特許第6052815号(P6052815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6052815導波路用のコネクタおよびアライメント方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052815
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】導波路用のコネクタおよびアライメント方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20161219BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G02B6/36 301
   G02B6/122
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-200132(P2014-200132)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-71137(P2016-71137A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年1月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】平 洋一
(72)【発明者】
【氏名】バービッツ、ティモン
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−017933(JP,A)
【文献】 特開2007−272159(JP,A)
【文献】 特表2001−519045(JP,A)
【文献】 特表2003−534568(JP,A)
【文献】 特開2010−231092(JP,A)
【文献】 実開平01−111207(JP,U)
【文献】 特開2010−243946(JP,A)
【文献】 特開2005−292379(JP,A)
【文献】 特開2011−002709(JP,A)
【文献】 米国特許第08534927(US,B1)
【文献】 米国特許第08545108(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0136399(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00− 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子に光信号を結合させるためのコネクタであって、前記コネクタは、
ポリマー・リボンに横並びに形成された導波路に隣接して配置される凹部を備えたコネクタ部材と、
前記横並びに形成された複数の導波路を挟んで前記コネクタ部材の反対側に配置されるバックアップ部材と
を含み、
前記凹部は、前記導波路のない位置に交互に配置され、前記コネクタに対して前記導波路を位置決めするため前記ポリマー・リボンのオーバークラッド層が形成されていない面に当接する平坦な頂部を有する複数の突条を備え、前記複数の突条は、前記頂部に向かって幅が狭くなる傾斜の台形形状の複数の第1の突条と、前記ポリマー・リボンの当接部の両端に形成され前記ポリマー・リボンをその幅方向にアライメントするため前記台形形状よりもゆるい傾斜を有する台形形状の第2の突条とからなる、コネクタ。
【請求項2】
前記突条は、前記ポリマー・リボン上において前記導波路のオーバークラッド層が形成されていない面をストップ面として前記ポリマー・リボンを前記凹部の幅方向にわたって高さ方向に位置決めする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記導波路は、光導波路である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
半導体素子に対して光信号を結合させるためのアライメント方法であって、
ポリマー・リボンに横並びに形成された導波路に隣接して配置される凹部を備えたコネクタ部材を配置するステップと、
前記凹部に横並びに形成された導波路を配置するステップと、
前記導波路を挟んで前記コネクタ部材の反対側にバックアップ部材を配置するステップと、
前記バックアップ部材と、前記コネクタ部材との間の距離を減少させることによって、 前記凹部に形成され、かつ前記導波路のない位置に交互に配置され、前記コネクタに対して前記導波路を位置決めするため前記ポリマー・リボンのオーバークラッド層が形成されていない面に当接する平坦な頂部を有する複数の突条を備え、前記複数の突条は、前記頂部に向かって幅が狭くなる傾斜の台形形状の複数の第1の突条と、前記ポリマー・リボンの当接部の両端に形成され前記ポリマー・リボンをその幅方向にアライメントするため前記台形形状よりもゆるい傾斜を有する台形形状の第2の突条とにより前記導波路を支持するステップとを含む、アライメント方法。
