特許第6053150号(P6053150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6053150-光照射装置および照射方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053150
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】光照射装置および照射方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/12 20060101AFI20161219BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20161219BHJP
   C09J 7/02 20060101ALN20161219BHJP
   B29C 65/48 20060101ALN20161219BHJP
【FI】
   B01J19/12 C
   H01L21/68 N
   !C09J7/02 Z
   !B29C65/48
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-53800(P2013-53800)
(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2014-176831(P2014-176831A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−030157(JP,A)
【文献】 特開2002−170866(JP,A)
【文献】 特開2012−206266(JP,A)
【文献】 特開2004−061577(JP,A)
【文献】 特開2012−178471(JP,A)
【文献】 特開2004−064040(JP,A)
【文献】 特表2013−504178(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0312468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/12
H01L 21/683
C23C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射装置であって、
前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成可能な密閉空間形成手段と、
接着剤層に前記光を照射する発光手段とを備え、
前記密閉空間に供給するまたは前記密閉空間から排出する気体および液体のうち少なくとも1つの量を制御して前記密閉空間の体積を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決め可能な位置決め手段を有することを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射装置であって、
前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成可能な密閉空間形成手段と、
接着剤層に前記光を照射する発光手段とを備え、
前記密閉空間の温度を制御して前記密閉空間の圧力を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決め可能な位置決め手段を有することを特徴とする光照射装置。
【請求項3】
光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射方法であって、
前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成する工程と、
前記密閉空間に供給するまたは前記密閉空間から排出する気体および液体のうち少なくとも1つの量を制御して前記密閉空間の体積を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決めする工程と、
前記位置決めされた接着剤層に前記光を照射する工程とを備えることを特徴とする光照射方法。
【請求項4】
光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射方法であって、
前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成する工程と、
前記密閉空間の温度を制御して前記密閉空間の圧力を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決めする工程と、
前記位置決めされた接着剤層に前記光を照射する工程とを備えることを特徴とする光照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射装置および照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ(以下、単にウェハという場合がある)等の被着体に光硬化型フィルムが貼付された一体物に紫外線等の光を照射する光照射装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光照射装置では、石英ガラスとの間に空間が形成されるように一体物を支持した後、空間内部に不活性ガスを充填し、マウントシートを蓋部材に当接させて光の焦点がずれることを防止しつつ、接着剤層に光を照射するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−206266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の光照射装置では、不活性ガスを充填してマウントシートを蓋部材に当接させたときに、被着体に衝撃が加わり、当該被着体にストレスを与えたり破損させてしまったりするという不都合を発祥する。
