特許第6052986号(P6052986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6052986-吸収性物品の製造方法 図000002
  • 特許6052986-吸収性物品の製造方法 図000003
  • 特許6052986-吸収性物品の製造方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052986
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20161219BHJP
   G01N 21/952 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   A61F13/15 355A
   A61F13/15 380
   G01N21/952
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-281463(P2012-281463)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-124243(P2014-124243A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(72)【発明者】
【氏名】郭 紀順
(72)【発明者】
【氏名】小久保 真
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−050567(JP,A)
【文献】 特開2010−271459(JP,A)
【文献】 特開2006−105976(JP,A)
【文献】 特開2007−276380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
G01N 21/952
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状のシートをその延びる方向に搬送させつつ、該シートの一面に、接着剤によって複数の短尺の吸収性物品の構成材料を順次接合し、
前記構成材料が接合された前記シートを一対のニップロール間に通し、該ニップロールによって該シートと該構成材料を挟圧し、次いで
搬送方向において前後隣り合う前記構成材料間において前記シートをその幅方向にわたって裁断する工程を有する吸収性物品の製造方法であって、
一対の前記ニップロールのうち、前記構成材料と接触する構成材料側ニップロールにおいて、該構成材料側ニップロールの軸方向と平行に、かつ該構成材料側ニップロールの一側縁から他側縁に向けて、レーザー光を光源とする入射光を、該入射光が該吸収体側ニップロールの周面近傍を通過するように照射し、該周面近傍を通過した光を受光器で受光し、
その受光量の多少に基づき前記構成材料側ニップロールの周面に異物が存在するか否かを検査する工程を有し、
前記吸収体側ニップロールにおける少なくとも一方の側縁の側に、該吸収体側ニップロールの周面に向けて空気を吹き付ける吹き付け手段としてのジェットノズルを配置しておき、該吸収体側ニップロールの軸方向中心に向けて該ジェットノズルから空気を吹き付ける、吸収性物品の製造方法。
【請求項2】
前記構成材料が吸収体又は吸収性本体である、請求項1に記載の吸収性物品の製造方法。
【請求項3】
前記入射光の光路と同じ光路を反射光が通過するように、前記他側縁の側に設置された反射鏡によって前記入射光を反射させ、
戻ってきた反射光を、前記一側縁の側に設置された受光器において受光して、該反射光の受光量を測定する、請求項1又は2に記載の吸収性物品の製造方法。
【請求項4】
前記光源及び前記受光器が一体化された回帰反射型センサーを用いる請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記吸収体側ニップロールの周面に異物が存在すると判断されている間、該吸収体側ニップロールの軸方向に沿って、かつ該吸収体側ニップロールの周面に向けて、前記吹き付け手段によって空気を吹き付ける、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
空気の吹き付けの結果、前記吸収体側ニップロールの周面に異物が検出されなくなったら、空気の吹き付けを停止するとともに、空気を吹き付けている間に前記ニップロール間を通過した前記吸収体を含む部位を、前記シートの裁断後の工程において不良品として搬送経路外に排出する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
