特許第6052831号(P6052831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052831
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】マルチメディア品質監視方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 17/00 20060101AFI20161219BHJP
   H04N 19/44 20140101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04N17/00 Z
   H04N19/44
【請求項の数】25
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-518839(P2015-518839)
(86)(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公表番号】特表2015-526958(P2015-526958A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】CN2013081788
(87)【国際公開番号】WO2014029311
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2015年1月5日
(31)【優先権主張番号】201210300474.9
(32)【優先日】2012年8月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】高 山
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 李娜
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 清▲鵬▼
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−507324(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/029731(WO,A1)
【文献】 特開2010−226258(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0008241(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0096874(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0238792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 17/00
H04N 19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディア品質の監視方法であって、
マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従って前記マルチメディアの参照品質を決定するステップと、
前記マルチメディアマルチメディア歪み品質を取得するステップと、
前記マルチメディアの前記参照品質と前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定するステップと、
を含み、
前記マルチメディア歪み品質は、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質のうち少なくとも1つを含み、
パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質は、
前記マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質と、前記マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質のうち少なくとも1つを決定するステップであって、パケット紛失に起因する前記ビデオ品質は前記参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って決定され、パケット紛失に起因する前記オーディオ品質は、前記参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って決定される、ステップと、
パケット紛失に起因する前記ビデオ品質および/またはパケット紛失に起因する前記オーディオ品質のうち少なくとも1つに従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップと、
により取得され、
再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質は、
送信プロセス中の前記マルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って前記再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップ
により取得され、
パケット紛失に起因する前記ビデオ品質および/またはパケット紛失に起因する前記オーディオ品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップは、
パケット紛失に起因する前記ビデオ品質と前記参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因する前記オーディオ品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定するステップと、
前記パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と前記参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、前記オーディオ・パケット紛失歪み品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定するステップと、
前記ビデオ・パケット紛失歪み因子と前記オーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定するステップと、
前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子と前記マルチメディアの前記参照品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するステップと、
を含み、
パケット紛失に起因する前記ビデオ品質と前記参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因する前記オーディオ品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定するステップは、
【数1】
に従って前記パケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを決定するステップであって、V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因する前記ビデオ品質であるステップと、
【数2】
に従って前記オーディオ・パケット紛失歪み品質を決定するステップであって、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因する前記オーディオ品質であるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定するステップは、
【数3】
に従って前記マルチメディアの前記参照品質を決定するステップであって、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数であるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチメディアの参照品質を前記マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従って決定するステップは、
パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と前記参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、前記オーディオ・パケット紛失歪み品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定するステップは、
【数4】
もしくは
【数5】
に従って前記ビデオ・パケット紛失歪み因子AV_DFVを決定するステップであって、V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、V_DPは前記パケット紛失に起因するビデオ歪み品質であるステップ、
および/または
【数6】
もしくは
【数7】
に従って前記オーディオ・パケット紛失歪み因子AV_DFAを決定するステップであって、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、A_DPは前記オーディオ・パケット紛失歪み品質であるステップ
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ビデオ・パケット紛失歪み因子と前記オーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定するステップは、
【数8】
または
【数9】
に従って前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子AV_DFを決定するステップであって、AV_DFAは前記オーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVは前記ビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6およびav7は定数であるステップ
を含む、請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子と前記マルチメディアの前記参照品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するステップは、
【数10】
に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを決定するステップであって、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、MOS_MINは前記マルチメディアの最低品質、AV_DFは前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子であるステップ を含む、請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記再バッファリング・パラメータは、再バッファリングの数、再バッファリング期間、複数の再バッファリングの間の影響因子、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含む、請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
