特許第6052994号(P6052994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052994
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ロータ、及びブラシレスモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/21 20160101AFI20161219BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20161219BHJP
   H02K 29/08 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02K11/21
   H02K1/24 B
   H02K29/08
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-24712(P2013-24712)
(22)【出願日】2013年2月12日
(65)【公開番号】特開2014-155381(P2014-155381A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 茂昌
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−168278(JP,A)
【文献】 特開2010−136588(JP,A)
【文献】 特開2008−109773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/21
H02K 1/24
H02K 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、
前記第1及び第2ロータコアと軸方向にずれた位置に設けられ、軸方向に磁化される方向が周方向に交互に異ならせられた環状のセンサ磁石と
を備えたロータであって、
前記センサ磁石は、その内径が前記コアベースの外径よりも大きく形成され且つ該センサ磁石の外径が前記第1及び第2ロータコアの外径よりも小さく形成されるとともに、前記爪状磁極に対向する側の磁極が該爪状磁極の磁極と一致するように設けられたことを特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記センサ磁石は、軸方向に磁化される方向が周方向に等角度間隔で異なり、前記爪状磁極に対向する側の磁極の各周方向中心が前記爪状磁極の各周方向中心と一致するように設けられたことを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータと、
回転磁界を発生するステータと、
前記センサ磁石の前記爪状磁極とは反対側の軸方向に対向して設けられた磁気センサと
を備えたことを特徴とするブラシレスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、及びブラシレスモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシレスモータのロータとしては、周方向に複数の爪状磁極をそれぞれ有して組み合わされる2つのロータコアと、それらの間に配置され軸方向に磁化された界磁磁石とを備え、各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させるいわゆる永久磁石界磁のランデル型構造のロータがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、ブラシレスモータでは、ロータの回転位置(角度)が検出され、その回転位置に応じてステータの巻線に駆動電流が供給されることで回転磁界が発生され、その回転磁界によってロータが回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−115085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ブラシレスモータにおいて、ロータの回転位置を検出する構成としては、例えば、周方向に交互に異なる磁極(N極とS極)を有するセンサ磁石をロータコアの軸方向に並設して設け、ステータ側に前記センサ磁石と軸方向に対向してその磁界を検出する磁気センサを設ける構成がある。
【0006】
しかしながら、上記ロータでは、界磁磁石が軸方向に磁化されていることで、ロータコアからの軸方向の漏れ磁束がセンサ磁石からの磁束に重畳してしまい、磁気センサにて検出される検出信号のレベルが等ピッチで切り替わらずに、ロータの回転位置(角度)を高精度に検出できなくなるといった問題があった。尚、このことは、ステータの巻線に供給する駆動電流の最適なタイミングからのずれを生じさせ、ひいては出力低下や振動騒音の悪化を招く原因となる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、回転位置(角度)を高精度に検出することができるロータ、及びブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するロータは、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、前記第1及び第2ロータコアと軸方向にずれた位置に設けられ、軸方向に磁化される方向が周方向に交互に異ならせられた環状のセンサ磁石とを備えたロータであって、前記センサ磁石は、その内径が前記コアベースの外径よりも大きく形成され且つ該センサ磁石の外径が前記第1及び第2ロータコアの外径よりも小さく形成されるとともに、前記爪状磁極に対向する側の磁極が該爪状磁極の磁極と一致するように設けられる。