所定時間が経過しても、前記吸収体側ニップロールの周面に異物が存在しているとの判断が維持されている場合には搬送を停止する、請求項1ないしのいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを初めとする各種の吸収性物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品を製造する場合には、長尺帯状の原反シートをロールから繰り出して搬送させ、搬送途中に様々な加工を施して目的とする物品を製造することが一般的である。例えば原反シートと他の部材とを接合するために、それらを熱ロールを用いて熱圧着したり、該原反シートにホットメルト粘着剤等の接着剤を塗布したりする操作がしばしば行われる。これら物品には、製造工程内で堆積した塵埃、熱ロールに付着した樹脂カス、接着剤が固化した塊、また元々原反シートに付着又は原反シートの一部材料が塊になった異物が混入することがある。このような異物を含んだ物品は欠陥品として製造工程内で排除される。欠陥品の排除は、一般に各種の光学式センサーを用いた異物の検出に基づいて行われる。
【0003】
前記の光学センサーとしては、シートの一方の側縁の側に配置された投光器と、他方の側縁の側に配置された受光器との組み合わせを採用したものが知られている(特許文献1参照)。シートに異物が存在する場合には、投光器から照射された光が異物によって遮られるので、受光器による受光量が変化する。その変化を検出することによって異物が検出される。また、シートの一方の側縁の側に第1の投光器を配置し、かつ他方の側縁の側に第1の受光器を配置するとともに、他方の側縁の側に第2の投光器を配置するとともに、一方の側縁の側に第2の受光器を配置することも提案されている(特許文献2参照)。このような配置を採用し、2つの受光器のそれぞれの受光量の平均値を測定して異物を検出することで、異物がシートにおける幅方向のどの位置にあっても検出感度が変わることなく異物を検出できると、同文献には記載されている。
【0004】
上述の各文献に記載の技術は、シートに存在する異物を検出する方法に関するものである。しかし、吸収性物品の加工機におけるロール表面に存在する物を検出することが有用な場合もある。例えば吸収性物品の外面をなす外装シートと吸収体とを接着剤で接合する工程においては、両者の接合後に一対のニップロールによって両者を挟圧して接合を確実なものとしている。この場合、吸収体の位置ずれや接着剤の染みだし等により、ニップロールに吸収体の一部分又は全部が異物として巻き付いてしまう不都合が生じることがある。
【0005】
ロールの周面の欠陥の検出に関しては、例えば特許文献3に記載の技術が知られている。同文献においては、ロールの軸方向に対して直交する方向から平行光を照射し、ロールから反射した光をスクリーンに投影させて、そこに結像された像の明暗に基づき欠陥を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−180295号公報
【特許文献2】特開平7−190953号公報
【特許文献3】特開2006−234771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献3に記載の方法では、ロールの軸方向の全幅にわたる検出を行うには、軸方向に沿って光源やスクリーンを移動させる必要があるか、又は全幅にわたる光源及びスクリーンを用意する必要があり、装置が複雑になり、また制御が煩雑となる。また同文献では、検査装置は移動しながら被検査ロールを一部ずつ検査するため、全体的に直ちに異物を検出することはできない。その結果、同文献に記載の方法は、高速で連続的に搬送される製品を製造しながらの検査には不向きなものである。
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長尺帯状のシートをその延びる方向に搬送させつつ、該シートの一面に、接着剤によって複数の短尺の吸収性物品の構成材料を順次接合し、
前記構成材料が接合された前記シートを一対のニップロール間に通し、該ニップロールによって該シートと該構成材料を挟圧し、次いで
搬送方向において前後隣り合う前記構成材料間において前記シートをその幅方向にわたって裁断する工程を有する吸収性物品の製造方法であって、
一対の前記ニップロールのうち、前記構成材料と接触する構成材料側ニップロールにおいて、該構成材料側ニップロールの軸方向と平行に、かつ該構成材料側ニップロールの一側縁から他側縁に向けて、レーザー光を光源とする入射光を、該入射光が該吸収体側ニップロールの周面近傍を通過するように照射し、該周面近傍を通過した光を受光器で受光し、