送信プロセス中の前記マルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って前記再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップは、
【数11】
に従って前記再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質AV_DRを取得するステップであって、Audiovisual_Qualityは前記マルチメディア初期品質であり、NRは再バッファリングの数であり、ARLは前記再バッファリング期間であり、MRFは複数の再バッファリングの間の前記影響因子であり、av7、av8、av9、av10、av11、およびav12は定数であるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチメディアの前記参照品質と前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定するステップは、
前記マルチメディアの前記参照品質と前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定するステップと、
前記マルチメディアの前記参照品質または前記パケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記マルチメディアの前記参照品質とパケット紛失に起因する前記マルチメディア歪み品質に従ってパケット紛失に起因する前記マルチメディア品質を決定するステップは、
【数12】
に従ってパケット紛失に起因する前記マルチメディア品質AV_MOSPを決定するステップであって、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、AV_DPは前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質であるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記マルチメディアの前記参照品質または前記パケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定するステップは、
【数13】
に従って前記マルチメディアの品質AV_MOSRを決定するステップであって、Audiovisual_Qualityは前記マルチメディアの前記参照品質またはパケット紛失に起因する前記マルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する前記マルチメディア歪み品質であるステップを含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項11】
マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従って前記マルチメディアの参照品質を決定するように構成された第1の決定モジュールと、
前記マルチメディアマルチメディア歪み品質を取得するように構成された第2の決定モジュールと、
前記マルチメディアの前記参照品質と前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定するように構成された第3の決定モジュールと、
を備え、
前記マルチメディア歪み品質は、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質のうち少なくとも1つを含み、前記第2の決定モジュールは特に
前記マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質と、前記マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質のうち少なくとも1つを決定し、パケット紛失に起因する前記ビデオ品質および/またはパケット紛失に起因する前記オーディオ品質のうち少なくとも1つに従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得し、かつ/または、送信プロセス中の前記マルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って前記再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するように構成され、パケット紛失に起因する前記ビデオ品質は前記参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って決定され、パケット紛失に起因する前記オーディオ品質は、前記参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って決定され、
前記第2の決定モジュールは特に、パケット紛失に起因する前記ビデオ品質と前記参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因する前記オーディオ品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定し、前記パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と前記参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、前記オーディオ・パケット紛失歪み品質と前記参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定し、前記ビデオ・パケット紛失歪み因子と前記オーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定し、前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子と前記マルチメディアの前記参照品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するように構成され、
前記第2の決定モジュールは特に、
【数14】
に従って前記パケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを決定し、
【数15】
に従って前記オーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを決定する
ように構成され、
V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因する前記ビデオ品質であり、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因する前記オーディオ品質である、
マルチメディア品質監視装置。
【請求項12】
前記第1の決定モジュールは特に、
【数16】
に従って前記マルチメディアの前記参照品質を決定するように構成され、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の決定モジュールは特に、
【数17】
または
【数18】
に従って前記ビデオ・パケット紛失歪み因子AV_DFVを決定し、
かつ/または、
【数19】
もしくは
【数20】
に従って前記オーディオ・パケット紛失歪み因子AV_DFAを決定する、
ように構成され、
V_MOSCは前記参照ビデオ品質であり、V_DPはパケット紛失に起因する前記ビデオ歪み品質であり、A_MOSCは前記参照オーディオ品質であり、A_DPは前記オーディオ・パケット紛失歪み品質である、
請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の決定モジュールは特に、
【数21】
または
【数22】
に従って前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子AV_DFを決定するように構成され、
AV_DFAは前記オーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVは前記ビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6およびav7は定数である、
請求項11乃至13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の決定モジュールは特に、
【数23】
に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを決定するように構成され、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、MOS_MINは前記マルチメディアの最低品質であり、AV_DFは前記マルチメディアのパケット紛失歪み因子である、請求項11乃至14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記再バッファリング・パラメータは、再バッファリングの数、再バッファリング期間、複数の再バッファリングの間の影響因子、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含む、請求項11乃至15の何れか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の決定モジュールは特に、
【数24】
に従って、前記再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質AV_DRを取得するように構成され、Audiovisual_Qualityは前記マルチメディア初期品質であり、NRは再バッファリングの数であり、ARLは前記再バッファリング期間であり、MRFは複数の再バッファリングの間の前記影響因子であり、av7、av8、av9、av10、av11、およびav12は定数である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第3の決定モジュールは特に、
前記マルチメディアの前記参照品質と前記パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従って前記パケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定し、
前記マルチメディアの前記参照品質または前記パケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する前記マルチメディア歪み品質に従って前記マルチメディアの品質を決定する
ように構成された、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第3の決定モジュールは特に、
【数25】
に従ってパケット紛失に起因する前記マルチメディア品質AV_MOSPを決定するように構成され、AV_MOSCは前記マルチメディアの前記参照品質であり、AV_DPはパケット紛失に起因する前記マルチメディア歪み品質である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第3の決定モジュールは特に、
【数26】