【請求項5】
前記導波路を支持するステップは、前記複数の第1および第2の突条の平坦な頂部を、前記導波路の間に嵌入させ、前記距離を、前記頂部が前記ポリマー・リボン上において前記導波路のオーバークラッド層が形成されていない面に当接するように減少させるステップを含む、請求項4に記載のアライメント方法。
【請求項6】
前記導波路は、光導波路である、請求項4に記載のアライメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光情報伝送技術に関し、より詳細には、半導体素子に対して光情報を相互伝送するためのコネクタおよび光導波路のアライメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータといった情報処理装置の情報処理能力は高められてきている。しかしながら、処理するべき情報の量および種類が増大するにつれて、情報処理装置にはますます処理能力の改善が求められている。光通信は、情報伝送容量が高く、また寄生容量などの影響を考慮することがなく高密度実装が期待できる。このため、電子情報を光情報に変換して、情報伝送を行うシリコンフォトニクス・デバイスが提案されている。
【0003】
シリコンフォトニクス・デバイスは、デバイス間の情報伝送を、光ファイバ、平面導波路などの導波路を使用して行う。これまで、光導波路を使用した半導体素子は種々提案されており、例えば、米国特許第8,534,927号明細書(特許文献1)には、支持体上に配置された柔軟なクラッド層と、クラッド層上に配置されたシングルモード導波路とを備え、ウェハと、光ファイバとの結合を可能とするコネクタが記載されている。また、米国特許第8,545,108号明細書(特許文献2)には、ウェハに対してボディ部分を接着することで半導体デバイスと、シングルモード光ファイバを結合する点が記載されている。
【0004】
さらに、特開2007−272159号公報(特許文献3)には、光導波路がフェルール本体の一部に当接される位置合わせ用コアを備えることが記載されている。また、特開2008−089879号公報(特許文献4)には、位置決め部を、オーバークラッドを形成する薄膜をパターニングして形成する点が記載されている。さらに特開2005−292379号公報(特許文献5)には、光導波路を支持体に対して凹凸嵌合によって位置固定する点が記載されている。
【0005】
以上の先行技術文献は、いずれも半導体ウェハに対してシングルモード光ファイバを結合させるための技術を記載する。一方、シリコンフォトニクス・デバイスに対して光信号を伝送しようとする場合には、シリコンフォトニクス・デバイスから入出力する光信号を、光配線を提供するシングルモード・ファイバ束または導波路束に結合させる必要が生じる。図6には、シリコンフォトニクス・デバイスと、シングルモード光ファイバ束との間の、従来の光学的結合を提供するための配置を示す。
【0006】
図6に示すように、シリコンフォトニクス・デバイス610の出力側は、シリコンフォトニクス・デバイスの出力側に形成された結合領域を介して、アディアバティック・オプティカル・カップリング機構620により、半導体ウェハと、平面導波路との間に光結合が提供される。導波路束は、ポリマー・リボン630が光結合される。このポリマー・リボン630の反対側の端部は、コネクタ640に保持またはポリマー・リボン630と一体として形成されている。コネクタ640は、ポリマー・リボン630を保持して、シリコンフォトニクス・デバイスの光出力ポートに光結合させている。
【0007】
図7には、シリコンフォトニクス・デバイス610の光出力部の断面構造を示す。図7に示すように、シリコンフォトニクス・デバイス610の光出力部は、シリコン導波路710により形成されていて、適切なカップリング要素(不図示)を介してポリマー・リボン720に形成された導波路730との間で光信号の結合が行われる。シリコン導波路710は、周知の成膜およびフォトリソグラフィー技術を使用してシリコン・ウェハ上に形成される。
【0008】
カップリング要素は、シリコンフォトニクス・デバイス610、または外部デバイスからの光信号を、光導波路730およびシリコンフォトニクス・デバイス610の間で相互結合させている。
【0009】
図7に示すように、ポリマー・リボン720の両端部には、アライメント用の突条740が形成されている。またシリコンフォトニクス・デバイス610の突条740に対応する位置には、ノッチ760が形成されていて、シングルモード光導波路730と、シリコン導波路710とが位置決めされている。
【0010】
