特許第6053124号(P6053124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053124
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】糖脂質の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20161219BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20161219BHJP
   C12P 19/00 20060101ALI20161219BHJP
   C12N 9/04 20060101ALI20161219BHJP
   C12R 1/72 20060101ALN20161219BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   C12N1/19
   C12P19/00
   C12N9/04 E
   C12N1/19
   C12R1:72
   C12P19/00
   C12R1:72
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-230994(P2012-230994)
(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公開番号】特開2014-79218(P2014-79218A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100155505
【弁理士】
【氏名又は名称】野明 千雪
(74)【代理人】
【識別番号】100141771
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 宏和
(72)【発明者】
【氏名】高橋 史員
【審査官】 白井 美香保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−522597(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/008231(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/061032(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/141407(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/080116(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/008232(WO,A2)
【文献】 FEMS Microbiol. Lett.,1990年,vol.70,pp.183-186
【文献】 Appl.Microbiol.Biotechnol.,1994年,vol.40 no.5,pp.729-734
【文献】 Appl.Microbiol.Biotechnol.,1994年,vol.40 no.6,pp.873-875
【文献】 Biotechnol.Bioeng.,2011年,vol.108 no.12,pp.2923-2931
【文献】 J.Biol.Chem.,2000年,vol.275 no.6,pp.4445-4452
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
【請求項2】
前記宿主が微生物である、請求項1記載の形質転換体。
【請求項3】
前記微生物が酵母である、請求項2記載の形質転換体。
【請求項4】
前記酵母がカンジダ(Candida)属に属する菌類である、請求項3記載の形質転換体。
【請求項5】
前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaである、請求項4記載の形質転換体。
【請求項6】
下記(1)及び(2)の工程を含む、糖脂質の製造方法。
(1)請求項1〜5のいずれか1項に記載の形質転換体を、アルコール及び糖を含有する培地で培養する工程、及び
(2)得られた培養物から糖脂質を採取する工程
【請求項7】
前記アルコールが、炭素原子数10以上22以下の1級又は2級アルコールである、請求項6記載の製造方法。
【請求項8】
前記糖脂質が、アルキルグリコシド又はソホロース脂質である、請求項6又は7記載の製造方法。
【請求項9】
下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規アルコールオキシダーゼ及びそれをコードする遺伝子に関する。また、本発明は当該アルコールオキシダーゼ遺伝子を欠失等させた形質転換体及びそれを用いた糖脂質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖脂質の1種であるアルキルグリコシドやソホロース脂質は、界面活性剤として各種の洗剤等に配合されている。
アルキルグリコシドやソホロース脂質の工業的生産は、主に糖とアルコールを原料とした化学合成により行われているが、原料アルコールを多量に必要とし、高温・高圧下での反応を行うために原料グルコースが変性してしまう等の問題がある。
このような実情から、より効率のよい生産方法を求めて、微生物を用いた糖脂質の製造技術が検討されている。例えば、酵母の1種であるカンジダ・ボンビコーラ(Candida bombicola)を、糖とアルコールを含有する培地で培養すると、生産物としてアルキルソホロシドやソホロース脂質が得られることが知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6433152号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Biotechnology Letters, Volume 20, No. 3, 1998, pp. 215-218
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の微生物を用いた製造方法は、常温・常圧下での糖脂質製造を可能とするものの、原料アルコールに対する糖脂質の収率が非常に低いという問題がある。
そこで、本発明は、常温・常圧下で糖脂質を生産性よく製造することができる微生物形質転換体、及び当該形質転換体を用いた糖脂質の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、微生物を用いた糖脂質の製造技術について鋭意検討したところ、カンジダ・ボンビコーラのアルコール代謝経路において、新規のアルコールオキシダーゼが関与していることを見出した。さらに、このアルコールオキシダーゼ遺伝子の機能を低下させた形質転換体で糖脂質の生産性が有意に向上することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した、形質転換体(以下、「本発明の形質転換体」ともいう)に関する。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
【0008】
また、本発明は、下記(1)及び(2)の工程を含む、糖脂質の製造方法(以下、「本発明の糖脂質の製造方法」ともいう)に関する。