に従って前記マルチメディアの前記品質AV_MOSRを決定するように構成され、Audiovisual_Qualityは前記マルチメディアの前記参照品質またはパケット紛失に起因する前記マルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する前記マルチメディア歪み品質である、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
マルチメディアを受信するように構成された受信モジュールを備え、さらに、請求項11乃至20の何れか1項に記載のマルチメディア品質監視装置を備えた、端末。
【請求項22】
マルチメディアを受信するように構成された受信器を備え、さらに、請求項1乃至10の何れか1項に記載のマルチメディア品質監視方法を実行するように構成されたプロセッサを備えた、端末。
【請求項23】
マルチメディアを受信するように構成された受信モジュールを備え、請求項11乃至20の何れか1項に記載のマルチメディア品質監視装置を備えた、ネットワーク装置。
【請求項24】
マルチメディアを受信するように構成された受信器を備え、請求項1乃至10の何れか1項に記載のマルチメディア品質監視方法を実行するように構成されたプロセッサをさらに備えた、ネットワーク装置。
【請求項25】
コンピュータに請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法を実行させるプログラムを記録した、コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報技術の分野に関し、特に、マルチメディア品質監視の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の発展と新時代のマルチメディアの出現により、ビデオ・オン・デマンド、ウェブ・テレビ、ビデオ電話等がブロードバンド・ネットワークの主要なサービスとなった。マルチメディア・サービスでは、データ量が多く、リアルタイム性能の要求が強く、ユーザの感度が高い。したがって、マルチメディア品質の監視が、マルチメディア通信機器の製造者や運用者にとって非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術では、先ずマルチメディアのオーディオ品質とビデオ品質が別々に取得され、次に、当該2種類の品質を用いてマルチメディア品質を取得する。しかし、パケット紛失等のようなケースがマルチメディアで発生すると、既存の方法でパケット紛失に起因するマルチメディアの歪みを反映するのは困難であり、その結果、マルチメディア品質の監視結果が不正確になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の諸実施形態では、マルチメディア品質監視結果の正確性を高めるための、マルチメディア品質監視の方法および装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本発明の1実施形態では、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定するステップと、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質を取得するステップと、マルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するステップとを含む、マルチメディア品質監視方法を提供する。
【0006】
当該第1の態様の可能な実装方式では、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定するステップは、
【0007】
【数1】
【0008】
に従ってマルチメディアの参照品質を決定するステップであって、AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数であるステップを含む。
【0009】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、マルチメディア歪み品質は、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含み、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質を取得するステップは、参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質を決定し、かつ/または、参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質を決定するステップと、パケット紛失に起因するビデオ品質および/またはパケット紛失に起因するオーディオ品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップと、および/または送信プロセス中のマルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップとを含む。
【0010】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、パケット紛失に起因するビデオ品質および/またはパケット紛失に起因するオーディオ品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップは、パケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定するステップと、パケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定するステップと、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、オーディオ・パケット紛失歪み品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定するステップと、ビデオ・パケット紛失歪み因子とオーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定するステップと、マルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するステップとを含む。
【0011】
当該第1の態様のさらに別の可能な実装方式では、パケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定するステップは、
【0012】
【数2】
【0013】
に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを決定するステップであって、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因するビデオ品質であるステップと、
【0014】
【数3】
【0015】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを決定するステップであって、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因するオーディオ品質であるステップとを含む。
【0016】
当該第1の態様のさらに別の可能な実装方式では、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、オーディオ・パケット紛失歪み品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定するステップは、
【0017】
【数4】
【0018】
または
【0019】
【数5】
【0020】
に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子AV_DFVを決定するステップであって、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、V_DPはパケット紛失に起因するビデオ歪み品質であるステップ、および/または、
【0021】
【数6】
【0022】
または
【0023】
【数7】
【0024】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子AV_DFAを決定するステップであって、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、A_DPはオーディオ・パケット紛失歪み品質であるステップとを含む。
【0025】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、ビデオ・パケット紛失歪み因子とオーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定するステップは、
【0026】
【数8】
【0027】
または
【0028】
【数9】
【0029】
に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子AV_DFを決定するステップであって、AV_DFAはオーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVはビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6およびav7は定数であるステップを含む。
【0030】
当該第1の態様のさらに別の可能な実装方式では、マルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するステップは、
【0031】
【数10】
【0032】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを決定するステップであって、AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、MOS_MINはマルチメディアの最低品質であり、AV_DFはマルチメディアのパケット紛失歪み因子であるステップを含む。
【0033】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、再バッファリング・パラメータは、再バッファリングの数、再バッファリング期間、複数の再バッファリングの間の影響因子、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含む。
【0034】
当該第1の態様のさらに別の可能な実装方式では、送信プロセス中のマルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップは、
【0035】
【数11】
【0036】
に従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するステップであって、Audiovisual_Qualityははマルチメディア初期品質であり、NRは再バッファリングの数であり、ARLは再バッファリング期間であり、MRFは複数の再バッファリングの間の影響因子であり、av7乃至av12は定数であるステップを含む。
【0037】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、マルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するステップは、マルチメディアの参照品質とパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定するステップと、マルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するステップを含む。