その受光量の多少に基づき前記構成材料側ニップロールの周面に異物が存在するか否かを検査する吸収性物品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照射されたレーザー光を受光するだけの簡単な構成でロール表面の異物を検出することができる吸収性物品の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の吸収性物品の製造方法において、一対のニップロールを用いた原反シートと吸収体との挟圧工程を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の吸収性物品の製造方法におけるタイムシークエンスチャートの一例である。
図3図3は、本発明の吸収性物品の製造方法におけるタイムシークエンスチャートの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の製造方法の対象となる吸収性物品の一例としては、吸収性物品の外面をなす外装シートと、該外装シートにおける肌対向面側に配置された吸収体とを有するものが挙げられる。外装シートは単層のシート材から構成されていてもよく、あるいは2層以上のシート材の積層体から構成されていてもよい。外装シートが2層以上のシート材の積層体から構成されている場合、シート材間に1本又は複数本の弾性部材が伸長状態で挟持固定されていてもよい。弾性部材の延びる方向は、例えば吸収性物品の幅方向や長手方向とすることができる。
【0013】
外装シートの肌対向面側に配置される吸収体としては、例えばフラップパルプ等の親水性繊維と高吸収性ポリマーとを含む積繊体を用いることができる。この積繊体は、ティッシュペーパーや親水化された不織布を初めとする各種の液透過性シートからなるコアラップシートによって被覆されていてもよい。また吸収体は、その一方の面側に液透過性の表面シートが配され、かつ他方の面側に液不透過性ないし液難透過性の裏面シートが配されてなる吸収性本体の状態で、外装シートの肌対向面側に配置されていてもよい。以降、便宜的に吸収体と記載するが、吸収性本体の状態のものも制限無く用いることができる。吸収体の形態が上述のいずれの場合であっても、吸収体と外装シートとは接着剤によって接合固定されている。両者の接合固定は、吸収体の具体的な形態に応じて直接接合である場合と、他の部材(例えば裏面シート)を介した間接接合である場合とがある。
【0014】
本発明の製造方法の対象となる吸収性物品を製造する場合には、外装シートの原反である長尺帯状の原反シートを用意しておき、該原反シートをその延びる方向と同方向に搬送させる。原反シートは、吸収性物品の製造ライン中においてインラインで製造されたものでもよい。あるいは吸収性物品の製造ラインとは異なるラインで原反シートを別途製造し、それをロール状に捲回した原反ロールとして保存しておき、吸収性物品の製造の際に該原反ロールから繰り出された原反シートを吸収性物品の製造ラインに供給してもよい。なお、原反シートは、前述の外装シートには限られず、液不透過性ないし液難透過性の裏面シートや液透過性の表面シートなど、吸収体が配置される長尺帯状のシートでもよく、吸収性物品の外面をなすシートに限られない。
【0015】
一方、短尺の吸収性物品の構成材料である吸収体は、吸収性物品の製造ライン中においてインラインで製造されたものを用いることが好ましい。この場合、個々に製造された吸収体を、連続搬送される原反シートに順次合流させて、該原反シートの肌対向面側に吸収体を載置してもよく、あるいは一方向に延びる長尺の吸収体連続体を製造しておき、該連続体を所定の間隔で裁断して個々の吸収体となした後に、各吸収体を原反シートに順次合流させてもよい。
【0016】
各吸収体を原反シートの肌対向面側に載置していくときには、該原反シートの搬送方向において隣り合う吸収体間を所定の距離だけ離間させることが好ましい。
【0017】
長尺帯状の外装シートの一面に、短尺の吸収体を接着剤によって接合するため、原反シートに各吸収体を合流させるのに先立ち、原反シートの肌対向面における吸収体の載置予定位置に接着剤を塗布することができる。この塗布に代えて、又はこの塗布に加えて、各吸収体における原反シートとの対向面に接着剤を塗布することができる。接着剤の塗布パターンに特に制限はなく、当該技術分野においてこれまで知られている各種の塗布パターンを採用することができる。例えば原反シートに接触させたノズルから接着剤を塗出するコーター式塗布装置を用い、原反シートの肌対向面における吸収体の載置予定位置の全域に隙間なく接着剤を塗布することができる。あるいは原反シートから離間した位置に設置された、エア回転式のノズルから接着剤を塗出する塗布装置を用い、スパイラル状のパターンやオーム字状のパターンで接着剤を塗布することもできる。更にストライプ状やビード状のパターンで接着剤を塗布することもできる。接着剤の塗布量は、原反シートや吸収体の種類等に応じて適切に選択される。
【0018】