(1)前記形質転換体を、アルコール及び糖を含有する培地で培養する工程、及び
(2)得られた培養物から糖脂質を採取する工程
【0009】
また、本発明は、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子(以下、「本発明の遺伝子」ともいう)、に関する。
また、本発明は、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質(以下、「本発明のタンパク質」ともいう)、に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、糖脂質の効率的生産に有用な新規アルコールオキシダーゼ及びそれをコードする遺伝子を提供することができる。また、本発明によれば、糖脂質の生産能に優れた形質転換体を提供することができる。さらに、本発明によれば、生産性に優れ、糖脂質の工業的生産に有用な糖脂質の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例で作製したKSM36株、NBRC10243株、KSMΔura3株において、ura3遺伝子領域の配列の一部を比較した図である。
図2】実施例で作製したKSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株を、炭素源を変えて培養し、培養時間毎の生菌数を示した図である。
図3】実施例で作製したKSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株における、アルコールオキシダーゼ活性を示す図である
図4】実施例で作製したBL21(DE3)-pET-AOX株及びBL21(DE3)-pET株における、発現タンパク質の検出結果を示す図である。
図5】BL21(DE3)-pET-AOX株及びBL21(DE3)-pET株におけるアルコールオキシダーゼ活性を示す図である。
図6】実施例で作製したKSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株を、1-テトラデカノールを基質として培養した培養液のGC分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.アルコールオキシダーゼ
本発明のタンパク質は、以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質(以下、「本発明のアルコールオキシダーゼ」ともいう)である。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
【0013】
前記(a)の配列番号1に示すアミノ酸配列からなるタンパク質は、カンジダ・ボンビコーラ(Candida bombicola)由来の新規アルコールオキシダーゼである。
微生物のアルコール酸化酵素には、アルコールオキシダーゼ(以下、「AOX」とも略記する)やアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)があり、ともにアルコールをアルデヒドに酸化する反応を触媒する。カンジダ・ボンビコーラのアルコール酸化酵素については、これまで詳しくわかっておらず、今回本発明者らにより初めてアルコールオキシダーゼ及びその遺伝子が同定された。当該タンパク質は、後述の実施例で示すように、アルコールオキシダーゼ活性を有する。カンジダ・ボンビコーラのアルコールオキシダーゼのアミノ酸配列を配列番号1に、遺伝子の塩基配列を配列番号2に示す。
【0014】
本発明のタンパク質には、前記(a)のタンパク質に加えて、当該タンパク質と機能的に均等なタンパク質として前記(b)及び(c)のタンパク質が包含される。
前記(b)において、アミノ酸配列の同一性は、糖脂質の生産性向上の観点から、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明においてアミノ酸配列の同一性とは、比較する2つのアミノ酸配列を必要に応じて間隙を導入して整列(アラインメント)させ、得られる最大のアミノ酸配列の同一性(%)をいう。アミノ酸配列の同一性は通常の方法により解析することができ、例えば、BLASTアルゴリズムを実装したNCBI BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/)のblastpや、Genetyx Win実装のHomology search、などにより算出することができる。
【0015】
また、前記(c)において、「1又は数個のアミノ酸」は、糖脂質の生産性向上の観点から、1〜10個のアミノ酸であることが好ましく、1〜5個のアミノ酸であることがより好ましく、1〜3個のアミノ酸であることがさらに好ましい。
なお、これらのタンパク質がアルコールオキシダーゼ活性を有することは、該タンパク質をコードする遺伝子を破壊して菌体内のアルコールオキシダーゼ活性を測定する方法、又は大腸菌等で該タンパク質を生産し、そのアルコールオキシダーゼ活性を測定する方法等により確認することができる。アルコールオキシダーゼ活性の測定には、後述の実施例で用いた方法等を用いることができる。
【0016】
本発明のタンパク質の取得方法については特に制限はなく、通常行われる化学的或いは遺伝子工学的手法等により得ることができる。例えば、カンジダ・ボンビコーラ等の微生物から単離、精製等することで天然物由来のタンパク質を取得することができる。また、配列番号1に示すアミノ酸配列情報をもとに人工的に合成等することもでき、化学合成によりタンパク質合成を行ってもよく、遺伝子組み換え技術により組換えタンパク質を作製してもよい。組換えタンパク質を作製する場合には、後述する本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子を用いることができる。
【0017】
2.アルコールオキシダーゼ遺伝子
本発明の遺伝子は、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子(以下、「本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子」ともいう)である。
前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の具体例として、下記(d)〜(f)のいずれかのDNAからなる遺伝子が挙げられる。
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(e)配列番号2で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(f)配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
【0018】
前記(e)において、塩基配列の同一性は、糖脂質の生産性向上の観点から、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明において塩基配列の同一性とは、比較する2つの塩基配列を必要に応じて間隙を導入して整列(アラインメント)させ、得られる最大の塩基配列の同一性(%)をいう。塩基配列の同一性は通常の方法により解析することができ、例えば、BLASTアルゴリズムを実装したNCBI BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/)のblastpや、Genetyx Win実装のHomology search、などにより算出することができる。