【0038】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、マルチメディアの参照品質とパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定するステップは、
【0039】
【数12】
【0040】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質AV_MOSPを決定するステップであって、AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、AV_DPはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質であるステップを含む。
【0041】
当該第1の態様の別の可能な実装方式では、マルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するステップは、
【0042】
【数13】
【0043】
に従ってマルチメディアの品質AV_MOSRを決定するステップであって、Audiovisual_Qualityはマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する歪み品質であるステップを含む。
【0044】
さらに別の態様によれば、本発明の1実施形態では、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定するように構成された第1の決定モジュールと、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質を取得するように構成された第2の決定モジュールと、マルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するように構成された第3の決定モジュールとを備えたマルチメディア品質監視装置を提供する。
【0045】
第2の態様の可能な実装方式では、当該第1の決定モジュールは特に、
【0046】
【数14】
【0047】
に従ってマルチメディアの参照品質を決定するように構成される。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数である。
【0048】
当該第2の態様の可能な実装方式では、マルチメディア歪み品質はパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含み、当該第2の決定モジュールは特に、参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質を決定し、かつ/または、参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質を決定し、パケット紛失に起因するビデオ品質および/またはパケット紛失に起因するオーディオ品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得し、かつ/または、送信プロセス中のマルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するように構成される。
【0049】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、パケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質および参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、オーディオ・パケット紛失歪み品質および参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定し、ビデオ・パケット紛失歪み因子およびオーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定し、マルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するように構成される。
【0050】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、
【0051】
【数15】
【0052】
に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを決定し、
【0053】
【数16】
【0054】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを決定するように構成される。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因するビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因するオーディオ品質である。
【0055】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、
【0056】
【数17】
【0057】
もしくは
【0058】
【数18】
【0059】
に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子AV_DFVを決定し、かつ/または、
【0060】
【数19】
【0061】
もしくは
【0062】
【数20】
【0063】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子AV_DFAを決定するように構成される。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、V_DPはパケット紛失に起因するビデオ歪み品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、A_DPはオーディオ・パケット紛失歪み品質である。
【0064】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、
【0065】
【数21】
【0066】
または
【0067】
【数22】
【0068】
に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子AV_DFを決定するように構成される。AV_DFAはオーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVはビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6およびav7は定数である。
【0069】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、
【0070】
【数23】
【0071】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを決定するように構成される。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、MOS_MINはマルチメディアの最低品質であり、AV_DFはマルチメディアのパケット紛失歪み因子である。
【0072】
当該第2の態様の可能な実装方式では、再バッファリング・パラメータは、再バッファリングの数、再バッファリング期間、複数の再バッファリングの間の影響因子、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含む。
【0073】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第2の決定モジュールは特に、
【0074】
【数24】
【0075】
に従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するように構成される。Audiovisual_Qualityはマルチメディア初期品質であり、NRは再バッファリングの数であり、ARLは再バッファリング期間であり、MRFは複数の再バッファリングの間の影響因子であり、av7乃至av12は定数である。
【0076】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第3の決定モジュールは特に、マルチメディアの参照品質とパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定し、マルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するように構成される。
【0077】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第3の決定モジュールは特に、
【0078】
【数25】
【0079】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質AV_MOSPを決定するように構成される。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、AV_DPはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質である。
【0080】
当該第2の態様の可能な実装方式では、当該第3の決定モジュールは特に、
【0081】
【数26】
【0082】
に従ってマルチメディアの品質AV_MOSRを決定するように構成される。Audiovisual_Qualityはマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する歪み品質である。
【0083】
別の態様によれば、本発明の1実施形態ではさらに、マルチメディアを受信するように構成された受信モジュールを備えさらに本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視装置を備えた端末を提供する。
【0084】
別の態様によれば、本発明の1実施形態ではさらに、マルチメディアを受信するように構成された受信器を備えさらに本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視方法を実行するように構成されたプロセッサを備えた端末を提供する。
【0085】
別の態様によれば、本発明の1実施形態ではさらに、マルチメディアを受信するように構成された受信モジュールを備えさらに本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視装置を備えたネットワーク装置を提供する。
【0086】
別の態様によれば、本発明の1実施形態ではさらに、マルチメディアを受信するように構成された受信器を備えさらに本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視方法を実行するように構成されたプロセッサを備えたネットワーク装置を提供する。
【0087】
本発明の諸実施形態で提供するマルチメディア品質監視の方法および装置によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質が得られ、マルチメディアの品質がマルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0088】