【0009】
同構成によれば、センサ磁石は、その内径がコアベースの外径よりも大きく形成されるとともに、爪状磁極に対向する側の磁極が該爪状磁極の磁極と一致するように設けられるため、爪状磁極からセンサ磁石への軸方向の漏れ磁束が抑えられる。これにより、センサ磁石の爪状磁極とは反対側の軸方向に設けられる磁気センサに対するセンサ磁石からの磁束が爪状磁極からの漏れ磁束の影響を受けることが抑えられ、ひいては磁気センサにてロータの回転位置(角度)を高精度に検出することが可能となる。
【0010】
上記ロータにおいて、前記センサ磁石は、軸方向に磁化される方向が周方向に等角度間隔で異なり、前記爪状磁極に対向する側の磁極の各周方向中心が前記爪状磁極の各周方向中心と一致するように設けられることが好ましい。
【0011】
同構成によれば、センサ磁石は、軸方向に磁化される方向が周方向に等角度間隔で異なり、爪状磁極に対向する側の磁極の各周方向中心が爪状磁極の各周方向中心と一致するように設けられるため、磁気センサにて検出される検出信号のレベルが等ピッチで切り替わるようにすることができる。
【0012】
上記課題を解決するブラシレスモータは、上記ロータと、回転磁界を発生するステータと、前記センサ磁石の前記爪状磁極とは反対側の軸方向に対向して設けられた磁気センサとを備える。
【0013】
同構成によれば、ブラシレスモータにおいて、上記効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のロータ、及びブラシレスモータでは、回転位置(角度)を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態におけるブラシレスモータの断面図。
図2】同形態におけるブラシレスモータの一部断面斜視図。
図3】同形態におけるロータの一部平面図。
図4】同形態におけるブラシレスモータの一部断面図。
図5】別例におけるロータを説明するための断面図。
図6】別例におけるロータを説明するための断面図。
図7】別例におけるロータを説明するための断面図。
図8】別例におけるロータを説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、ブラシレスモータの一実施形態を図1図4に従って説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ11のモータケース12は、有底筒状に形成された筒状ハウジング13と、該筒状ハウジング13のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞するフロントエンドプレート14とを有している。
【0017】
図1に示すように、筒状ハウジング13の内周面にはステータ16が固定されている。ステータ16は、径方向内側に延びる複数(本実施形態では12個)の集中巻用ティースとしてのティース17aを有する電機子コア17と、電機子コア17のティース17aにインシュレータ18を介して巻回される巻線19とを備えている。ステータ16は、外部の制御回路Sから巻線19に駆動電流が供給されることで回転磁界を発生する。
【0018】
図1に示すように、ブラシレスモータ11のロータ21は回転軸22を有し、ステータ16の内側に配置されている。回転軸22は非磁性体の金属シャフトであって、筒状ハウジング13の底部13a及びフロントエンドプレート14に支持された軸受23,24により回転可能に支持されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、ロータ21は、前記回転軸22に外嵌される第1及び第2ロータコア31,32と、界磁磁石としての環状磁石33とを備える。
第1ロータコア31は、略円板状の第1コアベース31aの外周部に、等間隔に複数(本実施形態では4つ)の第1爪状磁極31bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。
【0020】
第2ロータコア32は、第1ロータコア31と同形状であって、略円板状の第2コアベース32aの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極32bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。そして、第2ロータコア32は、各第2爪状磁極32bが周方向に隣り合う第1爪状磁極31b間に配置されるようにして、且つ第1コアベース31aと第2コアベース32aとの軸方向の間に環状磁石33が配置(挟持)されるようにして第1ロータコア31に対して組み付けられている。尚、本実施形態では、第1及び第2コアベース31a,32aは環状磁石33に対してそれぞれ接着剤により固着されている。
【0021】
