の処理を行うことができる。また、複数(N)のセンサからの着呼に対応して、
図9の如く「●」のマークで「着信あり」を示す着呼のパターンデータを作成し、設置したN個のセンサの全てから管理装置30へ着呼が無い場合の他、所定のパターンの着呼パターンのときに「異常」として処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0044】
10 宅側装置
11 センサ
12 処理装置
13 発呼機能部
14 切換スイッチ
15 電話回線
18 電話機
21 発呼手段
22 メール送信手段
30 管理装置
31 電話機能部
32 インタフェース
34 表示部
35 入力部
40 個別対応用端末装置
50 電話網