接着剤の塗布領域にも特に制限はない。例えば原反シートと吸収体との対向面の全域に接着剤を塗布することができる。あるいは原反シートと吸収体との対向面における一部の領域にのみ接着剤を塗布することができる。例えば、吸収体のうち、原反シートの搬送方向に延びる左右の両側縁域にのみ接着剤を塗布することができる。あるいは、吸収体のうち、原反シートの搬送方向と直交する方向に延びる前後の両端縁域にのみ接着剤を塗布することができる。更に、吸収体のうち、その周縁域にのみ環状に接着剤を塗布することができる。
【0019】
図1には、以上のとおりの操作によって原反シート1と吸収体2とが合流して、原反シート1の肌対向面1a側に吸収体2が接合された状態が示されている。このようにして得られた接合体3は、一対のニップロール4,5からなる挟圧装置6に導入されて、原反シート1と吸収体2とが確実に接合される。
【0020】
挟圧装置6における一対のニップロール4,5は、吸収体と接触するニップロール4(以下、「吸収体側ロール4」とも言う。)と、原反シート1と接触するニップロール5とからなる。なお、前述のとおり、吸収体に代えて吸収性本体を用いる場合には、吸収体側ロール4は、吸収性本体側ロール4の意味を有する。各ロール4,5はその軸方向が、原反シート1の搬送方向Aと直交するように、原反シート1の搬送経路の途中に設置されている。各ロール4,5はその軸方向が互いに平行になるように設置されている。また各ロール4,5は、その軸心が、支持構造体(図示せず)によって支持されており、搬送方向Aに向けて回転可能になっている。本製造方法においては、2つのロールのうち、吸収体側ロール4の周面に異物が存在しているか否かを検出する。原反シート1と接触する側のニップロール5に関しては、その周面における異物の有無の検出を行ってもよく、また行わなくてもよい。異物は有色の不透明のものであってもよく、あるいは無色又は有色の透明又は半透明のものであってもよい。異物の具体例としては、吸収体を原反シート1に接合するときに用いられる接着剤に起因して、吸収体やその一部が意図せず剥がれてロールに付着したものが挙げられる。
【0021】
吸収体側ロール4の第1側縁41側には、投光器及び受光器が一体化された光学装置22が設置されている。光学装置22の投光器は、ロール4,5の軸方向と平行に、かつ吸収体側ロール4の第1側縁41から第2側縁42に向けて、レーザー光を光源とする入射光を照射することが可能に構成されている。詳細には、光学装置22の投光器は、吸収体側ロール4の周面及び周面近傍の空間に、吸収体側ロール4の軸方向と平行に入射光を照射することが可能になっている。吸収体側ロール4の第1側縁41は、原反シート1の第1側縁11側であり、吸収体側ロール4の第2側縁42、原反シート1の第2側縁12側である。一方、光学装置22の受光器は、後述する反射光の受光量を測定することが可能に構成されている。なお、投光器及び受光器一体化された光学装置22としては、一般的に回帰反射型と呼ばれるセンサー、例えばキーエンス製LV−S61やオムロン製E3C−LR11などの市販品を用いることができる。
【0022】
なお、一般に吸収性物品の製造装置においては、製造ラインが一方向に延びており、その製造ラインを挟んで一方側が操作側と呼ばれ、他方側が機器側と呼ばれる。操作側には製造ラインの操作者を配置できるようになっており、製造ラインの操作や保守が容易にできるようになっている。機器側は、製造ラインの各装置を固定するための壁部や各装置を駆動させるための駆動源が設置されており、通常運転時には操作者を配置できないようになっている。このような製造装置において、操作側に前記の光学装置22を配置すると、該光学装置22の調整や保守を容易に行うことができるので好ましい。
【0023】
光学装置22の投光器としては、各種のレーザー光の光源を用いることができる。レーザー光は光束を絞りやすい性質を有しているので、微小な異物の検出の感度を高める点から好適な光源である。本実施形態においては可視光領域に波長を有するレーザー光、例えば赤色レーザー光を用いることができる。一方、光学装置22の受光器としては、例えば電荷結合素子などを用いることができる。赤色レーザー光の光源としては、例えば635nm〜690nmの範囲の赤色可視レーザーを発振するレーザー・ダイオードを用いることが好ましい。
【0024】
光学装置22は、吸収体側ロール4の第1側縁41側において、吸収体側ロール4の幅方向外方の位置に設置されている。また、光学装置22は、鉛直方向に固定された支柱24からなる支持構造体に取り付けられている。この支持構造体は、ロール4,5の支持構造体(図示せず)とは別の構造体である。したがって、光学装置22の設置位置は、ロール4,5の設置位置と独立別個に上下左右に調整することが可能になっている。
【0025】
吸収体側ロール4の第2側縁42側には反射鏡26が設置されている。反射鏡26は、光学装置22の投光器から照射された入射光の光路と同じ光路を反射光が通過するように設置されている。
【0026】