【0019】
また、前記(f)において、「ストリンジェントな条件」としては、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W.Russell.,Cold Spring Harbor Laboratory Press]記載のサザンハイブリダイゼーション法等が挙げられ、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mLニシン精子DNAを含む溶液にプローブとともに42℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件が挙げられる。
【0020】
本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子の取得方法としては、特に制限されず、通常の遺伝子工学的手法により得ることができる。例えば、配列番号1に示すアミノ酸配列又は配列番号2に示す塩基配列に基づいて、本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子を人工合成により取得することができる。遺伝子の人工合成は、例えば、インビトロジェン社等のサービスを利用することができる。また、カンジダ・ボンビコーラ等の微生物からクローニングによって取得することもでき、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W. Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)]記載の方法等により行うことができる。
配列番号1に示すアミノ酸配列又は配列番号2に示す塩基配列に変異を導入する場合、例えば、部位特異的な変異導入法が挙げられる。具体的な部位特異的変異の導入方法としては、Splicing overlap extension(SOE)PCR反応(Horton et al.,Gene 77,61−68,1989)を利用した方法、ODA法(Hashimoto-Gotoh et al.,Gene,152,271-276,1995))、Kunkel法(Kunkel,T. A.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1985,82,488)等が挙げられる。また、Site-Directed Mutagenesis System Mutan-SuperExpress Kmキット(タカラバイオ社)、Transformer TM Site-Directed Mutagenesisキット(Clonetech社)、KOD-Plus-Mutagenesis Kit(東洋紡社)等の市販のキットを利用することもできる。また、ランダムな遺伝子変異を与えた後、適当な方法により酵素活性の評価及び遺伝子解析を行うことにより目的遺伝子を取得することもできる。具体的には、ランダムにクローニングしたDNA断片を用いて相同組換えを起こさせる方法や、γ線等を照射することによりランダムな遺伝子の変異が可能である。
【0021】
3.形質転換体
本発明の形質転換体は、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下したものである。当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制されることにより、本発明の形質転換体は、形質転換前の宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下する。その結果、形質転換体内のアルコール代謝経路が阻害され、糖脂質合成の原料となるアルコールがアルコール代謝経路で消費されることなく糖脂質合成に有効利用されるため、糖脂質の生産性が向上すると推測される。
【0022】
本発明の形質転換体は、宿主中の前記アルコールオキシダーゼ遺伝子を、欠失、変異又は発現抑制することで得られる。
形質転換体の宿主としては、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有するものであればよい。糖脂質の生産性向上の観点から、宿主として好ましくは、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する微生物である。
当該微生物としては、取り扱い性の向上、糖脂質の生産性向上の観点から、酵母が好ましい。当該酵母としては、カンジダ(Candida)属に属する菌類、ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する菌類、ピチア(Pichia)属に属する菌類、ウィケルハミエラ(Wickerhamiella)属に属する菌類、又はスターメレラ(Starmerella)属に属する菌類等が挙げられる。
前記カンジダ(Candida)属に属する菌類としては、Candida bombicola(別名:Starmerella bombicola)、Candida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、又はCandida stellata等が挙げられる。
ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する菌類、ピチア(Pichia)属に属する菌類、ウィケルハミエラ(Wickerhamiella)属に属する菌類、又はスターメレラ(Starmerella)属に属する菌類としては、Rhodotorula bogoriensisPichia anomala PY1、又はWickerhamiella domericqiae等が挙げられる。
これらのなかでも、糖脂質の生産性向上の観点から、カンジダ(Candida)属に属する菌類が好ましく、Candida bombicolaCandida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、又はCandida stellataがより好ましく、Candida bombicolaがさらに好ましい。
なお、上記宿主微生物は、ATCC(American Type Culture Collection)、NBRC (Biological Resource Center, NITE)等の生物遺伝資源ストックセンター等から入手することができる。
【0023】
宿主ゲノムから本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子を欠失、変異又は発現抑制する方法としては、標的遺伝子の一部若しくは全部をゲノム中から除去する又は他の遺伝子と置き換える、当該遺伝子中に他のDNA断片を挿入する、当該遺伝子の転写・翻訳開始領域に変異を与える等の方法によって行うことができる。なかでも、本発明においては、本発明のアルコールオキシダーゼ遺伝子を宿主ゲノムから物理的に欠失させた形質転換体であることが好ましい。
【0024】