【0005】
本発明は、被着体に衝撃を与えることなく接着剤層に光を適切に照射できる光照射装置および照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の光照射装置は、光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射装置であって、前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成可能な密閉空間形成手段と、接着剤層に前記光を照射する発光手段とを備え、前記密閉空間に供給するまたは前記密閉空間から排出する気体および液体のうち少なくとも1つの量を制御して前記密閉空間の体積を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決め可能な位置決め手段を有する、という構成を採用している。
また、本発明の他の光照射装置は、光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射装置であって、前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成可能な密閉空間形成手段と、接着剤層に前記光を照射する発光手段とを備え、前記密閉空間の温度を制御して前記密閉空間の圧力を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決め可能な位置決め手段を有する、という構成を採用している。
【0008】
一方、本発明の光照射方法は、光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射方法であって、前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成する工程と、前記密閉空間に供給するまたは前記密閉空間から排出する気体および液体のうち少なくとも1つの量を制御して前記密閉空間の体積を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決めする工程と、前記位置決めされた接着剤層に前記光を照射する工程とを備える、という構成を採用している。
また、本発明の他の光照射方法は、光反応型の接着剤層を有し被着体の外縁からはみ出す大きさの接着シートに当該被着体が貼付された一体物を照射対象とし、前記接着剤層に光を照射して光反応を起こさせる光照射方法であって、前記被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して前記一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成する工程と、前記密閉空間の温度を制御して前記密閉空間の圧力を変化させ、前記被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体と接触することなく前記接着剤層を所定の位置に位置決めする工程と、前記位置決めされた接着剤層に前記光を照射する工程とを備える、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、密閉空間の圧力および温度の少なくとも一方を制御して、被着体および当該被着体に対応する接着シート部分が他の物体に接触することなく接着剤層を所定の位置に位置決めするため、被着体に衝撃を与えることなく接着剤層に光を適切に照射することができる。
【0010】
この際、発光手段が形成したライン光の焦点位置に位置決め手段が接着剤層を位置決めするようにすれば、被照射体全体に一括で光を照射するものと比べて、発光源を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る光照射装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、手前、奥方向が紙面に直交する方向とする。
【0013】
図1において、光照射装置1は、基材シートBSの一方の面に光反応型の接着剤層ADを有し、被着体としてのウェハWFの外縁からはみ出す大きさの接着シートASに当該ウェハWFが貼付された一体物WKを照射対象とし、接着剤層ADに光を照射して光反応(本実施形態の場合、光によって硬化する反応)を起こさせる装置であって、一体物WKの外縁からはみ出た接着シート領域を介して一体物WKを支持するとともに、当該接着シートASを含んで第1密閉空間SP1を形成可能な密閉空間形成手段2と、接着剤層ADに光を発光する発光手段3と、密閉空間形成手段2で支持された一体物WKの接着剤層ADの位置を検出可能な検出手段4と、第1密閉空間SP1の圧力を制御して、ウェハWFおよび当該ウェハWFに対応する接着シートAS部分が他の物体と接触することなく接着剤層ADを所定の位置に位置決め可能な位置決め手段5とを備えている。
接着剤層ADは、光硬化型(紫外線硬化型)の接着剤で構成され、所定波長(例えば、λ=365nm)の光が照射されることによって硬化するように設計され、接着剤層ADが硬化することでその接着力が低下してウェハWFから剥離しやすくなっている。また、一体物WKは、接着シートASを介してリングフレームRFと一体化されている。
【0014】
密閉空間形成手段2は、駆動機器としての直動モータ21の出力軸22に支持された下部開口型の上ケース23と、一体物WKを下方から支持する円環状のリブ24を備えた上部開口型の下ケース25と、上ケース23の内側上面端部に支持された付勢手段としての複数のコイルばね26と、コイルばね26の下端に支持され、リングフレームRFを上方から押さえ付ける円環状の上押さえ部材27とを備え、下ケース25と接着シートASを含む一体物WKとにより外気から遮断された第1密閉空間SP1が形成される。