環状磁石33は、第1爪状磁極31bを第1の磁極(本実施形態ではN極)として機能させ、第2爪状磁極32bを第2の磁極(本実施形態ではS極)として機能させるように、軸方向に磁化されている。即ち、本実施形態のロータ21は、界磁磁石としての環状磁石33を用いた所謂ランデル型構造のロータである。ロータ21は、N極となる4つの第1爪状磁極31bと、S極となる4つの第2爪状磁極32bとが周方向に交互に配置されており、極数が8極(極対数が4個)となる。すなわち、本実施形態では、ロータ21の極数が「8」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されている。
【0022】
又、本実施形態のロータ21は、第1及び第2爪状磁極31b,32bの径方向内側(背面)に設けられ、その部分の漏れ(短絡)磁束を抑えるべく径方向に磁化された背面補助磁石34を備えている。
【0023】
更に、本実施形態のロータ21は、第1及び第2爪状磁極31b,32b同士の周方向の各間に設けられ、その部分の漏れ磁束を抑えるべく周方向に磁化された極間磁石35を備えている。
【0024】
又、図1に示すように、ロータ21には、略円板状のマグネット固定部材41を介してセンサ磁石42が設けられている。詳しくは、マグネット固定部材41は、中央にボス部41aが形成された円板部41bと、該円板部41bの外縁から筒状に延びる筒部41cとを有し、該筒部41cの内周面及び円板部41bの表面に当接するように環状のセンサ磁石42が固着されている。そして、マグネット固定部材41は、第1及び第2ロータコア31,32と軸方向にずれた位置であって、第1ロータコア31と近い側で、そのボス部41aが回転軸22に外嵌されている。言い換えると、本実施形態のマグネット固定部材41(センサ磁石42)は、第1ロータコア31を第2ロータコア32とで挟む位置で回転軸22に固定されている。
【0025】
そして、フロントエンドプレート14において、センサ磁石42と軸方向に対向する位置には磁気センサとしてのホールIC43が設けられている。言い換えると、ホールIC43は、センサ磁石42を第1ロータコア31とで挟む位置でフロントエンドプレート14に固定されている。ホールIC43は、N極とS極の磁界を感知するとそれぞれHレベルの検出信号とLレベルの検出信号とを前記制御回路Sに出力する。
【0026】
ここで、図3及び図4に示すように、前記センサ磁石42は、その内径が前記第1及び第2コアベース31a,32a及び環状磁石33の外径よりも大きく形成されるとともに、第1及び第2爪状磁極31b,32bに対向する側の磁極が該爪状磁極の磁極と一致するように設けられている。
【0027】
詳しくは、センサ磁石42は、軸方向に磁化される方向が周方向に交互に異ならせられたものであって、本実施形態では等角度(45°)間隔で軸方向に磁化される方向が異ならせてある。尚、図3では、センサ磁石42における紙面手前側の磁極をN,Sの符号を付して図示している。そして、図4に示すように、センサ磁石42は、N極として機能する第1爪状磁極31bと対向する周方向の位置では、該第1爪状磁極31bに対向する側の磁極がN極で、対向しない側(図3中、紙面手前側)の磁極がS極となるように設けられている。又、センサ磁石42は、S極として機能する第2爪状磁極32bと対向する周方向の位置では、該第2爪状磁極32bに対向する側の磁極がS極で、対向しない側の磁極がN極となるように設けられている。又、本実施形態のセンサ磁石42は、第1及び第2爪状磁極31b,32bに対向する側の磁極の各周方向中心が、第1及び第2爪状磁極31b,32bの各周方向中心と一致するように設けられている。
【0028】
次に、上記のように構成されたブラシレスモータ11の作用について説明する。
制御回路Sから巻線19に3相の駆動電流が供給されると、ステータ16にて回転磁界が発生され、ロータ21が回転駆動される。この際、ホールIC43と対向するセンサ磁石42が回転することで、ホールIC43から出力される検出信号のレベルがロータ21の回転角度(位置)に応じて切り替わり、その検出信号に基づいて制御回路Sから巻線19に最適なタイミングで切り替わる3相の駆動電流が供給される。これにより、良好に回転磁界が発生され、ロータ21が良好に連続して回転駆動される。
【0029】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)センサ磁石42は、その内径が第1及び第2コアベース31a,32aの外径よりも大きく形成されるとともに、第1及び第2爪状磁極31b,32bに対向する側の磁極が該爪状磁極の磁極と一致するように設けられるため、第1及び第2爪状磁極31b,32bからセンサ磁石42への軸方向の漏れ磁束が抑えられる。これにより、ホールIC43に対するセンサ磁石42からの磁束が第1及び第2爪状磁極31b,32bからの漏れ磁束の影響を受けることが抑えられ、ひいてはホールIC43にてロータ21の回転位置(角度)を高精度に検出することが可能となる。
【0030】
(2)センサ磁石42は、軸方向に磁化される方向が周方向に等角度(45°)間隔で異なり、第1及び第2爪状磁極31b,32bに対向する側の磁極の各周方向中心が第1及び第2爪状磁極31b,32bの各周方向中心と一致するように設けられる。これにより、ホールIC43にて検出される検出信号のレベルが等ピッチで切り替わるようにすることができる。
【0031】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の第1及び第2ロータコア31,32は、回転軸22に外嵌されるものであって、単に第1及び第2コアベース31a,32aの中央孔に回転軸22が圧入される構成としたが、これに限定されず、コアベースの内周縁に回転軸22が圧入される筒状のボス部を形成してもよい。