上記の欠失・変異・発現抑制方法は、相同組換えを用いて行うことができる。例えば、標的遺伝子の上流、下流領域を含むが標的遺伝子を含まない直鎖状のDNA断片をPCR等の方法によって構築し、これを宿主細胞内に取り込ませて宿主ゲノムの標的遺伝子上流側、下流側で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子を欠失あるいは他の遺伝子断片と置換させることができる。また、塩基置換や塩基挿入等の変異を導入した標的遺伝子をPCR等の方法によって構築し、これを宿主細胞内に取り込ませて宿主ゲノムの標的遺伝子内の変異箇所の外側の2ヶ所で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子の機能を低下又は消失させることができる。また、標的遺伝子の一部を含むDNA断片を適当なプラスミドベクターにクローニングして得られる環状の組換えプラスミドを宿主細胞内に取り込ませ、標的遺伝子の一部領域に於ける相同組換えによって宿主ゲノム上の標的遺伝子を分断して、その機能を低下又は消失させることができる。
このような相同組換えによる標的遺伝子の欠失・変異・発現抑制方法は、例えば、Besher et al., Methods in molecular biology 47,p.291-302, 1995等の文献を参考に行うことができる。
【0025】
宿主に相同組換え用のDNA断片やプラスミドを導入する方法については、電気パルス法、プロトプラスト法、酢酸リチウム法、及びそれらの改変法等、酵母の形質転換に通常用いられている方法が挙げられる。
例えば電気パルス法により行う場合、対数増殖期まで増殖させた宿主細胞と、相同組換え用のDNA断片やプラスミドとをソルビトール溶液等に懸濁して、電気パルスを加えればよい。相同組換え用のDNA断片やプラスミドと宿主細胞とを接触させる際に、サーモンスパームDNA等のキャリアDNAや、ポリエチレングリコール等を添加することにより、形質転換頻度を高めることも好ましい。電気パルスの条件は、タイムコンスタント値(電圧が最大値の約37%にまで減衰するまでの時間)が約10から20ミリ秒で、パルス後の生菌率が約10〜40%となる条件とすることが好ましい。電気パルスを加えた後、菌液をソルビトール溶液を含む培地にまいて形質転換体を選択する。
目的遺伝子が欠失した形質転換体の選択は、形質転換体からゲノムDNAを抽出して、目的遺伝子部位を含む領域を対象としてPCRを行う方法、又は目的遺伝子領域に結合するDNAプローブを用いたサザンブロッティング法、等により行うことができる。
【0026】
本発明の形質転換体では、宿主(すなわち形質転換前の状態)に比べて、アルコールオキシダーゼ活性が低下している。糖脂質の生産性向上の観点から、形質転換体のアルコールオキシダーゼ活性は、宿主のアルコールオキシダーゼ活性に対して、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。ここで、前記アルコールオキシダーゼ活性は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0027】
4.糖脂質の製造方法
本発明の糖脂質の製造方法は、上述した形質転換体を用いて行われ、下記(1)及び(2)の工程を含む。
(1)前記形質転換体をアルコール及び糖を含有する培地で培養する工程、及び
(2)得られた培養物から糖脂質を採取する工程
なお、本発明において形質転換体を培地で培養するとは、微生物や動植物あるいはその細胞・組織の培養はもちろん、植物体を土壌等で栽培することも含まれる。また、培養物には、培養・栽培等した培地及び形質転換体が含まれる。
【0028】
形質転換体を培養する培地は、糖脂質合成の原料としてアルコール及び糖を含有する。
前記アルコールは、得られた糖脂質を界面活性剤として用いる観点から、炭素原子数10以上22以下、より好ましくは炭素原子数12以上18以下、さらに好ましくは炭素原子数12以上14以下のアルコールであることが好ましい。また、前記アルコールは、同様の観点から、1級又は2級アルコールであることが好ましい。
好ましいアルコールの具体例としては、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−オレイルアルコール、1−イコサノール、1−ドコサノール等の1級直鎖飽和又は不飽和アルコール、2−デカノール、2−ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール等の2級飽和又は不飽和アルコール等が挙げられる。なかでも、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、2−ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノールが好ましく、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノールがより好ましく、1−テトラデカノールがさらに好ましい。
前記糖は、入手性及び取り扱い性の向上の観点から、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、デンプン加水分解物(水あめ)、セルロース加水分解物、又は廃糖蜜(モラセス)が好ましい。なかでも、得られた糖脂質を界面活性剤として用いる観点から、グルコース、マルトース、又は廃糖蜜がより好ましく、グルコースがさらに好ましい。
【0029】
アルコールと糖以外の培地成分は、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、宿主が微生物の場合、炭素源としてソルビトールやグリセリン等の糖アルコール類、クエン酸などの有機酸類等、窒素源として酵母エキス、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニア水、尿素、大豆タンパク質、麦芽エキス、アミノ酸、ペプトン、コーンスティーブリカー等、無機塩類としてマンガン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、鉄イオン、銅イオン、硫酸塩、リン酸塩等、ビタミン類としてビオチン、イノシトール等を用いることができる。
特に、宿主が酵母の場合には、窒素源として酵母エキス、塩化アンモニウム、尿素等、無機塩類として硫酸マグネシウム・7水和物、塩化ナトリウム、塩化カルシウム・2水和物、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2カリウム等を用いることが好ましい。場合によっては消泡剤などを添加してもよい。
【0030】
形質転換体の培養条件も、宿主の種類に応じて適宜好ましい培養条件を選択することができる。
例えば、宿主が微生物の場合には、培地のpHは2.5〜9.0程度に調節することが好ましい。pHの調整は、無機又は有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行えばよい。培養温度は15〜35℃程度が好ましく、25〜32℃程度がより好ましい。培養時間は6〜200時間程度が好ましく、24〜148時間程度がより好ましい。必要により通気や攪拌を加えてもよい。