【0015】
発光手段3は、上部開口型のケース31の内部に配置された複数の光源32と、複数の光源32から発光された光を集光させて当該光源32から所定距離離れた位置に紙面手前奥方向に線状のライン光LLを形成する集光手段としてのレンズ33と、ケース31をそのスライダ34で支持し、接着シートASと光源32とを相対移動させる移動手段であって駆動機器としてのリニアモータ35とを備えている。なお、光源32は、接着剤層ADが硬化するように、所定波長(例えば、λ=365nm)の光が照射可能に設けられている。
【0016】
検出手段4は、複数の光学センサや撮像手段等で構成され、上ケース23の内側上面に左右方向ならびに手前奥方向に整列配置されている。
【0017】
位置決め手段5は、図1中符号AAに示すように、発光手段3で形成されたライン光LLの焦点位置に接着剤層ADを位置決めするものであり、下ケース25の側壁25Aを貫通して第1密閉空間SP1に連通する配管53を介して接続された加圧調整手段51を備え、配管53の途中に圧力検知手段52が配置されて第1密閉空間SP1の圧力を検出できるようになっている。加圧調整手段51は、加圧ポンプやタービン等の加圧手段と減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段とを備えている。
【0018】
以上のような光照射装置1の動作としては、図1中二点鎖線で示すように、上ケース23が上方に位置している状態で、人手または図示しない搬送手段等によって、一体物WKのリングフレームRF部分がリブ24上に位置するように載置されると、密閉空間形成手段2が直動モータ21を駆動し、上ケース23の下面が下ケース25の上面に密着するように当該上ケース23を下降させる。この下降により、リングフレームRFが上押さえ部材27に押圧され、一体物WKの上下方向への移動が規制されるとともに、第1密閉空間SP1が形成される。このとき、接着シートASおよびウェハWFは、図1中二点鎖線で示すように、それらの自重で下方に撓んだ状態となっている。
【0019】
次に、位置決め手段5が加圧調整手段51を駆動し、第1密閉空間SP1に気体GNを供給して第1密閉空間SP1の圧力を上昇させ、図1中実線で示すように、一体物WKの接着シートASおよびウェハWFを持ち上げる。このとき、検出手段4がウェハWFの位置を検出することで接着剤層ADの位置を検出し、この検出データを基に位置決め手段5が加圧調整手段51(加圧手段および減圧手段)を駆動し、第1密閉空間SP1の圧力を上昇または下降させて接着剤層ADの位置がライン光LLの焦点位置と一致するように制御する。これにより、接着剤層ADをライン光LLの焦点位置に確実に位置決めできる。
なお、圧力検知手段52が検知する第1密閉空間SP1の圧力が設定値となったときに、接着剤層ADの位置がライン光LLの焦点位置と一致したと見なすように、構成してもよい。
【0020】
次いで、発光手段3が光源32を発光し、ライン光LLを形成するとともに、リニアモータ35を駆動し、スライダ34を図1中実線で示す位置から同図二点鎖線で示す位置に移動させてウェハWFに接着している接着剤層ADを硬化させる。接着剤層ADへのライン光LLの照射が終了すると、発光手段3が光源32を消灯し、リニアモータ35を駆動し、スライダ34を図1中実線で示す位置に復帰させる。その後、位置決め手段5が加圧調整手段51を駆動し、第1密閉空間SP1の気体GNを排出して第1密閉空間SP1の圧力を大気圧に戻した後、密閉空間形成手段2が直動モータ21を駆動し、上ケース23を図1中二点鎖線で示す上方に移動させる。そして、接着剤層ADが硬化され当該接着剤層ADの接着力が低下された一体物WKは、図示しない搬送手段等によって次工程へ搬送され、以降上述と同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、第1密閉空間SP1の圧力を制御して、ウェハWFおよび当該ウェハWFに対応する接着シートAS部分が他の物体に接触することなく接着剤層ADを所定の位置に位置決めするため、被着体に衝撃を与えることなく接着剤層ADに光を適切に照射することができる。
【0022】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0023】
例えば、上ケース23と接着シートASを含む一体物WKとにより外気から遮断された第2密閉空間SP2が形成される構成とし、位置決め手段5が図1中二点鎖線で示すように、上ケース23の上壁23Aを貫通し、当該第2密閉空間SP2に連通する配管56Aを介して接続された減圧調整手段54Aと、配管56Aの途中に配置された圧力検知手段55Aとを有していてもよい。なお、減圧調整手段54Aは、加圧ポンプやタービン等の加圧手段と減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段を備えている。このような構成の場合、前記実施形態と同様に、接着シートASおよびウェハWFがそれらの自重で下方に撓んだ状態において、位置決め手段5が減圧調整手段54Aを駆動し、第2密閉空間SP2の気体を排出して第2密閉空間SP2の圧力を低下させ、図1中実線で示すように、一体物WKの接着シートASおよびウェハWFを持ち上げることができる。このとき、検出手段4の検出データを基に、前記実施形態と同様にして位置決め手段5が減圧調整手段54Aを駆動し、接着剤層ADの位置がライン光LLの焦点位置と一致するように制御が行われる。なお、この場合も、圧力検知手段55Aが検知する第2密閉空間SP2の圧力が設定値となったときに、接着剤層ADの位置がライン光LLの焦点位置と一致したと見なすように、構成してもよい。