上述したようにシリコン・ウェハ上に光導波路を位置決めする技術は、これまで各種報告されているものの、シリコンフォトニクス・デバイス間で光情報を伝送するため、精度良く光導波路を支持するコネクタに関する検討は十分なものとは言えなかった。コネクタは、多くの場合、ポリマー材料から形成される。また、ポリマー・リボンもある程度柔軟性を持つポリマー材料から形成される。ポリマー材料は、熱硬化性樹脂などを使用しても無機材料に比較して、厚さ、幅などの寸法精度は十分ではない。
【0011】
また、ポリマー・リボン720に複数の導波路を並設する場合、これらの導波路をコネクタに対して、精度良く位置決めすることが必要となる。すなわち、ポリマー・リボンを精度良くシリコンフォトニクス・デバイスにアライメントすることを可能とするコネクタおよびアライメント方法が必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第8,534,927号明細書
【特許文献2】米国特許第8,545,108号明細書
【特許文献3】特開2007−272159号公報
【特許文献4】特開2008−089879号公報
【特許文献5】特開2005−292379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明は、シリコンフォトニクス・デバイスといった半導体素子に対して光導波路を十分なレベルでアライメントすることができるコネクタおよびアライメント方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のコネクタは、横並びに形成された導波路を配置する凹部を備えたコネクタ部材を備える。このコネクタ部材は、横並びに形成された複数の導波路を挟んでコネクタ部材の反対側に配置されるバックアップ部材により固定されて、導波路をコネクタに相対して固定する。
【0015】
凹部には、導波路に対して千鳥状に配置され、コネクタに対して導波路を位置決めするための複数の突条が形成されている。この突条は、突条に対して千鳥状にとなる位置に配置された導波路の間に挿入されて導波路を支持する。
【0016】
導波路は、ポリマー・リボンに形成されており、突条は、ポリマー・リボン上で光導波路を構成するためのオーバークラッド層が形成されていない面をストップ面とすることになる。上述した突条と、オーバークラッド層の形成されていないストップ面との交互接触により、ポリマー・リボンを前記凹部の幅方向にわたって高さ方向に位置決めすることができる。
【0017】
さらにコネクタ部材は、ポリマー・リボンに形成された突条と当接して前記ポリマー・リボンを横方向に位置決めするテーパ付突条を両端部に備え、導波路は、光導波路とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態のコネクタ100の概略的な分解斜視図。
図2】本実施形態のコネクタ100を構成するコネクタ部材101を、図1の矢線Aから見た場合の上面図(図2(a))および矢線Bの方向から見た場合の側面図(図2(b))。
図3】本実施形態のポリマー・リボン102の構成を示す部分拡大図。
図4】本実施形態のコネクタ部材101に対してポリマー・リボン102を配置した態様400を示す図。
図5】バックアップ部材103が圧入されて、本実施形態のコネクタ100が形成された態様500を示す図。
図6】シリコンフォトニクス・デバイスと、光導波路との間の従来の光学的結合を提供するためのカップラの配置を示す斜視図。
図7】従来のシリコンフォトニクス・デバイス610の光出力部の断面構造を示す図。
【符号の説明】
【0019】
100 :コネクタ
101 :コネクタ部材
101a :凹部
102 :リボン
103 :バックアップ部材
104 :アパーチャ
105 :突条
106 :突条
106a :頂面
107 :リボン当接部
110 :ベース部
110a :ストップ面
111 :光導波路
112 :突条
113 :第2クラッド
114 :コア
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施形態によって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態のコネクタ100の概略的な分解斜視図である。本実施形態のコネクタ100は、光ファイバなどを結合するためのMT(Mechanical Transfer)コネクタと互換性のある形状を有している。コネクタ100は、概ね、コネクタ部材101、ポリマー・リボン102およびコネクタ部材101にポリマー・リボン102を固定するためのバックアップ部材103として構成されている。
【0021】
