特許第6052964号(P6052964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6052964-廃蒸気解消装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052964
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】廃蒸気解消装置
(51)【国際特許分類】
   F28B 9/08 20060101AFI20161219BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   F28B9/08
   F23J15/00 F
【請求項の数】1
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2012-175424(P2012-175424)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-35104(P2014-35104A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】森井 高之
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0005279(US,A1)
【文献】 実開平05−090220(JP,U)
【文献】 特開平07−303877(JP,A)
【文献】 特開2006−226584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28B 1/00 − 11/00
F23J 15/00
B01D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気使用装置の排出口から排出される廃蒸気を解消する廃蒸気解消装置であって、
圧縮機、凝縮器、膨張機及び蒸発器が熱媒体を含む循環路を介して連通されたヒートポンプを備え、
前記蒸発器を前記排出口の上部に配置し、
前記凝縮器の側部に温風供給ファンを配置し、
前記温風供給ファンを用いて前記蒸発器の出口側に、前記凝縮器で発生した熱により温められた空気を温風として供給することにより、
前記蒸発器の前記排出口から排出された廃蒸気を用いて前記蒸発器の熱媒体を加熱するとともに、前記蒸発器の前記排出口から排出された残余の廃蒸気を前記凝縮器からの温風を用いて解消させる、廃蒸気解消装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気蒸し器やスチームオーブンやシュリンクトンネル等の蒸気使用装置からモヤモヤと立ち昇る廃蒸気を解消する廃蒸気解消装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃蒸気解消装置の一例としては、廃液処理装置にヒートポンプを連通して、当該ヒートポンプで廃液の蒸発物を冷却して液化させることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−303877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の廃蒸気解消装置においては、廃蒸気を確実に液化することができない問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、廃蒸気を確実に解消することのできる廃蒸気解消装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、蒸気使用装置から排出されるモヤモヤと立ち昇る廃蒸気を解消するものにおいて、立ち昇る廃蒸気の中にヒートポンプの蒸発器を配置すると共に、蒸発器の出口側に、ヒートポンプの凝縮器で加熱されて温まった温風を供給する温風供給ファンを設置したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の廃蒸気解消装置は、ヒートポンプの蒸発器で廃蒸気の熱を奪って、廃蒸気の一部を解消すると共に、蒸発器で凝縮することなく残った廃蒸気を、ヒートポンプの凝縮器で加熱されて温まった温風で加熱することによって、残余の廃蒸気の湿度が低下してモヤモヤと立ち昇る廃蒸気を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の廃蒸気解消装置の実施例を示す構成図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ヒートポンプを設けたものであるが、このヒートポンプとしては、蒸発器と圧縮機と凝縮器と膨張機、及び、これらを接続する管路とで構成される従来周知のものを用いることができる。
【実施例1】
【0010】
蒸気使用装置1の上部に配置したヒートポンプの蒸発器2と、圧縮機3と凝縮器4、及び、膨張機としての膨張弁5とで廃蒸気解消装置を構成する。
【0011】
ヒートポンプを、蒸発器2と圧縮機3と凝縮器4、及び、膨張弁5とで構成して、それぞれの機器を循環路6で連通する。
【0012】
蒸気使用装置1の左上端に、蒸気使用装置1で発生する廃蒸気を排出する廃蒸気排出口7を設けて、その更に上部にヒートポンプの蒸発器2を配置する。蒸発器2と圧縮機3の間には、蒸気と液体を分離するセパレータ8を介在する。凝縮器4の左側部には、温風供給ファン9を配置して、蒸発器2の上方の出口側に、ヒートポンプの凝縮器4で加熱されて温まった温風10を供給する。蒸気使用装置1の下端には、蒸気使用装置1へ加熱用の蒸気を供給する蒸気供給管11を接続する。
【0013】
凝縮器4で熱を奪われた循環路6内の熱媒体は、凝縮して液体となり、膨張機としての膨張弁5を通過する間に膨張して気体となって循環路6から蒸発器2へ流下する。蒸発器2内で廃蒸気の熱を奪って昇温した熱媒体は、圧縮機3で圧縮されて更に昇温して凝縮器4へと送られる。
【0014】
蒸気使用装置1から排出されるモヤモヤと立ち昇る廃蒸気の一部が蒸発器2で冷却されて解消すると共に、蒸発器2で凝縮することなく残った廃蒸気を、ヒートポンプの凝縮器4で加熱されて温まった温風で加熱することによって、残余の廃蒸気の湿度が低下してモヤモヤと立ち昇る廃蒸気を無くすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、蒸気蒸し器やスチームオーブンやシュリンクトンネル等の蒸気使用装置からモヤモヤと立ち昇る廃蒸気を解消する廃蒸気解消装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 蒸気使用装置
2 蒸発器
3 圧縮機
4 凝縮器
5 膨張弁
6 循環路
7 廃蒸気排出口
8 セパレータ
9 温風供給ファン
10 温風
図1