特に、宿主が酵母の場合には、培地のpHは用いる酵母が生育し得る範囲、例えば、pH3.0〜8.0程度に調節することが好ましい。培養温度は15〜35℃程度が好ましく、28〜32℃程度がより好ましい。培養時間は48〜148時間程度が好ましく、振盪又は通気撹拌培養することが好ましい。
【0031】
形質転換体を培養し糖脂質を産生させた後、培養物(培養体や培養液等)から糖脂質を単離、精製等して回収する。
糖脂質を単離、回収する方法としては特に限定されず、通常微生物の培養上清から糖脂質成分を単離する際に用いられる方法により行うことができる。例えば、疎水やイオン交換樹脂による吸脱着、晶析による固液分離、膜処理等の方法を用いることができる。
【0032】
本発明の製造方法は、形質転換体の宿主、及び培地に含有させるアルコール及び糖の種類を適宜選択することにより、種々の糖脂質を製造することができる。本発明の方法により製造される糖脂質としては、アルキルグリコシド、ソホロース脂質、セロビオース脂質等が挙げられる。なかでも、界面活性剤として用いるのに適した、アルキルグリコシド(より好ましくはアルキルグルコシド又はアルキルソホロシド)又はソホロース脂質が好ましい。
本発明の製造方法により製造された糖脂質は、界面活性剤として洗剤、乳化剤、抗菌剤として香粧品等に用いることができる。
【0033】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のタンパク質、遺伝子、方法、形質転換体を開示する。
【0034】
<1> 下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上)の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
<2> 前記宿主が微生物である、<1>項記載の形質転換体。
<3> 前記微生物が酵母である、<2>項記載の形質転換体。
<4> 前記酵母が、カンジダ(Candida)属に属する菌類である、<3>項記載の形質転換体。
<5> 前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaCandida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、及びCandida stellataからなる群より選ばれる、<4>項記載の形質転換体。
<6> 前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaである、<5>項記載の形質転換体。
【0035】
<7>下記(1)及び(2)の工程を含む、糖脂質の製造方法。
(1)<1>〜<6>のいずれか1項に記載の形質転換体を、アルコール及び糖を含有する培地で培養する工程、及び
(2)得られた培養物から糖脂質を採取する工程
<8> 前記アルコールが、炭素原子数10以上(好ましくは12以上)22以下(好ましくは18以下、より好ましくは14以下)の1級又は2級アルコールである、<7>項記載の製造方法。
<9> 前記糖脂質が、アルキルグリコシド又はソホロース脂質である、<7>又は<8>記載の製造方法。
【0036】
<10> 前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子。
<11> 下記(d)〜(f)のいずれかのDNAからなる、<10>項記載の遺伝子。
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(e)配列番号2で表される塩基配列と50%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上)の同一性を有する塩基配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(f)配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
<12> 前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
[培地、培養条件]
カンジダ(Candida)属酵母の培養には、以下の培地を使用した。各培地は、121℃、20分のオートクレーブ後に混ぜ合わせて使用した。
また、前培養はφ24mm×200mm大型試験管(YPD培地5mL仕込み)にて30℃、250rpmで48時間振盪培養した種培養液を、φ24mm×200mm大型試験管(AG生産培地5mL仕込み)に2%(v/v)植菌し、30℃、250rpmで振盪培養した。

YPD培地: 1% (D)-グルコース、1% BactoTM Yeast Extract(日本BD社製)、1% BactoTM Tryptone(日本BD社製)
AG生産培地: 15% (D)-グルコース、0.41% クエン酸3ナトリウム(無水)、0.4% BactoTM Yeast Extract、0.154% 塩化アンモニウム、0.07% 硫酸マグネシウム・7水和物、0.05% 塩化ナトリウム、0.027% 塩化カルシウム・2水和物、0.1% リン酸2水素カリウム、0.012% リン酸水素2カリウム (1M HCLにてpH 5.8に調整)
最小培地: 0.68% Yeast nitrogen base without amino acids(日本BD社製)、2%(D)-グルコース
アルコール資化培地: 0.68% Yeast nitrogen base without amino acids(日本BD社製)、0.05% BactoTM Yeast Extract、2%炭素源
【0039】
[ゲノムDNA抽出]
カンジダ・ボンビコーラのゲノムDNAは、φ24mm×200mm大型試験管(YPD培地、5mL仕込み)にて30℃、250rpmにて48時間振盪培養した培養液を、4℃、15000rpmにて1分遠心分離し集めた菌体から、Genとるくん(酵母用)High Recovery(タカラバイオ社製)によって抽出した。
[PCR]
PCR反応にはPrimeStar Max DNA Polymelase(タカラバイオ社製)を用い、添付のプロトコールに従い操作した。
【0040】
実施例
1.カンジダ・ボンビコーラ(Candida bombicola)のEST解析
NBRC (Biological Resource Center, NITE)から入手した、カンジダ・ボンビコーラ NBRC10243株を、50g/L YPD Broth(日本BD社製)5mL入り100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpm、48時間培養した。得られた前培養液をSL培地(10% (D)-グルコース、10% パルミチン酸エチル(東京化成工業社製)、1% 尿素、0.5% BactoTM Yeast Extract(日本BD社製)、塩酸にてpH5.0となるよう調整)5mLに、2%植菌した。培養器は100mL試験管を用い、30℃、250rpmで培養した。cDNAを作成するRNA源として、培養48時間の培養菌体を用いた。
RNAの抽出は、サンプリング後の菌体よりRNeasy Mini Kit(キアゲン社製)を用い、方法は添付のプロトコールを1部改変した。1mL Buffer Y1を添加し30℃で30分振とうする際に、バッファーにザイモリエイス-20Tを100U/mLとなるよう添加し、細胞壁を溶解させた。得られたRNAよりSMARTer cDNA synthesis kit(Clontech社製)を用いて、完全長cDNAライブラリを合成した。EST解析は株式会社ジナリスに委託し、cDNA配列情報、およびアノテーションデータを得た。