反射鏡26は、吸収体側ロール4の第2側縁42側において、吸収体側ロール4の幅方向外方の位置に設置されている。また、反射鏡26は、鉛直方向に固定された支柱28からなる支持構造体に取り付けられている。この支持構造体は、吸収体側ロール4の支持構造体(図示せず)とは別の構造体である。したがって、反射鏡26の設置位置は、吸収体側ロール4の設置位置と独立別個に上下左右に調整することが可能になっている。光学装置22の投光器からの入射光は、反射鏡26により反射され、反射光となって光学装置22の受光器で受光される。
【0027】
吸収体側ロール4には、吸収体側ロール4の第1側縁41側に、ジェットノズルからなる噴射部34が配置されている。同様に、吸収体側ロール4の第2側縁42にも、ジェットノズルからなる噴射部34が配置されている。各噴射部34は、吸収体側ロール4の回転方向に沿って見たとき、光学装置22及び反射鏡26よりも回転方向の下流側に設置されている。各噴射部34は、鉛直方向に固定された支柱36からなる支持構造体に取り付けられている。この支持構造体は、ロール4,5の支持構造体(図示せず)や、光学装置22及び反射鏡26の支持構造体とは別の構造体である。したがって噴射部34の設置位置は、ロール4,5の設置位置や光学装置22及び反射鏡26と独立別個に上下左右に調整することが可能になっている。吸収体側ロール4の一方の側縁の側に配置された噴射部34から噴出した空気が、該ロール4の他方の側縁の側にまで届く程度に強い場合には、各噴射部34から噴出した空気が互いに干渉し合わないようにするために、各噴出部34の位置をずらして配置することが好ましい。
【0028】
各噴射部34からは、吸収体側ロール4の軸方向中心に向けて空気を吹き付けられるようになっている。噴射部34は、原反シート1と吸収体2とが接合された後に、該吸収体2がニップロール4,5によって挟圧される前に位置ずれを起こし、それに起因して露出した接着剤が吸収体側ロール4に付着した場合や、原反シート1と吸収体2とが挟圧されることで染みだした接着剤が吸収体側ロール4に付着した場合に、該接着剤に起因して吸収体側ロール4に意図せず付着した吸収体2の一部又は全部、つまり本発明における除去対象である異物を、風圧で吹き飛ばして除去する目的で設置されている。各噴射部34からの空気の噴射方向を、吸収体側ロール4の軸方向中心に向けて互いに対向させることで、該ロール4の周面に付着している異物が風圧で除去されるときに、該異物が原反シート1や吸収体2に付着しづらくなる。
【0029】
以上の構成を有する装置を用いた吸収性物品方法について説明すると、原反シート1と複数の吸収体2との接合体3がニップロール4,5を通過することで原反シート1と吸収体2とが挟圧される。挟圧する吸収体側ロール4の周面及びその近傍の空間には、光学装置22から反射鏡26に向けて光が照射される。照射された光は反射鏡26で反射して光学装置22に向けて戻ってくる。そして戻ってきた光の光量が光学装置22において測定される。吸収体側ロール4の周面に接着剤等に起因する異物が付着していないときには、反射光の受光量に変化はない。一方、吸収体側ロール4の周面に接着剤等に起因する異物が付着している場合には、入射光が異物によって遮られ、反射鏡26に達する入射光の光量が減少する。しかも、反射鏡26によって反射された反射光が光学装置22の受光部に戻ってくるときにも、該反射光が異物によって遮られ、受光部に達する反射光の光量が減少する。その結果、吸収体側ロール4に異物が存在する場合には、光学装置22の受光部において受光される光量は、吸収体側ロール4に異物が存在しない場合に比べて低下する。この光量の低下が閾値を超えた場合には、光学装置22に電気的に接続されている判定部(図示せず)は、吸収体側ロール4の周面に異物が存在すると判定し、図2に示すトリガ信号S1を発生させる。そしてトリガ信号S1の発生と同時に、異物検出信号S2が発生する。異物検出信号S2には、該異物検出信号S2がオフになるまでの遅延時間T1が設定されている。したがって異物検出信号S2は、遅延時間T1の分のカウントが完了するまでの間オン状態が維持されている。遅延時間T1のカウントは、吸収体側ロール4が1回転するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。遅延時間T1のカウントの上限値は、生産速度に応じ、例えば吸収体側ロール4が3回転するのに要する時間に設定することが好ましい。したがって、異物が検出された後ロール4が1回転し、異物の検出位置が再び光の照射位置まで到達するまでの間、ロール4の回転中に異物が除去されたか否かを問わず、遅延時間T1のカウント中は、異物検出信号S2はオン状態が維持されている。図2は、異物がすぐ除去されて、トリガ信号が1回転で無くなった状態を示している。
【0030】