コネクタ部材101は、ポリマー・リボン102を収容し、固定するための凹部101aが形成されている。コネクタ部材101の凹部101aの両側壁には、コネクタ100をシリコンフォトニクス・デバイス(図示せず)に接続させるためのネジといった固定部材を挿通するアパーチャ104が形成されている。アパーチャ104に固定部材を挿通し、シリコンフォトニクス・デバイスが収容された筐体にコネクタ100を固定することで、ポリマー・リボン102の先端がシリコンフォトニクス・デバイスのシリコン導波路に結合される。また、図1に示すように、ポリマー・リボン102が配置される凹部101aのポリマー・リボン102に向いた側には、ポリマー・リボン102をコネクタ100に対して位置決めする複数の突条106が形成されている。
【0022】
ポリマー・リボン102は、内部に複数のシングルモード導波機能を有する光導波路が形成されており、紙面左手側から入射する光信号を、紙面右手側に配置されるシリコンフォトニクス・デバイスへと入射させる。ポリマー・リボン102を形成する材料に特に限定はなく、光学的特性の良好な、熱硬化性または熱可塑性のプラスチック材料を使用することができる。ポリマー・リボン102中に形成される光導波路は、クラッドおよびコアを備え、周知の成膜技術およびフォトリソグラフィー技術を使用して形成することができる。
【0023】
また本実施形態では、ポリマー・リボン102に形成される複数の光導波路は、オーバークラッド層がポリマー・リボン102上に形成されることにより、ポリマー・リボン102の面から間隔を持って突出した構成とされている。さらにポリマー・リボン102の光導波路は、コネクタ部材101の凹部101aに形成される突条106に対して千鳥状となる位置に形成されている。ポリマー・リボン102は、ある程度柔軟に形成されているので、ポリマー・リボン102に保持または一体化して並設された光導波路は、コネクタ100の幅内で高い精度で位置決めされる必要がある。
【0024】
バックアップ部材103は、コネクタ部材101と同一または異なるポリマー材料から形成されている。バックアップ部材103は、コネクタ部材101の凹部101aと、バックアップ部材103との間にポリマー・リボン102を挟み込んで、ポリマー・リボン102を固定する。コネクタ100に対してポリマー・リボン102が固定された場合、突条106の頂面と、ポリマー・リボン102のストップ面とが当接する。この当接により、横並びに形成された導波路は、シリコンフォトニクス・デバイスの光入力ポートに少なくとも±2.0μm程度の精度でアライメント可能とされる。
【0025】
コネクタ部材101、バックアップ部材103は、精密射出成形を使用して形成されており、適切な熱硬化性樹脂およびフィラーを含む複合材料から形成することができる。また、ポリマー・リボン102は、周知の成膜技術およびフォトリソグラフィー技術を使用して形成することができる。
【0026】
コネクタ100は、コネクタ部材101の凹部101aにポリマー・リボン102を配置し、その上方からバックアップ部材103を矢線Aの方向に挿入し、押圧して、適切な接着剤などを使用して固定することで、形成される。このとき本実施形態では、ポリマー・リボン102のトップ面が、凹部101aに形成された突条106の頂面により支持されて固定される。このため、ポリマー・リボン102は、コネクタ100に対して、シングルモード導波性の光導波路を高精度に左右方向および高さ方向に支持するように固定される。
【0027】
図2は、本実施形態のコネクタ100を構成するコネクタ部材101を、図1の矢線Aから見た場合の上面図(図2(a))および矢線Bの方向から見た時の側面図(図2(b))を示す。コネクタ部材101のポリマー・リボン当接部107には、ポリマー・リボン102を支持するための複数の突条105、106が形成されている。突条105は、ポリマー・リボン当接部107の両端部に形成されていて、ポリマー・リボン102を紙面左右方向(X方向)にアライメントする。
【0028】
また、突条106は、ポリマー・リボン102の光導波路が形成される領域に配置されており、光導波路の形成されていない部分に対応して形成されている。この突条106は、その頂部が平坦に形成されていて、ポリマー・リボン102のストップ面と当接して、X方向に並設された光導波路をZ方向に位置決めする機能を提供する。
【0029】
特定の実施形態に関連して各部の寸法を説明すると、コネクタ100は、X方向に6.34〜6.48mmの大きさを有し、突条106は、概ね100μmであり、その間隔は、概ね250μmとされている。また、光導波路も概ね250μmの間隔で、平面導波路の形状として形成されている。さらに突条106の高さは、数10μm、平面導波路の厚さも、数10μmとされている。本実施形態では、各部の寸法は、特に限定は無く、特定の目的および規格に適合する用に、適宜設定可能である。
【0030】