本発明の諸実施形態または先行技術の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では諸実施形態または先行技術を説明するのに必要な添付図面を簡単に説明する。明らかに、下記の説明における添付図面は本発明の諸実施形態の一部を示すにすぎず、当業者は創造的作業なしにこれらの添付図面から他の図面を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本発明に従うマルチメディア品質監視方法の1実施形態の略構造図である。
図2】本発明に従うマルチメディア品質監視方法のさらに別の実施形態の略構造図である。
図3】本発明に従うマルチメディア品質監視装置の1実施形態の略構造図である。
図4】本発明に従う端末の1実施形態の略構造図である。
図5】本発明に従う端末のさらに別の実施形態の略構造図である。
図6】本発明に従うネットワーク装置の1実施形態の略構造図である。
図7】本発明に従うネットワーク装置のさらに別の実施形態の略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本発明の諸実施形態の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では本発明の諸実施形態の添付図面を参照して本発明の諸実施形態の技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明した諸実施形態は本発明の諸実施形態の全てではなく一部である。当業者が創造的作業なしに本発明の諸実施形態に基づいて取得する他の全ての実施形態は本発明の保護範囲に入るものとする。
【0091】
本明細書で説明する技術を様々な通信システム、例えば、今日の2Gおよび3G通信システム、次世代通信システム、例えば、全地球測位システム(GSM(登録商標)、Global System for Mobile Communication)、符号分割多重アクセス(CDMA、Code Division Multiple Access)システム、時分割多重アクセス(TDMA、Time Division Multiple Access)システム、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA(登録商標)、Wideband Code Division Multiple Access Wireless)システム、周波数分割多重アクセス(FDMA、Frequency Division Multiple Addressing)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA、Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)システム、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)システム、汎用パケット無線サービス(GPRS、General Packet Radio Service)システム、ロング・ターム・エボリューション(LTE、Long Term Evolution)システム、および他の同様な通信システムに適用してもよい。
【0092】
本願の端末、即ち、ユーザ装置が無線端末または有線端末であってもよい。当該無線端末が、ユーザに音声および/またはデータ接続を提供し、ハンドヘルド装置に無線接続機能を提供する装置であってもよく、または、無線モデムに接続された別の処理装置であってもよい。当該無線端末が、(RAN、Radio Access Networkのような)無線アクセス・ネットワークを介して1つまたは複数のコアネットワークと通信してもよい。当該無線端末が、音声および/またはデータを無線アクセス・ネットワークと交換する、携帯電話(「セルラ」電話とも呼ばれる)のような移動端末や移動端末を有するコンピュータであってもよく、例えば、ポータブル装置、ポケットサイズの装置、ハンドヘルド装置、コンピュータ組込み装置、または車載モバイル装置であってもよい。例えば、当該無線端末が、パーソナル通信サービス(PCS、Personal Communication Service)電話、コードレス電話セット、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL、Wireless Local Loop)端末、または携帯情報端末(PDA、Personal Digital Assistant)のような装置であってもよい。当該無線端末を、システム、加入者ユニット(Subscriber Unit)、加入者局(Subscriber Station)、移動局(Mobile Station)、移動端末(Mobile)、遠隔局(Remote Station)、アクセス・ポイント(Access Point)、リモート端末(Remote Terminal)、アクセス端末(Access Terminal)、ユーザ端末(User Terminal)、ユーザ・エージェント(User Agent)、ユーザ装置(User Device)、またはユーザ機器(User Equipment)と称してもよい。
【0093】
本願のネットワーク装置が、様々なネットワーク上の基地局、基地局コントローラ、アクセス・ポイント(Access Point、AP)のような様々なネットワーク・ノード装置、または、上述のアクセス・ポイントおよび基地局の背後にあるコントローラもしくは認証局のようなネットワーク要素であってもよい。
【0094】
さらに、本明細書では「システム」と「ネットワーク」という用語を交互に使用することもある。本明細書では「および/または」という用語は、関連するものを記述する関連付け関係を示すにすぎず、3つの関係が存在しうることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、およびBのみが存在するという3つのケースを表すことができる。さらに、本明細書での「/」という文字は一般に、関連付けられたものの間の「または」の関係を表す。
【0095】
図1は、本発明に従うマルチメディア品質監視方法の1実施形態の略構造図である。図1に示すように当該方法は以下を含む。S101で、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定する。S102で、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質を取得する。S103で、マルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定する。
【0096】
本発明の当該実施形態のマルチメディアは、ビデオとオーディオを含む様々なマルチメディア・ファイル、例えば、ビデオ・オン・デマンド、ウェブ・テレビ、およびビデオ電話のようなサービス・プロセスを端末が実施するときに受信されるマルチメディア・データである。
【0097】
マルチメディアを送信前にエンコードする必要があり、マルチメディア内のビデオ・データとオーディオ・データを一般に別々にエンコードする必要がある。エンコードの後、2つの伝送ストリーム、即ち、ビデオ・ストリームとオーディオ・ストリームを送信してもよく、または、インタリーブ式のパケット化をエンコードされたビデオ・データとエンコードされたオーディオ・データで実施してもよい。即ち、1つのパケットがビデオ・データだけでなくオーディオ・データも含み、ビデオ・データとオーディオ・データが1つの伝送ストリームで送信される。
【0098】
ビデオ・データとオーディオ・データをエンコードした結果、歪みが或る程度発生しうるので、本発明の当該実施形態におけるマルチメディアの参照ビデオ品質が、ビデオ・エンコーディングをマルチメディア内のビデオ・データに実施した後のビデオ品質であってもよく、同様に、マルチメディアの参照オーディオ品質は、オーディオ・エンコーディングをマルチメディア内のオーディオ・データに実施した後のオーディオ品質であってもよい。
【0099】
本発明の当該実施形態では、様々な既存の方法を使用して、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定してもよい。
【0100】
場合によっては、マルチメディアの参照品質を
【0101】
【数27】
【0102】
に従って決定してもよい。Qav’はマルチメディアの参照品質、Qv_codingは参照ビデオ品質、Qa_codingは参照オーディオ品質、a1、a2、a3、およびa4は定数である。
【0103】
マルチメディア歪み品質が、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含んでもよい。即ち、マルチメディア歪みが、マルチメディアの送信プロセス中に、ビデオ・パケット紛失および/またはオーディオ・パケット紛失によって生じてもよく、再バッファリングによって生じてもよい。マルチメディア歪みが、他の理由、例えば、送信チャネルのサービスの品質、オーディオ/ビデオ符号化器と送信チャネルに対するパラメータの間の調整のステータスによっても生じうることは理解される。当該サービスの品質には、帯域幅、時間遅延、ジッタ等が含まれうる。当該パラメータには、符号化方式、ビデオ解像度、ビデオ・フレーム速度等が含まれうる。
【0104】
したがって、パケット紛失に起因するビデオ品質をビデオ・データのパケット紛失ステータスに従って決定してもよく、または、マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質を参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って決定してもよく、パケット紛失に起因するビデオ品質を様々な既存の方法に従って決定してもよい。
【0105】
同様に、パケット紛失に起因するオーディオ品質をオーディオ・データのパケット紛失ステータスに従って決定してもよく、または、マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質を参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って決定してもよく、パケット紛失に起因するオーディオ品質を様々な既存の方法に従って決定してもよい。
【0106】
さらに、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を、パケット紛失に起因するビデオ品質および/またはパケット紛失に起因するオーディオ品質に従って取得してもよい。
【0107】
場合によっては、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質をパケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従って決定し、オーディオ・パケット紛失歪み品質をパケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従って決定してもよい。例えば、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質が、参照ビデオ品質とパケット紛失に起因するビデオ品質の差分であってもよく、同様に、オーディオ・パケット紛失歪み品質が参照オーディオ品質とパケット紛失に起因するオーディオ品質の差分であってもよい。
【0108】