異物検出信号S2がオンになると、それに同期して空気噴射信号S3もオンになる。空気噴射信号S3がオンになると、噴射部34から空気が噴出される。空気は、吸収体側ロール4の軸方向に沿って、かつ吸収体側ロール4の周面に向けて吹き付けられる。異物の検出時点から、ロール4が1回転するまでの間に、空気の吹き付けによって異物が除去されると、1回転後に、異物の検出位置が再び光の照射位置まで到達したときには、トリガ信号S1は発生しない。したがって図2に示すとおり、遅延時間T1のカウントが設定値まで完了した後に異物検出信号S2はオフ状態になる。また、異物検出信号S2に同期して、空気噴射信号S3もオフ状態になり、空気の吹き付けが停止される。この間、異物検出信号S2がオン状態となっている期間が判定部(図示せず)において記憶される。そして判定部は、異物検出信号S2がオン状態となっている期間に基づいたタイミングで、及びニップロール4,5よりも下流に配置されている峻別部(図示せず)と光の照射位置との間の距離に基づいたタイミングで、不良品の排出指令を峻別部に送る。峻別部は、接合体3において前後隣り合う吸収体2の間の位置で原反シート1が裁断される位置よりも下流側に設置されている。判定部からの排出指令を受け取った峻別部では、吸収体側ロール4に空気を吹き付けている間にニップロール4,5間を通過した吸収体2を含む部位が該峻別部に到達したときに、該部位を搬送経路外へ排出する操作を行う。この間、原反シート1の搬送は引き続き行われており、製造ラインは停止していない。ここで言う「不良品」とは例えば、吸収体側ロール4に付着した異物(すなわち吸収体側ロール4に意図せず付着した吸収体2の一部又は全部)に起因して、吸収体2を被覆しているティッシュペーパーや親水性不織布などのコアラップシート(図示せず)に破れが生じた製品や、該異物に起因して吸収体2が局部的に強く押圧されて局部的な硬化が生じた製品が含まれる。また、不良品を、吸収体側ロール4に空気を吹き付けている間にニップロール4,5間を通過した部位と設定する場合には、吸収体側ロール4に実際に異物が付着しているかどうかとは関係なく、当該部位を含む製品は不良品として排出される。
【0031】
吸収体側ロール4の周面に異物が存在すると判定され、トリガ信号S1が発生し、それと同時に異物検出信号S2及び空気噴射信号S3がオンになり、噴射部34から空気が噴出された後、ロール4が1回転するまでの間に異物が除去されない場合には、図3に示すとおり、1回転後に、異物が再び光の照射位置まで到達すると、トリガ信号S1が再び発生する。この再度のトリガ信号S1の発生によって、遅延時間T1のカウントが初期値に戻り、初めからのカウントが開始される。したがって異物検出信号S2及び空気噴射信号S3は継続してオン状態が維持され、噴射部34からの空気の噴射は継続して行われる。
【0032】
吸収体側ロール4が1回転するたびにトリガ信号S1が発生するという状態は、異物検出信号S2及び空気噴射信号S3のオン状態が長時間持続している状態であり、噴射部34から空気を吹き付けてもロール4の周面に付着している異物が除去されないことを意味している。その間にニップロール4,5間を通過した吸収体2には何らかの欠陥(例えば、上述したコアラップシートの破れや、吸収体の局部的な硬化)が生じている可能性があるので、該吸収体2は、上述した峻別部において排出する必要がある。したがって、異物検出信号S2及び空気噴射信号S3のオン状態が長時間持続することは、排出品の大量発生につながり経済的とは言えない。また、製造装置にトラブルが発生する原因ともなる。そこで図3に示すとおり、異物検出信号S2及び空気噴射信号S3がオン状態になって空気の吹き付けが開始されてから所定時間T2が経過しても、異物検出信号S2のオン状態が維持されて、ロール4の周面に異物が存在しているとの判断が維持されている場合には、警報・ライン停止信号S4がオン状態となり、製造ラインに警報が発せられ、作業者に異物の存在を知らしめるとともに、原反シート1の搬送を停止する。空気噴射信号S3は、警報・ライン停止信号S4がオン状態になるタイミングでオフ状態になる。それによって噴射部34からの空気の吹き付けが停止する。一方、異物検出信号S2はオン状態が維持される。そして製造ラインが停止したことを確認した後に、ロール4からの異物の除去作業を行う。
【0033】
ロール4からの異物の除去作業が完了したら、警報・ライン停止信号S4をオフ状態(図示せず)に戻す。警報・ライン停止信号S4がオフ状態になると、異物検出信号S2はオン状態からオフ状態へ変化する。そして装置の運転が再開される。
【0034】
