技術分野
例えば、モーター、アクチュエーター、リアクトルなどの電磁気部品に用いられる圧粉磁心、該圧粉磁心を製造する際に用いる軟磁性鉄基粉末、およびその製造方法に関するものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ところで、鉄基粉末は、バルク金属を粉砕したり、ガスアトマイズ処理によって製造したり、或いは水アトマイズ処理によって得られた酸化鉄基粉末を還元熱処理することによって製造できる。
バルク金属を粉砕して製造した鉄基粉末を光学顕微鏡で撮影した図面代用写真を図1に、ガスアトマイズ処理によって得られた鉄基粉末を光学顕微鏡で撮影した図面代用写真を図2に、水アトマイズ処理によって得られた酸化鉄基粉末を光学顕微鏡で撮影した図面代用写真を図3に夫々示す。図1に示すように、バルク金属を粉砕して製造した鉄基粉末は角張った形状であり、図2に示すように、ガスアトマイズ処理によって得られた鉄基粉末は真球に近い形状であり、図3に示すように、水アトマイズ処理によって得られた酸化鉄基粉末は丸みを帯びた不規則な形状であり、これらは見た目で区別できる。
バルク金属を粉砕して鉄基粉末を製造する場合は、センダストなどの脆性材料は、粉砕が容易である。しかし、一般的な軟磁性材料は脆性材料ではないため、バルク金属として軟磁性材料を準備し、これを粉砕しても軟磁性鉄基粉末を製造することは非常に困難である。
一方、軟磁性鉄基粉末は、ガスアトマイズ処理や水アトマイズ処理によって製造することができ、ガスアトマイズ処理によって得られた軟磁性鉄基粉末は、図2に示すように、粒子形状が真球に近くなる。軟磁性鉄基粉末の形状が真球に近づくと、軟磁性鉄基粉末自体の保磁力は小さくなることが知られている。しかし粒子形状が真球に近づくことで、圧縮成形したときの粒子同士の物理的な絡み合いが少なくなって、圧粉磁心の強度が低くなるという別の問題が生じる。
これに対し、水アトマイズ処理によって得られた軟磁性鉄基粉末は、図3に示すように、丸みを帯びた不規則な形状であるため、圧縮成形したときに粒子同士が絡み合い、圧粉磁心の機械的強度が高くなる。また、水アトマイズ処理は、ガスアトマイズ処理に比べて製造コストが低いため、工業的な操業に適している。しかし水アトマイズ処理によって得られた軟磁性鉄基粉末の保磁力は、ガスアトマイズ処理によって得られた軟磁性鉄基粉末の保磁力より大きくなる傾向がある。
そこで、水アトマイズ処理によって得られた軟磁性鉄基粉末の保磁力を小さくできれば、磁気特性に優れ、しかも機械的強度が高い圧粉磁心を低コストで製造できると考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水アトマイズ処理によって得られた軟磁性酸化鉄基粉末を還元熱処理した軟磁性鉄基粉末であって、圧粉磁心を製造したときに圧粉磁心の保磁力を小さくできる圧粉磁心用の軟磁性鉄基粉末を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、保磁力が小さく、磁気特性に優れた圧粉磁心を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
課題を解決することのできた本発明に係る軟磁性鉄基粉末とは、水アトマイズ処理によって得られた軟磁性酸化鉄基粉末を還元熱処理した軟磁性鉄基粉末であって、平均粒子径が100μm以上であり、且つ前記軟磁性鉄基粉末の断面積(μm2)と断面周囲長(μm)から下記式(1)で算出される界面密度が2.6×10-2μm-1以下(0μm-1を含まない)である点に要旨を有している。
界面密度=Σ(軟磁性鉄基粉末・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、平均粒子径が100μm以上の軟磁性鉄基粉末について、該軟磁性鉄基粉末の断面積と断面周囲長から算出される界面密度(即ち、単位断面積当りの断面周囲長)を所定値以下に制御しているため、この軟磁性鉄基粉末を用いて得られる圧粉磁心の保磁力は小さくなり、磁気特性に優れたものとなる。また、本発明の圧粉磁心は、不連続粒子界面が観察視野1mm
2 あたり200本以下であるため、保磁力が小さくなり、磁気特性に優れたものとなる。また、本発明では、軟磁性鉄基粉末として、水アトマイズ処理で得られた軟磁性酸化鉄基粉末を還元熱処理したものを用いているため、例えば、ガスアトマイズ処理で得られた軟磁性鉄基粉末を用いた場合と比べてコストを削減でき、しかも圧粉磁心の強度を高めることができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 図1は、バルク金属を粉砕して製造した鉄基粉末の図面代用写真である。
【図2】 図2は、ガスアトマイズ処理によって得られた鉄基粉末の図面代用写真である。
【図3】 図3は、水アトマイズ処理によって得られた酸化鉄基粉末の図面代用写真である。
【図4】 図4は、水アトマイズ処理によって得られた粉末の代表的な2次粒子の断面を撮影した図面代用写真である。
【図5】 図5は、2次粒子を圧縮成形したときに、粒子の表面同士が接触して粒子内に粒子の表面由来の界面が形成されるときの様子を示す模式図である。
【図6】 図6は、粒子径D10 の算出方法を説明するための模式図である。
【図7】 図7は、表1に示したNo.2における圧粉磁心の断面を撮影した図面代用写真である。
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