【0032】
例えば、図5に示すように、変更してもよい。この例の第1及び第2コアベース31a,32aの内周縁には、それぞれの爪状磁極(第1コアベース31aは第1爪状磁極31b、第2コアベース32aは第2爪状磁極32b)の軸方向に延出する方向と同じ方向、即ち相対向する方向に延出して回転軸22が圧入される内延ボス部51が形成されている。尚、この例では、環状磁石33の内径が内延ボス部51の外径と略同じに設定されて、内延ボス部51同士間は空隙とされている。
【0033】
このようにすると、軸方向の圧入範囲を広くすることができて第1及び第2ロータコア31,32を回転軸22に強固に固定することができるとともに、反対方向(軸方向の外部方向)に延出したボス部を設けた場合に比べて、第1及び第2コアベース31a,32aの外側にその配置スペースを必要としない。
【0034】
又、例えば、図6に示すように、変更してもよい。この例では、上記別例(図5参照)における第1ロータコア31の内延ボス部51と第2ロータコア32の内延ボス部51との軸方向の間に漏れ磁束を抑制するための内補助磁石52が設けられている。このようにすると、内延ボス部51同士間での漏れ磁束が抑制され、モータ効率の低下を抑制することができる。尚、この内補助磁石52は、フェライト磁石等でもよいし、ボンド磁石としてもよく、ボンド磁石とした場合、高い寸法精度を必要とすることなく内延ボス部51に密着して設けることができる。
【0035】
又、例えば、図7に示すように、変更してもよい。この例では、上記別例(図5参照)における第1ロータコア31の内延ボス部51と第2ロータコア32の内延ボス部51との軸方向の間に漏れ磁束を抑制するための内補助磁石としての内補助磁石部53が環状磁石33に一体成形されて設けられている。このようにすると、内延ボス部51同士間での漏れ磁束が抑制され、モータ効率の低下を抑制することができる。
【0036】
又、例えば、図8に示すように、変更してもよい。この例では、上記別例(図5参照)における内延ボス部51の軸方向の突出量を抑えた内延ボス部54を形成しつつ、第1及び第2コアベース31a,32aの内周縁から内延ボス部54の反対方向に突出した外延ボス部55を形成している。
【0037】
このようにすると、軸方向の圧入範囲を広くすることができて第1及び第2ロータコア31,32を回転軸22に強固に固定することができるとともに、反対方向(軸方向の外部方向)に延出したボス部のみを設けた場合に比べて、第1及び第2コアベース31a,32aの外側に必要となる配置スペースを小さくすることができる。又、同等の固定強度を得ながら、上記別例(図5参照)に比べて、内延ボス部51同士の間隔を広くすることができ、内延ボス部51同士間での漏れ磁束を低減することができる。
【0038】
又、勿論、第1及び第2コアベース31a,32aのいずれか一方にのみ上記した内延ボス部51を形成したり、内延ボス部51を設けずに軸方向の外部方向にのみ延出したボス部を設けてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、第1及び第2爪状磁極31b,32bの径方向内側に設けられ径方向に磁化された背面補助磁石34を備えるとしたが、これに限定されず、背面補助磁石34を備えていないロータに変更してもよい。
【0040】
・上記実施形態では、第1及び第2爪状磁極31b,32b同士の周方向の各間に設けられ周方向に磁化された極間磁石35を備えるとしたが、これに限定されず、極間磁石35を備えていないロータに変更してもよい。
【0041】
上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを備えたロータであって、前記コアベースの内周縁には、前記爪状磁極の軸方向に延出する方向と同じ方向に延出して回転軸が圧入される内延ボス部が形成されたことを特徴とするロータ。
【0042】
同構成によれば、コアベースの内周縁には、爪状磁極の軸方向に延出する方向と同じ方向に延出して回転軸が圧入される内延ボス部が形成されるため、軸方向の圧入範囲を広くすることができて回転軸に強固に固定することができるとともに、反対方向に延出したボス部を設けた場合に比べて、コアベースの外側にその配置スペースを必要としない。
【0043】
(ロ)上記(イ)に記載のロータにおいて、前記第1ロータコアの前記内延ボス部と前記第2ロータコアの前記内延ボス部との軸方向の間に漏れ磁束を抑制するための内補助磁石が設けられたことを特徴とするロータ。
【0044】
同構成によれば、第1ロータコアの内延ボス部と第2ロータコアの内延ボス部との軸方向の間に漏れ磁束を抑制するための内補助磁石が設けられるため、内延ボス部同士間での漏れ磁束が抑制され、モータ効率の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0045】
16…ステータ、21…ロータ、31…第1ロータコア、31a…第1コアベース(コアベース)、31b…第1爪状磁極(爪状磁極)、32…第2ロータコア、32a…第2コアベース(コアベース)、32b…第2爪状磁極(爪状磁極)、33…環状磁石(界磁磁石)、42…センサ磁石、43…ホールIC43(磁気センサ)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8