以上のとおり、本製造方法によれば、光学装置22の配置や該光学装置22の投光器から照射される光及び反射鏡26によって反射される光の光軸調整が容易であり、工数を省くことができるという利点がある。また、1台の光学装置22を用いるだけで吸収体側ロール4全幅の検査ができ、異物を直ちに検出することができる。更に、小さな異物や弱い力で付着している異物であれば、噴射部34からの空気の吹き付けによってこれを除去することができる。このとき、製造ラインを停止する必要がないので、生産への影響を最小限にとどめることができる。一方、空気の吹き付けで除去できない異物が付着している場合には、製造ラインを停止させてこれを除去することにより、欠陥を有している可能性のある製品の流出を効果的に防止することができる。しかも、吸収体側ロール4の色や異物の色に影響されることなく該異物の存在を検出することができる。
【0035】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態において用いた光学装置22及び反射鏡26に空気を吹き付けながら異物の検出を行うことができる。このような吹き付けを行うことで、原反シート1の搬送等に起因して発生する塵埃や、接着剤の飛散固化物等が光学装置22や反射鏡26に付着しないようにすることができる。また、光学装置22や反射鏡26に付着した付着物を除去することができる。
【0036】
また前記実施形態においては投光器と受光器とが一体化した光学装置22を用いたが、これに代えて、それぞれ別体になっている投光器及び受光器を用いてもよい。
また前記実施形態においては、空気の吹き付けが開始されてから所定時間T2が経過しても、異物が存在しているとの判断が維持されている場合には、原反シート1の搬送を停止していたが、空気噴射信号S3に関わらず、異物検出信号S2から所定時間T2の経過後に異物検出信号S2のオン状態が維持されている場合には、原反シート1の搬送を停止としてもよい。
【0037】
また、前記実施形態においては、1枚の原反シート1を用いたが、これに代えて、平行にかつ互いに距離を隔てて搬送される二条の長尺帯状シートを用い、両長尺帯状シートの間を跨るように、吸収体2を間欠的に配置してもよい。
【0038】
また、前記実施形態においては、長尺帯状シートとして外装シートを用いたが、これに代えて吸収性物品を構成する別のシート、例えば表面シートを用い、該表面シートの長尺帯状シートの一面の吸収体を配置してもよい。
【0039】
また、前記実施形態においては、吸収体2が原反シート1の一面に配置された状態でニップロール4,5間に導入されたが、吸収体側ニップロール4が、長尺の吸収体前駆体を個々の吸収体に切断するために用いられるスリップカッターのアンビルロールを兼用する場合や、該アンビルロールと当接する転写ロールを兼用する場合には、吸収体がニップロール4,5間に導入されるときに、該吸収体が原反シート1の一面に配置されることになる。
【0040】
また前記実施形態は、原反シート1の一面に吸収体2を接合する工程に本発明を適用した例であるが、短尺の吸収性物品の構成材料であれば、吸収体2以外の構成材料を接合する工程に本発明を適用してもよい。短尺の構成材料としては、例えば吸収性物品に伸縮性を付与するために用いられる弾性材料からなるフィルム、該弾性材料を含む複合弾性シート、ファスニングテープ、該ファスニングテープが止着されるターゲットテープなどが挙げられる。「短尺」とは、実質的に無限長である原反シート1の長さとの対照で用いられる語であり、搬送方向に沿った長さが有限であることを意味する。
【0041】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品の製造方法を開示する。
<1>
長尺帯状のシートをその延びる方向に搬送させつつ、該シートの一面に、接着剤によって複数の短尺の吸収性物品の構成材料を順次接合し、
前記構成材料が接合された前記シートを一対のニップロール間に通し、該ニップロールによって該シートと該構成材料を挟圧し、次いで
搬送方向において前後隣り合う前記構成材料間において前記シートをその幅方向にわたって裁断する工程を有する吸収性物品の製造方法であって、
一対の前記ニップロールのうち、前記構成材料と接触する構成材料側ニップロールにおいて、該構成材料側ニップロールの軸方向と平行に、かつ該構成材料側ニップロールの一側縁から他側縁に向けて、レーザー光を光源とする入射光を、該入射光が該吸収体側ニップロールの周面近傍を通過するように照射し、該周面近傍を通過した光を受光器で受光し、
その受光量の多少に基づき前記構成材料側ニップロールの周面に異物が存在するか否かを検査する吸収性物品の製造方法。
【0042】
<2>
前記構成材料が吸収体又は吸収性本体である、前記<1>に記載の吸収性物品の製造方法。
<3>
前記シートに前記構成材料を合流させるのに先立ち、該シートの肌対向面における該構成材料の載置予定位置に接着剤を塗布するか、又は該構成材料における該シートとの対向面に接着剤を塗布する、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品の製造方法。