得られたDNA配列をもとに、アルコールオキシダーゼのホモログを探索した。既知のアルコールオキシダーゼと相同性の高い配列は認められなかったが、Candida tropicalis由来AOX 2(Genbank:AAS46880.1)とアミノ酸配列として35% Identityと弱い相同性を示す配列が発見された。この塩基配列を配列番号2に示し、この塩基配列からなる遺伝子を900c 0002遺伝子と名づけた。また、当該遺伝子がコードするアミノ酸配列を、配列番号1に示した。
次に、カンジダ・ボンビコーラ KSM36株(FERM−BP 799)から、900c 0002遺伝子を探索した。その結果、KSM36株も、配列番号1の塩基配列と全く同じ配列の遺伝子を有していることがわかった。
【0041】
2.900c 0002遺伝子の欠失
(1)カンジダ・ボンビコーラ ウラシル遺伝子変異株の取得
I. V. Bogaertら, Yeast(2008),25,p.273−278.に記載の手法により、カンジダ・ボンビコーラ KSM36株より、ウラシル要求性株を選抜した。さらに、ウラシル要求性株の中から、ura3遺伝子領域に変異が挿入された株を選抜し、KSMΔura3株とした。
次いで、KSM36株、NBRC10243株、KSMΔura3株のura3遺伝子領域の配列を解析したところ、KSM36株のura3遺伝子配列は、NBRC10243株のura3遺伝子配列(GenBank Accession No. DQ916828)と同一であった。一方、KSMΔura3株では、一塩基変異により、54位のシステイン(Cys)がチロシン(Tyr)に変化していた(図1)。
KSMΔura3株は最小培地では生育できず、5-フルオロオロチン酸添加YPD培地、及びウラシル添加最小培地にて生育可能であった。また、KSMΔura3株に、NBRC10243株由来の野生型ura3遺伝子を、上記IAN Van Bogaertらの手法にて導入したところ、最小培地にて生育可能となった。また、本菌株は、培地にウラシルを添加した場合、ソホロリピッド生産能は親株であるKSM36株と同等であった。
【0042】
(2)900c 0002遺伝子欠失用プラスミドの構築
900c 0002遺伝子欠失用プラスミドpUC-ΔAOXを、下記の手法で構築した。
pUC-ΔAOXは、900c 0002遺伝子の上流約1000bp、及び下流約1000bpの領域と相補する配列を有し、当該領域間にura3遺伝子が挿入されるよう設計した。
カンジダ・ボンビコーラ KSM36株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、PCRプライマーとしてAOX1 US in F1(5’-AGCTTGCATGCCTGCTTTAAATCCAGAAAGAACTG-3’)(配列番号3)及びAOX1 US-ura R(5’-CGAAAAATATGTACTGATAACTGCGTCAGTCATTG-3’)(配列番号4)、Pura3 F(5’-AGTACATATTTTTCGAAACAGCTCGCAA-3’)(配列番号5)及びura3 R(5’-CTAAGAAACTCATCTTGACTGAACTTTTC-3’)(配列番号6)、ura-AOX1 LS F(5’-AGATGAGTTTCTTAGAAGCCTTATATCGAATACAC-3’)(配列番号7)、AOX1 LS in R1(5’-ATTCGAGCTCGGTACGACACTTCTCAGGAACCCTC-3’)(配列番号8)を用い、900c 0002遺伝子の上流約1000bpの領域、ura3遺伝子、900c 0002遺伝子の下流約1000bpの領域のDNA断片を増幅した。
次に、プラスミドpUC118を鋳型とし、PCRプライマーpUC in F2(5’-GTACCGAGCTCGAATTCGT-3’)(配列番号9)及びpUC in R2(5’-GCAGGCATGCAAGCTTGGC-3’)(配列番号10)を用いてプラスミド領域を増幅し、これをInfusion HD Cloning Kit(Clontech社製)を用いて、上記のDNA断片と結合した。得られたプラスミドを、大腸菌DH5αに導入し、100ppmのアンピシリンナトリウム塩を含むLB寒天培地上にて培養し、生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体からプラスミドを抽出して、目的の900c 0002遺伝子欠失用プラスミドpUC-ΔAOXを得た。
【0043】
(3)カンジダ・ボンビコーラ 900c 0002遺伝子欠失株の構築
M. D. DE. Backerら, Yeast(1999), 15,p.1609−1618.の手法に従い、pUC-ΔAOXを用いてKSMΔura3株を形質転換した。具体的には、KSMΔura3株を300ppmのウラシルを添加したYPD培地5mLに植菌し、30℃、250rpm、48時間前培養した。培養液0.5mLを300ppmのウラシルを添加したYPD培地50mLに接種し、30℃、120rpmで約6時間培養した。生育した菌体を集菌した後、氷冷した滅菌水20mLで菌体を2回洗浄した。菌体を、氷冷した1mLの1M ソルビトール溶液に懸濁し、5000rpmで5分間遠心し、上清を捨てた後、400μLの1M ソルビトールを加えて懸濁した。菌体懸濁液を50μLずつ分注し、pUC-ΔAOXを2.5μg加えた。菌体懸濁液を、BIO-RAD GENE PULSER II(バイオラッド社製)を用いてエレクトロポレーションした後、1M ソルビトールを含む最小培地にまいて、30℃で1週間培養した。
得られた形質転換体から、PCR法により、900c 0002遺伝子の上流及び下流領域での二重交叉による相同組換えが生じた株を選抜した。得られた形質転換体よりゲノムDNAを抽出し、プライマーAOX1 US in F1(5’-AGCTTGCATGCCTGCTTTAAATCCAGAAAGAACTG-3’)(配列番号3)及びAOX1 LS in R1(5’-ATTCGAGCTCGGTACGACACTTCTCAGGAACCCTC-3’)(配列番号8)を用いてPCRを行った。この結果、得られた形質転換体あたり70%の確率で二重交叉による相同組換え株が得られ、これをKSMΔAOX株とした。
【0044】
(4)カンジダ・ボンビコーラ ウラシル遺伝子導入株の構築
900c 0002遺伝子欠失株の対照菌株として、KSMΔura株に、900c 0002遺伝子が欠失しないように、野生型ura3遺伝子をKSMΔura株の変異ura3領域に導入した株を作製した。
カンジダ・ボンビコーラ KSM36株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、プライマーPura3 F(5’-AGTACATATTTTTCGAAACAGCTCGCAA-3’)(配列番号5)、及びura3 R2(5’-TTCATCATCGTCACTATA-3’)(配列番号11)を用いて、PCR法にてura3領域のDNA断片を増幅した。得られたDNA断片を、Mighty Cloning Reagent Set Blunt End(タカラバイオ社製)を用いて、pUC118DNA HincII/BAP(タカラバイオ社製)へ挿入し、プラスミドpUC-ura3を得た。