さらに、ビデオ・パケット紛失歪み因子をさらにパケット紛失に起因するビデオ歪み品質と参照ビデオ品質に従って決定してもよく、オーディオ・パケット紛失歪み因子をオーディオ・パケット紛失歪み品質と参照オーディオ品質に従って決定してもよい。例えば、ビデオ・パケット紛失歪み因子がパケット紛失に起因するビデオ歪み品質の参照ビデオ品質に対する比率であってもよく、同様に、オーディオ・パケット紛失歪み因子がオーディオ・パケット紛失歪み品質の参照オーディオ品質に対する比率であってもよい。
【0109】
さらに、マルチメディアのパケット紛失歪み因子をビデオ・パケット紛失歪み因子とオーディオ・パケット紛失歪み因子に従って決定してもよい。例えば、マルチメディアのパケット紛失歪み因子が、ビデオ・パケット紛失歪み因子もしくはオーディオ・パケット紛失歪み因子と線形または非線形の関係を有してもよく、または、線形性および非線形性の組合せであってもよい。
【0110】
最後に、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質をマルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従って決定してもよい。
【0111】
別の実現可能な実装方式として、再バッファリングの数、再バッファリング期間、および複数の再バッファリングの間の影響因子のような再バッファリング・パラメータをマルチメディアの送信プロセス中に取得してもよい。さらに、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質が再バッファリング・パラメータに従って取得される。再バッファリング・パラメータまたは再バッファリング・パラメータの組合せが、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質と線形または非線形の関係を有してもよく、または、線形性もしくは非線形性を組み合せた関係にあってもよい。
【0112】
マルチメディア歪み品質を決定した後、マルチメディアの品質をマルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従って決定してもよい。マルチメディア歪み品質は、パケット紛失に起因するマルチメディア歪みベクトルを含んでもよく、または、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含んでもよく、または、パケット紛失に起因するマルチメディア歪みベクトルと再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含んでもよい。
【0113】
具体的には、マルチメディアの送信プロセス中に、再バッファリングが生じずビデオ・パケット紛失および/またはオーディオ・パケット紛失のケースのみが生じた場合には、マルチメディア歪み品質がパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質のみを含んでもよい。マルチメディアの送信プロセス中に、再バッファリングが生じたがビデオ・パケット紛失および/またはオーディオ・パケット紛失のケースが生じなかった場合には、マルチメディア歪み品質が再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質のみを含んでもよい。マルチメディアの送信プロセス中に、再バッファリングが生じただけでなく、ビデオ・パケット紛失および/またはオーディオ・パケット紛失のケースも生じた場合には、マルチメディア歪み品質は再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含むだけでなく、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質も含む。
【0114】
本実施形態で提供するマルチメディア品質監視方法によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質が得られ、マルチメディアの品質がマルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0115】
図2は本発明に従うマルチメディア品質監視方法の別の実施形態の略構造図である。図2に示すように、当該方法は以下を含む。
【0116】
S201で、マルチメディアの参照ビデオ品質V_MOSCと参照オーディオ品質A_MOSCを取得する。
【0117】
S202で、参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質を決定し、参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質を決定する。
【0118】
S203で、パケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定する。
【0119】
場合によっては、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを
【0120】
【数28】
【0121】
に従って決定してもよい。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因するビデオ品質である。ビデオ・パケット紛失のケースが生じなかった場合には、Video_MOSは参照ビデオ品質に等しいことに留意されたい。
【0122】
同様に、オーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを
【0123】
【数29】
【0124】
に従って決定してもよい。A_MOSCは参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因するオーディオ品質である。オーディオ・パケット紛失のケースが生じなかった場合には、Audio_MOSは参照オーディオ品質に等しいことに留意されたい。
【0125】
パケット紛失歪みの後のビデオ品質Video_MOまたはパケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPと、パケット紛失の後のマルチメディアのオーディオ品質Audio_MOSまたはオーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを取得する。
【0126】
上述のパケット紛失の後のマルチメディアのビデオ品質が、マルチメディアの参照ビデオ品質またはマルチメディアのパケット紛失に起因するビデオ品質であってもよい。即ち、パケット紛失がマルチメディアのビデオで発生しなかった場合には、当該品質は参照品質であり、パケット紛失が生じた場合には、当該品質はパケット紛失品質である。
【0127】
上述のパケット紛失の後のマルチメディアのオーディオ品質が、マルチメディアの参照オーディオ品質またはマルチメディアのパケット紛失に起因するオーディオ品質であってもよい。即ち、パケット紛失がマルチメディアのオーディオで発生しなかった場合には、当該品質は参照品質であり、パケット紛失が生じた場合には、当該品質はパケット紛失品質である。
【0128】
パケット紛失に起因するビデオ歪み品質が、参照ビデオ品質からパケット紛失に起因するビデオ品質を引いたものに等しくてもよい。
【0129】
同様に、オーディオ・パケット紛失歪み品質が、参照オーディオ品質からパケット紛失に起因するオーディオ品質を引いたものに等しくてもよい。
【0130】
S204で、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質(AV_MOSC)を決定する。マルチメディアの参照品質を、様々な既存の方法を用いて決定してもよい。
【0131】
場合によっては、マルチメディアの参照品質を
【0132】
【数30】
【0133】
に従って決定してもよい。
【0134】
AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数である。
【0135】
S205で、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質(V_DP)およびマルチメディアの参照ビデオ品質(V_MOSC)に従ってマルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFV)を決定し、マルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み品質(A_DP)と参照オーディオ品質(A_MOSC)に従ってマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFA)を決定する。
【0136】
場合によっては、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFV)を
【0137】
【数31】
【0138】
または
【0139】
【数32】
【0140】
に従って決定してもよい。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、V_DPはビデオ歪みマルチメディアの品質である。
【0141】
同様に、マルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFA)を
【0142】
【数33】
【0143】
または
【0144】
【数34】
【0145】
に従って決定してもよい。A_MOSCは参照オーディオ品質であり、A_DPはマルチメディアのオーディオ歪み品質である。
【0146】
S206で、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFV)とマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子(AV_DFA)に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子(AV_DF)を決定する。
【0147】
マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子の値および/またはマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子の値が増大したときにマルチメディアのパケット紛失歪み因子が増大してもよく、マルチメディアのパケット紛失歪み因子が、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子および/またはマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子と線形または非線形の関係を有してもよく、または、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子および/またはマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子と、線形性および非線形性を組み合せた関係を有してもよい。
【0148】
場合によっては、マルチメディアのパケット紛失歪み因子(AV_DF)を
【0149】
【数35】
【0150】
または
【0151】
【数36】
【0152】
に従って決定してもよい。
【0153】
AV_DFAはマルチメディアのオーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVはマルチメディアのビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6、およびav7は定数である。