<4>
前記異物は、前記構成材料を前記シートに接合するときに用いられる接着剤に起因して、該構成材料やその一部が意図せず剥がれて前記構成材料側ニップロールに付着したものである、前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<5>
前記入射光の光路と同じ光路を反射光が通過するように、前記他側縁の側に設置された反射鏡によって前記入射光を反射させ、
戻ってきた反射光を、前記一側縁の側に設置された前記受光器において受光して、該反射光の受光量を測定する、前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<6>
前記光源及び前記受光器が一体化された回帰反射型センサーを用いる、前記<5>に記載の製造方法。
<7>
前記光源及び前記受光器を具備する光学装置は、一対の前記ニップロールの支持構造体とは別の構造体に取り付けられている、前記<5>又は<6>に記載の製造方法。
<8>
前記反射鏡は、一対の前記ニップロールの支持構造体とは別の構造体に取り付けられている、前記<5>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<9>
用いられる前記光源及び前記受光器が一体化された光学装置が1台である、前記<5>ないし<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
【0043】
<10>
前記構成材料側ニップロールの周面に向けて空気を吹き付ける吹き付け手段を用いる、前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載の製造方法。
<11>
前記吸収体側ニップロールにおける少なくとも一方の側縁の側に、前記吹き付け手段としてのジェットノズルを配置しておき、該吸収体側ニップロールの軸方向中心に向けて該ジェットノズルから空気を吹き付ける、前記<10>に記載の製造方法。
<12>
前記吸収体側ニップロールの周面に異物が存在すると判断されている間、該吸収体側ニップロールの軸方向に沿って、かつ該吸収体側ニップロールの周面に向けて、前記吹き付け手段によって空気を吹き付ける、前記<10>又は<11>に記載の製造方法。
<13>
空気の吹き付けの結果、前記吸収体側ニップロールの周面に異物が検出されなくなったら、空気の吹き付けを停止するとともに、空気を吹き付けている間に前記ニップロール間を通過した前記吸収体を含む部位を、前記シートの裁断後の工程において不良品として搬送経路外に排出する、前記<10>ないし<12>のいずれか1に記載の製造方法。
<14>
所定時間が経過しても、前記吸収体側ニップロールの周面に異物が存在しているとの判断が維持されている場合には搬送を停止する、前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の製造方法。
<15>
前記所定時間は、異物検出信号及び空気噴射信号がオン状態になって空気の吹き付けが開始されてからの経過時間である、前記<14>に記載の製造方法。
【0044】
<16>
平行にかつ互いに距離を隔てて搬送される二条の前記長尺帯状シートを用い、両長尺帯状シートの間を跨るように、前記構成材料を間欠的に配置する、前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載の製造方法。
<17>
前記構成材料側ニップロールが、長尺の構成材料前駆体を個々の構成材料側に切断するために用いられるスリップカッターのアンビルロールを兼用する場合や、該アンビルロールと当接する転写ロールを兼用する場合には、該構成材料が一対の前記ニップロール間に導入されるときに、該構成材料が前記シートの一面に配置される、前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載の製造方法。
<18>
前記長尺帯状のシートが吸収性物品の外面をなす外装シートである、前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の製造方法。
<19>
前記短尺の構成材料は、吸収性物品に伸縮性を付与するために用いられる弾性材料からなるフィルム、該弾性材料を含む複合弾性シート、ファスニングテープ、該ファスニングテープが止着されるターゲットテープなどである、前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の製造方法。
【符号の説明】
【0045】
1 原反シート
2 吸収体
3 接合体
4 吸収体側ニップロール
5 シート側ニップロール
6 挟圧装置
22 光学装置
26 反射鏡
34 噴射部
41 第1側縁
42 第2側縁
図1
図2
図3