プラスミドpUC-ura3を用い、上記(3)と同様の手法にてKSMΔura株に導入した。得られた形質転換体よりゲノムDNAを抽出し、プラスミド領域に設計したプライマーpUC seq 1(5’-GGCGAAAGGGGGATGTGC-3’)(配列番号12)及びpUC seq 2(5’-GCACCCCAGGCTTTACAC-3’)(配列番号13)を用いて、PCRによる組換えの確認を行った。この結果、得られた形質転換体あたり11%の確率で二重交叉による相同組換え株が得られ、これをKSMΔura-ura株とした。
【0045】
3.KSMΔAOX株のアルコール資化能
カンジダ・ボンビコーラ KSMΔura-ura株、及びKSMΔAOX株を、YPD培地にて30℃、250rpm、48時間、前培養した。前培養液を、炭素源として(D)-グルコース、1-テトラデカノール、1-ヘキサデカノール、及び2-テトラデカノールのいずれかを含むアルコール資化培地、又は炭素源を含有しない培地にそれぞれ0.01%植菌し、30℃、250rpmにて培養し、生菌数を測定した。培養時間と生菌数との関係を図2に示す。図2において、glcは(D)-グルコースを、C14olは1-テトラデカノールを、C16olは1-ヘキサデカノールを、2-C14olは2-テトラデカノールを、それぞれ炭素源として用いたことを示す。
【0046】
図2から明らかなように、KSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株ともに、炭素源を含有しない培地では生育せず、グルコース添加培地では生育した。これは、KSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株の双方が、炭素源としてグルコースを利用できることを表す。
炭素源としてアルコールを用いた場合、KSMΔura-ura株では1-テトラデカノール、1-ヘキサデカノール、又は2-テトラデカノール含有培地で生育した。一方、KSMΔAOX株では1-テトラデカノール、1-ヘキサデカノール、及び2-テトラデカノールのいずれの含有培地でも生育しなかった。
これらの結果から、KSMΔura-ura株はアルコールをアルデヒドに酸化して炭素源として利用することができるが、KSMΔAOX株はアルコールを炭素源として利用できず、アルコール資化能が消失していることがわかった。
【0047】
4.アルコールオキシダーゼ活性の測定
カンジダ・ボンビコーラ KSMΔura-ura株、及びKSMΔAOX株を、YPD培地にて30℃、250rpm、48時間、前培養した。前培養液を、炭素源として(D)-グルコース、及び1-ヘキサデカノールを10g/Lずつ添加したアルコール資化培地に1%植菌し、30℃、250rpmにて48時間培養した。培養後の菌体からミクロソーム膜タンパク質画分を調製し、アルコールオキシダーゼ活性(AOX活性)を測定した。なお、微生物のアルコールオキシダーゼは膜タンパク質画分に局在することが知られている。
【0048】
ミクロソーム膜タンパク質画分の調製、及びアルコールオキシダーゼ活性の測定は、G. D. Kempら,Appl. Microbiol. Biotechnol. (1988), 29,p.370-374記載の方法に従い行った。
[ミクロソーム膜タンパク質画分の調製]
培養後の菌体20mLを、8000rpm、4℃にて10min遠心して集菌した後、菌体を10mLの生理食塩水で2回洗浄した。菌体を1/15M リン酸バッファー(pH7.4) 500μLを加え懸濁し、マルチビーズショッカー(安井器械製)、及び媒体に0.5mmグラスビーズを用いて破砕した。500μLの1/15M リン酸バッファー(pH7.4)を添加、混合し、破砕液を4℃、3000gで5分遠心し、破砕されなかった菌体を除去した。上清を4℃、20000gで60分遠心し、ミトコンドリアとペルオキシソーム画分を除去した。残った上清を回収し、4℃、100000gで90分遠心し、沈殿を回収し200μLの1/15M リン酸バッファー(pH7.4)を添加し懸濁した。この懸濁液を、ミクロソーム膜タンパク質画分として、以下のアルコールオキシダーゼ活性の測定に用いた。
【0049】
[アルコールオキシダーゼ活性の測定]
0.1M リン酸バッファー(pH7.4) 100μL、2.8g/L 2,2’-azino-di [3-ethylbenzothiazoline-(6)-sulfonic acid](ABTS)溶液 50μL、horseradish peroxidase 47units/mL溶液 30μL、及びミクロソーム膜タンパク質画分 10μLを混合し、30℃で5分インキュベートした。その後、5mM 1-ドデカノール DMSO溶液 10μLを添加し、0分、及び5分後の405nmにおける吸光度を測定した。アルコールオキシダーゼは、1μmolのアルコールを酸化し、2μmolのラジカルカチオンを産生する。1mMのラジカルカチオン型ABTSは405nmで18.4の吸光度を示すが、これは0.5mMの酸化された基質と同義である。そこで、1分間に0.0368の吸光度変化を、アルコールオキシダーゼ活性の1Uと定義した。
ミクロソーム膜タンパク質1gあたりのアルコールオキシダーゼ活性を図3に示す。
【0050】
図3から明らかなように、900c 0002遺伝子が欠失したKSMΔAOX株は、KSMΔura-ura株と比べて、アルコールオキシダーゼ活性が大幅に低下した。この結果から、上記1.で単離された900c 0002遺伝子は、長鎖アルコールに作用する新規アルコールオキシダーゼ遺伝子であると考えられる。
【0051】
5.900c 0002遺伝子の異種発現による酵素活性の確認
カンジダ・ボンビコーラ KSM36株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、プライマーAOX F(5’-gaaggagatatacatatgactgacgcagttatcctc-3’)(配列番号14)、及びAOX R(5’-agtgcggccgcaagctagcttagtttgaagcttag-3’)(配列番号15)を用いて、PCR法にて、900c 00002遺伝子のDNA断片を増幅した。また、プラスミドpET21a(Novagen社製)を鋳型とし、プライマーpET21 F(5’-gcttgcggccgcactcgag-3’)(配列番号16)、及びpET21 R(5’-atgtatatctccttcttaaag-3’)(配列番号17)を用いて、PCR法にてDNA断片を増幅した。得られた二つのDNA断片をIn-Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ社製)を用いて融合し、プラスミドpET-AOXを得た。
プラスミドpET-AOXを、大腸菌BL21(DE3)(フナコシ社製)に導入し、BL21(DE3)-pET-AOX株を得た。また、対照菌株として、プラスミドpET21aを大腸菌BL21(DE3)に導入したBL21(DE3)-pET株を作成した。