このような構成にすれば、加圧調整手段51または減圧調整手段54Aのみで接着シートASおよびウェハWFを持ち上げる構成と比べて、加圧調整手段51または減圧調整手段54Aの負荷を低減できる。その上、光照射装置1を図1の状態から90度回転させた状態(ウェハWFの面が上下方向となる状態)や180度回転させた状態(前記実施形態のウェハWFが上下反転した状態)ででも前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0024】
また、第1密閉空間SP1および第2密閉空間SP2の少なくとも一方を加熱または冷却させることで、第1、第2密閉空間SP1、SP2の温度を制御して、ウェハWFおよび当該ウェハWFに対応する接着シートAS部分が他の物体と接触することなく接着剤層ADを所定の位置に位置決め可能な温度調整型の位置決め手段を設けてもよい。温度調整型の位置決め手段は、コイルヒータやヒートポンプ等の加熱手段、ペルチェ素子やヒートポンプ等の冷却手段を備え、第1、第2密閉空間SP1、SP2内を加熱することでそれらの体積を増大させることができ、冷却することでそれらの体積を減少させることができる。このような温度調整型の位置決め手段は、前記実施形態で示した圧力を制御する位置決め手段5に代えて採用してもよいし、位置決め手段5と併用して採用してもよい。
さらに、図1中二点鎖線で示すように、上ケース23の内側上面にウェハWFに対応していない接着シート部分に当接可能に設けられ、接着剤層ADを所定の位置に位置決めするときの位置決め補助部材としての複数のピン61を設けてもよい。このような位置決め補助部材は、複数でも単数でもよく、180度間隔で2ヶ所に設けたり、45度間隔で8ヶ所に設けたり、ピン61以外に、円環状の丸棒や板1枚で構成したり、複数の部材で円環状となる円弧形状物等で構成してもよい。なお、位置決め補助部材は、ライン光LLの焦点の位置や、接着シートASの厚みの変化による接着剤層の位置の変化に対応できるように、例えば駆動機器からなる位置調整手段を備えることができる。
また、減圧調整手段54Aを設ける場合には、加圧調整手段51を設けなくてもよく、この場合、第1密閉空間SP1は外気から遮断されない空間であってもよい。
さらに、加圧調整手段51や減圧調整手段54Aが第1、第2密閉空間SP1、SP2に供給したり排出したりするものは、大気、混合ガス、単体ガス等の気体や、液体、ジェル状のものでもよい。
さらに、リングフレームRFと一体化されていない一体物WKの接着シート領域を密閉空間形成手段2が支持するようにしてもよい。
また、付勢手段は、ゴムや樹脂等の弾性部材や駆動機器で構成してもよい。
【0025】
さらに、発光手段3は、照射対象の形状に応じた広さを有する発光源を採用し、当該発光源を移動させることなく接着剤層ADに一括で光を照射可能なものでもよい。
また、光源32は、接着剤層ADが硬化する波長に合わせて光源32が発光する光の波長を適宜変更でき、例えば、400nmの光で光硬化する接着剤層ADが採用された場合、光源32は、400nmの光を発光できればよい。
さらに、光源32は、接着剤層ADが硬化する波長の光だけを照射できるものであってもよいし、接着剤層ADが硬化する波長を含む光を照射できるものであってもよい。
また、光源32は、LED(発光ダイオード、Light Emitting Diode)、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどが例示でき、接着剤層に光反応を起こさせることができるもので構成されていれば、紫外線に限らず赤外線、自然光、マイクロ波等、他の光を照射可能なものであってよい。
さらに、光反応としては、光によって軟化する反応、光によって昇温、降温する反応、光によって接着力が増す反応等の他の反応であってもよい。
また、レンズ33を設けずに、光源32から発光された拡散光をそのまま接着剤層ADに照射してもよい。
さらに、検出手段4を設けなくてもよいし、検出手段4を1個だけ設け、当該1個の検出手段4で検出した接着剤層ADの位置がライン光LLの焦点位置と一致したときに、接着剤層AD全域の位置がライン光LLの焦点位置と一致したと見なしてもよい。
また、集光手段は、光源32の下方に配置した凹面鏡や反射板等であってよい。
【0026】
さらに、本発明における接着シートASおよび被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態に限定されることはなく、感熱接着性のものが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜な加熱手段を設ければよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等の半導体ウェハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0027】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、密閉空間形成手段は、被着体の外縁からはみ出た接着シート領域を介して一体物を支持するとともに、当該接着シートを含んで外気から遮断された密閉空間を形成可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0028】
1…光照射装置
2…密閉空間形成手段
3…発光手段
5…位置決め手段
33…レンズ(集光手段)
AD…接着剤層
AS…接着シート
LL…ライン光
SP1、SP2…第1、第2密閉空間
WF…ウェハ(被着体)
WK…一体物
図1