特許6052829IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

電気電子部品用の材料として使用される銅合金材に関し、特に、高強度、高導電率を有し、耐応力緩和特性が優れた電気電子部品用銅合金材

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、前述の従来技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献1においては、銅合金材料から銅合金材を製造する際に、鋳塊を熱間圧延して板材に加工し、その後、冷間圧延により所定の板厚に調整しており、その際、冷間圧延工程の途中で、板材に中間焼鈍を施している。よって、中間焼鈍中に、Fe−P及びMg−P等の燐化物が生成される。しかし、特許文献1の銅合金は、Pの含有量に対してFe及びMgの含有量が多い。よって、焼鈍後においても、Cu母相中に固溶したFe及びMgにより、導電率が低下しやすい。また、特許文献1の銅合金は、固溶元素であるSn及びZnの添加量も多い。よって、焼鈍処理による固溶元素の析出によって耐応力緩和特性を高めた場合においても、固溶元素がCu母相中に残存して導電率が低下しやすいという問題点がある。近時、車載用電装部品等の例えばバスバー及び端子等の材料に要求されている導電率としては、特許文献1に開示された導電率は、特性不足である。 特許文献2においては、Fe、P及びMgの添加量を最適化することにより、高導電率を維持し、耐応力緩和特性も向上させることが記載されているが、特許文献2の銅合金材は、Cu母相中に固溶する元素の添加量が少なく、焼鈍工程における固溶元素の再結晶・析出が期待できず、圧延工程において析出硬化による強度向上が期待できない。よって、近時の電気電子部品用の部材に要求されている強度を達成しようとすれば、例えば、必要な曲げ加工性を確保できない虞がある。即ち、特許文献1及び2のCu−Fe−P系銅合金では、近時の車載用電装部品等の材料に要求されている導電率、機械的特性及び耐応力緩和特性を達成することは難しい。 特許文献3には、Cuマトリクス中に微細なCr、Ti及びSiの析出物が均質に析出すると記載されているものの、その製造条件から推定すると、Cr−Ti及びCr−Siの析出物は、放冷中及び冷間圧延後の焼鈍工程において、不均一な大きさで生成されると考えられる。また、特許文献3の銅合金は、添加するNi及びFe量が多く、多量のNiにより導電率を高くできても、応力緩和率が大きくなり、耐応力緩和特性が要求される端子等の電気電子部品用材としては不適であり、多量のFeの添加により、析出物が粗大となり、析出硬化による強度の向上が得られない。更に、析出物は前記焼鈍工程で生成するが、その後最終圧延工程を受けるため、この圧延により導入される転位により曲げ加工性及び耐応力緩和特性が低下する。 特許文献4においては、冷間圧延後に銅合金板に焼鈍を施しており、必要に応じて、冷間圧延の途中でも中間焼鈍を施している。そして、この焼鈍温度は、350乃至500℃(ベル型加熱炉の場合)又は450乃至600℃(連続炉の場合)と低い。よって、特許文献4の製造方法によれば、銅合金中の各成分は、焼鈍温度が低いことにより再結晶し、製造された銅合金材は再結晶組織を有すると考えられる。また、特許文献4に開示された焼鈍温度では、Cu母相中のCr、Ti及びSiは、析出により固溶量が減少してしまう。よって、導電率は増加するが、耐応力緩和特性は低下してしまう。このため、耐応力緩和特性が必要な例えば自動車用端子材料としては不適である。また、特許文献4の銅合金板は、析出成分及び固溶成分による強度の向上が十分に得られない。 特許文献5においては、合金中に存在する粒径が1μm以上の析出物及び介在物の個数と粒径とを相互に関係式で規定しているが、この関係式によると、数百μm程度に粗大化した析出物が1以上存在することになり、また、10μm以下の析出物及び介在物が多量に存在することを許容していることから、銅合金材の曲げ加工性及び耐応力緩和特性についての検討が十分でない。更に、特許文献5の実施例から推定すると、2回目の加工率に対し2回目の時効温度が低いため、時効後も圧延による転位が残存し、曲げ加工性及び耐応力緩和特性が更に低下する。 本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高強度、高導電率及び優れた耐応力緩和特性を有する電気電子部品用銅合金材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本願発明に係る電気電子部品用銅合金材は、Cr:0.10乃至0.50質量%、Ti:0.005乃至0.50質量%及びSi:0.005乃至0.20質量%を含有し、O:150ppm以下及びH:5ppm以下に規制され、残部がCu及び不可避的不純物からなり、断面SEM観察による圧延方向の平均結晶粒径が15μm以下及び板厚方向の平均結晶粒径が10μm以下の金属組織を有し、Cr及びSiその他の元素を含む化合・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本願発明に係る電気電子部品用銅合金材は、Cr、Ti、Si、O及びHの含有量が適正化され、金属組織の平均結晶粒径並びに化合物の粒径及び個数密度が適正化されているので、高強度、高導電率及び優れた耐応力緩和特性を得ることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】自動車用のジャンクションボックス等に使用されているバスバー及びヒューズを示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1:バスバー   2a,2b:圧接部   3:メス端子部   4:オス端子   5:下部

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