これらの組み換え株を、100ppmのアンピシリンナトリウム塩を含有したLB培地(和光純薬工業社製)で37℃、250rpmで12時間培養した後、100ppmのアンピシリンナトリウム塩を含有したLB培地に1%植菌し、37℃、250rpmで2.5時間培養した。続いて、終濃度が0.1mMとなるよう1M IPTG溶液を添加し、25℃、250rpmで16時間培養した。培養後の菌体5mLを、15000rpm、4℃にて2min遠心して集菌した後、菌体を1mLの生理食塩水で2回洗浄した。菌体に、1/15M リン酸バッファー(pH7.4) 500μLを加えて懸濁し、マルチビーズショッカー(安井器械社製)、及び0.1mmグラスビーズを用いて破砕した。破砕液を4℃、15000rpmで5分遠心し、破砕されなかった菌体を除去した。残った上清を回収し、タンパク質濃度解析、SDSポリアクリルアミド電気泳動解析(SDS-PAGE)とアルコールオキシダーゼ活性の測定を行った。
【0052】
タンパク質濃度解析はバイオラッドプロテインアッセイキット(バイオラッド社製)、及び標準物質として牛血清アルブミン(バイオラッド社製)を用い、SDS-PAGEは、ミニプロティアンTGXゲルAnykD(バイオラッド社製)を用い、ミニプロティアン3 レディーゲルセル(バイオラッド社製)にて行った。サンプルはLaemmliサンプルバッファー(バイオラッド社製)を用いて3倍に希釈し、100℃で5分間保持して熱変性させた後、ゲルに供した。プレミックスバッファー(10×トリス/グリシン/SDS(バイオラッド社製))を脱イオン水で10倍に希釈し泳動液とし、ゲル1枚あたり200Vの定電圧で約30分泳動した。泳動後のゲルをBio-Safe CBB G-250ステイン(バイオラッド社製)にて染色した。
電気泳動の結果を図4に示す。図4において、レーン1は対照菌株であるBL21(DE3)-pET株を、レーン2は900c 0002遺伝子を導入したBL21(DE3)-pET-AOX株を、それぞれ示す。
アルコールオキシダーゼ活性の測定は、前記4.と同様に行った。なお、活性測定の基質として1−ドデカノールを用いた。結果を図5に示す。
【0053】
図4から明らかなように、900c 0002遺伝子を導入したBL21(DE3)-pET-AOX株では、75kDaの位置にバンドが検出され、900c 0002遺伝子の発現が確認された。一方、900c 0002遺伝子を導入していないBL21(DE3)-pET株では、当該位置にバンドは確認されなかった。
また、図5から、900c 0002遺伝子を導入、発現したBL21(DE3)-pET-AOX株では、アルコールオキシダーゼ活性が確認された。一方、BL21(DE3)-pET株では、アルコールオキシダーゼ活性が確認されなかった。
これらの結果から、上記1.で単離された900c 0002遺伝子は、長鎖アルコールに作用する新規アルコールオキシダーゼ遺伝子であると考えられる。
【0054】
6.KSMΔAOX株の糖脂質生産性
KSMΔura-ura株、及びKSMΔAOX株を、YPD培地にて、30℃、250rpmで48時間前培養した。前培養液を、AG生産培地30mL仕込み500mL坂口フラスコに2%植菌し、30℃、120rpmにて48時間培養した後、基質として1-テトラデカノールを10g/Lとなるよう添加した。
基質添加から72時間培養後の培養液を、下記のLC-MS分析及びGC分析に供した。
【0055】
[LC-MS分析]
装置はUFLC 20A-LCMS 2020(島津製作所社製)を用い、カラムとしてL-column ODS 4.6 x 150mm, 5μm(化学物質評価研究機構)を用いた。溶離液Aに0.01M 酢酸アンモニウム水溶液、溶離液Bに0.01M酢酸アンモニウムメタノール溶液を用い、流量1mL/分、カラムオーブン温度40℃、50%(5分)→20%/min→90%→95%(5分)→100%(30分)のタイムプログラムにて行った。検出はネガティブイオンモードにて行った。
【0056】
LC-MS分析の結果、KSMΔura-ura株ではドデシルマルトシドと近い移動度のピーク(10.06分)は認められなかった。一方、KSMΔAOX株では、ドデシルマルトシドと近い移動度(10.06分)にピークが確認され、ネガティブモードで10.068分のピークは分子量579.5[M-H]、11.275分のピークは分子量621.5[M-H]であった。
これらのピークは、アセチルテトラデシルマルトシドの分子量が580.3、2アセチルテトラデシルマルトシドの分子量が622.5であること、及びS. Fleurackersら、Eur. J. Lipid Sci. Technol. (2010),112,p.655−662から判断して、10.068分のピークが下記構造式1に示すアセチルテトラデシルソホロシド(1-O-tetradecyl-(2’-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside)6’acetate)、11.275分のピークが下記構造式2に示すアセチルテトラデシルソホロシド(1-O-tetradecyl-(2’-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside)6’,6’’diacetate)であると考えられる。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【0059】
[GC分析]
培養液5mLより内部標準として1-オクタデカノールを0.05%添加した1-ブタノール2.5mLにて2回抽出を行った。次に、遠心エヴァポレーターにて乾固し、1M NaOH水溶液を添加し、100℃で4時間処理した。続いて、1-ブタノール2.5mLにて2回抽出を行った後、遠心エヴァポレーターにて乾固し、トリメチルシリル(TMS)化試薬を用いて誘導体化した。TMS化したサンプルを以下のGC-FID法にて解析し、糖脂質生産量、及び残存基質量を得た。
GCは、装置として7890A(アジレント・テクノロジー社製)、カラムとしてDB-1 ms 25m×0.20mm×330μm(J&W scientific社製)、移動相に高純度ヘリウムを用い、流量1mL/min、昇温プログラム100℃(1分)→10℃/分→300℃(10分)にて行った。標準物質としてn−ドデシルマルトシド(CALBIOCHEM社製)を用い、18分から19.5分に検出されるアルキルグルコシド由来のピークを積算し、アルキルグルコシド量として算出した。
GC分析の結果を図6に示す。なお、図6において、1-C14olは1-テトラデカノール、ISは内部標準として用いた1-オクタデカノール、AGはアルキルグルコシドのピークをそれぞれ示す。
【0060】
GC分析の結果、KSMΔura-ura株ではドデシルマルトシドと近い移動度のピーク(18.509分)は認められなかった。一方、KSMΔAOX株では、19.063分に新規ピークの出現が認められた。本ピークはドデシルマルトシド換算で、3.7g/Lの生産性であった。
この結果から、KSMΔura-ura株では、アルコール及び糖を基質として加えてもアルキルグルコシドはほとんど産生しないが、KSMΔAOX株はアルコール及び糖からアルキルグルコシドを産生することがわかった。
【0061】
以上の結果から、KSMΔAOX株は、グルコース及び1-テトラデカノールを基質として、アルキルグルコシド及びテトラデシルソホロシド等の糖脂質を高収率で生産できることがわかった。
図1
図2
図3
図5
図4
図6
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]