図3は、本実施形態のポリマー・リボン102の構成を示す部分拡大図である。ポリマー・リボン102は、説明する実施形態では、クラッド層の機能を提供する。ポリマー・リボン102は、ベース部110と、位置決め用の突条112と、ベース部110の主要部に形成された光導波路(平面導波路)111とを含んで構成されている。図3では一部分を拡大して示しているが、図3に示したと同様の構造が、コネクタ部材101の図示しない反対側の端部にまで延びた構造とされる。
【0031】
光導波路は、説明する実施形態において、ベース部110がクラッドとして機能し、ベース部110上に形成された第2クラッド113内にコア114が、ベース部110に隣接して配置された構成を備えている。ベース部110の領域と、コア114と、第2クラッド113とが1つの光導波路111を提供する。突条112の頂面と、第2クラッド113の頂面は、同一のレベルとすることもできるし、Z方向のアライメントに悪影響を与えない範囲で、異なるレベルとすることもできる。
【0032】
図4は、本実施形態のコネクタ部材101に対してポリマー・リボン102を配置した態様400を示す図である。なお、図4では説明のため、ポリマー・リボン102と、コネクタ部材101との間に間隙が残された状態を示している。ポリマー・リボン102に形成された光導波路111は、コネクタ部材101の一定の間隔を置いて形成された突条106に対して千鳥状に形成されている。そして、突条106もまた、光導波路111の間に延びるように、千鳥状に形成されている。
【0033】
ポリマー・リボン102が、バックアップ部材103により凹部内側へと押圧されると、ベース部110の導波路間の面として定義されるストップ面110aが、突条106の頂面106aと当接して保持される。この当接は、図4で示すように、コネクタ部材101の凹部101aにわたって発生する。このため、光導波路111は、コネクタ部材101の幅方向にわたって、高さ方向(Z方向)に精度良く位置決めされる。
【0034】
突条105は、ベース部110から延びた突条112の内側端に当接して、ポリマー・リボン102をX方向に位置決めする。なお、位置決めが確実に行われるように、突条105は、両側面が傾斜したテーパ面とされていて、その断面形状が、コネクタ部材101から延びる断面台形の形状とされている。突条105は、そのテーパが形成された外側面が突条112の内側面に当接することで、コネクタ部材101に対するポリマー・リボン102の左右方向の位置決めを可能としている。
【0035】
本構成により、固定用のネジ部材によりアパーチャ104を通してシリコンフォトニクス・デバイスに位置決めされた場合に、シリコンフォトニクス・デバイスの光結合部に対し、光導波路111は、ポリマー・リボン102の幅方向にわたって、概ね±2.0μm以下、より好ましくは±1μm程度の精度でアライメントできる。
【0036】
図5は、バックアップ部材103が圧入されて、本実施形態のコネクタ100が形成された態様500を示す。図4に示すようにコネクタ部材101に対してポリマー・リボン102を配置した後、バックアップ部材103をポリマー・リボン当接部107に配置する。その後、熱硬化性、光硬化性、常温硬化性の接着剤を付着させたバックアップ部材103を矢線Cの方向から圧入する。バックアップ部材103の圧入に伴って、コネクタ部材101とポリマー・リボン102との間の間隙が減少して行く。
【0037】
最終的には突条106の頂面106aが、ポリマー・リボン102のベース部110の導波路が形成されていない面であるストップ面110aに当接した時点で圧入を終了させる。圧入の終了は、印加する圧力をモニタすることでも良いし、突条106の頂面106aが、ポリマー・リボン102のストップ面110aに当接するまでのワークの移動ストロークをモニタすることでも良く、これまで知られた如何なる装置および方法でも使用することができる。
【0038】
圧入終了後、接着剤により固定されるまで加圧を継続し、コネクタ100におけるポリマー・リボン102のアライメントを終了させる。本実施形態では、クラッドとしても機能するポリマー・リボン102の光導波路の形成されていない面をZ方向のアライメントのために利用することにより、精度良くX方向およびZ方向にポリマー・リボン102をアライメントすることが可能となる。これと同時に本実施形態では、導波路111の凹部101aの底面からの高さを均一化させることが可能となる。
【0039】
以上説明したように、本発明は、シリコンフォトニクス・デバイスといった半導体素子に対して光導波路を精度良くアライメントすることができるコネクタおよびアライメント方法を提供することができる。
【0040】
これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7