【0154】
S207で、マルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従って、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪みおよび/またはオーディオ・パケット紛失歪みの後のパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定する。
【0155】
場合によっては、マルチメディアのビデオ・パケット紛失歪みおよび/またはオーディオ・パケット紛失歪みの後のパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを
【0156】
【数37】
【0157】
に従って決定してもよい。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、MOS_MINはマルチメディアの最低品質であり、例えば、MOS_MINを1に設定してもよい。AV_DFはマルチメディアのパケット紛失歪み因子である。
【0158】
S208で、マルチメディアの参照品質とビデオ・パケット紛失歪みおよび/またはオーディオ・パケット紛失歪みの後のパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質とに従って、パケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定する。
【0159】
場合によっては、パケット紛失に起因するマルチメディア品質AV_MOSPを
【0160】
【数38】
【0161】
に従って決定してもよい。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、AV_DPはビデオ・パケット紛失歪みおよび/またはオーディオ・パケット紛失歪みの後のパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質である。
【0162】
S209で、送信プロセス中のマルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得する。
【0163】
再バッファリング・パラメータは、再バッファリングの数(NR)、再バッファリング期間(ARL)、複数の再バッファリングの間の影響因子(MRF)、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含む。再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質が計算される。再バッファリング期間が複数の再バッファリングの平均期間であってもよく、または、複数の平均の全期間であってもよい。
【0164】
場合によっては、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質AV_DRを
【0165】
【数39】
【0166】
に従って決定してもよい。av7乃至a12は定数であり、Audiovisual_Qualityはマルチメディア初期品質である。
【0167】
具体的には、マルチメディア初期品質がマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であってもよい。即ち、パケット紛失がマルチメディアで発生しなかった場合には、マルチメディア初期品質が当該参照品質であってもよく、パケット紛失が生じた場合には、マルチメディア初期品質がパケット紛失に起因するマルチメディア品質であってもよい。
【0168】
S210で、マルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質、および再バッファリングに起因する歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定する。
【0169】
場合によっては、マルチメディアの再バッファリング品質AV_MOSRを
【0170】
【数40】
【0171】
に従って決定してもよい。Audiovisual_Qualityはマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する歪み品質である。マルチメディア初期品質がマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であってもよい。即ち、パケット紛失がマルチメディアで発生しなかった場合には、マルチメディア初期品質が当該参照品質であってもよく、パケット紛失が生じた場合には、マルチメディア初期品質がパケット紛失に起因するマルチメディア品質であってもよい。
【0172】
本実施形態で提供するマルチメディア品質監視方法によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質がパケット紛失の後のマルチメディアのビデオ品質とパケット紛失の後のマルチメディアのオーディオ品質を用いて決定され、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質が再バッファリング・パラメータを用いて得られ、最後に、マルチメディアの最終的な品質がマルチメディアの参照品質、および/またはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0173】
図3は本発明に従うマルチメディア品質監視装置の1実施形態の略構造図である。図3に示すように、マルチメディア品質監視装置は、第1の決定モジュール11、第2の決定モジュール12、および第3の決定モジュール13を備える。
【0174】
第1の決定モジュール11は、マルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質に従ってマルチメディアの参照品質を決定するように構成される。
【0175】
第2の決定モジュール12は、マルチメディアのビデオ歪みおよび/またはオーディオ歪みが発生した後のマルチメディア歪み品質を取得するように構成される。
【0176】
第3の決定モジュール13は、マルチメディアの参照品質とマルチメディア歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するように構成される。
【0177】
場合によっては、第1の決定モジュール11を特に、マルチメディアの参照品質を
【0178】
【数41】
【0179】
に従って決定するように構成してもよい。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、V_MOSCは参照ビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、av1、av2、av3、およびav4は定数である。
【0180】
場合によっては、マルチメディア歪み品質が、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を含んでもよい。第2の決定モジュール12を特に、参照ビデオ品質とビデオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのビデオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するビデオ品質を決定し、参照オーディオ品質とオーディオ・パケット紛失率に従って、マルチメディアのオーディオ内のパケットが紛失した後のパケット紛失に起因するオーディオ品質を決定し、パケット紛失に起因するビデオ品質および/またはパケット紛失に起因するオーディオ品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を取得し、かつ/または、送信プロセス中のマルチメディアの再バッファリング・パラメータに従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するように構成してもよい。
【0181】
場合によっては、第2の決定モジュール12を特に、パケット紛失に起因するビデオ品質と参照ビデオ品質に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するオーディオ品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質を決定し、パケット紛失に起因するビデオ歪み品質と参照ビデオ品質に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子を決定し、オーディオ・パケット紛失歪み品質と参照オーディオ品質に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子を決定し、ビデオ・パケット紛失歪み因子とオーディオ・パケット紛失歪み因子に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子を決定し、マルチメディアのパケット紛失歪み因子とマルチメディアの参照品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質を決定するように構成してもよい。
【0182】
場合によっては、第2の決定モジュール12を特に、
【0183】
【数42】
【0184】
に従ってパケット紛失に起因するビデオ歪み品質V_DPを決定し、
【0185】
【数43】
【0186】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み品質A_DPを決定するように構成してもよい。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、Video_MOSはパケット紛失に起因するビデオ品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、Audio_MOSはパケット紛失に起因するオーディオ品質である。
【0187】
場合によっては、第2の決定モジュール12を特に、
【0188】
【数44】
【0189】
もしくは
【0190】
【数45】
【0191】
に従ってビデオ・パケット紛失歪み因子AV_DFVを決定し、かつ/または
【0192】
【数46】
【0193】
もしくは
【0194】
【数47】
【0195】
に従ってオーディオ・パケット紛失歪み因子AV_DFAを決定するように構成してもよい。V_MOSCは参照ビデオ品質であり、V_DPはパケット紛失に起因するビデオ歪み品質であり、A_MOSCは参照オーディオ品質であり、A_DPはオーディオ・パケット紛失歪み品質である。
【0196】
場合によっては、第2の決定モジュール12をさらに、特に、
【0197】
【数48】
【0198】
または
【0199】
【数49】
【0200】
に従ってマルチメディアのパケット紛失歪み因子AV_DFを決定するように構成してもよい。AV_DFAはオーディオ・パケット紛失歪み因子であり、AV_DFVはビデオ・パケット紛失歪み因子であり、av5、av6およびav7は定数である。
【0201】
場合によっては、第2の決定モジュール12を特に、
【0202】
【数50】
【0203】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質AV_DPを決定するように構成してもよい。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、MOS_MINはマルチメディアの最低品質であり、AV_DFはマルチメディアのパケット紛失歪み因子である。
【0204】
場合によっては、再バッファリング・パラメータが、再バッファリングの数、再バッファリング期間、複数の再バッファリングの間の影響因子、およびマルチメディア初期品質のうち1つまたは任意の組合せを含んでもよい。
【0205】
場合によっては、第2の決定モジュール12を特に、
【0206】
【数51】
【0207】
に従って再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質を取得するように構成してもよい。Audiovisual_Qualityはマルチメディア初期品質であり、NRは再バッファリングの数であり、ARLは再バッファリング期間であり、MRFは複数の再バッファリングの間の影響因子であり、av7乃至av12は定数である。
【0208】
場合によっては、第3の決定モジュール13を特に、マルチメディアの参照品質とパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質を決定し、マルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質および再バッファリングに起因する歪み品質に従ってマルチメディアの品質を決定するように構成してもよい。
【0209】
場合によっては、第3の決定モジュール13を特に、
【0210】
【数52】
【0211】
に従ってパケット紛失に起因するマルチメディア品質AV_MOSPを決定するように構成してもよい。AV_MOSCはマルチメディアの参照品質であり、AV_DPはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質である。
【0212】
場合によっては、第3の決定モジュール13を特に、
【0213】
【数53】
【0214】
に従ってマルチメディアの品質AV_MOSRを決定するように構成してもよい。Audiovisual_Qualityはマルチメディアの参照品質またはパケット紛失に起因するマルチメディア品質であり、AV_DRは再バッファリングに起因する歪み品質である。
【0215】
本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視装置は、本発明の実施形態で提供したマルチメディア品質監視方法に対応し、マルチメディア品質監視方法を実行するための装置である。当該装置によりマルチメディア品質監視方法を実行するプロセスについては、方法の諸実施形態を参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0216】
本発明の当該実施形態で提供したマルチメディア品質監視装置によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質がパケット紛失の後のマルチメディアのビデオ品質とパケット紛失の後のマルチメディアのオーディオ品質を用いて決定され、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質が再バッファリング・パラメータを用いて得られ、最後に、マルチメディアの最終的な品質がマルチメディアの参照品質、および/またはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0217】
図4は、本発明に従う端末の1実施形態の略構造図である。図4に示すように、当該端末は受信モジュール21とマルチメディア品質監視装置22を備える。受信モジュール21はマルチメディアを受信するように構成される。
【0218】
マルチメディア品質監視装置22の構造とマルチメディア品質監視装置22内のモジュールの機能については、図3に示した実施形態における関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0219】
図5は本発明に従う端末のさらに別の実施形態の略構造図である。図5に示すように、当該端末は受信器31とプロセッサ32を備える。受信器31はマルチメディアを受信するように構成される。
【0220】
プロセッサ32は、本発明の図1図2で示した、諸実施形態で提供したマルチメディア品質監視方法を実行することができる。プロセッサ32によりマルチメディア品質監視方法を実行する具体的なプロセスについては、図1図2に示した諸実施形態における関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0221】
本発明の当該実施形態で提供した端末によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、マルチメディア歪みの後のマルチメディア品質がマルチメディアのビデオ歪みの後のビデオ品質およびマルチメディアのオーディオ歪みの後のオーディオ品質を用いて決定され、最後に、マルチメディアの品質が当該歪みの後のマルチメディアの参照品質とマルチメディア品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0222】
図6は、本発明に従うネットワーク装置の1実施形態の略構造図である。図6に示すように、当該ネットワーク装置は受信モジュール41とマルチメディア品質監視装置42を備える。受信モジュール41はマルチメディアを受信するように構成される。
【0223】
マルチメディア品質監視装置42の構造とマルチメディア品質監視装置42内のモジュールの機能については、図3に示した実施形態における関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0224】
図7は、本発明に従うネットワーク装置のさらに別の実施形態の略構造図である。図7に示すように、当該ネットワーク装置は受信器51とプロセッサ52を備える。受信器51はマルチメディアを受信するように構成される。
【0225】
プロセッサ52が、本発明の図1図2で示した諸実施形態で提供したマルチメディア品質監視方法を実行することができる。プロセッサ52がマルチメディア品質監視方法を実行する具体的なプロセスについては、図1図2で示した諸実施形態における関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0226】
本発明の当該実施形態で提供するネットワーク装置によれば、マルチメディアの参照品質がマルチメディアの参照ビデオ品質と参照オーディオ品質を用いて得られ、パケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質がパケット紛失の後のマルチメディアのビデオ品質とパケット紛失の後のマルチメディアのオーディオ品質を用いて決定され、再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質が再バッファリング・パラメータを用いて得られ、最後に、マルチメディアの最終的な品質がマルチメディアの参照品質、および/またはパケット紛失に起因するマルチメディア歪み品質および/または再バッファリングに起因するマルチメディア歪み品質に従って決定される。したがって、マルチメディア品質監視結果の正確性が高まる。
【0227】
説明の便宜および簡単さの目的のため、上述の機能モジュールの分割は説明のための例として捉えられることは当業者には明らかに理解される。実際の適用では、上述の機能を必要に応じて様々な機能モジュールに割り当て実装してもよい。即ち、装置の内部構造は上述の機能の全部または一部を実装するために様々な機能モジュールに分割される。上述のシステム、装置、およびユニットの具体的な動作プロセスについては、上述の方法の諸実施形態における対応するプロセスを参照されたい。詳細についてはここでは繰返し説明することはしない。
【0228】
本願で提供した幾つかの実施形態では、開示したシステム、装置、および方法を他の方式で実装してもよいことは理解される。例えば、説明した装置の実施形態は例にすぎない。例えば、モジュールまたはユニットの分割は単なる論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを別のシステムに組み合わせるかもしくは統合してもよく、または、幾つかの機能を無視するかまたは実施しなくともよい。さらに、説明または議論した相互結合または直接結合または通信接続を幾つかのインタフェースを介して実装してもよい。装置またはユニットの間の当該間接接続または通信接続を電子的形態、機械的形態、または他の形態で実装してもよい。
【0229】
別々の部分として説明したユニットが物理的に別々であってもなくてもよく、ユニットとして表示した部分が物理ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、または、複数のネットワーク・ユニットに分散させてもよい。当該ユニットの一部または全部を実際の必要性に応じて選択して、諸実施形態の解決策の目的を実現してもよい。
【0230】
さらに、本発明の諸実施形態の機能ユニットを1つの処理ユニットに統合してもよく、または、当該ユニットの各々が物理的に単体で存在してもよく、または、複数のユニットが1つのユニットに統合される。当該統合ユニットをハードウェアの形態で実装してもよく、または、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装してもよい。
【0231】
当該統合ユニットをソフトウェア機能ユニットの形で実装し独立な製品として販売または使用するときには、当該ユニットをコンピュータ可読記憶媒体に格納してもよい。かかる理解のもと、本発明の技術的解決策を本質的に、または先行技術に寄与する部分、または当該技術的解決策の全部もしくは一部をソフトウェア製品の形で実装してもよい。当該ソフトウェア製品は記憶媒体に格納され、(パーソナル・コンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置であってもよい)コンピュータ装置またはプロセッサに本発明の諸実施形態で説明した方法の諸ステップの全部または一部を実施させるように指示するための幾つかの命令を含む。上述の記憶媒体には、USBフラッシュ・ドライブ、取外し可能ハード・ディスク、読取専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクのような、プログラム・コードを格納できる任意の媒体が含まれる。
【0232】
上述の諸実施形態は本発明の技術的解決策を説明することを意図したものにすぎず、本発明を限定するためのものではない。上述の諸実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明の諸実施形態の技術的解決策の趣旨と範囲から逸脱せずに、上述の諸実施形態で説明した技術的解決策に修正を加え、または、その幾つかの技術的機能に均等な置換えを行ってもよいことは当業者には理解される。
【符号の説明】
【0233】
11 第1の決定モジュール
12 第2の決定モジュール
13 第3の決定モジュール
21 受信モジュール
22 マルチメディア品質監視装置
31 受信器
32 プロセッサ
41 受信モジュール
42 マルチメディア品質監視装置
51 受信器
52 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7